[84102] hmtさん
伊勢湾付近を通った台風が、遠い京都府にまで大被害を及ぼすことがある。
昭和28年台風13号の事例は、伊勢湾台風と共に、今回の台風と共通点があったことがわかります。
今度の台風で、そのことがよくわかりました。
一般に台風の進行方向右側が風雨が強いと言われていますが、近畿北部に大きな被害をもたらす台風は必ずしもそうではなく、2004年の台風23号(
[34381]今川焼)も東海から関東へ抜ける同じようなコースをたどっていました。
台風23号
由良川の洪水は昔から繰り返されており、かつて川沿いの平地一面には水害に強い桑が植えられていました。洪水になると上流から肥えた土が流れてきて、桑の生育には好都合だったわけです。しかし、やがて養蚕は衰退し、桑畑は水田・畑や住宅地に変わり新たな被害が出るようになりました。
1937年福知山市全圖を見ると川沿いの桑畑が見て取れます。盛んに行われた養蚕のお陰で福知山や綾部では製糸業が栄えました。市街地には「鐘淵紡績」や「郡是製糸」の工場の文字が見えます。
ちなみに「郡是」の由来は、何鹿郡綾部町(現綾部市)に設立された「郡是製絲株式會社」が
何鹿郡発展のために農家に養蚕を奨励することが郡の急務であり、「郡是」である
としたことによります。
グンゼの歩み
福知山の町のはじまりは、丹波を平定した明智光秀が、現市街地付近を大きく蛇行して流れていた由良川を直線状に付け替え、かつての氾濫原上に城下町を拓いたことによります。
光秀は明智藪と今でもよばれる堤防を築きました。また明治以降は、高さ十数メートルのコンクリート堤が整備されるようになりましたが、それでも市街地は何度も洪水に見舞われています。幸い今回の台風では中心市街地は難を逃れたようです。
市内には堤防をご神体とした「堤防神社」があり、昭和6年から始まった「堤防まつり」は、現在では盆踊りといっしょになり「ドッコイセまつり」として、北近畿最大の花火大会が盛大に行われています。
由良川の現状と課題
堤防の河川側は、階段状に整備されていて花火の絶好の観覧席となっていたのですが、先月その堤防下で悲惨な事故が発生したのは記憶に新しいところです。