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YTさんの記事が5件見つかりました

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[110170] 2024年 3月 8日(金)23:36:50YT さん
身近になりつつある生成AI
最近リアルの仕事の方が忙しくて、標高の算出の方もほぼ1か月ストップ状態です。ですが [110142] [110143] [110144] の記事についての話題が出ているので、ちょっと便乗して投稿します。

件の投稿は斜め読みしただけで、私も余り内容を精査していませんでした。ただ読んで感じたのは、何かかなりふわっとした内容で、いい加減そうだけどご新規さんが増えるのはいいかな?程度に思っていました。1つ目の話題については、明治初期の府県統合、熊谷県を含む周辺府県との県境の変更、楫取素彦(大河ドラマ「花燃ゆ」の主人公の旦那)が関わった政治的なもの、などの話題が出ていない時点で考察不十分と思い、斜め読みでした。2つ目の話題については、関西、関東だけで文化類型を二分するのは実情に合わずダメだと思っているので、内容すら読んでいませんでした。3つ目の話題は・・・こちらも違和感に気付かずスルーしてしまいました。

で、生成AIですが、もうこれは私にとって身近な存在になりつつあります。

私の本職は、ここでの書き込みとは全く関係のない分野を専門とする教員(と言っても下っ端)なのですが、ここ数年、留学生が出してくる願書の一部におそらく生成AIで書いたのではないかと思われる内容のものが多数存在します。なんかそれっぽい専門用語がちりばめられているのですが、英語であろうが日本語であろうが通して読むと首をかしげるような内容で、こんな意味の通らない文章を書いて大丈夫?となります。まあ願書だけで合否を判定することはないのですが、そういう願書を出す人は面接をしてみても、質疑応答の場でボロが出てきて全然専門が分かっていないことが丸わかりとなります。筆記試験の方も合格ラインに達することはありません。

また講義のレポートについて、それを読んで平等に優上・優・良・可(奨学金にも関わるし、文科省から上位の成績の割合が決められている)の点数をつけなければならない雑用担当なのですが、そのために内容を読んでみると、ああ、これは分かっていないで適当に文章繋げて書いているな?というのが多数あり、おそらく生成AIを使っていると思われます。もちろん疑惑だけで不可にはしませんが、優上や優に相当する成績を与えない判断にはなります。正直大学の授業のレポートなんて、大部分は出席点のかわりだったりするので、生成AIに任せて提出したとしても、まあバレないかも知れません。しかしながら世の中にオープンとなる文章の方は、見る人が見れば恥ずかしい内容となり、その道の専門家にはバレてしまうものなのです。
[110064] 2024年 2月 17日(土)15:08:01【6】訂正年月日
【1】2024年 2月 17日(土)15:23:40
【2】2024年 2月 17日(土)16:34:52
【3】2024年 2月 17日(土)17:14:43
【4】2024年 2月 17日(土)17:37:36
【5】2024年 2月 17日(土)19:49:04
【6】2024年 2月 18日(日)01:32:36
YT さん
標高の誤差の問題
[110053] スカンデルベクの鷲 さん

国土地理院HPによると、独立標高点の高さ精度は、3.3m以内(標準偏差)と案内されています。これに基づくと、標高点の値を信じてよいかどうかはともかく、佐久島における約4メートルの誤差も、大きすぎるということはないのではないかと思います。

高さ精度
 ズームレベル15~17に記載の独立標高点の高さ精度は、3.3m以内(標準偏差)となっています。また、ズームレベル15~18に記載の等高線の高さ精度は5m以内(標準偏差)となっています。

そこの文章を見落としていました・・・というか、標高点の誤差の余りの大きさに衝撃を受けました。となると航空レーザ測量や写真測量の方が信頼が高いということになるのでしょうか?まあ三角点が近所にあるかどうかで状況が変わるのでしょうが・・・

一応誤差をまとめると以下の通りとなるようです。この内水準点は主要街道沿いなどに置かれるので余り山の標高とは関わり合いがありません。DEM1Aも山間部では本とんど測定されず、関係あるのは三角点、標高点とDEM5A以下です。

種類高さ精度(標準偏差)
1級水準点0.002 m
2級水準点0.005 m
3級水準点0.001 m
4級水準点0.002 m
簡易水準点0.04 m
DEM1A格子内に航空レーザ計測点がある場合)0.03 m
三角点0.1 m
DEM5A(格子内に航空レーザ計測点がある場合)0.3 m
DEM5B0.7 m
DEM5C1.4 m
DEM1A、5A(格子内に航空レーザ計測点がない場合)2.0 m
DEM10A, 火山基本図の等高線2.5 m
標高点3.3 m
DEM10B, 地形図の等高線5 m

今改めて北海道、本州、四国、九州、沖縄島の本土五島の最高点付近の標高点、三角点、基盤地図情報による最高点の標高を調べると、以下の通りです。

三角点
標高 (m)
三角点種類三角点名標高点
標高 (m)
山名 <山頂名>標高点と三角点の
水平距離 (m)
基盤地図情報の
最高点標高 (m)
数値標高
モデルの種類
最高点
の場所
北海道2,290.93一等三角点瓊多窟大雪山<旭岳>02,290.6DEM5A三角点近傍
本州3,755.51二等三角点富士山3,776富士山<剣ヶ峯>173,774.4DEM5A標高点近傍
四国1,920.94三等三角点石鎚山1,982石鎚山<天狗岳>8101,975,1DEM5A標高点近傍
九州1,788.50一等三角点久住山1,791くじゅう連山<中岳>8751,789.7DEM5A標高点近傍
沖縄島498.00一等三角点与那覇岳503与那覇岳116502DEM10B標高点近傍

この内、現時点で問題ないのは、標高点が置かれていないもののの、三角点が事実上の山頂となっている北海道大雪山旭岳です。三角点の標高も基盤地図情報の標高も四捨五入すればどちらも2291メートルとなります。

他の四島はいずれも三角点と標高点が異なり、また基盤地図情報による最高点が標高点に近いにも関わらず、標高点の標高よりもやや低い傾向があります。

まずは富士山。富士山の標高点は実のところ測定点でもありますので、ここは標高点の数値の方が信頼できるはずですが、実のところ富士山の標高点の標高としてしばしばネット上にみられる「3776.12メートル」の公的なソースが見つかりません。ただ詳しく調べると、まず富士山の標高点に関しては、国土交通省中部地方整備局富士砂防事務所の公式サイトに以下の記述があり、富士山の標高点の標高が測定されたのは平成3年(1991年)のことであることが分かります。

富士山の高さは一般に3,776mと言われていますが、剣が峰の最高点の標高は平成3年の測量成果(国土地理院)によると3,776.24mです。(又、剣が峰近くの二等三角点の測定結果は3,775.63mです。)

国土地位院のホームぺージによると、その後富士山には2002年9月12日付で電子基準点が設置されています。その電子基準点は標高点の位置に建てられており、電子基準点の標高(アンテナ底面)は3777.5メートルということになります。電子基準点は地面に3メートルほどの高さの棒が突っ立てられるため、実際の地面の標高よりもアンテナ底面は2.5メートルほど高くなります。

一方国土地理院は全国の三角点の標高を水準測量に整合した体系とするため、平成26年(2014年)4月1日に三角点の標高成果を改訂しています(基準点成果等閲覧サービスでは2014年3月13日付で一斉に改算されています)。その結果富士山の三角点は、3,775.63メートルから3,775.51メートルと、12センチ低くなっています。どうやら3,776.12メートルという数字は平成3年に測定された標高3,776.24メートルを、平成26年の標高改算によって12センチメートル低くなったため、それに併せて12センチメートルを減じて得た数字のようです。

現在の富士山の三角点自体は、「富士山の高さ」(地質ニュース, 2003, (10), pp. 23-50)によると、

12) 富士山山頂剣ヶ峰の二等三角点「富士山」も設置後30年あまりを経て,第11図のとおり周囲の岩石が崩れ,標石の大部分が露出する状態になってしまいました.そこで昭和37年9月に改埋(第12図)しました.改埋は,再び崩れるおそれがない高さまで低くして標石を埋め直すのが普通で,「低下改埋」といいます.これは,標石の水平位置を変えずに高さだけ低くする方法をとります.しかし日本一の富士山の標高3,776mの変更について,当時の報告書は「内外国に与える影響が大きいため,m単位にて現成果を維持出来る様に66.2cmの低下をし,3775.628≒3776mとした」とあり,低くした標石の周囲に石を積み,貴重な水でコンクリートを練って固め,3,775.63mという値に収めたことが伺い知れます.

以上、大雑把に富士山の山頂標高が3776メートルとなった1926年以降の標高の改訂の歴史をまとめると:

西暦三角点標高点電子基準点
(アンテナ底面)
電子基準点
付属標
備考
19263,776.293,776.44関東大震災の地殻変動を受けての復旧測量で、山頂は15センチ三角点よりも高い
19623,775.633,776.44三角点の改埋による測量(3,775.628m)
19923,775.633,776.24標高点の測定
20023,775.633,776.243,777.53電子基準点設置(9月12日)※
20033,775.633,776.243,777.533,775.02電子基準点付属標観測(8月17日)※
20143,775.513,776.123,777.413,774.90三角点改算(三角点は3月13日付改算、電子水準点は3月20日付改算、プレスリリースは4月1日付改算)

※電子基準点設置当時のプレスリリースでのアンテナ面の標高の公表値は3,777.5メートルと小数第一位まで。また電子基準点に付属標が取り付けられたのは2003年のことだが、その時はプレスリリースが出ていないため、2002年と2003年の電子基準点関連の標高は2014年の改算後の数値から逆算(【訂正はほぼすべて富士山の電子基準点がらみについて】)。

調べてみると、富士山の三角点は、最後に改測されたのが1962年と結構前のことで、2014年はあくまでも数値の改算です。標高点も1992年に測量されたのが最後で、2014年は三角点の改算による数値の改訂です。ただ、富士山の場合は電子基準点があるので、航空レーザ計測によるDEM5Aもそれなりに正確になるはずです。にも拘わらず、標高点付近のDEM5Aによる最高点の標高は3774.4メートルに留まっています。DEM5Aが建物と地面を識別するアルゴリズムに問題があるのかどうかは分かりませんが(電子基準点の柱のせいで、三角点や標高点付近の地面の標高が低く見積もられてしまっている?)、DEM5Aはある程度地面を平均化してしまい、狭い範囲での極大値を出すことができないのかも知れません。

沖縄島の与那覇岳の場合、標高点は三角点から116メートル離れていますが、DEM10Bによる最高点は、標高点の近傍で502メートル。ただDEM5Bは標高点よりも誤差が大きいので、標高点の標高503メートルで問題ありません。

残るは四国の石鎚山天狗岳と、九州のくじゅう連山中岳です。どちらも三角点から800メートル以上離れた位置に標高点が設置されており、標高点の誤差も大きそうです。くじゅう連山中岳の場合、DEM5Aによる最高点の標高が1790メートル、標高点による標高が1791メートルです。まあ誤差範囲ですが、富士山の事例を見るように、DEM5Aの方が実際よりもやや低く見積もられる原因があるようですので、標高点の1791メートルを最高点として問題なさそうです。

そして問題となるのが四国の石鎚山天狗岳です。実は石鎚山の場合、天狗岳のほかに南尖峰もまた標高1982メートルで、メートル単位での標高点が2箇所あります。一方DEM5Aを利用すると、南尖峰の方が1974.9メートルとやや低く、天狗岳の方に1975.1メートル地点を見つけることができます。まあそれよりも、1975メートルという数字が標高点の標高とされる1982メートルに比べて7メートルも低く出ている点です。DEM5Aの標準偏差が2.5メートル、標高点の標準偏差が3.3メートル、かつDEM5Aがやや低めに出る傾向があるとしても、7メートルも違うとなると、標高点とDEM5Aのどっちを信じた方が良いの?という問題が出てきます。

まあ取り留めもなく書きましたが、今のところDEM5Aの最高点の標高が近傍の標高点の標高を下回ることの方が普通で、DEM5Aの最高点の標高が近傍の標高点の標高を上回ることの方が希(今のところ125箇所ほど調べて、三角点が最高点なのが約50箇所、標高点が最高点なのが約30箇所(これらはすべてDEMの方が低く出ている)、三角点近傍にDEMによる最高点が存在するのが25箇所、標高点から離れた位置にDEMによる最高点が存在するのが16箇所、標高点の設置されていない三角点近傍に最高点が存在する(佐久島や大黒島などのケース)が3箇所)な点です。「標高点の方が極大値を正確に判定できている」、しかしながら「DEM5Aの方が標高点よりも誤差が少ない」となると、標高点による標高とDEM5Aの最高点による標高に大きな違いが生じた場合、今後は何も考えずに両者を比べてより高い方を採用するという方が正解かも知れません。
[110047] 2024年 2月 13日(火)11:10:00【2】訂正年月日
【1】2024年 2月 13日(火)11:29:20
【2】2024年 2月 13日(火)13:31:40
YT さん
海岸線延長、さらなる問題点
[109976] futsunoおじ さん

「自治体の最高点」での最高点の求め方は地理院地図に記載の三角点・標高点などの数値と地図中央の”+”カーソル位置の標高を比較して高い方を採用するといった単純なもので、何か克服したというものではありません。「DEM5A」「DEM10B」などの意味も考えず使っています。

ありがとうございます。現状では標高点から10メートル程度以内に基盤地図情報による最高点がある場合には、仮に最高点の方が標高が高くても標高点の標高を優先し、それよりも離れている場合には、より標高の高い方の情報を採用することにします。

海岸線延長についても悩んでおられるようですが地図の精度が向上して、より細かい凹凸が表示されるようになるにつれ海岸線が長くなる傾向はあるかなと思います。海岸線延長については出所を明示して適当と思われる値を利用することで良いのではないでしょうか。

おっしゃる通りです。

ちなみに[110035]であきごん さんが求められた円形度について、
(A) 新版 日本の島事典 (2022年)
(B) 2021 離島統計年報 (2023年)
(C) 新版 日本の島ガイド SHIMADAS (シマダス) (2019年)
(D) 2003 離島統計年報 (2004年)
で比較すると、ここまで数字に違いがでます(なお桜島はいずれの文献でも島扱いされていない)。

島名面積
(km2)
文献(A)
海岸線延長
(km)
文献(A)
円形度
文献(A)
面積
(km2)
文献(B)
海岸延長
(km)
文献(B)
円形度
文献(B)
面積
(km2)
文献(C)
周囲
(km)
文献(C)
円形度
文献(C)
面積
(km2)
文献(D)
海岸延長
(km)
文献(D)
円形度
文献(D)
南大東島30.52316925.2330.60230.5324.10.66130.5221.20.85330.5721.20.855
多良間島※19.80810623.2320.46119.8120.90.57019.8120.90.57021.8826.20.401
利尻島182.08744786.5670.305182.0964.00.559182.1264.00.559182.1565.10.540
三宅島55.19531855.0020.22955.2138.40.47155.2038.40.47055.4438.30.475
屋久島504.294137167.8150.225504.29126.70.395540.48126.70.423504.56126.70.395
島後241.531788180.9640.093241.55209.90.069242.83209.90.069241.58211.00.068
※2003離島統計年報の多良間島(19.73km2)の海岸延長(26.2km)は、水納島(2.15km2)を含むため、合計の面積で円形度を算出。


基本的に面積には大きな違いはありませんが、海岸線延長(島事典では解説編で「海岸線」、データ編で「海岸線延長」、離島統計年報では「海岸延長」、SHIMADASでは「周囲」と表記)では、日本の島事典とその他3つとの間の大きな差があります。

日本の島事典では、以下の解説があり、独自に面積と海岸線、標高を出したと伺えます。
面積については日本の島事典の数値はかなり信用が高く、国土地理院が公表していない1km2未満の島の面積については、現状もっとも信頼できると思われます。標高については、日本の島事典は基盤地図情報の利用が限定的であるため、データの確認が必要です。

●無人島データについて
【面積】 km2 【海岸線】 km 【標高】 m
国土数値情報によるが、記載のないものについても読者利益を図るために国土地理院の『地理院地図』(https://maps.gsi.go.jp )のデータツール機能を用いて、概要を仮測定している。それでも不明な場合は低島または「―」記載にした。海岸延長は島が島である基本情報であり、海から受ける影響度・利用・海との相互作用的近接性の指標そのものである。公的島基準もその長さで線引きしてきた。高島は目印や生態系多様性に関わり、また低島であっても領海・EEZ基点や渚生物の生態系環境保全上重要な干潟等であったりする。そこで可能な限り、それらのデータを洗い出した。
(中略)
●有人島データについて
【面積】 km2 【海岸線】 km 【標高】 m
無人島と同様。

一方SHIMADSの周囲の数値は、おそらく過去の離島統計年報の海岸延長を引用していると思われます。肝心の離島統計年報の掲げる海岸延長数字に関しましては、例えば2021離島統計年報では:

海岸延長は,国土交通省水管理・国土保全局の海岸統計調査(平成27年3月31日)等に基づく数値である。

2003離島統計年報では:

海岸延長は,「海岸統計平成12年度版」(国土交通省河川局編)による全国の総海岸延長である。

とは書いてあるのの、国交省の海岸統計には市区町村別まで海岸線延長の数字が示されており、「「離島振興法」に係る海岸線延長」という項目からある程度割り出すことは可能なのですが、個々の島の海岸線延長まで算出することはできません(参考[109921])。

とりあえず、手元にある令和2年度海岸統計によると、利尻町の延長は25.256km、利尻富士町の延長は38.743kmとあり、合計すると63.999kmとなっており、確かに離島統計年報が採用している64.0kmと一致しました。つまり離島統計年報やSHIMADASの数字は国交省系の数字で、独自に算出している日本の島事典の数字との違いは、「自然な海岸線」の解釈違いということになるのでしょうか?

日本の島事典はほとんどの島について海岸線延長の数値が得られるので便利ですが、国交省系の公的な数値との大幅な違いがあるということを念頭に入れないといけない・・・というあまり〆のない結論に達しました。

【追記】データを見返したら島後に関しては、国交省データよりも日本の島事典の方が低く出ていますね。国交省の令和2年度海岸統計によると隠岐の島町の延長が210.685km(全体が「「離島振興法」により指定された地域における海岸線延長」となっている)であり、それがそのまま島後の海岸延長として採用されているようですが、国交省データは無人の大森島(0.296496km2, 3.172 km)などは海岸延長に含めないのか?などと色々な疑問が出てきます。
[109965] 2024年 2月 6日(火)01:21:33【5】訂正年月日
【1】2024年 2月 6日(火)02:00:10
【2】2024年 2月 6日(火)11:16:47
【3】2024年 2月 6日(火)11:20:16
【4】2024年 2月 6日(火)20:45:29
【5】2024年 2月 7日(水)03:00:36
YT さん
標高点、三角点、最高点(最高地点)に関する問題
[109921]でも述べたように、有人島や面積1km2の島について、海岸線延長と最高点をまとめようとしているところですが、最高点(最高地点)についていろいろ問題があり、作業が滞っています。

まず国土地理院地図には、原則としてメートル単位で小数第1位まで表示されている三角点の標高と、原則としてメートル単位で整数値が示されている標高点があります。三角点は実際には小数第2位まで数字が存在しますが、これについては基準点成果等閲覧サービスを使えば、小数第2位の数字が入手可能です。

なお標高点に関しては、一応国土地理院の説明によると

標高点には、「現地測量による標高点」と「写真測量による標高点」があります。
現地測量による標高点とは、地図を作るときに現地で測量した点のことをいい、地図を使う人にそこの高さを教えるためにメートル以下1位までを表示しています。
写真測量による標高点とは、地図を作るときに空中写真を使って写真測量をおこなった点のことをいい、地図を使う人に高さを教えるためにメートルまでを表示しています。

ということで、三角点でなくともメートル単位で小数第1位まで表記されている標高点も存在するようですが、具体的な例は見つけておりません。

一方基盤地図情報を使えば、航空レーザ測量などに基づく詳しい地形情報が得られます・・・とは言ってもこれらのデータをダウンロードしても私には見方が分かりません。国土地理院地図の方でも標高は小数第1位(DEM10A以下では整数値)まで出せますが、その最大値を出すのは大変です。また国土地理院地図の「地図の種類」から「自分で作る色別標高図」の機能を使うと、自動的に最大値と最小値からグラディエーションを生成することが可能ですが、デフォルトでは0.5メートル単位でしか刻めません。

そこであきらめて基盤地図情報でダウンロードできる情報の使い方などを色々調べてみたところ、「地理院地図の「自分で作る色別標高図」の標高値を0.1m刻みで設定できるサンプルサイト」という便利なツールを提供しているところがありました。これにより地理院地図上で標高を刻むことにより、基盤地図情報による標高の最大値を出すことが可能となりました!

そこで早速色々島の情報を調べてみたのですが、色々問題があることが分かりました。


1.ユルリ島(北海道根室市)の場合
ユルリ島には二等三角点「由留利島」があり、その標高は基準点成果等閲覧サービスによると42.21メートルです。しかしながらDEM5Aによると、三角点から約30メートル程西に離れた場所に標高42.6メートルの地点が存在します。三角点が最高点とは限らない原則に立ち返れば、ここの最高点の標高としては43メートルを採用します。


2.大黒島(北海道厚岸町)の場合
大黒島には標高102.34メートルの三等三角点「大黒島」がありますが、ここが最高点ではなく、別に標高105メートルの標高点が存在します。しかしながらDEM5Aによると、標高点から10メートル以内の近傍が存在します。これを採用すると107メートルなのですが、ここで標高点と、基盤地図情報のどちらを信用するかという問題が発生しますが、そもそも標高点は写真測量などによって決めたもので、内容的には航空レーダーを使っているDEM5A(誤差0.3メートル以内)の方が上位な気もしますが、この誤差については

※1 格子内に航空レーザ計測点(グラウンドデータ)がある場合の精度。無い場合は2.0メートル以内。

との脚注があり、写真測量(例えばDEM5Bの場合の誤差は0.7メートル以内)の方が誤差が少なくなるようにも読み取れます。色々迷いましたが、この場合は標高点の方の数字である105メートルを採用します。


3.天売島(北海道羽幌町)の場合
天売島には標高183.49メートルの一等三角点「天売島」がありますが、国土地理院地図上では183.5メートルと表記されます。つまりメートル単位では国土地理院地図上の表記(183.5メートル)と基準点詳細(183.49メートル)の間で丸め誤差が発生してしまいますが、183.49メートルという数字が存在してしまうことが分かった以上、ここでは標高183メートルを最高点の標高採用するべきでしょう。一方DEM5Aでは三角点の標高は182.3メートルで、三角点から北東に約700メートルも離れた位置に標高182.7メートルの最高点が存在していることになっています。まあこの地点は三角点の標高よりも低いので採用しませんが、四捨五入してしまえば同じ183メートルとなります。


4.八丈島(東京都八丈町)の場合
八丈島には二等三角点「八丈富士」があり、その標高は基準点成果等閲覧サービスによると854.25メートルです。しかしながらDEM5Aによると、三角点(DEM5Aでは近傍に標高853.1メートル)から北西に約400メートル離れた場所に標高856.6メートルの地点が存在します。三角点が最高点とは限らない原則に立ち返れば、八丈島の最高点の標高は857メートルを採用します。この場合一般的に知られている八丈富士の標高854メートルよりも3メートルも高くなってしまいます。


5.天神島(神奈川県横須賀市)の場合
天神島には標高20.15メートルの四等三角点「佐島」があり、そこが『新版 日本の島事典』などでは最高点として採用されています。しかしながらこの三角点が存在する地点のDEM5Aによる標高は1.8メートルで、三角点が記録する標高よりも18メートル以上も低く、とても誤差といえるレベルではありません。場所からすると、三角点は佐島マリーンホテル内、おそらく建物の屋上にあるのではないか?と思って調べたら、実際に写真を撮影したサイトがありました。
三角点名:佐島、コード:TR45239646801
住所:横須賀市佐島3丁目、標高20.15m
北緯35°13′17″.0338、東経139°36′15″.4797
備考:佐島マリーナの屋上、案内に感謝
2016.08.20 近景 H.S
2016.08.20 全景 H.S
本当にホテルの屋上の一角に三角点がありました。

一方基盤地図情報を使ってみると、天神島の場合はこの三角点から約100メートルほど西に行った場所にDEM10Bによる標高4メートルの地点があります。ほんの数十メートルほどの差で、DME5AからDEM10Bに切り替わっていますが、まあ島全体に標高は4メートル以下のようです。三角点がホテルの屋上に設置されていたという特殊事情に鑑みて、天神島の最高点としては4メートルを採用するべきでしょう。


6.舳倉島(石川県輪島市)の場合
舳倉島には一等三角点「舳倉島」があり、その標高は国土地理院地図では12.5メートルですが、なぜか基準点成果等閲覧サービスでは「成果異常」となって詳しい数字が閲覧できません・・・と思ったら、「令和6年能登半島地震」における公共測量への対応」によると

国土地理院では令和6年1月1日に発生した石川県能登地方の地震(最大震度7)を受け、1月5日以降地震発生地域及びその周辺(以下「当該地域」という。)に位置する基本基準点(三角点、電子基準点、水準点)の測量成果の公開を停止しています。なお、2月7日(水)に電子基準点「輪島2」「P輪島」「舳倉島」を除く電子基準点については成果を改定し公開を再開する予定です。
 当該地域では地震活動に伴う大きな地殻変動の影響により、既設の公共基準点も影響を受けている可能性があります。このため、既設の公共基準点の地震発生前の成果を使用して測量を行った場合、正確な成果を得ることができません。また、これまで国土地理院の基準点成果等閲覧サービスにおいて公開していた公共基準点成果についても、地震前の成果が公共測量で使用されることがないよう、当該地域(市町村単位)を対象に閲覧を停止しています。
 当該地域において公共測量等を実施する際の対応方法と留意事項を取りまとめましたので、御確認の上、検討・実施をお願いします。

とのことで、まさに地震の影響を受けてしまっています。実は「三角点で日本全国津々浦々」というサイトがあり、そこで
石川県の三角点の標高を小数第2位までの数字まで閲覧できるのですが、それによると一等三角点「舳倉島」の標高は12.43メートルです。しかしながらこの情報は2011年の時のもので、四捨五入で12.4メートルとなり、国土地理院の12.5メートルとは異なります。どうやら2014年~2019年(SHIMADAS改訂)の間に、おそらくは平成26、28年 三角点標高成果改定の一環として、12.4メートル→12.5メートルと変更になるような改測または改算があったようなのですが改訂後の数字が分かりません。まあどうでも良いかも知れませんが、メートル単位表記(12.5メートルを四捨五入すると13メートル)にしたときに丸目誤差が発生している可能性が残ります。まあここはいずれ数字が公表されますし、多分震災で標高も変わった可能性が高いです。

【追記:三角点マップという、世の中には便利にまとめてくれている人がいました。これによると舳倉島は12.51メートルで、四捨五入すると13メートルですね】

なお、基盤地図情報では、標高12メートルの地点が最高標高です。ただしこの数字は精度の低いDEM10Bですので、小数第1位の数字も示されません。


7.佐久島(愛知県西尾市)の場合
佐久島には二等三角点「佐久島」があり、その標高は基準点成果等閲覧サービスによると38.05メートルです。しかしながらDEM5Aによると、ほぼ三角点と同じ場所に標高38.1メートルの地点が存在します。三角点が最高点とは限らない原則に立ち返れば、ここの最高点の標高は38.1メートルですが、結局四捨五入をしてしまえば38メートルとなります。

しかしながら問題となるのが、DEM5Aでは三角点から西北西へ約860メートルも離れた別の場所に標高38.9メートルの最高点があることです。しかしながら国土地理院地図では、ほぼ同じ位置に標高35メートルの標高点があります。DEM5Aの数字を採用すると、この標高点の標高は35メートルではなくて39メートルとなり、島一番の最高点となってしまいますが、標高点の数字を優先すると、この場所の標高は35メートルであり、この島の最高点は三角点近辺の38メートルとなります。

DEM5Aは誤差0.3メートル以内、格子内に航空レーザ計測点(グラウンドデータ)がない場合には誤差2.0メートル以内とされているので、この場合の35メートル地点における39メートルに対する誤差は約4メートルとして偏差は2σ(正規分布であれば外れは5%)、あるいは35.5メートルからの誤差3.4メートルとして偏差は1.7σ(正規分布であれば外れは9%)となり、どちらにせよDEM5Aによる標高の数値と標高点の標高の数値の間の誤差が大きすぎます。本当に標高値として示されている35メートルを信用していいのかという問題がありますが、とりあえずは佐久島の最高点は標高38メートルを採用します。

ここに来て、国土地理院地図の標高点が本当に極大値を考慮して三角点とは別に設定されたのか、そもそも標高点の値を信じていいのかという問題が出てきました。

改めてfutsunoおじ さんが過去に作成された地名コレクション「自治体の最高点」の過去ログを読んで、対応を考慮しているところです。既にfutsunoおじ さんが既に克服された内容かも知れません。

【国土地理院地図へのリンクを一部修正】
[109921] 2024年 1月 25日(木)01:38:18【7】訂正年月日
【1】2024年 1月 25日(木)03:34:35
【2】2024年 1月 25日(木)05:00:35
【3】2024年 1月 25日(木)05:03:53
【4】2024年 1月 25日(木)05:09:10
【5】2024年 1月 25日(木)10:36:43
【6】2024年 1月 25日(木)10:46:34
【7】2024年 1月 25日(木)16:12:50
YT さん
島の海岸線延長、最高点をまとめるにあたっての問題点
現在日本の有人島一覧では、有人島の直近2回の国勢調査人口と面積の情報がまとまっていますが、『新版 日本の島事典』(2022年)にせよ『SHIMADAS』(2019年)にせよ『離島統計年報』にせよ、島に関しては面積に加え、海岸線延長と最高点の情報がまとまっています。例えば『新版 日本の島事典』の場合、北海道の有人島の基本データは以下の通りとなっています(利尻島に利尻富士町が抜けていますが、原表ママ)。

島名よみ所在地面積(km2)海岸線延長(km)最高点(m)人工/自然
小島こじま厚岸郡厚岸町0.0480320.84827.0自然島
利尻島りしりとう利尻郡利尻町182.08744786.5671,721.0自然島
礼文島れぶんとう礼文郡礼文町81.25469790.533489.8自然島
天売島てうりとう苫前郡羽幌町5.47089815.143183.5自然島
焼尻島やぎしりとう苫前郡羽幌町5.19495413.81659.9自然島
奥尻島おくしりとう奥尻郡奥尻町142.70326886.046584.0自然島

これだけ数値が揃っているので、海岸線延長(km)と最高点(m)についてすべての有人島でまとめられそうに思いましたが・・・海岸線延長にせよ最高点にせよ、このまま用いるには色々問題点がありました。

まず海岸線延長については、北海道、本州、四国、九州、沖縄島の5島の海岸線延長に関して古い情報しか入手できないという問題があります。『新編 日本の島事典』の場合、個々の項目として5島の海岸線延長の情報が載っておりますが、沖縄島を除き、『第六十三回日本統計年鑑』(平成26年)の「周囲」の数値を用いていることが分かります(平成27年以降の日本統計年鑑ではこの項目が削除されて無くなっている)。

島名『日本の島事典』の「海岸線延長(km)」『第六十三回日本統計年鑑』の「周囲(km)」
北海道2,6762,676
本州10,08410,084
四国2,0912,091
九州3,8883,888
沖縄島476501

問題はこの数値なのですが、『第六十三回日本統計年鑑』によると

「周囲」は昭和61年(色丹島,国後島及び択捉島は44年)海上保安庁による。

とあり、なんと1986年のデータを使いまわしていたことが判明しました。自分ですらまだギリ小学生を卒業するかどうかの頃で、いくらなんでも古すぎます。

一応関連する海岸統計を探したところ、まず第4回自然環境保全基礎調査 海岸調査全国版 平成6年(1994年)3月と、第5回自然環境保全基礎調査 海部調査 1998年3月が挙げれ、それぞれ1993年度と1996年度の海岸延長が、本土域と島嶼域に分割されて集計されています。

(開く)自然環境保全基礎調査による海岸延長(1993年、1996年)

ここから北海道、本州、四国、九州の海岸線の長さを求めることが可能ですが、沖縄県は全域が島嶼域になっていて、沖縄島の海岸延長は算出できません。また1996年度は兵庫県で調査が実施されておらず(阪神淡路大震災の影響?)、本州の本土域海岸延長の計算には1993年度版の数値を用いてます。その結果四島の海岸線延長は、北海道が2,676km(1986年)、2,747.70 km (1993年)、2,840.33 km (1996年)、本州が10,084 km (1986年)、10,269.46 km (1993年)、10,640.26 km (1996年)、四国が2,091 km (1986年)、2,127.18 km (1993年)、2,167.50 km (1996年)、九州が3,888 km (1986年)、3,899.84 km (1993年)、4,068.73 km (1996年)と、十数年間の間にもどんどん海岸線が伸びているという結果となりました。残念ながら自然環境保全基礎調査は第五回調査を最後に実施されていませんので、21世紀に測量された海岸線延長の数値が入手できませんでした。

一方国土交通省は毎年「海岸統計」を発表していますが、こちらの方では本土域と島嶼域にわけて海岸線延長を公表していません。実は「離島振興法」、「小笠原諸島振興開発特別措置法」、「奄美群島振興開発特別措置法」に係る海岸線延長を内訳として公表はしているのですが、例えば「離島振興法」の対象となっていない無人の離島の海岸線延長がどうなっているのか、さっぱり分かりません。佐渡の海岸線が「離島振興法」に係るものと等しい、伊豆小笠原の海岸線が「離島振興法」および「小笠原諸島振興開発特別措置法」に係るものと等しいなど、結構適当な処理がなされているようにも見えますが、一方で五島・壱岐・対馬の海岸線に関しては、全部離島なのに「離島振興法」に係るものとの間に差があります。よって「離島振興法」の対象となっていない無人の離島がすべて調査の対象外となっているなどと断定することはできません。よって国土交通省の海岸統計から北海道、本州、四国、九州の海岸線延長を算出することはできません。

(開く)(令和2年度) 海岸統計

まあ、淡路のすべての海岸線、八代湾の熊本県のうち上天草市・蘆北町・天草市の海岸線、天草西のすべての海岸線を離島扱いにして、他の無人の離島の海岸線は計算に入っていないと仮定して無理やり計算すると、北海道2,854,386メートル、本州12,888,601メートル、四国2,840,644 メートル、九州5,205,820メートルとなります。また、那覇市~豊美城市の海岸線延長の合計(782,566メートル)から離島統計年報掲載の水納島・津堅島・久高島・瀬底島・古宇利島・伊計島・宮城島・浜比嘉島の合計(19.22キロメートル)を減じると、沖縄島の海岸線延長は763,346メートル・・・となりますが、多分何れも実際よりもかなり多く見積もられていると推察されてしまうような値となってしまいます。

(開く)海岸線延長(単位:km)のまとめ(注意:海岸統計由来の数字は信頼性なし)


次に最高点の問題点ですが、『日本の島事典』がまとめている最高点の数字は、しばしば三角点の標高を採用していて、最高点ではないことが多いのです。例えば、上にまとめた北海道の事例ですが、焼尻島の最高点が59.9メートルとなっていますが、SHIMADASによると実際の最高点は94メートルです。国土地理院の地図を見ると、59.9メートルというのは三角点(地図記号で「•」の入った「△」)の標高であり、国土地理院地図に書き込まれている標高点(地図記号で「•」)で最高のものは94メートルです。

しかしながらすべての島で最高点に標高点が示されているとは限りません。例えば三浦半島の城ヶ島の場合、29.8メートルの位置に三角点がありますが、実際の最高点は、SHIMADASによると35メートルです。しかしながらこの35メートル地点(三角点から東南東300メートル離れたがけの上)には国土地理院地図では標高点が示されておりません。実際に国土地理院地図を使って最高点を探してみると、基盤地図情報数値標高モデルDEM5A(高さ精度0.3メートル以内)をソースとする36.0メートル地図が存在し、日本の島事典(29.8メートル)ともSHIMADAS(35メートル)とも異なります。

琵琶湖の沖島の場合、三角点が置かれているのは220.2メートル地点で、SHIMADASでも標高220メートルが最高点として採用されています。しかしながら、その三角点の東北東300メートル程離れたところに真の最高点が存在し、基盤地図情報数値標高モデルDEM5B(高さ精度0.7メートル以内)をソースとする224.0メートル地点が存在し、三角点よりも4メートルも高い地点となります。

ただ基盤地図情報数値標高モデルのDEM5AやDEM5Bの数値は万能ではありません。富士山の場合、三角点が置かれているのは3775.5メートル地点(実測値は3775.51メートル)ですが、地図上に示された標高点は3776メートルが最高で、実測値は3776.12メートルです。ところがDEM5Aでは、3774.4メートル地点が最高となっています。

現状では、国土地理院地図上で最高地点付近に標高点がある場合は、その数字の方を採用し、そうでない場合には基盤地図情報数値標高モデルの数字を採用することになるかと思います。ただ手作業でこれを調べるのは大変です。

【追記】国土地理院地図ですと、天売島の最高点となる三角点の標高は183.5メートルですが、基準点成果等閲覧サービス(国土地理院)を使ったところ、三角点の標高は183.49メートル(2016年2月1日更新)となっていました。つまり国土地理院地図の183.5メートルをそのまま下一桁目で四捨五入すると184メートルになってしまいますが、基準点成果閲覧サービスの数値を下一桁目で四捨五入すると183メートルです。一方DEM5Cデータ(高さ精度1.4メートル以内)だと、多分最高点は182.3メートルになります。SHIMADASが採用している数字は185メートルです。つまり天売島の最高点の標高は、SHIMADASを採用すると185メートル、国土地理院地図の数字を採用すると184メートル、基準点成果等閲覧サービスを利用すると183メートル、DEM5Cだと182メートルとなっていまいます。現状では三角点の正しい標高は183メートルですが、三角点が最高点に置かれているとは限らないとすると1センチぐらいは誤差で、184メートルを採用するべきなのかも知れませんし、もうどの数字が正しいのか分かりません。

【追記の追記】基準点成果等閲覧サービスで富士山を確認したところ、二等三角点は3775.51メートルで問題ないけれど、電子基準点(基準点コードEL15338053802)だと3774.90メートルという情報(基本基準点全体にチェックを入れて検索した場合)と3777.41メートルという情報(電子基準点にだけチェックを入れて検索した場合)が混在する・・・
電子基準点は実際よりも高いところに設置されているとはいえ(参考(2002年の記事))、なぜ2つの数字が混在するのでしょうか?


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