都道府県市区町村
落書き帳

トップ > 落書き帳 >

メンバー紹介

>
okiさんの記事が5件見つかりました

… スポンサーリンク …


記事番号記事日付記事タイトル・発言者
[77557]2011年1月30日
oki
[77486]2011年1月19日
oki
[77128]2010年12月28日
oki
[77123]2010年12月27日
oki
[77115]2010年12月26日
oki

[77557] 2011年 1月 30日(日)17:19:44oki さん
さらに、小字について
[77547] 千本桜 さん
なぜ「大字が分解されてかつての小字が市町村の直下に組み込まれると小字が大字扱いになってしまう」と考えておられるのか不思議でした。
私の記述が舌足らずであったため、誤解を招いてしまったようです。
正確に表現すると、「小字が大字扱いになってしまう」ではなく、[77486]の表で「大字」としてある地域のうちには、大字が分解された小字も含まれる、とすべきでした。小字が大字になったと考えているわけではありません。
[77486]で意図したのは、小字起番の地域が地理的に極端に偏っていること、したがって、mapionなどのネット上の地図で検索する場合も、抽出される小字地名が特定の県に偏在すること、を示すことでした。その点さえ理解してもらえばいいので、データの詳細な正確性にはこだわっていませんでした。
資料として郵便番号簿を使ったのは、小字起番の地域を簡単に抽出できる資料がそれしかないからで、このデータに、千本桜 さんがご指摘されたような欠陥があることは承知の上です。
ただ、[77486]で私が使った「大字」という用語は、明らかに誤解を招く表現です。正確には「市区町村の直下の地域区分」であり、それには近世村に由来する大字のほか、城下町等の町に由来する町、明治以降に新たにつくられた町、そして大字が分解された結果市区町村の直下に位置することになった小字、などが含まれています。
スペースが限られる表頭部分に、「市区町村の直下の地域区分」などという長たらしい表示をしたくなかったので単純に「大字」と表現したのですが、以上の説明を丁寧にしておくべきでした。誤解を与えてしまい申し訳ありません。

宮城県の大字数が2848個というのは納得できません。この数字は大字の他に住居表示実施で発生した町と多数の小字を含んでいるはずです。
住居表示された丁目地名は小字起番があり得ないので除去しているとのことですが、丁目がない住居表示済みの町も同様に扱うべきだと思います。
これも、千本桜 さんの意見は正論です。
ただ、「住居表示された丁目地名」は、郵便番号簿から簡単に分かるのですが、「丁目がない住居表示済みの町」を機械的操作によって知る方法はありません。つまり、その地域区分が「丁目がない住居表示済みの町」であるかどうかを確認するためには、10万件近い地名について、その住居表示適用の有無をチェックする必要があります。それには相当の手間と時間がかかるはずで、[77486]でお示ししたデータについては、そこまでの時間を費やしていません。
また、「大字」として示した中に多数の「小字」が含まれるのは先にも示したとおりですが、これも機械的に判別する方法がなく、いちいち確認する必要があります。徳島県内や宮城県の一部については事前に知っていたのですが、東北地方の他の県などの実情はよく分かりません。で、詳しくは調べずに、「大字が分解された小字の存在を考慮すると、小字起番率はさらに高まる」という注釈を入れておいたのですが、こちらも誤解を招いたようです。

今後は、できるだけ誤解を招かない表現、説明をするようにいたしますので、ご容赦ください。

-----------------------------------------------------------------------------------
と言うだけでは言い訳ばかりになってしまうので、大字・小字に関係する別のデータをご紹介しておきます。
基礎とした資料は「数値地図25000(地名・公共施設)」です。これは、25000分の1地形図(全部で4000枚以上あるはずですが)に記載されている地名等の注記約47万件のデータベースです。上記のサイトによると、2002年4月刊行の世界測地系に基づく版もあるようですが、私が持っているのは2000年1月発行の日本測地系版です(定価で買うと7500円なのですが、ヤフオクで1000円で入手しました)。当然、2000年もしくはそれ以前のデータです。
このデータでは、約47万件の注記のうち居住地名が約30万件あり、それが次の3つに区分されています。
・総称する名称~580件
・包括する名称(大字及び住居表示)~141,574件
・個々の名称(字及び通称)~153,025件

とりあえず、「総称する名称」は無視し、「大字及び住居表示」と「字及び通称」の件数を都府県別に集計したのが次の表です。

大字及び住居表示字及び通称「字及び通称」比率
03岩手県1771769394640.81
45宮崎県1150397251220.78
07福島県300910342133510.77
37香川県885271435990.75
46鹿児島県1828542872560.75
32島根県1496413356290.73
36徳島県963263535980.73
05秋田県1707456962760.73
44大分県1929498569140.72
20長野県2362580681680.71
41佐賀県979235933380.71
35山口県1955461965740.70
04宮城県2445575281970.70
33岡山県2916676796830.70
43熊本県2342536377050.70
39高知県1810327650860.64
38愛媛県2138382159590.64
10群馬県1937328852250.63
34広島県3479555990380.62
09栃木県2377372861050.61
42長崎県2022289249140.59
08茨城県3654513587890.58
02青森県1995263446290.57
06山形県2245293251770.57
19山梨県1138148026180.57
21岐阜県2759316059190.53
30和歌山県1576175533310.53
40福岡県4963464796100.48
22静岡県3521321967400.48
31鳥取県1483123427170.45
24三重県2745227850230.45
12千葉県5392388192730.42
47沖縄県97067916490.41
11埼玉県4857312779840.39
26京都府181686126770.32
15新潟県5360224376030.30
01北海道130915549186400.30
14神奈川県4092145555470.26
23愛知県7188248096680.26
17石川県222564328680.22
29奈良県215962327820.22
28兵庫県7778172595030.18
25滋賀県201436523790.15
13東京都508452956130.09
18福井県222820624340.08
16富山県259123228230.08
27大阪府715025274020.03
上記計1318331525412843740.54
(「字及び通称」比率=「字及び通称」/(「大字及び住居表示+「字及び通称」))

「大字及び住居表示」には、大字地名のほか○○×丁目などが個別に、つまり○○1~5丁目は5つの地名として、含まれています。一方、「字及び通称」は大字の下位地名で、小字のほかいわゆる「通称」と称するものが含まれています。大字起番地域では大半が通称ですが、小字起番地域でも、通称が記載されている場合があると思われます。
また、このデータには重大な欠陥があります。25000分の1地形図の注記をそのままデータ化したものなので、地形図の端に位置する地名は、複数の地名図にまたがって記載されます。最大で4つの地形図に記載され、4回カウントされている地名があります。このような地名がどのくらいの割合にのぼるかはよく分かりません(スクリプトを書いて重複データを除去することは、ある程度まで可能ですが、そこまでやっていません)。
以上のような性格のデータだということを念頭に置いて見ていただきたいのですが、全国には大字等の地名が約13万件、小字・通称が15万件程度あることが分かります(先の欠陥のため、実際の地名数はこれより少なくなります)。
また、「字及び通称」比率が高い県には、小字起番地域である東北各県や徳島県のほかに、九州各県や香川県、島根県などがあがっています。一方、「字及び通称」比率が低い地域として、住居表示実施率の高い東京、大阪などの大都市があがっているのは当然として、福井、石川、富山の北陸各県、および奈良、兵庫、滋賀県といったかつての畿内近国地域が目につきます。
どうしてそのような結果になるかについては、地域による近世村の構造の違いが影響していると考えられ、仮説も持っているのですが、その紹介は今後の書き込みで行いたいと思います。

夕方になったから、今日の夕食の「おでん」を作らないといけないのですよ。
[77486] 2011年 1月 19日(水)16:36:54oki さん
再び、小字について
遅くなりましたが、今年もよろしくお願いいたします。

[77484] hmt さん
[77481]のリストを見ると、愛知県など特定の地域に 字名らしきハサマが目立ちますが、同様に 多数の字名を抱えている市町村があるとすると、日本中の地名の数は 驚くべきものになりそうです。

「大和地名大辞典」では、奈良県における小字地名の数が10万ほどだった、と言うのを読んだことがあります。北海道と沖縄を除く45都府県に同程度の小字があるとすると、全国の地名の数は450万ほど、と言うことになります。
こちらの「小字データベース」を見ても、奈良平野が条里制に由来する方形の小字で埋め尽くされていることが分かります。

ただし、これらの小字の多くは、現在のネット上の地図では検索できないと思います。前にも[74206]で触れたことがありますが、ネット上の地図では、小字単位で番地が設定されている(小字起番)地域の小字は検索されますが、大字起番地域の小字は検索できないからです。たとえば、先の小字データベースでは、御所市蛇穴に垣内、車ノ本など数十の小字があることが分かりますが、Mapionの住所一覧検索には御所市蛇穴について4~750番地が記載されているだけで、小字は一切ありません。もちろん、御所市蛇穴字垣内で検索しても出てこないし、地図上に表示されることもありません
一方、[77423] 油天神山 さん の「一宮市千秋町佐野工高前」は小字起番の小字なので(1~69番地があるようです)、検索できるし、地図上にも表示されます。
また、[77481] 油天神山 さん 「豊田市大蔵町(柳ハザマ)」は、4番地と12番地しかないようで、検索はできるものの地図表示はされません。

では、小字起番の地域はどのように分布しているのか。
日本郵便は、ほぼ毎月、全国の郵便番号簿を改定しており、ネット上からダウンロードできます。この郵便番号簿には、「小字毎に番地が起番」という欄があり、これをチェックすることで、全国の大字地域について、それが小字起番かどうかを確認することができます。昨年の2月くらいに、これを使って小字起番地域の分布を調べた結果が以下の表です。

都道府県名大字数小字起番小字起番率
青森県2244112049.9
秋田県206499348.1
福島県3711170045.8
山形県167964838.6
岩手県175960934.6
徳島県131940230.5
愛知県4699127727.2
宮城県284877327.1
石川県230029212.7
京都府65754747.2
兵庫県41261132.7
静岡県2597501.9
三重県2276421.8
岐阜県2356361.5
島根県1153151.3
熊本県169170.4
長野県149250.3
山口県62220.3
群馬県141040.3
香川県144840.3
新潟県161340.2
富山県478480.2
広島県308050.2
鳥取県131420.2
大阪府67610.1
奈良県164820.1
滋賀県162810.1
栃木県170610.1
宮崎県177810.1
北海道251510
千葉県542620
茨城県289610
福岡県168400
埼玉県130200
福井県200900
岡山県147200
長崎県200800
大分県71600
高知県159700
愛媛県81600
和歌山県218400
鹿児島県87900
神奈川県136200
山梨県178100
佐賀県59600
沖縄県227300
東京都146700
合計9957985958.6

以上で、大字とは市町村の直下にある地名で、多くの場合江戸時代の近世村ですが、そうでない場合もあります(住居表示された丁目地名やビル名は、小字起番があり得ないので除去してあります)。
全国で約10万の大字地名があるうち、小字起番なのは8595で8.6%です。地理的分布はきわめて偏っており、青森、秋田、福島県では半数の大字が小字起番で、ほかの東北各県も高率、徳島、愛知、石川各県も10%を越えています。
しかし、小字起番が多い県は少なく、1%未満が熊本など30県以上、北海道以下の18県は小字起番の大字が皆無です。
なお、徳島や宮城は小字起番の割合が30%程度になっていますが、これらの県では大字が分解されてかつての小字が市町村の直下に組み込まれる事例が少なくなく、この場合は小字が大字扱いになってしまいます。これを本来の小字と考えると、小字起番の比率はさらに高まります(他の県でも同様の事例があるかもしれませんが確認していません)。

いずれにせよ、現在のネット上の地図で検索される小字は、上に示した県に所在するものに偏ってしまうと思われます。地名コレクションで収集する地名にこのような偏在を許容するかどうかは、検討した方がよいかもしれません。
現実問題として、大字起番地域にどのような小字地名があるのかを調べるのは、非常に難しいことだとは思いますが。
[77128] 2010年 12月 28日(火)09:39:02oki さん
延長18回
[77120]ペーロケ さん
最後に、坂東英二って名古屋ではヒーローなんですね~(笑)。ローカル番組にかなりの頻度でお見かけしました。

板東英二氏は、今では(お笑い系)タレントと見られているみたいで、中日ドラゴンズの投手であった時代を知る人も少なくなったようです。しかし徳島県民には、甲子園で大活躍した徳島商業のエース、というイメージを持ち続けている人が今でも少なからずいます。魚津高の村椿投手を相手に18回を投げ抜き、翌日の再試合に完投勝利したのは、1958年の甲子園大会準々決勝、もう半世紀も前のことなのですけどね。

[77125] 伊豆之国 さん
この「バンドウ」という苗字。英二氏の故郷・徳島県に非常に多いのですが、私が以前([65687])で書き込んだように
両者の分布は(中略)お互いに入り混じっているようです
分布地域はいずれも吉野川下流地域を中心としているのですが、お互いに重なり合っており、隣同士の市町村でも分布が逆だったりして、混乱してしまいそうです
という状況で、徳島県民でも取り違えが多そうな気がするのですが‥。

「板東」の名字は、もちろん地名がもとになっています。鎌倉時代中期以降、板野郡は板東、板西の両郡に分かれており、その状態は江戸時代初めに再統一されるまで続きました。この板東、板西の郡名が、名字として広まったのだと思います。
伊豆之国 さん が「分布地域はいずれも吉野川下流地域を中心としているのですが」と仰っている吉野川下流地域が、まさしく板野郡です(言うまでもありませんが、鳴門市も旧板野郡です。というより、鳴門市周辺がかつての板東郡)。
ただし、板東郡の時代から坂東と混用しており、「坂」東郡と書かれた史料もたくさんあります。関東を表す「坂東」の語がポピュラーであったため、そちらに引きずられたのでしょう。江戸時代以前はこの種の混用に寛容ですからね。鎌倉時代の阿波守護が、東国出身の小笠原氏だったことも影響したかもしれません。
地名自体が板東と坂東で揺れていたわけで、それが名字にも影響して、「板」東さんと「坂」東さんの両方が存在する現状につながっているのだと思います。

私の同級生には板東くんしかいませんでしたが、坂東くんも同時にいれば、やはり混乱したでしょうね。
[77123] 2010年 12月 27日(月)19:11:18oki さん
西高東低のアーケード
[77120]ペーロケ さん
[77121] Issie さん

[77122] hiroroじゃけぇ さん
都心のアーケード商店街といえば、高松や岡山、倉敷もあてはまります。小さな児島でさえアーケードがあるのですから、当然大都市にはあるものだと思っていました。京都や大阪もしかり、草津もある。徳島や宮崎も記憶に残っています。

こちらのサイトに、「都市のアーケードの成立発展過程」、「アーケードの原型としての『日覆い』の成立発展過程」というページがあり、その中にアーケードに関する論文がいくつかあります。
それらを見ていると、アーケードの分布は西高東低の傾向が非常に強いようです。その要因として、西日本、特に瀬戸内海沿岸地域は夏の日照時間が長いため、商品を日焼けから守る目的で日覆いが必須だったことがあげられています。また、古くから商業集積が進んでいた反面として道路幅が狭いため、道路両側の商店が協力して道路全体を覆う天蓋型の日覆いも、早い段階(遅くとも明治期)からあったとのことです。
西日本各地には、その発展形としての天蓋型アーケードが普及し、大阪の心斎橋筋や難波、神戸三宮、岡山表町、徳島東新町など、地域の代表的商業集積として必ずアーケード型商店街が存在する、という現状につながっているようです(済みません、広島本通は有名なアーケード通りのようですが、行ったことがないので)。
一方、東日本では道路幅の広さから、Issie さんの言及された歩道上のみに設置する雁木型の片側式アーケードが主体だったようです。

さらに、戦後の一時期、アーケードが商店街近代化の切り札的な存在だった時代があり、商店街のイメージアップと一体感醸成のために盛んに設置されました。これにより、東日本の大都市郊外にも西日本型の天蓋型アーケードが普及したようです。中野、吉祥寺といった中央線沿線が典型で、私の居住地近くでは新小岩にもあります。

銀座の場合、道路幅は広いし、日本を代表する商業地でイメージアップの必要などなかったため、アーケード設置の必然性がまったくなかったのでしょうね。名古屋の場合も、アーケードに関しては東日本型に属し、中心部には設けられなかったのでしょう。対して、総曲輪などがある北陸は西日本型に分類されるようです。
[77115] 2010年 12月 26日(日)21:19:33oki さん
泣くは因幡の
[77114] 伊豆之国 さん 
「兎」の付く駅もただ一つ。山形鉄道・フラワー長井線の、その名も「白兎(しろうさぎ)」駅(山形県長井市白兎)。「旧高旧領取調帳」「天保郷帳」に「置賜郡白兎村」として出ているので([77085]YTさん)、少なくとも江戸時代から続く由緒ある地名でしょうが、由来が気になるところです。

大永2年(1521)の伊達氏の書状に「下長井之庄白菟郷之内」とあるのが史料上の初見のようです。当然、それ以前から存在した地域名のはずで、遅くとも15世紀中に成立していたのではないでしょうか。
角川の地名辞典によると、永禄9年(1566)の史料に「彼地、白兎もあつかひ候ニ付而」とあり、白兎を飼って毛皮を領主に献上するのが当郷のつとめであった、とのことです。まさしく、白ウサギと直接関係のある地名ということになります。もっとも、毛皮にされる兔にとっては、うれしくも何ともないでしょうが。
因幡のアレもそうですが、白兎というのは皮を剥がれる運命にあるのでしょうか。

ところで、「旧高旧領取調帳」による白兎村の石高は1,682石、対して「天保郷帳」では956石であり、米沢藩では明らかな二重帳簿を作成していたようです。


… スポンサーリンク …


都道府県市区町村
落書き帳

パソコン表示スマホ表示