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太白さんの記事が1件見つかりました

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記事番号記事日付記事タイトル・発言者
[68738]2009年3月2日
太白

[68738] 2009年 3月 2日(月)22:42:36太白 さん
Re: 練馬区大泉町の飛び地について
ご無沙汰しています。ほとんど幽霊部員の太白です。

[68716] グリグリさん
先日メールにて某新聞社の方から問い合わせが入りました。練馬区大泉町にある飛び地について、この飛び地の面白さや他の飛び地と比べての特徴などを聞かれています。他にも、飛び地を歩く面白さや最近の飛び地事情などがあれば教えて欲しいとも言われています。
本件、グリグリさんの推薦(?)があったのか、私あてに直接、メールにて問い合わせがありました。

期せずして、[68737] hmtさんと似たような回答ラインとなりました。

メールでの回答内容を転載します。


=========

練馬区「西」大泉町の飛び地については、練馬区の公式見解として、「なぜ飛地になったかは不明」とあります。

ただ、歴史的にみれば、荘園領主や守護大名などが、遠く離れた土地に領地をもつことは珍しくありませんでした。(江戸時代であっても、たとえば佐渡は幕府直轄地だったわけです)
 
明治維新後、そうした複雑な領土を整理する中で、この部分が東京都の一部として残って、いまに至っていると思われます。上記の練馬区の見解でも、「新座市に編入したい」と考えているわけですが、地元住民は「東京都」というブランドがよいのか、埼玉県民になることに反対していることが窺えます。

全国には、飛び地は300程度ありますが、西大泉町の飛び地は、全国に10程度しかない、「都道府県をまたぐ飛び地」であることでは珍しさがあると思います。
(一番スケールが大きい?のは、村全体が和歌山県の飛び地になっている、和歌山県北山村だと思いますが、西大泉町は、首都圏にあることもあり、相対的には知られているのではないかと)

で、西大泉町に限らず、全国にある飛び地については、それがなぜ飛び地になったのか、その歴史的経緯がいろいろあります。

たとえば、上に書いた、和歌山県北山村ですが、ここは、古くから木材の産地で、熊野川を通じて木材の集散地である新宮市とのつながりが強かったため、三重ではなく、和歌山県に属しています。

また、これは必ずしも「飛び地」というわけではないですが、町田市~相模原市付近の境界をみると、川と境界が一致していません。川の対岸に、町田市、相模原市の土地が「飛地的」に残ってしまっている状態です。これは、「昔の川は蛇行していたんだけど、治水対策などのために河川をまっすぐに付け替えたんだな」ということが予測できます。

さらに、これは日本の例ではないんですが、政治的に(国際条約の結果)飛地が設定されたものもあります。

このように、飛地の面白さは、ビジュアル的に興味をひかれるから、というのはありますが、それだけではなく、なぜ、ここが飛び地になったのか、その歴史的経緯に思いを巡らせ(調べ)ながら、地図を見るのが楽しいからかなぁと思います。

最近の「飛び地事情」としては、いわゆる平成の大合併により、「飛び地合併」が行われた例があり、新たに飛び地ができたりしています。たとえば、青森県の五所川原市、中泊町、外ケ浜町などは、合併の枠組みの議論の結果、飛び地合併がすごいことになっています。

逆に、合併によって飛び地が消滅していく例もあります。全体としては、合併により市町村の数が減ってきた中で、飛び地が解消される例のほうが多いです。

以上、ご参考まで。
(参考記事)


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