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Issieさんの記事が1件見つかりました

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記事番号記事日付記事タイトル・発言者
[81693]2012年8月25日
Issie

[81693] 2012年 8月 25日(土)21:29:21【2】Issie さん
狸の××
[81692]
…というわけで,アップし直し。


[81674] 白桃 さん
下関といえば、
♪お萩がお嫁にいくときにゃ・・・
という「リパブリック賛歌」の替え歌を思い出しました。

[81690] hmt さん
でも、私は ♪お萩がお嫁に…という替え歌の「存在」を知りませんでした。

そうですね。私も知りません。
地域に加えて世代の違いもあるかもしれません。

権兵衛さんの赤ちゃんが…、
一人一人が腕組めば(阪田寛夫作詞『ともだち讃歌』)、

これは小学校で教わりました。俗謡的な「おたまじゃくし」に対して,“学校公認”というところでしょうか。

学校で教えてくれなかったけどいつの間にか子どもたちの間で教わっていたのが,「狸の××」の歌。近年,池袋からヨドバシカメラの牙城に進出して競争著しいビックカメラがCMソングに使っているやつですね。
これはプロテスタント系のキリスト教会が持ち込んだ讃美歌が元歌なのだそうですが,間に昭和初期の流行歌である「タバコ屋の娘」(作詞・薗ひさし、作曲・鈴木静一。ただし,「薗ひさし」というのは 鈴木静一 の別ペンネームなので,実は作詞・作曲は同一人物らしい)がクッションとしてはさまっているかもしれません。

「権兵衛さんの赤ちゃん」は今ここで話題の「リパブリック讃歌」バージョンとは別に,「烏の赤ちゃん」に変わっていますがほぼ同じ内容の歌詞に“+α”部分を加えて「パイノパイノパイ」(東京節)の節で歌うバージョンもあって,男声合唱曲に編曲されてグリークラブなんかが歌っています。
私たちの世代ではドリフターズが「バイノバイノバイ」と歌っていた(←よく聞いてみると“半濁音”ではなく“濁音”に変わっている)のが記憶にあるのですが,「パイノパイノパイ」は大正期の流行歌。すでに東京駅が開業して「東京の中枢は丸の内」になっている一方,浅草には「十二階」がある(=つまり,関東大震災前),というわけで年代が割と絞られそうな歌です。元歌は開国後わりと早い時期にアメリカから持ち込まれた「ジョージア・マーチ」という軍歌で,これも南北戦争がらみ。

南北戦争はアメリカ国内だけで終結せずに,そこで使用された兵器の中古品が大量に輸入されてそれが幕長戦争から戊辰戦争で使用されたというのはよく指摘されることですが,南北戦争の頃にアメリカで流行して輸入された歌が日本人にとって初めての「洋楽」だったからか,讃美歌のように格調の高い歌から「狸の××」のように学校で教えてくれないくらい下品なものまで(私も含めて,小学生は「下品」なものが大好きです),

孔子や孟子が酒飲んで

のような軍歌・学生歌(これは軍歌に詳しい同僚に教えてもらいました)から,果てはいわゆる“春歌”(「下関」はこのジャンルに入るでしょうかね)まで,さまざまな替え歌の素材を提供してくれました。
※ちなみに,「下関」に類するような歌,私も学生時代にいろいろ教えてもらいましたが,今の学生さんはどうなんでしょうね。「セクハラ」と言われれば,それまでなんでしょうが。

【追記】改めて歌詞を見に行ったら,どうも考え過ぎていたみたいですね。「下関」はどちらかというと,“大人の男性の歌”というより「狸の××」に近い“子どもの歌”でしょうか。
…ま,そんなとこで。

そんな南北戦争の時代に生まれた歌の一つに "Tramp, Tramp, Tramp" という歌があります。
私は学生時代にエスペラントを教わったのですが,その時に教えてもらった歌の一つに "La fluanta tajdo"(潮の流れは)という歌がありました。今船出をしようとする若者たちに「潮の流れは君たちにある」と言ってこれからの航海の幸福を祝う内容でエスペラントの歌詞がつけられていて,その調子の良さと歌詞の内容が気に入って好きになった歌の一つでした。その当時,私はエスペラント・オリジナルの歌と思っていたのですが,ある年末,新宿の地下街で救世軍の楽隊がこの歌を演奏しているので驚いてしまいました。キリスト教関連の歌なのかな,その時はそう思っていました。けれども,なかなかその“原曲”に出会えずにいました。
ところがある日,ネット上をさまよっていくうちに,これと同じ曲に出会いました。それは 北海道大学の校歌
北大の歌といえば恵迪寮の「都ぞ弥生」が有名でそれは私も知っていましたが,この“校歌”は知りませんでした。私たちの仲間に北大の学生がいればエスペラントの歌と一緒に教えてもらえたのでしょうが,東大や京大,東北大,そして弘前大までは仲間にいても残念ながら北大の学生はおらず,以後四半世紀,この歌の別バージョンを知る機会が得られませんでした。
その意味で,やっぱりネットは便利です。
元歌の "Tramp, Tramp, Tramp" というのは兵士たちの足音の擬音で,南軍に捕えられた北軍の少年兵が友軍によって救出されるのを待っている心情を歌ったものなのだそうです。それが(たぶん,いろいろなクッションを通過して)明治期の日本に持ち込まれて札幌農学校,そして北大の校歌になったのですね。
この歌は日本とは別にアイルランドに持ち込まれて“準国歌”の地位を得ました。"God Save Ireland"(神よ,アイルランドを護らせたまえ)という歌。「イングランド」の“国歌”と似たようなタイトルですが,これはイングランド,つまりは“連合王国”からの独立を唱えて“反乱”を起こした首謀者たちが処刑される直前に叫んだ言葉なのだそうです(…ということを,この歌は歌っています)。
独立後のアイルランドではもう少し“おとなしい”歌が国歌に制定されましたが,この“準国歌”は依然として人気が高く,たとえばサッカーの試合の中継の際にパブなどで高唱されるのだとか。歌詞の中身はかなり凄惨なのですけどね。

なお,ここでリンクしたのはいずれも「ようつべ」のページ。
著作権上少なからず問題があって,リンクが切れてしまうかもしれないので,悪しからず。


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