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蘭丸さんの記事が14件見つかりました

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[4480] 2002年 11月 3日(日)19:48:22蘭丸 さん
ふたたび 「高田市」& 北陸新幹線
[4450]雑魚 さん、レスありがとうございます。

 そういった事情もありますから「上越市」よりも「高田市」のほうがしっくりきますね。直江津が交通の要衝であったとしても、歴史的に見れば、やはりそれは高田を補完する役割であったようにように思われますから。

                        * * * *

ところで、件の拙文[4441]に関連して新潟日報のおもしろい特集記事を見つけました。
http://www.niigata-nippo.co.jp/kokyo/kokyoindex.html
「揺らぐ公共王国 第7部 悲願の鉄路 北陸新幹線30年目の光と影」 です。

 整備新幹線の沿線地域が、政治に翻弄されてきた軌跡を取り上げていて、結構読みごたえありました。直江津も脇野田も同じ上越市ですし、上越市も十日町市も同じ選挙区だというのに、光と影とはいってもこんなに明暗が別れるとは....。

 並行在来線の経営分離問題もあります。フル規格にこだわる必要性がそんなにあったのかなあ、と感じました。
[4477] 2002年 11月 3日(日)18:36:16蘭丸 さん
レスありがとうございました。
[4469]てへへ さん。詳しい補足と解説、本当にありがとうございます。

 やはり、財政健全化は大問題なのですね。でも私は、合併で大きな自治体に飲み込まれてしまう町村の危惧も、わからないではないのです。そんなことであの[4423]の書き込みをしました。

 しかし、一方で失職を恐れる首長や議員の思惑で合併が進まないという地域もありますから、全国町村会などの言い分を真に受けるわけにもいかないですね。
[4441] 2002年 11月 2日(土)18:52:17【1】蘭丸 さん
「高田市」は遠慮したほうが...
[4425]いなさん
>まあ、新潟県の大本家は
>「おらとしては口出しできる立場じゃないが、ちぃ~っとあんまりじゃないかい?」程度でしょうが
>岩手県・奈良県・大分県の諸先輩方は黙っちゃあいないでしょう。
>「おまえなに考えてるんだ~」
>「こんなことだったら、義理も道理もあったもんじゃない・・・筋を通せ~」って、激怒また激怒ですよねえ

 ホント「高田市」なんてなったら、各方面から大反響が巻き起こるでしょうね。高田という土地が市制を敷く場合は冠称を付す、というのは、諸先輩方(陸前高田市・大和高田市・豊後高田市)が宗家に対して守ってきた礼節です。新参者がその美風を壊してしまうことになれば、先輩諸氏ならぬ諸市は「今までおれたちがやってきたことを無にするつもりか!」とおそらく穏やかではおられないでしょう。

 上越市民だって複雑だと思います。かつての高田市は、単にいち早く市制施行した高田だったというだけでなく、高田藩が徳川家康の六男・松平忠輝が60万石で入封した御家門であったという歴史的なことも含め「うちが本家だ」という自負をもっていたと思います。それに、直江津市と合併してからも「上越市高田」という呼ばれ方をされ(天気予報なんかで)、今でもご当地の方々の多くは「高田の人間だ」という思いをもっておられるようです。

 ところで私は、「上越」という言葉を見聞きする度に、上越市は高田市に改称しては?と思います。
それは「上越」という言葉が、
 1)新潟県上越市
 2)新潟県上越地方(気象予報区でもあり、行政上の区分でもある) ※
 3)群馬県と新潟県の併称(上越新幹線、上越国際スキー場などに登場)
という具合に多義性を含んでいるからです。
 高田市と直江津市が合併した際、この市が上越地方の中心都市だったことから「上越市」という名称になりました。高田は城下町として、直江津は陸海の交通の要衝として栄え、どちらも周辺地域の拠点的な性格をもっていたため、高田市にするわけにも直江津市にするわけにもいかなかったようです。しかし、合併当初から上越線の上越と同じになることから、この市名についてはいろいろ議論があったようです。とはいえ、「上越市」の名は別の名称に変更されることはなく、現在にいたっています。

 ところが、平成10年1月、北陸新幹線長野-上越間のフル規格での着工が決定しました。もし、「上越」という仮称駅名がそのまま通れば、・上越新幹線では行けない上越駅・が誕生します。こうなると新潟県民は別として、なにがなんだかわけがわからなくなってしまいます。
 今のところ、この駅についてほかの名称案はないようです。もともと建設地にあった「脇野田」駅では遠方からの旅客案内上あまりふさわしくないですし、「高田」だと新幹線の開通で特急「はくたか」が用済となり、
地盤沈下が予測される直江津(「はくたか」の停車駅)が黙ってはいないでしょう。いったい開業時にはどのような駅名になるのでしょうか?私個人としては、現脇野田駅が旧高田市域にあることから「高田」がいちばん
適当ではないかと思います。

 こういった諸々のことにかんがみ、ぜひ本家「高田市」の復活を、と思うわけです。「高田市にある高田駅」がいちばん分りやすいです。上越新幹線との誤乗の心配もないでしょう。上越新幹線「あさひ」と長野新幹線「あさま」の誤乗がしばしばあるそうですから。(その「あさひ」も、この12月から「とき」に変わりますが)
 実際、地元にも高田市への改称を求める声は根強くあるようですし、「高田市」の名は今も空席のままにされているわけですから、「高田市」への改称はできない話ではないと思います。

 本家「高田市」の復活の脈を残しておくために、ここはできれば「高田市」の名は遠慮していただきたい、と私は思います。同名回避の原則からすれば、現にほかに存在しない「高田市」でもOKですが、先輩諸市との絡みもあります。
 それに、もし「高田市」になった場合、北茨城市の例のように、外圧によって名称を変更しなければならなくなるようなことになりはしないでしょうか。

 ということで、いつもの外野の余計なお節介でした。

※新潟県は通常、大きく上越(じょうえつ・上越市中心)・中越(ちゅうえつ・長岡市中心)・下越(かえつ・
新潟市中心)・ 佐渡(両津市中心)の4地域に区分されることが多く、この区分はそのまま気象予報区の一次
細分区域にもなっています。

高田市と後発3市については、
http://uub.jp/zat/takada.html が詳しいです。
[4423] 2002年 11月 2日(土)14:15:24蘭丸 さん
町村制廃止!?
 今日の毎日新聞の朝刊1面に、首相の諮問機関である地方制度調査会の方針を伝える記事が載っていました。もし、これが実施されるとしたら結構大問題ではないかと思いました。内容は次のようなものでした。

合併特例法の期限後も一定の推進期間を設け、それでも合併にいたらない小規模町村について、
1)従来の町村と比べ、一部事務を都道府県に移管した簡素化した自治体にする。
2)他の基礎的自治体に編入し、内部団体とする。
3)両制度を併せて導入する。

 実質的な町村制廃止だと毎日新聞は書いています。対象とする小規模町村の判定基準は明示されていないようですし、他の自治体に編入し「内部団体」とするという概念が記事からはよく推測できませんでしたが、基礎的自治体からの事務権限剥奪は地方自治の本旨に照らして果たして妥当な方策といえるのか、おそらく全国町村会を中心に反発を受けることは必至でしょう。
 いくら聖域なき構造改革といっても、この案はちょっと過激ですね。

 この調査会は本当に地方自治を理解した人々が集まったものなのでしょうか。構造改革のための構造改革では、まともな議論はできないでしょう。もちろん、地方の財政状態の改善は大きな課題ですが、企業の合併などとは根本的に意味合いが違います。最近の政府側の(与党や民主党、自由党といった有力野党も含む)議論は、財政健全化の議論のみ先行し、将来の地方自治のシステムをどうするかといった大局的な見地からの議論が少ないことに私は危惧を感じています。
 基礎自治体を市に統一するならするで、何も合併という段階を必要条件とすることはないと思います。

 私は、郡制の復活による町村の連合体化といったような、思いきった発想の転換が必要な気がします。市と郡を同等の基礎自治体とし、町村はその内部団体として政令指定都市の行政区を発展させたような役割をもたせるようにしてみたらどうでしょうか。合併をしなくても基礎自治体の数が減り、また、慣れ親しんだわが町わが村の火を消さずにすみますから、小規模町村を傷つけることもありません。その際には、町村の合併ではなく、郡の再編成ですみます。一度こっちの郡に属したが、その後状況の変化であっちの郡に入りたいというような融通の利く制度にしてみたらおもしろいと思います。

 合併するかどうかという問題そのものも、本来「自治」の範囲内の問題であるはずなのに、合併をなかば強制するなんて何だか時代錯誤な感じですね。

 とまあ、いろいろ心配したって、この案が当の調査会で実際にまとめられるかどうかも不透明ですが。
[4344] 2002年 10月 31日(木)14:58:33【1】蘭丸 さん
「見沼区」はやっぱりいい名前です。
「見沼区」についてのみなさんの感想、読ませていただきました。ほとんどの方がこの区名を是としているようですね。

 [4321]猫使いさん、[4329]Issieさんのおっしゃる通り、「沼の字がつくから地価が安い」なんてとんでもない、という街が東京近郊に現にあります。
 拙文[4306]では、地名と云いながらも市町村名という感じで、全国的なレベルでの地名を考えていましたので、津田沼、鷺沼の存在を忘れていました。

 津田沼は、JR総武線と京成線が連絡する要衝で、習志野市の中心を形成しています。丸井やパルコをはじめとした商業施設も集積し、とても地価が安いようには思えません。

 鷺沼は、東急田園都市線沿線のハイソな住宅街です。東京周辺の人々にとっては東急沿線であることだけでもステイタスだというのに、この周辺の宮前平-鷺沼-たまプラーザ-あざみ野のラインはひときわ高級感が感じられますね。私も数年前までこの路線をよく利用していましたので(住んでいたわけではありませんが...)この周辺の土地の雰囲気の良さを覚えています。

 ほかに、都内には蓮沼というところ(正確には板橋区蓮沼町)もあります。ここは中山道と都営地下鉄三田線が通る交通至便の地で、都営三田線には本蓮沼駅もあります。周辺に建つマンションなどには、蓮沼町の町域外であっても「本蓮沼」を称するものが多いです。そこには沼の字を忌避する様子は感じ取れません。

 [4318]松戸さんのおっしゃるように、沼の字がつくこと=田舎なんて即座に連想する人はほとんどいないでしょう。同様に青山が山奥で、五反田や田園調布が農村だと連想する人もいないはずです。[4317]のような反対派の言い分は荒唐無稽と言わざるを得ません。
 [4307][4326]のように、確かに「見沼区」が100%完璧な選定結果とは言えない面もありますが、少なくとも「東区」や「大宮東区」なんかよりもずっとセンスのいい案だと思います。

 私の持論は、すでに[3797]でも述べましたが、住所として実際に書いて使われる市町村名や区名はできるだけオリジナリティーのあるものにしたほうがいい、です。さいたま市の区名案をも今一度考えてみると、A区は西区→指扇区、Bは北区→宮原区、E区は中央区→与野区、F区は桜区→秋ヶ瀬区、I区は緑区→美園区というように変更したほうがいいのでは?と思います。余計なお節介ですが。(H区の区名についてはなかなかいい案が思いつきません。)

 試しに「見沼田んぼ」でサイトを検索してみたところ、予想以上に多くのサイトがひっかかりました。全部覗いてみたわけではないですが、周辺の住民にとってはとても大きな存在であることが、おおよそ理解できました。都市に潤いを与えるこのような緑地帯が、多くの人々に愛されているということは、都市の理想像ではないかと私なんかは思います。大都市の中にこれだけのオアシスが存在するなんて自慢すべきことなのに、なんで反対派はあんなに嫌うのでしょうか。

 見沼区反対運動を熱心にされている方々は、裏磐梯にある五色沼の、あの筆舌に尽くせぬ美しさを、ぜひ一度ご覧になってはいかがでしょうか。きっと考え方が変わると思います。
[4306] 2002年 10月 30日(水)11:41:55蘭丸 さん
・沼・のつく地名あれこれ
[4299]に追加いたします。
・沼・のつく地名にどんなところがあるか思い出すままあげてみました。

気仙沼市「ふかひれ」をはじめ水産が盛ん。人口約60,000人
岩沼市仙台市のベッドタウンとして成長。人口約42,000人(市制施行以来漸増傾向)
鹿沼市日光例幣使街道の宿場町が発展。人口約94,000人
沼田市上州真田氏のお膝元。人口約46,000人
沼津市静岡県東部の中核都市。車のナンバープレートもある。かつては御用邸があった。大正12年市制施行。人口約207,000人
勝沼町「ぶどうとワイン」で知らない人はいないほど有名。人口約9,000人
魚沼最高級ブランド米「魚沼産こしひかり」の産地。苗場・越後湯沢をはじめとした著名な大規模リゾートが展開する。
※勝沼町は山梨県東山梨郡。魚沼とは新潟県南魚沼郡・北魚沼郡・中魚沼郡・小千谷市・十日町市の地域。

 私が知っている沼の字のつく地名です。これら地域が沼の字がつくからといって、不当に評価されているような事実は、私が知っている限りありません。
 それぞれ独自の歴史と個性・魅力を持った地域だと私は思います。「見沼区」は決して悪い名前ではないと思うのですが....。
[4299] 2002年 10月 30日(水)09:04:49【1】蘭丸 さん
「見沼区」ってそんなに悪いですか?
[4247][4298]
 私も東京新聞の特集を見て、この運動を知りました。
 「見沼」ってそんなに変な言葉でしょうか。私の感想では、今回示されたさいたま市の区名最終案の中では「見沼区」はいちばん個性的で、しかもその土地を的確に表しており、音韻も優しい感じで、もっとも好感を持っていました。それがご当地の住民にとっては、こんなに不評だったのですね。

 それにしても、住民のみなさんは「・沼・の字がつくと土地の値段が下がる」なんて本当に心配しているんでしょうか。沼津市、気仙沼市、鹿沼市、(南・北・中)魚沼郡といったように沼の字のつく有名な地名は多々ありますが、これらの地域が周辺と比べて土地の値段が安いなんて聞いたことがありません。沼津はかつて御用邸があったほどの風光明媚な土地ですし、魚沼は最高級ブランド米を産するこれまた山紫水明の地です。・沼・がつくから土地のイメージが悪くなるなんてことは断じてありません。

 思えば住居表示法施行以来、全国各地の由緒ある地名が抹殺され、「○○台」「○○ヶ丘」式の地名がいたるところに誕生し、新興住宅地のほとんどが同じような没個性的イメージ先行型地名でおおわれてきました。件の反対運動を見ると、当時から続いてきた地名狩りの影響がいまだに尾を引いているような気がします。

 私は、以前にも同様の書き込みをしましたが、自治体名や区名の選定にあたっては、慎重さと冷静さが必要なことを、今一度確認しておく必要があると思います。
[4273] 2002年 10月 29日(火)19:25:55蘭丸 さん
Re:4267
 白桃さんフォローありがとうございます。
 新潟市が単独で50万人を突破していたとは、恥ずかしながら初めて知りました。当の新潟市や地元マスコミ・財界などは、一様に「合併で50万都市になった」と言っているようでしたので、国勢調査の速報値は全然気にしていませんでした。
 早速調べたところ、次のような次第でした。

 合併直前の新潟市と黒埼町の人口
                  新潟市     黒埼町

国勢調査人口(速報値)501,378人25,893人
住民基本台帳人口490,194人26,384人

 新潟市は自力で50万の大台にのせていました。
 でも、当時地元は「合併によって50万人になった」と宣伝していたと思います。あれはあくまで住民票という公式の人口で見ていたためなのか、それとも政令指定都市移行をにらんで合併のメリットをアピールするためだったのか、なんて考えてしまいました。
[4265] 2002年 10月 29日(火)14:52:20【2】蘭丸 さん
新潟vs.金沢
 広島と岡山との相関関係が話題になっているようですが、私が同じように注目している関係に新潟と金沢の関係があります。いうまでもなく、この二つの都市は本州の日本海側(もっといえば北陸地方)で両雄をなす都市であり、 片や加賀百万石の御城下、片や三府五港の一角を占めた要港、 とそれぞれ都市としての歴史と由緒、 一定の風格を具えた中核市です。

 新潟市は昨年、西蒲原郡黒埼町を編入し、本州日本海側では初の50万都市となりました。全国的に見ればそれほどの人口規模ではないと思われる向きもあるでしょうが、明治以来、太平洋側偏重で経済が発展し、日本海側が太平洋側の人口供給基地となってきたを歴史を思えば、これは大きなインパクトを持った出来事だったと私は思っています。日本の歴史上はじめて日本海沿岸に地図に四角い印で表される都市ができたのです。

 その新潟市は現在、周辺市町村との合併により、人口約78万人での政令指定都市移行を目指しています。政令指定都市の人口要件が緩和され、静岡市がその基準によって移行する運びとなった状況から、新潟市のこの構想もにわかに現実味を帯びてきました。一方の金沢市も現在人口約46万人で、となりの野々市町(約4万5千人)と合わせると50万人を超えることになります。野々市町との合併は、相手側の消極姿勢で今のところ具体化してはいませんが、他の可能性も考えれば金沢市の50万都市実現は夢ではないといえます。

 このように人口規模では金沢市は新潟市に水をあけられた形ですが、両都市の広域的な拠点性を勘案すると、金沢市が一歩リードかな?という気がします。金沢は経済的に北陸地方の拠点としての地位を古くから占めており、全国規模の企業で北陸を統括する支社はたいがい金沢に置かれているようです。それと比べると新潟は経済的に見ると北陸というよりも関東(東京圏)に組み入れられるケースが多いようです。
 詳しく調べたわけではありませんが、身近なところで電機製品などの取扱説明書のカスタマーサービスの項目を見て、各社がどんな区分けをしているか調べてみましたが、新潟を北陸に入れるケースはあまり多くはないようです。
 これにはおそらく交通網の配置と両都市の位置からくる地勢的な要因が働いているように思います。新潟市はどうしても周辺の県を巻き込んだ広域圏を形づくれないでいます。

 新潟市が広域的な中枢性を高められない一番の原因は、新潟県が何地方に属すかはっきりしないところにあるようです。官公庁の管轄を見ても、新潟県は時には北陸、時には関東、時には信越といった具合に一定した所属がありません。衆議院の比例代表では「北陸信越」という、いかにも捉え所のないにブロックに括られます。また、NHKのニュースや天気予報などでは「関東甲信越」という括り方がしばしば使われます。しかし、金沢は一貫して北陸に属してその中心となっています。
 確かに、福井あたりから見ると新潟は地理的にも心理的にも「遠い」存在ですし、また逆に新潟から見た場合もそうです。ですから自然と金沢が中心性を持ってくるのでしょう。

 両都市の立地や都市基盤を比較した場合、今度は新潟が大きくリードします。
 特定重要港湾・中核国際港湾の新潟港と国際線8路線が就航する新潟空港は、金沢港(重要港湾)や国際線1路線の小松空港(金沢にはないのがミソ)と比べてその広域的重要度の違いは一目瞭然です。
 陸運でも北陸自動車道を介して関越自動車道、磐越自動車道、上信越自動車道と(いずれも自県内で)接続し、上越新幹線利用で東京まで最速で約1時間30分の新潟と、北陸自動車道1本で上越新幹線接続の特急利用の金沢は、やはり新潟の利便性の方が上でしょう。
 しかし、国際線の航空貨物の取扱量は小松空港の方が上回っていますから、一概に新潟が上とばかりいえない面もあります。

 長々と書いてしまいましたが、私の結論は、総合的に見てやや新潟がリードかな?といったところです。着実に足下を固め名実共に北陸の中心である金沢と北陸でありながらも多角的な連携を求める新潟、という両者の指向性の違いがそれぞれに今日の発展をたらしめたのではないだろうかと思います。
 なにせバブル期には新潟空港は上越新幹線乗り入れによる首都圏第二空港化を目指していたほどです。東京から日本海側に抜ける効率的なルートが上越新幹線だったということで、最終的には新潟の立地条件の優位性が両都市の都市としての性格の違いにつながっているようです。
[3862] 2002年 10月 14日(月)15:37:24【1】蘭丸 さん
「第二政令指定都市構想」ですか
「第二政令指定都市構想」。そんなものがあるとは全く知りませんでした。

 私の知っている限りでは、現在の中核市制度が全国市長会による第二政令指定都市構想の発表をきっかけにつくられたものなので、今度の「第二政令指定都市構想」とは如何ようのものなのか知りたいですね。

 この構想が実際に法律で定められるとすると政令指定都市と中核市の中間に位置付けられることになるでしょうが、そうなると市には実に5つのタイプができるわけですね。(政令指定都市、「第二政令指定都市」、中核市、特例市、一般市)
 こうなると、果たして5つもの区別が本当に必要なのかな?と思えてきます。政府・総務省の側からすれば、実質的な自治体の格付けによって市町村合併を促そうということなのでしょうが、法律上、市町村は基礎的な地方公共団体として同等の地位にあるという本質から、現実がだんだんかけ離れていくような気がします。

 その規模ゆえの特殊性から政令指定都市は別としても、そもそも地方自治の上で都市の格付けなんて必要なことではないはずです。地方自治で必要なことは、政府や都道府県の権限をいかにしてより身近な市町村に移譲していくかということなのですから。私個人の考えとしては、中核市以降の市への特例は、中核市の要件の緩和と中核市へのさらなる分権で対応すれば、ほかには必要無いような気がします。

 そうすれば、都市の箔付けを目指して広大な山村地域を抱えながら、単に人口規模のみを整えようとする無理な合併は少なくなると思います。

 そもそも、都市の格付けに制度上の保証なんかは必要ではなく、それは現実の都市の社会的・経済的な地位を多数の人々がどのように評価するかという客観的なものだと思うのですが。
[3841] 2002年 10月 13日(日)21:21:07【1】蘭丸 さん
適切な市町村名・区名の選定を
 YSKさんのご指摘、なかなか鋭いですね。確かに仙台市の区名は全て地名に由来するものです(太白区、若林区も)。このご指摘は、前掲の私の書き込みが舌足らずであったためのものと思います。

 >独自かつ方位を表す文字や抽象地名を使用しない区名

 という文は“当該区の区域となる土地を適切に指し示す地名に因み、方位を表す文字を使ったり、「旭」「緑」など特定の区の名称とする必然性のない言葉を使った区名ではない区名”という意図で書いたものです。独自というのは、政令市の区名を比較して独自というよりも、その区名の地名としての独自性という意味で使わせてもらいました。

 仙台市の区名中、「宮城野区」の名は、その区の区域を適切に表す区名ではありません。これは広域地名の借用です。すなわち、この区名は青葉区や太白区に付けられていたとしても通用するはずのものなのです。
 このような借用地名から採った市町村名・区名が全国いたる所にできたため(武蔵野市、多摩市、相模原市、むつ市、上越市、加賀市、備前市、さぬき市、筑紫野市、沖縄市....など枚挙にいとまがありません。)、多くの人があまり違和感を感じなくなっているのかもしれません。しかし、私はこのような命名法は市区町村名選定に用いるべきではないと思っています。

 例えば、単に「武蔵野」と言った場合、武蔵野台地全体(あるいは旧武蔵国全体)を指すのか武蔵野市を指すのか判然としません。「上越」にいたっては、それのみだと新潟県上越地方、上越市、新潟県と群馬県の併称という三つの可能性が出てくるのです。広域地名の借用を安易に行うことの弊害です。す。函館市や横浜市は「函館」「横浜」でも意味をなしますが、加賀市や大和市は「加賀」「大和」では、何のことか特定できません。もっとも、そのような場合は「加賀市」「大和市」として混乱を回避しますが、やはり一般的な市区町村名とのバランスがとれません。

 ただの考え過ぎと言えばそうなのですが、今後誕生する新市区町村名が、このようなことを考慮して決められることを私個人としては望むものです。「旭」や「緑」も、まだ「旭が丘」「緑原」とでもすれば地名らしくなると思うのですが。
[3797] 2002年 10月 11日(金)18:40:32蘭丸 さん
さいたま市の区名雑感
 さいたま市の区名の最終案を見ました。「これでホントにいいんですか?」と思いました。この味気無さは全国の政令市を見ても天下一品だと思います。(ちょっと言い過ぎでしょうか。関係者の方ごめんなさい。)全国あちらこちらにある、すでに使い古された、方位から採った区名を臆面も無く提示するセンスの無さには、正直愕然としました。(またまた関係者の方ごめんなさい。まだ正式決定ではないようなので許して下さい。)

 北区が、すぐ近くにある東京都北区と同一なのを筆頭に、中央区、西区、南区、緑区はすでに首都圏の政令市や特別区に存在する名称と重複してしまっています。中央区、緑区にいたっては、これで首都圏では3つめとなります。政令市の区の名称問題は市内部の組織上の問題であって、市の名称と異なり同名回避をする必要性はありませんが、すでに存在する区名はやはり避けるべきだったと思います。小規模町村ならまだしも、名立たる大都市なのですから。

 この分では、今後昇格する政令市でも、同様の没個性的な区名がぞろぞろと誕生するのだろうか、と思えてきて何だか淋しい気がします。政令市の区の名称を決めるということは、単に市の組織の名称を決めるばかりでなく、その地域の住所表記に使われる・地名・を決めることでもある、という認識が選考委員や投票した住民に欠けている様に思います。簡潔で当たり障りない、ということが選考基準で良いのでしょうか。会社や団体の名称を決めるのとはわけが違うのです。住民が愛着と誇りを持てる由緒ある区名を慎重に選ぶ努力がなされたのか私には疑問です。

 さいたま市を含む13市で、独自かつ方位を表す文字や抽象地名を使用しない区名のみなのは川崎市だけ、という状況を改めて見渡すと現代日本の文化的センスがどの程度なのかわかってしまうような気がします。(※)

 総務省は政令市の人口要件を70万人に引き下げ、今後も近い将来の政令市誕生が予想されますが、このへんで区の名称選定についてのガイドラインみたいなものを作ってみたらどうでしょうか。でも、そんなことしたら自治の制約ということになってしまうんでしょうね。

※川崎市には幸区がありますが、これは旧御幸村(みゆきむら)に因むもので、出所不明の抽象地名ではありません。その御幸村の名は明治天皇の梅園への行幸を記念したものであり、明確な事実をもとにしているので抽象地名ではありません。従って旭区、緑区、栄区といった区名とは性格が異なります。
[3779] 2002年 10月 11日(金)08:27:40【2】蘭丸 さん
都道府県の相違と来歴
 過去ログで、都道府県の違いや、歴史に関するものがありましたので、私の知っている限りの情報を書かせていただきます。

 現行の都道府県制度は、地方自治法上、地位についてその名称による差異は全くなく、同等のものとして一律に規定しています。単に現行法の制定当時に存在した沿革上の名称をそのまま踏襲したまでのことです。ですから、地方自治法や都道府県条例では、市となるための要件や町となるための要件などは規定されていても、「府となるための要件」や「都となるための要件」は存在しないわけです。

 特に府と県はその実態から言って全く同じものです。なぜ、「府と県は」かというと、東京都の特別区の存在が「都」に府県とは違った役割を持たせているからです。
 すなわち、東京都はその区域の内、市町村の区域については通常の府県の権能を有し、特別区の区域については府県と市の両方の権能を有するという離れ業をやってのけています。これも一言で言えば、沿革上の都の組織を踏襲した結果です。戦時中、首都の一体的な行政遂行を目的として東京府と東京市を統合した「東京都制」が施行されましたが、戦後も「東京市」が復活することなくそのままの形が残されたわけです。戦後、区長の公選が行われましたが、昭和27年に議会選任制(都知事の同意のもと、議会が選任)となり、特別区は再び都の内部団体としての色彩が濃くなります。しかし、これでは通常の有権者は基礎自治体である市町村と広域自治体である府県の両方の自治に参加できるのに、特別区の有権者は都の自治にしか参加できない(通常の地方自治は二層制だが、特別区では一層制)という問題点が指摘され、昭和50年、区長公選が復活し、平成11年には基礎自治体に昇格して他の市町村なみの体裁を整えるにいたったのです。
 しかし、依然として都区財政調整制度や、23区職員の一括採用、消防・水道の都による運営など、通常の市町村とは異なる面が多く、やはり現在も名実共に「特別区」なのです。

 また、現在の「都」は、戦前の「東京都制」とは違って、東京に限った制度ではないので、例えば神奈川県や大阪府を大都市行政の一手段として「都」とすることは法理論上は可能です。そもそも、都と特別区の定義自体が自治法にはない、と言った方が早いでしょうか。

 道についても、沿革上の呼称をそのまま用いているだけであり、元来、一地方名であったものが府県と同じ位置付けをされた、という経緯の違いがあるだけで府県と同様のものです。

 ちなみに王政復古ののち、府は10府ありました。このことに触れている書物がわりと少ないので以下に列挙してみます。

 箱館府、東京府(←江戸府)、神奈川府、新潟府(←越後府)、甲斐府、
 度会府、京都府、大阪府、奈良府、長崎府
 ※東京府は江戸府から、新潟府は越後府から改称したものですが、新潟府とその後別個に成立した越後府とが
  一時並立した時期もあった様です。これを含めると11府あったことになります。

 この10府の内、のちに残る3府以外は全て1年足らずで廃止されている様です。しかし、当時の政府がどこを要地と考えていたかを物語る興味深い事実だと思います。

 それにしても、いろいろな統計をとる際に、23区は一つの都市と見なされながら、それを指す適切な言葉が存在しないのにはやっぱり違和感ありますよね。例え「特別区」、「23区」と表記しても、他のケースでは「神奈川県-横浜市-都筑区」のように住所表記と一致するのに対し、「東京都-特別区-渋谷区」なんていう住所ないですよね。
[3764] 2002年 10月 10日(木)21:07:20蘭丸 さん
政令指定都市の拡大について
 政令指定都市の増大について、反対意見が見受けられる様ですが、私は、地方自治法の明文規定が「50万人以上」とのみある以上、総務省が基準を70万人に引き下げた措置は歓迎します。むしろ、国土の均衡ある発展を誘導するためにも、すでに中核市となっている市の内で社会経済的に広域的な中心となりうる都市は、今後の発展を促す意味で政令指定都市にするのがいいと思います。

 その際、新潟、浜松、岡山、熊本が第一次候補となるでしょうか。ここで注意したいのは、単なる人口規模を満たした市に対して政令指定を乱発しないことです。

 例えば、柏市を中心とした政令市構想や、神奈川県央4市政令市構想、湘南市構想などは、果たしてそれらの地域の中核はどこなのか、あるいは合併でできた新市がどれだけのフィールドを持った経済圏を形成しうるか、はなはだ疑問と言わざるを得ません。上記4市は岡山が広島から若干の影響を受けていますが、既存の政令指定都市を中心とした大都市圏の影響をあまり受けずに、独自の発展をしている感じがします。

 静岡がなれるのなら、比較対照上この4市は問題ないと思います。

 余談ですが、千葉が政令指定都市になれたのは、自治省出身の市長の存在が大きかった、ということを何かの本で読んだことがあります。


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