※基本的に主張の論点は
[110017]で書いた通りです。
[110027][110033][110046]グリグリさん
これらの記事で述べられている疑問を紐解くにあたって、論理の飛躍があるように思える箇所があるため、以下の通り順序立てて説明したいと思います。
1.東端西端の定義
まず、南極のような極域や、キリバスのような経度180度線が通る国は話がややこしくなるため考えないこととします。
その上で、日本のような国であれば、東端は経度(本初子午線を0度とし、東経を正、西経を負とします)が最も大きい地点であり、反対に西端は経度が最も小さい地点です。
そもそも東の定義ですが、南北線(子午線)の北を基準としたとき、時計回りに(測地学の世界では座標は左手系を使います)90度進んだ方位のことを東(真東)と定義しています。
真東が定義されると北東や南東といった中間の方位も順に定義されますが、それらを含む「東」の付く方位は、上述の方位角θが0<θ<180となる範囲に限定されます。逆に、180<θ<360の場合、「西」の付く方位となります。
ここで、ある国の中で経度が最も大きい地点を考えると、その地点から国内の他の地点への方位角はすべて180<θ<360となるため、国内のすべての地点は、経度が最も大きい地点よりも"西"にあることが示されます(注;この場合の"西"は真西とは限りません)。
仮に、経度が最も大きい地点よりも"東"にある地点があるとすれば、その地点は経度が最も大きい地点よりも経度が大きくなるはずであり、矛盾する(子午線上の経度は一定のため、方位角θが0<θ<180となる場合、必ず経度は大きくなる)ため、やはり経度が最も大きい地点が東端となります。
西端についても、同様の論理で経度が最も小さい地点が西端となります。
2.当サイトで「東西長」としている尺度を用いて東端・西端を論じることによる誤謬
[110017]で述べた通り、現状当サイトで算出されている「東西長」は厳密には東西長ではなく、自治体のスケールが大きくなるにつれて本来の"東西長"との乖離も大きくなります。
そのため、厳密にはそもそも"東西長"でもない、この指標を用いて東端(西端)を定義することはできません。もちろん、西端(東端)を固定した際の「東西長」が最も大きい点を東端(西端)とすることもできません。
「北鳥島問題」では、沖ノ鳥島(西端)を固定した際の「東西長」によって、東端を識別していますが、これは論理の飛躍であり、不適当です。
グリグリさんの表現を借りると、現在の「東西長」は「台形の中間部分の幅」となっていますが、台形の上底・下底の長さが変われば中間部分の幅も変わります。北鳥島の場合、台形の上底が小さくなるため、「台形の中間部分の幅」も小さくなったに過ぎません。
経度の値で東端西端を決めるのはどうなのか?
という疑問についても、もちろん「経度の値で決めるべき」ということになります。さらに言うと、「台形の中間部分の幅」は判断材料にはなりません。
3.個人的考え
[110017]で書いた通り、1市町村程度の範囲であれば、緯線の長さをもって"東西長"としてもほぼ実害はないと思われます(小笠原村には目を瞑ります)。ただし、あくまでも値は近似的なものとし、精密化は諦めざるを得ないのではないかと思います。
読みづらい長文となり失礼しました。