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蘭丸さんの記事が5件見つかりました

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記事番号記事日付記事タイトル・発言者
[9146]2003年2月13日
蘭丸
[9063]2003年2月11日
蘭丸
[9026]2003年2月10日
蘭丸
[8899]2003年2月8日
蘭丸
[8863]2003年2月7日
蘭丸

[9146] 2003年 2月 13日(木)14:14:03蘭丸 さん
広域地名採用の影響
[9088]焼き味噌 さん

何かしらの「資格」が必要な事なのでしょうか。
 「資格」という言葉を、「飛騨」を名乗る「資格」という意図で書いたのではありません。高山市が今後の合併を経て、過去現在にわたる名実をともなった「飛騨」の中心たる地域になるであろうということの表現方法として「資格」と書きました。「資質」と置き換えてもいいかと思います。
 私は、「飛騨」を称する「資格」云々を言うつもりはまったくありません。私が言いたいのは、広域地名を自治体名に使用する場合の適切さや妥当性の問題です。どの自治体もいろいろ苦心して新しい名称を選考していることは私も理解しています。ですが、だからといってその結果や過程に、関係者以外の者が何らの論評や意見表明をしてはならないということにはつながらないのではないでしょうか。
 それに、元来、自治体の名称をどうするかは個々の自治体の自由であって、同一市名の重複以外はそれを制約する法的規制等は存在しませんから、特定の地名を自治体名で名乗ることに「資格」など、あろうはずもない話です。
これでは当該地域の住民はこの上なく窮屈ではないでしょうか。
 この点は、焼き味噌 さんと私との根本的な考え方の差ではないかと思いました。本来、合併で誕生する自治体の名称にふさわしい地名なんて1つや2つではないかと私は思っています。一から創意工夫を凝らす商品名とはちがって、特定の地域を表わす呼称について、多数選択肢があること自体が不自然なことではないかと思います。
どうして「独り占め」してしまうとの考え方につながるのでしょうか。
 広域地名を借用するケースでは、少なくとも見かけ上、広域地名を独り占めするかのように見えると思います。
 「飛騨」「魚沼」「能登」等といった地名は、現代においては歴史的経過に基づく通称地名的な性格を持っていて、都道府県名、郡名、市町村名などのような公式の地名ではありません。このような、社会的合意によって通称されていた地名が、その地名の本来表わす区域の一部分を占める自治体の名称になることで、同時にその自治体に限って公的存在となります。こうなると、同一広域地名内に存する他の自治体とのアンバランスが生じてしまいます。慣習として呼び習わしてきた広域地名が、その区域の一部についてのみ公称となれば、少なくとも住所表記や地図上の表示などでは「独占」同様の結果をもたらすと思います。
 また、「市町村」の文字を略して表記している地図帳や、あるいは道路標識などで広域地名由来の名称を持つ自治体が示されるとき、単に「飛騨」「魚沼」「能登」等という形になってしまい、事情を知らない人に、本来は広域地名であるはずのものが、もっぱら一自治体を表わす地名として理解されてしまう(誤解されてしまう)可能性が大いにあります。
 たとえ、広域地名を借用しようとする自治体に「独占」の意思はなくても、このような客観的要素を考えれば、明快に「独占ではない」とは言い切れなくなると私は思います。

 このほかにも、焼き味噌 さんのご意見には私の意見と相違する点があるのですが、私の過去の書き込みと重複する内容になってしまいそうですので割愛させていただきます。
[9063] 2003年 2月 11日(火)18:56:17蘭丸 さん
広域地名採用と近隣自治体の住民感情[補足]
[9026]拙文
たしかに、飛騨(斐陀)国府が、かつてこの地域に存在しましたが、それは遠くいにしえの話です。今、「飛騨」の中心地はどこかといえば、多くの人々は高山市と考えていると思われます。
 広域地名「飛騨」の中心地ですが、かつて国府所在地であった吉城郡国府町は、吉城郡での合併ではなく、高山市との合併(高山市への編入)を選択しましたので、今後誕生する新・高山市は名実共に「飛騨」の中心地たる資格を持つことになるでしょう。
 吉城郡4町村の合併では、「飛騨」の一部地域であり、また、過去および現在において「飛騨」の中心地域ともいえない地域が「飛騨市」を称することになるわけです。
 「吉城市」では、郡名の由来となった「荒城郷」が含まれない合併では具合が悪いという焼き味噌さんのご指摘[8947]もありますが、狭域を指す地名がそのまま郡名となったわけではないですし、永きにわたって「吉城郡」として広域地名として認識されてきたと思われますから、「吉城」を市名に使用しても大きな問題はないと私個人は考えます。さらには、国府町は「高山市」となる予定であり、「吉城」の使用をめぐる地域間の軋轢は生じないとも考えられます。少なくとも、「飛騨」を採るより「吉城」を採ったほうが周辺地域の納得の程度がちがうであろうと思います。
 そういうことから、私は吉城郡4町村合併では「吉城市」がもっとも妥当な選択ではなかったのでは?と考えるわけです。

[8947]焼き味噌 さん
地名はその土地に住んでいる人たちのもので、そのあたりの微妙な事情をご存じない方に「~すべきでない」と全面否定されますと、やはり少し悲しくなるものです。
 私も当事者ではない者ががあれこれと口を出すことには、正直、少なからず後ろめたさを感じています。しかし、なぜ私がこんなに広域地名問題に関心があるかというと、表題にあるとおり、広域地名を借用する際の決定過程において、当該広域地名の範囲内にある近隣自治体の意向や住民感情への考慮が抜け落ちていることが気になるからです。
 「地名はその土地に住んでいる人たちのもの」という点に、私はまったく異論はありません。ですが、実は「その土地に住んでる人たちのもの」が「その土地に住んでる一部の人たちのもの」にすり替えられてしまうということが、最近の自治体名選定における広域地名借用の実態なのです。
 歴史的蓄積から育まれた地名文化を大切にすべきという観点から、今後誕生する新自治体でも同じようなすり替えが行われて欲しくないというのが私の考えです。
[9026] 2003年 2月 10日(月)19:22:06【2】蘭丸 さん
広域地名採用と近隣自治体の住民感情
[9017]地域研究家 さん
「魚沼産コシヒカリ」のネームバリューを全面に押し出してもいいんじゃないか、ということで「魚沼市」も書いたのですが、中魚沼郡市・南魚沼郡への配慮というのは足りなかったですね。
 私も同様の観点から、北魚沼郡が「魚沼市」を名乗ることの妥当性に疑問を感じています。
 「魚沼」は、単に旧郡名(魚沼郡)に由来する広域地名であるだけでなく、最高級米「魚沼産コシヒカリ」の産地という、現代的なブランド価値をともなった地名でもあります。この二重の意味で、自治体名での「魚沼」使用には慎重さが求められると思います。
 現行の行政区画では、次の地域が旧「魚沼郡」に該当します。
小千谷市もと北魚沼郡
十日町市もと中魚沼郡
北魚沼郡川口町、堀之内町、小出町、湯之谷村、広神村、守門村、入広瀬村
南魚沼郡湯沢町、塩沢町、六日町、大和町
中魚沼郡川西町、津南町、中里村
 この広域にわたる地域をもって人々は「魚沼」と称し、そして、この地域の清冽な水と夏季における昼夜の寒暖差という気候条件が生み出した「魚沼産コシヒカリ」が、最高級米として好評を博しているのです。北魚沼郡だけが「魚沼」というわけではなく、また「魚沼産コシヒカリ」の産地というわけでもありません。南魚沼郡、中魚沼郡、小千谷市、十日町市も「魚沼」であり、かつ、「魚沼産コシヒカリ」の産地です。
 このようなことから、「魚沼市」は、少なくとも今の状況ではいずれの自治体も称すべき名称ではないと思われます。

 「飛騨市」も同様の問題を抱えていることから、適切さを欠くものと私は思います。
 「飛騨」は、古き良き日本の田舎情緒を現代に伝える観光地として高い人気を保ちつづけています。そして、一般的には飛騨高山、白川郷、奥飛騨温泉郷、下呂温泉などを総じて「飛騨」と認識されています。そして、この「飛騨」も観光地として一定の“ブランド力”を持っています。
 現行の行政区画では、次の地域が「飛騨国」に該当します。
高山市もと大野郡
益田郡萩原町、小坂町、下呂町、馬瀬村 (金山町は「美濃国」)
大野郡丹生川村、清見村、荘川村、白川村、宮村、久々野町、朝日村、高根村
吉城郡古川町、国府町、河合村、宮川村、神岡町、上宝村
 歴史的に見て、吉城郡のみが「飛騨」であったわけではありません。たしかに、飛騨(斐陀)国府が、かつてこの地域に存在しましたが、それは遠くいにしえの話です。今、「飛騨」の中心地はどこかといえば、多くの人々は高山市と考えていると思われます。
 高山市も、益田郡も、大野郡も「飛騨」であって、この地名は吉城郡の占有物ではないはずです。本来、「魚沼」同様、現状ではいずれの自治体も「飛騨」を名乗ることの妥当性を持ち合わせてはいません。

 広域地名を自治体名に借用・流用する場合は、当該自治体の住民の意思もさることながら、同じ広域地名の範囲に存する近隣自治体の住民感情への配慮も忘れてはならないと思います。そうでなくては、自分勝手になってしまいます。
 「魚沼市」選定過程では、住民への意向調査が最終決定に結びつきましたが、もし、同時に同様の調査が南魚沼、中魚沼でも実施されていたら、この2地域でも「魚沼市」が1位になっていた可能性が高いと思います。北魚沼郡でも吉城郡でも、それぞれ2位になった「北魚沼市」「吉城市」が、広域地名の適切な使用の観点からも、住民の意向という観点からも、もっともふさわしかったのではないかと私は考えています。

 最近の市町村合併にともなう新名称選考の状況を見ていると、広域地名がその表わす地域の共有財産であるという認識が、多くの場合に欠落しているように思えてなりません。
[8899] 2003年 2月 8日(土)08:00:57蘭丸 さん
これで広域地名を名乗れるの?
 最近の市町村合併で、広域地名を自治体名に使用したり、使用しようとする(構想する)ケースにおいて、合併によってできる新自治体の区域が、借用しようとする広域地名の中でどれくらいの範囲を占めるのか、地図上で大まかに見ると次のようになります。

さぬき市讃岐国の約10分の1
飛騨市飛騨国の約3分の1
魚沼市旧魚沼郡の約3分の1
「あわじ市」淡路国の約2分の1
「淡路市」淡路国の約2分の1弱
「能登市」能登国の約5分の1
「」は、正式な決定を受けていない市名候補。

 どれも、使用する広域地名の大部分を占めるまでにいたらないのが実情です。さぬき市にいたっては、本来の「讃岐」の範囲のほんの10分の1程度でしかないのに、ひらがな化したとはいえ、堂々と「さぬき」を名乗っています。「能登市」も区域的には相当無理があるような気がします。
 これらの新市名(案)は、中高生が使用する地図帳の上では、単に「さぬき」「飛騨」「魚沼」と表記されることになりますから、教育の場で「『讃岐』とは『さぬき市』のこと」「『飛騨』とは『飛騨市』のこと」「『魚沼』とは『魚沼市』のこと」という、不適切な地理の知識が知らず知らずのうちに浸透していくことが懸念されます。このような誤解を生じさせないように現場の教員が指導できるかといえば、ほとんど不可能と思われます。受験に必要のない知識についてあれこれ解説している暇など、現実の教育現場にはないでしょうから。

 自治体にとって不釣り合いな広域地名の借用・流用は、地名文化を保存する観点から、本当にこれ以上増えて欲しくないと思います。
[8863] 2003年 2月 7日(金)15:05:24【1】蘭丸 さん
広域地名乱用への憂慮
[8856]地域研究家 さん
太古の昔から「淡路町」だったのならともかく、昭和の大合併で「淡路町」になって、たかだか45年でしょう。
 お説ごもっともです。
 昭和の大合併の際には、市町村名に国名や郡名などの広域地名を借用する例があちらこちらに出現しました。その昭和の大合併時の広域地名の借用が、地名の歴史や伝統と履き違えられてしまうことは、本末転倒と言わざるを得ません。古くから伝わる地名は地域の文化遺産でありますから、その由緒や伝統、語義を尊重していくことが大切だと思います。
 しかし、広域地名を借用しようとする自治体の区域が、当該広域地名の指す範囲の全部または大部分を占め、近隣の自治体から大きな抵抗感もなく受け入れられる限りにおいては、広域地名の自治体名化も妨げられるものではなく、そういう場合はむしろ広域地名を使用するほうが適当ともいえます。要は、地名の適切な使用をしていくべきなのです。

 この「淡路」の例では、淡路町の「『淡路』はうちのもの」という誤解が根底にありますね(洲本市側が「あわじ市」を使おうとしたことも相当な問題がありますが)。本来、「淡路」は国名であり、島の名前であって、一自治体が称すべき地名ではありません。関係者は、なぜこんな簡単なことを理解できない(あるいは気付かない?)のでしょうか。

 私は、個人的に「京丹後市」の市名選定の際にも同様の思惑が働いていたと考えています。すなわち、市名に「丹後」を使うとして、なぜすんなり「丹後市」にならなかったという理由に、すでに存在する「丹後町」と同一の地名の使用を避けようとした配慮が含まれていると考えられるのです。この地域が「丹後」を独占してしまうことは、そもそもにおいてふさわしくはないのですが、このような配慮が「京丹後市」を産んだ面は、小さくないと思います。

 全国的に、「さぬき市」「飛騨市」「魚沼市」と、由緒ある広域地名が市町村合併の荒波にさらされ、その本来の姿での存立が危ぶまれていることは、看過し難い風潮です。これらの由来となった地名は、紛れもなく広域地名(国名、旧郡名)であって、それは地域の共有財産です。私は、特に「飛騨市」「魚沼市」については、なんとかもう一度再考できないものかと思っています。これらの地名には、ブランドという付加価値がともなっていますので、そのブランドの定義に混乱が生じることが懸念されます。地域経済にとっては大きな問題であることは否定できません。

 最近の新自治体名の選定では安易な広域地名の借用が数多く、各地の合併協議会の動向を見ると、今後も全国的に同様の傾向はつづくものと思われます。新自治体名の選定には、決して「早い者勝ち」などという気を起こさず、慎重に適切に選考しようとする姿勢が強く望まれます。


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