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YTさんの記事が50件見つかりました

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記事番号記事日付記事タイトル・発言者
[109336]2023年11月30日
YT
[109325]2023年11月27日
YT
[109321]2023年11月25日
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[109314]2023年11月21日
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[109309]2023年11月21日
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[109306]2023年11月20日
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[109305]2023年11月20日
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[109298]2023年11月19日
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[109279]2023年11月15日
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[109261]2023年11月12日
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[109255]2023年11月11日
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[109253]2023年11月11日
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[109252]2023年11月11日
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[109243]2023年11月7日
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[109241]2023年11月7日
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[109233]2023年11月2日
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[109229]2023年11月1日
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[109221]2023年10月30日
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[109219]2023年10月30日
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[109215]2023年10月29日
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[107981]2023年6月11日
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[107732]2023年4月26日
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[107714]2023年4月25日
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[107713]2023年4月25日
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[107687]2023年4月23日
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[107648]2023年4月18日
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[107199]2023年4月1日
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[107191]2023年3月31日
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[107174]2023年3月30日
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[107168]2023年3月29日
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[107127]2023年3月21日
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[107114]2023年3月20日
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[107077]2023年3月14日
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[107055]2023年3月9日
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[107050]2023年3月8日
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[107046]2023年3月7日
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[107045]2023年3月7日
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[107044]2023年3月7日
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[107043]2023年3月7日
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[107039]2023年3月6日
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[106124]2022年11月16日
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[105943]2022年10月13日
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[105314]2022年8月20日
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[105313]2022年8月19日
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[105305]2022年8月18日
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[105242]2022年8月6日
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[105165]2022年7月30日
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[104913]2022年7月8日
YT
[104836]2022年6月17日
YT
[104158]2022年4月16日
YT

[109336] 2023年 11月 30日(木)16:04:42【5】訂正年月日
【1】2023年 11月 30日(木)16:15:58
【2】2023年 11月 30日(木)16:44:44
【3】2023年 11月 30日(木)16:52:19
【4】2023年 11月 30日(木)18:25:40
【5】2023年 11月 30日(木)19:40:57
YT さん
重要な参考文献『新版 日本の島事典』、中海の大根島・江島の扱い、様々な追加修正点の存在について
[109326] オーナーグリグリさん

なお、現在のページ構成の改善点があればご提案ください。備考情報の具体化、人口年追加など、表の横幅の制限はありますが、注記のポップアップや項目の開閉などの機能も組み込めると思いますので、何かご要望があればおっしゃってみてください。

表の項目の内、現状では「地域名」の編集方針が定まっていないので、削除してしまっても構わないかも知れません。それよりも、市区町村の「※注」の方の内容をすべて後から検証できるように具体的な範囲が分かるよう拡充し(要するに[109252]の表の「市区町村(小地域区分)」の項目の内容で、入力作業は自分でもできます)、推計人口の算出や面積の出典等の情報に関しては、「島名」の項目(または「備考」という別項目を作って)に別の「※注」を放り込んだ方が良いかも知れません。


それはさておき、今になって長嶋俊介、渡辺幸重著『新版 日本の島事典』(2022年出版)という重要な参考文献が存在することを見落としていたことに気付きました。本書を閲覧した結果、結構細かい追加修正が必要なことが分かりました。


まず、国土地理院が日本の島の数を14,125と数えて発表したのは、2023年2月28日14時00分のことで、かなり最近のことです。国土地理院の日本の島の数によると、滋賀県が0となっているので、琵琶湖の沖島は含まれていません。また長崎空港は島と見做されるが、横浜市の八景島は独立した島と見做されていません(本当はそれよりも左下に少し見えている「野島」がどいう扱いになっているのかが知りたいのですが・・・)。ただ、肝心の島のリストは公表されていないようです。まあまもなく始まる基盤地図情報(数値標高モデル)1mメッシュ(標高)の提供開始にわくわくしている人もいるかも知れませんが。その際に島区分みたいなのが公表されるのでしょうか?

そして今週になって自分が新たに存在することに気付いた重要な文献、長嶋俊介、渡辺幸重著『新版 日本の島事典』(2022年出版)ですが、定価7万円とちょっとお高いので、図書館で閲覧しました。こちらの本は別の記事でも紹介されていますが、日本の島の数を15,528島とカウントしています。

答えは6852島(本州など5島を引いて6847島)。1987年、海上保安庁が最大縮尺海図と陸図(縮尺1 / 2.5万)を用いて満潮高水位1㍍・周囲100㍍以上を基準にカウントしたこの数字がこれまで、「日本の島の数」として公式発表されてきた。だが近年、EEZの基点としての離島の重要性が従来に増して高まるなか、島研究者からはこの数に関して疑問の声が上がっている。中国の強引な海洋進出などを受け、日本政府は2010年頃から国境無人離島の振興と保護・保全に積極的に動きはじめ、日本がそれらの島を領有していることを国際社会に明示するための第一歩として「名称付与」に乗り出した。そのなかで、これまで「岩」「瀬」「礁」などと呼ばれてきたものが数多く「島」とみなされることになったのだ。にもかかわらず、公式発表されている島数は依然として6852島のまま。もっとあるはずだ。調べてみると、満潮時にも水面上にある日本の「島」の数はナント1万5528島。まさに大小無数の島から成る島嶼国家、この新事実を見出したのは日本島嶼学会参与の長嶋俊介氏と屋久島(鹿児島県)生まれのジャーナリストである渡辺幸重氏、そして全国の島研究者たち。その成果が今年12月2日発行の『新版日本の島事典』(発行:三交社)に集大成されている。この出版を機に島嶼国家・日本の輪郭を明らかにしていくべきではないか。

ritokeiこと離島経済新聞でも2022年10月21年付けでこの本が紹介されていました。

おそらく国土地理院の2023年2月の島の集計のやり直しは、この本が2022年末に出版されたからだと思います。両者で微妙に数字が異なり、『新版 日本の島事典』の数字は決して公的機関の数字ではありあませんが、『新版 日本の島事典』は現時点で入手可能な最新の文献であり、SHIMADASよりもデータが更新されているであろう『新版 日本の島事典』の情報をもとに、改めて検証が必要と考えました。

で、閲覧した結果、こちらの本では本サイトで後から追加した島、例えば佐賀県藤津郡太良町の竹崎島([109321]参照)、宮崎県宮崎市の青島([109233]参照)などを自然島として扱っていました。残念ながら人口は2015年国勢調査ベースなので、結局国勢調査報告書に立ち返って人口を検証する必要があります。

また、自分にとって目から鱗であったのが、滋賀県琵琶湖の沖島のみならず、島根県中海の大根島、江島を島として扱っていなかったことです。そうです。国土地理院は中海を湖として扱ってリストアップしている以上、大根島、江島も国土地理院の定義では独立した島ではなく、本州の一部であるはずなのです。この辺、国土地理院公表の面積調でも沖島、大根島・江島の島面積がリストされている時点で色々矛盾・混乱がありますが、少なくとも沖島、大根島、江島の有人島としての人口の情報は残すとしても、本州の人口・面積の一部として含まれているという扱いにするのが正しいことになります(現行の表では沖島だけ含んでいる)。

ただそれ以外にも『新版 日本の島事典』の方で独立した自然島として扱っている有人島が色々見つかりました。例えば横浜市金沢区の野島は、SHIMADASによると、もともと本土と砂洲で繋がっていたが、水路を後から掘ったとの記述がありましたが、『新版 日本の島事典』では独立した島として扱かっています(2020年国勢調査人口2,446人)。また島根県浜田市の瀬戸ヶ島(2020年国勢調査人口198人)、広島県南区の宇品島(2020年国勢調査人口1,801人)などが有人島として追加で扱われていました。さらに陸繋島の情報を色々調べたところ、沖縄県名護市の奥武島(奥武島はほかにもありますが、これは屋我地島と沖縄本土を結ぶ島)が国勢調査で有人(2020年国勢調査人口29人)であること、熊本県の天草上島と上天草市の桶島を結ぶ椚島が国勢調査で有人(2020年国勢調査人口3人)であること、熊本県天草市の前島(御所浦島の陸繋島)が、SHIMADASによると2019年8月31日住基人口2人で有人であること(基本単位区では分離不能)、長崎県五島市の前小島(福江島の陸繋島)が、SHIMADASによると2015年2月10日住基人口8人で有人であること(基本単位区では分離不能)等々、色々要修正点が見つかりました。現時点で陸繋島のどこまでを島とみなすかは、結局のところ恣意的なものに感じます。将来的に国土地理院が「島」のリストを公表してくれれば、それに準拠するべきだと思いますが、現状ではSHIMADAS(2019年)、新版 日本の島事典(2022年)、離島統計年報、ritokeiなどを参考文献に挙げ、その上で明白にコンクリート等で水路を埋め立ててしまっているケース(北海道檜山郡江差町の鴎島([109233]参照)など)を除き、独立した島として見做すぐらいに落とし込むしかないと思います。

以上のほか、2020年国勢調査人口として福岡園福岡市西区の能古島(661人)が間違っていました(誤って「合算地域あり」の2人多い数字を用いてしまった)。またritokeiの情報により長崎県西彼杵郡時津町の前島(2020年国勢調査人口5人)、長崎県諫早市の鹿島(2020年国勢調査人口7人)の人口が確定し、長崎県西海市の南串島(2020年9月30日住基人口87人)と竹ノ島(2020年9月30日住基人口3人)の推計人口やリ直しのための情報が揃いました。

というわけで10島を超える島について、追加・要修正点が見つかりましたが、まだ全国をチェックし終わっていないし、これを整理するのにも時間がかかりますので、しばらくお待ちください。
[109325] 2023年 11月 27日(月)00:32:31【4】訂正年月日
【1】2023年 11月 27日(月)09:53:40
【2】2023年 11月 27日(月)11:46:20
【3】2023年 11月 28日(火)04:17:03
【4】2023年 11月 28日(火)04:20:51
YT さん
有人島の数の検証追記、徳島県の小勝島、静岡県の弁天島
[109322] オーナー グリグリさん

同意していただけるのであれば、編集システムの作成に取り掛かります。ご検討をよろしくお願いいたします。

おそらく今後も細かい修正があるかと思いますので、ご協力させていただきます。

[109323] オーナー グリグリさん

こちらの情報について日本の有人島一覧に追加更新しました。ご確認ください。よろしくお願いいたします。

ありがとうございます。

【有人島の数の検証の続き】

前回 [109321]で、

よって国土地理院の数(416島+5島=421島)と比べると、1島だけ余計にリストアップしてしまっていることになります。これが何か・・・と問われると、おそらくritokeiの有人離島一覧に唯一掲載されていなかった島、宮崎県宮崎市の青島([109233]参照)のことだと思われます

と、不正確なことを書いてしました。正確には、ritokeiの有人離島一覧に掲載されていない島としては、広島県大竹市の猪子島、山口県周南市の黒髪島・仙島、徳島県鳴門市の高島、宮崎県宮崎市の青島、島尻郡渡嘉敷村のナガンヌ島が該当します。このほか沖縄県八重山郡竹富町の外離島は2015年以降無人しており([109309]参照)、逆に[109313] で削除しています。ナガンヌ島は国勢調査・住民基本台帳人口ともに2020年には無人化、猪子島は離島統計年報では阿多田島の陸繋島扱いしているので、残るは高島、青島、および[109321]の計算ではじめから除外していた黒髪島・仙島です(とはいえ22021離島統計年報の方では『〔附表〕法律指定外離島の概要』に、国勢調査人口では2020年に無人化している中ノ島、黒島、黄島と共に収録されている([109309] [19314]参照))。というわけで、青島と高島の2つの島が、余計に追加してしまった島ということになりますが、そうなると国土地理院の数字の方が逆に1島多くなってしまいます。

結局のところ根拠はないのですが、2020年の国勢調査上では無人化していることになっている中ノ島にはがっつりホテル従業員がいるはずであるので、これを島としてカウントしているのではないのでしょうか?

ところでwikipediaのTemplate:日本の指定離島で、「指定外の有人島」の「架橋により本土・沖縄本島と陸続となった有人島」の内、神奈川県横須賀市の天神島、静岡県浜松市西区・湖西市の弁天島、徳島県阿南市の小勝島、佐賀県藤津郡太良町の竹崎島などについてこれまで調べていなかったことに気付きました。

今回[109321]で検証した天神島、竹崎島以外の2島(徳島県の小勝島、静岡県の弁天島)についての追加情報をまとめます。

【小勝島】

令和2年国勢調査基本単位区境界データでは、該当する島は徳島県阿南市橘町袴傍示の一部(基本単位区0090-00470の一部)であり、陸地側の人口・面積を含んでしまっているため、役にたちません。ただSHIMADAS(2019)によると、小勝島は「橘湾最大の無人島」で、こちらは有人島の可能性としては無視してよさそうです。小勝島は戦時中に日本海軍の特攻隊専用の飛行場が作られた歴史を持つ島で、戦後しばらくして無人化し、今では島内には火力発電所などの工場があります。よって昼間人口は無人ではないでしょうし、夜勤もありえるという意味では無人ではありませんが(国勢調査当初用いられた「現在人口」であれば有人)、道で外と繋がっているので従業員も島の外から車で容易に通えるので、そこに今なお人が居住している可能性はゼロです。

都道府県市区町村
(小地域区分)
人口
(2020年)
人口
(2015年)
人口
(2010年)
島面積
(km2)
備考
徳島県阿南市
(橘町袴傍示の一部(基本単位区0090-00470の一部)
1720240.57面積出典:SHIMADAS(2019)、なお左記の人口は四国本土側(袴傍示地区)の人口で、小勝島自体は常住人口0と推測される

【弁天島】

ここは戦国時代の大地震の津波の影響で、浜名湖が汽水湖になった際に出来た島といわれています。湖の中の島、というか中州です。また近世以降度重なる埋め立てにより人工島化しており、国土地理院の定義する島から逸脱するものですが、一応データをまとめます。

まず弁天島は単独の島ではありません。

弁天島(浜松市西区):JR弁天島駅が存在する、元来メインとなる島です。
日出島(西野島浦)(浜松市西区):弁天島の北西側にある島です。
蓬莱園(浜松市西区):弁天島の北東側に昭和7年に築かれた人工島で、日出島(西野島浦)とは水路を隔てています。
千鳥園(浜松市西区):日出島と蓬莱園の北側に昭和7年に築かれた人工島です。
渚園(浜松市西区):観月園のさらに北側に昭和22年に、当初は塩田として築かれた人工島です。
新弁天(湖西市):弁天島の西側の島です。
乙女園(浜松市西区):新弁天の北側に昭和7年に築かれた人工島です。なお新弁天と乙女園は元は分離していましたが、現在では両者は完全に埋め立てられて同一の島です、以下の表ではそれでもあえて分けて集計します。
観月園(浜松市西区):乙女園の北側に昭和7年に築かれた人工島です。
中ノ島(湖島)(浜松市西区):千鳥園、観月園をつなぐ小さな人工島ですが(ホテルなどが存在)、国勢調査の基本単位区としては、千鳥園の一部を組み込んでしまっていて分離できないので、以下の表では十鳥園とまとめて掲載します。

以下に弁天島の構成島の情報をまとめます(ただし新弁天と乙女園は現在では埋め立てられていて同一の島となっている)。なお面積の情報は、令和2年国勢調査基本単位区境界データによりますが、一部境界データは湖水面を含んでおり、実際の島の面積はこれよりもやや小さいものとなります。弁天島の総面積自体を色々調べましたが、SHIMADASにも載っていません。島の散歩では3 km2となっていますが、これも令和2年国勢調査基本単位区境界データと比べると過大な数字であるということになります。令和2年国勢調査基本単位区境界データだと弁天島の面積は1.50 km2ですが、これには各島同士の間の水路のほか、弁天島東側の水路の半分も含んでおり、目測ですが、おそらく実際の弁天島の陸地面積は合計で1.2 km2前後になると思います。【追記:浜松市の統計情報の町・字別面積(平成22年3月16日公表版)によると浜松市内の弁天島が0.8330 km2で、これに湖西市新弁天の令和2年国勢調査基本単位区境界データ(こちらは面積に湖面を含んでいない)の0.190774106 km2を合算すると合計1.02 km2となります。】また市区名、大字・町名、字・丁目名、基本単位区番号はあくまでも令和2年国勢調査で用いられているものです。

島名市区名大字・町名字・丁目名基本単位区番号人口
(2020年)
人口
(2015年)
人口
(2010年)
面積
(km2)
弁天島浜松市西区舞阪町弁天島一弁0370-05130~051704534394630.141633836
日出島浜松市西区舞阪町弁天島一弁0370-05050~051106155866300.195860712
蓬莱園浜松市西区舞阪町弁天島一弁0370-05010~05040,
0370-05120
2192322690.147917282
千鳥園
(中ノ島を含む)
浜松市西区舞阪町弁天島ニ弁0370-06060~061305415846430.160931594
渚園浜松市西区舞阪町弁天島ニ弁0370-060500000.321147533
観月園浜松市西区舞阪町弁天島ニ弁0370-06010~060405375514920.102079301
乙女園浜松市西区舞阪町弁天島ニ弁0370-06140~061825345666100.239746578
新弁天湖西市新居町新居新弁天0410-16010~160301181091250.190774106
弁天島総計3,0173,0673,2321.500090942

というわけで、今回は特に人口等の修正はありません。
[109321] 2023年 11月 25日(土)12:47:22【2】訂正年月日
【1】2023年 11月 25日(土)12:52:52
【2】2023年 11月 25日(土)15:27:05
YT さん
有人島の数の検証、竹ケ島(徳島県)の人口の訂正、天神島(神奈川県)、竹崎島(佐賀県)の追加
[109317] オーナーグリグリさん

有人島一覧はこの辺りでひと段落ということにしましょうか。また、新しい情報が見つかれば更新します。では、今後ともよろしくお願いいたします。

すみません。早速ですが、追加情報と訂正情報があります。

まず、有人島の数の検証ですが、国土交通省の資料『日本の島嶼の構成』によると、

我が国は14,125の島嶼により構成され、本州、北海道、四国、九州、沖縄本島を除く14,120島が離島。このうち、離島振興法による離島振興対策実施地域に含まれる有人離島は256島。

とあり、図による解説が載っています。すなわち

階層島数
全島嶼14,125
A.本州、北海道、四国、九州、及び沖縄本島5
B.離島14,120
B.1 有人島※416
B.1.1 法対象305
B.1.1.1 離島振興法(昭和28年制定)256
B.1.1.2 他の法律49
B.1.1.2.1 沖縄振興特措法(平成14年制定)37
B.1.1.2.2 奄美群島振興開発特措法(昭和29年制定)8
B.1.1.2.3 小笠原諸島振興開発特措法(昭和44年制定)4
B.1.2 法対象外111
B.2 無人島13,705
※令和2年国勢調査結果に基づく有人離島の数を都道県に聞き取り、内水面離島である沖島(滋賀県)を含む。

すなわち、本州、北海道、四国、九州、及び沖縄本島を含め、令和2年国勢調査時には421の有人島が存在することになります。こちらとほぼ同じ内容が公益財団法人日本離島センターでも紹介されています。

現在本サイトの日本の有人島一覧の方では、2020年国勢調査時に1人以上の常住人口が存在する有人島は、熊本県上天草市の大矢野島と分離できなかった野牛島を含めて419島が登録されています。一方『2021離島統計年報』によると、[109309]で紹介したように、愛媛県今治市の比岐島、宮崎県日南市の大島、沖縄県島尻郡渡嘉敷村の前島の3島は、「令和2年国調では無人島であったが,令和2年4月1日現在の住民基本台帳では住民登録があったため,有人島とした」とあるので、これら3つの島を有人島としてカウントすると、合計で422島が登録されていることになります。

よって国土地理院の数(416島+5島=421島)と比べると、1島だけ余計にリストアップしてしまっていることになります。これが何か・・・と問われると、おそらくritokeiの有人離島一覧に唯一掲載されていなかった島、宮崎県宮崎市の青島([109233]参照)のことだと思われます。

ところでwikipediaのTemplate:日本の指定離島で、「指定外の有人島」の「架橋により本土・沖縄本島と陸続となった有人島」の内、神奈川県横須賀市の天神島、静岡県浜松市西区・湖西市の弁天島、徳島県阿南市の小勝島、佐賀県藤津郡太良町の竹崎島などについてこれまで調べていなかったことに気付きました。そこで調べたところ、少なくとも宮崎県宮崎市の青島を有人島として登録する限りは、神奈川県横須賀市の天神島、佐賀県藤津郡太良町の竹崎島の2島についても、追加で有人島として登録するべきではないかと考えるに至りました。さらにその面積を検証する過程で、徳島県海部郡海陽町の竹ケ島の人口に間違いがあった(四国本土側の人口を含んでいた)ことも判明しました。

以下要追加・要修正と現時点で考えている情報です。

島名都道府県市区町村
(小地域区分)
人口
(2020年)
人口
(2015年)
人口
(2010年)
面積
(km2)
備考
**天神島神奈川県横須賀市
(佐島三丁目の一部(基本単位区0990-03070))
81080.05面積出典:令和2年国勢調査基本単位区境界データ
**竹ケ島徳島県海部郡海陽町
(大字宍喰浦字竹ケ島の一部(基本単位区0220-00260の一部))
1351521730.402020年・2015年・2010年の人口は海部郡海陽町宍喰地区の人口(2020年2,430人・2015年2,737人・2010年3,109人)と住基人口比により推定、住基人口(2020年9月30日140人、宍戸地区推定2,513人)、面積出典:徳島県統計書(H17)
**竹崎島佐賀県藤津郡太良町
(竹崎)
5085516800.56面積出典:SHIMADAS(2019)

上の修正・追加に伴い、本州、四国、九州の人口も変わります。

島名都道府県人口
(2020年)
人口
(2015年)
人口
(2010年)
面積
(km2)
備考
***本州1都2府31県102,577,812102,978,562103,498,671227,939.72滋賀県近江八幡市の沖島を含む
***四国4県3,627,3623,769,0853,892,89718,297.37竹ヶ島(徳島県海部郡海陽町)・中ノ島・戸島(高知県須崎市)の人口推定処理の影響あり
***九州7県12,346,48312,546,12212,692,79236,782.38南串島・竹ノ島(長崎県西海市)・鹿島(長崎県諫早市)・前島(長崎県西彼杵郡時津町)の人口推定処理の影響あり

以下それぞれの島の追記事項です。

【竹崎島】佐賀県藤津郡太良町にあり、SHIMADAS(2019)によると、「対岸とほぼ接しているため、陸繋島と見なされることもある」そうですが、少なくとも砂洲でつながっているようには見えません。宮崎県の青島を独立した島とみなすのであれば、ここも独立した島とみなすべきでしょう。

【天神島】天神島は昭和40年に神奈川県の名勝・天然記念物指定を受けた島で、長さ5~6メートルの天神橋で本土と結ばれています。ここも自然島です。SHIMADAS(2019)によると周囲1kmですが、面積の情報はありません。島の散歩というサイトによると面積は0.01 km2ですが・・・周囲1キロの円であれば面積は0.08 km2 (≒π*(1/2π)^2)、正方形であれば面積は0.06 km2(≒1/16)になるはずであり、0.01 km2は狭すぎます。そこで今回は令和2年国勢調査基本単位区境界データのAREA(面積)の情報を引用しました。

実は横須賀市基本単位区0990-03070は、天神島のみならず笠島などを含みますが、この内笠島に関してはSHIMADASによると「上陸不可」とあるので、事実上天神島にのみ人口が住んでいます。令和2年国勢調査基本単位区境界データでは、横須賀市基本単位区0990-03070に関しては天神島、笠島、笠島北西側の小さい岩礁の3つの閉じた境界データが含まれており、AREA(面積)の内容は、それぞれ50696.505 m2、24945,415 m2、1322.228 m2となっています。ここから天神島の面積を0.05 km2としました。

なお、国勢調査の基本単位区境界データの面積の情報があるのなら、他の面積不詳の島も同様の手法で情報が得られるのでは?と思われるかも知れませんが、天神島の場合は境域が島の輪郭に近く設定されていただけであり、笠島の場合は南に2割ほど海域を余計に含んでいるようにみえるなど、しばしば基本区境界データは海域などを境域に含んでいるため、簡単には使用できず、極力国勢調査基本単位区境界データを面積のソースとしての使用は避けたい事情があります。

そこで他の関連する島々の面積を令和2年国勢調査基本単位区境界データで算出してみると以下の通りでした。

島名都道府県市区町村
(小地域区分)
面積1
(km2)
面積1出典面積2
(km2)
面積2出典備考
**粭島山口県周南市
((大字粭島(基本単位区1020-00010~00040))
0.50山口県統計年鑑(H19)0.440070788令和2年国勢調査
基本単位区境界データ
これに関しては令和2年国勢調査基本単位区境界データ(0.44 km2)を採用しても問題ないかも知れない。
**竹ケ島徳島県海部郡海陽町
((大字宍喰浦字竹ケ島の一部(基本単位区0220-00260の一部))
0.40徳島県統計書(H17)1.573021489令和2年国勢調査
基本単位区境界データ
令和2年国勢調査基本単位区境界データの面積は本土側(金目地区、古目地区など)の面積を含んでおり、実際の中ノ島の面積は、全体の1/3程度(0.5 km2前後)か?
*中ノ島高知県須崎市
((大谷の一部(基本単位区0350-00080の一部))
0.18高知県統計書(S61)0.452003404令和2年国勢調査
基本単位区境界データ
令和2年国勢調査
基本単位区境界データの面積は本土側(白浜地区、蜂ヶ尻地区など)の面積を含んでおり、実際の中ノ島の面積は、全体の1/3~1/4程度(0.11 km2前後)か?
*戸島高知県須崎市
((大谷の一部(基本単位区0350-00080の一部))
0.37高知県統計書(S61)0.26333293令和2年国勢調査
基本単位区境界データ
これに関しては令和2年国勢調査基本単位区境界データ(0.26 km2)を採用しても問題ないかも知れない。

粭島の面積は、閉鎖されたしまっぷ統合版(0.43 km2)とほぼ同じであり、もとも下一桁(0.5 km2)の数字しかなかった山口県統計年鑑よりも引用元として最適かも知れません。一方で、竹ケ島、中ノ島は、本土側の陸地を含んだ情報となっており、引用できません。中ノ島の面積の引用として高知県統計書を採用する限りは、戸島の面積の引用も高知県統計書を用いた方が良いでしょう。

【竹ケ島】さて、この面積の検証の過程でなんと徳島県海部郡海陽町の竹ヶ島の人口に問題があることが分かりました。海部郡海陽町の基本単位区0220-00260に字竹ケ島が与えられていたこと、SHIMADASなどでも字竹ケ島の人口が採用されていたこと(2015年214人)から、勝手に字竹ケ島=竹ケ島と判断しておりましたが、実際には四国本土側の金目地区、古目地区などにも集落がありました。

改めて国勢調査人口の変遷を見ると以下の通りです。ここに登場する字竹ケ島は、本土側を含んだ数字です。

地区人口
(2020年)
人口
(2015年)
人口
(2010年)
人口
(2005年)
人口
(2000年)
海部郡海陽町8,3589,28310,44611,50712,104
旧宍喰町2,4302,7373,1093,3763,553
字竹ケ島201214239271283

一方、ritokeiを見ると、2020年10月20日頃の記録では、平成22年国勢調査人口として240人を採用していましたが、その後、2021年1月以降は、正しい人口(ただし住民基本台帳人口)に修正しており、令和2年9月末の住民基本台帳人口は140人であるという情報が得られました。また2017年5月10日付の徳島新聞の記事「みこしの「浜入れ」中止 海陽・竹ケ島神社夏祭り」によると、

町住民人権課によると、4月末時点の竹ケ島の人口は148人。うち40歳未満は37人で島民の25%しかいない。島の人口は07年4月末の人口313人と比べると半分以下になっており、過疎化が進んでいる。

以上の新聞記事と、ritokeiで発掘できた情報を並べると以下の通りになります。なお上の新聞記事に登場する「07年4月末の人口313人」というのは、国勢調査における字竹ケ島の人口(2005年271人)すら大幅に上回っており、おそらく字竹ケ島全域の人口を間違えて持ってきてしまったのではないのか?という気もしますが、一応以下の表に載せておきます。

(開く)徳島県海部郡海陽町の竹ケ島の住民基本台帳人口の変遷

一方、学校のあり方検討委員会資料集など、海陽町の資料などから海部郡海陽町や宍喰地区(旧宍喰町)の住民基本台帳人口の変遷を抽出すると、以下の通りとなります。


(開く)徳島県海部郡海陽町と宍喰地区の住民基本台帳人口の変遷


宍喰地区の2019年3月末と2020年3月末の住基人口から等比級数な人口減少を仮定して計算すると、2020年10月1日付の住民基本台帳人口は推定2513人。よって、2020年9月30日付の竹ヶ島の住民基本台帳人口140人との人口比から、2020年10月1日の竹ケ島の常住人口は135人と推定しました。

以上をまとめると:徳島県竹ケ島(と四国)の人口は修正する必要があります。神奈川県天神島、佐賀県竹崎島の人口も追加するかどうかは、宮崎県青島の扱い次第で、青島を追加した情報のまま残すのであれば、天神島、竹崎島も同様に有人島とみなすべきであり、青島を削除するのであれば、天神島、竹崎島、(ついでに[109261]で記載した鹿老渡島)と合わせて、国土地理院などが認めていない有人島として別表に参考としてまとめた方が良いと思います。

なお鹿老渡島ですが、[109261]の方で

地図で見る限り、倉橋島と鹿老渡島の間には明白に水路があり、両方の島が分けられております。にも拘わらず離島統計年報などで島として扱われていません。その理由はこの鹿老渡島が人工島の一種だからです。鹿老渡は歴瀬戸内の港として歴史的に発達した港町で、倉橋島との間の水路は、江戸時代に完成された人工的な堀であり、よって離島統計年報もSHIMADASも鹿老渡を独立した島と扱っていないのです。

などと解説文を書いて勝手に納得していましたが、あの後倉橋島との間の水路が人工的な堀であるとする文献を見つけることができていません。こちらの面積については、しまっぷ統合版(0.91 km2)を使わずに令和2年国勢調査基本単位区境界データを使ってみると、838,293.967 m2(すなわち0.84 km2)となります。[109261]から面積出典を変更した場合は以下通りとなります。

島名都道府県市区町村
(小地域区分)
人口
(2020年)
人口
(2015年)
人口
(2010年)
面積
(km2)
備考
**鹿老渡島広島県呉市
(倉橋町の一部(基本単位区2060-20010~20030))
1211341700.84面積出典:令和2年国勢調査基本単位区境界データ
[109314] 2023年 11月 21日(火)13:48:57【3】訂正年月日
【1】2023年 11月 21日(火)13:49:27
【2】2023年 11月 21日(火)13:52:50
【3】2023年 11月 21日(火)13:55:42
YT さん
山口県周南市の黒髪島・仙島
[109313] オーナー グリグリさん

ところで、
なお山口県周南市の黒髪島・仙島については、『〔附表〕法律指定外離島の概要』の方で「国調では有人だが住民登録は0」とありますが、これは平成27年10月1日の国勢調査、および平成27年4月1日現在の住民基本台帳登録人口での話です。
とのことですが、[109215]の「日本の有人島の人口、面積一覧」の備考欄には「大字大津島字黒髪島・大字富田の一部(基本単位区1330-21010)、平成27年の国調では0だが住民登録では有人」とあります。どちらが正しいのでしょうか。ご確認をお願いいたします。

すみません。[109309]の該当部分は私の間違いで、[109215]の方が正しい情報です。

2021離島統計年報の『〔附表〕法律指定外離島の概要』を読み返しましたが、山口県周南市仙島の脚注は

「国調では0だが住民登録では有人(1人)、面積は黒髪島を含む。」

となっておりました。ほかには岡山県の黒島・黄島については句点なしで、

「人口と世帯数は前島を含む」

高知県の中ノ島、戸島については句点なしで、

「人口と世帯数は須崎市大谷地区の一部を含む」

とあり、「国調では有人だが住民登録は0」との脚注が入っている島は、『〔附表〕法律指定外離島の概要』の方にはありませんでした。2021年離島統計年報の『〔附表〕法律指定外離島の概要』のリストの他の島の残りの脚注は、指定解除の年次の情報のみです。

2015離島統計年報(2010年国勢調査のデータでまとまっている)の方の『〔附表〕法律指定外離島の概要』でも、仙島、黒島、黄島は上と同一の脚注がついており(つまり黒髪島・仙島の2010年、2015年の住民基本台帳登録人口は1人のまま)、中ノ島、戸島については2010年国勢調査ベースでの人口が分割して与えられ、「国調では有人だが住民登録は0」との脚注はどこにも示されていませんでした。

以上より、黒髪島・仙島の2020年の住民基本台帳登録人口は0であることを自明のように書いてしまいましたが、現時点では2020年の住民基本台帳登録人口が1か0か、どちらの可能性も十分にあって、結論は出せません。

一応インターネットアーカイブ経由で2020年3月31日現在の地区別の住民基本台帳登録人口へのリンクのページまではたどり着きましたが、そこから先のpdf、エクセルなどは、年齢別以外はファイルが生きていませんでした(公式サイトからも削除済み)。

なお2023年3月31日現在の住民基本台帳登録人口において、大津島地区の「開拓地」なる行政区が、1世帯1人(女1人)となっていますが、こちらの津波災害警戒区域の指定に関する地図により字開拓地は大津島本体の一地区であることが確定しますし、同様に富田地区の大神の1世帯2人(男1人女1人)も本土の山の方の字名で確定なので、2023年3月末の段階で黒髪島・仙島の住民基本台帳登録人口が0人になってしまっていることは、ほぼ間違いないと思われます。
[109309] 2023年 11月 21日(火)00:46:44【6】訂正年月日
【1】2023年 11月 21日(火)01:50:25
【2】2023年 11月 21日(火)01:57:44
【3】2023年 11月 21日(火)02:03:14
【4】2023年 11月 21日(火)11:18:46
【5】2023年 11月 21日(火)11:26:41
【6】2023年 11月 21日(火)20:18:10
YT さん
外離島の有名人(【追記】愛媛県比岐島、宮崎県大島の2020年4月1日現在の住民登録人口)
[109308] オーナー グリグリさん

YTさんへ
この表をまとめて気が付いたのですが、沖縄県の外離島は2015年も0人です。住民登録などで有人が確認できているのでしょうか。

実はしつこくなるのでまとめていないのですが、離島統計年報には

「国調では有人だが住民登録は0」

という脚注がついている島が複数あります。2021離島統計年報の場合は:

1.離島振興法関係離島
①愛媛県比岐島・宮崎県大島は令和2年国調では無人島であったが,令和2年4月1日現在の住民基本台帳では住民登録があったため,有人島とした。
②北海道小島・愛媛県赤穂根島・鹿児島県馬毛島は,令和2年国調では有人島であったが,令和2年4月1日現在の住民基本台帳には住民登録されていないため,①「概要」には有人島として掲載したが,②「人口・世帯数・人口動態」以降は割愛した。
2.小笠原諸島振興開発特別措置法関係離島
東京都硫黄島・南鳥島は,令和2年国調では有人島(自衛隊員等の駐留による)であったが,令和2年4月1日現在の住民基本台帳には住民登録されていないため,①「概要」には有人島として掲載したが,②「人口・世帯数・人口動態」以降は割愛
した。
3.沖縄振興特別措置法関係離島
沖縄県前島は,令和2年国調では無人島であったが,令和2年4月1日現在の住民基本台帳では住民登録があったため,有人島とした。

――【ここから愛媛県比岐島、宮崎県大島および黒髪島・仙島、中ノ島、瀬長島の情報を追記】――

2021離島統計年報によると、令和2年10月1日現在国勢調査で無人となっていた島の、令和2年4月1日現在の住民登録人口は以下の通りです。

島名都道府県市町村名住民登録人口世帯数
比岐島愛媛県今治市2201
大島宮崎県日南市2112
前島沖縄県島尻郡渡嘉敷村1101

よって[109308]にまとめられた島の内、比岐島と大島は住民登録データが増えます。

なお山口県周南市の黒髪島・仙島については、『〔附表〕法律指定外離島の概要』の方で「国調では有人だが住民登録は0」とありますが、これは平成27年10月1日の国勢調査、および平成27年4月1日現在の住民基本台帳登録人口での話です。一応周南市の公式サイトを見たところ、残念ながら過去の住民基本台帳登録人口の記録が残っていないのですが、2023年3月31日住民基本台帳登録人口では、大津島地区の黒髪島は世帯0人口0人、黒髪島・仙島の富田地区側は該当する字名が見つからず、おそらくずっと住民登録は0人のままです。

和歌山県那須勝浦町の中ノ島の場合は、島全体が碧き島の宿 熊野別邸 中の島というホテルです。平成27年国勢調査時には、20世帯で合計20人(男8人、女12人)で、いかにもホテルの従業員の構成です。その後色々リニューアルを繰り返しながらも令和2年国勢調査時にもがっつり営業しているようなので、コロナの関係で従業員をホテル内に常住させることをやめ、交代制にしたとかかもしれません。こちらは『〔附表〕法律指定外離島の概要』掲載の島なので、残念ながら住基人口はもともと離島統計年報には掲載されていません。那須勝浦町の公式サイトでは、残念ながら「大字勝浦」の住民基本台帳登録人口は分かっても、中ノ島単独の人口は分かりません。

一方で沖縄県豊見城市の瀬長島の場合は沖縄本島と完全につながっていますが、こちらには琉球温泉 瀬長島ホテルがあります。こちらの場合は、平成22年、平成27年国勢調査時には、1世帯4人(男3人女1人)が暮らしていたことになり、ホテルの従業員とは言えません。航空写真などを見ると、いくつか海沿いに個人経営でもおかしくないような店舗や漁師小屋があるようなので、こちらの店舗の住民かも知れません。公式サイトの方では残念ながら「字瀬長」の住民基本台帳登録人口は分かっても、瀬長島単独の人口は分かりませんが、いずれにせよ中ノ島と瀬長島は常住の島民がいないというだけで、今後の国勢調査で有人島に戻ってもおかしくありません。

来年発売予定の『2022離島統計年報』の方で、『〔附表〕法律指定外離島の概要』の中身も令和2年度分にアップデートされるかも知れませんので、今後[109308]の島の内、中ノ島、黒島、黄島、黒髪島・仙島の住民登録データが増えるかもしれません(多分中ノ島以外は全部住民基本台帳登録人口も0で、中ノ島も住民基本台帳登録人口自体は0の可能性が高いですが)。また『〔附表〕法律指定外離島の概要』収録の長崎県のいくつかの離島の人口に関しては、基本単位区以下に分割された島人口の情報が増え、推計で出した人口の一部が実数へ更新可能になるかも知れません。猪子島と瀬長島は離島統計年報の完全に対象外なので、離島統計年報が新しくなっても追加の修正はありません。

――【ここまで追記】――

さて、外離島についてですが、2003離島統計年報~2015離島統計年報記載の、2000年、2005年、2010年ベースの国勢調査人口はすべて1人であり、すべて「国調では有人だが住民登録は0」の脚注がついています。2016離島統計年報以降はリストから削除され、現在に至っています。

実際、竹富島公式ホームページの竹富町地区別人口動態票には、ずっと外離島の項目はなく、長らく住民登録人口が0の扱いだったようです。

なお、2010年までの国勢調査人口1人というのが、ちょっとした有名人です。2014年頃まで外離島に不法滞在しておりましたが、その後地権者により退去を求められて、西表島の「モクタンの浜」に移住し、2015年10月1日国勢調査時には外離島は無人化したようです。

デイリー新潮:島を追われた「素っ裸おじさん」と地元民との“フクザツな関係”(2015年12月9日)
無人島暮らしをする「ナガサキおじい」こと長崎真砂弓(まさみ)さん(79)は、この生活を四半世紀近く続けている。好きな時間に起き、食事はタケノコやニガナ(沖縄特産の野菜)など。魚も獲っていたが、“何だか可哀そうになって”最近は獲らない。たまにボートに乗って買い出しに行くほかは一糸まとわぬ姿の彼を目当てに、マスコミや観光客が多く訪れる。
 ***
今から1年ほど前、長崎さんはそれまで暮らしていた「外離(そとばなり)島」を離れ、3~4キロ離れた「モクタンの浜」へ引っ越した。その理由を本人に聞くと、顔を曇らせるのだ。
「やっぱり大きかったのはフジテレビの番組(めちゃ×2イケてるッ!)に出たことだったと思う。あれで取材や観光客がどっと来てしまってね。いろいろ文句を言う人がいたんだと思う。僕が観光客に媚を売る必要はないけど、連れてくるのは西表の人たちだから。その人たちの手前、冷たくはできないよ。それもあったところに、地主の家族やその知り合いがやってきて、“出てってくれ”と言われたんだ。外離島でヤギ牧場をやるとか、シイタケ畑をやるからというのが理由だったな」
■真似する輩も
テレビなどで取り上げられ、観光客が増えたという声がある一方、実のところ、おじいの存在をめぐっては地元でも賛否が分かれている。
例えば、おじいに退去を迫ったのは、近くの集落・船浮の住人だ。その人物が言う。
「たしかに長崎さんに出て行くようにお願いしたのは私さ。東京の隅田川沿いだってホームレスが住んでいたら退去させられるでしょう。それを、自然が豊かで人が少ない西表だからと言って許される問題じゃない。年頃の女の子がいる家族連れがやってきて裸の長崎さんを見たらどう思うかね。私はテレビの番組を見たから出てけって言ったわけじゃないけど、真似する人が出てくるのも困る。実際に去年の春頃、長崎さんの真似をしてフルチンで暮らしていた人が隣の“内離(うちばなり)島”に現れました。長崎さんのことを“センパイ”って言ってたな。“あんた、自分の地元でそんなことが出来るかね”と言ってやったら、いつの間にかいなくなったけどね」
また、地元のホテルの女将に聞くと、
「長崎さんはあんな生活をしているけど、話してみると意外にまともで挨拶もする。地元で特に悪い評判はないんです。だけど、迷惑ではないのかと聞かれたら迷惑だし、心配もあります。このあたりの人たちは、当番制で消防や行方不明者の捜索を任されているんです。勝手に死なれたりしたら困るのは地元の住民ですから」
ナガサキおじいには、さらなる“追い打ち”もかかっている。今年の9月17日、「モクタンの浜」からも立ち退くよう、林野庁から通告を受けているのだ。
「外離島の長崎さんが住んでいた場所は私有地でしたが、モクタンの浜は国有林なのです。だから、長期のキャンパーなどを見かけた場合、注意しないわけにはいかない。長崎さんは“分かりました。他に場所がないか検討します”と言ってくれてはいますが、ずっと住み続けるのなら、いずれ退去命令などを出さなくてはならない。個人的には可哀相な気もするのですが」(祖納森林事務所の担当者)

その後長崎さんはどうなったのか。ここから先は日本で報道されていないようですが、海外ニュースの翻訳記事によると、まず2018年頃、モクタンの浜で倒れているのが見つかり、強制的に病院へ入れられました。

スプートニク:「裸で離島暮らし30年 日本のロビンソン・クルーソーが強制的に文明に引き戻される」(2018年6月26日)
ニュース・コム・アウの報道によれば、「82歳で水道もモバイル通信も電気も服もない離島暮らしをたった一人で送ってきた日本人ロビンソンクルーソーのマサフミ・ナガサキ」さんは、先日、地元当局に強制的によって島から連れ去られ、病院に収容された。

そしてこれも海外のニュースからの翻訳で、去年の状況です。

ARIO.NYC:全裸で孤島暮らし 長崎真砂弓さん30年ぶりに島に戻る(2022年6月21日)
ある年金生活者が4年間の文明開化を経て、離島に帰ってきた。長崎真砂弓さん(86歳)は、家族や友人を残して29年間無人島で暮らしていましたが、2018年に日本政府によって強制的に文明に戻されました。そして今、現実世界での生活で不安や不満を抱えたまま、八重山諸島の外離島にある自宅への帰還が許されたのです。今、真砂弓は南国の島で幸せに暮らすために服を捨て、再び自由を感じている。

上の記事は一部語訳があり、オリジナルの記事:Masafumi Nagasaki returned to his desert island(2022年6月16日)からかいつまんで翻訳すると:

2018年4月、地元の漁師が、長崎さんが浜で気を失っているのを見つけた。本人は浜で死ぬことを望んだにも拘わらず、日本政府は強制的に彼を入院させた。その後4年間小さな部屋を与えられて生活することとなったが、結局文明社会に馴染めないままであった。そこで記者らが、外離島を訪れたいかと誘ったところ、喜んで企画に参加してくれた。1日外離島で一晩みんなと過ごしたが、翌日一人で生活できるだけの体力がもはやないことが分かり、納得して島に別れを告げて現在の住まいに戻った。

まあこれらの記事を見る限り、もうこの老人が外離島に戻ることはなく、外離島は2014年の時点で無人化したという扱いで問題ないということになります。【追記】よって[109308]にまとめらた表では、外離島は牛ヶ首島と前ノ島と同様に2015年無人化のグループに仲間入りさせるべきとなります。
[109306] 2023年 11月 20日(月)01:36:12YT さん
スーパー三和
[109297] 伊豆之国さん
「地域限定のスーパー」というと、私にとってなじみが深いのが、町田市を本拠とする「スーパー三和」。店舗検索を見ると、そのほとんどが町田市など東京都南多摩地区と、神奈川県の県央から横浜・川崎市にかけての地域に集中していることが分かり、町田市民や相模原市民にとっては大変身近な存在ではないでしょうか。4年前まで住んでいた町田市の自宅からの徒歩圏内には2店(現在はそのうち1店は閉店)あり、現住所のマンションからも徒歩圏内に2店あって、ポイントカードも持っており、普段からよく使っているスーパーになっています。

[109299] メークインさん
伊豆之国 さんが書かれた、
「地域限定のスーパー」というと、私にとってなじみが深いのが、町田市を本拠とする「スーパー三和」。
sanwaも13位に入っており、実際の利用者数から考えると、顧客満足度はかなり高めだと思いますよ。
すみません。伊豆之国さんが言及されたスーパー三和についてすっかりスルーしていましたが、メークインさんの文章を読んで急に思い出しました。スーパー三和はてっきりかつての三和銀行系列の資本のスーパーかと勘違いしていましたが、神奈川東京ローカルのスーパーだったのですね。

自分が物心ついた頃、小田急線の新百合ヶ丘駅近くに住んでいたのですが(今でも両親が住んでいます)、当時の新百合ヶ丘駅周辺には何もなく、あったのは土木工事中の茶色の山中に佇む駅舎だけでした。で、当時買い物といえばお隣りの百合ヶ丘駅が中心でした。そこには駅前のゆりストアという超ローカルなスーパーと、やや駅から離れたところにできたスーパー三和が、熾烈な競争を繰り返していました。今から思うと信じられないことですが、当時はスーパーがそれぞれ独自のバス運行を出していて、そのタダで乗れるバスにのってスーパーに出かけたのです。当時これらのスーパーは、生鮮食料品のみならず、家電、衣類やおもちゃなども扱っており、小学校に上がる前の自分にとって、百合ヶ丘にあったこれら二つのスーパーはちょっとしたデパートのような存在でした。

ただこれらのバスの存在は、小田急バスなどの路線バスの収益を脅かすものでした。私が親の仕事の関係で日本にいなかった時期に、バス会社側から何かしらのクレームがあり、これらのバス路線はいつの間にか廃止となったようです。それでもしばらくは地域の中心の役割を果たしていました。ところが川崎市麻生区が川崎市多摩区から分離し、新百合ヶ丘駅周辺の開発が進むにつれ、徐々に百合ヶ丘周辺は寂れていきました。2000年ごろに久々に百合ヶ丘のスーパー三和に行った時には、二階の家電、衣類やおもちゃを扱っている部分が百円ショップ化しており、さらに周辺の本屋、文具店等々の店もなくなっており、昔の店舗の状況を知っている自分にとって、何か悲しくなりました。ただし今思えば業務として家電・衣類等々の扱いを止め、生鮮食料品にのみ特化するという路線は、その後の時代に沿ったものだったようです。

色々あって[109298]で書き綴ったジョイフル近くに暮らしていた頃、同じようにこの若葉台と平尾を結ぶ道路沿いに新たに商業施設が出来て大繁盛していたのですが、その店の形態は1階にスーパー三和、2階に百円ショップやその他店舗が入っていて、まさに2000年頃に百合ヶ丘で見た店舗に近いものでした。今引っ越した稲城市内にも同様に商業施設にスーパー三和が入っており、かなりの盛況っぷりです。今の百合ヶ丘のスーパー三和の状況は知りませんが、現在のこれらのスーパー三和は生鮮食料品にのみ特化しており、70年代末~バブルの頃の百合ヶ丘のスーパー三和のように自分の店舗でデパート的経営をするのではなく、商業施設に間借りすることで、それなりに盛況しているようです。

なお、この分析は私の身近な店舗の状況だけを見て私が勝手な妄想によるものであり、中で働いてきた人にとっては全然違う歴史が描かれているのかも知れません。
[109305] 2023年 11月 20日(月)00:23:49YT さん
Re: 日本の有人島一覧 更新
[109301] オーナー グリグリさん

YTさんからいただいている有人島一覧の情報に基づき、日本の有人島一覧を更新しました。

色々修正を対応していただきありがとうございます。

ところで、こちらの記事の、横山島のタイトルや表の島名と市名が間違っています(瀬戸内市と黒島と誤記)。また、黒島の朝日新聞の記事リンクも切れています。こちら「最後の島民はなぜ去った?「墓を守る」願った男性は今」に入れ替えた方がよろしいかと思います。貴重な記事なので、記事訂正期限が過ぎていますがご了承いただければ管理者権限で訂正したいと思います。ご了解をお願いします。

すみません。ご指摘の通り間違いです。修正していただけるのであればお願いします。

それならば過去の有人島という一覧表をページに追加し整理することもできるかと思います。過去をどこまでとするかが問題になるかもしれませんが、ある程度まとめられるようであれば、現時点での過去分(上記の牛ヶ首島や前ノ島のようなケース)の追加掲載を考えたいと思いますが、いかがでしょうか。

離島統計年報である程度過去の人口を調べることはできますし、既に手元には2000年国調ベース以降の離島統計年報による人口の情報はありますが、問題は離島統計年報が法的に認定した離島しか対象としない点です。正直2015年分に関しては、ekinenpyouさんのまとめや、離島経済新聞とSHIMADASの情報があったので、なんとかまとめられましたが、2010年分についても既に何らかの抜けがあるのではないかと恐れています。

また現在のところe-Statから小地域(基本単位区)(JGD2000) の境界データをダウンロードできるのは、令和2年(2020年)の国勢調査分のみです。合併を契機に国勢調査の基本単位区の番号が変わってしまっているケースや、過去と現在で基本単位区の範囲に変更があったケースなどが既にあり、基本単位区人口として絶対的に正しく検証できたといえるのは、2020年分のみであるなどの問題が既にあります。

よって2005年以前の国勢調査ベースの有人島人口までは現状では調べる気力がありません。
[109298] 2023年 11月 19日(日)02:21:50YT さん
ジョイフル&ヤオコー(八百幸)
[109297] 伊豆之国さん

その中で、[109279] でYTさんがおっしゃっているものと思われる稲城の店舗ですが、実は私は2年前にこの近くにある市の施設の改修工事の調査に行っており、その時は市役所で打ち合わせをした後、市役所の車に同乗して現地まで行ったのですが、市役所からのルートを考えると、「ジョイフル」の前を通っていた可能性が高そうですが、「ジョイフル」を見た記憶ははっきりしません…。

はい、まさにそのジョイフルです。ただ2年前当時は私は稲城市民ではなく、都県境を越えた川崎市民で、子供を遊ばせるための散歩の時によく越境して平尾団地に来てました。なおジョイフルがあるのは平尾団地から若葉台駅に抜ける大通り沿いなのですが、この大通りができたのは割と最近のことで、記憶違いでなければ若葉台方面へ抜けるトンネルが開通したは2015年前後?だったと思います。というか、ジョイフル横で交差する、栗平方面へ抜ける道ができたのも確か5年ぐらい前で、ジョイフルが出来たのも確かその後です。平尾団地の北側の再開発で、この辺りの人口は急激に増えたのですが、その結果この大通りは今では常時大渋滞となっています。

伊豆之国さんが平尾地区のどこの施設に行ったの分かりませんが、地元を良く知る住民が稲城市役所方面から平尾団地に行く場合、おそらく鶴川街道側からジョイフルの前を通る大通りを使わずに、天神通りという、昔ながらの尾根道を使うと思います。その場合はジョイフルの前をぎりぎり通らない可能性があります。

一方、「ヤオコー」の店舗検索から東京都を見ると、[109278]にある通り、特別区部には1つも店舗がありませんが、この表を見ると「八百幸 成城店」というのがあり、住所が「調布市入間町」となっています。私は以前[106033]
成城学園前駅から調布市方面へのバスに乗ったとき、車窓から「成城」を名乗るマンションなどが、住居表示板や電柱の住所表示から見て、明らかに調布市域に入る場所に何棟かあったのを見たことがありました
と書き込んでいたのですが、この「調布市にある八百幸成城店」は確かに見ており、改めて地図で確認すると、バスが通っている道路を隔ててすぐ東側は「世田谷区成城」。本当にギリギリのところで「23区外」になっていることが分かり、また、[106033]で書き込んだ通り、調布市域に「成城」を冠するマンションなどがいくつも見られることもわかります。

実はこの成城店の存在が念頭にあり、確か成城にヤオコーあったよな?と思っていたのですが、店舗自体が調布市内だったとは・・・

私は運転しないのですが、正月などに親戚が集まった時、兄などの運転する車に便乗させて貰ってます。そして成城学園にある某ファミレスに集合した際、この八百幸成城店の交差点が目印になりました。記憶違いでなければこのヤオコー、というか八百幸の店ができたのもそんなに古くはないはずです。
[109279] 2023年 11月 15日(水)02:13:29【1】訂正年月日
【1】2023年 11月 15日(水)02:23:55
YT さん
ジョイフル、ヤオコー
[109276] 伊豆之国 さん
この記事を見て、私自身がまず驚いたのは、やはり「ジョイフル」という店舗について。
東京23区に一つもないとのことですが、私の「近所にも普段の行動範囲の中でもまず見たことがなく、「業界3位の大手チェーン」てあるということはそれこそ初耳でした。

[109278] メークイン さん
また、このような記事を見てよく思うのは、「東京(城西エリア)・神奈川に存在しないと、関東全域に存在しない」と発言する事です。

横からすみません。

私は神奈川県川崎市麻生区で育ち、現在は東京都稲城市に住んでいます。おおよそ人生の85%を都県境の東京よみうりカントリークラブから半径2キロ以内に居住してきた計算になり、おそらく伊豆之国さんとは小田急線や京王線などで同じ電車に乗ったことがあるかも知れません。そんな私ですが、近くにヤオコーはありますし、ジョイフルもあります。

ただ、ヤオコーは現在使っておりますが、ジョイフルには一度も入ったことがありません。我が子の散歩でよくジョイフルの前を通りましたが、「なら今度家族でジョイフルに行こう!」とはなりませんでした。というのも、確かにそのジョイフルの店舗も車で行くような大通り沿いにあり、駅からはやや遠いからです。そう、自分は車を運転しないペイパードライバーなので、家族でのお出かけも電車中心になってしまいます。となるとファミレスを利用するにしても駅前の店舗となってしまうのです。子供はとにかくマクドナルド優先。入るとしても駅前に多いガスト、サイゼリヤ、ジョナサンとなってしまいます。よって

ジョイフルは関東でも車中心地域の出店が大半で鉄道で行かれる店は滅多にありませんね。

この分析はそれほど的外れではないと思います。

言われてみればヤオコーも、やや駅前から遠い、車に便利なところにあります。ご近所でなければ使わなかったかも知れません。

あと、年齢によっても受ける印象が違うと覆います。自分が子供のころに親の車で移動した時に使ったファミレスは、スカイラーク(正しくは平仮名で「すかいらーく」?昔のことなのでよく覚えていない)が多かった記憶がありますが、今ではありません。ほかにデニーズやロイヤルホスト、神戸屋(かなりローカル!)はよく利用しましたが、90年代になって、スカイラークがどんどんガストやジョナサンに置き換わった記憶があります。そのうちジョイフルが増えたような気がしましたが、結局今に至るまで入ったことがありません。

そう、店舗の印象は地域性のほか、その人の年齢(時代による店舗の変遷)や、生活環境の違いと変化(車中心か電車通勤通学か)によっても大分変わるかと思います。ということで地域性に加え過去何十年かのチェーン店舗数の時系列データでもあれば、より深い分析が可能かと思いましたが、ネット上にタダで転がっているデータは最新かせいぜいここ10年のものばかりで、古いデータは図書館に行かないと入手できないようです。色々面倒なのでこの分野にはこれ以上突っ込みを入れません。
[109261] 2023年 11月 12日(日)11:39:25【1】訂正年月日
【1】2023年 11月 20日(月)18:10:28 by オーナー(表組み改善)
YT さん
[109252]の補足と鹿老渡島について
[109256] オーナー グリグリさん

いろいろやることが溜まっています(変遷情報、有人島、推計人口、若年女性首長、雑学整備、都道府県データランキング更新、国勢調査更新、etc.)。歳のせいか頭の回転と体力の性能低下でご迷惑をおかけしております。気長にお待ちいただければ幸いです。実は新しい企画も検討中で、そちらに手一杯ということもあり....^^;

すみません。普段まとまった時間を作るのが難しいので、一気に有人島関連の投稿を続けます。多分これで小休止になるかと。

[109252]で投稿した「2020年・2015年・2010年の有人島別国勢調査人口」の表の内、横山島と黒島について、ウェブ上で閲覧できない新聞記事を引用しましたが、その内容について今回まとめます。

1.横山島(三重県志摩市)

島名都道府県市区町村
(小地域区分)
人口
(2020年)
人口
(2015年)
人口
(2010年)
面積
(km2)
備考
横山島三重県志摩市
(阿児町神明の一部(基本単位区0020-00230の一部))
2330.06面積出典:SHIMADAS(2019)

以下の記事から2015年10月1日頃の時点で住民は3人(夫婦と老母)と推定されます。SHIMADASで平成31年(2019年)の住民基本台帳人口が3人なのは確定していますが、「一軒の民宿を営むご夫婦だけが暮らす島 ~三重県志摩市横山島へ」(2020年3月26日デイリーポータルZ)の記事を信じる限り、既に2020年の段階で島に常住しているのは夫婦のみと読み取れるので、2010年3人、2015年3人、2020人2人と推定しました。

「島の恵み、見つけた」
(2015年9月27日 朝日新聞朝刊 名古屋 朝日プラス・シー1面)
■ただ、のんびり 究極リゾート 横山島(三重県志摩市)
大小60余の島々が浮かぶ三重県志摩市の英虞(あご)湾にいま、世界の視線が集まる。サミット開催予定地・賢島の喧噪(けんそう)の目と鼻の先に、静寂の島があった。人口3人。名を横山島という。一軒宿があり、住民は経営者一家らしい。それ以上はさっぱりわからない。
賢島の遊覧船乗り場の脇から、宿専用船で5分足らず。周囲1400メートルほどの小島についた。海岸沿いに立つ建物の屋根が大きく白ペンキで「石山荘」と主張している。不安な印象は、すぐ消えた。エントランスは多くの緑で飾られ、ハイビスカスの赤が藍色の海を渡る風に揺れている。
レトロな外見とはうらはらに、中は気持ちのいい空間だった。高い天井と木の床張りのロビー、ゆったり配置されたソファ。広いガラス窓からは、漁船がのんびり往来するのが見える。
「この島、なにもないでしょ。だからみなさん何もせず、ゆーっくりしていきます」。アジアのリゾートに通いつめた石山荘の2代目、昇さん(64)が、“ザ・昭和”の民宿を10年以上かけてアジアンリゾートに我が手で改装した。
45年ほど前、父である先代が真珠養殖の傍らに開いた。屋根の「石山荘」の文字は当時のなごり。「大事な屋号だから、母親が健在なうちは残そうかと」
細部までこだわった。視界を妨げないよう、海に面した壁はひざの高さまでで、その上は天井までガラス張り。照明はまばゆくない程度に抑える。「自然に寄り添うのが、志摩の一番の楽しみ方ですから」。旅行社にもっと上げてはと言われる宿泊料は、2食付きで1万円弱。英字ガイド本「ロンリープラネット」に紹介され、欧米の客が詰めかけたこともあるという。
バナナボートもバーベキューもない。のんびりすることに懸命に打ち込める、日本では珍しいリゾートがあった。


2.黒島(岡山県瀬戸内市)

島名区分都道府県市区町村
(小地域区分)
人口
(2020年)
人口
(2015年)
人口
(2010年)
面積
(km2)
備考
黒島岡山県瀬戸内市
(牛窓町牛窓の一部(基本単位区0870-13010の一部))
0130.10

以下の新聞記事から2010年10月1日時点では住民が3人で、2015年10月1日には1人、そして2019年の朝日新聞DIGITALの記事「最後の島民はなぜ去った?「墓を守る」願った男性は今」(2019年1月21日朝日新聞DIGITAL)」により、最後の住民が2018年中に去っって2020人には常住人口0になったことが推測されます。

「(島時間:第5便)黒島 最後の住人 いまも生かされとる」
(2012年1月7日 朝日新聞 朝刊 岡山全県1地方)
黒島(くろしま)
きしむ木の桟橋を渡る。キャベツ畑の向こうに見えるのは、島に2軒だけ残った民家。聞こえるのは波と風の音。そして、ヒヨドリの鳴く声。黒島の住人はいま3人。遠くない将来、1人になる。
牛窓港からわずか5分の距離。だが、チャーター便でしか渡れない。この島を、中上裕陽(なかうえやすはる)さん(78)は離れたことがない。誰とも話さない日がある。聴力が衰え、電話のベルや話し相手の声が聞き取りにくくなったこともある。そばにはネズミ捕りのために飼っている猫がいるだけ。一番にぎやかだったのは1970年代。6世帯約30人が、正月には餅をつき、料理を持ち寄って騒いだ。春と秋の祭りの夜は、島中に笑い声が響いた。島全体が、一つの家族のようだった。でも、一人、また一人と、櫛(くし)の歯が欠けるようにいなくなった。島の外へ出た人、亡くなった人。いたるところにあった畑は、半分以上が荒れ地になった。2001年、中上さんの妻が亡くなった。中上さんと、隣に住むいとこ夫婦が残された。80代の夫と70代の妻。この夫婦も最近、雨漏りのひどい家に耐えかね、本土に家を建てた。平日は島、週末は本土。そんなバランスもやがて、本土に傾くだろう。築約80年の中上さんの家にも、すきま風が吹く。
県内には、人口が10人以下の島がほかにも三つある。六口(むぐち)島(10人、倉敷市)、松島(4人、倉敷市)、黄島(2人、瀬戸内市)。小さい島の日常は、本土にとって「非日常」だ。黒島では、電気は自家発電。中上さんは寝る前の数時間だけ明かりをつける。夜8時に寝る生活。テレビはほとんど見ない。冷蔵庫や炊飯器はプロパンガスで動くタイプだ。水道はない。井戸水を使う。風呂は太陽熱の温水器で沸かす。郵便は本土の親類宅に届くようにしている。新聞は配達されない。ニュースはラジオで知る。中上さんは週1回、自分の船で本土を往復する。灯油や食料の買いだめ、散髪……。島でできないことを一気に済ませる。約40アールの畑で夏はカボチャ、冬はキャベツを作る。暖かい気候と島の土が育む野菜は糖度が高い。大きくした野菜を市場へ出荷するのが、何よりの楽しみだ。外周の山道に、もう人の足跡は残っていない。いまは中上さんが運転するトラクターのタイヤ痕だけ。草や竹が生い茂り、熟しすぎたイヨカンの実が道に転がる。人の気配を失って、どんどん原始の姿に戻る島。
「そりゃ、寂しいよ」
寡黙な中上さんが、ぽつりと言った。
「本土で、一緒に暮らそう」。対岸に住む長男(45)はそう言ってくれる。この正月に会った時も強く勧められた。でも、島を出る気にはならない。一緒に暮らせば、もう畑仕事をしなくなるだろう。体が動かなくなるかもしれない。張り合いをなくすかもしれない。何より、島には先祖の墓が残る。自分を守ってくれた神社が残る。頭が古いのかもしれん、とは思う。でも――。
「この島に、ここまで生かしてもらった。いまも生かされとる。お迎えがくる最後まで、島の面倒見なくちゃいけん」
決意のようにも、自分に言い聞かせているようにも、聞こえた。(藤原学思)
◇次は真鍋島へ
 <黒島>周囲約1.6キロ。干潮時に砂州が現れ、西側の中ノ小島、端ノ小島と陸続きになる。砂州を見る人のため、本土側のホテル「リマーニ」は春から秋にかけてボートを運航する。県は無料キャンプ場の「青少年の島」に指定。昨年は700人以上が訪れた。
【写真説明】キャベツ畑を歩く中上裕陽さん。海の向こうには牛窓の街並みが見える=瀬戸内市牛窓町の黒島

最後に「しまっぷ統合版」などで独立の島として採用されているものの、SHIMADASや離島統計年報などでは島として扱われていない島があるので紹介します。すなわち倉橋島と鹿島を結ぶ陸繋島である「鹿老渡島」です。調べたところ、こちらのサイトでもオーナーグリグリさんによって過去に話題になっており、まとめられていたようです([82781][82800][85771])。

島名区分都道府県市区町村
(小地域区分)
人口
(2020年)
人口
(2015年)
人口
(2010年)
面積
(km2)
備考
倉橋島安芸群島広島県呉市
(音戸町・倉橋町(鹿島を除く))
15,10616,77618,62869.46
鹿島安芸群島広島県呉市
(倉橋町の一部(基本単位区2060-21010~23020))
1862583242.63
鹿老渡島安芸群島広島県呉市
(倉橋町の一部(基本単位区2060-20010~20030))
1211341700.91面積出典:しまっぷ統合版

なお鹿老渡島の住所は実際には「倉橋町鹿老渡」のようですが、令和2年国勢調査報告書の方では小地域名に鹿老渡や鹿島を用いず、全部「倉橋町」としているので、鹿老渡島も鹿島島も「倉橋町の一部」となってしまいます。

地図で見る限り、倉橋島と鹿老渡島の間には明白に水路があり、両方の島が分けられております。にも拘わらず離島統計年報などで島として扱われていません。その理由はこの鹿老渡島が人工島の一種だからです。鹿老渡は歴瀬戸内の港として歴史的に発達した港町で、倉橋島との間の水路は、江戸時代に完成された人工的な堀であり、よって離島統計年報もSHIMADASも鹿老渡を独立した島と扱っていないのです。

【訂正】YTさんの了解を得て記事の一部修正を行いました(グリグリ)→ [109307]
[109255] 2023年 11月 11日(土)09:42:23【1】訂正年月日
【1】2023年 11月 11日(土)17:59:50
YT さん
個人的にはにいにいぜみが好き
[109247] オーナー グリグリさん

すみません。

□ん□んぜ□●

ですが、これは正しいでしょうか?
[109253] 2023年 11月 11日(土)03:14:35【4】訂正年月日
【1】2023年 11月 11日(土)03:39:08
【2】2023年 11月 11日(土)04:01:36
【3】2023年 11月 11日(土)04:03:31
【4】2023年 11月 11日(土)09:20:17
YT さん
[109241]に追加の修正点
以下主な要変更点を[109241]を含めてまとめます。

1.人口

島名都道府県市区町村項目修正前修正後備考
西表島沖縄県竹富町2020年人口2,2422,241人口推計のための住基人口を翌年1月1日付から9月30日付に変更
西表島沖縄県竹富町2015年人口2,2942,295人口推計のための住基人口を翌年1月1日付から9月30日付に変更
由布島沖縄県竹富町2020年人口1112人口推計のための住基人口を翌年1月1日付から9月30日付に変更
由布島沖縄県竹富町2015年人口2019人口推計のための住基人口を翌年1月1日付から9月30日付に変更
九州7県2015年人口12,546,68012,546,673宮崎市青島(7人)の追加による修正([109233]参照)

2.小地域区分の改訂:[109252] にまとめた通りです。

3.地域名の変更:宮城県石巻市金華島を「牡鹿諸島」に変更し、宮城県東松島市の宮戸島の地域名を空欄とする([102941]参照)。

4.岡山県岡山市の犬島の市区町村名を「岡山市東区」とする([102941]参照)。

5.宮崎県宮崎市の青島:背景色を「上記以外:SHIMADAS (2019年)などに掲載」に変更する([102941]参照)。

6.長崎県佐世保市前島・鼕泊島の2015年人口の出典をnihonshima.netからSHIMADAS(2019)に変更する([102941]参照)。

7.面積関係

島名都道府県市区町村項目修正前修正後備考
猪子島広島県大竹市面積0.130.12出典の変更([102941]参照)
猪子島広島県大竹市面積出典しまっぷSHIMADAS(2019)しまっぷ統合版閉鎖([102941]参照)
粭島山口県周南市面積0.430.50出典の変更([102941]参照)
粭島山口県周南市面積出典しまっぷSHIMADAS(2019)しまっぷ統合版閉鎖([102941]参照)
嘉弥真島沖縄県八重山郡竹富町面積出典沖縄県離島関係資料(R5)削除
(2021離島統計年報)
数値が沖縄県離島関係資料と離島統計年報とで同一なので全体を通しての離島統計年報の引用で十分
由布島沖縄県八重山郡竹富町面積出典沖縄県離島関係資料(R5)削除
(2021離島統計年報)
数値が沖縄県離島関係資料と離島統計年報とで同一なので全体を通しての離島統計年報の引用で十分

なお沖縄県竹富町の嘉弥真島・由布島の面積出典をわざわざ沖縄県離島関係資料(R5)としていましたが、改めて数値を見返したところ、これら2つに関してはどちらも2021離島統計年報記載のものと同じであり、別途引用し直す必要も無くなったので削除して構わないことになります。

改めて表を見て感じたことは、自分の感覚以上に人口減少が進んでいることですね。わずか10年ですが、本当に人口が減少している。最初ショックだったのは佐渡島の人口が江戸時代の人別改時代の記録よりも少なくなっていたことですが、よく見ると本州ですら10年で100万人弱減っており、本州が人口1億人を切るのもそう遠い日ではないことになりそうです。

【追記】最後の部分、「1億人」の漢字を修正したつもりが、「1人」のまま朝まで放置されてました!流石にそれは絶望的な未来が待ち受けないと無理!
[109252] 2023年 11月 11日(土)03:11:34YT さん
2020年・2015年・2010年の有人島別国勢調査人口と小地域区分の改訂
[109229]で予告したように一通り2020年・2015年・2010年の有人別国調人口がまとまったので、今回投稿します。これ以降はしばらく修正確認の必要はなくなるかと思います。

個人的に2003年~2021年度の離島統計年報のバックナンバー全てに目を通しましたが、[109229]で指摘したように、離島統計年報には結構間違いが多いことに気付きました。

そこで今回は、後からの検証が楽なように、すべての島について、令和2年(2020年)国勢調査報告書基準での、小地域区分をまとめました。例えば礼文島の場合、市区町村(小地域区分)欄は「礼文郡礼文町」ですが、これは礼文郡礼文町全体の人口がそのまま島の人口に相当する場合です。一方気仙沼市の大島の場合、市区町村(小地域区分)欄は「気仙沼市#(中山・浅根・廻舘・外畑・田尻・浦の浜・磯草・大初平・外浜・亀山)」となっておいますが、この場合では、気仙沼市の中のこれらの(国勢調査区分での)大字の人口の合計で島の人口が算出できます。千葉県の仁右衛門島の場合は「鴨川市(太海浜の一部(基本単位区0580-00040)」ですが、これは仁右衛門島の人口と鴨川市基本単位区0580-00040の人口が同じで、鴨川市基本単位区0580-00040は(国勢調査区分での)太海浜という大字(または小字)に含まれていることを意味します。さらに同一基本単位区が複数の島に分割されてしまっている場合は、「~の一部」と記述しました。

注意して欲しいことは、同一の基本単位区に複数の島が含まれていても、該当する島以外が無人島である可能性が高い場合、いちいち分割していません。後からこれらの無視した島が有人であることが判明した場合、修正が必要になる可能性は残っています。また基本単位区の境域データのShapeファイルがネット上に公開されているのは2020年(令和2年)分のみで、過去に遡ってその境域が保たれている保障はありません。対馬の赤島・泊島・沖ノ島の2015年人口の問題は、基本単位区の境域に微妙な変更があったことが原因であると言えます([109229]参照)。

また実際に過去に基本単位区の番号が異動している可能性があることを否定できません。例えば愛媛県今治市の比岐島の場合、2020年の境域データにおいては今治市基本単位区0280-00010が比岐島、基本単位区0280-00020が小比岐島です。実際2010年国勢調査においては基本単位区0280-00010に人口3人いますが、2015年においては基本単位区0280-00020に人口3人が計上されています。2020年基準で考えると、2010年に比岐島3人だった人口が、2015年には無人化し、そのかわり小比岐島に突然人口3人が出現したことになります。しかしながら小比岐島の航空写真を見る限り、小比岐島に集落が形成された形跡はなく、どうみてもどこかに誤りがあります。つまり2015年だけ番号が違っているのか、それとも小地域集計作成時に集計する欄を間違えてしまったのか、多分後者だとは思うのですが、はっきりと結論を出すことはできません(表では複数の基本単位区の集合体である大字名「今治村」を用いてごまかしている)。なお基本単位区の番号も普遍ではなく、一部地域では基本単位区番号から過去の人口を計算できないケースもあります。

以下島の順番は概ねritokeiの有人離島一覧に従っていますが、同一の市区町村が並ぶように一部入れ替えました。

(開く)2020年・2015年・2010年の有人島別国勢調査人口

今回、香川郡直島町の牛ヶ首島、西海市の前ノ島が追加されましたが、何れも2020年、2015年の国勢調査では無人化しています。

また沖縄県竹富町の小浜島、嘉弥真島、新城島上地、新城島下地、西表島、由布島の人口を分割・推定するに当たり、これまで沖縄県離島関係資料(R5)の住基人口を用いて按分しましたが、改めて直接竹富町の公式ホームページより9月30日現在の住基人口の情報が得られることに気付き、それにより人口推定をやり直しました。その結果、西表島、由布島の人口が微修正となりました。
[109243] 2023年 11月 7日(火)18:36:07【3】訂正年月日
【1】2023年 11月 7日(火)18:53:56
【2】2023年 11月 7日(火)20:45:44
【3】2023年 11月 8日(水)11:04:50
YT さん
北方領土の島別人口(2021年ロシア国勢調査による)
[109238] 未開人 さん

日本の有人島一覧の企画は非常に見応えがあります。YTさん、グリグリさん、ありがとうございます。一つだけ注文をつけるとすれば、北方領土の扱いでしょうか。一応日本が保有する有人島ですが、人口の推計ができないのでどう扱うべきか。

一応2021年にロシアで実施された国勢調査人口を元に、島別推定人口は算出できます。ただ自分はロシア語は読めないので、無理やり英語に翻訳して判断しています。各村の人口に離島が含まれているかどうかまでは分かりません。南クリル管区下の1市9村は、国後島に1市7村(ユジノ=クリリスク市(古釜布)6991人、ブローヴァ・ルドニー村(シベトロ)1人、ゴロヴニノ村(植内)153人、ドゥボヴォエ村(泊)84人、ジャスタヴァ・ドクチャエヴァ村(ルルイ)0人、マヤク・ロフツォフ村(安渡移矢)0人、メンデレーエヴォ村(東沸)40人、オトラダ村(近布内)414人)、色丹島に2村(クラバザヴォーツク村(穴澗)1515人、マロクリリスク村(斜古丹)2285人)設置されており、歯舞群島は無人扱いであるかのようにみえます。そしてクリル管区下の1市6村(クリリスク市(紗那)2530人、ブレヴェスニク村(天寧)30人、ゴルノイエ村816人、ゴリャチエ・クリュチ村(瀬石温泉)2030人、キトヴィ村(内岡)489人、レイドヴォ村(別飛)976人、ルイバキ村(有萌)3人)は全て択捉島にあり、それよりも北方の島(新知島、武魯頓島、知理保以島、得撫島)は無人島扱いであるかのようにみえます。

面積は日本の国土地理院のものを用いています。

島名ロシア国勢調査人口
(2021年10月15日
~11月14日)
ロシア国勢調査人口
(2010年10月14日
~10月25日)
日本の国土地理院
公表の面積
(2021年10月1日)
(km2)
人口密度
(2021年)
(人/km2)
備考
色丹島3,8002,820247.6515.34南クリル管区マロクリリスク村・クラバザヴォーツク村
国後島7,6836,6811,489,275.16南クリル管区(色丹島の2村を除く)
択捉島6,8747,3593,166.642.17クリル管区

ただベースとなる人口調査の方法も日時も違いますし、これはあくまで参考値に留めるべきものでしょう。

【追記】折角なので2010年のロシア国勢調査人口も追加しました。サハリン州全体では人口減少が進んでいますが、色丹島・国後島を含む南クリル管区は人口が増えているようです。ただしソ連崩壊時の1989年の人口(13,597人)までは回復していません。
【追記】市、村のロシア名とおおよそ対応する日本名を追加、表の順番を判り易く変更
[109241] 2023年 11月 7日(火)00:33:35【4】訂正年月日
【1】2023年 11月 7日(火)00:36:08
【2】2023年 11月 7日(火)03:41:36
【3】2023年 11月 7日(火)16:18:07
【4】2023年 11月 7日(火)21:44:55
YT さん
「しまっぷ統合版」の閉鎖問題
[109235] オーナーグリグリさん

追加情報をありがとうございました。いただいた情報を元に更新しましたのでご確認いただければと思います。なお、[109233]の青島はそのまま追加しましたが、鴎島については「■除外した法律指定外離島の項目」への追加が妥当と判断しました。また、出典資料として「ritokei」は削除し、「SHIMADAS (2019年)」を追加しました。

ありがとうございます。

すみませんが、追加で以下の修正をお願いします。

17.宮城県石巻市の金華島:現在地域名は空欄となっておりますが、「牡鹿諸島」に変更をお願いします。
18.宮城県東松島市の宮戸島:現在地域名は「牡鹿諸島」となっておりますが、こちらはむしろ空欄にして下さい。
75.岡山県岡山市東区の犬島:現在市区町村名は「岡山市」となっておりますが、「岡山市東区」に修正をお願いします。
344.宮崎県宮崎市の青島:背景色を「上記以外:SHIMADAS (2019年)などに掲載」に変更をお願いします。

また現在下の2つの島の平成27年国調人口の情報源としてWeb上のnihonshima.netを使っておりますが、どちらもSHIMADAS(2019)に平成27年島別国調人口が掲載されており、引用をSHIMADASに一本化できます。

265.前島:nihonshima.netのWeb情報と→SHIMADAS(2019)の情報(平成27年72人) と
266.鼕泊島:nihonshima.netのWeb情報と→SHIMADAS(2019)の情報(平成27年72人) と

また面積については修正するべきかどうか、まだ議論が必要かも知れませんが、後述するように第六管区海上保安本部がまとめた「しまっぷ統合版」が閉鎖してしまったため、以下の2島は面積(及び人口密度)の変更が必要かも知れません。

119.広島県大竹市の猪子島:面積を0.13 km2から0.12 km2に変更し、面積出典をしまっぷからSHIMADAS(2019)に変更する。
137,山口県周南市の粭島:面積を0.43 km2から0.50 km2に変更し、面積出典をしまっぷから山口県統計年鑑(H19)に変更する。

「しまっぷ統合版」ですが、現在は辛うじてWebArchiveの方でその内容を確認できます。


ところで、SHIMADAS (2019年) は私も以前から所持していますが、面積については注意が必要かもしれません。周南市の粭島の面積が3.33km2と明らかに間違っています。[97639] ekinenpyouさんの資料ページから辿れる説明、島面積の出典は「山口県のしまっぷ」による、H27面積調(1km2以上の島)に掲載なし(山口県統計年鑑H19年刊までは0.5km2だったが、H20年刊以降は3.33km2となっており誤りと推測)から0.43km2が正しいのは間違いありません。粭島の誤りは特異例かもしれませんがSHIMADAS利用の際に注意は必要と思います。

まずSHIMADASを出版しているところは日本離島センターであり、離島統計年報と同じところですので、SHIMADAS自体はむしろ公的な情報源に近いと考えられます。その上で、現時点で国土地理院の令和2年全国都道府県市区町村別面積調、2021離島統計年報以外の文献等を出典として面積を採用している島を有人島一覧の現状のリストから抽出してまとめてみると以下の通りです。

(開く)有人島一覧掲載の島の内、令和2年全国都道府県市区町村別面積調、2021離島統計年報を出典とする面積を採用しなかったもの

千葉県統計年鑑、神奈川県県勢要覧、三重県統計書、岡山県統計年報、熊本県統計年鑑に関しては、私自身昭和30年頃までバックナンバーを確認しましたが、島嶼部の面積の記載がありません。よって現状SHIMADASが最も公的な数字です。

なお、岡山県笠岡市の大飛島の面積に関しては、2021離島統計年報掲載の1.05 km2(平成27年国調時)が、令和2年全国都道府県市区町村別面積調(10月1日時点)に1 km2以上の面積を有する島としては未掲載の時点で微妙に誤りということで、ほかの面積を採用しています。こちらは第六管区海上保安本部がまとめた「しまっぷ統合版」にも掲載がありますが、現状の有人島一覧のリストでは、しまっぷ統合版掲載の面積(0.97 km2)ではなく、SHIMADAS(2019)掲載の面積(0.96 km2)を採用しています。同じ出版元ながら、SHIMADASと離島統計年報の間で数字が異なる事例の一つです。

徳島県海部郡海陽町の竹ヶ島に関しては、SHIMADAS(2019)掲載の面積1.30 km2は、令和2年全国都道府県市区町村別面積調(10月1日時点)に1 km2以上の面積を有する島としては未掲載の時点で誤りです。徳島県統計書の方は平成17年版まで1 km2未満の島の面積を確認でき、こちらを出典とする面積(0.40 km2)を現状の有人島一覧の方では採用しています。

高知県の中ノ島と戸島の面積は、元々2021離島統計の方にも面積が掲載されていましたが(0.23 km2と0.11 km2)、ekinenpyouさんが指摘されているように実際の島の形状に比べて面積の逆転の問題が発生しています。高知県統計書の方は昭和61年版まで1 km2未満の島の面積を確認でき、現状の有人島一覧ではこちらを出典とする面積を採用しています(0.18 km2と0.37 km2)。なおSHIMADAS(2019)掲載の面積と2021離島統計年報掲載の面積は全く同一であり、出版元の日本離島センターによって誤った面積データが共有されていることが示唆されます。

長崎県の島々は、SHIMADAS(2019)掲載の面積も長崎県統計年鑑(H28)掲載の面積もほぼ同じですが(長崎県統計年鑑の方は小数点以下第3位まで数字が示されている)、島の人口を分割する情報の根拠として用いる数値(平成27年国調ベース)が概ね長崎県統計年鑑(H28)に依拠しているので、これは現状のままで良いかも知れません。ただ現状では少数点以下第三位を四捨五入してしまっているので、すべてSHIMADAS(2019)に統一した方が正確かも知れません。

沖縄県の島々は、SHIMADAS(2019)掲載の面積も沖縄県離島関係資料(R5)掲載の面積も全く数字ですが、住基人口の情報の一部が沖縄県離島関係資料(R5)に依拠しているので、これも現状のままで良いかも知れません。なお豊見城市の瀬長島については、沖縄県離島関係資料(R5)にも沖縄県統計年鑑(R4)にもリストアップされていないので、面積のデータはSHIMADAS(2019)の引用となります。その意味では、沖縄県のこれらの面積の出典元を全てSHIMADAS(2019)に統一した方が判り易いかも知れません。

広島県大竹市の猪子島に関しては、平成13年以前の広島県統計年鑑では0.10 km2、平成14年~平成19年の広島県統計年鑑では0.12 km2が掲載されていますが、実のところ前者の引用元は「日本島しょ一覧(改訂版)」((財)日本離島センター)、後者の引用元はSHIMADAS(2019年以前の版)であり、すべて結局のところ離島統計年報を出版している日本離島センターが情報源です。現状の有人島一覧ではしまっぷ統合版を引用して0.13 km2としておりますが、現状しまっぷ統合版のサイトが閉鎖されてしまったので、SHIMADASの0.12 km2に変更した方が良いかも知れません。

最後に山口県統計年鑑ですが、平成19年以前の版では周南市粭島の面積0.5 km2、下関市竹ノ子島の面積0.2 km2と、小数点以下第1位までしか示されておりません。一方平成20年以降は、SHIMADAS(2019年や2019年以前の版)を引用するようになった結果、粭島の面積は3.33 km2、竹ノ子島の面積は0.18 km2と、SHIMADASと同じ数値が掲載され続けております。粭島の面積に関しては、令和2年全国都道府県市区町村別面積調(10月1日時点)に1 km2以上の広さの島としては未掲載の時点で誤りです。しかしながらその場合、粭島の面積としてしまっぷ統合版、山口県統計書(H19)のどちらを採用するべきかという問題が発生します。現状のリストでは、粭島の面積としてサイトが消滅してしまっているしまっぷ統合版を引用して0.43 km2としておりますが、SHIMADASを引用する前の山口県統計書(H19)を出典元とするとなると、0.43 km2→0.50 km2への修正が発生します。

下関市の竹ノ子島についてはしまっぷ統合版の対象外となり、現状ではSHIMADAS(2019)の数値(0.18 km2)を引用しています。

改めて第六管区海上保安本部がまとめた「しまっぷ統合版」掲載の面積情報を、令和2年全国都道府県市区町村別面積調(10月1日時点)、2021離島統計年報、SHIMADAS(2019)と比較してまとめてみました。有人島のほか、1 km2以上の大きさの無人島(離島統計年報の対象外)も含めてまとめています。

(開く)令和2年全国都道府県市区町村別面積調(10月1日時点)・2021離島統計年報・SHIMADAS(2019)・しまっぷ統合版の面積比較

並べてみると分かりますが、しまっぷ掲載の面積は令和2年全国都道府県市区町村別面積調(10月1日時点)掲載の面積とも大分異なるものが多いようです。

※面積は、六管区本部が独自に計算した、あくまでも参考値です。

ということで、おそらく地図などから算出したのでしょうが、いくら桁が多いからと言って全面的にその数値の有効を信用してはいけません。何より第六管区本部がサイトを消してしまったことにより、数字の算出方法に問題があったように見えます。

というわけで、現在の面積のうち、しまっぷ統合版を出典とする2島(粭島、猪ノ子島)の面積と出典を、それぞれ0.50 km2(山口県統計年鑑(H19))、0.12 km2(SHIMADAS(2019))に変更した方が良いのではないかと考えるに至りました。

【訂正】数字の間違いなど色々修正。

【追記】採用する面積の優先順位をまとめると:

1.令和2年全国都道府県市区町村別面積調(10月1日時点)
2.2021離島統計年報【ただし、1.令和2年全国都道府県市区町村別面積調(10月1日時点)に未掲載なのに1 km2以上の面積が掲載されている場合や、面積情報に矛盾が見られる場合は採用しない。】
3.地方統計書【ただしSHIMADASなど、日本離島センターが提供する面積に依拠する場合は採用しない。】
4.SHIMADAS(2019)

3と4の優先順位を交換した場合、2021離島統計年報に漏れている長崎県と沖縄県の島々の面積が一通り「面積出典:SHIMADAS(2019)」となります。

なお岡山県笠岡市の六島(1.02 km2)および大分県佐伯市の深島(1.10 km2)は、令和2年全国都道府県市区町村別面積調(10月1日時点)に未掲載であるにも関わらず、離島統計年報掲載の面積が1km2以上ですが、他の数字が得られていないので、現状では離島統計年報掲載の面積を採用しています。大分県統計年鑑も、平成26年度版まで深島の面積を1.10 km2(離島統計年鑑、SHIMADASと同じ)、平成27年度版以降は1 km2未満除外扱い(全国都道府県市区町村別面積調引用)で面積が掲載されていません。
[109233] 2023年 11月 2日(木)15:18:41【4】訂正年月日
【1】2023年 11月 2日(木)15:27:16
【2】2023年 11月 2日(木)15:50:14
【3】2023年 11月 2日(木)15:51:16
【4】2023年 11月 3日(金)01:14:39
YT さん
追加修正(SHIMADASで有人離島という扱いをされている鴎島、青島の追加)
[109222] オーナーグリグリさん

以上、日本の有人島一覧、ほぼ完成ということになりましたが、お気付きの点があれば今後ともよろしくお願いいたします。

[109229] 自分の投稿

現在SHIMADASを注文しており、入手次第改めてリスト漏れの有人島の可能性を検討し、人口の再確認を行います。

先程図書でSHIMADAS(2019年発売)を閲覧しましたが、幾つかの有人島を無人島扱いにするなど、色々抜けがありますね。

とりあえずSHIMADASで有人島扱いをしていた2島を追加すると、以下のような修正となります。

ただし北海道の鴎島は本土と埋め立てられており、扱いが微妙です。現状では鴎島はリストに載せるだけで、北海道の人口はそのままにした方が良いかも知れません(琵琶湖の沖島と同じ扱い)。

島名都道府県市区町村人口
2020
人口
2015
面積備考
鴎島北海道檜山郡江差町470.30字鴎島、面積出典:SHIMADAS
北海道北海道5,214,7915,370,64777,984.49(鴎島を別扱いにするのであれば)
北海道北海道5,214,7955,370,65477,984.49注:北海道檜山郡江差町の鴎島を含む
青島宮崎県宮崎市770.86青島二丁目の一部(基本単位区1430-02130)、面積出典:SHIMADAS
九州7県12,346,99112,546,67336,782.38新島(2015年:2人)、青島(2020年・2015年:7人)の修正に伴うもの

【追記】鴎島に関しては、以下の「■除外した法律指定外離島の項目」に、例えば「またSHIMADASに掲載の有人離島の内、北海道檜山郡江差町の鴎島も同様の理由により本表から除外。」のような説明を追記するだけでも良いかも知れません。とりあえず現状で[109229]に追加して修正する必要があるのは宮崎市の青島です。

■除外した法律指定外離島
上記の法律指定外離島のうち、島根県松江市の田島(大根島に接続)、香川県坂出市の瀬居島と沙弥島(四国本土に接続)、長崎県長崎市の香焼島(九州本土に接続)などは、ほぼ完全な埋め立てで独立した島ではなくなった地域として、本表からは除外。

【追記の追記】現在、仁右衛門島、城ケ島、江の島、賢島、横山島、大飛島、竹ノ子島、野牛島、瀬長島の面積の出典をネット上のritokeiにしていますが、これらは全てSHIMADAS(2019年)で採用されている面積と同一なので、ritokei にない青島を含め、出典は全てSHIMADAS(2019年)に統一可能です。
[109229] 2023年 11月 1日(水)20:30:39【3】訂正年月日
【1】2023年 11月 1日(水)20:42:09
【2】2023年 11月 1日(水)20:59:33
【3】2023年 11月 1日(水)21:04:28
YT さん
対馬の赤島・泊島、鹿児島の新島・馬毛島・種子島、九州の2015年の人口の修正
[109222] オーナーグリグリさん

以上、日本の有人島一覧、ほぼ完成ということになりましたが、お気付きの点があれば今後ともよろしくお願いいたします。

すみません。2015年の有人島別人口などについて、再度追加で間違いが見つかったので報告します。
2010年(平成22年)の国勢調査であれば、四国や九州本土と国勢調査の基本単位区を共有する島について分割データが揃っているので、正確な人口が求まると思い、追加で色々作業をしていたのですが、その過程で間違いに気づきました。

1.2015年人口等の修正

修正前
#島名都道府県市区町村人口
2020
人口
2015
246赤島長崎県対馬市2521
247泊島長崎県対馬市922
354新島鹿児島県鹿児島市20
355種子島鹿児島県西之表市・熊毛郡中種子町・熊毛郡南種子町27,69029,847
356馬毛島鹿児島県西之表市20
377九州7県12,346,99812,546,682

修正後
#島名都道府県市区町村人口
2020
人口
2015
246赤島長崎県対馬市2534
247泊島長崎県対馬市99
354新島鹿児島県鹿児島市22
355種子島鹿児島県西之表市・熊毛郡中種子町・熊毛郡南種子町27,69029,845
356馬毛島鹿児島県西之表市22
377九州7県12,346,99812,546,680

2.島名欄背景色の追加

#島名都道府県市区町村島名欄背景色
119猪子島広島県大竹市 「上記以外」

3.脚注の説明の修正

#島名都道府県市区町村修正前修正後
153大毛島徳島県鳴門市※注:鳴門町土佐土佐泊浦・三ツ石(高島を除く)※注:鳴門町土佐泊浦・三ツ石(基本単位区0030-03040を除く)
155島田島徳島県鳴門市瀬※注:瀬戸町堂浦・大島田・室・撫佐・小島田・中島田・北泊の一部(基本単位区0040-03140)・堂浦の一部(基本単位区0040-02200)※注:瀬戸町大島田・室・撫佐・小島田・中島田・北泊の一部(基本単位区0040-03140)・堂浦の一部(基本単位区0040-02200)

4.また、離島統計年報の数字とも異なる点が生じたので、以下の脚注の説明の追加を行った方が良いと思います。

#島名都道府県市区町村脚注
52沖島滋賀県近江八幡市※注:沖島町(基本単位区0820-00030を除く)
118阿多田島広島県大竹市※注:阿多田島
246赤島長崎県対馬市※注:美津島町鴨居瀬の一部(基本単位区0600-00080,平成27年は基本単位区0600-00090の一部を含む)
平成27年は2016離島統計年報を元に修正
247泊島長崎県対馬市※注:美津島町鴨居瀬の一部(基本単位区0600-00090,平成27年は基本単位区0600-00090の一部)
平成27年の人口は2016離島統計年報
248沖ノ島長崎県対馬市※注:美津島町鴨居瀬の一部(基本単位区0600-00060~00070)
354新島鹿児島県鹿児島市※注:新島町
356馬毛島鹿児島県西之表市※注:馬毛島
397前島沖縄県島尻郡渡嘉敷村※注:字前島の一部(基本単位区0030-00020)

まず、鹿児島市の新島と西之表市の馬毛島ですが、2021離島統計年報には記載があるものの、2016年~2020年の離島統計年報には記載がありませんでした。しかしながら2015年以前の離島統計年報には、新島と馬毛島の名前が載っております。

島名都道府県市区町村人口
2020
人口
2015
人口
2010
人口
2005
人口
2000
備考
新島鹿児島県鹿児島市2【2】4512
馬毛島鹿児島県西之表市2【2】111502000年国調では0だが住民登録では有人(13人)

そこで念のため、2015年(平成27年)の国勢調査での小地域集計によって新島と馬毛島の2015年の人口を確認したところ、どちらも2020年(令和2年)と同じ2人でした!つまり2015年国調相当のデータが掲載されるはずの5年間、離島統計年報は新島と馬毛島の数字を欠落させてしまっていたのです。

この新島と馬毛島の2015年(平成27年)の人口を0人から2人修正するに伴い、種子島と九州の人口はそれぞれ2人減る方向に修正となります。

また[109221]でも触れた対馬の赤島、泊島、沖ノ島の人口問題について、改めて対馬全域について、過去の離島統計年報、長崎統計年鑑(データがあるのは2010年まで)、および国勢調査の基本単位区の年度ごとの数字を比較してみたところ、以下の通りとなりました。

島名元文献等人口
2020
人口
2015
人口
2010
人口
2010
人口
2000
対馬島離島統計年報28,37431,30134,23038,30141,016
対馬島長崎県統計年鑑34,23038,30141,016
海栗島離島統計年報5164705262
海栗島長崎県統計年鑑705262
基本単位区対馬市1220-00020(上対馬町鰐浦)国勢調査51647052
基本単位区上対馬町0180-00020(上対馬町大字鰐浦)国勢調査62
赤島離島統計年報2513464758
赤島長崎県統計年鑑464758
泊島離島統計年報99101215
泊島長崎県統計年鑑101215
基本単位区対馬市0600-00080(美津島町鴨居瀬)国勢調査25213130
基本単位区美津島町0220-00080(大字鴨居瀬)国勢調査31
基本単位区対馬市0600-00090(美津島町鴨居瀬)国勢調査9222530
基本単位区美津島町0220-00090(大字鴨居瀬)国勢調査42
上記2基本単位区の合計国勢調査3443566073
沖ノ島離島統計年報1839213241
沖ノ島長崎県統計年鑑213241
基本単位区対馬市0600-00060(美津島町鴨居瀬)国勢調査16151624
基本単位区美津島町0220-00060(大字鴨居瀬)国勢調査34
基本単位区対馬市0600-00070(美津島町鴨居瀬)国勢調査2358
基本単位区美津島町0220-00070(大字鴨居瀬)国勢調査7
上記2基本単位区の合計国勢調査1818213241
島山島離島統計年報2531303738
島山島長崎県統計年鑑303738
基本単位区対馬市0500-00010(美津島町島山)国勢調査25313037
基本単位区美津島町0120-00010(大字島山)国勢調査38

2020年の境界データを見る限り、対馬市の基本単位区0600-00080が赤島、0600-00090が泊島に対応しています。ところが2015年以前のデータでは泊島⊂0600-00090となっております。これはどうしてなのでしょうか?

改めてekinenpyouさんが揃えてくれた2015年の境域データを参照したところ、2015年と2020年の間で、基本単位区0600-00080と基本単位区0600-00090の範囲に変化があったことが確認されました。2020年の国勢調査時では、対馬市の基本単位区0600-00080が赤島、0600-00090が泊島に対応していましたが、2015年以前の段階では、基本単位区0600-00090が、泊島と、泊島の北東に隣接する小高い山(漁業協同組合の建物など)を含んでいることがわかりました。2000年~2010年の人口(長崎統計年鑑とも一致)からも加味して、2015年の泊島の人口は離島統計年報の9人、赤島は基本単位区0600-00090の残り(13人)と基本単位区0600-00080(21人)を含む34人を採用するのが妥当と判断しました。一方で離島統計年報記載の2015年の赤島と沖ノ島の人口はやはり誤りで、基本単位区0600-00090の13人を誤って沖ノ島の人口に加算してしまったことが原因と考えられます。

なお離島統計年報や長崎統計年鑑記載の2005年の赤島(24世帯47人)と泊島の人口(3世帯12人)の合計(27世帯59人)が、基本単位区0600-00080(14世帯30人)と基本単位区0600-00090(13世帯30人)の合計(27世帯60人)よりも1人少ないというエラーがあります。これに関して対馬本島に基本単位区0600-00080または基本単位区0600-00090の飛び地があったかの可能性も考えましたが、世帯数の方では合計が一致しているので、多分赤島と泊島に人口を分割する際に1人カウントミスをしてしまったのでしょう。

現時点で2010年の日本の有人島別人口も一応はまとまめたのですが、このように離島統計年報自体に誤りが色々あり、このほか有人島を見落としている可能性もあります。現在SHIMADASを注文しており、入手次第改めてリスト漏れの有人島の可能性を検討し、人口の再確認を行います。
[109221] 2023年 10月 30日(月)15:44:47【4】訂正年月日
【1】2023年 10月 30日(月)15:48:32
【2】2023年 10月 30日(月)15:55:05
【3】2023年 10月 30日(月)15:59:18
【4】2023年 10月 30日(月)16:43:56
YT さん
日本の有人島一覧(人口・面積等)追加訂正 (中ノ島・戸島(須崎市)・四国・高島(長崎市)・九州)
[109220] オーナーグリグリさん

[109215]を投稿するにあたり、2021離島統計年報は閲覧しましたが、それ以前の離島統計年報には目を通しておりませんでした。そのため[109215]で2020年(令和2年)国調人口が判明している離島振興法等指定離島の2015年(平成27年)国調人口については、元文献の数字を自分では確認していませんでした。

そこでさきほど2020離島統計年報やそれ以前の離島統計年報を確認したところ、2015年の国調人口として間違った数字を掲載してしまったものがあり、さらに推計人口について追加情報による修正がありましたので、以下まとめます。

1. 訂正 (長崎市高島の2015年国調人口訂正、須崎市の中ノ島・戸島の2020年・2015年国調人口の推計のやり直し、それにともなう四国・九州の人口訂正)

訂正前
#島名都道府県市区町村人口
2020年
人口
2015年
面積
(km2)
人口密度
(人/km2)
備考
219中ノ島高知県須崎市20230.18111nihonshima.netのWeb情報 (平成12年43人) と基本単位区0350-00080 (平成12年124人) の人口比より令和2年・平成27年の人口を推定
220戸島高知県須崎市390.378nihonshima.netのWeb情報 (平成12年16人) と基本単位区0350-00080 (平成12年124人) の人口比より平成27年の人口を推定
令和2年の人口は個人ブログにおいて令和元年時点で3人という情報による (人口比の計算からは7人)
225四国4県3,627,2923,769,01618,297.37198
286高島長崎県長崎市3243201.19272
377九州7県12,346,99812,546,74436,782.38336

訂正後
#島名都道府県市区町村人口
2020年
人口
2015年
面積
(km2)
人口密度
(人/km2)
備考
219中ノ島高知県須崎市16180.18892016離島統計年報 (平成22年23人) と基本単位区0350-00080 (平成22年86人) の人口比より令和2年・平成27年の人口を推定
220戸島高知県須崎市370.3782016離島統計年報 (平成22年9人) と基本単位区0350-00080 (平成12年124人) の人口比より平成27年の人口を推定
令和2年の人口は個人ブログにおいて令和元年時点で3人という情報による (人口比の計算からは6人)
225四国4県3,627,2963,769,02318,297.37198
286高島長崎県長崎市3243821.19272
377九州7県12,346,99812,546,68236,782.38336


すみません。まず長崎市の高島の2015年国調人口に関しては、単純に他資料からの数字の写し間違いです。長崎県長崎市の高島の2015年国調人口を、320人から382人に修正します。同時に九州の2015年国調人口も12,546,744人から12,546,682人に修正となります。2020年の国調人口自体には修正はないので、人口密度に変化はありません。

一方須崎市の中ノ島・戸島に関しては、

[109219] の方で

ところがnihonshima.netの方には、平成12年、平成7年の中ノ島・戸島の人口が掲載されています。今回こちらの平成12年の数字を、令和2年の人口推定に用いました。結局nihonshima.netの数字の引用元がはっきりしませんが、離島統計年報のバックナンバーなどと推察します。

と書きましたが、改めて2016年以前の離島統計年報を確認したところ、なんと2010年、2005年、2000年の中ノ島・戸島の国調人口が、法律指定外離島として掲載されていることが判りました。結局nihonshima.netの数字も離島統計年報のものと同じです。2015年以降については島別の国調人口の掲載を止めてしまったようです。前の計算結果と比較すると、前の版で2000年の人口を元に2015年の推定人口として出した23人、9人というのは、2010年の実際の国調人口と一致し、島の過疎化は加速していました。

島名人口
2020年
人口
2015年
人口
2010年
人口
2005年
人口
2000年
中ノ島233643
戸島9816
須崎市基本単位区0350-00080586786100124

改めて2016離島統計年報記載の中ノ島・戸島の2010年国調人口を元に、中ノ島の2020年・2015年の推計人口、戸島の2015年の推計人口を算出し直しました。それにともない四国の2020年・2015年の推計人口も微増修正となります。また中ノ島の2020年国調人口が減ったことにより人口密度も減ります(四国の方は誤差範囲)。

2. 2020離島統計年報掲載の2015年(平成27年)国調人口が明らかに間違っているもの

島名都道府県市区町村2020離島統計年報記載の
2015年国調人口
YTによる修正値備考
沖島滋賀県近江八幡市287273※沖島町(基本単位区0820-00030を除く)
赤島長崎県対馬市1321※美津島町鴨居瀬の一部(基本単位区0600-00080)
泊島長崎県対馬市922※美津島町鴨居瀬の一部(基本単位区0600-00090)
沖ノ島長崎県対馬市3918※美津島町鴨居瀬の一部(基本単位区0600-00060~00070)
渡嘉敷島沖縄県島尻郡渡嘉敷村730728
ナガンヌ島沖縄県島尻郡渡嘉敷村2※前島の一部 (基本単位区番号0030-00030)
ナガンヌ島は2020離島統計年報に記載なし

実はこれらは全てekinenpyouさんが違和感を記述していたので、事前に織り込み済みで修正していまました。

琵琶湖の沖島は近江八幡市沖島町にありますが、これは陸地側の基本単位区0820-00030(令和2年22人・平成27年14人)を含みます。2020離島統計年報掲載の2015年国調人口は、がっつりこの14人を加算した287人が示されており、明確に間違いです。2021離島統計年報掲載の202年国調人口年分については、きっちり22人が除外されています。

対馬の沖島・赤島・泊島の2015年国調人口については、2020離島統計年報などで何でこのような集計の間違いを犯したのかはよく分かりません。集計する過程で、先に対馬島全体の人口を計算したあと、その後修正する過程でうっかり赤島分21人の男13人、女9人をそれぞれ赤島と泊島の総人口としてしまい、差分を沖ノ島の人口に含めてしまったとか?2021離島統計年報掲載の2020年国調分については、正しい処理がなされています。

島尻郡渡嘉敷村の渡嘉敷島については、2020離島統計年報では島尻郡渡嘉敷村の2015年(平成27年)の国調人口730人をそのまま渡嘉敷島の2015年国調人口にあてはめてしまっています。しかしながら実際には2015年国調人口では島尻郡渡嘉敷村字前島の一部に相当するナガンヌ島に2人おりますので、明確に誤りです(字前島はナガンヌ島よりも前島がメインですが、こっちは2015年国調人口は0人で、住基人口では前島もナガンヌ島も有人となっています)。2021離島統計年報掲載の島尻郡渡嘉敷村の2020年国調人口については、ナガンヌ島も前島も国勢調査の上では無人化していて正しい数字になっています。

3. 2020離島統計年報において、離島を分離していない処理がなされているもの。

島名都道府県市区町村2020離島統計年報記載の
2015年国調人口
YTによる修正値備考
阿多田島広島県大竹市252251
猪子島広島県大竹市1離島統計に記載なし

これは微妙な問題です。ekinenpyouさんの指摘により猪子島の人口1人を阿多田島の人口から分離したのですが、改めて2020離島統計年報を閲覧したところ、阿多田島の人口は252人となっていました。2021離島統計年報掲載の2020年国調人口分については、猪子島自体が無人化していてどっちの解釈でも問題ない数字になっています。

あと、271 竹ノ島、273 前島、274 鹿島などで、「離島統計年報」が「離島統統計年報」となっていた箇所があります。これは自分の作成した資料の方での誤記が原因なので申し訳ありません。

【重要な訂正】:長崎市高島の2015年国調人口は382人です。386人と最初の投稿で書いてしまいましたが、382人の間違いです!

結果として本土(四国・九州)と離島で国勢調査の基本単位区で人口を分離できない島について、2010年以降の国調ベースの分割データが全て揃うこととなり、さほど無理やりな推定人口でもなくなったようです。
[109219] 2023年 10月 30日(月)00:31:51【1】訂正年月日
【1】2023年 10月 30日(月)00:42:38
YT さん
日本の有人島一覧(人口・面積等)
[109218] オーナーグリグリさん

今回は忘れないようにすぐに取り掛かりました。[109215] YTさんの記事をもとに取り急ぎ編集しましたので、解釈ミスや間違いがあると思います。ご確認いただければ助かります。→ YTさん

ありがとうございます。ただ、私が【】付きで示した、人口推定を行った島の一部については、区分の色が抜けてしまっています。

以下は「法律指定外離島」です。

73 黒島 (岡山県瀬戸内市)
219 中ノ島 (高知県須崎市)
220 戸島 (高知県須崎市)
271 竹ノ島 (長崎県西海市)
273 前島 (長崎県西彼杵郡時津町)
274 鹿島 (諫早市)
336 黒島 (大分県臼杵市)

以下は「上記以外」になります

49 賢島 (三重県志摩市)
50 横山島 (三重県志摩市)
265 前島 (長崎県佐世保市)
266 鼕泊島 (長崎県佐世保市)
281 南串島 (長崎県西海市)

また、265前島と266 鼕泊島の平成27年の人口(それぞれ72人、64人)のソースは「2021離島統計年報」記載ではなく、nihonshima.netです。ただ合算した数字にあたる136人は、平成27年国勢調査における佐世保市内の基本単位区2750-00040の人口136人とも一致したので、何等かの公的な数字に基づくと思われます。

参考までに長崎県統計書では平成28年版まで、「島しょ一覧」という項目があり、島ごとに国勢調査人口が示されていました。平成28年版に掲載されていたのは平成22年10月1日現在の人口(でも面積の方は平成27年10月1日現在となっている)です。残念ながら平成29年度版以降は、1km2以上の面積の島の情報のみで、また島嶼の詳しい人口の情報も掲載されなくなりました。

参考までに長崎県統計書(平成28年)から関連する島嶼の情報を以下にまとめます。

市町島名面積(平成27年10月1日現在)世帯数(平成22年10月1日現在)人口(平成22年10月1日現在)
佐世保市前島0.3092368
佐世保市とう泊島0.0982176
西海市竹島0.08024
西海市南串島0.6853298
諫早市鹿島0.15838
西彼杵郡前島0.26325
新上五島町中通島168.3108,74020,159
新上五島町桐小島0.04038

この内、中通島と桐小島の方は2021離島統計年報に令和2年国勢調査人口の数字が記載されています。
竹ノ島(長崎県統計書では「竹島」表記)、前島、鹿島については2021離島統計年報に平成27年国勢調査人口の数字が記載されていますので、令和2年については人口推定を行いましました。
前島と鼕泊島(長崎県統計書では「とう泊島」表記)については、nihonshima.netの方に平成27年国勢調査人口の数字が見つかりましたので、令和2年については人口推定を行いましました。
南串島だけは、2021離島統計年報に情報がなく、平成22年の人口から令和2年、平成27年の人口を推定しました。

なお、長崎県統計書と同様に高知県統計書の方でも過去に島嶼別人口が掲載されていましたが、こちらは平成3年度版までで島嶼毎の人口の記載が終了し、平成4年以降は面積1km2以上の島のみ掲載と情報が劣化しています。高知県統計書(平成3年)における関連する島のデータは以下の通りです。

所属地名周囲(km)面積(km2)世帯数(平成2年10月1日現在)人口(平成2年10月1日現在)総数
中ノ島須崎市多ノ郷1.690.213532330
戸島須崎市多ノ郷2.820.14241212

小地域統計が公開されているのは平成7年の国勢調査以降なので、残念ながら平成2年の人口からは、市の総人口に対する各島の人口の割合を使って人口を推定する必要となっていまいます。ところがnihonshima.netの方には、平成12年、平成7年の中ノ島・戸島の人口が掲載されています。今回こちらの平成12年の数字を、令和2年の人口推定に用いました。結局nihonshima.netの数字の引用元がはっきりしませんが、離島統計年報のバックナンバーなどと推察します。

ところで、企画名称は「日本の有人島一覧(人口・面積等)」の方がよかったでしょうか。変更しようと考えています。

これに関しては「有人島」と明記した方がより正確だと思います。
[109215] 2023年 10月 29日(日)00:48:02【3】訂正年月日
【1】2023年 10月 29日(日)00:56:08
【2】2023年 10月 29日(日)02:13:35
【3】2023年 10月 29日(日)02:56:54
YT さん
令和2年、平成27年の有人島別国勢調査人口
ekinenpyouさんが[97639]で有人離島の情報をまとめられてから、すでに4年半も経っていますが、先日図書館で『2021 離島統計年報 CD-ROM版』を閲覧する機会に恵まれました。本書には、離島振興法などに指定された離島の令和2年の国勢調査人口がまとめられているほか、法律指定外離島についても人口(ただし平成27年国勢調査人口)がまとめられています。なお面積については平成27年10月1日基準のままです。

そこでこれを機に日本の有人島の国勢調査人口、面積をまとめてみようと試みました。

ただし完璧ではありません。

すでにekinenpyouさんが過去に示されたように、離島統計年報から漏れている島が大量にあります。一応ritokeiの有人離島一覧を参考にして、漏れている数字を補いました。さらにekinenpyouさんが[97639]でまとめられたデータと、国勢調査の小地域(基本単位区)の統計地理情報システムを駆使して、なんとか数字を揃えてみました。

細かいところで、こことここは別の島だろ!とか、ここは繋がっていない?とか突っ込みどころは大量にありますが、とりあえず足掛かりとして有人島の令和2年、平成27年における人口をまとめます。面積については、国土地理院の全国都道府県市区町村別面積調により、令和2年10月1日時点の面積データに更新しましたが、情報が得られるのは1km2以上の島のみです。人口密度に関しては、一応令和2年基準で計算しましたが、1km2未満の島については平成27年基準など、とりあえず得られた面積データを使って人口密度を計算しました。

島についているマークは:
マーク無し:『2021 離島統計年報 CD-ROM版』収録の、離島振興法等指定離島
*:『2021 離島統計年報 CD-ROM版』収録の、法律指定外離島
**:『2021 離島統計年報 CD-ROM版』に収録されていないが、「ritokei」などの有人離島リストに掲載されているもの
***:北海道、本州、四国、九州、沖縄島(人口は差分で計算)
【】:推定人口の項目(重複あり)

を意味します。*や**のマークがあるものに関しては、2020年の人口を算出する際に、小地域集計の情報が必要で、計算に用いた大字・町名、あるいは字・丁目などを備考欄に示します。

なお、『2021 離島統計年報 CD-ROM版』収録の法律指定外離島であっても、島根県松江市の田島(大根島に接続)、香川県坂出市の瀬居島、沙弥島(四国本土に接続)、長崎県長崎市の香焼島(九州本土に接続)などはほぼ完全な埋め立てで独立した島ではなくなった地域となってしまっているので、本表から除外します。

幾つか注意点としては
1.国土地理院が規定する「島」は、周囲長0.1km以上の海岸線で囲われた自然島であり、人工島は島とはみなされません。よって関空や、神戸のポートアイランド、東京湾の平和島や令和島やお台場などは本州島の一部とされます。
2.琵琶湖に浮かぶ沖島は、上の基準では島ではありませんが、法令上離島振興法等指定離島となっているのでリストに含まれています。琵琶湖は本州の面積に含まれており、沖島の人口も本州の人口に含めました。
3.高知県須崎市の中ノ島・戸島の人口は、本土分と分離できなかったものの、推定人口を算出しました。これにより、四国の人口は正確には計算できませんが、誤差は±10人程度でしょう。
4.長崎県西海市の竹ノ島・南串島・西彼杵郡時津町の前島・諫早市の鹿島・大分県臼杵市黒島なども国勢調査の基本単位区では本土分と分離できませんでしたが、離島統計年報には国勢調査の基本単位区をさらに分割した数字が掲載されています。ただし竹ノ島、前島、鹿島、黒島は平成27年国調、南串島は平成22年国調ベースの分割された人口の情報が存在します。今回基本単位区に占める人口比から、推定人口を算出しました。これにより、九州の人口は正確には計算できませんが、誤差は±20人程度でしょう。
5.長崎県南松浦郡新上五島町の中通島と桐ノ小島については令和2年の国調ベースの分割人口が離島統計年報に掲載されていたので、そのまま使用しました。
6.以上のほか、いくつかの島で人口比などによって令和2年の推定人口を算出しました。
7.熊本県の大矢野島・野牛島だけは人口を分離するのに必要な根拠となる数字が全く見つからなかったので、推定人口を算出しませんでした。航空写真から家屋の数を見る限り、おそらく野牛島は10人~20人前後でしょうが。野牛島は一度無人化した後、道が繋がることで娯楽施設や店舗が建設され、再度有人化したという感じのようです。

(開く)日本の有人島の人口、面積一覧

人口密度が一番高いのは沖縄県の奥武島の3,217 人/km2ですが、人工島をリストに加えることが可能であれば、人口密度1万人/km2クラスがたくさん出現しそうです。

最後に日本の人口上位30位までの島の一覧です(人口1万人以上)。唯一分割に至っていない大矢野島・野牛島が30位につけました。

順位島名都道府県2020年
人口 (人)
2015年
人口 (人)
2020年
面積 (km2)
2015年
面積 (km2)
2020年
人口密度
(人/km2)
備考
1本州1都2府31県102,577,820102,978,572227,939.72227,942.41450.02琵琶湖の沖島を含む
2九州7県12,346,99812,546,74436,782.3836,782.35335.68南串島・竹ノ島(長崎県西海市)・鹿島(長崎県諫早市)・前島(長崎県西彼杵郡時津町)の人口推定処理の影響あり
3北海道北海道5,214,7955,370,65477,984.4977,984.4166.87
4四国4県3,627,2923,769,01618,297.3718,297.59198.24中ノ島・戸島(高知県須崎市)の人口推定処理の影響あり
5沖縄島沖縄県1,335,7331,301,7831,208.531,206.961,105.25
6淡路島兵庫県126,980134,717592.51592.55214.31
7天草下島熊本県65,93771,523574.95574.94114.68
8奄美大島鹿児島県57,51159,828712.41712.3580.73
9佐渡島新潟県51,49257,255854.81854.7660.24
10宮古島沖縄県47,67645,625158.93158.87299.98
11石垣島沖縄県47,63747,564222.24222.25214.35
12福江島長崎県31,94534,419326.36326.3197.88
13対馬島長崎県28,37431,301695.74696.4440.78
14種子島鹿児島県27,69029,847444.30444.3062.32
15小豆島香川県25,88127,927153.26153.25168.87
16壱岐島長崎県24,67826,750134.63134.63183.30
17天草上島熊本県23,77226,317225.93225.90105.22
18彦島山口県23,60626,38610.5810.582,231.19
19江田島・
能美島
広島県21,92424,33091.3391.32240.05
20徳之島鹿児島県21,80323,497247.85247.8587.97
21向島広島県20,99422,31122.3122.31941.01
22因島広島県20,43521,94735.0435.03583.19
23平戸島長崎県16,24017,698163.44163.4099.36
24中通島長崎県16,11318,113168.39168.3195.69
25倉橋島広島県15,10616,77669.4669.46217.48
26屋代島山口県14,47716,766128.48128.48112.68
27島後島根県13,43314,608241.53241.5555.62
28沖永良部島鹿児島県11,99612,99693.6593.65128.09
29屋久島沖縄県11,76512,913504.29504.2923.33
30大矢野島熊本県11,09011,90530.2030.20365.77野牛島(0.12 km2)の人口を分離せず(人口密度は30.32 km2で算出)

淡路島までは想像できたのですが、幕末に人口10万人を超えていたはずの佐渡島が半減している状況でびっくり。九州の離島が上位を占めています。沖縄県を除きどの地域も人口が減少していますが、本州の人口が1憶人を切るのもそう遠い未来ではなさそうです。

【誤字訂正、順位追加、九州本土は7県、前島(0.309km2)・鼕泊島(0.098km2)・南串島(0.085km2)の面積を小数点以下二桁に修正し人口密度も修正】
[107981] 2023年 6月 11日(日)22:24:18YT さん
経県と、苗字の漢字の問題
5月以降、滅茶苦茶忙しいモードに入ってしまい、色々な作業がストップしてしまってます。特に水曜日は朝6時起き、そのための準備で日曜日から火曜日までの深夜が潰れ、水曜日の深夜も疲れてなにもできず・・・の状態になってしまい、折角の色々面白いネタにも反応できませんでした。経県の話題が復活して来たので、今改めてその話題を投稿します。

[107878] サヌカイトさん

さて中身ですが、タイトルの通り「特殊ランキング」になります。といってもそんな難しい計算を用いたものではなく、ごく単純に(全県登録でない方含む)全登録者の中で「居住+宿泊」「訪問」「接地」「通過」がそれぞれただ1人だけのものが、いったい誰だったのかを調べて集計しました。

中々面白い視点でのまとめですね。ただ自分は基本、地方に行くのは仕事関連施設のある大きな都市か、家族旅行かだけですので、それにもかからわず、経県値特殊ランキングに宿泊(居住含む)が2つもあるのは本当かな?と思って調べて見ましたが、もしかしたら本当は1つかも知れません。

京都府京田辺市:これは京都厚生年金休暇センター(現在の名称:ウェルサンピア京都)ですね。ここで開かれたセミナーに学生時代に参加したのですが、いくら騒いでも周囲から文句を言われないところ・・・ということで、ここに泊まりました。当時はまだアルハラ上等の時代かつ、微妙に体育会系な分野ですので、下戸の私には色々つらかったです。

千葉県山武市:これ、もしかしたら違うかも知れません。これも学生時代、研究室旅行で九十九里浜に行ったのですが、大学生協から申し込み可能な安い雑魚寝の宿に泊まりました。ただ計画を立てたのは自分ではなく、どこに泊まったかの記憶が曖昧なのです。行きの電車は教授と二人きりの空間にいたために緊張し、どこの駅で降りたかの記憶が吹っ飛んでおり、なんとなく当時の風景とGoogle mapの映像から、蓮沼周辺だったかな?と思って勝手に山武市を宿泊設定にしたのですが、もしかしたらもっと東側:横芝光町、匝瑳市、旭市、銚子市のどこかかも知れません。そうなってくると「通過」が増えることになります。

[107811] オーナーグリグリさん
ところで私の「苗字が市名と同音同字の人」は考えてみたのですが、これまでの経歴からは会話した人の数が非常に多いため、記憶が極めて曖昧でとてもリストアップできる精度ではありません。

私は典型的な市名苗字の人です。しかも「東松山市」と「松山市」の如く、苗字の一部を含む市も存在していたりします。苗字の人口も比較的上位の方なので、多分皆さんの多くのリアルの知り合いに、私と同姓の人間はいると思います。

ただ・・・厳密にいうと、本籍の漢字は、旧字体、新字体とも異なる異字体、かつ漢字の形がSHIFT-JIS登録のものとも微妙の異なる字体だったのですが、ここ20年間の間の戸籍の電算化の過程で、戸籍に使われていた漢字の微妙な違いが、SHIFT-JISに登録されているものへ強制的に書き換えられてしまったのです。私の場合は8年前に結婚してから本籍の漢字の字体が強制的に変えられたことに気付かされました!当時住んでいた川崎市の区役所の説明によると、法的にも電算化の際の漢字の字体の変更は、対象者の同意は必要ないものになっている、とのことでした。まあそれはどうでも良いと言えばどうでも良いのですが、警察署に受け継がれている運転免許書の本籍の漢字と、役所の戸籍の漢字が異なるというわけのわからない状態になっています。運転免許書とマイナンバーカードの一本化に警察が抵抗する限り、本籍の漢字二本立て体制は続きそうです(てか住基カードはどうなったの?引っ越した先の市では住気基カードの読み込み装置が操作不良で、妻の住基カードはほとんど使うことなく、読み取り不良原因不明のまま廃止となってしまいました)。

いや、本当は漢字はどうでも良かったのです。もともと学生時代までは新字体しか使っていませんでした。私の父母も戦前生まれですが、文章執筆の際には新字体を使ってますし、そもそも試験などでは新字体の方が時間短縮になるので、本籍の漢字を意識することなどはありませんでした。運転免許書だけは当時の本籍の異字体の漢字を使いましたが、銀行のカードも新字体でした。ところが社会人になってから事務関連で強制的に本籍の漢字を使えとなり、その結果文章執筆では従来通りの新字体、予算関連では本籍の異字体の混合状態となり、その本籍の漢字もいつのまにかSHIFT-JIS登録の字体となり、自分の仕事関連のホームページでは何か旧字体と異字体と新字体が混ざって表示されており、もうどうしようもない状況です。本来なら運転免許書なんて表に出ないので、新字体だけのままでよかったのですが、社会人になってから事務が煩かったせいで、後戻りできない中途半端な漢字使いになってしまいました。
[107732] 2023年 4月 26日(水)00:11:37YT さん
折りたたみ機能について
[107718] オーナー グリグリさん

YTさんへ

勝手に記事を利用して申し訳ありません。折りたたみ機能の効果を評価したいと思い利用させていただきました。できるだけ早くこの機能を書き込みで利用できるようにしますので、何卒ご協力をよろしくお願いいたします。

皆さんへ
折りたたみ機能は、表に限らず折りたたみたい部分を次のような指定で囲むことで実現する予定です。
現在の%%による引用と同じような指定方法でタイトルが付けられる。

@@タイトル
(この部分に折りたたむ部分を記述する)
@@

「タイトル」は(開く)や(閉じる)の後ろにつけるタイトルになります。
サンプルの文字色、背景色、機能などいかがでしょうか。ご意見をお待ちしています。

わざわざこのような機能を作って頂き、大変申し訳ありせん。
今後とも活用させて頂きます。

ところで検索アイコンの問題ですが、自分はWindows 10でFirefox Ver バージョン112.0.1 (64ビット)、Microsoft Edge バージョン112.0.1722.58(公式ビルド)(64ビット)、Android 11でGoogle Chrome 112.0.5615.136などを使っておりますが、全くそのような検索アイコンが出てきません。個人的にアドオンを極力無効にして使ってますので、どちらかというと何等かのアドオンの動きを誘発してしまっているのではないでしょうか?
[107714] 2023年 4月 25日(火)01:04:31【7】訂正年月日
【1】2023年 4月 25日(火)01:06:30
【2】2023年 4月 25日(火)01:11:35
【3】2023年 4月 25日(火)01:19:06
【4】2023年 4月 25日(火)04:47:37
【5】2023年 4月 25日(火)08:12:21
【6】2023年 4月 25日(火)08:24:51
【7】2023年 5月 25日(木)17:03:15 by オーナー(表組み改善)
YT さん
明治22年(1889年)12月31日における日本国内の人口上位1位~250位市区町村など
すでに[107044][107045]で、人口上位1000位までの市区町村の表を示していますが、改めて人口上位250位までの市区町村の表をここに掲載します。今回は、高松城下や丸亀城下、小樽・江差・福山市街、あるいは町村制導入前の戸長役場や間切番所、島番所の管轄となる町村連合、沖縄県や奄美の伝統的な方、間切別の人口を併せて掲載しますが、順位を振るのはあくまでも市区町村のみで、市街、町村組合、町村連合、間切、方等々は、人口を載せるのみで、順位は降りません。表の内、「文献値」とは、『日本帝国民籍戸口表』の「各地方現住一万人以上市区町戸口表」または「各地方郡市戸口表」、あるいは『日本帝国人口静態統計』の「人口一万人以上ノ市町村現住人口 (自明治十九年末至同四十一年末)」に掲載された現住人口で、「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口を優先して採用しています。251位以下であっても、県庁所在地の宮崎町(現在の宮崎市域内でも明治22年段階で最大の現住人口を有していた)、浦和町(現在のさいたま市域内でも明治22年段階で最大の現住人口を有していた)、那覇東村(【訂正:当初那覇番所の設置されていた那覇東村を県庁所在地としてましたが、県庁は那覇区成立までずっと那覇西村に置かれてたことが後から分かったので表も那覇西村に追加訂正します】現在の那覇市域内でも明治22年段階で最大の現住人口を有していた)、及びのちの政令指定都市の中心となる橘樹郡川崎町(但し現在の川崎市域内では明治22年段階で橘樹郡大師河原村5,118(890位)の方が人口が多かった)と大住郡大野村(大字淵野辺を含み、現在の相模原市域内でも明治22年段階で一番人口が多かった)については、参考として表の最後の部分に順位・人口を載せます。

なお伊豆七島の大島新島村、岡田村、泉津村、野増村、差木地村、波浮港、波浮港、新島の新島本村、若郷村、三宅島の神着村、伊豆村、伊谷村、阿古村、坪田村、八丈島の大賀郷、三根村、中之郷、樫立村、末吉村、八丈島小島の鳥打村、宇津木村、小笠原島父島の大村、扇村、袋沢村、母島の北村、沖村、聟島、弟島、媒島は、個々の町村別人口が得られなかったため、順位の対象外です。大島5,991人、新島2,886人、三宅島3,235人、八丈島8,430人、八丈島小島393人、小笠原島1,658人に関して、島単位で順位に組み込むことも考えましたが、八丈島などは人口8,430人と上位250位に食い込むほど人口が多いため、順位算出に入れると問題が発生します。『明治三十一年日本帝国人口統計』の段階では、新島本村3,081人、八丈島大賀郷2,724人、八丈島島三根村2,480人などが伊豆七島の人口上位の町村となります。

(開く)明治22年(1889年)12月31日における日本国内の人口上位1位~250位市区町村
[107713] 2023年 4月 25日(火)01:00:01【2】訂正年月日
【1】2023年 4月 25日(火)01:02:05
【2】2023年 5月 25日(木)17:09:20 by オーナー(表組み改善)
YT さん
明治22年(1889年)12月31日調市区町村別人口 ver 0.75
[107047]でアップロードした明治22年(1889年)12月31日調市区町村別人口 ver 0.50ですが、その後丸亀営所の位置[107127]、『戸籍表 明治二十二年 上』『戸籍表 明治二十二年 下』という新たな資料の発見に伴う、市の出入寄留データの追加[107191]、入寄留の陸海軍在営艦者の改訂[107199]、無籍在監人と入寄留の囚人及懲治人の改訂[107648]で示すような修正を加え、改めて明治22年(1889年)12月31日調市区町村別人口 ver 0.75としてアップロードし直しました(すみません、ZIP圧縮せずに、エクセル形式(xlsx)のままアップロードしてしまいました)。

https://u6.getuploader.com/SR1gou/download/932

また鹿児島県大島郡に関しては、伝統的な方、間切の区分を追加しました。異なる島で同一の方、間切の名称が使われているケースがあるため、大島、喜界島、徳之島、沖永良部島、与論島も追加です。また北海道庁に関しては異なる郡に戸長役場町村連合が分布することがあるため、そのようなケースでは各郡毎に/連合(一部)/という、町村連合を分割した項目を追加しました。鹿児島県大島郡では、戸長役場管轄町村連合の区分を優先し、方、間切の方を分割して、/方(一部)/、/間切(一部)/という区分を追加しました。というのは、例えば『明治三十一年日本帝国人口統計』などを見てわかるように、鹿児島県大島郡では戸長役場管轄町村連合の区分が、方や間切などの伝統的な行政区分に優先しているからです。一方で沖縄県の場合の町村連合は、戸長役場管轄によるものではなく、島番所という中途半端な制度(例えば宮古島や八重山島は、それぞれの単一の島番所が間切、島を管轄した)の管轄を示すものであったため、『明治三十一年日本帝国人口統計』でも間切とう伝統的な行政区分で集計されることになりました。鹿児島県大島郡も沖縄県も、『明治三十一年日本帝国人口統計』では町村制施行前の町村別人口が示されておらず、明治22年~明治30年の戸籍表の時代よりも結果として得られる人口データが減ってしまっています。

以上のほか、富山県の市部は、市の出入寄留データの追加により必要なくなったので削除しました。区分に関しては、以前は/町丁/と/大字/を区別していましたが、明治22年当時は「~町」なども大字として扱われるのが普通だったようなので、すべて/大字/に統一しました。また計算式の加算、減算をすべてSUM関数表記にまとめ、計算式をより簡略化しました。さらに徴発物件一覧表掲載の人口との比較において、参考とする計算式の中身の説明を極力つけることにしました。以下にVer 0.75における主な変更点を列挙します(差分等の追加は除く)。

(開く)明治22年(1889年)12月31日調市区町村別人口 ver 0.75

最終的に残った問題点は

1. 東京府伊豆七島の内、大島の新島村、岡田村、泉津村、野増村、差木地村、波浮港、波浮港、新島の新島本村、若郷村、三宅島の神着村、伊豆村、伊谷村、阿古村、坪田村、八丈島の大賀郷、三根村、中之郷、樫立村、末吉村、八丈島小島の鳥打村、宇津木村、および小笠原島父島の大村、扇村、袋沢村、母島の北村、沖村、聟島、弟島、媒島については、各町村別人口の情報が欠落。

伊豆七島の内、大島、利島、新島、神津島、三宅島、御蔵島、八丈島(八丈島小島と青ヶ島を含む)および小笠原島については、それぞれの出入寄留データが存在し、結果として、一島一村状態の利島、神津島、御蔵島については、町村相当の島単位での人口データは得られます。また広義の八丈島を構成する、狭義の八丈島、八丈島小島、青ヶ島に関しては、『明治二十二年 東京府統計書』により、本籍人口、現住戸数、現住人口のデータが存在します。こちらの本籍人口、現住人口の数字を合算した結果が広義の八丈島の戸籍表からの数字と一致するので、人口データとして採用しました。

2. 虫食いのため、茨城県東茨城郡の一部の町村(石崎村、河和田村、長岡村、上野合村、伊勢畑村、磯浜町)の出寄留の囚人及懲治人が正確に得られず、現住人口が正確に算出できない。

これに関しては、虫食いの状況と、そこからの推定の根拠は以下の通りです。東茨城郡常磐村の出寄留の囚人及懲治人の部分は、和紙修正の過程で横にやや回転した状態の「八」が確かに書かれていると判断し、8を確定値としました。

町村府県庁本籍人口官報掲載[出]囚人及懲治人(推定)虫食いの状況現住人口(未確定)
東茨城郡石崎村茨城県2,6332,7152一または二2,711
東茨城郡河和田村茨城県1,9581,9523欠落1,948
東茨城郡長岡村茨城県3,2743,2963三または二3,289
東茨城郡上野合村茨城県2,6642,6695五または一2,662
東茨城郡伊勢畑村茨城県1,2521,2391一または二1,237
東茨城郡磯浜町茨城県8,8968,86813一三または一二8,850

3. 北海道庁釧路郡に所属する町村(真砂町、米町、洲崎町、幣舞町、浦見町、釧路村、桂恋村、鳥取村、昆布森村、跡永賀村、仙鳳趾村)に関し、郡全体での他町村出寄留は4人となっているものの、町村別の他町村出寄留が空欄となっており、これらの町村のいくつかの現住人口を正確に算出できない。

これに関しては対処不能なので、とりあえず各町村の他町村出寄留を0として算出しました。

2026年まで総務省第二庁舎耐震改修工事が続くため、しばらく戸籍表の原本の閲覧はできませんが、おそらく3年後に原本を閲覧しても、これ以上の大きな修正はないと思われます。



なお、さきほど偶然知ったのですが、古今署員より奥井正俊著『日本近代全国市町戸口表:国勢調査以前の戸口・人口のパネルデータ』という本が来月発売されるようです。
[107687] 2023年 4月 23日(日)01:36:38【1】訂正年月日
【1】2023年 4月 23日(日)01:38:22
YT さん
母をたずねて六千ミッリャ≡100,000/9キロメートル≡687,500/243里≒2829里
本当は明治22年12月31日調の市区町村別現住人口の修正版をアップロードしようとしてたのですが・・・どうでも良い話ではあるものの、地理には深く関わる話題に時間を取られてしまったので、そちらの話を投稿します。

自分の息子が読んでいる本に「あたまが コんガらガっち劇場「りりりりりりりりり」の謎」というのがあり、そこの中にネタとして、「母をたずねて3000マイル」という映画が登場します。これに関して息子が「3000マイルってどのくらいの距離?」と妻に質問して、それに対して妻は「1マイルが約1.6キロメートルだから、約4800キロメートル」と答えていました。

まあそれはいいんですが・・・あれ?4800キロメートルってイタリアからアルゼンチンまで全然届かない?てか「三千里」の「里」って、日本の距離の単位の「里」?原文ではどうなっているの?と疑問に思い、色々調べてみました。

まず「母をたずねて三千里」ですが、エドモンド・デ・アミーチス著「クオーレ」に挿入されている「アペニン山脈からアンデス山脈まで」 ”Dagli Appennini alle Ande”を原作とします。邦訳の方は青空文庫の方に日本童話研究会訳『母を尋ねて三千里』というのがあります。そこから文章中で三千里という言葉を探すと

けれども彼女はまるで死んだように眼をとじていました。主人と奥さんとはろうそくのかすかな光でこのあわれな女を見守っていました。「家を助けるために三千里もはなれた国へきて、あんなに働いたあとで死んでゆく。ほん当に可哀そうだ。」主人はこういってそこにぼんやりと立っていました。

「三千里」というのは邦訳の本文中でこの一回しか登場しません。残念ながら自分はイタリア語はほとんどできないので、まず英語訳から該当箇所を見てみましょう。幸いなことにProject Gutenbergに、"Cuore, libro per i ragazzi by De Amicis, Edmondo, 1846-1908"が見つかりました。該当箇所を見ると、

But she closed her eyes then in exhaustion, and fell into a doze, so that she appeared to be dead. And her master and mistress remained there a little while, by the faint light of a taper, watching with great compassion that admirable mother, who, for the sake of saving her family, had come to die six thousand miles from her country, to die after having toiled so hard, poor woman! and she was so honest, so good, so unfortunate.

あれ? six thousand miles from her country? つまり6000マイル?ということは、母をたずねて三千里の三千里は、翻訳者が日本の伝統的な尺貫法に換算した結果ということなのでしょうか?とりあえず

1 国際マイル ≡ 1.609344 キロメートル

そして日本の里は、

1 里 ≡ 216/55キロメートル ≒ 3.927キロメートル

ですので、

1 国際マイル ≡ 15367/37500 里 ≒ 0.409787 里

つまり

6000 国際マイル = 2458.72 里

これだと母をたずねて2500里で、上二桁目で四捨五入してしまうと二千里になってしまいます・・・

改めてイタリア語の該当箇所を探してみましょう。するとクオーレのイタリア語原文"Cuore, libro per i ragazzi"から該当箇所を見てみますと:

che per salvare la sua famiglia era venuta a morire a seimila miglia dalla sua partria,

seimila (セイミーラ)が「6000」、miglia (ミッリャ)が英語のマイルに相当する長さの単位、dalla sua patria が「彼(女)の祖国から」

つまりイタリア語の原文でも「祖国から6000ミッリャ離れて」なわけです。ただここで注意するべき点はマイルというのが各国で定義がバラバラだったことです。上で「国際マイル」を出しましたが、米国でごく最近まで使われて来た1米国測量マイルの場合、

1 国際マイル ≡ 0.999998 米国測量マイル

と地図の上では微妙に異なる単位を使っていました。イタリアの場合は、19世紀まではイタリア式マイル、miglio italiano ミッリョ・イタリヤーノを使っていました。国際単位系を採用するに当たり、

1 キロメートル ≡ 0.54 miglia italiane ミッリャ・イタリヤーネ (イタリア式マイル)

という換算が採用されました。つまり

1 miglio italiano ミッリョ・イタリヤーノ (イタリア式マイル) ≡ 50/27 キロ―メートル ≒ 1851.85 キロメートル
6000 miglia italiane ミッリャ・イタリヤーネ (イタリア式マイル) = 100,000/9 キロ―メートル ≒ 1万1111 キロメートル

というのがクオーレの原文に書かれた距離ということになります。ここでジェノヴァからブエノスアイレスまでの直線距離が約1万1094 キロメートルだそうですので、約1.11キロメートルと上3桁目まで概数と一致し、まさに「祖国から6000ミッリャ離れた地」に相当します。

次にこれを日本の里に換算すると、

1 miglio italiano ミッリョ・イタリヤーノ (イタリア式マイル) ≡ 1375/2916里
6000 miglia italiane ミッリャ・イタリヤーネ (イタリア式マイル) = 687,500/243里 ≒ 2829.218里

結果約2900里ですが、約2500里に比べればよほど三千里です。つまり三千里は、19世紀以前のイタリア式マイル(ミッリョ・イタリアーノ)で6000ミッリャと表現されていた距離を、ほぼ正しく日本の里に置き換えた表現であることが判明しました。

とまあ、どうでもいい話題ですが、この単位系の換算間違いで、惑星探査機が故障したり、飛行機が墜落寸前になったりするので、本当に厄介なものです。
[107648] 2023年 4月 18日(火)23:47:49【4】訂正年月日
【1】2023年 4月 18日(火)23:56:00
【2】2023年 4月 19日(水)02:39:01
【3】2023年 4月 19日(水)11:01:29
【4】2023年 5月 25日(木)16:59:20 by オーナー(表組み改善)
YT さん
明治22年:無籍在監人と入寄留の囚人及懲治人に関する訂正
[107043]でアップロードした明治22年(1889年)12月31日調市区町村別人口ですが、[107191]に示したように、

『戸籍表 明治二十二年 上』
『戸籍表 明治二十二年 下』

という新たな資料が見つかった結果、府県統計書で不足したデータを補う必要もなくなり、また入寄留の陸海軍在営艦者についても[107199]に示したようにより正確なデータを得ることができました。

加えて、無籍在監人と入寄留の囚人及懲治人についても見直し作業を行ったところ、いくつか間違いが見つかったので訂正します。

まず監獄の所在地と判事被告人、懲治人、囚人、無籍在監人の統計ですが、これらは『日本帝国民籍戸口表』の「各地方在監者有籍者及無籍者人口表」にまとまっています。例えば『明治二十四年十二月三十一日調 日本帝国民籍戸口表』の場合、「第十二 各地方在監者有籍者及無籍者人口表」が該当します。ただこの表をよく見ればわかるように、監獄の所在地は郡市区レベルまでは表記されているものの、町村レベルの所在地までは示されていません。よって別の文献を使って調べる必要が出てきました。

また、残念ながら明治22年版と明治23年版はオンラインで閲覧できないので、東洋書林出版『国勢調査以前日本人口統計集成 〈3〉 明治22―25年 近代日本歴史統計資料』を利用する必要がありました。しかしながら、[107043]でも言及したように、本書収録のものは、明治22年の統計に関して「各地方在監有籍者及無籍者人口表」のうち、鹿児島県(一部)・沖縄県・北海道に関する134頁~135頁分が欠落していますので、総務省統計局統計図書館所蔵の『明治二十二年十二月三十一日調 日本帝国民籍戸口表』原本を利用しました。

ここで驚くべき発見がありました。なんと総務省統計局統計図書館所蔵の『明治二十二年十二月三十一日調 日本帝国民籍戸口表』には、先人による鉛筆の書き込みがあり、なんと全ての監獄の町村レベルでの所在地が判明したのです!よってその情報をほぼ完全に信用して作成したのが、[107043]でアップロードした明治22年(1889年)12月31日調市区町村別人口の表でした。

しかしながら改めて見直したところ、複数の誤りが見つかりました。以下の修正は明治23年度にも関わります。

1.厳原監獄署の位置を、下県郡厳原村から下県郡国分町に訂正

これは完全に私のミスです。先人の書き込みによると「厳原国分町」と書かれていたにも関わらず私の方で下県郡厳原村で集計してしまいましたが、正しくは下県郡厳原国分町=下県郡国分町です(厳原を町村名に入れるかどうかは表記揺れの範疇)。長崎県の監獄署の所在地は、『明治十九年 長崎県統計書』の段階で既に「下県郡厳原国分町」と記載されており、島原監獄支署と名称を変更した後の『明治二十四年 明治二十五年 明治二十六年 長崎県統計書』でも、「下県郡厳原国分町」となっています。『長崎刑務所 刑務一覧表 昭和五年』の方に詳しい経緯が載っていますが、

旧牢屋の建設年代等は詳かならざるも、明治七年前迄は打廻役所と称し、同七年長崎県厳原支庁囚獄局と改め、翌八年厳原監獄署と改称す。位置は明治十余年前迄は長崎県下県郡厳原町大字今屋敷(現在は郵便局)に在りしが、同十四年、現在の厳原町大字国分旧藩主宗家所有の米倉庫内に移転し、明治二十三年十月に至り長崎県厳原監獄支署となし、同三十六年四月監獄官制施行に伴い長崎監獄厳原分監と称し、其後大正十一年十月監獄官制改正に依り長崎刑務所厳原支所と改め、更に昭和四年十二月監獄官制改正の結果、厳原刑務支所と改称し、今日に及べり。

とあり(現代仮名遣いにして濁点や句読点を追加、以降も必要に応じて原文に対して同様の措置をしています)、下県郡国分町で問題ありません。

【追記:なお、明治22年度の町村別戸口表では、欄外に官報掲載の現住人口に相当する数値が記されており、そもそも官報に掲載されていない隠岐、対馬、奄美、トカラ、沖縄県についてもその数字が揃っていました。厳原監獄署は無籍在監人が0人であり、そのため町村別戸口表に書き込まれた官報掲載の現住人口からは、厳原村/国分町の間違いを確認できませんでした。】

2.根室監獄署厚岸分署の位置を、厚岸郡湾月村から厚岸郡床潭村に訂正

監獄の位置を調べ直すきっかけとなった情報です。

まず、村尾元長編纂『袖珍増訂 北海道通覧 付全道略図』(明治22年11月増補訂正)の、明治22年8月31日調の監獄署の名称と位置において、

署名位置分署名位置
札幌監獄署石狩国札幌郡苗穂村増毛分署天塩国増毛郡増毛村
根室監獄署根室国根室郡根室村厚岸分署釧路国厚岸郡湾月町

というのを見つけました(該当箇所のみを抜粋)。この段階では先人の書き込みとは異なり、増毛分署の位置が増毛郡永寿町ではなくて増毛郡増毛村になっている!という違和感でした。そこで『現行布令提要』を調べたところ、明治23年12月調の集治監及監獄署現在表において、

監獄名称位置
札幌監獄署石狩国札幌郡苗穂村
 増毛分署天塩国増毛郡永寿町
根室監獄署根室国根室郡根室村
 厚岸分署釧路国厚岸郡床潭村

こちらでは、増毛分署の位置は先人の書き込みと同じ増毛郡永寿町になっていましたが、今度は厚岸分署の位置が先人の書き込みの厚岸郡湾月町ではなく、厚岸郡床潭村になっている!

最終的に『法規分類大全 〔第30〕 警察門 第1 警察総 衙署』の記述から、増毛分署の位置は増毛郡永寿町で正しいが、厚岸分署の方は厚岸郡床潭村の方が正しいと判断しました。

根室県告示 十七年十一月二十二日第五十号
管下黒国厚岸郡厚岸ニ監獄支署ヲ設置シ厚岸監獄支署ト称ス
右告示候事

根室県達 十七年十二月二十日丙第四十一号局県掛署
厚岸監獄支署本月八日ヨリ開庁候条為心得此旨相達候事

札幌県告示 十八年十一月二十六日丁第百五十六号
増毛郡増毛永寿町三丁目ヘ監獄支署ヲ設置シ増毛監獄支署ト名称シ来ル十二月一日ヨリ開署ス
右告示候事

北海道庁根室支庁布達 十九年三月一日甲第四号
根室郡根室弥栄町番外地厚岸郡床潭村字バラサンニ監獄ヲ設置シ根室監獄厚岸監獄ト称ス
右布達ス

北海道庁根室支庁告示 十九年八月十九日第六十四号
当根室監獄ヲ根室国根室村四百五十番地ニ移シ本月二十日ヨリ同所ニ於テ事務取扱ハシム
右告示ス

3.京橋区に大字として石川島という項目を増やし、石川島監獄署の位置を東京市京橋区佃島から東京市京橋区石川島に訂正

これは間違いというほどのことではないのですが・・・明治5年の町名改正で石川島は佃島に吸収されたため、市制施行前の段階では「京橋区石川島」という町村名は無くなっていました。実際、『東京府人員統計表 明治二十二年十二月末日現在』には京橋区佃島はありますが、京橋区石川島はありません。ところが、『明治廿二年十一月十五日 新旧対照市町村一覧 いろはわけ新町村索引 附警察区画市町 村役所役場位置 郵便電信局位置』では、石川島という大字名が復活しております。ここら辺結構曖昧なのですが、明治22年以降も京橋区石川島という住所表記が存在する点などから、明治22年の東京市成立時に、石川島監獄署の領域に限って大字名として石川島が復活したと判断しました。参考までに『全国所得納税者姓名録 : 一名・代議士撰挙の台帖 第1冊(東京府十五区ノ部)』(明治21年)によると、大浦孫兵衛と戸所芳秦なる2名の住所が、「石川島監獄署内」となっており、佃島とは区別されています。

というわけで、松本徳太郎編『明治宝鑑』(明治25年9月出版)や『司法省監獄局第三回統計年報』記載の住所との比較により、監獄の所在地の再検討を行いました。その結果、ほかには間違いは見つかりませんでした。以下記述に微妙な点があったものをまとめます。

A.横浜監獄署:『明治宝鑑』では明治25年の神奈川県監獄署の住所が「横浜市」との記述がありますが、『神奈川県第二回県治一斑』によると明治20年12月31日現在の横浜監獄の位置は久良岐郡戸部町宮ノ前、『明治廿七年神奈川県監獄統計表』によると明治27年の神奈川県監獄署の位置は久良岐郡戸太村字戸部六百〇弐番地とあり、監獄署の位置は一貫して横浜市外の久良岐郡戸部町→久良岐郡戸太村です。『神奈川県警察史 上巻』によると安政2年につくられた戸部牢屋敷(久良岐郡戸部町宮ノ前)が維新後横浜監獄署となり、明治11年横浜監獄本署となり、明治19年再び横浜監獄署となり、明治23年に神奈川県監獄署となり、明治32年に久良岐郡根岸村へ移転となったようです。実際官報掲載の現住人口で、無籍在監人11人が久良岐郡戸太村に足されています。なお、日本帝国民籍戸口表掲載の現住人口の方は算出された現住人口を本籍人口に再び代入して現住人口を算出するという、久良岐郡戸太村の人口を過剰にする酷い計算間違いが実施されています。


B.長崎県監獄署:『長崎市史 第五巻 地誌編 名勝旧跡部』によると、長崎監獄は明治14年に片淵町一番地に建築されたとありますが、片淵郷の内、明治22年の市制施行時に長崎市に編入されたのは、 『明治廿二年十一月十五日 新旧対照市町村一覧 いろはわけ新町村索引 附警察区画市町 村役所役場位置 郵便電信局位置』によると、片淵町之内字小角のみで、残りは西彼杵郡上長崎村であり、これだけでは長崎監獄が本当に長崎市内に編入されたかどうか判断できません。幸いなことに、明治22年の『長崎市及四近之図 The Nagasaki city and environs』が閲覧可能で、この地図の右上の方に「監獄署」が市界の内側に含まれていることが確認できますので、長崎市内で確定です。実際官報掲載の現住人口で、無籍在監人27人が長崎市に足されていますし、日本帝国民籍戸口表掲載の現住人口でも入寄留の囚人及懲治人518人が長崎市に足されています。

C.長岡監獄署:『明治宝鑑』では明治25年の長岡監獄支署の住所が「古志郡長岡町」との記述がありますが、『長岡の歴史 第5巻』によると、長岡監獄署が置かれたのは今朝白町です。今朝白町は、町村制施行時に古志郡長岡本町所属となっており、古志郡長岡町は間違いです。実際官報掲載の現住人口で、無籍在監人1人が古志郡長岡本町に足されています。

D.前橋監獄署:『明治宝鑑』では明治25年の群馬県監獄署の住所が「東群馬郡上川淵村大字紅雲分村」との記述がありますが、『他の資料』では、明治34年末の段階で「前橋市宗甫分村」とあります。町村制施行の直前である明治21年、『前橋刑務所, 「前橋刑務所史料の一片 ―大渡橋作業隊を思う―」, 刑政, 106 (5), 60-66 (1995).』によると、明治21年に前橋刑務所が移築された場所は、東群馬郡宗甫分村・仝紅雲分村境界とあります。明治22年の町村制施行で前橋町に編入されたのは、『群馬県百年史 下巻』などによると東群馬郡紅雲分村の一部、東群馬郡宗甫分村の一部(字柿ノ宮西、柿ノ宮前、長昌寺前、川原甲四七〇番、乙同、乙四八〇番、丙四七二番、川原縁自甲三九五番至三九八番、乙ノ乙三九五版、自乙三九五番至三九七番、甲四〇一番乙同甲四〇二番乙同、乙四〇三番、乙四〇七番、乙ノ乙四〇九番、冷泉院前自三三〇番至三三二番、自三二五番至三二九番、自三一五番至317番、三一〇番、乙三〇九番)とあります。ここで『前橋市史 第7巻 (資料編 2)』収録の明治41年の地図を見ますと、監獄署のあるところはほぼ大字宗甫分村で、敷地の大部分は字柿ノ宮前、一部が字柿宮西、字冷泉院前、敷地の端の部分が字河原縁にかかっていることが見てとれます。明治41年段階では、上川淵村の一部が追加で編入されていますが、監獄の主たる敷地を形成する字柿ノ宮前、字柿宮西は全て明治22年の段階で前橋町に組み込まれており、東群馬郡上川淵村は間違いです。実際官報掲載の現住人口で、無籍在監人18人が東群馬郡前橋町に足されていますし、日本帝国民籍戸口表掲載の現住人口でも入寄留の囚人及懲治人656人が東群馬郡前橋町に足されています。

E.静岡監獄署:『明治宝鑑』では明治25年の静岡県監獄署の住所が「静岡市」との記述がありますが、『明治十二年 静岡県統計概表』では、駿河国安倍郡井ノ宮村、『袖珍静岡県地誌小成』では、明治25年の段階で駿河国安倍郡南賤機村井ノ宮となっており、静岡監獄署は町村制施行前後で一貫して静岡市外の安倍郡安西井ノ宮村→安倍郡南賤機村です。よって静岡市は間違いです。実際官報掲載の現住人口で、無籍在監人12人が安倍郡南賤機村に足されています。

F.宮城集治監:『明治宝鑑』では「宮城郡南小泉村」と、仙台市外との記述がありますが、『日本監獄教誨史 下巻』によると、宮城集治監は伊達政宗が築いた若林城跡(宮城郡南小泉村字行人塚旧古城)に明治11年竣工、明治12年完成とあります。『第4回 宮城県県治一斑』によると、南小泉村字行人塚は、仙台市発足時に仙台区と共に編入されており、実際、『仙台市史 第3巻 附図』収録の明治末年の仙台市全図でも、右下の方の宮城監獄(明治36年に宮城集治監から改名)が、仙台市内となっています。よって、宮城郡南小泉村は間違いです。実際官報掲載の現住人口で、仙台監獄署と宮城集治監の無籍在監人合計64人は仙台市に足されています(が、1人人口にズレがあります)。日本帝国民籍戸口表掲載の現住人口でも仙台監獄署と宮城集治監の入寄留の囚人及懲治人の合計1100人が仙台市に足されています。

G.盛岡監獄署:『明治宝鑑』では明治25年の岩手県監獄署の住所が「盛岡市字狐崎」との記述がありますが、『岩手郡誌 (岩手県郷土誌叢刊) 』によると、盛岡監獄本署は明治18年に岩手郡下厨川村字狐森、後の岩手郡厨川村大字下厨川字狐森一番地に建設とあります。明治22年の時点で南岩手郡下厨川村は南岩手郡厨川村大字下厨川となっており、よって盛岡市内は間違いで、南岩手郡厨川村が正しいです。実際官報掲載の現住人口で、無籍在監人1人が岩手郡厨川村に足されています。

H.青森監獄署:『明治宝鑑』では明治25年の青森県県監獄署の住所が「東津軽郡荒川村」との記述がありますが、『青森市議会史 明治編』によると、青森監獄署が東津軽郡荒川村に移転したのは明治24年6月8日のことです。それ以前は、『明治十五年 青森県統計書』の段階では青森監獄本署は東津軽郡青森寺町字杉畑であり、明治22年の町村制施行時には東津軽郡青森町大字寺町に所在したことになります。実際官報掲載の現住人口で、無籍在監人1人が東津軽郡青森町に足されていますし、日本帝国民籍戸口表掲載の現住人口でも入寄留の囚人及懲治人317人が東津軽郡青森町に足されています。

I.鰺ヶ沢監獄署:『明治宝鑑』では明治25年の鰺ヶ沢監獄支署の住所が「西津軽郡鰺ヶ沢町」との記述がありますが、『青森県治一覧』によると、明治23年の段階で鰺ヶ沢支署の所在地は西津軽郡舞戸村となっています。『鰺ケ沢町史 第2巻』によると、監獄があったのは西津軽郡舞戸村岩谷の南端の丘の上で、よって、西津軽郡鰺ヶ沢町は間違いであり、西津軽郡舞戸村が正しいです。

J.秋田監獄署:『司法省監獄局第三回統計年報』によると、明治34年の秋田県監獄署の所在地は秋田市土手長町上丁となっていますが、『秋田県警察史 上巻』や『秋田県史 第5巻』にあるように、明治19年秋田市長野町に未決監を新築し、そこを「監獄本署」とし、続いて「秋田監獄」と改名、一方でそれまで秋田市土手長町のは「監獄本署既決監」と呼称したとあります。秋田市長野町の秋田監獄は、歩兵位置七連隊建設用地となったため、明治30年に南秋田郡川尻村に移転し、一方で秋田県秋田市土手長町の既決監は、明治36年以降「長町出張所」と呼ばれるようになったとあります。よって、明治22年当時、秋田市内の長野町に「秋田監獄署」が、土手長町に「秋田監獄署既決監」があったことになり、統計上は一緒になっています。住所としてはとりあえず秋田市長野町の方を優先させます。どっちにせよ秋田市内ですが。

K.西郷監獄署:実は先人による鉛筆の書き込みでは、西郷監獄署の所在地が「西郷町」となっておりましたが、個人的な調査で無意識のうちに「西郷西町」に改訂していました(【追記:明治22年度の町村別戸口表では、欄外に官報掲載の現住人口に相当する数値が記されており、そもそも官報に掲載されていない隠岐、対馬、奄美、トカラ、沖縄県についてもその数字が揃っていました。西郷監獄署は無籍在監人が3人であり、その数字を加えることで西郷西町に関する官報掲載の現住人口が検算できたとこから、過去の自分は最初から西郷監獄署を周吉郡西郷西町で登録していたようです】)。『明治二十三年(一月三十一日現在) 職員録 (乙)』によると西郷監獄署の所在地は周吉郡西郷西町、『島根県令規類纂 下』でも、明治26年12月5日時点で隠岐周吉郡西郷西町に監獄支署を置き、西郷監獄支署と称すとあります。『日本監獄教誨史 下巻』などを読んでも、明治初期に設けられた隠岐懲役場からの移転の情報がなく、ずっと隠岐の監獄は周吉郡西郷西町に設置されていたと思われます。

L.広島監獄署:『明治宝鑑』では明治25年の広島県監獄署の住所が「広島市水主町」との記述がありますが、『広島県案内』によると、監獄は明治21年3月に広島市吉島村に移転しています。『広島市史 第4巻』にその辺の詳しい経緯がまとまっており、水主町には拘置所が存続したようで、明治22年当時の広島監獄署の位置は広島市吉島とするべきと思われます。いずれにせよ広島市内です。

M.垣花監獄署:『明治宝鑑』では明治25年の沖縄県監獄署の住所が「首里」との記述がありますが、『沖縄案内 新版』によると、明治12年10月、那覇東村二番地天使館内に警察本著の直轄として沖縄県監獄署が設置されたが、明治13年8月に、那覇東村旧船手蔵に移転し、さらに明治15年、小禄間切儀間村二一八番地(那覇市住吉町二の一番地)に移転、大正15年になって沖縄刑務所として、島尻郡真和志村字古波蔵楚辺原一四二四番地の一に移転という経緯を取っています。よって、「首里」は完全に間違いで、明治22年当時の垣花監獄署は、島尻小禄間切儀間村にありました。

以下、明治22年当時の監獄署の位置と無籍在監人、入寄留の囚人及懲治人の数字をまとめます。

市区町村監獄署名府県庁[入]無籍在監人[入]囚人及懲治人
東京市麹町区永楽町一丁目監獄本部東京府4111
東京市京橋区石川島石川島東京府231,838
牛込区市谷谷町市ヶ谷東京府31,203
南葛飾郡南綾瀬村小菅東京集治監東京府69835
小笠原島父島大村大村東京府08
京都市上京区主税町京都京都府31,038
紀伊郡伏見町伏見京都府00
船井郡園部村園部京都府018
天田郡福知山町福知山京都府121
与謝郡宮津町島崎宮津京都府4163
堺市車之町西二町大阪府1497
西成郡川崎村字堀留堀川大阪府133,101
三浦郡豊島村深田横須賀神奈川県14427
足柄下郡小田原新玉小田原神奈川県016
久良岐郡戸太村戸部横浜神奈川県11752
南多摩郡八王子町元横山町八王子神奈川県238
神戸市神戸宇治野町神戸兵庫県1758
神戸市兵庫南逆瀬川町兵庫仮留監兵庫県0176
多紀郡篠山町北新町篠山兵庫県097
城崎郡豊岡町南本町豊岡兵庫県0116
明石郡明石町大明石明石兵庫県057
飾西郡高岡村今宿姫路兵庫県6366
楫西郡龍野町日山龍野兵庫県078
津名郡洲本町山下町洲本兵庫県0129
長崎市片淵郷小角長崎長崎県27518
東彼杵郡大村大村長崎県571
南高来郡島原村旧郭内桜馬場島原長崎県394
北松浦郡平戸村平戸長崎県144
南松浦郡福江村福江長崎県023
石田郡武生水村武生水長崎県025
下県郡厳原国分町厳原長崎県060
新潟市西大畑町新潟新潟県3573
北蒲原郡新発田本村新発田新潟県2122
古志郡長岡本町今朝白町長岡新潟県1167
中頸城郡高城村高田新潟県6152
雑太郡相川町相川新潟県036
北足立郡浦和町浦和埼玉県33632
入間郡川越町川越埼玉県2157
秩父郡大宮町大宮埼玉県196
大里郡熊谷町熊谷埼玉県173
安房郡北条町北条千葉県025
望陀郡木更津町木更津千葉県169
千葉郡千葉町千葉千葉県3683
匝瑳郡福岡町福岡千葉県055
水戸市上市北水戸茨城県3566
新治郡土浦町土浦茨城県0234
真壁郡下妻町下妻茨城県1340
東群馬郡前橋町宗甫分前橋群馬県18656
西群馬郡高崎町宮本町高崎群馬県2200
新田郡太田町太田太田群馬県136
河内郡宇都宮町松峯町宇都宮栃木県5685
下都賀郡栃木町栃木栃木県00
添上郡奈良町西笹鉾奈良奈良県2223
宇智郡五條町五条奈良県1112
阿拝郡上野町上野三重県096
津市佐伯町第一安濃津三重県1508
津市丸ノ内第二安濃津三重県055
三重郡四日市町四日市三重県0180
度会郡宇治山田町岩淵町山田三重県0290
名古屋市竪三ツ蔵町名古屋愛知県91,359
中島郡一宮町一宮愛知県01
額田郡岡崎町梅園岡崎愛知県3273
渥美郡豊橋町豊橋愛知県00
佐野郡掛川町掛川静岡県175
敷知郡浜松町浜松静岡県3230
駿東郡沼津町三枚橋町沼津静岡県480
安倍郡南賤機村安西井ノ宮静岡静岡県12555
賀茂郡下田町下田静岡県013
甲府市橘町甲府山梨県7399
南都留郡谷村谷村山梨県022
滋賀郡膳所村膳所滋賀県2810
犬上郡彦根町彦根滋賀県1101
岐阜市今泉岐阜岐阜県10886
安八郡大垣町大垣岐阜県04
可児郡御嵩町御嵩岐阜県00
大野郡(飛騨国)高山町高山岐阜県028
小県郡上田町上田長野県3176
下伊那郡飯田町飯田長野県281
東筑摩郡松本町松本長野県1208
上水内郡長野町旭町長野長野県7474
仙台市行人塚宮城集治監宮城県47560
仙台市片平丁仙台宮城県17540
柴田郡大河原町大河原宮城県029
志田郡古川町古川宮城県01
牡鹿郡石巻町石巻宮城県04
西白河郡白河町白河福島県8123
磐前郡平町福島県668
宇多郡中村町中村福島県01
信夫郡清水村福島福島県17583
北会津郡若松町栄町若松福島県0127
南岩手郡厨川村下厨川盛岡岩手県1271
西磐井郡一関町磐井岩手県014
東閉伊郡宮古町宮古岩手県10
二戸郡福岡町福岡岩手県00
弘前市馬喰町弘前青森県012
東津軽郡青森町寺町青森青森県1317
西津軽郡舞戸村岩谷鰺ヶ沢青森県09
北津軽郡五所川原村鶴野五所川原青森県010
三戸郡八戸町八戸青森県08
山形市香澄町山形山形県0619
米沢市清水町米沢山形県034
最上郡新庄町新庄山形県03
西田川郡鶴岡町鶴岡山形県018
飽海郡酒田町酒田山形県02
秋田市長野町秋田秋田県1577
仙北郡大曲村大曲秋田県081
遠敷郡雲浜村小浜福井県1128
福井市寛永上町福井福井県0338
大野郡大野町大野福井県00
敦賀郡敦賀町敦賀福井県00
金沢市尻垂坂通金沢石川県048
能美郡小松町小松石川県4309
鹿島郡七尾町七尾石川県061
富山市総曲輪富山富山県2429
高岡市坂下町高岡富山県10
下新川郡魚津町魚津富山県00
鳥取市東町鳥取鳥取県2626
久米郡倉吉町倉吉鳥取県00
会見郡米子町郭内米子鳥取県2181
松江市内中原町松江島根県6515
神門郡大津村大石大石島根県011
那賀郡浜田町浜田島根県2198
周吉郡西郷西町西郷島根県3185
西北条郡津山町津山岡山県9270
岡山市二日市町岡山岡山県8761
浅口郡玉島村玉島岡山県0196
上房郡高梁町高梁岡山県1174
御調郡尾道町尾道広島県4325
三次郡三次町三次広島県2111
広島市吉島広島広島県181,069
玖珂郡横山村岩国山口県0161
吉敷郡下宇野令村※山口山口県7528
阿武郡萩町山口県03
赤間関市関後地赤間関山口県380
和歌山市小松原通一丁目和歌山和歌山県4773
西牟婁郡田辺町上屋敷町田辺和歌山県285
美馬郡脇町脇町徳島県01
徳島市出来島町徳島徳島県71,210
香川郡高松内町高松香川県21816
那珂郡丸亀御供所町丸亀香川県2208
温泉郡雄群村藤原松山愛媛県16762
新居郡西条町西条愛媛県07
喜多郡大洲町大洲愛媛県15
北宇和郡宇和島町宇和島愛媛県6197
幡多郡中村中村高知県081
高知市西弘小路高知高知県15843
福岡市福岡須崎裏町福岡福岡県9631
山門郡城内村柳川福岡県4117
三池郡大牟田町下里三池集治仮留監福岡県421,472
久留米市篠山町久留米福岡県2203
企救郡小倉町八百屋町小倉福岡県3174
下毛郡中津町中津大分県0141
速見郡杵築町杵築大分県049
大分郡大分町大分大分県10604
南海部郡佐伯町佐伯大分県011
直入郡豊岡村竹田大分県169
日田郡豆田町豆田大分県026
東松浦郡唐津町唐津佐賀県083
西松浦郡大坪村伊万里佐賀県029
佐賀市赤松町佐賀佐賀県1421
熊本市手取本町熊本熊本県7721
八代郡八代町八代熊本県122
球磨郡人吉町人吉熊本県020
天草郡町山口村町山口熊本県117
宮崎郡宮崎町宮崎宮崎県1453
北諸県郡都城町都城宮崎県018
東臼杵郡岡富村延岡宮崎県043
熊毛郡北種子村種子島鹿児島県389
大島郡名瀬方金久村大島鹿児島県050
鹿児島市小川町鹿児島鹿児島県4299
高城郡水引村水引鹿児島県484
島尻小禄間切儀間村垣花沖縄県1193
亀田郡亀田村函館北海道庁7221
松前郡福山新荒町福山北海道庁06
檜山郡江差豊部内町江差北海道庁07
寿都郡渡島町寿都北海道庁07
高島郡色内町小樽北海道庁00
札幌郡苗穂村札幌北海道庁8264
空知郡市来知村空知北海道庁1442,831
樺戸郡月形村樺戸北海道庁1162,249
増毛郡永寿町増毛北海道庁027
川上郡熊牛村釧路北海道庁541,063
厚岸郡床潭村厚岸北海道庁010
根室郡根室村根室北海道庁078
総計総計総計1,01453,982

結果として、統計局図書館所蔵本の先人の書き込みに間違いがあったのは、隠岐西郷監獄署の所在地(×周吉郡西郷町〇周吉郡西郷西町)と、北海道庁の根室監獄署厚岸分署の所在地(×厚岸郡湾月町〇厚岸郡床潭村)だけでした。【追記:この内西郷監獄署に関しては、町村別戸口表の欄外に記された官報掲載の現住人口相当の数値との比較により、周吉郡西郷西町に監獄署の位置を事前に修正することができましたが、残念ながら北海道と伊豆小笠原に関しては、町村別戸口表の方に官報掲載の現住人口相当の数値が記載されていなかったため、根室監獄署厚岸分署の所在地の間違いに気づきませんでした。また対馬の厳原監獄署に関しては、無籍在監人がゼロであったため、町村別戸口表の欄外に記された官報掲載の現住人口相当の数値に違いが出ませんので、下県郡国分町/下県郡厳原村の間違いを見落としてしまいました。】

なお、総務省統計局統計図書館所蔵の『明治二十二年十二月三十一日調 日本帝国民籍戸口表』「各地方在監者有籍者及無籍者人口表」では、山口監獄署の無籍在監人男を7とする鉛筆による訂正が書き込まれており、無籍在監人の総計も1015人となりますが、現住人口や本籍人口が1人多いとする文献を見つけられなかったので、ここでは訂正しません。

例えば明治22年末の場合、無籍在監人を除く本籍人口40,071,006人に無籍在監人1,014人を足した40,072,020人が、真の明治22年12月31日の本籍人口として、『日本帝国統計年鑑』などで採用されいますが、1人多い40,072,021人は採用されていません。
[107199] 2023年 4月 1日(土)13:06:31【5】訂正年月日
【1】2023年 4月 1日(土)13:10:44
【2】2023年 4月 1日(土)15:06:56
【3】2023年 4月 1日(土)15:32:23
【4】2023年 4月 1日(土)17:13:41
【5】2023年 5月 25日(木)17:15:00 by オーナー(表組み改善)
YT さん
明治22年12月31日、入寄留の陸海軍在営艦者
すみません、十番勝負までまた8時間あるようなので、[107191]の続きを投稿します

まず陸軍在営者ですが、以下の通りとなりました。

市区町村府県庁人員下士学生・生徒馬丁区分
東京市麹町区代官町一番地東京府34644302陸軍近衛砲兵連隊二大隊
東京市麹町区代官町二番地東京府98281901陸軍近衛歩兵第一連隊二大隊
東京市麹町区代官町二番地東京府97572903陸軍近衛歩兵第二連隊二大隊
東京市麹町区大手町一丁目一番地東京府11陸軍東京憲兵隊本部
東京市麹町区大手町一丁目一番地東京府66陸軍東京憲兵隊第一管区首部
東京市麹町区元千代田町一番地東京府1919陸軍大学校馬丁
東京市麹町区元衛町一番地東京府1010陸軍蹄鉄学舎
東京市麹町区元衛町一番地東京府8787陸軍乗馬学校
東京市麹町区永楽町一丁目一番地東京府33636300陸軍第一師団輜重兵第一大隊
東京市麹町区八重洲町一丁目一番地東京府27025245陸軍近衛騎兵大隊
東京市麹町区八重洲町一丁目一番地東京府41931388陸軍第一師団騎兵第一大隊
東京市麹町区有楽町一丁目一番地東京府2828陸軍戸山学校軍楽基本隊
東京市麹町区外桜田町一番地東京府98693893陸軍近衛歩兵第三連隊二大隊
東京市麹町区外桜田町一番地東京府1,01994925陸軍近衛歩兵第四連隊二大隊
東京市麹町区飯田町四丁目三十一番地東京府124112111陸軍東京砲兵工厰生徒学舎
東京市芝区芝栄町東京府33陸軍東京憲兵隊第四管区首部
東京市麻布区新竜土町十三・十四番地東京府1,4131001,313陸軍第一師団第三連隊三大隊
東京市赤坂区赤坂檜町三番地東京府1,5021191,383陸軍第一師団歩兵第一連隊三大隊
東京市牛込区市谷本村町七十番地東京府50954455陸軍第一師団砲兵大地連隊三大隊
東京市牛込区市谷本村町七十番地東京府292181273陸軍士官学校生徒隊
東京市牛込区市谷本村町七十番地東京府103103陸軍士官学校
東京市牛込区市谷本村町七十番地東京府21184199陸軍幼年学校生徒隊
東京市牛込区市谷本村町七十番地東京府2020陸軍幼年学校
東京市牛込区市谷左内坂町一番地・市谷田町一丁目八番地東京府33陸軍東京憲兵隊第六管区首部
東京市牛込区下戸塚町東京府89844645209陸軍戸山学校教導大隊
東京市下谷区下谷車坂町十八番地~三十二番地東京府33陸軍東京憲兵隊第九管区首部
北豊島郡岩淵町東京府15815143陸軍近衛工兵中隊
北豊島郡岩淵町元袋村東京府35447307陸軍第一師団工兵第一大隊
紀伊郡伏見町伏見玄蕃町五十八・五十九番地京都府33734303陸軍第四師団工兵第四大隊
大阪市南区順慶町通安堂寺通大阪府44陸軍大阪憲兵隊
大阪市東区法円坂町一番地大阪府1,5301301,400陸軍第四師団歩兵第八連隊三大隊
大阪市東区法円坂町一番地大阪府61958561陸軍第四師団野戦砲兵第四連隊三大隊
大阪市東区法円坂町四番地・馬場町一番地 大阪旧城内大阪府1,5321261,406陸軍第四師団歩兵第廿連隊第一大隊
第三大隊
大阪市東区大手前ノ町二番地大阪府33927312陸軍第四師団輜重兵第四大隊
大阪市東成郡清堀村 (A)大阪府1128104陸軍第四師団騎兵第四大隊第一中隊
三浦郡浦賀町神奈川県156413112陸軍要塞砲兵幹部練習所生徒中隊
姫路市姫路本町 姫路旧城内 (B)兵庫県1,5681301,438陸軍第四師団歩兵第十連隊三大隊
長崎市大黒町四十六番地長崎県16115陸軍第六師団長崎分遺砲兵隊
下県郡厳原村三十八番地長崎県18720167陸軍第六師団対馬警備隊
北蒲原郡新発田本村 新発田旧城内新潟県1,5201151,405陸軍第二師団歩兵第十六連隊三大隊
東葛飾郡市川町国府台千葉県6968324589陸軍教導団生徒隊歩兵大隊
東葛飾郡市川町国府台千葉県8917072陸軍教導団生徒隊騎兵中隊
東葛飾郡市川町国府台千葉県162396117陸軍教導団生徒隊砲兵大隊
東葛飾郡市川町国府台千葉県7918061陸軍教導団生徒隊工兵中隊
東葛飾郡市川町国府台千葉県11214098陸軍教導団生徒隊輜重兵中隊
東葛飾郡市川町国府台千葉県163163陸軍教導団
印旛郡志津村下志津千葉県10997822陸軍射的学校教導中隊
印旛郡佐倉町佐倉田町 佐倉旧城内千葉県1,6041191,485陸軍第一師団歩兵第二連隊三大隊
西群馬町高崎町高松町 高崎旧城内群馬県1,4781451,333陸軍第一師団歩兵第十五連隊三大隊
名古屋市外堀町 名古屋旧城内愛知県1,5541341,420陸軍第三師団歩兵第六連隊三大隊
名古屋市外堀町 名古屋旧城内愛知県1,5451321,413陸軍第三師団歩兵第十九連隊三大隊
名古屋市外堀町 名古屋旧城内愛知県61362551陸軍第三師団野戦砲兵第三連隊三大隊
名古屋市外堀町 名古屋旧城内愛知県28829259陸軍第三師団工兵第三大隊
名古屋市外堀町 名古屋旧城内愛知県31634282陸軍第三師団輜重兵第三大隊
名古屋市本町四番地愛知県33陸軍愛知憲兵隊
渥美郡豊橋町豊橋八町 豊橋旧城内愛知県1,5431251,418陸軍第三師団歩兵第十八連隊三大隊
滋賀郡大津町元別所村滋賀県1,5071251,382陸軍第四師団第九連隊三大隊
仙台市川内宮城県61460554陸軍第二師団野戦砲兵第二連隊三大隊
仙台市川内宮城県28526259陸軍第二師団工兵第二大隊
仙台市川内宮城県30727280陸軍第二師団輜重兵第二大隊
仙台市川内宮城県1,5061151,391陸軍第二師団歩兵第十七連隊三大隊
仙台市東二番町七十五番地宮城県33陸軍宮城憲兵隊
仙台市榴ヶ岡 (C)宮城県1,5651251,440陸軍第二師団歩兵第四連隊三大隊
東津軽郡筒井村青森県1,05581974陸軍第二師団歩兵第五連隊第一大隊
第二大隊
金沢市大手町 金沢旧城内石川県1,5551391,416陸軍第三師団歩兵第七連隊三大隊
広島県広島市基町 広島旧城内広島県1,5571301,427陸軍第五師団歩兵第十一連隊三大隊
広島県広島市基町 広島旧城内広島県1,5531331,420陸軍第五師団歩兵第廿一連隊三大隊
広島県広島市基町 広島旧城内広島県63055575陸軍第五師団野戦砲兵第五連隊三大隊
広島県広島市基町 広島旧城内広島県29028262陸軍第五師団工兵第五大隊
広島県広島市基町 広島旧城内広島県31630286陸軍第五師団輜重兵第五大隊
那珂郡丸亀 丸亀旧城内香川県1,5981371,461陸軍第五師団第十二連隊三大隊
松江市堀内町 松江旧城内 (D)愛媛県1,5591261,433陸軍第五師団第廿二連隊三大隊
福岡市 福岡旧城内福岡県1,5271241,403陸軍第六師団第廿四連隊三大隊
企救郡小倉町 小倉旧城内福岡県1,5031261,377陸軍第六師団第十四連隊三大隊
熊本市二ノ丸町 熊本旧城内熊本県1,3961261,270陸軍第六師団歩兵第十三連隊三大隊
熊本市二ノ丸町 熊本旧城内熊本県50245457陸軍第六師団第廿三連隊第三大隊
熊本市二ノ丸町 熊本旧城内熊本県55458496陸軍第六師団野戦砲兵第六連隊三大隊
熊本市新堀町 熊本旧城内熊本県31935284陸軍第六師団輜重兵第六大隊
熊本市山崎町十二十三番地熊本県89481813陸軍第六師団第廿三連隊第一大隊第二大隊
託麻郡大江村元渡鹿村 (E)熊本県33940299陸軍第六師団工兵第六大隊
首里当蔵村 首里城内 (F)沖縄県12011109陸軍第六師団第廿三連隊第四中隊
亀田郡亀田村 (G)北海道庁52042478陸軍第二師団歩兵第五連隊第三大隊

(A) 戸籍表には屯営配置の地名として「大阪府西成郡清堀村」が掲載されているが, 明治22年4月1日付で東成郡に異動([103922]参照)
(B) 戸籍表には屯営配置の地名として「兵庫県飾東郡姫路本町 姫路旧城内」が掲載されているが, 明治22年4月1日付で姫路市発足([103921]参照)
(C) 戸籍表には屯営配置の地名として「宮城県宮城郡榴ヶ岡南目村」が掲載されているが, これは隣接する仙台区(明治22年4月1日付で仙台市)榴ヶ岡二番地と宮城郡南目村(明治22年4月1日付で宮城郡原町大字南目)元字木藏脇囲一番地を合わせたものであり, 歩兵第四連隊営自体は仙台市榴ヶ岡に設営され, 宮城郡原町大字南目には歩兵第三旅団司令部が建設中([103922]参照)
(D) 戸籍表には屯営配置の地名として「愛媛県温泉郡堀内町 松江旧城内」が掲載されているが, 明治22年12月15日付で松江市発足([104836]参照)
(E) 戸籍表には屯営配置の地名として「熊本県託麻郡渡鹿村」が掲載されているが, 明治22年4月13日付で陸軍第六師団工兵第六大隊は熊本市宮内町より熊本郡託麻郡大江村元渡鹿村に兵営移転([104836]参照)
(F) 戸籍表には屯営配置の地名として「沖縄県真和志間切 首里城内」が掲載されているが, 真和志間切国場村は明治9年建設の兵営所在地であり, 明治14年以降は首里当蔵村の首里城内に兵営移転
(G) 戸籍表には屯営配置の地名として「北海道函館亀田郡亀田村」が掲載されているが, 亀田村千代ヶ岱兵営第三大隊亀田営所は明治24年4月12日に廃止([103887] 参照)

(C)の仙台市榴ヶ岡についてですが、より詳しい説明をしますと、戸籍表に掲載されている「宮城県宮城郡榴ヶ岡南目村」なる住所は、榴ヶ岡が仙台区/仙台市内、青目村(明治22年4月1日以降は原町)が宮城郡内に存在する時点で、併記されたものです。例えば明治18年の時点で歩兵第四連隊営は、仙台区榴ヶ岡二番地と宮城郡南目村元字木藏脇囲一番地にまたがっていることが、『陸軍省第十一年報』により確認できます。一方で、『仙台市史 第9巻別冊』収録の「明治十三年 宮城県仙台区全図」によると、地図の右上の方にある歩兵営と礮兵営は概ね仙台区内ですので、宮城郡南目村元字木藏脇囲一番地は後から拡張のために取得した土地であることが判ります。明治22年4月1日の仙台市成立の際に多少の境域変更はあったようですが、この歩兵第四連隊営周辺では明白に分かるような境域変更は行われなったようで、それよりも後の『仙台市史 第3巻 附図』収録の明治末年の「仙台市全図」を見ると、「歩兵第四連隊営」と「仙台地方陸軍幼年学校」は仙台市内の榴ヶ岡に、「歩兵第三旅団令部」は仙台市の外側(原町大字青目)にあり、歩兵第四連隊営は一貫して仙台市榴ヶ岡に存在したように見えます。そこで官報を確認したところ、明治24年7月4日に以下の項目を発見しました。

〇司令部移転 第二師団下歩兵第三旅団司令部ハ宮城県宮城郡榴ヶ岡南目村元木藏脇へ増築工事落成ニ附キ同部及仙台大隊区司令部トモ去月二十八日移転セリ(陸軍省)

陸軍省第二回統計年報』(20/271コマ目)によると、明治21年の段階で歩兵第四連隊は仙台区榴ヶ岡、歩兵第三旅団司令部は宮城郡南目村となっております。よって明治22年の段階では歩兵第四連隊営は仙台市榴ヶ岡内にのみ存在し、宮城郡原町大字南目は既に兵営所から司令部への転用されていたと考察されます。

(E)の託麻郡大江村元渡鹿村に関しては、[104836][107044]で披露した考察が間違いであり、「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」等掲載の現住人口である52,833が正しかったという結果となりました。まず『陸軍省第二回統計年報』(22/271コマ目)によると、明治21年の段階で工兵第六大隊は熊本市宮内町に兵営がありました。ところが明治22年6月15日の官報によると、

〇工兵大隊移転 第六師団工兵第六大隊ハ一昨十三日熊本県肥後国託麻郡渡鹿村兵営へ移転セリ(陸軍省)

とあり、明治22年末の段階で確かに第六師団工兵第六大隊が託麻郡内へ移転していることが確認されました。

ただ新たな疑問が生じます。明治23年の戸籍表では、第六師団工兵第六大隊は再び熊本市内に戻ってしまっていることになっているのです([103921]参照)。もしかしたら明治23年末の段階での第六師団工兵第六大隊の情報は間違っている可能性が出て来ました。

(F)の首里当蔵村 首里城内については『陸軍省第二回統計年報』(22/271コマ目)にあるように、明治21年の時点で既に首里城内に兵営が移転しているので、「真和志間切」は古い情報が残ってしまったのでしょう。一方(G)の亀田郡亀田村についても、『陸軍省第二回統計年報』(22/271コマ目)にあるように、明治21年の時点ではまだ兵営は亀田郡亀田村です。これが明治23年末の段階では函館区に移っていることになっています([103921]参照)。調べたところ、『北海道事情一斑 第1編』の明治24年4月の項目に

〇十二日亀田村千代ヶ岱兵営第三大隊亀田営所ヲ引払ヒ青森営所ニ赴く

北海道拓殖大観』では

亀田村千代ヶ岱兵営第三大隊亀田営所を廃し、青森営所に移る。

という表現になっています。よって明治22年末では亀田郡亀田村に第三大隊亀田営所があったことで問題なさそうです。

ただ新たな疑問が生じます。明治23年の戸籍表の方では陸軍第二師団歩兵第五連隊分遺隊は既に函館区内に移っていることになっているのです([103921]参照)。もしかしたら熊本の第六師団工兵第六大隊のケースと同様に、明治23年末に兵営が函館区内に既に移動していたという情報が間違っている可能性が出てきました。

以上、明治22年の入寄留の陸海軍在営艦者は、どういうわけか陸軍のみ処理がされ、海軍に関してはなぜか出入寄留側で人口統計が処理されています。ところが『戸籍表 明治二十二年 上』を読んだところ、少なくとも海軍としてのデータは載っておりました。それを最後に紹介します。

市区町村府県庁人員下士区分
京橋区築地四丁目東京府24195海軍主計学校
京橋区築地四丁目東京府824339海軍軍楽練習所
芝区芝公園地東京府422海軍水路部
芝区芝赤羽町東京府1112109海軍造兵廠
赤坂区溜池葵町東京府330海軍参謀部
芝区品川港東京府29961238海軍浪速
芝区品川港東京府33073257海軍高千穂
芝区品川港東京府33349284海軍扶桑
芝区品川港東京府20227175海軍武蔵
芝区品川港東京府20327176海軍葛城
芝区品川港東京府20326177海軍大和
荏原郡中目黒村東京府24024海軍火薬工厰
三浦郡浦郷村長浦神奈川県20736171海軍横須賀水雷隊
三浦郡横須賀町神奈川県1,923861,837海軍横須賀鎮守府
三浦郡横須賀町神奈川県1,2701751,095海軍横須賀鎮守府海兵団
三浦郡横須賀町神奈川県25861197海軍浅間
三浦郡横須賀町神奈川県21846172海軍迅鯨
三浦郡横須賀町東京府35847311海軍筑波
三浦郡横須賀町神奈川県18414海軍龍驤
三浦郡横須賀町神奈川県1052283海軍八重山
三浦郡横須賀町神奈川県18523162海軍海門
三浦郡横須賀町神奈川県521636海軍天城
三浦郡横須賀町神奈川県1293297海軍愛宕
三浦郡横須賀町神奈川県1132192海軍干珠
横浜市神奈川県19431163海軍高雄
神戸市兵庫県1381137海軍小野浜造船所
神戸市兵庫県871473海軍麻耶
神戸市兵庫県1697海軍赤城
長崎市長崎県12921108海軍日進
長崎市長崎県961779海軍磐城
東彼杵郡佐世保村長崎県631845海軍佐世保鎮守府
東彼杵郡佐世保村長崎県42967362海軍佐世保鎮守府海兵団
東彼杵郡佐世保村長崎県931974海軍鳥海
下県郡竹敷村長崎県14223119海軍春日
広島市宇品広島県12412112海軍館山
安芸郡江田島村広島県1122983海軍兵学校
安芸郡宮原村(呉)広島県672344海軍呉鎮守府
安芸郡宮原村(呉)広島県868139729海軍呉鎮守府海兵団
安芸郡宮原村(呉)広島県701654海軍鳳翔
安芸郡宮原村(呉)広島県911477海軍石川
福岡市博多福岡県29652244海軍天龍
三角浦村熊本県20521184海軍満珠
朝鮮仁川外国行15126125海軍筑紫
外国航海中(ハワイ方面遠洋航海)外国行25838220海軍金剛
外国航海中(地中海方面遠洋航海)外国行25438216海軍比叡
日本国内外総計10,5371,5299,008

なお金剛と比叡は、翌明治23年にはエルトゥールル号の被災者をトルコに届ける任務に就いています。

【訂正】リンク修正。仙台榴ヶ岡周りの説明が変だったのを追加修正。川内市→仙台市!
[107191] 2023年 3月 31日(金)13:12:05【1】訂正年月日
【1】2023年 5月 25日(木)17:15:42 by オーナー(表組み改善)
YT さん
明治22年12月31日調の現住人口、追加修正等の情報
総務省統計局図書館が所蔵している古資料を調べたところ、

『町村別戸口表 明治廿二年 上 その一』
『町村別戸口表 明治廿二年 上 その二』
『町村別戸口表 明治廿二年 下 その一』
『町村別戸口表 明治廿二年 下 その二』
『戸籍表 北海道之部 従明治十九年 至明治廿八年』

とは別に、

『戸籍表 明治二十二年 上』
『戸籍表 明治二十二年 下』

という資料があることに、今更ながら気付きました。現在総務省統計局図書館は工事中のため、古資料の閲覧はできませんが、上記資料はマイクロフイルム化されており、そちらを閲覧してみました。すると明治22年の陸軍・海軍の詳しい内訳がまとまっていました。例えば千葉県印旛郡内の場合

明治廿二年十二月丗一日調 第一師団諸隊下士卒在営現人員区分表 (抜粋)
兵種隊号屯営配置ノ地名下士(合計)
歩兵第ニ連隊三大隊千葉県印旛郡佐倉田町 佐倉旧白内1191,4851,604

明治廿二年十二月丗一日調 砲兵射的学校学校生及下士卒在営現住人員区分表
区分所在地名定期学士下士(合計)
教導中隊千葉県印旛郡下志津村22978109

というわけで、[107039]で披露した折角の考察も大分外れていました・・・

また東京府東京市芝区の3人の陸軍関係者の正体が不明でしたが、発足したばかりの東京憲兵隊の馬丁でした。

明治廿二年十二月丗一日調 憲兵隊場丁在営現住人員区分表
区分所在地名馬丁
東京憲兵隊本部麹町区大手町一丁目一番地1
東京憲兵隊第一管区首部麹町区大手町一丁目一番地6
東京憲兵隊第一管区首部牛込区左内坂町廿一番地ノ内二号・市ヶ谷田町一丁目八番地3
東京憲兵隊第一管区首部芝区栄町七・八番地3
東京憲兵隊第一管区首部下谷区下谷車坂町十八番地ヨリ三十二番地ノ内に至マデ3
大坂憲兵隊大坂市南区順慶町通安堂寺町通4
愛知憲兵隊愛知県名古屋市本町四番地3
宮城憲兵隊宮城県仙台市東二番町七十五番地3

上の事例ですと、市谷左内坂町と市谷田町一丁目を分離できないという問題がありますが、概ね東京市内町丁レベルまで陸海軍在営艦者を分けることができると思います。

以上より、[107043]

2. 千葉県印旛郡の入寄留の内、入寄留の陸海軍在営艦者1713人の分配の情報がないため、志津村(陸軍砲兵射的学校)と佐倉町(陸軍第一師団歩兵第二連隊)の現住人口が確定できない。一応[107039]に示す方法で推定値は出しました。

こちらの問題は解決しました。

また東京市, 大阪市, 堺市, 新潟市, 水戸市, 津市, 弘前市, 秋田市, 鳥取市, 福岡市, 久留米市を除く市について『町村別戸口表』に掲載がないという問題がありましたが、『戸籍表』の方には郡区レべルの出入寄留の情報が揃っており、さらに 伊豆七島, 小笠原全体の統計も載っておりました。よって他町村出入寄留の情報が全て揃いそうです。最初に町村別人口がまとまっていた『町村別戸口表』に出会ってしまったために見落としてしまっていましたが、『町村別戸口表』はむしろ『戸籍表』に付属する資料だったようです。

残る問題は

1. 東京府伊豆七島・小笠原島に関しては、細かい町村別人口の情報が完全に欠落。

3. 虫食いのため、茨城県東茨城郡の一部の町村(石崎村、常磐村、河和田村、長岡村、上野合村、伊勢畑村、磯浜町)の出寄留の囚人及懲治人が正確に得られず、現住人口が正確に算出できない。

4. 北海道庁釧路郡に所属する町村(真砂町、米町、洲崎町、幣舞町、浦見町、釧路村、桂恋村、鳥取村、昆布森村、跡永賀村、仙鳳趾村)に関し、郡全体での他町村出寄留は4人となっているものの、町村別の他町村出寄留が空欄となっており、これらの町村のいくつかの現住人口を正確に算出できない。これに関しては対処不能なので、とりあえず各町村の他町村出寄留を0として算出しました。

1と3についてはこれ以上の対処は不能で、2の虫食いの問題は、数年後、古資料閲覧が可能になった以降に、改めて確認します。

新たに情報を得た戸籍表を用いた修正はまあ数日かかりますが、修正結果の公表の方は4月末に行います。

現時点で気付いた修正点ですが、佐倉町、志津村の人口が修正されるほか、

広島県狩小川村の官報計算の現住人口を3,276から3,278に訂正、
飛騨国大野郡高山町の高山監獄の囚人28の処理に一部不具合あり
島根県楯縫郡の鳶巣村と鰐淵村は官報掲載の現住人口が計算値と±1ずれているが、こちらは修正なし
一部戸長役場連合、組合の集計に、範囲の指定の誤りあり

また区分として、東京市、函館区、札幌区内の下位区分について、~町を/町丁/、~村を/大字/として区別していましたが、徴発物件一覧表で町丁だろうが全部「大字●●町一丁目」といった表記をしていましたので、次の更新から全部/大字/に統一します。


なお、第五師団第十二連隊の「屯営配置ノ地名」は「香川県那珂郡丸亀 丸亀旧城内」となっていました。丸亀営所は戸長役場管轄地区の範囲外なのでしょうか。まあそもそも陸海軍兵営と監獄は、出入寄留届の対象外のようですので、丸亀営所の在営者は現状では、
「丸亀営所(元一番~四番丁)」として処理します。

参考までに広島の方は「広島県広島市基町 広島旧城内」、松山の方は「愛媛県温泉郡堀内町 松山旧城内」(堀内町は明治22年末の段階では松山市の一部になっており、「各地方郡市戸口表」「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」が誤って陸軍第五師団歩兵第二十二連隊1,559を温泉郡に加算してしまった原因がここに伺えます)と、大字レベルまでの住所は他の事例では示されています。
[107174] 2023年 3月 30日(木)00:48:15【2】訂正年月日
【1】2023年 3月 30日(木)01:01:05
【2】2023年 5月 25日(木)17:16:18 by オーナー(表組み改善)
YT さん
久栄村?
[107173] サヌカイトさん

一番丁~五番丁の調査、ありがとうございます。それにしても久栄村の件は、色々謎が多いですね。

昭和30年の国勢調査報告書に「付表2 市区町村の廃置分合,境界変更,名称変更一覧表-昭和25年10月2日~昭和30年10月1日」という項目があり、(pdf形式)でダウンロード可能です。これによると

年月日異動地域昭和25年人口 △は減
綾歌郡久万玉村6,172
29.4.1(新)綾歌郡栗熊村3,447
同富熊村2,725

とあって、久栄村の存在は無視されています。

一方香川県側では、例えば昭和29年の『香川県統計年鑑』に収録されている「市町村の廃置分合・境界変更及び名称変更」によると、

昭和25年国勢調査結果表より

などという謎の引用を掲げながら、

年月日合併町村
〃26.4.1綾歌郡富熊村及び栗熊村を廃し、その区域をもって久栄村を設置321141
昭和26.4.1綾歌郡久栄村を久万玉村とする。

と表記しており、久栄村の存在を示しています。

香川県側の証言としては、『香川県議会史 第1巻 (自昭和22年4月至昭和30年3月)』の346~347頁の記述によると、昭和26年3月10日土曜日の香川県議会議会で、以下のことが議決されており、この段階では4月1日付で久万村とすることが決まっています。

午後一時十三分再開

二十五号議案(仲多度郡南村を丸亀市の区域に編入)二十六号議案(綾歌郡栗熊村および富熊村を廃して久栄村とする)の二議案を追加上程、茨木議員が賛成、両議案とも賛成多数で可決承認、二十三、二十四号議案とあわせて陽春四月一日から二市一町八村が、二市一町一村として発足することとなった。

ところがむっくんさによると、[102330]に示したように、香川県報では昭和26年3月20日の段階では既に久万玉村となることが決まってしまっている。

香川縣告示第百二十一号
 綾歌郡栗熊村及び富熊村を廃して、この区域をもつて新に久万玉村を置き、昭和二十六年四月一日から施行する。
 なお、地方自治法施行令第百七十七條第一項第一号の規定に依る久万玉村の人口は六千百七拾弐人である。
昭和二十六年三月二十日 香川縣知事 金子正則

3月10日と3月20日の間の10日間に何があったのでしょう?昭和25年度3月の残りの議会の記録を読んでも、久栄村を久万玉村とすることに関する議論は掲載されていません。

そして、昭和26年5月21日の官報によると、この段階では既に4月1日付で久万玉村となったことが報告されています。

◎総理府告示第百六十五号
   村の廃置分合
地方自治法第七条第一項の規定により、昭和二十六年四月一日から、香川県綾歌郡栗熊村及び富熊村を廃し、その区域をもって久万玉村を置く旨、香川県知事から届出があった。 昭和二十六年五月二十一日
    内閣総理大臣 吉田 茂

以上を察するに、3月10日の段階で久栄村は議会で承認されたが、3月20日までに久万玉村となり、4月1日に正式に発足した際には久万玉村・・・というのが大まかな流れ。ところが、香川県内では、議案として久栄村の記録が残っており、例えば『香川県議会史 第1巻 (自昭和22年4月至昭和30年3月)』の年表の昭和26年四月一日・日の項目には、

綾歌郡栗熊村および富久万村を廃しその区域をもって久栄村を置く。綾歌郡久栄村を久万玉村とする。

と、4月1日に正式に久栄村が発足してしまったかのような記述になってしまってます。

あとは、

― (1) 「香川県報」に記載された告示が正しく、久栄村は存在しなかった
― (2) 香川県議会で決定されたように、久栄村は正式に発足したもので、香川県報の告示の記述は言葉足らずである

のどちらの立場を選択するかの問題に帰結されるかと思います。

個人的には(1)が正しく、久栄村は正式には発足しなかったと思われますが、香川県史、香川県統計年鑑、香川県議会史など、香川県側の記述は、この後大分経っても「久栄村」が正式に存在したとするものが多く、脚注で異論として併記が必要かも知れません。
[107168] 2023年 3月 29日(水)14:02:00【1】訂正年月日
【1】2023年 3月 29日(水)15:56:28
YT さん
Musashite?
[107164] サヌカイトさん

YTさん 丸亀市街問題について
 私のホームグラウンドということで郷土資料をとして手に入れやすいことから図書館で確認してきましたが、明確な記述は得られませんでした。その時メモを持って行き忘れたのでもう1回確認に行って記事にしますが、取り急ぎ香川県史(平成元年)に一から四番丁消滅の根拠記述っぽいのが載っていたことは報告しておきます。

わざわざ報告して頂きありがとうございます。[99158]の投稿からすると、サヌカイトさんは現在高校2年~3年の兄弟なのでしょうか?改めてこちらの落書き帳の年齢幅の大きさに驚かされます。

これはサヌカイトさんにとっては悪魔の囁きかも知れませんが、[107055]で示したように、国立国会図書館デジタルライブラリーの個人向けデジタル化資料送信サービス機能を使うことによって、自宅のパソコンで『香川県史』を閲覧することができます。ただそれによって自分がなすべき仕事が大いに阻害されることは間違いありません。一点問題となるのは、国立国会図書館の利用資格が年齢満18歳以上なことですが、兄の方は既に有資格者だと思います。

私が学生の時は、国立国会図書館の利用資格は満20歳以上でした。ただ当時真面目な大学生だった自分は、せっかく20歳の誕生日を迎えても、朝から晩まで授業を6コマ入れていた平日に全く利用する時間を作ることができず、確か土曜日?は夕方5時には閉まるし、行っても読みたい本を申請し(ぎりぎりOPACはあったかな・・・)、本が閲覧できるまでに30分以上も待たされ、とにかく利用し辛い図書館でした。その頃に比べたら、国立国会図書館は本館の方も大分利用し易くなりました。

おそらく丸亀営所に関する記述があるのは、『香川県史 5 通史編 近代I』(1987年3月)の92頁以降の「丸亀営所」の項目かと思います。こちらを読むと、丸亀一番丁~四番丁は「御用地」となり、さらに明治7夏の段階で丸亀五番丁~十番丁も将来の兵営地に指定されたものの、結局兵営地になったのは五番丁までで、残りは継続して住民が住み続けたことがうかがえます。ただ、結局明治22年末の段階で、一番丁~四番丁に建設された兵営所の住所表記はどうなるのかの問題は解決しませんね。

ちなみにこの県史、wikiの久栄村記述の出元ではないかと疑っております。県の呼びかけに従って早めに合併した模範事例としてわざわざ詳しく書かれており、そこにしっかり存在したと述べられていたので。ちなみに別出典ですが読みは「きゅうえい」だそうです。

こちらが載っているのは『香川県史 7 通史編 現代』(1989年3月)の359頁以降の「内海町と久万玉村」の項目ですね。いずれにせよ、国立国会図書館に利用登録をすれば膨大な数の本を閲覧できるようになります。


それにしても「サヌカイト」とは、なかなかセンスのある名前ですね。思えば自分は埼玉県浦和市生まれ、神奈川県川崎市育ち、最近は東京都稲城市在住なので、日本国内での居住は全て武蔵国内です。さしずめMusashite ムサシャイトかムササイト?となりますが、今更本名をイニシャルにしただけのメンバー名を変えるつもりはありません、


個人情報について

これまでこちらのサイトで個人情報に関する立場を表明したことはありません。ただ私の表の顔に関しては、これまでの自分の仕事をアピールするために個人情報は完全に公開されています。私の本名で検索すれば、ばっちり写真、学歴、職歴、出版物、公式のメールアドレスなどがすべて一発で分かります。将来犯罪を犯して捕まってしまえば、もうネットリンチを逃れることができないことになりそうですが、それも仕方ないような職業についています。今のところ身近な人に自分のこちらでの書き込みを公表したことはありませんが、万が一バレますと・・・「お前は自分の専門と全く関係ないことにこんなに時間を割いているのか!」と上司に言われ、職を失うリスクは多少はありますね。とはいえ、多分ポリティカルコレクトネスに重大に反する書き込みをしたことはないとは思います。

思えば個人情報は、昔は本当にユルユルでした。学校の名簿が事務からいつの間にか名簿業者に流出していたり(学習塾の広告のダイレクトメールの郵便番号が全部間違っていたので、間違った郵便番号が登録されていた学校の事務経由と推測され、また進研ゼミだけは別系統の名簿を使っていることも判明)、大学に合格すれば新聞や週刊誌に名前が出て、図書館に行けば近隣の高額納税者の名前が分かりました。それがいつの間にか法規制で個人情報の収集に制限がかかったのはいいんですが、業者を介してOB会開催した結果、OB会名簿の引継ぎが失われてしまうだとか、子供の小学校の緊急連絡網が存在しないとか、ちょっと行き過ぎているようにも感じます。個人情報に関しては幾分グリグリさんに近い意見になるかと思いますが、一方で職業柄若い人とも頻繁に会話するので、反対意見の方も理解できます。世代間の意見の違いを感じるとともに、自分も結構年増組になってしまったんだなあ・・・と思い知らされます。

【リンク修正】
[107127] 2023年 3月 21日(火)23:30:06【4】訂正年月日
【1】2023年 3月 21日(火)23:35:30
【2】2023年 3月 21日(火)23:44:31
【3】2023年 3月 21日(火)23:54:49
【4】2023年 3月 22日(水)00:06:06
YT さん
丸亀五番丁はおそらく明治23年まで存続、ただし丸亀営所は元一番丁~四番丁に設営
[107123] むっくんさん

これらからすると明治7年に、おそらく、住民の数が0人となった自治体としての丸亀一番町~四番町が無くなり、登記簿上のみに丸亀一番町~四番町が残った。その後、明治23年の市制町村制施行に伴う丸亀町の成立に伴い、他の町村の管轄区域ではない丸亀一番町~四番町(土地の登記簿上のみ存在)が自治体として一瞬だけ復活していることとしていたものと考えます。
#丸亀一番町~四番町のような事例としては、現在の京都市上京区の京都御苑に存在していた西殿町(M19.5.13廃止、M22.4.1に上京区の一部)が挙げられます。

当時の丸亀営所は丸亀五番町にあり、丸亀五番町は丸亀通町外二十二箇町連合を形成する一つの町ではないでしょうか。おそらく、何らかの手違いで丸亀五番町が抜け落ち、その為に丸亀通町外二十一箇町連合となったのでしょう。

考察ありがとうございます。

まず色々調べた結果、『丸亀市史』(閲覧には利用者登録が必要です:[107055]参照)の方に明治21年8月13日付で「丸亀通町外二十二箇町戸長」の人口戸数のデータが乗っており、「丸亀通町外二十一町丁」とするのは誤りであり、たとえ人口がゼロであっても「五番丁」は空欄として登録するべきであることが示唆されました。

一方で、この丸亀市史収録の報告書には・・・御供所町、北平山町、西平山町、瓦町、風袋町、葭町、宗古町、魚屋町、松屋町、米屋町、通町、富屋町、塩飽町、南条町、横町、福島町、六番丁、七番丁、八番丁、九番丁、十番丁の合計21町丁の情報が載っているのですが、浜町と五番丁が欠けています。五番丁は本籍人口ゼロだから仕方ないかもしれませんが、浜町は明治22年の本籍人口が522人ですし、データの収録ミスかも知れません。

さらに厄介なことが判明しました、少なくとも丸亀営所は、一番丁~四番丁の武家屋敷をつぶしたところに作られ、あとから五番丁が兵営地に編入されたと推測されるからです。

まず、国立公文書館デジタルアーカイブの方に『讃岐国丸亀絵図』がありますが、こちらの城絵図は、下の方が北、上の方が南、左の方が東、右の方が西となっています。現在の丸亀城址(丸亀市一番丁)は、中央の内堀の内側のみで、外堀は埋め立てられるか、暗渠になっているかしており、地図の上ではなんとなく過去の外堀・町割の跡を道路で確認できる程度です。

次に明治6年12月3日の山縣有朋による『丸亀兵営建築地所請取方伺』もまた、国立公文書館デジタルライブラリ―で閲覧できますが、この資料の3/7頁目に、まさに丸亀兵営地を作るために陸軍に引き渡される予定の5万9463坪4号9勺4才別紙図面が掲載されています。場所としては城の外堀の内堀に挟まれた地で、「土橋」の位置から、城絵図と比較すると、現在の丸亀城址の北側の、丸亀市大手町一丁目大手町二丁目大手町三丁目に相当する地域であることが分かります。

『新版 角川日本地名大辞典』によると、現在の「丸亀市大手町」は、

昭和25年~現在の丸亀市の町名。昭和57年からは1~3丁目がある。もとは軍用地の一部(丸亀市旧一番丁~四番丁の中央部分)。丸亀城大手門前の一帯にあたり,町名はそこに由来する。

ついでに「四番丁」は、

江戸期~明治7年の町名。丸亀城の外郭内の武家屋敷町の1つ。丸亀平野の北部に位置し,丸亀城の北にあたる。三番丁の南に位置し,南側は内堀に面した。東西に細長い町で,中央は広場となっており,橋を経て大手二の門の正面にあたった。生駒氏時代から家中の居住地であったと推定されるが,町の成立は不明。続く山崎氏時代の城郭図には町割が整い,「侍屋敷」と記されている。京極氏時代の文政11年城郭図には10前後の武家屋敷が記されている。明治7年広島鎮台丸亀営所創設にともない陸軍省が用地を買収し軍用地となり,町は消滅した。買収による取払民家数8軒(丸亀市史)

つまり、一番丁~四番丁は、現在の丸亀城址の北側に、かつての外堀と内堀の間を埋めていた城下町で、北から順番に外堀、一番丁、二番丁、三番丁、四番丁、内堀と東西に延びた町割であったようです。この地の約90家の武家屋敷が明治7年に取り潰されて、丸亀営所になったようです。現在の大手町は、かつての東西に細長い四層構造を南北のラインで東西3つの丁目にぶつ切りにしてしまっています。

丸亀市史』の方に、兵営接地のために取り払われた武家屋敷の所有者一覧と住所が書かれています。すなわち「元一番丁」、「元二番丁」、「元三番丁」、「元四番丁」が該当します。リストには華族として京極一門の名前もあり、割と上級武士の武家屋敷のようです。丸亀営所自体は明治7年9月に新築落成しています。


一方五番丁の方は

江戸期~明治初年の町名。丸亀城の外郭内の武家屋敷町の1つ。丸亀平野の北部に位置し,丸亀城の東にあたる。四番丁の南に位置した。南北に細長い町で,東西でそれぞれ外堀・内堀に面した。生駒氏時代から家中の居住地であったと推定されるが,続く山崎氏時代の城郭図では町割が整い,「侍屋敷」と記されている。京極氏時代の文政11年城郭図には30数軒の武家屋敷が記されている。また当町の北東端には番所があり,土橋を経て城外に至った。明治7年広島鎮台丸亀営所創設にともない,陸軍省が一番丁~四番丁の用地を買収,その後当町も歩兵第12連隊の作業場地域となり,町は消滅した。なお,昭和25年当町域は城東町の一部として再発足した。

こちらは現在の丸亀城址の内堀の東側に、南北に伸びた武家屋敷で、現在の丸亀市城東町二丁目に相当します。文章からすると後から陸軍に接収された土地です。ただ、『日本歴史地名大系』の方も

外郭内の武家屋敷は北から一番丁―十番丁まであったが、明治初期の丸亀歩兵連隊設置により一番丁―五番丁は消滅した。

とあり、『日本歴史地名大系』や『新版 角川日本地名大辞典』の記述に従うところの五番丁の消滅(?)時期が不明です。

結局具体的な丸亀営所の住所表記は分かりませんが、『陸軍省第十年報: 明治十七年 自一月 至十二月』の方だと、歩兵第十二連隊の営所の住所は、「那珂郡丸亀一番ヨリ九番地マデ丸亀城」となっています。

以上をまとめると、

1.「五番丁」は実態は無くとも居住地としては生きており、「町村別戸口表に掲載なし」という備考を加えた上でデータとして追加するべきである。

2.「通町外二十一町丁」は「通町外二十二町丁」に改訂するべきである。

3.「丸亀営所」は、元一番丁~元四番丁を接収して建設された。よって、「丸亀営所(旧一番丁~旧五番丁)」は「丸亀営所(元一番丁~元四番丁)」と改訂するべきである。



まあ今回改めて感心したのは、よく本丸、天守閣を潰して兵営地を建設しなかったことです!万が一天守閣を潰していたなら、丸亀城は現存十二天守の資格を失っていました。丸亀に関わった陸軍の幹部は、丸亀城の天守閣を潰さずに、あくまでも武家屋敷を潰して外堀と内堀の間に兵営所を建設し、その他の重要な軍備施設は城郭建物を転用していたようです。丸亀城が生き残れたのも、本当に幸運のなせる業と言えるでしょう。

【文章を色々修正/追記】丸亀藩・京極家は幕末尊皇派として行動し、明治維新後も率先して廃藩置県に応じたことから、丸亀城郭存続に効いたのかも知れません。明治時代~昭和時代の丸亀城周辺の地図を掲載しているサイトを見つけました。明治32年の地図(pdfファイル)を見る限り、兵営地があったのは現在の丸亀市大手町三丁目と現在の大手町二丁目で、元一番丁~四番丁の西側の半分という感じです。元一番丁~四番丁の東側は「練兵場」となり、五番丁は「作業場」になっています。
[107114] 2023年 3月 20日(月)14:42:22【3】訂正年月日
【1】2023年 3月 20日(月)18:07:40
【2】2023年 3月 20日(月)21:35:49
【3】2023年 5月 25日(木)17:21:26 by オーナー(表組み改善)
YT さん
明治23年北海度庁の町村別人口4カ所の人口訂正と、明治22年における丸亀営所の所属町村の問題
[107111] 白桃さん

注1:表中1886年の(人口)は、「市街名邑及町村二百戸以上戸口表」(M.21年「内務省総務局」に記載された現住人員(1886年12月31日調)、1890年の(人口)は、YTさんが算出された現住人口(日本帝国民戸口表基準)、1908年の(人口)は「日本帝国人口静態統計」によります。

早速使って頂きありがとうございます。

ただ、[107050]でアップロードしました明治23年(1890年)12月31日調市区町村別人口については、[107077]に加え、北海道庁の一部市区町村に間違いがありましたので、追加訂正します。

【1】

修正前:
市区町村本籍男本籍女本籍人口現住戸数現住人口(官報基準)現住人口(日本帝国民籍戸口表基準)
茅部郡蛯谷村29825655471559559
茅部郡石倉村13712025730268268

修正後
市区町村本籍男本籍女本籍人口現住戸数現住人口(官報基準)現住人口(日本帝国民籍戸口表基準)
茅部郡石倉村29825655471565565
茅部郡蛯谷村13712025730262262

『戸籍表 北海道之部 従明治十九年 至明治廿八年』は、明治23年の戸口表に関して、本籍人口と現住戸数をまとめた「各郡区町村別戸口表」と、出入寄留をまとめた「各郡区町村別人口出入表」が分離しているのですが、両者で順番が違っていたのを見落とし、誤って逆にまとめて算出してしまいました。この間違いは『明治二十四年 徴発物件一覧表』との数値の比較で気付きました。本籍男~現住戸数の数値は逆で、[出]外国行~[入]他町村入寄留の数値は正しいです。ただし修正するにあたっては、「各郡区町村別戸口表」の順番を優先し、石倉村と蛯谷村を逆にし、出]外国行~[入]他町村入寄留の数値を入れ替えました。結果、現住人口(官報基準)と現住人口(日本帝国民籍戸口表基準)の数値が変わります。


【2】

修正前:
市区町村本籍男本籍女本籍人口現住戸数現住人口
(官報基準)
現住人口(日本帝国
民籍戸口表基準)
備考
室蘭郡輪西村17118835967504503
室蘭郡元室蘭村8286421,4703001,5201,520M23.5.15改称

修正後:
市区町村本籍男本籍女本籍人口現住戸数現住人口
(官報基準)
現住人口(日本帝国
民籍戸口表基準)
備考
室蘭郡輪西村8286421,4703001,6151,614本籍男171, 本籍女188, 本籍人口359, 現住戸数67を修正
室蘭郡元室蘭村17118835967409409M23.5.15改称; 本籍男828, 本籍女642, 本籍人口1,470, 現住戸数300を修正

こちらはむしろオリジナルは『戸籍表 北海道之部 従明治十九年 至明治廿八年』に従ってまとめてました。即ち「各郡区町村別戸口表」の方は元室蘭村、輪西村、各郡区町村別人口出入表」の方は輪西村、元室蘭村の順番に数字が示されており、入力の際にはちゃんと順番を入れ替えて表にまとめました。しかしがら『明治二十四年 徴発物件一覧表』との数値の比較で数値がおかしいことに気付きました。明治22年、明治24年の人口と比較すると、明治23年だけ特異的に室蘭村と輪西村の人口が不自然に反転していました。そこで『明治二十四年 徴発物件一覧表』の掲載の値が正しく、「各郡区町村別戸口表」の方で誤って元室蘭村と輪西村の順番を間違えてしまったと判断し、本籍男~現住戸数の数字を輪西村と元室蘭村の間で交換するという修正を行いました。[出]外国行~[入]他町村入寄留の数値は、人口比からも数字的に元データが正しいと判断し、こちらは修正しませんでした。結果、現住人口(官報基準)と現住人口(日本帝国民籍戸口表基準)の数値が変わります。

以上の間違いは『明治二十四年 徴発物件一覧表』との数値の比較で気付きましたが、他の地域については官報掲載の現住人口との比較である程度この手の入力誤りは防げていたと思います。北海道庁・沖縄県・奄美・トカラ・対馬・隠岐に関しては、官報掲載の現住人口によるチェックができないため、このような間違いがほかにあるかも知れません(明治22年に関しては、『町村別戸口表』の方に欄外で官報掲載の現住人口が記載されているため、北海道庁と、そもそも情報漏れの伊豆・小笠原以外は数値のチェックができます)。

この他、戸長役場連合、町村組合管轄の範囲について、SUM関数の指定を誤っている箇所が既にいくつか見つかっていますが、これについてはまあ追加修正は一々メモっていないので、次回の更新で突然の修正がいくつも出てきますがすみません。


なお、今回香川県の過去の人口をまとめていらっしゃいますが、明治22年(1889年)12月31日調の香川県の現住人口について、一点扱いに困っている項目があります。それは、丸亀城下におかれた「丸亀営所(旧一番丁~五番丁)」の扱いです。明治22年末の香川県那珂郡は、無籍在監人2人、入寄留の囚人及懲治人208人、入寄留の陸海軍在営艦者1,598人の存在を確認できますが、この内無籍在監人2人は那珂郡丸亀御供所町に加えると、官報掲載の現住人口とも一致することからも、丸亀監獄が丸亀御供所町に存在したことが確認できます。一方で入寄留の陸海軍在営艦者1,598人とは、すなわち丸亀営所に現住戸籍を届けた陸軍第五師団歩兵第十二連隊の下士・卒・生徒であることに相違ありません。問題はその所在地ですが、『新版 角川日本地名大辞典』などによると、例えば那珂郡丸亀五番丁について、

明治7年広島鎮台丸亀営所創設にともない,陸軍省が一番丁~四番丁の用地を買収,その後当町も歩兵第12連隊の作業場地域となり,町は消滅した。なお,昭和25年当町域は城東町の一部として再発足した。

とあり、丸亀営所は旧那珂郡丸亀一番丁~五番丁に設置されたことがわかります。実際官報の方では那珂郡丸亀六番丁~十番丁の記載がありますが、那珂郡丸亀一番丁~五番丁はありません。

となると、丸亀営所に居住の兵卒は、どこに現住の戸籍を置いたのでしょう?既に丸亀一番丁~五番丁は消滅しています。仕方ないので「丸亀営所」とでもするしかない町丁名同等地区が存在すると仮定して集計し、戸長役場管轄としては丸亀通町外二十一箇町丁連合の方に合算しましたが、ここの当時の住所の扱いが分かれば、集計方法を今後変えるかも知れません。

【言葉の間違いや繰り返しを一部訂正】
[107077] 2023年 3月 14日(火)01:05:57【3】訂正年月日
【1】2023年 3月 14日(火)01:37:18
【2】2023年 3月 14日(火)09:49:34
【3】2023年 5月 25日(木)17:21:58 by オーナー(表組み改善)
YT さん
徴発物件一覧表との比較による明治23年(1890年)12月31日調市区町村別人口の一部修正
[107050] でまとめた明治23年(1890年)12月31日調市区町村別人口については、[105242] に書きましたように、現在総務省統計局図書館所蔵が耐震改修工事対応のため利用できないため、残った数カ所の再チェックはあと数年実行できなくなりました。

しかしながら、明治23年(1890年)12月31日調については[87941]にまとめたように、『明治二十四年徴発物件一覧表』が存在します。
本書は大字別単位で膨大な情報が掲載されており、その中に大字別人口の情報もあります。8年前、[88602]に示したように、この情報をエクセルファイルにまとめようとしましたが、結局この徴発物件一覧表の人口データは本籍人口と現住人口、その他いい加減な計算結果が入り乱れているものであり、数値のチェックが困難なことから、まとめることを断念しました。今回[107050]で戸籍表に基づく現住人口がある程度まとまったので、改めて大字別人口を盛り込んで行こうと思っています。

ところで、[105313]に示したように、明治23年12月31日調の現住人口に関しては、

2. 虫食いのため、いくつかの町村の出寄留の囚人及懲治人、陸海軍在営艦者の情報が正確に得られず、現住人口が正確に算出できない。

という問題が発生していました。具体的には京都府の相楽郡加茂村、相楽郡当尾村、愛知県の愛知郡千種村、愛知郡鍋屋上野村、知多郡半田町、知多郡亀崎町、知多郡岡田村、碧海郡大浜町、碧海郡中島村、碧海郡占部村、幡豆郡味沢村、幡豆郡五保村、額田郡相見村、額田郡深溝村、西加茂郡藤河村、西加茂郡高岡村、西加茂郡豊原村、東加茂郡介木村、東加茂郡生駒村が該当します。

改めて徴発物件一覧表掲載の人口と比較したところ、少なくとも愛知県知多郡、碧南郡、幡豆郡に関しては、徴発物件一覧表掲載の人口が現住人口に対応しているらしいことが判明しました。他の京都府相楽郡と愛知県西加茂郡は一部現住人口、愛知県愛知郡と東加茂郡は本籍人口、愛知県額田郡は本籍人口と独自算出の混合ということで、他については既に推定値と合致する場合と、本籍人口ベースのだめにそもそも検証不能の場合とが混在します。

町村府県庁本籍官報[出]陸海軍[出]囚人懲治人現住(未確定)徴発物件虫食い箇所
相楽郡加茂村京都府3,7563,734573,7223,717[出]囚人及懲治人
相楽郡当尾村京都府1,4671,452111,4501,450[出]囚人及懲治人
愛知郡千種村愛知県2,7572,612212,6092,757[出]囚人及懲治人
愛知郡鍋屋上野村愛知県1,3491,318201,3161,350[出]囚人及懲治人
知多郡半田町愛知県4,9735,162765,1495,147[出]陸海軍在営艦者,[出]囚人及懲治人
知多郡亀崎町愛知県5,8466,0501056,0356,034[出]囚人及懲治人
知多郡岡田村愛知県2,0502,017332,0112,014[出]陸海軍在営艦者,[出]囚人及懲治人
碧海郡大浜町愛知県5,6845,50015125,4735,472[出]囚人及懲治人
碧海郡中島村愛知県1,6251,446211,4431,441[出]囚人及懲治人
碧海郡占部村愛知県2,6772,299442,2912,293[出]囚人及懲治人
幡豆郡味沢村愛知県2,1381,923301,9201,919[出]囚人及懲治人
幡豆郡五保村愛知県2,6862,439022,4372,438[出]囚人及懲治人
額田郡相見村愛知県3,1332,981492,9683,133[出]囚人及懲治人
額田郡深溝村愛知県2,7692,560372,5502,608[出]囚人及懲治人
西加茂郡藤河村愛知県1,6491,595421,5891,589[出]囚人及懲治人
西加茂郡高岡村愛知県2,0132,032332,0262,026[出]囚人及懲治人
西加茂郡豊原村愛知県1,9001,833021,8311,832[出]囚人及懲治人
東加茂郡介木村愛知県1,2371,240101,2391,237[出]陸海軍在営艦者
東加茂郡生駒村愛知県73172300723731[出]陸海軍在営艦者

[107050]の段階では修正を加えていませんが、少なくとも知多郡半田町、知多郡亀崎町、知多郡岡田村、碧海郡中島村、碧海郡占部村、幡豆郡味沢村、幡豆郡五保村については以下のような修正を、次のバージョンで入れることにしました。碧海郡に関しては、項目として隣接する中島村、占部村の数字が一致するよう、大浜町よりも優先して修正しました。

町村府県庁本籍官報[出]陸海軍[出]囚人懲治人現住(未確定)徴発物件虫食い箇所
相楽郡加茂村京都府3,7563,734573,7223,717[出]囚人及懲治人
相楽郡当尾村京都府1,4671,452111,4501,450[出]囚人及懲治人
愛知郡千種村愛知県2,7572,612212,6092,757[出]囚人及懲治人
愛知郡鍋屋上野村愛知県1,3491,318201,3161,350[出]囚人及懲治人
知多郡半田町愛知県4,9735,162785,1475,147[出]陸海軍在営艦者,[出]囚人及懲治人
知多郡亀崎町愛知県5,8466,0501066,0346,034[出]囚人及懲治人
知多郡岡田村愛知県2,0502,017302,0142,014[出]陸海軍在営艦者,[出]囚人及懲治人
碧海郡大浜町愛知県5,6845,50015125,4735,472[出]囚人及懲治人
碧海郡中島村愛知県1,6251,446231,4411,441[出]囚人及懲治人
碧海郡占部村愛知県2,6772,299422,2932,293[出]囚人及懲治人
幡豆郡味沢村愛知県2,1381,923311,9191,919[出]囚人及懲治人
幡豆郡五保村愛知県2,6862,439012,4282,438[出]囚人及懲治人
額田郡相見村愛知県3,1332,981492,9683,133[出]囚人及懲治人
額田郡深溝村愛知県2,7692,560372,5502,608[出]囚人及懲治人
西加茂郡藤河村愛知県1,6491,595421,5891,589[出]囚人及懲治人
西加茂郡高岡村愛知県2,0132,032332,0262,026[出]囚人及懲治人
西加茂郡豊原村愛知県1,9001,833021,8311,832[出]囚人及懲治人
東加茂郡介木村愛知県1,2371,240101,2391,237[出]陸海軍在営艦者
東加茂郡生駒村愛知県73172300723731[出]陸海軍在営艦者

ついでに[107043]の明治22年の町村別戸口表の虫食い箇所の表がおかしくなっていたので以下のように修正します。こちらの地区の徴発物件一覧表掲載の明治22年末人口は完全に本籍人口が採用されていたので、徴発物件一覧表のデータから修正はできません。

町村府県庁本籍人口官報掲載[出]囚人及懲治人現住人口(未確定)徴発物件一覧表掲載
東茨城郡石崎村茨城県2,6332,71522,7112,633
東茨城郡常磐村茨城県2,4842,48882,4782,484
東茨城郡河和田村茨城県1,9581,95231,9481,958
東茨城郡長岡村茨城県3,2743,29633,2893,274
東茨城郡上野合村茨城県2,6642,66952,6622,664
東茨城郡伊勢畑村茨城県1,2521,23911,2371,252
東茨城郡磯浜町茨城県8,8968,868138,8508,896

【追加訂正】最後の表に本籍人口と徴発物件一覧表掲載の人口を追加
[107055] 2023年 3月 9日(木)13:01:49YT さん
国立国会図書館デジタルコレクション「送信サービスで閲覧可能」について
YTです。

国立国会図書館デジタルコレクションの個人向けデジタル化資料送信サービスが始まってそろそろ1年になりますが、こちらで誰も言及していないので、改めて紹介します。

ここでもかなりの方が国立国会図書館デジタルコレクションを利用していると思いますが、国立国会図書館デジタルコレクションに登録されている資料の方は、以下の3種類があります・

1.ログインなしで閲覧可能
2.送信サービスで閲覧可能
3.国立国会図書館内限定

この内、

1.ログインなしで閲覧可能

については既に多くの方が利用されていているので省きます。

3.国立国会図書館内限定

については、実際に国立国会図書館でカードを作り、パスワードを設定し、国立国会図書館内の端末にカードを置いて、操作して閲覧する必要があります。必要箇所のコピーを取りたい場合は、その場で会計で現金支払いが必要となります。

今回説明したいのは

2.送信サービスで閲覧可能

です。こちらに関しては、数年前から地方の図書館の端末で閲覧可能でありましたが、結局のところ図書館の端末で出向かないといけないので、それほど便利というわけではありませんでした。

ところが、2022年2月1日 「個人向けデジタル化資料送信サービス」の開始について(令和4年5月19日予定)(付・プレスリリース)を見て頂ければわかるように、去年の5月下旬から、自宅で送信サービス限定の資料を閲覧することが可能となりました。

例えば以前[76316][76317][76319]で紹介しましたが、『統計集誌』に掲載されていた明治3年頃の府藩県三治制下での府藩県別の族籍別人員表や、[77095]で紹介した、蒲生氏郷の子孫が記述した文禄2年の蒲生領での人口調査なんかも、ログインIDとパスワードがあれば簡単に閲覧できます。

また、例えば[99389]でMIさんが

なお、この『高畠町史』は国会図書館のデジタルコレクションに収められてはおりますが、「インターネット公開」ではなく「図書館送信資料」ですから、送信サービス参加館で閲覧可能となっております。しかし全国の図書館は臨時休館を余儀なくされているでしょうし、国会図書館の遠隔複写サービスも受付休止になってしまいました。

と書かれていますがが、該当する箇所も図書館に行かず、直接閲覧可能です。

いずれにせよ、閲覧するには、ログインIDとパスワードが必要です。

自分の場合、十数年前に国立国会図書館でカードを作り、さらに国立国会図書館内の端末で検索する過程でいつのまにかパスワードを設定しました。またIDの延長は3年毎に必要だったようなのですが、自分の場合国立国会図書館でのコピーサービスを仕事で利用する関係で、なんとなく自動で延長を続けていました。どうやって自動延長したか、確かなんかサイトでクリックして簡単に自動延長できたような気がしましたが、その辺の細かい経緯はすっかり忘れてしまいました。昨年新聞記事のコピーを国会図書館に依頼する過程で(ログインIDとパスワードで遠隔依頼でき、料金は後から送られてくる支払い書で銀行口座振り込み)、偶然国会図書館デジタルコレクションの送信サービスが個人で利用できることに気付きました。サービス開始は昨年の5月19日からのようです。

自分が登録した時の詳しい経緯はすっかり忘れてしまいましたが、国立国会図書館の利用者登録(個人)についてによると、

国立国会図書館の利用者登録(個人)は、利用できるサービスの範囲によって次の2種類に分かれています。登録方法については、ご希望の登録種別に該当するページをご参照ください。なお、登録は無料です。

デジタル送信サービスを利用できるのは本登録のみですので、本人確認書類の提示が必要です。

国立国会図書館の利用者登録(個人)について:本登録に詳しいことが書かれております。確実なのは、本人確認書類を持って国立国会図書館に出向いて、カードを作り、ログインIDとパスワードを設定することですが、今ならオンラインでもIDとパスワードを作る方法があるようです。

国立国会図書館オンラインの「新規利用者登録」画面から手続ができます。
本人確認書類を写した画像ファイル(JPEG形式またはPNG形式)のアップロードが必要です。

電子メールアドレスを登録すると、当館から、申込手続画面を案内するメールを送信します。発信元のドメイン名は「ndl.go.jp」です。
電子メールアドレスの登録後24時間以内に申込手続画面にアクセスして、「本登録」を選択して申込手続を行ってください。
登録申込受付後、当館から、登録利用者IDを記したメールを送信しますので、ご確認ください。本人確認が完了するまでは「簡易登録利用者」として当館のサービスをご利用いただけます。
本人確認完了後、「登録利用者(本登録)」としてご利用いただけます。当館から、本人確認完了をお知らせするメールを送信します。

本人確認には5開館日程度かかります。申請の集中等の理由により、手続に相当の日数を要することがあります。あらかじめご了承ください。
本人確認書類として有効なものについては、「本人確認書類について」の項をご参照ください。

ログイン方法や操作方法については国立国会図書館オンラインのヘルプ「9-3新規利用者登録(本登録)(1-b)」をご参照ください。


国立国会図書館デジタルコレクションの送信サービスを個人利用できるようになったことに気付いてない方は、参考までにどうぞ。
[107050] 2023年 3月 8日(水)00:05:43YT さん
明治23年(1890年)12月31日調市区町村別人口 ver 0.50
以前[105313][105314]でアップロードしました明治23年(1890年)明治23年(1890年)12月31日調市区町村別人口の方ですが、こちらの方も組合の情報を追加し、一部データの誤りを訂正してVer 0.50としてアップロードし直しました。

https://u6.getuploader.com/SR1gou/download/931

[107048] かつさん

「組合」というのは、明治21年以降町村制が施行された際、複数の町村が役場業務をまとめて行うために置かれた行政組織です。

もともと町村制施行前は、戸長役場が単一または複数の町村の業務を一括して行い(単独戸長役場、連合戸長役場)、そのために複数の町村を統括する「連合」というのが置かれました。例えば香川県大内郡馬宿村に四つの村を統括する戸長役場が置かれ、[107043]でアップロードしたファイルでは、「馬宿村外三村」という名称でまとめましたが、より正確な呼称は、「馬宿村外三箇村連合」だったようです。

明治21年以降の明治の大合併後も、結局地方によっては人口希薄のために複数の町村をまとめて役場を置く方が効率が良いという事態も発生し、そういうところでは町村制施行前の「連合」に変わって「組合」が置かれたのです。例えば飽田郡の内田村と銭塘村を統括する役場が、銭塘村に置かれ、「銭塘村外一箇村組合」または「銭塘村内田村組合」が設置されたのです。

町村制施行前は大字レベルの細かい町村を統括する戸長役場連合が多数存在したのですが、町村制施行後に置かれた組合は限られた地域にのみ存在しており、結局は徐々に合併等によりこれも解消されていきます。

[107047] オーナーグリグリさん

データの本体の方はエクセルファイルの方ですが、出入寄留の生データが膨大かつ一部欠落もあり、しかも現在世間に知られている、明治22年12月31日調の人口1万人以上の市町村現住人口の表を大幅に訂正する内容となるので、そのままこれを外に見える形の表にするのは難しいかも知れません。エクセルファイルを転がしておいて、各自ダウロードして閲覧する現在の形の方が良いのではないでしょうか?

なお明治22年は試行錯誤が多かったのか、正直データとしては翌年の明治23年の方が内容の誤りが少ないように感じます。
[107046] 2023年 3月 7日(火)19:20:11【2】訂正年月日
【1】2023年 3月 7日(火)21:03:10
【2】2023年 5月 25日(木)17:22:26 by オーナー(表組み改善)
YT さん
明治22年(1889年)12月31日における人口5000人以上の戸長役場連合など
【訂正】題名が「明治22年(1890年)」からのコピペ処理になっていたので、全部修正!

『明治四十一年十二月三十一日 日本帝国人口静態統計』「人口一万以上ノ市町村現住人口 (自明治十九年末至同四十一年末)」では、さらに香川県の高松、丸亀、沖縄県の那覇(広義)、北海道庁の福山、江差、小樽の現住人口が掲載されています。この内那覇(広義)は行政区分として存在するもの、北海道道庁の福山、江差、小樽は、「町」の人口を合算した市街のものということで予想はつきます。一方香川県に関しては、おそらく高松が高松城下六十町、丸亀が丸亀城下二十七町と、後に丸亀市に吸収される中府村・地方村の合算だと予想はされるのですが、どう足しても掲載の数字と一致しません。

城下・区域・市街府県庁現住人口官報基準本籍人口
香川郡高松城下(CE)香川県32,87732,18332,635
那珂郡丸亀城下(CF)香川県18,25416,49615,672
那覇(広義)沖縄県40,21240,22035,947
松前郡福山市街北海道庁12,03112,04711,063
檜山郡江差市街(CG)北海道庁13,88613,8999,772
小樽郡小樽市街(CH)北海道庁12,60612,6147,819

備考
(CE) 日本帝国人口静態統計掲載の高松の現住人口32,081は高松城下六十町のものと推定されるが、高松監獄の囚人及懲治人816を加算せず。差分20は計算間違いか(詳細不明)。
(CF) 日本帝国人口静態統計掲載の丸亀の現住人口18,295は丸亀城下二十七町及び中府村・地方村のものと推定されるが、計算間違いか(詳細不明)。
(CG) 日本帝国人口静態統計掲載の江差市街の現住人口13,798は他町村出寄留109、他町村入寄留190、江差分署の囚人7を加除せず。
(CH) 日本帝国人口静態統計掲載の小樽市街の現住人口12,629は他町村出寄留508、他町村入寄留485を加除せず。

連合戸長役場・島役所単位だと、宮古島、八重山島は全体で一つの島役所が管轄しており、およそ行政単位として似つかわしくないほどの巨大な組織になります。香川県では、高松が4つに分割されています。

(開く)明治22年(1889年)12月31日における人口5000人以上の戸長役場連合

今回徴発物件一覧表の情報から組合の情報をさらに加えましたが、これは戸長役場以上に変遷情報をたどるのが困難と思われます。組合に関しては局部的なまとまりもないので、ここでは集計を省略します。
[107045] 2023年 3月 7日(火)19:17:39【2】訂正年月日
【1】2023年 3月 7日(火)20:57:16
【2】2023年 5月 25日(木)17:23:19 by オーナー(表組み改善)
YT さん
明治22年(1889年)12月31日における日本国内の人口上位501位~1000位市区町村など
順位を1000位まで拡大してみます。神奈川県橘樹郡川崎町は935位ですが、この時点では川崎大師のある神奈川県橘樹郡大師河原村891位の方が人口が多かったようです。現相模原市域で最大の人口を有していた神奈川県高座郡大野村は3175位(現住人口3,327、官報基準3,333、本籍人口3,339)で、これでも圏外です。

(開く)明治22年(1889年)12月31日における日本国内の人口上位501位~1000位市区町村


『明治四十一年十二月三十一日 日本帝国人口静態統計』「人口一万以上ノ市町村現住人口 (自明治十九年末至同四十一年末)」では追加で沖縄県の間切の人口の情報が掲載されていますので、以下人口5000人以上の間切の人口をまとめます。なお、明治22年版の『町村別戸口表』では沖縄県の間切に関し、
備考 本県ハ郡ノ設ケ無 之ニ付各間切島ヲ郡ニ該当製表ス
との脚注があり、間切は郡市相当として扱われており、間切の現住人口は他町村出入寄留の加除を行わずに算出しました。

間切現住人口官報基準本籍人口
那覇(狭義)27,95527,95923,714
首里26,20526,10226,449
中頭中城間切14,85714,85915,083
宮古島砂川間切13,79413,79413,666
島尻小禄間切12,10811,92011,857
国頭本部間切11,93911,93911,885
中頭西原間切11,80411,80611,990
中頭具志川間切(CD)11,22811,22811,224
中頭美里間切10,85410,85410,861
島尻大里間切10,55210,55210,651
国頭今歸仁間切10,49410,49710,434
中頭読谷山間切10,47310,47610,550
宮古島平良間切9,6879,6879,644
国頭名護間切9,4529,4549,120
中頭浦添間切9,4059,4059,670
国頭羽地間切9,3429,3429,240
中頭宜野湾間切9,2199,2199,342
島尻兼城間切9,0399,0399,116
中頭北谷間切8,8038,8038,929
島尻真和志間切7,6527,6527,711
島尻豊見城間切7,5397,5397,727
宮古島下地間切6,9936,9936,973
島尻南風原間切6,9386,9416,948
国頭国頭間切6,8746,8746,849
中頭与那城間切6,1906,1906,164
国頭大宜味間切6,0446,0456,038
八重山島大浜間切6,0296,0335,850
国頭金武間切5,5875,5875,582
中頭越来間切5,5735,5735,601
島尻玉城間切5,3595,3595,383
中頭勝連間切5,1985,1985,198
島尻東風平間切5,1605,1605,281

備考
(CD) 日本帝国人口静態統計掲載の現住人口11,220は計算間違いか(出入を反転?)。
[107044] 2023年 3月 7日(火)19:14:53【1】訂正年月日
【1】2023年 3月 7日(火)20:56:22
YT さん
明治22年(1889年)12月31日における日本国内の人口上位1位~500位の市区町村
折角ですので、明治22年12月31日時点で現住人口上位500位までの市区町村のリストを以下に示します。宮崎県宮崎郡宮崎町は311位、北足立郡浦和町は453位です。この時点で浦和町は南埼玉郡岩槻町(573位)などよりも人口が多かったようです。香川県、隠岐、対馬、トカラ群島、奄美群島、沖縄県、北海道庁は市制町村制施行前であり、各町村が細かく分かれていますが、北海道庁では函館区が17位に、香川県では豊田郡観音寺村が136位に、沖縄県では那覇西村が448位にランクインしています。

[105305]で示した明治23年(1890年)12月31日における日本国内の上位500市区町村における脚注の数と比べて頂ければわかるように、多くの文献で明治22年の市区町村別人口として引用されている『明治二十二年十二月三十一日調 日本帝国民籍戸口表』「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」、およびそれに一部データを追加した『明治四十一年十二月三十一日 日本帝国人口静態統計』「人口一万以上ノ市町村現住人口 (自明治十九年末至同四十一年末)」からして計算間違いが多い!またそれに加え、『町村別戸口表 明治廿二年』の方では、集計が間に合わなかったために空欄であったり、明らかに府県統計書の方がよりアップデートされた数字が採用されているケース(京都府)などがあります。ここまで間違いが多いと、今後は香川県を含む本土四島での町村制施行が完了した明治23年(1890年)12月31日の方のデータをエポック的な統計として取り上げて欲しい気がします。

(開く)明治22年(1889年)12月31日における日本国内の人口上位1位~500位の市区町村

[107043] 2023年 3月 7日(火)19:13:13【1】訂正年月日
【1】2023年 5月 25日(木)17:23:47 by オーナー(表組み改善)
YT さん
明治22年(1889年)12月31日調市区町村別人口 ver 0.50
[107039]で予告した明治22年(1889年)12月31日の日本の市区町村別人口についてですが、以下のサイトからダウンロードできます。

https://u6.getuploader.com/SR1gou/download/930

原資料は基本的に総務省統計局統計図書館が所蔵する

『町村別戸口表 明治廿二年 上 その一』
『町村別戸口表 明治廿二年 上 その二』
『町村別戸口表 明治廿二年 下 その一』
『町村別戸口表 明治廿二年 下 その二』
『戸籍表 北海道之部 従明治十九年 至明治廿八年』

の5点です。男女別本籍人口、現住戸数などの情報は現住人口を計算する上で必要ありませんが、原資料に載っているのでそのまままとめました。入寄留の無籍在監人、囚人及懲治人は

『明治二十二年十二月三十一日調 日本帝国民籍戸口表』「各地方在監有籍者及無籍者人口表」

によります。なお、東洋書林出版『国勢調査以前日本人口統計集成 〈3〉 明治22―25年 近代日本歴史統計資料』収録のものは、「各地方在監有籍者及無籍者人口表」のうち、鹿児島県(一部)・沖縄県・北海道に関する134頁~135頁分が欠落していますので、総務省統計局統計図書館所蔵の『明治二十二年十二月三十一日調 日本帝国民籍戸口表』原本を利用しました。

この他、郡市区の現住人口、府県別の各種出入寄留などの情報は

『明治二十二年十二月三十一日調 日本帝国民籍戸口表』「各地方郡市戸口表」
『明治二十二年十二月三十一日調 日本帝国民籍戸口表』「各地方人口出入表」

の情報を上位とし、現住人口1万人以上の都市の現住人口の情報に関しては、

『明治二十二年十二月三十一日調 日本帝国民籍戸口表』「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」
『明治四十一年十二月三十一日 日本帝国人口静態統計』「人口一万人以上ノ市町村現住人口 (自明治十九年末至同四十一年末)」

から数値を補いました。

官報掲載の現住人口は

『官報 第二千百八十二号附録 明治二十三年十月六日』「各地方市別現住人口表」、「各地方町村別現住人口表」

に示されています。

そして組合、戸長役場連合、間切番所、島役所管轄地域については

『明治二十三年 徴発物件一覧表』

の情報を用いました(中身は明治22年12月31日調の人口ですが、現住人口算出の基準がいい加減で、本籍人口を載せている箇所も多い)。戸長役場連合などの中には郡を超えて設定されているものもありますが(特に北海道)、戸長役場の人口集計方法に正式に採用されているものもなさそうなので、ここでは全て町村と同格とみなし、他町村出入寄留の加除を行いました。『明治二十三年 徴発物件一覧表』掲載の戸口、人口は戸籍表系の数字と一致することも、全く一致しないことも多々ありますが、折角なのですべて表にまとめました。

既に[104836] にもまとめましたが、以下の問題点が残っているので、現時点でVer. 0.50として公開します。次回の改訂予定は5年後になりそうです。

1. 東京府伊豆七島・小笠原島に関しては、細かい町村別人口の情報が完全に欠落。

2. 千葉県印旛郡の入寄留の内、入寄留の陸海軍在営艦者1713人の分配の情報がないため、志津村(陸軍砲兵射的学校)と佐倉町(陸軍第一師団歩兵第二連隊)の現住人口が確定できない。一応[107039]に示す方法で推定値は出しました。

3. 虫食いのため、茨城県東茨城郡の一部の町村(石崎村、常磐村、河和田村、長岡村、上野合村、伊勢畑村、磯浜町)の出寄留の囚人及懲治人が正確に得られず、現住人口が正確に算出できない。

具体的には以下の通りで、明治23年の情報などから推定して数値を入力していますが、正解である保証はありません。

町村府県庁官報掲載[出]囚人及懲治人現住人口(未確定)
東茨城郡石崎村2,71522,711
東茨城郡常磐村2,48882,478
東茨城郡河和田村1,95231,948
東茨城郡長岡村3,29633,289
東茨城郡上野合村2,66952,662
東茨城郡伊勢畑村1,23911,237
磯浜町8,868138,850

4. 北海道庁釧路郡に所属する町村(真砂町、米町、洲崎町、幣舞町、浦見町、釧路村、桂恋村、鳥取村、昆布森村、跡永賀村、仙鳳趾村)に関し、郡全体での他町村出寄留は4人となっているものの、町村別の他町村出寄留が空欄となっており、これらの町村のいくつかの現住人口を正確に算出できない。これに関しては対処不能なので、とりあえず各町村の他町村出寄留を0として算出しました。

5. 『戸籍表』原本の閲覧ができなくなった

[105242]に書いた通りです。大きな変更は今後ないでしょうが、今後修正が可能となるのは5年後です。

実は町村別戸口表 明治廿二年には、欄外に各町村、各郡市区について、官報掲載の現住人口に相当する数字の書き込みがあります。官報の方では北海道庁、沖縄県、および島嶼部については現住人口の記載がないので、ある程度数字の確認が可能です。おそらく当時町村別戸口表を作成した人は、まずそれぞれの郡市区町村について「官報掲載の現住人口」を計算した後、監獄と軍隊の統計を追加して、『日本帝国民籍戸口表』を作成したと推測されます。ただ、この作業が初めてなのかは知りませんが、[104158][104836]に示したように、「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」を作成する段階で膨大な数の計算間違いしています。
[107039] 2023年 3月 6日(月)13:10:29【1】訂正年月日
【1】2023年 5月 25日(木)17:24:01 by オーナー(表組み改善)
YT さん
明治22年の千葉県印旛郡の入寄留の陸海軍在営艦者の分配、および明治の健脚問題
色々多忙でこちらの書き込みから遠ざかってしまっておりましたが、 [104836]で問題にしておりました千葉県印旛郡の入寄留の陸海軍在営艦者の問題について、ある程度の推論を立てましたので、こちらにその詳細を記します。

2.千葉県印旛郡の入寄留の内、入寄留の陸海軍在営艦者1713人の分配の情報がないため、志津村(陸軍砲兵射的学校)と佐倉町(陸軍第一師団歩兵第二連隊)の現住人口が確定できない(明治23年に関しては[103921]に示すように分配済)。

まず総務省統計局統計図書館所蔵『戸籍表 明治廿三年 上 その一』の「廿三年十二月現在陸海軍在営艦兵士卒人口」によると、明治23年の入寄留の陸海軍在営艦者1,624は以下の内訳となっています。
明治23年末各兵営現在人員人員下士生徒
佐倉町: 第一師団歩兵第二連隊1,4741221,3439
志津村: 陸軍砲兵射的学校150911922
合計1,6241311,46231

一方『陸軍省第三回統計年報』の「諸隊人員」/「諸学校学舎及教員人員」/「学生及諸生徒人員増減」と『陸軍省第四回統計年報』の「諸隊人員」/「諸生徒隊人員」/「諸学校学舎及教員人員」/「学生及諸生徒人員増減」などによると、 陸軍第一師団歩兵第二連隊と陸軍砲兵射的学校教導中隊における下士、 卒、 生徒の人員は以下となっています。

明治23年末各兵営現在人員右合計下士生徒
第一師団歩兵第二連隊1,4871301,3570(不明)
砲兵射的学校教導中隊1701011941
合計1,6571401,47641


明治22年末各兵営現在人員右合計下士生徒
第一師団歩兵第二連隊1,5761391,4370(不明)
砲兵射的学校52100(不明)42
合計1,6281491,43742

まずいずれの年も第一師団歩兵第二連隊所属の生徒は0であり、 明治23年末の佐倉兵営現住の生徒は正式な軍人という扱いではないと推測できます。砲兵射的学校の生徒の一部が佐倉兵営に居住していた可能性も考えましたが、佐倉兵営のある佐倉城内から砲兵射的学校があった志津村下志津字下志津原までの距離は8.9キロ、徒歩約2時間も離れています(google map先生)。いくら健脚だった昔の人でも時速6キロと仮定して片道1時間半、往復3時間でちょっと考えられません(一応自転車は町中や別荘地では普及しつつあったようですが)。砲兵射的学校の生徒数41と実際に砲兵射的学校内の施設に居住する生徒の人数23の間にもえらく差がありますが、砲兵射的学校に通うような生徒は下士や卒よりも比較的裕福であり、必ず兵営の外に居住を持つ士官以上と同様に、兵営・学校の外に居住を持っていた人が多いからと推測しました。

また明治23年の砲兵射的学校の卒については、「諸学校学舎及教員人員」の方に「戸山学校教導大隊ノ下士卒並ニ砲兵射撃学校教導中隊ノ兵卒ハ近衛師団ヨリ分遣スルモノニ係ル故ニ此人員ハ所隊人員ト重複ス」との脚注があります。 明治22年の統計では「諸学校学舎及教員人員」の項目がないため、砲兵射的学校の卒の人員を示す独立した統計が存在しませんが、これは砲兵射的学校などに出向していた兵卒は、正式な所属の上では近衛師団であり、明治22年の段階ではあえて独立した統計を作らなかったせいだと考えられます。つまり上の表でいずれも「0」としたのは、真に0ではなく、実際にはこれらの階級がそれぞれの隊や学校の正式な構成員とされていなかったため、統計から数字が落ちてしまったからだと思われます。なお明治22年の砲兵射的学校の下士の人数11の方は「諸学校学舎及教員人員」にも掲載されていますので(軍人20から砲兵少佐1、砲兵大尉2、一等軍医1、砲兵中尉3、二等獣医1、砲兵少尉1を除き、砲兵曹長1、砲兵一等軍曹5、火工下長1、二等看護長1、砲兵二等軍曹3の合計)、表に数字を出すことができました。

明治23年の統計の場合、佐倉兵営における下士階級の兵営居住率は93.8%、下士階級の兵営居住率は98.9%、砲兵射的学校における下士階級の兵営居住率は90%、下士階級の兵家居住率は100%です。一方砲兵射的学校における生徒の兵営居住率は53.7%です。

参考までに戸山学校の場合は

明治23年末人員右合計下士生徒
牛込区下戸塚町の戸山学校居住者91744631242
戸山学校教導大隊98147631303

であり、兵営居住率は下士階級が93.6%、士卒階級が100%、生徒が79.9%です。

あれ?やはり砲兵射的学校の生徒の一部は佐倉城内から往復3時間かけて通っている?
その場合生徒の居住率は53.7%(22/41)ではなくて75.6%(31/41)になりますので、戸山学校の数値に近くなります。まあ真実は謎です。

以上において、 明治22年と明治23年の間における陸海軍在営艦者の減少分89人は、 第一師団歩兵第二連隊の下士の減少分9と卒の減少分80の合計89と等しいことが分かります。ただし砲兵射的学校の方も下士と生徒が1名ずつ減っております。

一応それぞれの階級の兵営居住率を考慮すると、それぞれの実際の居住者の減少の期待値は

佐倉町:9×0.938+80×0.989≒87.56
志津村:1×0.900+1×0.537≒1.44

と、それぞれ88人、1人減少とするとちょうど合計89人になります。

寄宿の生徒が佐倉町と志津村の兵営に分離して生活していたと仮定すると、期待値的には志津村の生徒の減少期待値はそのままで、佐倉町に1人×22.0%(9/41)≒0.22人減が追加されるだけなので、やはり佐倉町が88人減、志津村が1人減となります。

明治22年における砲兵射的学校の下士の人数が結局不明など片手落ちですが、以上から、明治22年の印旛郡佐倉町の入寄留の陸海軍在営艦者を明治23年よりも88人多い1,562人、印旛郡志津村の入寄留の陸海軍在営艦者を明治23年よりも1人多い151人と推定しました。

明治22年の日本全国の市区町村別の現住人口については、今週中にある程度公表できると思います。
[106124] 2022年 11月 16日(水)10:25:53YT さん
自分の経県値(市区町村版)
[106091]グリグリさん
経県値(市区町村版)リリースありがとうございます。

早速マピオンの地図を見ながら、何とか自分の経県値(市区町村版)を登録しました。道路、鉄道路線のチェックにおいては、市区町村毎に色を変えて表示可能なマピオンが一番役に立ちます。

なお自分は免許取得後の運転は、兄の車を借りた延べ1時間程度しか経験がありません。長らく車の必要のない通勤通学生活のみを続けた結果、完全に無事故・無違反のペーパードライバーでして、自分が結婚する前の家族旅行も、車好きの父や兄の車に同乗するばかりでした。そのせいで詳しい経路の記憶が曖昧なため、登録した経県値(市区町村版)の2割程度は自信がありません。

主な問題としては、

・小学校低学年までの旅行の記憶が曖昧。
・自分で手配した旅行でない場合、泊まったホテルの場所が曖昧。
・高速道路でどのSA,PAに入ったか、記憶が曖昧。

まあ私の両親は健在ですが、親も詳しいことを忘れているでしょうし、わずかな記憶と推測に基づきマッピングしました。

逆に市区町村チェックをした結果、
「そういえば山口県の萩に高校2年の時の修学旅行で泊まった気になってたけど、実際は広島から出雲まで一日の強硬スケジュール(広島からバスで移動し、岩国散策→山口はバスから見るだけでスルー→秋芳洞で昼→萩自由行動→出雲市駅まで電車で移動→出雲大社前のホテルまでバスで移動)だったかな?」
と思い出し、山口県の経県値を4から3に下げる、などといった、都道府県別経験値に関する記憶の整理も行うことができました。

一方青森県と秋田県の県境の十和田湖には、小学2年の家族旅行と、中学2年のクラス旅行で2度も泊まりましたが、困ったことに宿泊施設が青森県十和田市と秋田県小坂町の県境に分布。中学2年の時は団体で泊まれるユースホステルで、おそらく青森県十和田市側のユースホステル。一方家族旅行の時は完全に記憶が曖昧です。都道府県別経験値にも関係しますが、とりあえず青森県十和田市側と仮定して、秋田県の経験値は3を維持しました。

それにしても、自分は和歌山~四国全土~九州・沖縄5県が未踏のままです。高校2年の時の修学旅行を除けば大阪府以西は全て現在の仕事関係での宿泊であり、家族旅行での行先の選択肢が車で運転手交代せずに行ける範囲ということで、割と東日本に偏っていたようです(特に宮城県は母方の実家であるため、宿泊は2桁)。その仕事での宿泊機会も、コロナ以降の会議オンライン化のために大分減ってます。家族旅行で予定を組まない限り、当分経県値は増えそうにないです。

[106116] BANDALGOM さん
%1987年5月といったら、私も中学2年生でした。
以前[91228]で少しだけ自分のことを書きましたが、私と同い年ですね。中学2年といえば・・・冬のある日突然クラスメートが複数欠席して、「風邪が凄い流行っているんだな」と無邪気に思っていたら、なんと某有名ファミコンソフトの続編を買うために学校をサボってたとのこと(自分の家はそもそもファミコン禁止)。該当する生徒は後で集められて教師にこっぴどく叱られ、反省文を書かされていました。
[105943] 2022年 10月 13日(木)20:58:16【1】訂正年月日
【1】2022年 10月 13日(木)23:50:19
YT さん
福生市南田園に存在する非人口集中地区
[105923]あきごんさん
[103279]白桃さん

 2020年国勢調査の東京都DID地区の境界図を見てみると、前回疑ってストリートビューで捜索をしていた横田基地の南側は今回の境界図ではすべてDID地区に含められていました。
 福生市でDID地区を外れているのは、市の西部の多摩川の河川敷一帯のみのように思われます。

小地域集計には、その地域が人口集中地区に含まれるかどうかの情報も記載されています。よって小地域集計によって該当の地域がどこであるかを確認できます。

実際にチェックしてみると、令和2年の国勢調査で2世帯男2人が住む非人口集中地区とは、

市区町村コード基本単位区番号調査区番号都道府県名市区町村名大字・町名字・丁目名人口集中地区符号総数世帯数
13218007000010507.2.東京都福生市南田園2202

であることが分かります。

南田園は一丁目~三丁目がありますが、件の非人口集中地区は、唯一丁目記載なしの南田園ということになります・・・が、マピオンなどの地図ではそのような地区の確認ができません。他の統計を見ると、該当地区は個人情報保護の観点からか、「秘匿地域」という扱いとなり、「合算地域あり」として南田園一丁目の数字に含まれてしまっています。

【訂正:南田園三丁目に無人の非人口集中地区がありましたので、以下の説明文を修正します】
一応国勢調査の小地域集計の情報を信じるなら、該当する「南田園」は、大字南田園の中で、南田園三丁目の無人の非人口集中地区と並んで、有人の人口集中地区が設置されていない地域ということなります。マピオンなどの情報と比較すると、南田園三丁目の無人の非人口集中地区に該当するのは関東地方整備局京浜河川事務所多摩川上流出張所(地番の上では南田園3-64-2)です。そしてそれ以外の大字南田園内の非人口集中地区となると、該当するのは河川敷に続くロータリー的な場所の周辺の河川敷のみとなります・・・がどこまでこの情報を信用できるか分かりません。

参考までに、平成27年の国勢調査では6世帯男6人が住む非人口集中地区として、

市区町村コード基本単位区番号調査区番号都道府県名市区町村名大字・町名字・丁目名人口集中地区符号総数世帯数
13218007000010498.2.東京都福生市南田園6606

が存在し、そのまま非人口集中地区が継続していることになります。

以上を察するに、おそらく2015年の6人、2020年の2人は、多摩川河川敷に居住する生活者なのでしょう。

調査区の境界把握に用いる調査区地図・調査区一覧表によると

国勢調査の調査区地図及び調査区一覧表は,市区町村内の町丁・字等別の地域範囲や基本単位区の境界確認に用いるものです。これらは,所定の手続を行った上で,総務省統計図書館及び都道府県,市区町村の統計主管課で閲覧できます

とありますので、一応調べる方法はありますが、これ以上そこまでして調べる気力はありません。
[105314] 2022年 8月 20日(土)11:08:39【3】訂正年月日
【1】2022年 8月 20日(土)13:58:35
【2】2022年 8月 21日(日)00:14:13
【3】2022年 8月 21日(日)00:17:04
YT さん
明治23年(1890年)における人口流入、流出市区町村
せっかく明治23年(1890年)12月31日調の現住人口をまとめたので、当時の人口流入・流出について考察します。

明治23年(1890年)12月31日の人口は、すべてが戸籍をベースに集計されており、本籍人口に対して出入寄留届などを加除して現住人口を算出しておりました。よって通勤・通学による昼間、夜間人口の差異などを計算することはできませんが、本籍人口と現住人口の比較により、人口の流出、流入の状況をある程度外観することができます。そこで本籍人口に対する現住人口の超過、不足から、人口流入、流出の割合を算出し、そこから明治中頃の人の移動の様子を見てみました。

まず人口流入の状況。じつのところ本籍人口が0なのに現住人口がいるため人口流入率+∞な地域・町村が15もあり、その全てが北海道です(例えば雨竜郡(村名未定)の現住人口44、花咲郡婦羅理村の現住人口35)。また本籍人口0で現住人口0の町村という困った地域・町村も47あり、その全てが北海道です。その中には明治23年8月7日に発足し、後に栄光と転落の夕張市へと発展した夕張郡登川村も含まれます。なぜ人口ゼロなのに村が発足?と思われるかも知れませんが、人口調査が12月31日に集計されている点が重要です。つまり移住したとしても寒い北海道を越冬できないため、冬の間だけ本土や然るべき近隣の町村で過ごす、という人口の流れが相当多かったようです。

こういった除算を定義できない地域・町村を除いたとしても、流入率トップ20の内、足尾町を除く19の町村がすべて北海道です。

市区町村府県庁現住人口本籍人口流入率(%)備考
空知郡奈江村北海道庁14234,633.3
国後郡東沸村北海道庁318112,790.9
国後郡留夜別村北海道庁314112,754.5
国後郡米戸賀村北海道庁205101,950.0
厚岸郡末広村北海道庁6941,625.0
勇払郡覚生村北海道庁7871,014.3
高島郡北浜町北海道庁2221,000.0
川上郡熊牛村北海道庁2,459240924.6釧路集治監
空知郡市来知村北海道庁4,816479905.4空知集治監
勇払郡小糸魚村北海道庁202900.0
花咲郡珸瑤瑁村北海道庁7611590.9
国後郡秩苅別村北海道庁12318583.3
宗谷郡稚内村北海道庁2,238344550.6
国後郡泊村北海道庁51681537.0
上都賀郡足尾町栃木県11,8921,964505.5足尾銅山
利尻郡沓形村北海道庁645111481.1
根室郡松本町北海道庁6011445.5
利尻郡本泊村北海道庁805151433.1
紗那郡別飛村北海道庁8316418.8
釧路郡洲崎町北海道庁641127404.7

このように北海道がまさに本土人にとってのフロンティアである様がみてとれますが、このままでは本土の人口の流入・流出の状況が分からないので、以下北海道を除いた市区町村(流入率50%以上)の状況を見てみましょう。北海道であっても参考までに札幌区と函館区、および人口1万人以上の流入率40~50%の都市をリストアップしました。

市区町村府県庁現住人口本籍人口流入率(%)備考
上都賀郡足尾町栃木県11,8921,964505.5足尾銅山
西彼杵郡高島村長崎県6,2521,724262.6高島炭鉱
久米島仲里間切山城村沖縄県361140157.9明治12年より沖縄島からの移住者が銭田原と真我里原を開拓
東蒲原郡両鹿瀬村新潟県3,0671,289137.9草倉銅山
下県郡竹敷村長崎県447202121.3春日丸停泊
企救郡文字関村福岡県6,8693,230112.7門司築港開発中
東彼杵郡佐世保村長崎県10,1974,810112.0佐世保鎮守府
(札幌区)(北海道庁)24,32711,704107.9道庁所在地
郡上郡畑佐村岐阜県803398101.8畑佐銅山
西成郡川崎村大阪府7,6413,803100.9大阪市に隣接
西彼杵郡戸町村長崎県8,7394,48195.0長崎市に隣接
横浜市神奈川県127,98766,71191.9県庁所在地
三浦郡横須賀町神奈川県18,1949,92183.4横須賀鎮守府
西彼杵郡高浜村長崎県4,9642,71083.2端島炭坑(軍艦島)
宮崎郡宮崎町宮崎県7,5234,13182.1県庁所在地
北足立郡浦和町埼玉県6,7183,87773.3県庁所在地
三浦郡豊島村神奈川県8,2934,80672.6横須賀監獄支署
宇土郡三角浦村熊本県1,24772572.0三角港(明治20年8月開港)
安芸郡和庄村広島県8,5494,98171.6呉港開発中
東葛飾郡市川町千葉県4,9922,92071.0陸軍教導団
久良岐郡戸太村神奈川県11,2966,63070.4神奈川県監獄署
信夫郡福島町福島県17,68710,66165.9県庁所在地
小城郡北多久村佐賀県5,8753,55765.2唐津炭田
安芸郡宮原村広島県5,0003,05663.6呉鎮守府
池田郡池野村岐阜県82551161.4池野花柳界
千葉郡千葉町千葉県23,50814,64360.5県庁所在地
下県郡大手橋町長崎県1,6151,00660.5厳原城下町繁華街
渥美郡豊橋町愛知県14,2688,93659.7養蚕業
(函館区)(北海道庁)55,67735,19958.2陸軍第二師団歩兵第五連隊分遺隊
周吉郡西郷西町島根県2,2601,43157.9西郷監獄支署
三池郡大牟田町福岡県11,6867,42557.4三池集治仮留監
那覇西村沖縄県6,6794,31354.9那覇中心市街
南多摩郡八王子町神奈川県22,16414,35854.4織物業
北甘楽郡富岡町群馬県7,5054,96451.2富岡製糸工場
長崎市長崎県58,14238,66150.4県庁所在地
入間郡所沢町埼玉県4,9683,31150.0織物業
(岐阜市)(岐阜県)29,46219,78648.9県庁所在地
(東群馬郡前橋町)(群馬県)32,12921,80547.3県庁所在地
(神戸市)(兵庫県)136,96892,98647.3県庁所在地
(大阪市)(大阪府)473,541328,93044.0府庁所在地
(西群馬郡高崎町)(群馬県)25,98118,06643.8織物業
(東京市)(東京府)1,155,290820,01340.9帝都
(甲府市)(山梨県)32,05222,85440.2県庁所在地

一応備考には、県庁所在地以外に人口流入の原因となる要因をまとめてみました。産業としては、鉱山、養蚕・織物工業、および近代港の開港が目立ち、そして監獄と兵営地が目立ちます。詳しい分析はしませんでしたが、県庁所在地等は学校の設置が人口流入の要因の一つになっている可能性はあります。そして人口流入の原因として花街の存在なんかもあるようです。

逆に人口流出の方ですが、こちらも本籍人口に対して現住人口0、つまり流出率100%という町村が北海道だけで4つ存在します。上で述べたように、北海道の場合は越冬のために現住人口流出の事例が多々あるので、こちらも北海道を除いたリスト(流出率20%以上)を作成してみました。流出率10~20%であっても本籍人口5000人以上の市区町村も参考までに並べてみました。

市区町村府県庁現住人口本籍人口流出率(%)備考
八代郡椎原村熊本県19537648.1
敷知郡三方原村静岡県25448147.2
刈羽郡下宿村新潟県6741,12640.1下宿湊
中頸城郡柿崎村新潟県2,4013,79736.8柿崎宿
下石津郡安田村岐阜県13420935.9明治24年10月28日濃尾地震全壊14戸・半壊14戸・負傷者4
岩船郡村上本町新潟県2,5773,92634.4村上城
海西郡草場村岐阜県9714734.0明治24年10月28日濃尾地震全壊10戸・半壊9戸(全戸被害)・負傷者3
安八郡築捨村岐阜県29643431.8明治24年10月28日濃尾地震全壊23戸・半壊37戸(全戸被害)・死者2・負傷者7
愛知郡東小椋村滋賀県2,4023,50231.4
不破郡室原村岐阜県64592630.3明治24年10月28日濃尾地震全壊7戸・半壊21戸
羽栗郡坂丸村岐阜県16022127.6明治24年10月28日濃尾地震全壊30戸(全戸被害)・死者3・負傷者4
西蒲原郡角海浜村新潟県42857625.7
中頸城郡高城村新潟県4,9746,59724.6高田城下の一部
一志郡久居町三重県2,9383,84923.7久居城
益津郡西益津村静岡県3,4124,45023.3
後月郡神代村岡山県1,1871,54423.1
葛上郡東松本村奈良県20125922.4
北蒲原郡松塚村新潟県2,8923,68921.6
喜多郡新谷村愛媛県2,1912,76620.8新谷陣屋
市原郡菊間村千葉県2,5853,24020.2菊間陣屋
安八郡塩喰村岐阜県62077620.1明治24年10月28日濃尾地震全壊106戸・半壊8戸(全戸被害)・死者5・負傷者50
大野郡(美濃国)稲畑村岐阜県9612020.0明治24年10月28日濃尾地震全壊4戸・半壊4戸・負傷者3
(大分郡鶴崎町)(大分県)4,7115,66516.8鶴崎湊
(三島郡寺泊町)(新潟県)5,2306,24716.3寺泊湊
(阿武郡萩町)(山口県)19,92323,18114.1萩城
(北会津郡若松町)(福島県)24,35227,67312.0若松城
(東葛飾郡関宿町)(千葉県)5,1285,81411.8関宿城
(朝来郡生野町)(兵庫県)7,0827,95110.9生野代官所
(出石郡出石町)(兵庫県)5,3726,02810.9出石城
(北蒲原郡新発田本村)(新潟県)6,5067,32711.2新発田城
(安芸郡矢野村)(広島県)4,7075,28911.0矢野大井港
(中蒲原郡白根町)(新潟県)5,6206,29210.7明治20年に大火(800余戸焼失)
(中蒲原郡村松町)(新潟県)6,7897,59710.6村松城
(上北郡野辺地村)(青森県)6,2936,99210.0野辺地代官所

人口流出の方は微妙に原因がまとめられませんでしたが、本籍人口が多い町村では、明治時代に地方の中心都市になれなかった城下町・地方町からの人口流出が目立ちます。会津若松よりも旧長州藩庁があった萩の方が人口流出が高いという、なんともいえない状況も見てとれます。【備考を追記。ただし全ての町村について出寄留と関連しそうな内容を埋めることはできませんでした。岐阜県に関しては直前の濃尾地震の被害が多大であったことが判明。】
[105313] 2022年 8月 19日(金)15:57:20【2】訂正年月日
【1】2022年 8月 19日(金)16:11:01
【2】2022年 8月 19日(金)17:01:03
YT さん
明治23年(1890年)12月31日調市区町村別人口 ver 0.10
[105305]で予告した明治23年(1890年)12月31日の日本の市区町村別人口についてですが以下のサイトからダウンロードできます。今やGoogle driveなどでのファイル共有が当たり前となり、この手のアップローダは絶滅しかけておりますが、10年近くリンクが生きているので、折角なので使わせて貰いました。

https://u6.getuploader.com/SR1gou/download/925

原資料は基本的に総務省統計局統計図書館が所蔵する

『戸籍表 明治廿三年 上 その一』
『戸籍表 明治廿三年 上 その二』
『戸籍表 明治廿三年 下 その一』
『戸籍表 明治廿三年 下 その二』
『戸籍表 北海道之部 従明治十九年 至明治廿八年』

の五点です。男女別本籍人口、現住戸数などの情報は現住人口を計算する上で必要ありませんが、原資料に載っているのでそのまままとめました。入寄留の無籍在監人、囚人及懲治人は

『明治二十三年十二月三十一日調 日本帝国民籍戸口表』「各地方在監有籍者及無籍者人口表」

により、この他、郡市区の現住人口、府県別の各種出入寄留などの情報は

『明治二十三年十二月三十一日調 日本帝国民籍戸口表』「各地方郡市戸口表」
『明治二十三年十二月三十一日調 日本帝国民籍戸口表』「各地方人口出入表」

の情報を上位とし、現住人口1万人以上の都市の現住人口の情報に関しては、

『明治二十三年十二月三十一日調 日本帝国民籍戸口表』「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」
『明治四十一年十二月三十一日 日本帝国人口静態統計』「人口一万人以上ノ市町村現住人口 (自明治十九年末至同四十一年末)」

から数値を補いました。

上のリンク先のファイルには元文献の入力を忘れてしまいましたが、官報掲載の現住人口は

『官報 第二千四百六号 明治24年7月8日 水曜日』

によります。

そして沖縄県の間切に関しては

『明治廿三年 沖縄県統計書』「出入人員 十二月三十一日現在」

の情報を集計に用いました。なお、明治22年版の『町村別戸口表』では沖縄県の間切に関し、
備考 本県ハ郡ノ設ケ無 之ニ付各間切島ヲ郡ニ該当製表ス
との脚注があり、間切は郡市相当として扱われており、間切の現住人口は他町村出入寄留の加除を行わずに算出しましたが、今回の明治23年版では間切は町村と同格とみなし、他町村出入寄留の加除を行いました。

そして戸長役場連合、間切番所、島役所管轄地域については

『明治二十四年 徴発物件一覧表』

の情報を用いました(中身は明治23年12月31日調の人口で、大字別の情報も含まれているが、現住人口算出の基準がいい加減で、本籍人口を載せている箇所も多い)。戸長役場連合などの中には郡を超えて設定されているものもありますが(特に北海道)、戸長役場の人口集計方法に正式に採用されているものもなさそうなので、ここでは全て町村と同格とみなし、他町村出入寄留の加除を行いました。その結果首里の現住人口については異なる二種類の数値が存在することになります。

既に[105242] にもまとめましたが、以下の問題点が残っているので、現時点でVer. 0.10として公開します。次回の改訂予定は・・・5年後になりそうです。

1. 東京府伊豆七島・小笠原島に関しては、細かい町村別人口の情報が欠落。

2. 虫食いのため、いくつかの町村の出寄留の囚人及懲治人、陸海軍在営艦者の情報が正確に得られず、現住人口が正確に算出できない。

具体的には以下の通りで、明治22年の情報などから推定して数値を入力していますが、正解である保証はありません。

町村府県庁官報掲載[出]陸海軍在営艦者[出]囚人及懲治人現住人口(未確定)虫食い箇所
相楽郡加茂村京都府3,734573,722[出]囚人及懲治人
相楽郡当尾村京都府1,452111,450[出]囚人及懲治人
愛知郡千種村愛知県2,612212,609[出]囚人及懲治人
愛知郡鍋屋上野村愛知県1,318201,316[出]囚人及懲治人
知多郡半田町愛知県5,162765,149[出]陸海軍在営艦者,[出]囚人及懲治人
知多郡亀崎町愛知県6,0501056,035[出]囚人及懲治人
知多郡岡田村愛知県2,017332,011[出]陸海軍在営艦者,[出]囚人及懲治人
碧海郡大浜町愛知県5,50015125,473[出]囚人及懲治人
碧海郡中島村愛知県1,446211,443[出]囚人及懲治人
碧海郡占部村愛知県2,299442,291[出]囚人及懲治人
幡豆郡味沢村愛知県1,923301,920[出]囚人及懲治人
幡豆郡五保村愛知県2,439022,437[出]囚人及懲治人
額田郡相見村愛知県2,981492,968[出]囚人及懲治人
額田郡深溝村愛知県2,560372,550[出]囚人及懲治人
西加茂郡藤河村愛知県1,595421,589[出]囚人及懲治人
西加茂郡高岡村愛知県2,032332,026[出]囚人及懲治人
西加茂郡豊原村愛知県1,833021,831[出]囚人及懲治人
東加茂郡介木村愛知県1,240101,239[出]陸海軍在営艦者
東加茂郡生駒村愛知県72300723[出]陸海軍在営艦者

虫食いがひどいのはほぼ愛知県です。冊子の内側がかなりやられてしまっており、他の出入寄留の情報も虫食い状態ですが、官報掲載の現住人口を合算した郡別の数値に矛盾がないので、これらの出入寄留の情報が不明でも現住人口の算出に問題ないと判断しました。実際のところ上の京都府や愛知県以外の箇所にも虫食いが散発してありましたが、該当地区の官報掲載の現住人口が信頼に足るものと判断し、現住人口の計算に影響が出た箇所がありません。また虫食いで読めない箇所であっても、集計値との差分などから単独で元の数値を類推できる個所はすべて断りなしに推定値を確定値として入力しています。

以上のほか、沖縄県中頭北谷間切に所属する北谷村、玉代勢村、伝道村、桑江村、伊礼村、平安山村、浜川村、砂辺村、野里村、野国村、屋良村、嘉手納村のいずれかの村で、他町村入寄留1人の情報が欠落しています。白黒のマイクロフイルム版ではなく、『戸籍表』原本を確認して虫食いの箇所を確定できれば、ここも修正できるかも知れませんが・・・

3. 『戸籍表』原本の閲覧ができなくなった

[105242]に書いた通りです。大きな変更は今後ないでしょうが、これらの修正が可能となるのは5年後です。

データをまとめる作業は、以下の通りに行いました。

1. 「各地方郡市戸口表」で表の骨子を作り、「各地方在監有籍者及無籍者人口表」で監獄の情報を入力。既に過去の遺産があるので新たに町村名入力は行っていませんが、この作業が簡単な県でも1時間かかります。
2. 官報計算の現住人口の入力:スムーズに行けば大体30分。
3. 本籍人口、現住戸数の入力:スムーズに行っても最低1時間
4. 出寄留の入力:スムーズに行っても最低1時間

実際のところ、階層構造が比較的単純で、マイクロフイルムのコピーが読み易かった県(山梨県、青森県など)でも入力に4時間かかっております。本表を作るのに、4月末から4ヶ月に渡り、延べ250時間程度手間がかかっております。[104836]でも書きましたが、次回は数か月後に明治22年の市区町村別人口の情報を公開しますが、こちらも既に去年の12月末から5ヶ月に渡り、延べ300時間程度、入力に時間がかかっております。

なお明治24年~明治30年の7年間についても、同様に戸籍表が存在し、表の作成が可能ではありますが・・・とてもではありませんが、自分ですべてを入力する気力はありません。残りの項目で作成するとなると、多分明治26年版(明治31年から5年毎に日本帝国静態統計として集計された情報を5年遡る形)か明治28年版(西暦1895年でキリが良い?)かのどちらかになると思いますが、現状図書館で原本を閲覧できない状況が5年続くし、白黒のマイクロフイルム版も一回A4の紙2000枚弱に物理的にコピーするという作業が必要なので、当分取り掛からないと思います。
[105305] 2022年 8月 18日(木)03:32:13【4】訂正年月日
【1】2022年 8月 18日(木)03:40:28
【2】2022年 8月 18日(木)04:05:53
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YT さん
明治23年(1890年)12月31日における日本国内の人口上位500市区町村
[105242]で告知した明治23年(1890年)12月31日の日本の市区町村別人口についてですが、来週ぐらいにはダウンロードできる形にしたいと思います。それに先立ちとりあえず明治23年12月31日時点で現住人口上位500位までの市区町村のリストを以下に示します。

なお町村制未施行の町村(伊豆、小笠原、隠岐、対馬、吐噶喇、奄美、沖縄県、函館区と札幌区を除く北海道)について、戸長役場連合や間切ではなくて郡区町村制下、間切制下の各町村で集計しました。その結果、町村制未施行地域では唯一那覇西村のみがランクインしております。沖縄県の人口5000人以上の間切と、町村制未施行地域の戸長役場連合単位での人口5000人以上の町村連合については、人口上位500位までのリストの後に示しています。

市区町村府県庁現住人口官報基準本籍人口市区町村府県庁現住人口官報基準本籍人口
東京市東京府1,155,2901,141,991820,013吉敷郡井関村山口県8,4038,4298,581
大阪市大阪府473,541470,309328,930富士郡大宮町静岡県8,3968,4128,123
京都市京都府289,588288,867259,600津名郡洲本町兵庫県8,3948,2748,457
名古屋市愛知県170,433165,343136,118久良岐郡本牧村神奈川県8,3618,3736,955
神戸市兵庫県136,968136,22392,986佐伯郡大柿村広島県8,3208,3318,513
横浜市神奈川県127,987128,19566,711加佐郡舞鶴町京都府8,3108,3348,781
金沢市石川県94,66693,51799,954榛原郡相良町静岡県8,3048,3238,441
広島市広島県91,00086,02482,557三浦郡豊島村神奈川県8,2938,0124,806
仙台市宮城県66,31060,98460,678肝属郡高山村鹿児島県8,2828,3028,222
徳島市徳島県61,16760,12460,771日置郡中伊集院村鹿児島県8,2758,3048,647
富山市富山県58,58558,25257,842北松浦郡平戸村長崎県8,2458,2068,261
長崎市長崎県58,14257,61238,661山辺郡東金町千葉県8,2308,2447,893
鹿児島市鹿児島県56,64357,00156,626阿武郡椿郷東分村山口県8,2208,2828,917
和歌山市和歌山県56,04955,51155,457志田郡古川町宮城県8,2028,2117,856
函館区北海道庁55,67755,24835,199賀茂郡阿賀村広島県8,1418,1578,285
熊本市熊本県54,36749,62343,363今立郡上池田村福井県8,1358,1478,185
福岡市福岡県53,79251,86447,843北佐久郡小諸町長野県8,1348,1477,490
新潟市新潟県47,01946,47544,545安達郡二本松町福島県8,1218,1408,450
岡山市岡山県45,87145,17933,562御調郡向島西村広島県8,1058,1428,258
堺市大阪府45,56345,52042,825安積郡郡山町福島県8,0848,0967,300
福井市福井県40,15939,94840,753三野郡仁尾村香川県8,0808,1008,253
静岡市静岡県38,24638,32739,619西彼杵郡浦上山里村長崎県8,0398,0497,873
松江市島根県35,56535,32435,494板野郡川内村徳島県8,0148,0148,013
高松市(A)香川県34,61633,73533,863志太郡藤枝町静岡県8,0068,0297,842
松山市愛媛県34,56333,19230,282日置郡日置村鹿児島県7,9938,0048,160
東群馬郡前橋町群馬県32,12931,40921,805大野郡(飛騨国)大名田村岐阜県7,9457,9628,002
甲府市山梨県32,05231,67122,854山門郡柳河町福岡県7,9447,9737,877
高知市高知県32,04231,15726,389北魚沼郡小千谷町新潟県7,9327,9398,393
盛岡市岩手県31,86831,92532,188榛原郡川崎町静岡県7,8847,8997,976
滋賀郡大津町滋賀県31,12729,65624,237三好郡山城谷村徳島県7,8807,9058,125
河内郡宇都宮町(B)栃木県30,83130,13224,069北埼玉郡忍町埼玉県7,8627,8757,780
赤間関市山口県30,78730,43326,531大島郡久賀村山口県7,8487,8568,336
弘前市(C)青森県30,32330,38731,431南勢多郡富士見村群馬県7,8447,8587,100
高岡市富山県29,55429,61429,131海上郡銚子町千葉県7,8157,8277,940
岐阜市岐阜県29,46228,59019,786山辺郡二階堂村奈良県7,7967,8187,969
秋田市秋田県29,17528,70329,458姶良郡蒲生村鹿児島県7,7917,8367,741
山形市山形県29,08128,67526,963熊毛郡田布施村山口県7,7877,7998,017
米沢市山形県28,94428,91429,958住吉郡平野郷町大阪府7,7837,8027,471
鳥取市鳥取県28,52528,10129,445岩船郡村上町新潟県7,7787,7997,935
度会郡宇治山田町三重県28,03627,70824,891上伊那郡伊那村長野県7,7717,7777,295
姫路市兵庫県27,12025,76824,612西彼杵郡淵村長崎県7,7577,7695,960
津市三重県26,86626,16822,634熊毛郡上関村山口県7,7437,7568,003
佐賀市佐賀県26,75826,41126,017東臼杵郡富高村宮崎県7,7387,7517,679
水戸市茨城県26,60925,91523,586東葛飾郡行徳町千葉県7,7267,7418,145
西成郡難波村大阪府26,40526,50024,547美馬郡岩倉村徳島県7,7147,7147,802
東筑摩郡松本町長野県26,18726,00222,296安蘇郡植野村栃木県7,7047,7157,795
西群馬郡高崎町群馬県25,98124,26618,066東臼杵郡東海村宮崎県7,7017,7157,669
上水内郡長野町長野県25,84725,41518,931久米郡倉吉町鳥取県7,6987,7287,068
久留米市福岡県25,38025,22423,980天草郡牛深村熊本県7,6787,6907,830
谿山郡谷山村鹿児島県24,38124,51325,085甑島郡上甑村鹿児島県7,6727,6827,674
北会津郡若松町福島県24,35224,20827,673北豊島郡王子村東京府7,6657,6705,547
札幌区北海道庁24,32724,33811,704胆沢郡水沢町岩手県7,6647,6857,579
添上郡奈良町奈良県24,20924,00521,952南高来郡口之津村長崎県7,6427,6527,130
千葉郡千葉町千葉県23,50822,76514,643西成郡川崎村大阪府7,6414,7983,803
南多摩郡八王子町神奈川県22,16422,14814,358鈴鹿郡亀山町三重県7,6397,6877,354
飽海郡酒田町山形県21,03021,04020,455和気郡三津浜町愛媛県7,5837,6366,965
下都賀郡栃木町(B)栃木県20,54920,56916,126磐前郡平町福島県7,5657,5266,261
東津軽郡青森町青森県20,39918,99718,211吉野郡下市町奈良県7,5357,5537,691
中頸城郡高田町新潟県20,38120,39920,511山門郡有明村福岡県7,5297,5417,591
明石郡明石町兵庫県20,17120,21219,340宮崎郡宮崎町宮崎県7,5237,1714,131
犬上郡彦根町滋賀県20,06319,98019,686望陀郡木更津町千葉県7,5227,4626,853
那珂郡丸亀町香川県20,05218,48817,735西成郡木津村大阪府7,5197,5296,895
阿武郡萩町山口県19,92320,26923,181埴科郡松代町長野県7,5187,5338,092
頴娃郡頴娃村鹿児島県19,86819,90419,829北甘楽郡富岡町群馬県7,5057,5134,964
安八郡大垣町岐阜県19,78619,78418,306賀茂郡竹原町広島県7,4967,5157,400
西田川郡鶴岡町山形県19,51919,51520,292蒲生郡八幡町滋賀県7,4897,4976,981
川辺郡東南方村鹿児島県19,23119,28619,339薩摩郡隈之城村鹿児島県7,4847,4997,331
桑名郡桑名町三重県18,62718,65215,687窪屋郡倉敷村岡山県7,4787,5167,004
愛知郡熱田町愛知県18,35118,37217,989北村山郡東根村山形県7,4757,4937,555
小県郡上田町長野県18,32418,12314,589安蘇郡赤見村栃木県7,4687,4927,569
三重郡四日市町三重県18,31218,19313,991東臼杵郡門川村宮崎県7,4677,4817,389
三浦郡横須賀町神奈川県18,19414,7719,921仙北郡大曲村秋田県7,4657,4457,313
板野郡撫養町徳島県18,15118,24818,531楫東郡網干町兵庫県7,4337,4537,657
日置郡串木野村鹿児島県18,05918,09818,170葦北郡佐敷村熊本県7,4277,4397,355
入間郡川越町埼玉県18,03217,94516,728玖珂郡岩国町山口県7,4147,4817,902
御調郡尾道町広島県17,90017,63116,639西村山郡寒河江村山形県7,4137,4297,450
信夫郡福島町福島県17,68717,71310,661玖珂郡麻里布村山口県7,4047,4657,736
紀伊郡伏見町京都府17,24616,94716,167南高来郡島原村長崎県7,3977,3067,350
荏原郡品川町東京府17,21417,27112,897上新川郡東岩瀬町富山県7,3727,3997,362
牡鹿郡石巻町宮城県17,18417,22416,759大野郡上庄村福井県7,3597,3627,463
射水郡新湊町富山県17,05017,08417,222南高来郡深江村長崎県7,3557,3657,392
南諸県郡志布志村鹿児島県17,00517,08216,822阿蘇郡北小国村熊本県7,3447,3597,261
山田郡桐生町群馬県16,98917,01312,772北海部郡佐賀関町大分県7,3437,3727,295
企救郡小倉町福岡県16,54414,93313,624南豊島郡渋谷村東京府7,3257,3355,279
額田郡岡崎町愛知県16,25615,95912,940美馬郡江原村徳島県7,3197,3417,304
橘樹郡神奈川町神奈川県15,89715,92113,611北牟婁郡尾鷲町三重県7,3057,3187,358
大野郡(飛騨国)高山町岐阜県15,54315,52516,065名東郡加茂名村徳島県7,2977,3207,325
深津郡福山町広島県15,46515,53515,976東成郡玉造町大阪府7,2847,3046,347
海上郡本銚子町千葉県15,29215,31816,833南高来郡北有馬村長崎県7,2747,2897,285
安芸郡仁保島村広島県15,06015,12115,060吉敷郡秋穂村山口県7,2647,2907,358
足利郡足利町栃木県15,04715,06912,725東臼杵郡恒富村宮崎県7,2637,2887,430
出水郡阿久根村鹿児島県14,98715,01614,941大津郡仙崎通村山口県7,2627,2767,344
敦賀郡敦賀町福井県14,98515,04414,398西牟婁郡田辺町和歌山県7,2577,1437,135
給黎郡知覧村鹿児島県14,89114,93414,889周智郡奥山村静岡県7,2457,2557,339
揖宿郡指宿村鹿児島県14,68814,71714,757長狭郡天津町千葉県7,2317,2367,642
阿多郡伊作村鹿児島県14,63514,67815,168古志郡長岡本町新潟県7,2237,1237,549
鹿児島郡伊敷村鹿児島県14,53314,61715,414滋賀郡膳所村滋賀県7,2206,2866,915
南足立郡千住町東京府14,50314,52011,791雄勝郡湯沢町秋田県7,2117,2407,147
敷知郡浜松町静岡県14,33314,10913,250揖宿郡山川村鹿児島県7,2017,2137,314
南条郡武生町福井県14,30314,33713,629大津郡三隅村山口県7,1897,2077,299
渥美郡豊橋町愛知県14,26812,8208,936海上郡飯岡町千葉県7,1867,1937,255
吉敷郡山口町山口県14,26814,34811,356北秋田郡大館町秋田県7,1817,1897,327
東成郡天王寺村大阪府14,22614,29713,667津名郡由良町兵庫県7,1667,1857,172
足柄下郡小田原町神奈川県14,03114,04315,292南勢多郡木瀬村群馬県7,1597,1756,803
川辺郡川辺村鹿児島県13,80713,84714,200田村郡三春町福島県7,1547,1686,756
三浦郡浦賀町神奈川県13,78313,41213,049安芸郡吉浦村広島県7,1397,1516,775
川辺郡加世田村鹿児島県13,68813,73314,043日置郡西市来村鹿児島県7,1367,1607,262
川辺郡西加世田村鹿児島県13,65913,68213,744美馬郡脇町徳島県7,1327,1566,593
会見郡米子町鳥取県13,57413,42012,185山辺郡山辺村奈良県7,1307,1437,082
越智郡今治町愛媛県13,52713,56913,109石川郡上金石町石川県7,1227,1497,313
川辺郡尼ヶ崎町兵庫県13,47413,51813,555式下郡川東村奈良県7,1107,1227,373
能美郡小松町石川県13,45113,14712,290登米郡登米町宮城県7,1107,1317,176
南大隅郡垂水村鹿児島県13,28613,31213,441佐賀郡久保田村佐賀県7,0987,1177,234
下新川郡魚津町富山県13,20613,23013,285美馬郡郡里村徳島県7,0977,1257,254
賀茂郡広村広島県13,17813,21113,516南高来郡千々石村長崎県7,0967,1127,152
飯高郡松阪町三重県13,13813,17411,024宇佐郡長洲村大分県7,0967,1296,993
武庫郡西宮町兵庫県13,07913,14611,703朝来郡生野町兵庫県7,0827,0877,951
阿拝郡上野町三重県13,06713,00512,653西囎唹郡国分村鹿児島県7,0787,1097,146
下伊那郡飯田町長野県12,93312,84111,638南桑田郡亀岡町京都府7,0757,0997,208
下毛郡中津町大分県12,88312,77012,013大津郡深川村山口県7,0747,0827,017
安芸郡倉橋島村広島県12,82412,85813,330長上郡掛塚村静岡県7,0737,0876,914
添下郡郡山町奈良県12,77012,79613,310刈田郡白石町宮城県7,0737,0836,608
豊田郡観音寺町香川県12,74812,79912,815高市郡白橿村奈良県7,0707,0897,159
葦北郡水俣村熊本県12,72512,74412,506婦負郡八尾町富山県7,0617,0747,249
北蒲原郡新発田町新潟県12,62611,16211,544宇治郡山科村京都府7,0527,0597,033
雑太郡相川町新潟県12,59212,55312,107川辺郡伊丹町兵庫県7,0517,0807,166
勝浦郡小松島村徳島県12,51712,58212,617東囎唹郡財部村鹿児島県7,0437,0647,001
西北条郡津山町岡山県12,18011,89111,072玉名郡長洲町熊本県7,0397,0617,054
北宇和郡宇和島町愛媛県12,12111,99512,481南高来郡小浜村長崎県7,0357,0577,040
都濃郡徳山村山口県12,11312,14912,212幡豆郡西尾町愛知県7,0297,0476,919
東成郡東平野町大阪府12,00912,04310,416碓氷郡安中町群馬県7,0257,0435,563
上都賀郡足尾町栃木県11,89211,8951,964吉野郡大淀村奈良県7,0217,0297,011
東葛飾郡船橋町千葉県11,82211,84311,540三野郡詫間村香川県7,0097,0367,052
北諸県郡都城町(D)宮崎県11,78111,88611,412南高来郡湊町長崎県6,9977,0087,024
南秋田郡土崎港町秋田県11,75411,76911,869高岡郡高岡村高知県6,9907,0056,783
出水郡上出水村鹿児島県11,75111,77111,031上伊那郡赤穂村長野県6,9827,0016,948
三池郡大牟田町(E)福岡県11,68610,2077,425揖宿郡今和泉村鹿児島県6,9656,9867,199
射水郡氷見町富山県11,60211,63711,673香美郡槇山村高知県6,9646,9786,859
日置郡東市来村鹿児島県11,58611,61011,900北村山郡楯岡村山形県6,9506,9686,815
川辺郡東加世田村鹿児島県11,55911,57411,755大野郡勝山町福井県6,9486,9637,282
那珂郡湊町茨城県11,51511,53710,752赤穂郡赤穂町兵庫県6,9416,9637,201
安芸郡江田島村広島県11,45211,16210,550寒川郡志度村香川県6,9296,9516,940
山本郡能代港町秋田県11,42811,45411,275豊浦郡長府村山口県6,9286,9577,090
西白河郡白河町福島県11,37311,27710,246児玉郡本庄町埼玉県6,9276,9295,395
大分郡大分町大分県11,35910,6958,252美馬郡半田村徳島県6,9236,9416,959
大里郡熊谷町埼玉県11,32611,1958,480甲賀郡水口村滋賀県6,8996,9136,865
中島郡一宮町愛知県11,32311,34010,781安蘇郡佐野町栃木県6,8996,9026,569
久良岐郡戸太村神奈川県11,29610,4726,630東松浦郡入野村佐賀県6,8986,9076,929
香取郡佐原町千葉県11,27211,28910,454那賀郡池田村和歌山県6,8946,9207,395
姶良郡加治木村鹿児島県11,25711,36011,222西茨城郡笠間町茨城県6,8936,9076,960
西成郡曽根崎村大阪府11,22011,26010,706名東郡斎津村徳島県6,8846,9106,942
平鹿郡横手町秋田県11,18111,19311,408安芸郡坂村広島県6,8836,9017,107
安芸郡蒲刈島村広島県11,17811,20811,472企救郡文字関村福岡県6,8696,8733,230
海東郡津島町愛知県11,15311,17810,951楫西郡龍野町兵庫県6,8586,8016,907
最上郡新庄町山形県11,12511,13211,547西葛飾郡五霞村茨城県6,8536,8707,023
東牟婁郡新宮町和歌山県10,99011,02010,441栗原郡志波姫村宮城県6,8496,8656,879
三戸郡八戸町青森県10,88910,90510,974南都留郡桂村山梨県6,8396,8476,701
熊毛郡北種子村鹿児島県10,86910,79710,410淘綾郡大磯町神奈川県6,8356,8436,508
鹿島郡七尾町石川県10,85110,82010,426那賀郡見能林村徳島県6,8236,8526,938
西諸県郡小林村宮崎県10,79610,82710,352蒲生郡日野町滋賀県6,8216,8377,242
新治郡土浦町茨城県10,75610,4648,725那珂郡琴平町香川県6,8206,8386,428
大島郡家室西方村山口県10,71510,73111,164東諸県郡本庄村宮崎県6,8186,8316,608
東囎唹郡末吉村鹿児島県10,62010,63810,610多可郡中村兵庫県6,7966,8076,566
駿東郡沼津町静岡県10,61810,54111,320大津郡日置村山口県6,7956,8066,752
新治郡石岡町茨城県10,58210,5999,346賀茂郡伊東村静岡県6,7906,7976,744
川辺郡西南方村鹿児島県10,58110,59710,657日根郡佐野村大阪府6,7896,7996,931
安蘇郡田沼町栃木県10,57810,59110,814中蒲原郡村松町新潟県6,7896,8137,597
南高来郡西有家村長崎県10,47210,53010,563海上郡高神村千葉県6,7886,7936,779
坂井郡三国町福井県10,43410,46110,148八部郡林田村兵庫県6,7816,7966,641
上新川郡滑川町富山県10,42210,43110,647南高来郡東有家村長崎県6,7816,8066,830
吉野郡十津川村奈良県10,39910,40810,462敷知郡西浜名村静岡県6,7806,7897,015
有渡郡長田村静岡県10,35310,37010,616速見郡杵築町大分県6,7666,7796,946
鹿児島郡吉野村鹿児島県10,34810,43810,771有渡郡豊田村静岡県6,7556,7636,913
阿野郡坂出町香川県10,34310,3609,948熊毛郡中種子村鹿児島県6,7466,7586,613
安芸郡瀬戸島村広島県10,23410,24510,615宮城郡高砂村宮城県6,7446,7586,889
有田郡湯浅村和歌山県10,20010,24210,548西宇和郡伊方村愛媛県6,7356,7426,832
東彼杵郡佐世保村長崎県10,1978,9524,810磐田郡見付町静岡県6,7336,7405,919
結城郡結城町茨城県10,13910,1539,383西囎唹郡福山村鹿児島県6,7316,7506,718
佐波郡三田尻村山口県10,11910,17210,055仙北郡荒川村秋田県6,7306,7404,680
南巨摩郡増穂村山梨県10,11610,13910,204宇摩郡川之江村愛媛県6,7306,7586,967
三潴郡大川町福岡県10,11610,1489,544薩摩郡上東郷村鹿児島県6,7286,7426,788
高城郡水引村鹿児島県10,11510,1419,940北足立郡浦和町埼玉県6,7186,0473,877
北海部郡臼杵町大分県10,03410,08710,734姶良郡帖佐村鹿児島県6,7136,7856,835
鳳至郡輪島町石川県10,02110,06610,130下都賀郡野木村栃木県6,7086,7336,755
八代郡八代町熊本県9,9649,9799,832吉城郡国府村岐阜県6,7066,7257,038
坂田郡長浜町滋賀県9,8839,8976,828多度郡多度津町香川県6,6996,7186,389
給黎郡喜入村鹿児島県9,8519,90910,208庵原郡由比町静岡県6,6916,6996,911
中頸城郡直江津町新潟県9,8489,8679,227緑野郡藤岡町群馬県6,6886,6984,952
北豊島郡南千住町東京府9,8269,8396,913那覇西村沖縄県6,6796,6814,313
東茨城郡磯浜町茨城県9,7709,7919,197中蒲原郡新津町新潟県6,6716,6757,076
荏原郡大森村東京府9,7679,7809,734田方郡函南村静岡県6,6636,6786,912
西葛飾郡古河町茨城県9,7399,7599,647寒川郡長尾村香川県6,6586,6946,672
古志郡長岡町新潟県9,7299,7419,848玖珂郡高森村山口県6,6526,6816,755
岩瀬郡須賀川町福島県9,7159,7188,072南閉伊郡大槌町岩手県6,6506,6546,640
高城郡高城村鹿児島県9,6979,7519,796南蒲原郡見附町新潟県6,6496,6536,753
南諸県郡大崎村鹿児島県9,6549,6739,491南松浦郡岐宿村長崎県6,6426,6506,612
南蒲原郡加茂町新潟県9,6519,6689,859柴田郡槻木村宮城県6,6386,6526,614
南伊佐郡宮之城村鹿児島県9,6269,6589,649南那珂郡飫肥村宮崎県6,6386,6796,677
南蒲原郡三条町新潟県9,6069,6139,442長狭郡鴨川町千葉県6,6386,6476,900
志太郡島田町静岡県9,6069,6189,343宇智郡五條町奈良県6,6376,5346,300
上都賀郡鹿沼町栃木県9,5629,5827,906庵原郡蒲原町静岡県6,6336,6396,814
那賀郡浜田町島根県9,5149,3259,353那賀郡平島村徳島県6,6286,6556,844
西成郡上福島村大阪府9,4539,4648,901北諸県郡庄内村宮崎県6,6276,6566,675
北大隅郡西桜島村鹿児島県9,4059,4369,489中魚沼郡十日町村新潟県6,6136,6216,669
南松浦郡福江村長崎県9,3929,3979,406三好郡三野村徳島県6,5986,6236,779
桃生郡深谷村宮城県9,3799,4009,132厚狭郡宇部村山口県6,5876,6066,715
山田郡韮川村群馬県9,3749,3949,408南豊島郡内藤新宿町東京府6,5836,5936,004
与謝郡宮津町京都府9,3729,1749,512上都賀郡日光町栃木県6,5676,5756,334
肝属郡鹿屋村鹿児島県9,3229,3418,833牡鹿郡稲井村宮城県6,5666,5766,612
沼隈郡鞆町広島県9,3199,3519,550若江郡八尾村大阪府6,5606,5786,750
出水郡中出水村鹿児島県9,2029,2208,870海部郡牟岐村徳島県6,5496,5616,583
由利郡本荘町秋田県9,2019,2219,280栗原郡若柳町宮城県6,5236,5326,518
佐波郡佐波村山口県9,1639,2098,989北松浦郡生月村長崎県6,5156,5306,503
大野郡大野町福井県9,1559,1799,897雄勝郡院内村秋田県6,5156,5234,824
佐波郡中関村山口県9,1449,1859,080佐波郡右田村山口県6,5106,5276,650
南松浦郡富江村長崎県9,1259,1429,156南津軽郡黒石町青森県6,5086,5216,817
荏原郡羽田村東京府9,0789,0889,071北蒲原郡新発田本村新潟県6,5066,3927,327
邑楽郡館林町群馬県9,0609,0779,555平鹿郡山内村秋田県6,5066,5106,534
諏訪郡上諏訪村長野県9,0399,0618,812板野郡堀江村徳島県6,5056,5256,588
知多郡成岩町愛知県9,0379,0669,043丹羽郡犬山町愛知県6,5046,5186,791
東松浦郡唐津町佐賀県9,0229,0368,915射水郡伏木町富山県6,5036,5166,300
江沼郡大聖寺町石川県8,9949,0329,692土岐郡多治見町岐阜県6,4976,5055,152
豊田郡大野原村香川県8,9588,9819,079朝夷郡曦村千葉県6,4926,5026,211
西成郡北野村大阪府8,9268,9608,710山田郡毛里田村群馬県6,4836,4996,230
中蒲原郡沼垂町新潟県8,9248,9569,234佐伯郡大竹村広島県6,4806,5056,383
南高来郡加津佐村長崎県8,8718,8888,916南松浦郡有川村長崎県6,4736,4816,353
西村山郡谷地村山形県8,8438,8528,986南勢多郡南橘村群馬県6,4646,4735,720
西彼杵郡茂木村長崎県8,8258,8458,817愛知郡鳴海町愛知県6,4596,4786,732
益津郡焼津村静岡県8,7838,7978,686南海部郡佐伯町大分県6,4566,4716,094
足利郡北郷村栃木県8,7818,7908,644都濃郡富田村山口県6,4486,4676,561
榛原郡吉田村静岡県8,7678,7948,879三好郡三縄村徳島県6,4466,4596,491
君沢郡三島町静岡県8,7508,7687,918有渡郡大里村静岡県6,4456,4556,743
印旛郡佐倉町千葉県8,7427,2827,344加古郡高砂町兵庫県6,4336,4466,526
西彼杵郡戸町村長崎県8,7398,7504,481吉敷郡小郡村山口県6,4266,4616,302
三浦郡三崎町神奈川県8,7098,7288,866中頸城郡津有村新潟県6,4226,4356,503
阿多郡田布施村鹿児島県8,7078,7308,928豊田郡忠海町広島県6,4066,4286,362
刈羽郡柏崎町新潟県8,6918,7128,750北諸県郡三股村宮崎県6,4026,4356,407
西囎唹郡西国分村鹿児島県8,6878,7188,790東松浦郡相知村佐賀県6,4016,4146,165
熊毛郡室積村山口県8,6858,7089,044小城郡芦刈村佐賀県6,3936,4106,408
有田郡宮崎村和歌山県8,6728,6918,897三好郡三庄村徳島県6,3866,4026,525
大島郡安下庄村山口県8,6698,6838,997山辺郡片貝村千葉県6,3806,3886,602
甑島郡下甑村鹿児島県8,6448,6528,663那須郡那須村栃木県6,3596,3696,219
北秋田郡阿仁銅山村秋田県8,6418,6519,001赤穂郡塩屋村兵庫県6,3586,3706,473
小田郡笠岡村岡山県8,5918,6258,480阿多郡阿多村鹿児島県6,3526,3586,607
遠敷郡小浜町福井県8,5658,5989,255下都賀郡壬生町栃木県6,3476,3596,544
安芸郡和庄村広島県8,5498,5734,981大野郡(飛騨国)丹生川村岐阜県6,3346,3466,445
南高来郡南有馬村長崎県8,5398,5508,802三池郡三池町福岡県6,3326,3506,124
御調郡三原町広島県8,5378,5878,739養父郡北茂安村佐賀県6,3266,3426,385
礪波郡石動町富山県8,4898,4978,782那賀郡富岡村徳島県6,3256,3516,392
西成郡川南村大阪府8,4298,4426,524薩摩郡樋脇村鹿児島県6,3186,3346,277

脚注
A. 『明治二十三年十二月三十一日調 日本帝国民籍戸口表』「各地方郡市戸口表」掲載の現住人口33,357は高松市の香川県監獄署本署の囚人1,058, 懲治人1を香川郡に加算; 官報掲載の現住人口33,724は高松市の香川県監獄署本署の無籍在監人11を加算せず
B. 官報掲載の現住人口(河内郡宇都宮町30,120,下都賀郡栃木町20,581)は河内郡宇都宮町の栃木県監獄署の無籍在監人12を栃木監獄支署がある下都賀郡栃木町に加算
C. 『明治二十三年十二月三十一日調 日本帝国民籍戸口表』「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」, 『日本帝国人口静態統計』「人口一万人以上ノ市町村現住人口 (自明治十九年末至同四十一年末)」掲載の弘前市の現住人口30,316は修正前の他町村出寄留477, 他町村入寄留470を加除
D. 『明治二十三年十二月三十一日調 日本帝国民籍戸口表』「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」, 『日本帝国人口静態統計』「人口一万人以上ノ市町村現住人口 (自明治十九年末至同四十一年末)」掲載の現住人口11,768は北諸県郡都城町の都城監獄支署の無籍在監人1, 囚人12を加算せず
E 『明治二十三年十二月三十一日調 日本帝国民籍戸口表』「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」, 『日本帝国人口静態統計』「人口一万人以上ノ市町村現住人口 (自明治十九年末至同四十一年末)」掲載の現住人口10,182は三池郡大牟田町の三池集治仮留監の囚人1,504を加算せず

人口5000人以上の沖縄県の間切は以下の通りです。

間切現住人口官報基準本籍人口
那覇(狭義)30,00930,02326,455
首里25,60425,49525,720
中頭中城間切15,53215,53215,776
国頭本部間切14,75714,75714,682
宮古島砂川間切14,38214,38714,185
中頭具志川間切13,50413,50413,512
島尻小禄間切13,11212,91213,002
中頭西原間切12,98812,99113,038
中頭美里間切12,12412,12712,128
中頭読谷山間切11,35311,35511,397
島尻大里間切11,33711,34711,318
国頭今歸仁間切10,70010,70510,703
国頭名護間切10,43210,4339,986
宮古島平良間切10,04410,0519,966
中頭浦添間切9,8399,83910,070
国頭羽地間切9,7789,7819,690
島尻兼城間切9,6599,6599,659
中頭北谷間切9,6379,6379,802
中頭宜野湾間切9,4639,4639,542
島尻真和志間切8,4348,4378,497
島尻豊見城間切7,7567,7567,904
中頭与那城間切7,6627,6627,665
国頭国頭間切7,3257,3257,272
宮古島下地間切7,2077,2117,182
島尻南風原間切7,1177,1197,110
国頭大宜味間切6,5346,5356,463
国頭金武間切6,1506,1506,143
八重山島大浜間切6,0236,0235,942
島尻東風平間切5,9045,9045,971
中頭越来間切5,8875,8925,891
島尻玉城間切5,7475,7485,748
中頭勝連間切5,5005,5005,489
八重山島石垣間切5,0775,0784,943
那覇伊平屋島5,0765,0765,058
島尻佐敷間切5,0005,0005,036

一方連合戸長役場・島役所単位だと、宮古島、八重山島は全体で一つの島役所が管轄しており、およそ行政単位として似つかわしくないほどの巨大な組織になり、他方で那覇は更により細かい区分となります。そして厄介なのが奄美群島で、伝統的な間切を分断する形で戸長役場の管轄が決められた箇所があり(例えば大島郡早町村外十六村・大島郡湾村外十二村は喜界島西目間切、伊砂間切、荒木間切などを分割し、大島郡知名村外十七村・大島郡和泊村外十七村は永良部島西方を分割し、大島郡面縄村外十六村・大島郡亀津村外八村・大島郡山村外五村・大島郡阿布木名村外九村は徳之島西目間切、面連間切、東間切などを分割しています)、対応する伝統的な間切を単純に示すことができません。

町村連合(戸長役場・島役所管轄)府県庁現住人口官報基準本籍人口
宮古島西里村外三十七村(宮古島役所管轄)沖縄県34,75634,77234,455
首里当蔵村外十四村沖縄県25,62625,51725,720
那覇東村外五村地沖縄県25,59425,60821,900
小樽郡量徳町外三十八町村(小樽郡役所直轄町村;高島郡を含む)北海道庁24,59524,60814,236
中頭伊舎堂村外二十二村(中城間切)沖縄県15,53215,53215,776
八重山島登野城村外三十四村(八重山島役所管轄)沖縄県15,13715,14114,770
国頭渡久地村外十七村(本部間切)沖縄県14,75714,75714,682
中頭具志川村外十四村(具志川間切)沖縄県13,50413,50413,512
島尻小禄村外十四村(小禄間切)沖縄県13,11212,91213,002
中頭幸地村外十七村(西原間切)沖縄県12,98812,99113,038
中頭西原村外十八村(美里間切)沖縄県12,12412,12712,128
中頭喜名村外十五村(読谷山間切)沖縄県11,35311,35511,397
島尻南風原村外十九村(大里間切)沖縄県11,33711,34711,318
松前郡川原町外三十三町(松前郡役所直轄市街)北海道庁11,29111,31310,709
根室郡常盤町外二十九町村(根室郡役所直轄町村;花咲郡,得撫郡,新知郡,占守郡を含む)北海道庁11,25411,1704,218
国頭運天村外十九村(今歸仁間切)沖縄県10,70010,70510,703
大島郡面縄村外十六村鹿児島県10,54110,54810,546
国頭東江村外十二村(名護間切)沖縄県10,43210,4339,986
大島郡知名村外十七村鹿児島県10,43110,44410,380
中頭仲間村外十三村(浦添間切)沖縄県9,8399,83910,070
国頭親川村外十六村(羽地間切)沖縄県9,7789,7819,690
島尻豊見城村外二十村(兼城間切)沖縄県9,6599,6599,659
中頭北谷村外十一村(北谷間切)沖縄県9,6369,6369,802
中頭宜野湾村外十三村(宜野湾間切)沖縄県9,4639,4639,542
大島郡和泊村外十七村鹿児島県9,2279,2349,192
下県郡今屋敷町外十町村長崎県9,2109,0138,415
岩内郡御鉾内町外十二町村(岩内郡役所直轄町村)北海道庁9,1139,1135,130
有珠郡西紋鼈村外七村(室蘭郡を含む)北海道庁8,6098,6136,807
島尻上間村外十一村(真和志間切)沖縄県8,4348,4378,497
大島郡亀津村外八村鹿児島県8,3678,3738,349
大島郡湾村外十二村鹿児島県8,1718,1728,171
大島郡山村外五村鹿児島県8,1128,1168,096
大島郡阿布木名村外九村鹿児島県8,0838,0868,059
大島郡金久村外九村鹿児島県7,7807,7487,263
島尻豊見城村外二十村(豊見城間切)沖縄県7,7567,7567,904
中頭屋慶名村外八村(与那城間切)沖縄県7,6627,6627,665
大島郡早町村外十六村鹿児島県7,4247,4317,418
国頭奥間村外十五村(国頭間切)沖縄県7,3257,3257,272
島尻宮平村外九村(南風原間切)沖縄県7,1177,1197,110
余市郡浜中町外十一町村北海道庁7,0647,0685,129
札幌郡豊平村外四村北海道庁7,0587,0603,951
空知郡市来知村外三村(空知郡役所直轄村落)北海道庁6,9304,0321,259
知夫郡美田村外三村島根県6,6196,6276,565
国頭塩屋村外十五村(大宜味間切)沖縄県6,5346,5356,463
増毛郡永寿町外十四町村(増毛郡役所直轄町村)北海道庁6,4756,4723,253
爾志郡熊石村外二村北海道庁6,3586,3605,480
大島郡立長村外五村(与論島)鹿児島県6,2896,2936,306
寿都郡渡島町外六町(寿都郡役所直轄市街)北海道庁6,1986,1952,899
国頭金武村外六村(金武間切)沖縄県6,1506,1506,143
上磯郡上磯村外四村北海道庁6,1286,1345,668
島尻東風平村外十村(東風平間切)沖縄県5,9045,9045,971
中頭越来村外九村(越来間切)沖縄県5,8875,8925,891
大島郡中金久村外十一村(赤木名方)鹿児島県5,8715,8785,857
島尻富里村外十二村(玉城間切)沖縄県5,7475,7485,748
亀田郡大野村外五村北海道庁5,6355,6374,819
大島郡古仁屋村外十二村(東方)鹿児島県5,5635,5695,449
爾志郡乙部村外四村北海道庁5,5625,5624,865
亀田郡亀田村外五村北海道庁5,5115,2444,497
中頭平敷屋村外六村(勝連間切)沖縄県5,5005,5005,489
大島郡田検村外十二村(宇検方)鹿児島県5,4285,4355,418
大島郡押角村外十三村(渡連方)鹿児島県5,3575,3605,349
古平郡浜町外八町村北海道庁5,2735,2733,244
札幌郡札幌村外四村北海道庁5,1824,9334,276
那覇伊是名村外七村(伊平屋島)沖縄県5,0765,0765,058
島尻佐敷村外八村(佐敷間切)沖縄県5,0005,0005,036
『明治二十三年十二月三十一日調 日本帝国民籍戸口表』「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」との対応については[105242]参照。なお首里の人口が間切リストと町村連合リストで微妙に違うのは、間切リストの方では首里を郡市相当として扱い、三市と同様に他町村出入寄留の加除を行わなかったのに対し、町村連合リストの方では他町村出入寄留の加除を一律で行っているからです。

過去に筑波大学村井研究室の歴史地理統計データの方で『明治二十四年 徴発物件一覧表』(データは明治23年12月31日のもの)掲載の市区町村別現住人口をまとまめたものがありますが(原本では人口は大字別で集計:[88602]参照)、徴発物件一覧表掲載の人口は現住人口の計算基準がバラバラで、一部本籍人口すら混ざったものです。今回まとめたものは戸籍表をベースとしたもので、より正確なものとなります。

【訂正・追記】:色々文章を細かく修正し、追記を行いました。修正箇所を【】のマークで示していましたが、読み辛く感じたのでマークを削除しました。
[105242] 2022年 8月 6日(土)12:05:32【2】訂正年月日
【1】2022年 8月 6日(土)12:24:44
【2】2022年 8月 6日(土)16:23:07
YT さん
明治23年の人口1万人以上の市区町村別人口まとめと今後の予定
[104836]で書いた予定通り、総務省統計局図書館所蔵の『戸籍表』を元に明治23年12月31日付の日本全国の市区町村別人口をまとめ終えました。

[103711]で書きましたように、総務省統計局図書館所蔵の『町村別戸口表』を使って明治22年12月31日付の市区町村別現住人口を再計算し、一応は作業が終わりましたが・・・色々検証するべき問題点が見つかりましたので、とりあえず公開の方は明治23年12月31日付のデータの方をまとめからにします。

ただ、明治23年度の現住人口をまとめたものの、これをそのまま公表するのは幾つか問題点が残りました。

1. 東京府伊豆七島・小笠原島に関しては、細かい町村別人口の情報が欠落しています。まあこれは大勢には影響は出ません。7年ほど前に自分は徴発物件一覧表掲載の明治23年の大字別人口をまとめようとして頓挫しましたが([87941][88602]等)、伊豆七島分の町村別レベルの人口に関しては[88602]のリンクがまだ生きていますので、そちらを参考にして下さい。

2. 虫食いのため、いくつかの町村の出寄留の囚人及懲治人、陸海軍在営艦者が得られず、現住人口が算出できない(特に愛知県):まあ官報による現住人口に相当するものを、隠岐、対馬、吐噶喇、大島、沖縄、北海道に拡大することはできました。

3. 『戸籍表』原本の閲覧ができなくなりました。

総務省統計局図書館所蔵の『戸籍表』はマイクロフイルム化されていてコピーを取ることは可能です。しかしながらこのマイクロフイルムの作成者の意識が低かったのか、冊子体のままコピーを取ったせいか、多くの頁で内側に入り込んだ数行が読めなくなっています。さらに白黒のため、朱で入れられた重ね文字が判別できません。そこで原本を閲覧することで、これらを修正することが可能となります、ところが総務省統計局の図書館に関し、工事が開始してしまい、原本閲覧ができなくなりました。

令和4年5月30日から総務省第二庁舎耐震改修工事対応のため、利用できる図書は開架式の書架(閲覧室)にある図書、電子資料、マイクロフィルムとマイクロフィッシュ、調査区関係資料のみになります。御不便をおかけして申し訳ございませんが、御了承願います。

まとめるにあたり、内側が読めないところからデータを入力し、1か月に一度ほど統計局図書館で該当箇所をチェックする、という作業をしておりましたが、6月以降は古資料の閲覧が不可となり、原本による『戸籍表』の最終チェックができなくなりました。工事が終わるのは5年後とのことですが、さすがにそこまで待つ訳にはいかないので、不完全な形として今月中に自分がまとめた明治23年12月31日の現住人口の再計算結果の表(官報掲載相当および日本帝国民籍戸口表掲載相当)を公表する予定にします。

とりあえず以下に人口1万人以上の市区町村の人口の比較をまとめます。比較対象は官報掲載の現住人口、『明治二十三年十二月三十一日調 日本帝国民籍戸口表』(残念ながら明治22、23年版はオンラインで閲覧できない:明治24年版は閲覧可能)収録の「各地方郡市戸口表」(「市」と「区」の現住人口が比較可能)と「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口、そして『日本帝国人口静態統計』収録の「人口一万人以上ノ市町村現住人口 (自明治十九年末至同四十一年末)」掲載の現住人口です。

なお明治22年版の『町村別戸口表』では沖縄県の間切に関し、
備考 本県ハ郡ノ設ケ無 之ニ付各間切島ヲ郡ニ該当製表ス
との脚注があったので、明治22年の間切に関しては郡市と同等とみなし、[104158]では他町村出入寄留の加除を行わずに間切の現住人口の算出を行いましたが、明治23年版以降の沖縄県統計書では現住人口の算出に他町村出入寄留の加除を行っており、よって明治23年の間切に関しては町村と同等とみなし、他町村出入寄留の加除を行いました。

以下比較結果ですが、明治22年版([104836][104158])と異なり、官報でも明治23年版の『日本帝国民籍戸口表』でもおおむね正確に現住人口が算出されています。一部の計算間違いは、監獄の無籍在監人、囚人、懲治人の加算忘れ、加算間違いに起因するものが主です。弘前市のケースでは『戸籍表』原本に弘前市内の他町村出入寄留の数字が掲載されてしまっており、これを使って計算したか、その後の朱書きの訂正(同市内の町丁間の出入寄留は無視してゼロとするべき)を考慮して算出したかの違いです。一方明治41年版の『日本帝国人口静態統計』では後から「戸口表」を使って人口1万人以上の都市の現住人口を算出したとありますが(正に自分が行っているのと同じ方法)、比較的間違いが多いです。

市区町村府県庁旧国本籍人口現住人口(官報)再計算値現住人口再計算値備考
東京市東京府武蔵国820,0131,141,9911,141,9911,155,2901,155,290
荏原郡品川町東京府武蔵国12,89717,27117,27117,21417,214
南足立郡千住町東京府武蔵国11,79114,52014,52014,50314,503
京都市京都府山城国259,600288,867288,867289,588289,588
紀伊郡伏見町京都府山城国16,16716,94716,94717,24617,246
堺市大阪府和泉国42,82545,52045,52045,56345,563
大阪市大阪府摂津国328,930337,605337,605473,541473,541
西成郡難波村大阪府摂津国24,54726,50026,50026,40526,405
西成郡曽根崎村大阪府摂津国10,70611,26011,26011,22011,220
東成郡天王寺村大阪府摂津国13,66714,29714,29714,22614,226
東成郡東平野町大阪府摂津国10,41612,04312,04312,00912,009
三浦郡横須賀町神奈川県相模国9,92114,77114,77118,19418,194
三浦郡浦賀町神奈川県相模国13,04913,41213,41213,78313,783
足柄下郡小田原町神奈川県相模国15,29214,04314,04314,03114,031
横浜市神奈川県武蔵国66,711128,195128,195127,987127,987
久良岐郡戸太村神奈川県武蔵国6,63010,47210,47211,29611,296
橘樹郡神奈川町神奈川県武蔵国13,61115,92115,92115,89715,897
南多摩郡八王子町神奈川県武蔵国14,35822,14822,14822,16422,164
神戸市兵庫県摂津国92,986136,223136,223136,968136,968
武庫郡西宮町兵庫県摂津国11,70313,14613,14613,07913,079
川辺郡尼ヶ崎町兵庫県摂津国13,55513,51813,51813,47413,474
姫路市兵庫県播磨国24,61225,76825,76827,12027,120
明石郡明石町兵庫県播磨国19,34020,21220,21220,17120,171
長崎市長崎県肥前国38,66157,61257,61258,14258,142
東彼杵郡佐世保村長崎県肥前国4,8108,9528,95210,19710,197「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」は掲載せず
南高来郡西有家村長崎県肥前国10,56310,53010,53010,47210,472
新潟市新潟県越後国44,54546,47546,47547,01947,019
北蒲原郡新発田町新潟県越後国11,54411,16211,16212,62612,626
中頸城郡高田町新潟県越後国20,51120,39920,39920,38120,381
雑太郡相川町新潟県佐渡国12,10712,55312,55312,59212,592
入間郡川越町埼玉県武蔵国16,72817,94517,94518,03218,032
大里郡熊谷町埼玉県武蔵国8,48011,19511,19511,32611,326
千葉郡千葉町千葉県下総国14,64322,76522,76523,50823,508
東葛飾郡船橋町千葉県下総国11,54011,84311,84311,82211,822
香取郡佐原町千葉県下総国10,45411,28911,28911,27211,272
海上郡本銚子町千葉県下総国16,83315,31815,31815,29215,292
結城郡結城町茨城県下総国9,38310,15310,15310,13910,139
水戸市茨城県常陸国23,58625,91525,91526,60926,609
那珂郡湊町茨城県常陸国10,75211,53711,53711,51511,515
新治郡石岡町茨城県常陸国9,34610,59910,59910,58210,582
新治郡土浦町茨城県常陸国8,72510,46410,46410,75610,756
東群馬郡前橋町群馬県上野国21,80531,40931,40932,12932,129
西郡馬郡高崎町群馬県上野国18,06624,26624,26625,98125,981
山田郡桐生町群馬県上野国12,77217,01317,01316,98916,989
河内郡宇都宮町栃木県下野国24,06930,12030,13230,83130,831官報掲載の現住人口は河内郡宇都宮町の栃木県監獄署の無籍在監人12を栃木監獄支署がある下都賀郡栃木町に加算
上都賀郡足尾町栃木県下野国1,96411,89511,89511,89211,892
都賀郡栃木町栃木県下野国16,12620,58120,56920,54920,549官報掲載の現住人口は河内郡宇都宮町の栃木県監獄署の無籍在監人12を栃木監獄支署がある下都賀郡栃木町に加算
安蘇郡田沼町栃木県下野国10,81410,59110,59110,57810,578
足利郡足利町栃木県下野国12,72515,06915,06915,04715,047
添上郡奈良町奈良県大和国21,95224,00524,00524,20924,209
添下郡郡山町奈良県大和国13,31012,79612,79612,77012,770
吉野郡十津川村奈良県大和国10,46210,40810,40810,39910,399
阿拝郡上野町三重県伊賀国12,65313,00513,00513,06713,067
津市三重県伊勢国22,63426,16826,16826,86626,866
桑名郡桑名町三重県伊勢国15,68718,65218,65218,62718,627
三重郡四日市町三重県伊勢国13,99118,19318,19318,31218,312
飯高郡松阪町三重県伊勢国11,02413,17413,17413,13813,138
度会郡宇治山田町三重県伊勢国24,89127,70827,70828,03628,036
名古屋市愛知県尾張国136,118165,343165,343170,433170,433
愛知郡熱田町愛知県尾張国17,98918,37218,37218,35118,351
中島郡一宮町愛知県尾張国10,78111,34011,34011,32311,323
海東郡津島町愛知県尾張国10,95111,17811,17811,15311,153
額田郡岡崎町愛知県三河国12,94015,95915,95916,25616,256
渥美郡豊橋町愛知県三河国8,93612,82012,82014,26814,268
敷知郡浜松町静岡県遠江国13,25014,10914,10914,33314,333
静岡市静岡県駿河国39,61938,32738,32738,24638,246
駿東郡沼津町静岡県駿河国11,32010,54110,54110,61810,618
有渡郡長田村静岡県駿河国10,61610,37010,37010,35310,353
甲府市山梨県甲斐国22,85431,67131,67132,05232,052
南巨摩郡増穂村山梨県甲斐国10,20410,13910,13910,11610,116
滋賀郡大津町滋賀県近江国24,23729,65629,65631,12731,127
犬上郡彦根町滋賀県近江国19,68619,98019,98020,06320,063
岐阜市岐阜県美濃国19,78628,59028,59029,46229,462
安八郡大垣町岐阜県美濃国18,30619,78419,78419,78619,786
大野郡高山町岐阜県飛騨国16,06515,52515,52515,54315,543
小県郡上田町長野県信濃国14,58918,12318,12318,32418,324
下伊那郡飯田町長野県信濃国11,63812,84112,84112,93312,933
東筑摩郡松本町長野県信濃国22,29626,00226,00226,18726,187
上水内郡長野町長野県信濃国18,93125,41525,41525,84725,847
仙台市宮城県陸前国60,67860,98460,98466,31066,310
牡鹿郡石巻町宮城県陸前国16,75917,22417,22417,18417,184
西白川郡白河町福島県磐城国10,24611,27711,27711,37311,373
信夫郡福島町福島県岩代国10,66117,71317,71317,68717,687
北会津郡若松町福島県岩代国27,67324,20824,20824,35224,352
盛岡市岩手県陸中国32,18831,92531,92531,86831,868
弘前市青森県陸奥国31,43130,38730,38730,31630,323「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」,日本帝国人口静態統計掲載の現住人口30,316は修正前の他町村出寄留477,他町村入寄留470を加除
30,32330,323「各地方郡市戸口表」掲載の現住人口は問題なし
東津軽郡青森町青森県陸奥国18,21118,99718,99720,39920,399
三戸郡八戸町青森県陸奥国10,97410,90510,90510,88910,889
山形市山形県羽前国26,96328,67528,67529,08129,081
米沢市山形県羽前国29,95828,91428,91428,94428,944
最上郡新庄町山形県羽前国11,54711,13211,13211,12511,125
西田川郡鶴岡町山形県羽前国20,29219,51519,51519,51919,519
飽海郡酒田町山形県羽後国20,45521,04021,04021,03021,030
秋田市秋田県羽後国29,45828,70328,70329,17529,175
南秋田郡土崎港町秋田県羽後国11,86911,76911,76911,75411,754
山本郡能代港町秋田県羽後国11,27511,45411,45411,42811,428
平鹿郡横手町秋田県羽後国11,40811,19311,19311,18111,181
福井市福井県越前国40,75339,94839,94840,15940,159
坂井郡三国町福井県越前国10,14810,46110,46110,43410,434
南条郡武生町福井県越前国13,62914,33714,33714,30314,303
敦賀郡敦賀町福井県越前国14,39815,04415,04414,98514,985
金沢市石川県加賀国99,95493,51793,51794,66694,666
能美郡小松町石川県加賀国12,29013,14713,14713,45113,451
鹿島郡七尾町石川県能登国10,42610,82010,82010,85110,851
鳳至郡輪島町石川県能登国10,13010,06610,06610,02110,021
富山市富山県越中国57,84258,25258,25258,58558,585
高岡市富山県越中国29,13129,61429,61429,55429,554
上新川郡滑川町富山県越中国10,64710,43110,43110,42210,422
下新川郡魚津町富山県越中国13,28513,23013,23013,20613,206
射水郡新湊町富山県越中国17,22217,08417,08417,05017,050
射水郡氷見町富山県越中国11,67311,63711,63711,60211,602
鳥取市鳥取県因幡国29,44528,10128,10128,52528,525
会見郡米子町鳥取県伯耆国12,18513,42013,42013,57413,574
松江市島根県出雲国35,49435,32435,32435,56535,565
西北条郡津山町岡山県美作国11,07211,89111,89112,18012,180
岡山市岡山県備前国33,56245,17945,17945,87145,871
御調郡尾道町広島県備後国16,63917,63117,63117,90017,900
深津郡福山町広島県備後国15,97615,53515,53515,46515,465
広島市広島県安芸国82,55786,02486,02491,00091,000
安芸郡仁保島村広島県安芸国15,06015,12115,12115,06015,060
安芸郡江田島村広島県安芸国10,55011,16211,16211,45211,452
安芸郡瀬戸島村広島県安芸国10,61510,24510,24510,23410,234
安芸郡倉橋島村広島県安芸国13,33012,85812,85812,82412,824
安芸郡蒲刈島村広島県安芸国11,47211,20811,20811,17811,178日本帝国人口静態統計は掲載せず
賀茂郡広村広島県安芸国13,51613,21113,21113,17813,178
大島郡家室西方村山口県周防国11,16410,73110,73110,71510,715
都濃郡徳山村山口県周防国12,21212,14912,14912,11312,113
佐波郡三田尻村山口県周防国10,05510,17210,17210,11910,119
吉敷郡山口町山口県周防国11,35614,34814,34814,26814,268
赤間関市山口県長門国26,53130,43330,43330,78730,787
阿武郡萩町山口県長門国23,18120,26920,26919,92319,923
和歌山市和歌山県紀伊国55,45755,51155,51156,04956,049
有田郡湯浅村和歌山県紀伊国10,54810,24210,24210,20010,200
東牟婁郡新宮町和歌山県紀伊国10,44111,02011,02010,99010,990
徳島市徳島県阿波国60,77160,12460,12461,16761,167
勝浦郡小松島村徳島県阿波国12,61712,58212,58212,51712,517
板野郡撫養町徳島県阿波国18,53118,24818,24818,15118,151
高松市香川県讃岐国33,86333,72433,73534,61634,616官報掲載の現住人口は高松市の香川県監獄署本署の無籍在監人11を加算せず;「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」,日本帝国人口静態統計掲載の現住人口は問題なし
33,35734,616「各地方郡市戸口表」掲載の現住人口は高松市の香川県監獄署本署の囚人1,058,懲治人1を香川郡に加算
阿野郡坂出町香川県讃岐国9,94810,36010,36010,34310,343
那珂郡丸亀町香川県讃岐国17,73518,48818,48820,05220,052
豊田郡観音寺町香川県讃岐国12,81512,79912,79912,74812,748
松山市愛媛県伊予国30,28233,19233,19234,56334,563
越智郡今治町愛媛県伊予国13,10913,56913,56913,52713,527
北宇和郡宇和島町愛媛県伊予国12,48111,99511,99512,12112,121
高知市高知県土佐国26,38931,15731,15732,04232,042
福岡市福岡県筑前国47,84351,86451,86453,79253,792
久留米市福岡県筑後国23,98025,22425,22425,38025,380
三潴郡大川町福岡県筑後国9,54410,14810,14810,11610,116
三池郡大牟田町福岡県筑後国7,42510,20710,20710,18211,686「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」,日本帝国人口静態統計掲載の現住人口は三池郡大牟田町の三池集治仮留監の囚人1,504を加算せず
企救郡小倉町福岡県豊前国13,62414,93314,93316,54416,544
下毛郡中津町大分県豊前国12,01312,77012,77012,88312,883
大分郡大分町大分県豊後国8,25210,69510,69511,35911,359
北海部郡臼杵町大分県豊後国10,73410,08710,08710,03410,034
佐賀市佐賀県肥前国26,01726,41126,41126,75826,758
熊本市熊本県肥後国43,36349,62349,62354,35754,357
葦北郡水俣村熊本県肥後国12,50612,74412,74412,72512,725
北諸県郡都城町宮崎県日向国11,41211,88611,88611,76811,781「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」,日本帝国人口静態統計掲載の現住人口は北諸県郡都城町の都城監獄支署の無籍在監人1,囚人12を加算せず
西諸県郡小林村宮崎県日向国10,35210,82710,82710,79610,796
南諸県郡志布志村鹿児島県日向国16,82217,08217,08217,00517,005
姶良郡加治木村鹿児島県大隅国11,22211,36011,36011,25711,257
南大隅郡垂水村鹿児島県大隅国13,44113,31213,31213,28613,286
東囎唹郡末吉村鹿児島県大隅国10,61010,63810,63810,62010,620
熊毛郡北種子村鹿児島県大隅国10,41010,79710,79710,86910,869
鹿児島市鹿児島県薩摩国56,62657,00157,00156,64356,643
鹿児島郡伊敷村鹿児島県薩摩国15,41414,61714,61714,53314,533
鹿児島郡吉野村鹿児島県薩摩国10,77110,43810,43810,34810,348
谿山郡谷山村鹿児島県薩摩国25,08524,51324,51324,38124,381
給黎郡知覧村鹿児島県薩摩国14,88914,93414,93414,89114,891
給黎郡喜入村鹿児島県薩摩国10,2089,9099,9099,8519,851日本帝国人口静態統計は掲載せず
指宿郡揖宿村鹿児島県薩摩国14,75714,71714,71714,68814,688
頴娃郡頴娃村鹿児島県薩摩国19,82919,90419,90419,86819,868
川辺郡川辺村鹿児島県薩摩国14,20013,84713,84713,80713,807
川辺郡加世田村鹿児島県薩摩国14,04313,73313,73313,68813,688
川辺郡東加世田村鹿児島県薩摩国11,75511,57411,57411,55911,559
川辺郡西加世田村鹿児島県薩摩国13,74413,68213,68213,65913,659
川辺郡東南方村鹿児島県薩摩国19,33919,28619,28619,23119,231
川辺郡西南方村鹿児島県薩摩国10,65710,59710,59710,58110,581
日置郡串木野村鹿児島県薩摩国18,17018,09818,09818,05918,059
日置郡東市来村鹿児島県薩摩国11,90011,61011,61011,58611,586
阿多郡伊作村鹿児島県薩摩国15,16814,67814,67814,63514,635
高城郡水引村鹿児島県薩摩国9,94010,14110,14110,11510,115
出水郡上出水村鹿児島県薩摩国11,03111,77111,77111,75111,751
出水郡阿久根村鹿児島県薩摩国14,94115,01615,01614,98714,987
那覇沖縄県琉球国38,98642,26442,25042,250「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」は掲載せず
首里沖縄県琉球国25,72025,49525,60425,604「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」は掲載せず
小禄間切沖縄県琉球国13,00212,91213,07513,112「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」は掲載せず;日本帝国人口静態統計掲載の現住人口は計算間違いか
大里間切沖縄県琉球国11,31811,34711,33711,337「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」は掲載せず
浦添間切沖縄県琉球国10,0709,8399,839「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」,日本帝国人口静態統計は掲載せず
西原間切沖縄県琉球国13,03812,91112,98812,988「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」は掲載せず
中城間切沖縄県琉球国15,77615,53215,53215,532「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」は掲載せず
読谷山間切沖縄県琉球国11,39711,35511,35311,353「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」は掲載せず
美里間切沖縄県琉球国12,12812,12712,12412,124「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」は掲載せず
具志川間切沖縄県琉球国13,51213,50413,50413,504「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」は掲載せず
名護間切沖縄県琉球国9,98610,43310,432「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」,日本帝国人口静態統計は掲載せず
今歸仁間切沖縄県琉球国10,70310,70510,80010,700「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」は掲載せず;日本帝国人口静態統計掲載の現住人口は計算間違いか
本部間切沖縄県琉球国14,68214,75714,757「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」,日本帝国人口静態統計は掲載せず
本部村(本部間切+伊江島)沖縄県琉球国19,57319,69619,69419,694「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」は掲載せず;日本帝国人口静態統計では伊江島を含めて本部村として掲載
平良間切沖縄県琉球国9,96610,05110,04410,044「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」は掲載せず
砂川間切沖縄県琉球国14,18514,38214,387「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」,日本帝国人口静態統計は掲載せず
砂川村(砂川間切+多良間島)沖縄県琉球国17,30717,51017,49517,505「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」は掲載せず;日本帝国人口静態統計では多良間島を含めて砂川村として掲載;日本帝国人口静態統計掲載の現住人口は計算間違いか
函館区北海道庁渡島国35,19955,24855,67755,677
松前郡福山市街北海道庁渡島国10,70911,31311,29011,291「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」は掲載せず;日本帝国人口静態統計掲載の現住人口は福山分署の囚人1を加算せず
檜山郡江差市街北海道庁渡島国9,81020,54214,62014,626「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」は掲載せず;日本帝国人口静態統計掲載の現住人口は江差分署の囚人6を加算せず
小樽郡・高島郡小樽市街北海道庁後志国12,53921,39521,38321,383「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」は掲載せず
札幌区北海道庁石狩国11,70424,33824,32724,327

【誤字等幾つか追加訂正】
[105165] 2022年 7月 30日(土)10:38:11YT さん
薩摩藩出身者と越後では村の規模に関する常識が異なった?
[105152] 未開人さん

ところで新潟県で1901年に大合併が行われたのはなぜなのでしょうか。岐阜県に比べると合併が不十分だった印象はないのですが、人口が多かったことが影響しているのでしょうか。

新潟県の明治から平成の合併に係る各市町村の系譜に掲載されている「第1章 新潟県における市町村合併の変遷」、および井戸庄三「明治22年 新町村名の研究」(地理学評論 49 (5), 285-299 (1976))によると、柏田盛文知事の独断だそうです。

当時、全国には江戸時代の自然発生的な町村の延長である町村が7万以上、新潟県には約4,500もあった。この小さな単位から、戸籍や小学校などの事務を処理できる300~500戸を標準として、全国一律の町村合併を進めることとした。計画が明らかになると県下全域は騒然となった。当時の町村は生活習慣、水利、産業など住民生活に密着しており、住民の意思を無視するようなケースには強硬な反対があった。それでも政府はこれを断行し、その結果、新潟県の市町村数は明治22年末には、5分の1以下の800余りに減少した。

これが明治の大合併である

しかし、新潟県下では規模が小さく財政的にも脆弱な町村がまだ多く残っていた。当時は全国の町村平均戸数が583戸に対し、新潟県は351戸に過ぎなかった。明治30年に伝染病予防に関する事務と費用負担が町村に義務づけられ、赤痢の大流行などによる衛生費の大膨張(明治31年には明治28年の13倍)や教育費の負担増などによって町村の財政は逼迫していく中で、明治34年2月、柏田新潟県知事は町村合併の実施を明らかにした。県の示した合併案に反対の町村会は80%にも達したが、県はこれを強行し、同年11月には町村数は816から456に減少した。

ただしこの第二次大合併を実施した柏田盛文知事は、外城制度を有する薩摩藩出身です。郷、外城規模で町村を制定し、1万人規模の村が当たり前に存在した鹿児島県の実情を知っている人からすると、新潟県の町村規模は許しがたいほど小さなものだったのでしょう。

明治34年8月28日付の新潟県知事柏田盛文より内務大臣内海忠勝あて「県下町村合 併之件禀請」によると

本県下町村の総数八百十有八、内戸数三百に満たざるもの実に四百五十余カ村の多を占む。其余の町村亦皆概して規模狭少、随って資力薄弱にして其為すべき事を挙ぐるに苦み殆んど独立の実を保つに堪え難しと認むるもの多し。
(中略)
惟くに県下今日の計は深く町村の実情に鑑み、断然小町村を合併し大に其資力を充実し、自治の根底を鞏固ならしめ、以って経営の完成を期す

なお柏田盛文知事は、翌明治35年に発覚した、教科書採択に関する全国規模の贈収賄事件「教科書疑獄事件」に関連して政治的にも失脚します。柏田盛文は新潟県の前に茨城県の知事でしたが、その元茨城県師範学校校長で教科書出版の「普及舎」社長でもあった山田禎三郎が、鉄道内に手帳を忘れたことにより事件が発覚します。摘発された関係者としては、新潟・宮城・栃木・島根・宮崎の各県知事や県会議長・府県書記官・視学官・視学、郡視学、師範学校長・同教諭や高等師範学校教諭、中学校長・女学校長などが含まれ、ほとんどの府県から逮捕者を出すという大疑獄となりました。予審に付された者は152名に上り、有罪者は100名を超え、追徴金も7万円に達しました。柏田盛文も有罪となり、以降政界に復帰することはありませんでした。

余談ですがこの事件発覚の原因となった山田禎三郎という人物、直後に仕事で英国に逃げていたため、逮捕を免れます。後に衆議院に出馬し当選しますが、事業失敗により辞職し、株券偽造で投獄されます。さらに1907年には中ノ鳥島を発見したと主張し、リン鉱石ネタで日本政府を騙すという、この落書き帳の別の話題もリンクするとんでもない詐欺師だったりします([65212])。
[104913] 2022年 7月 8日(金)13:54:23YT さん
「春狩国」の存在はかなり怪しい
[104908] 零参弐八さん

令制国時代に目黒にあったとされる春狩国のことを知ってる人はいませんか?

確かにネット上で検索すると、目黒にあったという「春狩国」に言及するサイトが複数ありますが、どれもここ10年以内に記述されたものばかりです。また自分はJapanKnowledge(『角川日本地名大辞典』、『日本歴史地名大系』、『国史大辞典』などを含む)にアクセスして全文検索できるのですが、一つとして関東地方の地名としての「春狩」「はるかり」が引っ掛かりませんでした。国立国会図書館デジタルアーカイブで『東京府史』や『埼玉県史』の武蔵国の黎明期部分を読んでも、「知々夫」(チチブ)や「无邪志」 (ムサシ/ムザシ)、「 胸刺 」(ムサシ/ムネサシ)の考察はあっても、一つとして「春狩」(ハルカリ)に言及している文献は見つかりませんでした。『目黒町誌』/『郷土目黒』はオンラインでは閲覧できませんが、項目だけなら目黒資料のページで検索できます。「无邪志国造」という項目はあるのに「春狩」はないです。CiNiiの論文検索でも一つとして「春狩」「はるかり」が引っ掛かりませんでした。

さらに元ソースまでは未確認ですが、twitter検索で目黒出身のミュージシャンの作り話という情報も出てきたので、これ以上は調べる気になれませんでした。

そもそも「目黒」に関連して「春狩国」が言及されているようですが、「目黒」/「馬畔」/「めぐろ」/「めくろ」という地名自体、『吾妻鏡』や『承久軍物語』に登場する「目黒」という武家の姓より遡ることができません。よって「寺社などに伝わった中世以降の古文書に、何等かの形で目黒と春狩を結びつける文献が新発見された」とかじゃない限り、これまで一般的に出版されている学術書に話が全く出てこないことを説明できませんので、この時点でかなり怪しい話と考えるべきです。北奥県([79597] [79620]参照)のように中央に情報が残らない可能性も否定はできませんが、新発見の旧国名なら然るべき論文として発表されているはずであり、むしろ近年発表の日本語論文なら容易にCiNiiなどの検索に引っかかるはずであり、まあ現時点では信じない方がよいと思います。
[104836] 2022年 6月 17日(金)11:24:58【1】訂正年月日
【1】2022年 6月 17日(金)17:41:38
YT さん
明治22年の市区町村別人口まとめ(後半)
[103711]で書きましたように、総務省統計局図書館所蔵の『町村別戸口表』を使って明治22年12月31日付の市区町村別現住人口を再計算し、一応は作業が終わりましたが・・・色々検証するべき問題点が見つかりましたので、とりあえず公開の方は明治23年12月31日付のデータの方をまとめからにします。

まず[104158]の訂正

市区町村「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」等掲載の本籍人口官報掲載の現住人口「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」等掲載の現住人口町村別戸口表等掲載の本籍人口現住人口(官報基準での再計算)現住人口(日本帝国民籍戸口表基準での再計算)備考
北蒲原郡新発田町11,21310,89410,95611,22610,89410,875「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は他郡市出寄留623、他郡市入寄留529を加除せず、また本籍人口11,213(男5,689、女5,524)が異なる; [出]陸海軍在営艦者19を修正

[104158]では陸軍第二師団歩兵第十六連隊1,520を北蒲原郡新発田町に加えてしまいましたが、その後『陸軍省第三回統計年報』(明治22年12月31日付の情報が載っている版はオンラインで公開されておらず、某大学某図書館のマイクロフイルム版で確認しました)を閲覧したところ、この時は北蒲原郡新発田本村に陸軍第二師団歩兵第十六連隊の兵営があったことが判明したので、日本帝国民籍戸口表基準での再計算した現住人口を12,395から10,875に訂正します。

続いて宮城県~宮崎県の残りです(宮城県、島根県、佐賀県などは前と重複しますが、説明文にも一部変更入れましたので再掲します)。

市区町村「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」等掲載の本籍人口官報掲載の現住人口「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」等掲載の現住人口町村別戸口表等掲載の本籍人口現住人口(官報基準での再計算)現住人口(日本帝国民籍戸口表基準での再計算)備考
仙台市66,35086,50590,23166,35086,50491,796「各地方郡市戸口表」、「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は仙台市榴ヶ岡在営の陸軍第二師団歩兵第四連隊1,565を宮城郡に加算、また官報掲載の現住人口は計算間違いか(詳細不明)
牡鹿郡石巻町16,52816,94416,97416,52816,94416,920「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は他町村出寄留150、他町村入寄留96を加除せず
西白河郡白河町10,06511,02410,91610,06511,02411,121「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は他町村出寄留100、他町村入寄留305を加除せず
信夫郡福島町10,42316,96516,62910,42316,96516,939「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は他町村出寄留126、他町村入寄留436を加除せず
北会津郡若松町27,45921,32521,58427,45921,32521,380「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は他町村出寄留753、他町村入寄留549を加除せず
盛岡市32,11731,23931,15332,11731,23931,153
弘前市31,61530,56030,48731,61530,56030,487
東津軽郡青森町17,55320,00619,48417,55320,00620,280「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は他町村出寄留100、他町村入寄留889、陸軍第二師団歩兵第五連隊1,055を加除せず、また残差7は計算間違いか(詳細不明)
三戸郡八戸町10,73210,63310,56810,73210,63310,602「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は他町村出寄留172、他町村入寄留215、八戸監獄の囚人8を加除せず、また残差9は計算間違いか(詳細不明)
山形市26,70328,45529,01926,70328,45529,019
米沢市30,23429,62029,59130,23429,62029,591
最上郡新庄町11,56511,28911,27711,56511,28911,276「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は計算間違いか(詳細不明)
西田川郡鶴岡町20,41719,63019,56220,41719,63019,562
飽海郡酒田町20,41420,97320,91820,41420,97320,918
秋田市29,49329,06929,56829,49329,06929,568
南秋田郡土崎港町11,80611,70811,68811,80611,70811,699「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は計算間違いか(詳細不明)
山本郡能代港町11,14211,42711,26911,14211,42711,395「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は他町村出寄留18、他町村入寄留144を加除せず
平鹿郡横手町11,23411,08810,96711,23410,96711,076「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は他町村出寄留85、他町村入寄留193を加除せず、また残差1は計算間違いか(詳細不明)
福井市40,96140,63140,84940,96140,63140,849
坂井郡三国町10,15610,43210,40910,15610,43210,409
南条郡武生町13,41414,18814,17513,41414,18814,175
敦賀郡敦賀町14,24714,65914,60614,24714,65914,606
金沢市100,72994,40794,257100,72994,40795,812「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口94,257は金沢市在営の陸軍第三師団歩兵第七連隊1,555を加算せず
能美郡小松町12,03012,68312,70312,03012,68712,964「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は他町村出寄留29、他町村入寄留290を加除せず、また官報掲載の現住人口は小松監獄の無籍在監人4を加算せず
鹿島郡七尾町10,36910,78710,54610,36910,78710,827「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は他町村出寄留24、他町村入寄留305を加除せず
鳳至郡輪島町10,12610,12610,08610,12610,12610,113「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は他町村出寄留18、他町村入寄留45を加除せず
富山市57,27757,85758,15957,27757,85758,159
高岡市28,57628,98628,92828,57628,98628,928
上新川郡滑川町10,50110,21410,19510,50110,21410,205「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は他町村出寄留11、他町村入寄留21を加除せず
下新川郡魚津町13,10513,12313,03013,10513,12313,089「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は他町村出寄留52、他町村入寄留111を加除せず
射水郡新湊町17,13517,06817,03417,13517,06817,041「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は計算間違いか(詳細不明)
射水郡氷見町11,47011,38111,38811,47011,38111,357「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は計算間違いか(詳細不明)
鳥取市29,39527,94228,39629,39527,94228,396
会見郡米子町12,05313,37313,30412,05313,37313,497「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は他町村出寄留82、他町村入寄留275を加除せず
松江市35,65835,70135,93435,65835,70135,934
西北条郡津山町11,03611,62711,90311,03611,62711,870「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は計算間違いか(詳細不明)
岡山市33,56347,72448,33333,56347,72448,333
御調郡尾道町16,94218,13418,47316,94218,13418,427「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は他町村出寄留480、他町村入寄留434を加除せず
深津郡福山町15,77415,10814,90015,77415,10815,040「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は他町村出寄留480、他町村入寄留434を加除せず
広島市81,91783,89688,82081,91783,89688,820
安芸郡仁保島村14,98814,37014,28314,98814,37014,314「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は他町村出寄留22、他町村入寄留53を加除せず
安芸郡江田島村10,30010,92510,86510,30010,92510,908「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は他町村入寄留43を加算せず
安芸郡瀬戸島村10,48310,32510,34110,48310,32510,312「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は他町村出寄留39、他町村入寄留10を加除せず
安芸郡倉橋島村13,20212,71812,69613,20212,71812,688「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は他町村出寄留29、他町村入寄留21を加除せず
安芸郡蒲刈島村11,43811,22611,19511,43811,22611,204「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は他町村出寄留1、他町村入寄留10を加除せず
賀茂郡広村13,36713,08913,06113,36713,08913,058「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は他町村出寄留44、他町村入寄留41を加除せず
大島郡家室西方村11,08910,71310,70311,08910,71310,703
都濃郡徳山村12,20012,10712,05512,20012,10712,055
佐波郡三田尻村9,98110,20910,1429,97510,20910,136「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は町村別戸籍表掲載の本籍人口と異なる本籍人口9,981(男5,068、女4,913)で算出
吉敷郡山口町11,42514,18313,65311,42514,18314,117「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は他町村出寄留44、他町村入寄留41を加除せず
阿武郡萩町23,38920,14619,80423,38920,14619,804
赤間関市26,55629,91429,91926,55629,91429,919
和歌山市56,07656,20256,71356,07656,20256,713
有田郡湯浅村10,55810,32410,28810,55810,32410,288
東牟婁郡新宮町10,25010,64810,62410,25010,64810,624
勝浦郡小松島村12,52612,72112,49212,52612,72112,665「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は計算間違いか(詳細不明)
板野郡撫養町18,57418,32918,25918,57418,32918,259
徳島市60,86160,14461,10760,86160,14461,107
香川郡[高松城下]32,18332,08132,63532,18332,877日本帝国人口静態統計掲載の現住人口は高松城下60町のものと推定されるが、高松監獄の囚人及懲治人816を加算せず、また差分-20は計算間違いか(詳細不明)
阿野郡坂出村9,78910,17610,0669,78910,17610,154「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は他町村出寄留13、他町村入寄留101を加除せず
那珂郡[丸亀城下]16,49618,29515,67216,49618,254日本帝国人口静態統計掲載の現住人口は丸亀城下27町及び中府村・地方村のものと推定されるが、差分-41は計算間違いか(詳細不明)
豊田郡観音寺村11,53811,49311,41811,53811,49311,455「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は他町村出寄留38、他町村入寄留75を加除せず
松山市30,09432,88232,73830,09432,88234,297「各地方郡市戸口表」「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は松山市堀内町在営の陸軍第五師団歩兵第二十二連隊1,559を温泉郡に加算
越智郡今治町13,19913,73413,16113,19913,73413,691「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は他町村出寄留149、他町村入寄留679を加除せず
北宇和郡宇和島町12,64211,74211,96812,64211,74211,880「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は他町村出寄留542、他町村入寄留454を加除せず
高知市26,72631,52932,24126,72631,52932,241
福岡市47,77051,05053,01447,77051,05053,014
三池郡大牟田町9,61211,1077,0299,61211,065「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は三池集治仮留監の無籍在監人42を加算せず
久留米市23,93724,70324,85923,93724,70324,859
企救郡小倉町13,58914,44916,09913,58914,44916,099
下毛郡中津町12,01312,58312,69212,01312,58312,692
大分郡大分町8,17410,80411,1688,17410,80411,383「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は他町村出寄留28、他町村入寄留243を加除せず
北海部郡臼杵町10,73710,13910,10110,73710,13910,091「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は計算間違いか(詳細不明)
佐賀市25,50626,05526,40125,50626,05526,401
熊本市43,17648,58752,83343,17648,58753,172「各地方郡市戸口表」、「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は熊本市宮内町在営の陸軍第六師団工兵第六大隊(または熊本市古京町在営の陸軍第六師団輜重兵第六大隊)339を託麻郡に加算
葦北郡水俣村12,36112,53812,51612,36112,53812,513「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は計算間違いか(詳細不明)
北諸県郡都城町11,22711,77611,58711,22711,77611,686「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は他町村出寄留92、他町村入寄留191を加除せず
西諸県郡小林村10,10710,63910,63910,10710,63910,618「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は他町村出寄留60、他町村入寄留39を加除せず

香川県の高松、丸亀の現住人口は『明治四十一年十二月三十一日 日本帝国人口静態統計』収録の「人口一万人以上ノ市町村現住人口 (自明治十九年末至同四十一年末)」によりますが、これに記載されている人口の範囲がどこまでなのか、さっぱり不明なので、日本帝国民籍戸口表基準での再計算の範囲を出すにせよ、ある程度近い数字になるように想像で範囲を指定するしかありませんでした。

改めて現時点で解決できない問題点としては

1.東京府伊豆七島、小笠原島の町村別人口の情報が完全に欠落している(明治23年版に関しても、大島、三宅島、八丈島、小笠原島内の町村の情報は欠落している)。
2.千葉県印旛郡の入寄留の内、入寄留の陸海軍在営艦者1713人の分配の情報がないため、志津村(陸軍砲兵射的学校)と佐倉町(陸軍第一師団歩兵第二連隊)の現住人口が確定できない(明治23年に関しては[103921]に示すように分配済)。
3.茨城県東茨城郡の出寄留の内、出寄留の囚人及懲治人に関する部分が虫食いのために判別できない箇所があり、一部の町村(石崎村、常磐村、河和田村、長岡村、上野合村、伊勢畑村、磯浜町)の現住人口を正確に算出できない。
【4】.北海道庁釧路郡に所属する町村(真砂町、米町、洲崎町、幣舞町、浦見町、釧路村、桂恋村、鳥取村、昆布森村、跡永賀村、仙鳳趾村)に関し、郡全体での他町村出寄留は4人となっているものの、町村別の他町村出寄留が空欄となっており、これらの町村のいくつかの現住人口を正確に算出できない。

この内、2に関連する入寄留の陸海軍在営艦者に関しては、『日本帝国民籍戸口表』収録の「各地方人口出入表」の方に府県別の集計があり、最終的に『日本帝国民籍戸口表』収録の「各地方郡市戸口表」の現住人口との差分から郡市別の入寄留の陸海軍在営艦者にまではたどり着けます。ところが、この情報と『陸軍省第三回統計年報』と比較したところ、いろいろおかしい点が出てきます。

まず、明治23年版に関しては、[103921]に示すように陸軍・海軍の在営艦者が全て分配されていますが、明治22年版に関しては、色々比較したところ、そもそも海軍の在営艦者が全て通常の入寄留として処理されており、実際に入寄留の陸海軍在営艦者として扱われているのは陸軍分のみです。

改めて明治22年の入寄留の陸海軍在営艦者を郡市区別で分配すると以下のようになります。残念ながら『陸軍省第三回統計年報』には、各部隊の総人員や階級別人員の情報は載っていても、実際に兵営に住んでいる兵員の情報が載っていないので、人口を分割することができません。また新しく発足した憲兵隊の場所の情報など、一部必要な情報が欠落しています。

府県郡区市[入]陸海軍在営艦者推定町村備考
東京府東京市麹町区5,608東京市麹町区代官町陸軍近衛歩兵第一第二連隊
東京市麹町区代官町陸軍近衛歩兵砲兵連隊
東京市麹町区代官町陸軍近衛軍楽隊
東京市麹町区外桜田町陸軍近衛歩兵第三第四連隊
東京市麹町区八代洲町陸軍近衛騎兵大隊
東京市麹町区八代洲町陸軍第一師団騎兵第一大隊
東京市麹町区永楽町一丁目陸軍第一師団輜重兵第一大隊
東京市麹町区内山下町二丁目陸軍第一師団騎兵第一大隊第三中隊
東京市麹町区有楽町二丁目陸軍軍楽基本隊
東京府東京市芝区3?東京憲兵隊?
東京府東京市麻布区1,413東京市麻布区新竜土町陸軍第一師団歩兵第三連隊
東京府東京市赤坂区1,502東京市赤坂区赤坂檜町陸軍第一師団歩兵第一連隊
東京府東京市牛込区2,036東京市牛込区市谷本村町陸軍第一師団砲兵第一連隊
東京府東京市下谷区3東京市下谷区下谷車坂町?東京憲兵隊?
東京府北豊島郡512北豊島郡岩淵町陸軍近衛工兵中隊
北豊島郡岩淵町陸軍第一師団工兵第一大隊
京都府紀伊郡337紀伊郡伏見町陸軍第五師団工兵第四大隊
大阪府大阪市南区4?大阪憲兵隊?
大阪府大阪市東区4,020大阪市東区法円坂町陸軍第四師団歩兵第廿連隊第三大隊
大阪市東区法円坂町陸軍第四師団歩兵第八連隊
大阪市東区法円坂町陸軍第四師団歩兵第廿連隊
大阪市東区法円坂町陸軍第四師団砲兵第四連隊
大阪市東区大手前ノ町陸軍第四師団輜重兵第四大隊
大阪府西成郡112東成郡清堀村陸軍第四師団騎兵第四大隊
清堀村が東成郡に移管されたことを無視し、誤って西成郡に加算してしまったと思われる
神奈川県三浦郡156三浦郡浦賀町陸軍要塞砲兵幹部練習所
兵庫県飾東郡1,568姫路市姫路本町陸軍第四師団歩兵第十連隊
姫路市の発足を無視し、誤って飾東郡に加算してしまったと思われる
長崎県長崎市16長崎市大黒町陸軍第六師団長崎分遺砲兵隊
長崎県下県郡187下県郡厳原村陸軍第六師団対馬警備隊
新潟県北蒲原郡1,520北蒲原郡新発田本村陸軍第二師団歩兵第十六連隊
千葉県東葛飾郡1,301東葛飾郡市川町国府堂陸軍教導団
千葉県印旛郡1,713印旛郡佐倉町佐倉城陸軍第一師団歩兵第二連隊
印旛郡志津村下志津原陸軍砲兵射的学校
群馬県西群馬郡1,478西郡馬郡高崎町陸軍第一師団歩兵第十五連隊
愛知県名古屋市4,319名古屋市南外堀町陸軍第三師団歩兵第六連隊
名古屋市南外堀町陸軍第三師団砲兵第十九連隊
名古屋市南外堀町陸軍第三師団砲兵第三連隊
名古屋市南外堀町陸軍第三師団工兵第三大隊
名古屋市南外堀町陸軍第三師団輜重兵第三大隊
愛知県渥美郡1,543渥美郡豊橋町陸軍第三師団歩兵第七連隊
滋賀県滋賀郡1,507滋賀郡大津町別所村陸軍第四師団歩兵第九連隊
宮城県仙台市2,715仙台市榴ヶ岡陸軍第二師団歩兵第四連隊
仙台市川内陸軍第二師団歩兵第十七連隊
仙台市川内陸軍第二師団砲兵第二連隊
仙台市川内陸軍第五師団工兵第二大隊
仙台市川内陸軍第二師団輜重兵第二大隊
宮城県宮城郡1,565?仙台市榴ヶ岡の陸軍第二師団歩兵第四連隊を宮城郡に誤って加算か?
青森県東津軽郡1,055東津軽郡筒井村陸軍第二師団歩兵第五連隊
石川県金沢市1,555金沢市大手町陸軍第三師団歩兵第七連隊
広島県広島市4,346広島市基町陸軍第五師団歩兵第十一連隊
広島市基町陸軍第五師団歩兵第廿一連隊
広島市基町陸軍第五師団砲兵第五連隊
広島市基町陸軍第五師団輜重兵第五大隊
広島市白鳥北町陸軍第五師団工兵第五大隊
香川県那珂郡1,598那珂郡丸亀(丸亀一番丁~五番丁)陸軍第五師団歩兵第十二連隊
愛媛県松山市1,559松山市堀内町陸軍第五師団歩兵第廿二連隊
福岡県福岡市1,527福岡市福岡城陸軍第六師団歩兵第廿四連隊
福岡県企救郡1,503企救郡小倉町陸軍第六師団兵兵第十四連隊
熊本県熊本市3,665熊本市二之丸町陸軍第六師団歩兵第十三連隊
熊本市二之丸町陸軍第六師団砲兵第六連隊
熊本市山崎町陸軍第六師団歩兵第廿三連隊
熊本市山崎町陸軍第六師団歩兵第廿三連隊第三大隊
熊本市山崎町陸軍第六師団騎兵第六大隊第一中隊
熊本市宮内町陸軍第六師団工兵第六大隊
熊本市古京町陸軍第六師団輜重兵第六大隊
熊本県託麻郡339?熊本市内の宮内町の陸軍第六師団工兵第六大隊か古京町の輜重兵第六大隊を託麻郡に誤って加算か?
沖縄県首里120首里当蔵村陸軍第六師団沖縄分遺歩兵隊
北海道庁亀田郡520亀田郡亀田町陸軍第二師団歩兵第五連隊第三大隊

ここでなぜか仙台市、熊本市で一部の入寄留の陸海軍在営艦者が、わざわざ近隣の郡に分割されている理由が不明です。

仙台市に関しては、明治18年時点で宮城郡南目村(のちに宮城郡原町)と仙台区榴ヶ岡(のちに仙台市)に渡って兵営が造営されていたことが確認できる陸軍第二師団歩兵第四連隊の分の取り扱いの問題と推測されますが(参考:『陸軍省第十一年報』)、熊本市/熊本区分に関しては、託麻郡内には兵営官舎がなく、小銃射的場ぐらいしか確認できず(参考:『陸軍省第十一年報』、何をどう間違えたらこうなるのかさっぱり分かりません。

というわけで、千葉県印旛郡の入寄留の陸海軍在営艦者を含め、明治22年12月31日付の現住人口に関しては、もう少し調査する必要があります。

【訂正】釧路郡の町村の他町村出寄留が空欄となっており、いくつかの町村の現住人口が正確に算出できていない可能性があることを【4】として追記
[104158] 2022年 4月 16日(土)12:01:04【4】訂正年月日
【1】2022年 4月 16日(土)12:11:34
【2】2022年 4月 16日(土)12:23:19
【3】2022年 4月 16日(土)12:38:28
【4】2022年 4月 17日(日)15:39:42
YT さん
明治22年の市区町村別人口まとめ(前半を終えて)
[103711]で書きましたように、総務省統計局図書館所蔵の『町村別戸口表』を使って明治22年12月31日付の市区町村別現住人口を再計算しておりますが、4月に入って全く手が付けらないほど忙しい状況になってしまっています。

現時点で集計を終えたのは、当時の府県順でいうところの東京府から宮城県、沖縄県、北海道、および特殊な離島を含む県(島根県、鹿児島県)までで、宮城県を除く東北、新潟県を除く北陸、島根県を除く中国、南海、長崎県と鹿児島県を除く九州などがまだ残っております。現時点でどうしても解決できない問題として残っているのは、

1.東京府伊豆七島、小笠原島の町村別人口の情報が完全に欠落している。

逆に島根県隠岐、長崎県壱岐・対馬、鹿児島県吐噶喇・奄美、沖縄県、北海道庁に関してはすべて情報が揃い、「官報掲載の現住人口」に相当するものもすべて補うことができました。

2.千葉県印旛郡の入寄留の内、「[入]陸海軍在営艦者」1713人の分配の情報がないため、志津村(陸軍砲兵射的学校)と佐倉町(陸軍第一師団歩兵第二連隊)の現住人口が確定できません(明治23年に関しては[103921]に示すように分配済)。


3.茨城県東茨城郡の出寄留の内、「[出]囚人及懲治人」に関する部分が虫食いのために判別できない箇所があり、一部の町村(石崎村、常磐村、河和田村、長岡村、上野合村、伊勢畑村、磯浜町)の現住人口を正確に算出できません。

なお「官報掲載の現住人口」と『日本帝国民籍戸口表』収録の「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」や「各地方郡市戸口表」などに掲載されいてる、「民籍戸口表掲載の現住人口」(仮称)との間には、以下の式が成立します。

・官報掲載の現住人口=本籍人口-[出]外国行-[出]他府県出寄留-[出]他郡区出寄留-[出]他町村出寄留-[出]失踪+[入]他府県入寄留+[入]他郡区入寄留+[入]他町村入寄留+[入]無籍在監人

・民籍戸口表掲載の現住人口=本籍人口-[出]外国行-[出]他府県出寄留-[出]他郡区出寄留-[出]他町村出寄留-[出]陸海軍在営艦者-[出]囚人及懲治人-[出]失踪+[入]他府県入寄留+[入]他郡区入寄留+[入]他町村入寄留+[入]無籍在監人+[入]有籍囚人及懲治人+[入]陸海軍在営艦者

・民籍戸口表掲載の現住人口=官報掲載の現住人口-[出]陸海軍在営艦者-[出]囚人及懲治人+[入]有籍囚人及懲治人+[入]陸海軍在営艦者

『町村別戸口表』に載っているデータは、本籍人口、[出]外国行、[出]他府県出寄留、[出]他郡区出寄留、[出]他町村出寄留、[出]陸海軍在営艦者、[出]囚人及懲治人、[出]失踪、[入]他府県入寄留、[入]他郡区入寄留、[入]他町村入寄留です。

[入]無籍在監人、[入]有籍囚人及懲治人に関しては、『日本帝国民籍戸口表』収録の「各地方在監有籍者及無籍者人口表」の方に監獄別集計があります。

[入]陸海軍在営艦者に関しては、『日本帝国民籍戸口表』収録の「各地方人口出入表」の方に府県別の集計があるばかりで、最終的には『日本帝国民籍戸口表』収録の「各地方郡市戸口表」の現住人口との差分から郡市別の[入]有籍囚人及懲治人にまではたどり着けます。明治23年に関しては[103921]に示したようにリストが存在します。

官報掲載の現住人口に関しては、離島や沖縄県と北海道を除き、すべて官報に市町村別人口が掲載されており、そのため『町村別戸口表』掲載の[出]外国行、[出]他府県出寄留、[出]他郡区出寄留、[出]他町村出寄留、[出]失踪、[入]他府県入寄留、[入]他郡区入寄留、[入]他町村入寄留、[入]無籍在監人などに虫食いの判別不能箇所があっても、官報掲載の現住人口と郡別の各項目の集計を駆使することで、誤った箇所や虫食いの箇所を補うことができます。

一方民籍戸口表掲載の現住人口に関しては、『日本帝国民籍戸口表』収録の「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」や「各地方郡市戸口表」からわかるのは1万人以上の都市、郡市別人口までで、1万人未満の都市に関しては集計がありあませんので、[出]陸海軍在営艦者と[出]囚人及懲治人に関しては虫食いがあった場合、官報掲載の現住人口から復元することができません。

また[入]陸海軍在営艦者に関しては現時点で町村別人口への分配を記した史料を入手できていませんので、同一郡内に複数の軍の施設があり、いずれも現住人口1万人未満であれば、郡別人口からさらに町村別へ現住人口を分配することができません。


とりあえず、明治22年の現住人口として広く出回っている数値にかなりの計算間違いがあったので、本籍人口、官報掲載の現住人口、日本帝国民籍戸口表の「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」等(香川県、沖縄県、北海道に関しては『明治四十一年十二月三十一日 日本帝国人口静態統計』収録の「人口一万人以上ノ市町村現住人口 (自明治十九年末至同四十一年末)」により数字を補った)に掲載の現住人口の3種類について、新たに『町村別戸口表』掲載の本籍人口、『町村別戸口表』から再計算した官報掲載基準の現住人口、日本帝国民籍戸口表基準で再計算した現住人口について、数値が正しかった分も含めて以下にまとめてみます。

【注意:まだ手を付けていない東北や西日本の府県の都市については再計算比較をしておりませんので、下の表はまだ完璧ではありません。】

市町村「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」等掲載の本籍人口官報掲載の現住人口「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」等掲載の現住人口町村別戸口表等掲載の本籍人口現住人口(官報基準での再計算)現住人口(日本帝国民籍戸口表基準での再計算)備考
東京市817,2081,378,1321,389,684817,2081,378,1321,389,684
荏原郡品川町12,58617,22117,10812,58617,22117,166「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は他町村出寄留44、他町村入寄留102を加除せず
南足立郡千住町11,58414,02214,01011,58414,02214,010
京都市256,452279,165279,792256,452279,165279,792
紀伊郡伏見町16,34917,19717,50316,34917,19717,508「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は他町村出寄留39、他町村入寄留44を加除せず
堺市42,95947,88348,16542,95947,88348,165
大阪市327,682473,417476,271327,682473,417476,271
西成郡難波村23,74125,70125,61723,74125,70125,617
西成郡曽根崎村10,55711,19111,16110,55711,19111,161
東成郡天王寺村13,52914,75414,69913,52914,75414,673「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は他町村出寄留83、他町村入寄留57を加除せず
東成郡東平野町10,18612,28112,10210,18612,28112,249「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は他町村出寄留28、他町村入寄留175を加除せず
三浦郡横須賀町17,08617,17124,3669,80617,17117,086「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は本来の現住人口を本籍人口17,086(男8,474、女8,612)として重複算出
三浦郡浦賀町13,01613,54613,62513,01613,54613,625
足柄下郡小田原町15,14813,85613,84515,14813,85613,845
横浜市65,372122,143121,98565,372122,143121,985
久良岐郡戸太村10,32310,33915,2536,15610,33911,086「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は本来の現住人口を本籍人口10,323(男5,238、女5,085)として重複算出
橘樹郡神奈川町13,50315,88215,38213,50315,88215,859「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は計算間違いか(詳細不明)
南多摩郡八王子町13,99821,72121,55513,99821,72121,754「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は計算間違いか(詳細不明)
神戸市89,363134,901135,63989,363134,901135,639
武庫郡西宮町11,60511,28611,22911,60511,28611,229
川辺郡尼ヶ崎町13,65613,62413,58013,65613,62413,592「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は修正前の他郡市出寄留86、他郡市入寄留102で算出
姫路市24,52925,54227,05524,52925,54227,055「各地方郡市戸口表」掲載の現住人口25,487は姫路市姫路本町在営の陸軍第四師団歩兵第十連隊1,568を飾東郡に加算
明石郡明石町19,27019,79019,81919,27019,79019,819
長崎市39,03454,63555,06339,03454,63555,063
南高来郡西有家村10,54410,50110,45410,54410,50110,454
新潟市43,91145,86146,35343,91145,86446,353官報掲載の現住人口は新潟監獄の無籍在監人3を加算せず
北蒲原郡新発田町11,21310,89410,95611,22610,89412,395「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は他郡市出寄留623、他郡市入寄留529、陸軍第二師団歩兵第十六連隊1,520を加除せず、また本籍人口11,213(男5,689、女5,524)が異なる
中頸城郡高田町20,20420,12220,19120,20420,12220,091「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は計算間違いか(詳細不明)
雑太郡相川町12,11313,21313,24912,11313,21313,234「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は他町村出寄留38、他町村入寄留23を加除せず
入間郡川越町16,64818,65117,98816,64818,65118,766「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は他町村出寄留258、他町村入寄留1,036を加除せず
大里郡熊谷町8,37810,71410,5718,37810,71410,780「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は他町村出寄留213、他町村入寄留422を加除せず
千葉郡千葉町14,40821,59922,25914,40821,59922,259
東葛飾郡船橋町11,41911,63911,62611,41911,63911,626
香取郡佐原町10,39711,49511,48110,39711,49511,481
海上郡本銚子町16,98815,58715,55616,98815,58715,556
結城郡結城町9,24310,28310,2719,24310,28310,271
水戸市23,20325,08825,59123,20325,08825,591
那珂郡湊町10,64011,24110,57310,64011,24111,229「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は計算間違いか(詳細不明)
新治郡石岡町9,22510,49810,4809,22510,49810,480
新治郡土浦町8,78610,61010,7548,78610,61010,825「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は他町村出寄留44、他町村入寄留115を加除せず
東群馬郡前橋町21,38727,51228,11521,38727,51228,115
西群馬郡高崎町17,93823,99324,18217,93823,99325,660「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は陸軍第一師団歩兵第十五連隊1,478を加算せず
山田郡桐生町12,56317,59317,50412,56317,59317,557「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は他町村出寄留193、他町村入寄留246を加除せず
河内郡宇都宮町23,62929,42430,69823,62929,42430,060「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は修正前の他郡市出寄留383、他町村出寄留152、他郡市入寄留2225、他町村入寄留1138で算出
上都賀郡足尾町1,90111,86911,8151,90111,86911,862「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は他町村入寄留47を加算せず
下都賀郡栃木町15,85119,07319,05515,85119,07319,055
安蘇郡田沼町10,68810,67710,66110,68810,67710,661
足利郡足利町12,16113,93513,92412,16113,93513,924
添上郡奈良町22,00524,27424,45922,00524,27424,459
添下郡郡山町13,33512,82812,80413,33512,82812,804
阿拝郡上野町12,53112,92012,94112,53112,92012,941
津市22,49523,51628,15622,49527,62928,156官報掲載の現住人口は計算間違いか(詳細不明)
桑名郡桑名町15,69317,91217,89015,69317,91217,890
三重郡四日市町13,77817,38417,53113,77817,38417,531
飯高郡松阪町11,04113,07013,04011,04113,07013,040
度会郡宇治山田町24,64827,12227,36524,64827,12227,365
名古屋市135,126157,505162,767135,126157,505162,767
愛知郡熱田町17,89718,31018,27617,89718,31018,276
中島郡一宮町10,56710,85510,84010,56710,85510,840
海東郡津島町11,34611,62011,59411,34611,62011,594
額田郡岡崎町12,92515,78516,03412,92515,78516,034
渥美郡豊橋町8,79412,37913,9118,79412,37913,911
敷知郡浜松町13,16313,63013,85713,16313,63013,857
静岡市39,26137,72437,66439,26137,72437,664
駿東郡沼津町11,26610,23010,30011,26610,23010,302「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は計算間違いか(詳細不明)
有渡郡長田村10,47210,24110,21810,47210,24110,218
甲府市22,62230,76331,13522,62230,76331,135
南巨摩郡増穂村10,10710,07510,06710,10710,07510,067
滋賀郡大津町24,44430,92029,94124,44430,92032,365「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は他町村出寄留157、他町村入寄留1,074、陸軍第四師団歩兵第九連隊1,507を加除せず
犬上郡彦根町19,73717,92817,56819,73717,92817,973「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は他町村出寄留446、他町村入寄留851を加除せず
岐阜市19,19026,23327,08919,19026,23327,089
安八郡大垣町19,32820,10321,64018,23420,10320,063「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は計算間違いか(詳細不明)、また本籍人口19,328(男10,281、女9,047)が異なる
大野郡高山町15,38515,42614,77516,02315,42615,426「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は計算間違いか(詳細不明)、また本籍人口15,385(男7,632、女7,753)が異なる
小県郡上田町14,31517,03317,24214,31517,03617,196「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は他町村出寄留829、他町村入寄留783を加除せず、また官報掲載の現住人口は上田監獄の無籍在監人3を加算せず
下伊那郡飯田町11,45812,48512,54411,45812,48712,544官報掲載の現住人口は飯田監獄の無籍在監人2を加算せず
東筑摩郡松本町25,69125,77329,31922,27225,77425,958「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は計算間違いか(詳細不明)、また本籍人口25,691(男13,199、女12,492)が異なり、官報掲載の現住人口は松本監獄の無籍在監人1を加算せず
上水内郡長野町22,90126,34528,98018,57326,35226,810「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は計算間違いか(詳細不明)、また本籍人口22,901(男10,565、女12,336)が異なり、官報掲載の現住人口は長野監獄の無籍在監人7を加算せず
仙台市66,35086,50590,23166,35086,50491,796「各地方郡市戸口表」掲載の現住人口は仙台市榴ヶ岡在営の陸軍第二師団歩兵第四連隊1,565を宮城郡に加算、また官報掲載の現住人口は計算間違いか(詳細不明)
牡鹿郡石巻町16,52816,94416,97416,52816,94416,920「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は他町村出寄留150、他町村入寄留96を加除せず
松江市35,65835,70135,93435,65835,70135,934
佐賀市25,50626,05526,40125,50626,05526,401
南諸県郡志布志村16,64316,83916,76416,64316,83916,764
姶良郡加治木村11,08911,18311,10811,08911,18311,108
東囎唹郡末吉村10,44810,53610,52210,44810,53610,522
南大隅郡垂水村13,40713,28413,25213,40713,28413,252
熊毛郡北種子村10,26110,48610,52710,26110,48610,527
鹿児島市57,16257,75057,46557,16257,75057,465
鹿児島郡伊敷村15,32414,58614,51215,32414,58614,512
鹿児島郡吉野村10,62710,40110,30610,62710,40110,306
谿山郡谷山村24,87924,37724,24824,87924,37724,248
給黎郡知覧村14,79114,82414,79314,79114,82414,793
給黎郡喜入村10,1379,8409,78410,1379,8409,784
揖宿郡指宿村14,59514,54814,51714,59514,54814,517
頴娃郡頴娃村19,45419,52819,50019,45419,52819,500
川辺郡川辺村14,04613,71313,68214,04613,71313,682
川辺郡加世田村13,86413,56313,52613,86413,56313,526
川辺郡東加世田村11,65211,47311,44811,65211,47311,448
川辺郡西加世田村13,62813,57313,54713,62813,57313,547
川辺郡東南方村19,01519,05619,00719,01519,05619,007
川辺郡西南方村10,56710,50910,49910,56710,50910,499
日置郡串木野村18,12117,98417,94018,12117,98417,940
日置郡東市来村11,77511,54911,52211,77511,54911,522
阿多郡伊作村15,01714,54814,50715,01714,54814,507
高城郡水引村9,89910,07110,0919,89910,07110,126「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口は他町村入寄留35を加算せず
出水郡上出水村10,95711,64911,61810,95711,64911,618
出水郡阿久根村14,78414,85214,81414,78414,85214,814
那覇40,21235,94740,22040,212
首里26,20526,44926,10226,205
島尻小禄間切12,10811,85711,92012,108
島尻大里間切10,55210,65110,55210,552
中頭西原間切11,80411,99011,80611,804
中頭中城間切14,85715,08314,85914,857
中頭読谷山間切10,47310,55010,47610,473
中頭美里間切10,85410,86110,85410,854
中頭具志川間切11,22011,22411,22811,228日本帝国人口静態統計掲載の現住人口は計算間違いか(出入を反転?)
国頭本部間切11,93911,88511,93911,939
国頭今歸仁間切10,49410,43410,49710,494
宮古島砂川間切13,79413,66613,79413,794
函館区33,82152,90933,82152,97952,909
松前郡[福山市街三十四箇町]12,03111,06312,04712,031
檜山郡[江差市街二十六箇町]13,7989,77213,89913,886日本帝国人口静態統計掲載の現住人口は他町村出寄留109、他町村入寄留190、江差分署の囚人7を加除せず
小樽郡[小樽市街二十九箇町]12,6297,81912,61412,606日本帝国人口静態統計掲載の現住人口は他町村出寄留508、他町村入寄留485を加除せず
札幌区10,02916,87610,02916,87716,876

官報掲載の現住人口が基本間違いが少ないのですが、たまに無籍在監人の追加を忘れていることがあります。あと、府県別に担当者が違うみたいで、岐阜県に関しては例外的に計算間違いが多かったです。

一方の「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」等掲載の現住人口は間違いだらけ!特に神奈川県横須賀町の計算間違いは意図的な水増しを疑ってしまいます。

【用語等を追加修正】


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