[46226] 烏川碧碧 さん
中央日報*日本「40年代、東京から竜仁に遷都する計画だった」
日本は1940年代の初め、15年後を目標に立案した秘密国土計画である「中央計画素案」で、京城部(ソウル)南の郊外、日本内岡山と福岡など3カ所を大東亜圏の首都移転候補地として提示した。
12年前の2005年10月に韓国紙の記事を紹介していただいたものですが,今日の西日本新聞にこれと同じ案件かと推測できる記事が紹介されています。
八女に「幻の首都」構想 太平洋戦争中に政府が検討 極秘文書に明記<福岡県>
記事によれば,内閣総理大臣直属の組織で,戦時下の国家総動員体制の諸計画を立案した「企画院」が,1943年10月付の極秘文書に記載した「中央計画素案」によるもので,遂行目標を「一応15年」としていることから,烏川碧碧さんご紹介の中央日報の記事と合致しています。
ただし,国立公文書館のアジア歴史資料データベースからの引用画像で「三地区を首都を奠むべき候補地とす」と書かれ,ソウルについては「(3)朝鮮京畿道京城府周辺地区」と紹介されており,「京城の南の郊外」とも「龍仁」とも限定はされていません。
なお,
[46226]でリンクしていただいた12年前の中央日報の記事は,今でもリンク先が生きており,今日の記事と併せて読むと,韓国側では,龍仁地域で測量があったことと,測量図面があるのを「見た」と書かれています。
今日の西日本新聞の記事には,日本国内の岡山と福岡については,
「(1)岡山県邑久郡行幸村中心地区」 記事によれば現・瀬戸内市
「(2)福岡県八女郡福島町中心地区」 同,現・八女市
と明記されているのが興味深いところです。
一方,拙稿
[4566],
[46297]にて遷都地として挙げた「1位・龍山,2位・加古川,3位・八王子」については,大正時代の関東大震災後のもので,過去に大地震の形跡の有無や,第一次世界大戦で登場した航空機による空からの防空の観点から,周囲に防空施設に適した山や丘の立地から求められた案だったと記憶しています。
今日の記事にある1943年の案での選定立地条件としては,
条件として、全国土の中心▽地震、風水害など天災地変が少ない▽寒さや暑さが厳しくない▽用水、電力、食料など物資が豊富▽既成の都市とは適当に離れている、など計6項目
と書かれています。
普段はYahoo!のニュース欄からの引用はしないのですが,過去に話題として触れられた件につき,述べさせていただきました。
訂正【1】元記事の有効期限(削除)を考慮して,記事の一部分を追加,訂正