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蘭丸さんの記事が4件見つかりました

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記事番号記事日付記事タイトル・発言者
[3841]2002年10月13日
蘭丸
[3797]2002年10月11日
蘭丸
[3779]2002年10月11日
蘭丸
[3764]2002年10月10日
蘭丸

[3841] 2002年 10月 13日(日)21:21:07【1】蘭丸 さん
適切な市町村名・区名の選定を
 YSKさんのご指摘、なかなか鋭いですね。確かに仙台市の区名は全て地名に由来するものです(太白区、若林区も)。このご指摘は、前掲の私の書き込みが舌足らずであったためのものと思います。

 >独自かつ方位を表す文字や抽象地名を使用しない区名

 という文は“当該区の区域となる土地を適切に指し示す地名に因み、方位を表す文字を使ったり、「旭」「緑」など特定の区の名称とする必然性のない言葉を使った区名ではない区名”という意図で書いたものです。独自というのは、政令市の区名を比較して独自というよりも、その区名の地名としての独自性という意味で使わせてもらいました。

 仙台市の区名中、「宮城野区」の名は、その区の区域を適切に表す区名ではありません。これは広域地名の借用です。すなわち、この区名は青葉区や太白区に付けられていたとしても通用するはずのものなのです。
 このような借用地名から採った市町村名・区名が全国いたる所にできたため(武蔵野市、多摩市、相模原市、むつ市、上越市、加賀市、備前市、さぬき市、筑紫野市、沖縄市....など枚挙にいとまがありません。)、多くの人があまり違和感を感じなくなっているのかもしれません。しかし、私はこのような命名法は市区町村名選定に用いるべきではないと思っています。

 例えば、単に「武蔵野」と言った場合、武蔵野台地全体(あるいは旧武蔵国全体)を指すのか武蔵野市を指すのか判然としません。「上越」にいたっては、それのみだと新潟県上越地方、上越市、新潟県と群馬県の併称という三つの可能性が出てくるのです。広域地名の借用を安易に行うことの弊害です。す。函館市や横浜市は「函館」「横浜」でも意味をなしますが、加賀市や大和市は「加賀」「大和」では、何のことか特定できません。もっとも、そのような場合は「加賀市」「大和市」として混乱を回避しますが、やはり一般的な市区町村名とのバランスがとれません。

 ただの考え過ぎと言えばそうなのですが、今後誕生する新市区町村名が、このようなことを考慮して決められることを私個人としては望むものです。「旭」や「緑」も、まだ「旭が丘」「緑原」とでもすれば地名らしくなると思うのですが。
[3797] 2002年 10月 11日(金)18:40:32蘭丸 さん
さいたま市の区名雑感
 さいたま市の区名の最終案を見ました。「これでホントにいいんですか?」と思いました。この味気無さは全国の政令市を見ても天下一品だと思います。(ちょっと言い過ぎでしょうか。関係者の方ごめんなさい。)全国あちらこちらにある、すでに使い古された、方位から採った区名を臆面も無く提示するセンスの無さには、正直愕然としました。(またまた関係者の方ごめんなさい。まだ正式決定ではないようなので許して下さい。)

 北区が、すぐ近くにある東京都北区と同一なのを筆頭に、中央区、西区、南区、緑区はすでに首都圏の政令市や特別区に存在する名称と重複してしまっています。中央区、緑区にいたっては、これで首都圏では3つめとなります。政令市の区の名称問題は市内部の組織上の問題であって、市の名称と異なり同名回避をする必要性はありませんが、すでに存在する区名はやはり避けるべきだったと思います。小規模町村ならまだしも、名立たる大都市なのですから。

 この分では、今後昇格する政令市でも、同様の没個性的な区名がぞろぞろと誕生するのだろうか、と思えてきて何だか淋しい気がします。政令市の区の名称を決めるということは、単に市の組織の名称を決めるばかりでなく、その地域の住所表記に使われる・地名・を決めることでもある、という認識が選考委員や投票した住民に欠けている様に思います。簡潔で当たり障りない、ということが選考基準で良いのでしょうか。会社や団体の名称を決めるのとはわけが違うのです。住民が愛着と誇りを持てる由緒ある区名を慎重に選ぶ努力がなされたのか私には疑問です。

 さいたま市を含む13市で、独自かつ方位を表す文字や抽象地名を使用しない区名のみなのは川崎市だけ、という状況を改めて見渡すと現代日本の文化的センスがどの程度なのかわかってしまうような気がします。(※)

 総務省は政令市の人口要件を70万人に引き下げ、今後も近い将来の政令市誕生が予想されますが、このへんで区の名称選定についてのガイドラインみたいなものを作ってみたらどうでしょうか。でも、そんなことしたら自治の制約ということになってしまうんでしょうね。

※川崎市には幸区がありますが、これは旧御幸村(みゆきむら)に因むもので、出所不明の抽象地名ではありません。その御幸村の名は明治天皇の梅園への行幸を記念したものであり、明確な事実をもとにしているので抽象地名ではありません。従って旭区、緑区、栄区といった区名とは性格が異なります。
[3779] 2002年 10月 11日(金)08:27:40【2】蘭丸 さん
都道府県の相違と来歴
 過去ログで、都道府県の違いや、歴史に関するものがありましたので、私の知っている限りの情報を書かせていただきます。

 現行の都道府県制度は、地方自治法上、地位についてその名称による差異は全くなく、同等のものとして一律に規定しています。単に現行法の制定当時に存在した沿革上の名称をそのまま踏襲したまでのことです。ですから、地方自治法や都道府県条例では、市となるための要件や町となるための要件などは規定されていても、「府となるための要件」や「都となるための要件」は存在しないわけです。

 特に府と県はその実態から言って全く同じものです。なぜ、「府と県は」かというと、東京都の特別区の存在が「都」に府県とは違った役割を持たせているからです。
 すなわち、東京都はその区域の内、市町村の区域については通常の府県の権能を有し、特別区の区域については府県と市の両方の権能を有するという離れ業をやってのけています。これも一言で言えば、沿革上の都の組織を踏襲した結果です。戦時中、首都の一体的な行政遂行を目的として東京府と東京市を統合した「東京都制」が施行されましたが、戦後も「東京市」が復活することなくそのままの形が残されたわけです。戦後、区長の公選が行われましたが、昭和27年に議会選任制(都知事の同意のもと、議会が選任)となり、特別区は再び都の内部団体としての色彩が濃くなります。しかし、これでは通常の有権者は基礎自治体である市町村と広域自治体である府県の両方の自治に参加できるのに、特別区の有権者は都の自治にしか参加できない(通常の地方自治は二層制だが、特別区では一層制)という問題点が指摘され、昭和50年、区長公選が復活し、平成11年には基礎自治体に昇格して他の市町村なみの体裁を整えるにいたったのです。
 しかし、依然として都区財政調整制度や、23区職員の一括採用、消防・水道の都による運営など、通常の市町村とは異なる面が多く、やはり現在も名実共に「特別区」なのです。

 また、現在の「都」は、戦前の「東京都制」とは違って、東京に限った制度ではないので、例えば神奈川県や大阪府を大都市行政の一手段として「都」とすることは法理論上は可能です。そもそも、都と特別区の定義自体が自治法にはない、と言った方が早いでしょうか。

 道についても、沿革上の呼称をそのまま用いているだけであり、元来、一地方名であったものが府県と同じ位置付けをされた、という経緯の違いがあるだけで府県と同様のものです。

 ちなみに王政復古ののち、府は10府ありました。このことに触れている書物がわりと少ないので以下に列挙してみます。

 箱館府、東京府(←江戸府)、神奈川府、新潟府(←越後府)、甲斐府、
 度会府、京都府、大阪府、奈良府、長崎府
 ※東京府は江戸府から、新潟府は越後府から改称したものですが、新潟府とその後別個に成立した越後府とが
  一時並立した時期もあった様です。これを含めると11府あったことになります。

 この10府の内、のちに残る3府以外は全て1年足らずで廃止されている様です。しかし、当時の政府がどこを要地と考えていたかを物語る興味深い事実だと思います。

 それにしても、いろいろな統計をとる際に、23区は一つの都市と見なされながら、それを指す適切な言葉が存在しないのにはやっぱり違和感ありますよね。例え「特別区」、「23区」と表記しても、他のケースでは「神奈川県-横浜市-都筑区」のように住所表記と一致するのに対し、「東京都-特別区-渋谷区」なんていう住所ないですよね。
[3764] 2002年 10月 10日(木)21:07:20蘭丸 さん
政令指定都市の拡大について
 政令指定都市の増大について、反対意見が見受けられる様ですが、私は、地方自治法の明文規定が「50万人以上」とのみある以上、総務省が基準を70万人に引き下げた措置は歓迎します。むしろ、国土の均衡ある発展を誘導するためにも、すでに中核市となっている市の内で社会経済的に広域的な中心となりうる都市は、今後の発展を促す意味で政令指定都市にするのがいいと思います。

 その際、新潟、浜松、岡山、熊本が第一次候補となるでしょうか。ここで注意したいのは、単なる人口規模を満たした市に対して政令指定を乱発しないことです。

 例えば、柏市を中心とした政令市構想や、神奈川県央4市政令市構想、湘南市構想などは、果たしてそれらの地域の中核はどこなのか、あるいは合併でできた新市がどれだけのフィールドを持った経済圏を形成しうるか、はなはだ疑問と言わざるを得ません。上記4市は岡山が広島から若干の影響を受けていますが、既存の政令指定都市を中心とした大都市圏の影響をあまり受けずに、独自の発展をしている感じがします。

 静岡がなれるのなら、比較対照上この4市は問題ないと思います。

 余談ですが、千葉が政令指定都市になれたのは、自治省出身の市長の存在が大きかった、ということを何かの本で読んだことがあります。


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