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Issieさんの記事が1件見つかりました

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記事番号記事日付記事タイトル・発言者
[80251]2012年2月4日
Issie

[80251] 2012年 2月 4日(土)23:38:42Issie さん
Re:加積郷
[80249] 白桃 さん
本落書き帳の「自治体越え地名」に収録されていないところを見ると、「○○加積」という名前が大字や字として残っていないのでしょうか?

とりあえず,そういう大字はないようですね。
むしろ一連の「加積」地名は大字よりもランク1つ広い範囲の地名であるようです。

こちらの「区市町村変遷情報」の 当該ページ を参照すると,たくさんの「加積村」が1889年の町村制施行に際して行われた「明治の大合併」で一斉に誕生したことがわかります。恐らくは“近世村”をそのまま引き継いだ合併前の旧村に「加積」を称するものはありません。したがって,各「○加積村」の大字で「加積」を称するものはなく,そのまま現在まで現れることもなく,収録対象となっていないということなのでしょう。

「加積郷」という地名は中世,あるいはそのもう少し前からのものかと思われるのですが,近世に広域的地名として「加積郷」が残ったとしても,より小さい範囲で“百姓”の自治単位(合わせて年貢負担の請負単位)としての「村」を編成するに当たっては,それぞれ個別の集落名が採られたのでしょう。それがそのまま「郡区町村編制法」下の“村”となり,「町村制村」としての 各加積村 の大字となり,現在に至る。
で,明治の大合併でその「町村制村」を編成するに当たって新しい村の名前を“創作”しなければならなくなったとき,かつての「加積郷」の記憶がよみがえり,それぞれで「○加積村」という名前を分け合ったということではないか,と。

「町村制村」の名前は,さらなる合併でその村自体が消滅してしまえば一緒に消えてしまいます。所詮,新しく“デッチ上げられた”地名に過ぎない,ということなのかもしれません。
その記憶をとどめるのは,その村ごとに設置された郵便局や小学校,そして公民館の名前。運良く鉄道が通って駅を作ってくれれば,その駅名に保存してもらえるかもしれない。「浜加積駅」や「早月加積駅」のように。
そういうわけで,今となっては見つけにくい地名になってしまっているのですね。


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