表題の小説ですが、ある日首都が消失(実際には謎の雲に覆われて通信も往来も途絶)し、残された都道府県知事会や帰国した外交官などが臨時政府を名古屋に樹立して米ソ超大国の干渉(1986年の作品ですから)に対抗する小説だったのです。これはSFですが首都機能が麻痺したらどうなるかを空想したものです。
[34466] 2004 年 10 月 24 日 (日) 23:21:01 稚拙 さん
地震のことがあるのでむずかしいですが、地震は全国どこでもそんなに危険は変わらないからどこに移転しても同じでしょう。
現実問題として天災が全く発生しない場所は地球上のどこにもありませんし、危険性も程度に差があれどこのでもあります。それに人為的災害が発生する可能性もあります。機能を分散することは可能でしょうが首都機能全部を新規に建設する都市に移転するのは現状では難しいようです。
首都移転の話はデノミ実施以上に蒸し返された話でして、1923年の関東大震災後も当時の政府の中には首都を天災が起きない場所という事で、兵庫県の播磨平野や当時植民地だった朝鮮京城府(現在のソウル)に移転する構想もあったようですが実現していなかったです。
明治維新後の政府は一説には大阪を首都にする予定だったようで、実際に造幣局を大阪に設置していたりしますが、東国に首都に置く方が国内の安定につながると言うことで東京が首都になったようです。また明治時代には東京は海に面していることから軍事攻撃に弱いとされ、群馬県に首都を移転する構想もあったようですが予算がなかったために見送られ、昭和時代中期にも構想だけが一人歩きをして、現在もまた財政が危機的なので首都移転は見送られる公算が大きいようです。かの政府案では日本の移転先は常磐線沿線のいずれかだったようです。
外国では経済的中心と首都が一致しないケースは数多いですが、災害が比較的少なく経済活動が活発なのに首都が定着しないところに中国の例があります。中国史で有名な話ですが中国の華中地域が一番発達しているのに、そこを首都とする王朝はすべて短命で終わり、最初は首都としていても他に移転するジンクスがあります。近代でも中華民国の首都は南京でしたが、日中戦争では日本軍による暴虐的な占領を受け、戦後に南京を回復したと思ったら共産党政権に台湾に追い出されました。中国内では北京は北の端で水不足が深刻で冬の気候も厳しいので環境が快適とはいえないの方ですから。
*一部内容とタイトルを訂正(誤:消滅→正:消失)しました。すいませんでした。