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YTさんの記事が20件見つかりました

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記事番号記事日付記事タイトル・発言者
[109306]2023年11月20日
YT
[109305]2023年11月20日
YT
[109298]2023年11月19日
YT
[109279]2023年11月15日
YT
[109261]2023年11月12日
YT
[109255]2023年11月11日
YT
[109253]2023年11月11日
YT
[109252]2023年11月11日
YT
[109243]2023年11月7日
YT
[109241]2023年11月7日
YT
[109233]2023年11月2日
YT
[109229]2023年11月1日
YT
[109221]2023年10月30日
YT
[109219]2023年10月30日
YT
[109215]2023年10月29日
YT
[107981]2023年6月11日
YT
[107732]2023年4月26日
YT
[107714]2023年4月25日
YT
[107713]2023年4月25日
YT
[107687]2023年4月23日
YT

[109306] 2023年 11月 20日(月)01:36:12YT さん
スーパー三和
[109297] 伊豆之国さん
「地域限定のスーパー」というと、私にとってなじみが深いのが、町田市を本拠とする「スーパー三和」。店舗検索を見ると、そのほとんどが町田市など東京都南多摩地区と、神奈川県の県央から横浜・川崎市にかけての地域に集中していることが分かり、町田市民や相模原市民にとっては大変身近な存在ではないでしょうか。4年前まで住んでいた町田市の自宅からの徒歩圏内には2店(現在はそのうち1店は閉店)あり、現住所のマンションからも徒歩圏内に2店あって、ポイントカードも持っており、普段からよく使っているスーパーになっています。

[109299] メークインさん
伊豆之国 さんが書かれた、
「地域限定のスーパー」というと、私にとってなじみが深いのが、町田市を本拠とする「スーパー三和」。
sanwaも13位に入っており、実際の利用者数から考えると、顧客満足度はかなり高めだと思いますよ。
すみません。伊豆之国さんが言及されたスーパー三和についてすっかりスルーしていましたが、メークインさんの文章を読んで急に思い出しました。スーパー三和はてっきりかつての三和銀行系列の資本のスーパーかと勘違いしていましたが、神奈川東京ローカルのスーパーだったのですね。

自分が物心ついた頃、小田急線の新百合ヶ丘駅近くに住んでいたのですが(今でも両親が住んでいます)、当時の新百合ヶ丘駅周辺には何もなく、あったのは土木工事中の茶色の山中に佇む駅舎だけでした。で、当時買い物といえばお隣りの百合ヶ丘駅が中心でした。そこには駅前のゆりストアという超ローカルなスーパーと、やや駅から離れたところにできたスーパー三和が、熾烈な競争を繰り返していました。今から思うと信じられないことですが、当時はスーパーがそれぞれ独自のバス運行を出していて、そのタダで乗れるバスにのってスーパーに出かけたのです。当時これらのスーパーは、生鮮食料品のみならず、家電、衣類やおもちゃなども扱っており、小学校に上がる前の自分にとって、百合ヶ丘にあったこれら二つのスーパーはちょっとしたデパートのような存在でした。

ただこれらのバスの存在は、小田急バスなどの路線バスの収益を脅かすものでした。私が親の仕事の関係で日本にいなかった時期に、バス会社側から何かしらのクレームがあり、これらのバス路線はいつの間にか廃止となったようです。それでもしばらくは地域の中心の役割を果たしていました。ところが川崎市麻生区が川崎市多摩区から分離し、新百合ヶ丘駅周辺の開発が進むにつれ、徐々に百合ヶ丘周辺は寂れていきました。2000年ごろに久々に百合ヶ丘のスーパー三和に行った時には、二階の家電、衣類やおもちゃを扱っている部分が百円ショップ化しており、さらに周辺の本屋、文具店等々の店もなくなっており、昔の店舗の状況を知っている自分にとって、何か悲しくなりました。ただし今思えば業務として家電・衣類等々の扱いを止め、生鮮食料品にのみ特化するという路線は、その後の時代に沿ったものだったようです。

色々あって[109298]で書き綴ったジョイフル近くに暮らしていた頃、同じようにこの若葉台と平尾を結ぶ道路沿いに新たに商業施設が出来て大繁盛していたのですが、その店の形態は1階にスーパー三和、2階に百円ショップやその他店舗が入っていて、まさに2000年頃に百合ヶ丘で見た店舗に近いものでした。今引っ越した稲城市内にも同様に商業施設にスーパー三和が入っており、かなりの盛況っぷりです。今の百合ヶ丘のスーパー三和の状況は知りませんが、現在のこれらのスーパー三和は生鮮食料品にのみ特化しており、70年代末~バブルの頃の百合ヶ丘のスーパー三和のように自分の店舗でデパート的経営をするのではなく、商業施設に間借りすることで、それなりに盛況しているようです。

なお、この分析は私の身近な店舗の状況だけを見て私が勝手な妄想によるものであり、中で働いてきた人にとっては全然違う歴史が描かれているのかも知れません。
[109305] 2023年 11月 20日(月)00:23:49YT さん
Re: 日本の有人島一覧 更新
[109301] オーナー グリグリさん

YTさんからいただいている有人島一覧の情報に基づき、日本の有人島一覧を更新しました。

色々修正を対応していただきありがとうございます。

ところで、こちらの記事の、横山島のタイトルや表の島名と市名が間違っています(瀬戸内市と黒島と誤記)。また、黒島の朝日新聞の記事リンクも切れています。こちら「最後の島民はなぜ去った?「墓を守る」願った男性は今」に入れ替えた方がよろしいかと思います。貴重な記事なので、記事訂正期限が過ぎていますがご了承いただければ管理者権限で訂正したいと思います。ご了解をお願いします。

すみません。ご指摘の通り間違いです。修正していただけるのであればお願いします。

それならば過去の有人島という一覧表をページに追加し整理することもできるかと思います。過去をどこまでとするかが問題になるかもしれませんが、ある程度まとめられるようであれば、現時点での過去分(上記の牛ヶ首島や前ノ島のようなケース)の追加掲載を考えたいと思いますが、いかがでしょうか。

離島統計年報である程度過去の人口を調べることはできますし、既に手元には2000年国調ベース以降の離島統計年報による人口の情報はありますが、問題は離島統計年報が法的に認定した離島しか対象としない点です。正直2015年分に関しては、ekinenpyouさんのまとめや、離島経済新聞とSHIMADASの情報があったので、なんとかまとめられましたが、2010年分についても既に何らかの抜けがあるのではないかと恐れています。

また現在のところe-Statから小地域(基本単位区)(JGD2000) の境界データをダウンロードできるのは、令和2年(2020年)の国勢調査分のみです。合併を契機に国勢調査の基本単位区の番号が変わってしまっているケースや、過去と現在で基本単位区の範囲に変更があったケースなどが既にあり、基本単位区人口として絶対的に正しく検証できたといえるのは、2020年分のみであるなどの問題が既にあります。

よって2005年以前の国勢調査ベースの有人島人口までは現状では調べる気力がありません。
[109298] 2023年 11月 19日(日)02:21:50YT さん
ジョイフル&ヤオコー(八百幸)
[109297] 伊豆之国さん

その中で、[109279] でYTさんがおっしゃっているものと思われる稲城の店舗ですが、実は私は2年前にこの近くにある市の施設の改修工事の調査に行っており、その時は市役所で打ち合わせをした後、市役所の車に同乗して現地まで行ったのですが、市役所からのルートを考えると、「ジョイフル」の前を通っていた可能性が高そうですが、「ジョイフル」を見た記憶ははっきりしません…。

はい、まさにそのジョイフルです。ただ2年前当時は私は稲城市民ではなく、都県境を越えた川崎市民で、子供を遊ばせるための散歩の時によく越境して平尾団地に来てました。なおジョイフルがあるのは平尾団地から若葉台駅に抜ける大通り沿いなのですが、この大通りができたのは割と最近のことで、記憶違いでなければ若葉台方面へ抜けるトンネルが開通したは2015年前後?だったと思います。というか、ジョイフル横で交差する、栗平方面へ抜ける道ができたのも確か5年ぐらい前で、ジョイフルが出来たのも確かその後です。平尾団地の北側の再開発で、この辺りの人口は急激に増えたのですが、その結果この大通りは今では常時大渋滞となっています。

伊豆之国さんが平尾地区のどこの施設に行ったの分かりませんが、地元を良く知る住民が稲城市役所方面から平尾団地に行く場合、おそらく鶴川街道側からジョイフルの前を通る大通りを使わずに、天神通りという、昔ながらの尾根道を使うと思います。その場合はジョイフルの前をぎりぎり通らない可能性があります。

一方、「ヤオコー」の店舗検索から東京都を見ると、[109278]にある通り、特別区部には1つも店舗がありませんが、この表を見ると「八百幸 成城店」というのがあり、住所が「調布市入間町」となっています。私は以前[106033]
成城学園前駅から調布市方面へのバスに乗ったとき、車窓から「成城」を名乗るマンションなどが、住居表示板や電柱の住所表示から見て、明らかに調布市域に入る場所に何棟かあったのを見たことがありました
と書き込んでいたのですが、この「調布市にある八百幸成城店」は確かに見ており、改めて地図で確認すると、バスが通っている道路を隔ててすぐ東側は「世田谷区成城」。本当にギリギリのところで「23区外」になっていることが分かり、また、[106033]で書き込んだ通り、調布市域に「成城」を冠するマンションなどがいくつも見られることもわかります。

実はこの成城店の存在が念頭にあり、確か成城にヤオコーあったよな?と思っていたのですが、店舗自体が調布市内だったとは・・・

私は運転しないのですが、正月などに親戚が集まった時、兄などの運転する車に便乗させて貰ってます。そして成城学園にある某ファミレスに集合した際、この八百幸成城店の交差点が目印になりました。記憶違いでなければこのヤオコー、というか八百幸の店ができたのもそんなに古くはないはずです。
[109279] 2023年 11月 15日(水)02:13:29【1】訂正年月日
【1】2023年 11月 15日(水)02:23:55
YT さん
ジョイフル、ヤオコー
[109276] 伊豆之国 さん
この記事を見て、私自身がまず驚いたのは、やはり「ジョイフル」という店舗について。
東京23区に一つもないとのことですが、私の「近所にも普段の行動範囲の中でもまず見たことがなく、「業界3位の大手チェーン」てあるということはそれこそ初耳でした。

[109278] メークイン さん
また、このような記事を見てよく思うのは、「東京(城西エリア)・神奈川に存在しないと、関東全域に存在しない」と発言する事です。

横からすみません。

私は神奈川県川崎市麻生区で育ち、現在は東京都稲城市に住んでいます。おおよそ人生の85%を都県境の東京よみうりカントリークラブから半径2キロ以内に居住してきた計算になり、おそらく伊豆之国さんとは小田急線や京王線などで同じ電車に乗ったことがあるかも知れません。そんな私ですが、近くにヤオコーはありますし、ジョイフルもあります。

ただ、ヤオコーは現在使っておりますが、ジョイフルには一度も入ったことがありません。我が子の散歩でよくジョイフルの前を通りましたが、「なら今度家族でジョイフルに行こう!」とはなりませんでした。というのも、確かにそのジョイフルの店舗も車で行くような大通り沿いにあり、駅からはやや遠いからです。そう、自分は車を運転しないペイパードライバーなので、家族でのお出かけも電車中心になってしまいます。となるとファミレスを利用するにしても駅前の店舗となってしまうのです。子供はとにかくマクドナルド優先。入るとしても駅前に多いガスト、サイゼリヤ、ジョナサンとなってしまいます。よって

ジョイフルは関東でも車中心地域の出店が大半で鉄道で行かれる店は滅多にありませんね。

この分析はそれほど的外れではないと思います。

言われてみればヤオコーも、やや駅前から遠い、車に便利なところにあります。ご近所でなければ使わなかったかも知れません。

あと、年齢によっても受ける印象が違うと覆います。自分が子供のころに親の車で移動した時に使ったファミレスは、スカイラーク(正しくは平仮名で「すかいらーく」?昔のことなのでよく覚えていない)が多かった記憶がありますが、今ではありません。ほかにデニーズやロイヤルホスト、神戸屋(かなりローカル!)はよく利用しましたが、90年代になって、スカイラークがどんどんガストやジョナサンに置き換わった記憶があります。そのうちジョイフルが増えたような気がしましたが、結局今に至るまで入ったことがありません。

そう、店舗の印象は地域性のほか、その人の年齢(時代による店舗の変遷)や、生活環境の違いと変化(車中心か電車通勤通学か)によっても大分変わるかと思います。ということで地域性に加え過去何十年かのチェーン店舗数の時系列データでもあれば、より深い分析が可能かと思いましたが、ネット上にタダで転がっているデータは最新かせいぜいここ10年のものばかりで、古いデータは図書館に行かないと入手できないようです。色々面倒なのでこの分野にはこれ以上突っ込みを入れません。
[109261] 2023年 11月 12日(日)11:39:25【1】訂正年月日
【1】2023年 11月 20日(月)18:10:28 by オーナー(表組み改善)
YT さん
[109252]の補足と鹿老渡島について
[109256] オーナー グリグリさん

いろいろやることが溜まっています(変遷情報、有人島、推計人口、若年女性首長、雑学整備、都道府県データランキング更新、国勢調査更新、etc.)。歳のせいか頭の回転と体力の性能低下でご迷惑をおかけしております。気長にお待ちいただければ幸いです。実は新しい企画も検討中で、そちらに手一杯ということもあり....^^;

すみません。普段まとまった時間を作るのが難しいので、一気に有人島関連の投稿を続けます。多分これで小休止になるかと。

[109252]で投稿した「2020年・2015年・2010年の有人島別国勢調査人口」の表の内、横山島と黒島について、ウェブ上で閲覧できない新聞記事を引用しましたが、その内容について今回まとめます。

1.横山島(三重県志摩市)

島名都道府県市区町村
(小地域区分)
人口
(2020年)
人口
(2015年)
人口
(2010年)
面積
(km2)
備考
横山島三重県志摩市
(阿児町神明の一部(基本単位区0020-00230の一部))
2330.06面積出典:SHIMADAS(2019)

以下の記事から2015年10月1日頃の時点で住民は3人(夫婦と老母)と推定されます。SHIMADASで平成31年(2019年)の住民基本台帳人口が3人なのは確定していますが、「一軒の民宿を営むご夫婦だけが暮らす島 ~三重県志摩市横山島へ」(2020年3月26日デイリーポータルZ)の記事を信じる限り、既に2020年の段階で島に常住しているのは夫婦のみと読み取れるので、2010年3人、2015年3人、2020人2人と推定しました。

「島の恵み、見つけた」
(2015年9月27日 朝日新聞朝刊 名古屋 朝日プラス・シー1面)
■ただ、のんびり 究極リゾート 横山島(三重県志摩市)
大小60余の島々が浮かぶ三重県志摩市の英虞(あご)湾にいま、世界の視線が集まる。サミット開催予定地・賢島の喧噪(けんそう)の目と鼻の先に、静寂の島があった。人口3人。名を横山島という。一軒宿があり、住民は経営者一家らしい。それ以上はさっぱりわからない。
賢島の遊覧船乗り場の脇から、宿専用船で5分足らず。周囲1400メートルほどの小島についた。海岸沿いに立つ建物の屋根が大きく白ペンキで「石山荘」と主張している。不安な印象は、すぐ消えた。エントランスは多くの緑で飾られ、ハイビスカスの赤が藍色の海を渡る風に揺れている。
レトロな外見とはうらはらに、中は気持ちのいい空間だった。高い天井と木の床張りのロビー、ゆったり配置されたソファ。広いガラス窓からは、漁船がのんびり往来するのが見える。
「この島、なにもないでしょ。だからみなさん何もせず、ゆーっくりしていきます」。アジアのリゾートに通いつめた石山荘の2代目、昇さん(64)が、“ザ・昭和”の民宿を10年以上かけてアジアンリゾートに我が手で改装した。
45年ほど前、父である先代が真珠養殖の傍らに開いた。屋根の「石山荘」の文字は当時のなごり。「大事な屋号だから、母親が健在なうちは残そうかと」
細部までこだわった。視界を妨げないよう、海に面した壁はひざの高さまでで、その上は天井までガラス張り。照明はまばゆくない程度に抑える。「自然に寄り添うのが、志摩の一番の楽しみ方ですから」。旅行社にもっと上げてはと言われる宿泊料は、2食付きで1万円弱。英字ガイド本「ロンリープラネット」に紹介され、欧米の客が詰めかけたこともあるという。
バナナボートもバーベキューもない。のんびりすることに懸命に打ち込める、日本では珍しいリゾートがあった。


2.黒島(岡山県瀬戸内市)

島名区分都道府県市区町村
(小地域区分)
人口
(2020年)
人口
(2015年)
人口
(2010年)
面積
(km2)
備考
黒島岡山県瀬戸内市
(牛窓町牛窓の一部(基本単位区0870-13010の一部))
0130.10

以下の新聞記事から2010年10月1日時点では住民が3人で、2015年10月1日には1人、そして2019年の朝日新聞DIGITALの記事「最後の島民はなぜ去った?「墓を守る」願った男性は今」(2019年1月21日朝日新聞DIGITAL)」により、最後の住民が2018年中に去っって2020人には常住人口0になったことが推測されます。

「(島時間:第5便)黒島 最後の住人 いまも生かされとる」
(2012年1月7日 朝日新聞 朝刊 岡山全県1地方)
黒島(くろしま)
きしむ木の桟橋を渡る。キャベツ畑の向こうに見えるのは、島に2軒だけ残った民家。聞こえるのは波と風の音。そして、ヒヨドリの鳴く声。黒島の住人はいま3人。遠くない将来、1人になる。
牛窓港からわずか5分の距離。だが、チャーター便でしか渡れない。この島を、中上裕陽(なかうえやすはる)さん(78)は離れたことがない。誰とも話さない日がある。聴力が衰え、電話のベルや話し相手の声が聞き取りにくくなったこともある。そばにはネズミ捕りのために飼っている猫がいるだけ。一番にぎやかだったのは1970年代。6世帯約30人が、正月には餅をつき、料理を持ち寄って騒いだ。春と秋の祭りの夜は、島中に笑い声が響いた。島全体が、一つの家族のようだった。でも、一人、また一人と、櫛(くし)の歯が欠けるようにいなくなった。島の外へ出た人、亡くなった人。いたるところにあった畑は、半分以上が荒れ地になった。2001年、中上さんの妻が亡くなった。中上さんと、隣に住むいとこ夫婦が残された。80代の夫と70代の妻。この夫婦も最近、雨漏りのひどい家に耐えかね、本土に家を建てた。平日は島、週末は本土。そんなバランスもやがて、本土に傾くだろう。築約80年の中上さんの家にも、すきま風が吹く。
県内には、人口が10人以下の島がほかにも三つある。六口(むぐち)島(10人、倉敷市)、松島(4人、倉敷市)、黄島(2人、瀬戸内市)。小さい島の日常は、本土にとって「非日常」だ。黒島では、電気は自家発電。中上さんは寝る前の数時間だけ明かりをつける。夜8時に寝る生活。テレビはほとんど見ない。冷蔵庫や炊飯器はプロパンガスで動くタイプだ。水道はない。井戸水を使う。風呂は太陽熱の温水器で沸かす。郵便は本土の親類宅に届くようにしている。新聞は配達されない。ニュースはラジオで知る。中上さんは週1回、自分の船で本土を往復する。灯油や食料の買いだめ、散髪……。島でできないことを一気に済ませる。約40アールの畑で夏はカボチャ、冬はキャベツを作る。暖かい気候と島の土が育む野菜は糖度が高い。大きくした野菜を市場へ出荷するのが、何よりの楽しみだ。外周の山道に、もう人の足跡は残っていない。いまは中上さんが運転するトラクターのタイヤ痕だけ。草や竹が生い茂り、熟しすぎたイヨカンの実が道に転がる。人の気配を失って、どんどん原始の姿に戻る島。
「そりゃ、寂しいよ」
寡黙な中上さんが、ぽつりと言った。
「本土で、一緒に暮らそう」。対岸に住む長男(45)はそう言ってくれる。この正月に会った時も強く勧められた。でも、島を出る気にはならない。一緒に暮らせば、もう畑仕事をしなくなるだろう。体が動かなくなるかもしれない。張り合いをなくすかもしれない。何より、島には先祖の墓が残る。自分を守ってくれた神社が残る。頭が古いのかもしれん、とは思う。でも――。
「この島に、ここまで生かしてもらった。いまも生かされとる。お迎えがくる最後まで、島の面倒見なくちゃいけん」
決意のようにも、自分に言い聞かせているようにも、聞こえた。(藤原学思)
◇次は真鍋島へ
 <黒島>周囲約1.6キロ。干潮時に砂州が現れ、西側の中ノ小島、端ノ小島と陸続きになる。砂州を見る人のため、本土側のホテル「リマーニ」は春から秋にかけてボートを運航する。県は無料キャンプ場の「青少年の島」に指定。昨年は700人以上が訪れた。
【写真説明】キャベツ畑を歩く中上裕陽さん。海の向こうには牛窓の街並みが見える=瀬戸内市牛窓町の黒島

最後に「しまっぷ統合版」などで独立の島として採用されているものの、SHIMADASや離島統計年報などでは島として扱われていない島があるので紹介します。すなわち倉橋島と鹿島を結ぶ陸繋島である「鹿老渡島」です。調べたところ、こちらのサイトでもオーナーグリグリさんによって過去に話題になっており、まとめられていたようです([82781][82800][85771])。

島名区分都道府県市区町村
(小地域区分)
人口
(2020年)
人口
(2015年)
人口
(2010年)
面積
(km2)
備考
倉橋島安芸群島広島県呉市
(音戸町・倉橋町(鹿島を除く))
15,10616,77618,62869.46
鹿島安芸群島広島県呉市
(倉橋町の一部(基本単位区2060-21010~23020))
1862583242.63
鹿老渡島安芸群島広島県呉市
(倉橋町の一部(基本単位区2060-20010~20030))
1211341700.91面積出典:しまっぷ統合版

なお鹿老渡島の住所は実際には「倉橋町鹿老渡」のようですが、令和2年国勢調査報告書の方では小地域名に鹿老渡や鹿島を用いず、全部「倉橋町」としているので、鹿老渡島も鹿島島も「倉橋町の一部」となってしまいます。

地図で見る限り、倉橋島と鹿老渡島の間には明白に水路があり、両方の島が分けられております。にも拘わらず離島統計年報などで島として扱われていません。その理由はこの鹿老渡島が人工島の一種だからです。鹿老渡は歴瀬戸内の港として歴史的に発達した港町で、倉橋島との間の水路は、江戸時代に完成された人工的な堀であり、よって離島統計年報もSHIMADASも鹿老渡を独立した島と扱っていないのです。

【訂正】YTさんの了解を得て記事の一部修正を行いました(グリグリ)→ [109307]
[109255] 2023年 11月 11日(土)09:42:23【1】訂正年月日
【1】2023年 11月 11日(土)17:59:50
YT さん
個人的にはにいにいぜみが好き
[109247] オーナー グリグリさん

すみません。

□ん□んぜ□●

ですが、これは正しいでしょうか?
[109253] 2023年 11月 11日(土)03:14:35【4】訂正年月日
【1】2023年 11月 11日(土)03:39:08
【2】2023年 11月 11日(土)04:01:36
【3】2023年 11月 11日(土)04:03:31
【4】2023年 11月 11日(土)09:20:17
YT さん
[109241]に追加の修正点
以下主な要変更点を[109241]を含めてまとめます。

1.人口

島名都道府県市区町村項目修正前修正後備考
西表島沖縄県竹富町2020年人口2,2422,241人口推計のための住基人口を翌年1月1日付から9月30日付に変更
西表島沖縄県竹富町2015年人口2,2942,295人口推計のための住基人口を翌年1月1日付から9月30日付に変更
由布島沖縄県竹富町2020年人口1112人口推計のための住基人口を翌年1月1日付から9月30日付に変更
由布島沖縄県竹富町2015年人口2019人口推計のための住基人口を翌年1月1日付から9月30日付に変更
九州7県2015年人口12,546,68012,546,673宮崎市青島(7人)の追加による修正([109233]参照)

2.小地域区分の改訂:[109252] にまとめた通りです。

3.地域名の変更:宮城県石巻市金華島を「牡鹿諸島」に変更し、宮城県東松島市の宮戸島の地域名を空欄とする([102941]参照)。

4.岡山県岡山市の犬島の市区町村名を「岡山市東区」とする([102941]参照)。

5.宮崎県宮崎市の青島:背景色を「上記以外:SHIMADAS (2019年)などに掲載」に変更する([102941]参照)。

6.長崎県佐世保市前島・鼕泊島の2015年人口の出典をnihonshima.netからSHIMADAS(2019)に変更する([102941]参照)。

7.面積関係

島名都道府県市区町村項目修正前修正後備考
猪子島広島県大竹市面積0.130.12出典の変更([102941]参照)
猪子島広島県大竹市面積出典しまっぷSHIMADAS(2019)しまっぷ統合版閉鎖([102941]参照)
粭島山口県周南市面積0.430.50出典の変更([102941]参照)
粭島山口県周南市面積出典しまっぷSHIMADAS(2019)しまっぷ統合版閉鎖([102941]参照)
嘉弥真島沖縄県八重山郡竹富町面積出典沖縄県離島関係資料(R5)削除
(2021離島統計年報)
数値が沖縄県離島関係資料と離島統計年報とで同一なので全体を通しての離島統計年報の引用で十分
由布島沖縄県八重山郡竹富町面積出典沖縄県離島関係資料(R5)削除
(2021離島統計年報)
数値が沖縄県離島関係資料と離島統計年報とで同一なので全体を通しての離島統計年報の引用で十分

なお沖縄県竹富町の嘉弥真島・由布島の面積出典をわざわざ沖縄県離島関係資料(R5)としていましたが、改めて数値を見返したところ、これら2つに関してはどちらも2021離島統計年報記載のものと同じであり、別途引用し直す必要も無くなったので削除して構わないことになります。

改めて表を見て感じたことは、自分の感覚以上に人口減少が進んでいることですね。わずか10年ですが、本当に人口が減少している。最初ショックだったのは佐渡島の人口が江戸時代の人別改時代の記録よりも少なくなっていたことですが、よく見ると本州ですら10年で100万人弱減っており、本州が人口1億人を切るのもそう遠い日ではないことになりそうです。

【追記】最後の部分、「1億人」の漢字を修正したつもりが、「1人」のまま朝まで放置されてました!流石にそれは絶望的な未来が待ち受けないと無理!
[109252] 2023年 11月 11日(土)03:11:34YT さん
2020年・2015年・2010年の有人島別国勢調査人口と小地域区分の改訂
[109229]で予告したように一通り2020年・2015年・2010年の有人別国調人口がまとまったので、今回投稿します。これ以降はしばらく修正確認の必要はなくなるかと思います。

個人的に2003年~2021年度の離島統計年報のバックナンバー全てに目を通しましたが、[109229]で指摘したように、離島統計年報には結構間違いが多いことに気付きました。

そこで今回は、後からの検証が楽なように、すべての島について、令和2年(2020年)国勢調査報告書基準での、小地域区分をまとめました。例えば礼文島の場合、市区町村(小地域区分)欄は「礼文郡礼文町」ですが、これは礼文郡礼文町全体の人口がそのまま島の人口に相当する場合です。一方気仙沼市の大島の場合、市区町村(小地域区分)欄は「気仙沼市#(中山・浅根・廻舘・外畑・田尻・浦の浜・磯草・大初平・外浜・亀山)」となっておいますが、この場合では、気仙沼市の中のこれらの(国勢調査区分での)大字の人口の合計で島の人口が算出できます。千葉県の仁右衛門島の場合は「鴨川市(太海浜の一部(基本単位区0580-00040)」ですが、これは仁右衛門島の人口と鴨川市基本単位区0580-00040の人口が同じで、鴨川市基本単位区0580-00040は(国勢調査区分での)太海浜という大字(または小字)に含まれていることを意味します。さらに同一基本単位区が複数の島に分割されてしまっている場合は、「~の一部」と記述しました。

注意して欲しいことは、同一の基本単位区に複数の島が含まれていても、該当する島以外が無人島である可能性が高い場合、いちいち分割していません。後からこれらの無視した島が有人であることが判明した場合、修正が必要になる可能性は残っています。また基本単位区の境域データのShapeファイルがネット上に公開されているのは2020年(令和2年)分のみで、過去に遡ってその境域が保たれている保障はありません。対馬の赤島・泊島・沖ノ島の2015年人口の問題は、基本単位区の境域に微妙な変更があったことが原因であると言えます([109229]参照)。

また実際に過去に基本単位区の番号が異動している可能性があることを否定できません。例えば愛媛県今治市の比岐島の場合、2020年の境域データにおいては今治市基本単位区0280-00010が比岐島、基本単位区0280-00020が小比岐島です。実際2010年国勢調査においては基本単位区0280-00010に人口3人いますが、2015年においては基本単位区0280-00020に人口3人が計上されています。2020年基準で考えると、2010年に比岐島3人だった人口が、2015年には無人化し、そのかわり小比岐島に突然人口3人が出現したことになります。しかしながら小比岐島の航空写真を見る限り、小比岐島に集落が形成された形跡はなく、どうみてもどこかに誤りがあります。つまり2015年だけ番号が違っているのか、それとも小地域集計作成時に集計する欄を間違えてしまったのか、多分後者だとは思うのですが、はっきりと結論を出すことはできません(表では複数の基本単位区の集合体である大字名「今治村」を用いてごまかしている)。なお基本単位区の番号も普遍ではなく、一部地域では基本単位区番号から過去の人口を計算できないケースもあります。

以下島の順番は概ねritokeiの有人離島一覧に従っていますが、同一の市区町村が並ぶように一部入れ替えました。

(開く)2020年・2015年・2010年の有人島別国勢調査人口

今回、香川郡直島町の牛ヶ首島、西海市の前ノ島が追加されましたが、何れも2020年、2015年の国勢調査では無人化しています。

また沖縄県竹富町の小浜島、嘉弥真島、新城島上地、新城島下地、西表島、由布島の人口を分割・推定するに当たり、これまで沖縄県離島関係資料(R5)の住基人口を用いて按分しましたが、改めて直接竹富町の公式ホームページより9月30日現在の住基人口の情報が得られることに気付き、それにより人口推定をやり直しました。その結果、西表島、由布島の人口が微修正となりました。
[109243] 2023年 11月 7日(火)18:36:07【3】訂正年月日
【1】2023年 11月 7日(火)18:53:56
【2】2023年 11月 7日(火)20:45:44
【3】2023年 11月 8日(水)11:04:50
YT さん
北方領土の島別人口(2021年ロシア国勢調査による)
[109238] 未開人 さん

日本の有人島一覧の企画は非常に見応えがあります。YTさん、グリグリさん、ありがとうございます。一つだけ注文をつけるとすれば、北方領土の扱いでしょうか。一応日本が保有する有人島ですが、人口の推計ができないのでどう扱うべきか。

一応2021年にロシアで実施された国勢調査人口を元に、島別推定人口は算出できます。ただ自分はロシア語は読めないので、無理やり英語に翻訳して判断しています。各村の人口に離島が含まれているかどうかまでは分かりません。南クリル管区下の1市9村は、国後島に1市7村(ユジノ=クリリスク市(古釜布)6991人、ブローヴァ・ルドニー村(シベトロ)1人、ゴロヴニノ村(植内)153人、ドゥボヴォエ村(泊)84人、ジャスタヴァ・ドクチャエヴァ村(ルルイ)0人、マヤク・ロフツォフ村(安渡移矢)0人、メンデレーエヴォ村(東沸)40人、オトラダ村(近布内)414人)、色丹島に2村(クラバザヴォーツク村(穴澗)1515人、マロクリリスク村(斜古丹)2285人)設置されており、歯舞群島は無人扱いであるかのようにみえます。そしてクリル管区下の1市6村(クリリスク市(紗那)2530人、ブレヴェスニク村(天寧)30人、ゴルノイエ村816人、ゴリャチエ・クリュチ村(瀬石温泉)2030人、キトヴィ村(内岡)489人、レイドヴォ村(別飛)976人、ルイバキ村(有萌)3人)は全て択捉島にあり、それよりも北方の島(新知島、武魯頓島、知理保以島、得撫島)は無人島扱いであるかのようにみえます。

面積は日本の国土地理院のものを用いています。

島名ロシア国勢調査人口
(2021年10月15日
~11月14日)
ロシア国勢調査人口
(2010年10月14日
~10月25日)
日本の国土地理院
公表の面積
(2021年10月1日)
(km2)
人口密度
(2021年)
(人/km2)
備考
色丹島3,8002,820247.6515.34南クリル管区マロクリリスク村・クラバザヴォーツク村
国後島7,6836,6811,489,275.16南クリル管区(色丹島の2村を除く)
択捉島6,8747,3593,166.642.17クリル管区

ただベースとなる人口調査の方法も日時も違いますし、これはあくまで参考値に留めるべきものでしょう。

【追記】折角なので2010年のロシア国勢調査人口も追加しました。サハリン州全体では人口減少が進んでいますが、色丹島・国後島を含む南クリル管区は人口が増えているようです。ただしソ連崩壊時の1989年の人口(13,597人)までは回復していません。
【追記】市、村のロシア名とおおよそ対応する日本名を追加、表の順番を判り易く変更
[109241] 2023年 11月 7日(火)00:33:35【4】訂正年月日
【1】2023年 11月 7日(火)00:36:08
【2】2023年 11月 7日(火)03:41:36
【3】2023年 11月 7日(火)16:18:07
【4】2023年 11月 7日(火)21:44:55
YT さん
「しまっぷ統合版」の閉鎖問題
[109235] オーナーグリグリさん

追加情報をありがとうございました。いただいた情報を元に更新しましたのでご確認いただければと思います。なお、[109233]の青島はそのまま追加しましたが、鴎島については「■除外した法律指定外離島の項目」への追加が妥当と判断しました。また、出典資料として「ritokei」は削除し、「SHIMADAS (2019年)」を追加しました。

ありがとうございます。

すみませんが、追加で以下の修正をお願いします。

17.宮城県石巻市の金華島:現在地域名は空欄となっておりますが、「牡鹿諸島」に変更をお願いします。
18.宮城県東松島市の宮戸島:現在地域名は「牡鹿諸島」となっておりますが、こちらはむしろ空欄にして下さい。
75.岡山県岡山市東区の犬島:現在市区町村名は「岡山市」となっておりますが、「岡山市東区」に修正をお願いします。
344.宮崎県宮崎市の青島:背景色を「上記以外:SHIMADAS (2019年)などに掲載」に変更をお願いします。

また現在下の2つの島の平成27年国調人口の情報源としてWeb上のnihonshima.netを使っておりますが、どちらもSHIMADAS(2019)に平成27年島別国調人口が掲載されており、引用をSHIMADASに一本化できます。

265.前島:nihonshima.netのWeb情報と→SHIMADAS(2019)の情報(平成27年72人) と
266.鼕泊島:nihonshima.netのWeb情報と→SHIMADAS(2019)の情報(平成27年72人) と

また面積については修正するべきかどうか、まだ議論が必要かも知れませんが、後述するように第六管区海上保安本部がまとめた「しまっぷ統合版」が閉鎖してしまったため、以下の2島は面積(及び人口密度)の変更が必要かも知れません。

119.広島県大竹市の猪子島:面積を0.13 km2から0.12 km2に変更し、面積出典をしまっぷからSHIMADAS(2019)に変更する。
137,山口県周南市の粭島:面積を0.43 km2から0.50 km2に変更し、面積出典をしまっぷから山口県統計年鑑(H19)に変更する。

「しまっぷ統合版」ですが、現在は辛うじてWebArchiveの方でその内容を確認できます。


ところで、SHIMADAS (2019年) は私も以前から所持していますが、面積については注意が必要かもしれません。周南市の粭島の面積が3.33km2と明らかに間違っています。[97639] ekinenpyouさんの資料ページから辿れる説明、島面積の出典は「山口県のしまっぷ」による、H27面積調(1km2以上の島)に掲載なし(山口県統計年鑑H19年刊までは0.5km2だったが、H20年刊以降は3.33km2となっており誤りと推測)から0.43km2が正しいのは間違いありません。粭島の誤りは特異例かもしれませんがSHIMADAS利用の際に注意は必要と思います。

まずSHIMADASを出版しているところは日本離島センターであり、離島統計年報と同じところですので、SHIMADAS自体はむしろ公的な情報源に近いと考えられます。その上で、現時点で国土地理院の令和2年全国都道府県市区町村別面積調、2021離島統計年報以外の文献等を出典として面積を採用している島を有人島一覧の現状のリストから抽出してまとめてみると以下の通りです。

(開く)有人島一覧掲載の島の内、令和2年全国都道府県市区町村別面積調、2021離島統計年報を出典とする面積を採用しなかったもの

千葉県統計年鑑、神奈川県県勢要覧、三重県統計書、岡山県統計年報、熊本県統計年鑑に関しては、私自身昭和30年頃までバックナンバーを確認しましたが、島嶼部の面積の記載がありません。よって現状SHIMADASが最も公的な数字です。

なお、岡山県笠岡市の大飛島の面積に関しては、2021離島統計年報掲載の1.05 km2(平成27年国調時)が、令和2年全国都道府県市区町村別面積調(10月1日時点)に1 km2以上の面積を有する島としては未掲載の時点で微妙に誤りということで、ほかの面積を採用しています。こちらは第六管区海上保安本部がまとめた「しまっぷ統合版」にも掲載がありますが、現状の有人島一覧のリストでは、しまっぷ統合版掲載の面積(0.97 km2)ではなく、SHIMADAS(2019)掲載の面積(0.96 km2)を採用しています。同じ出版元ながら、SHIMADASと離島統計年報の間で数字が異なる事例の一つです。

徳島県海部郡海陽町の竹ヶ島に関しては、SHIMADAS(2019)掲載の面積1.30 km2は、令和2年全国都道府県市区町村別面積調(10月1日時点)に1 km2以上の面積を有する島としては未掲載の時点で誤りです。徳島県統計書の方は平成17年版まで1 km2未満の島の面積を確認でき、こちらを出典とする面積(0.40 km2)を現状の有人島一覧の方では採用しています。

高知県の中ノ島と戸島の面積は、元々2021離島統計の方にも面積が掲載されていましたが(0.23 km2と0.11 km2)、ekinenpyouさんが指摘されているように実際の島の形状に比べて面積の逆転の問題が発生しています。高知県統計書の方は昭和61年版まで1 km2未満の島の面積を確認でき、現状の有人島一覧ではこちらを出典とする面積を採用しています(0.18 km2と0.37 km2)。なおSHIMADAS(2019)掲載の面積と2021離島統計年報掲載の面積は全く同一であり、出版元の日本離島センターによって誤った面積データが共有されていることが示唆されます。

長崎県の島々は、SHIMADAS(2019)掲載の面積も長崎県統計年鑑(H28)掲載の面積もほぼ同じですが(長崎県統計年鑑の方は小数点以下第3位まで数字が示されている)、島の人口を分割する情報の根拠として用いる数値(平成27年国調ベース)が概ね長崎県統計年鑑(H28)に依拠しているので、これは現状のままで良いかも知れません。ただ現状では少数点以下第三位を四捨五入してしまっているので、すべてSHIMADAS(2019)に統一した方が正確かも知れません。

沖縄県の島々は、SHIMADAS(2019)掲載の面積も沖縄県離島関係資料(R5)掲載の面積も全く数字ですが、住基人口の情報の一部が沖縄県離島関係資料(R5)に依拠しているので、これも現状のままで良いかも知れません。なお豊見城市の瀬長島については、沖縄県離島関係資料(R5)にも沖縄県統計年鑑(R4)にもリストアップされていないので、面積のデータはSHIMADAS(2019)の引用となります。その意味では、沖縄県のこれらの面積の出典元を全てSHIMADAS(2019)に統一した方が判り易いかも知れません。

広島県大竹市の猪子島に関しては、平成13年以前の広島県統計年鑑では0.10 km2、平成14年~平成19年の広島県統計年鑑では0.12 km2が掲載されていますが、実のところ前者の引用元は「日本島しょ一覧(改訂版)」((財)日本離島センター)、後者の引用元はSHIMADAS(2019年以前の版)であり、すべて結局のところ離島統計年報を出版している日本離島センターが情報源です。現状の有人島一覧ではしまっぷ統合版を引用して0.13 km2としておりますが、現状しまっぷ統合版のサイトが閉鎖されてしまったので、SHIMADASの0.12 km2に変更した方が良いかも知れません。

最後に山口県統計年鑑ですが、平成19年以前の版では周南市粭島の面積0.5 km2、下関市竹ノ子島の面積0.2 km2と、小数点以下第1位までしか示されておりません。一方平成20年以降は、SHIMADAS(2019年や2019年以前の版)を引用するようになった結果、粭島の面積は3.33 km2、竹ノ子島の面積は0.18 km2と、SHIMADASと同じ数値が掲載され続けております。粭島の面積に関しては、令和2年全国都道府県市区町村別面積調(10月1日時点)に1 km2以上の広さの島としては未掲載の時点で誤りです。しかしながらその場合、粭島の面積としてしまっぷ統合版、山口県統計書(H19)のどちらを採用するべきかという問題が発生します。現状のリストでは、粭島の面積としてサイトが消滅してしまっているしまっぷ統合版を引用して0.43 km2としておりますが、SHIMADASを引用する前の山口県統計書(H19)を出典元とするとなると、0.43 km2→0.50 km2への修正が発生します。

下関市の竹ノ子島についてはしまっぷ統合版の対象外となり、現状ではSHIMADAS(2019)の数値(0.18 km2)を引用しています。

改めて第六管区海上保安本部がまとめた「しまっぷ統合版」掲載の面積情報を、令和2年全国都道府県市区町村別面積調(10月1日時点)、2021離島統計年報、SHIMADAS(2019)と比較してまとめてみました。有人島のほか、1 km2以上の大きさの無人島(離島統計年報の対象外)も含めてまとめています。

(開く)令和2年全国都道府県市区町村別面積調(10月1日時点)・2021離島統計年報・SHIMADAS(2019)・しまっぷ統合版の面積比較

並べてみると分かりますが、しまっぷ掲載の面積は令和2年全国都道府県市区町村別面積調(10月1日時点)掲載の面積とも大分異なるものが多いようです。

※面積は、六管区本部が独自に計算した、あくまでも参考値です。

ということで、おそらく地図などから算出したのでしょうが、いくら桁が多いからと言って全面的にその数値の有効を信用してはいけません。何より第六管区本部がサイトを消してしまったことにより、数字の算出方法に問題があったように見えます。

というわけで、現在の面積のうち、しまっぷ統合版を出典とする2島(粭島、猪ノ子島)の面積と出典を、それぞれ0.50 km2(山口県統計年鑑(H19))、0.12 km2(SHIMADAS(2019))に変更した方が良いのではないかと考えるに至りました。

【訂正】数字の間違いなど色々修正。

【追記】採用する面積の優先順位をまとめると:

1.令和2年全国都道府県市区町村別面積調(10月1日時点)
2.2021離島統計年報【ただし、1.令和2年全国都道府県市区町村別面積調(10月1日時点)に未掲載なのに1 km2以上の面積が掲載されている場合や、面積情報に矛盾が見られる場合は採用しない。】
3.地方統計書【ただしSHIMADASなど、日本離島センターが提供する面積に依拠する場合は採用しない。】
4.SHIMADAS(2019)

3と4の優先順位を交換した場合、2021離島統計年報に漏れている長崎県と沖縄県の島々の面積が一通り「面積出典:SHIMADAS(2019)」となります。

なお岡山県笠岡市の六島(1.02 km2)および大分県佐伯市の深島(1.10 km2)は、令和2年全国都道府県市区町村別面積調(10月1日時点)に未掲載であるにも関わらず、離島統計年報掲載の面積が1km2以上ですが、他の数字が得られていないので、現状では離島統計年報掲載の面積を採用しています。大分県統計年鑑も、平成26年度版まで深島の面積を1.10 km2(離島統計年鑑、SHIMADASと同じ)、平成27年度版以降は1 km2未満除外扱い(全国都道府県市区町村別面積調引用)で面積が掲載されていません。
[109233] 2023年 11月 2日(木)15:18:41【4】訂正年月日
【1】2023年 11月 2日(木)15:27:16
【2】2023年 11月 2日(木)15:50:14
【3】2023年 11月 2日(木)15:51:16
【4】2023年 11月 3日(金)01:14:39
YT さん
追加修正(SHIMADASで有人離島という扱いをされている鴎島、青島の追加)
[109222] オーナーグリグリさん

以上、日本の有人島一覧、ほぼ完成ということになりましたが、お気付きの点があれば今後ともよろしくお願いいたします。

[109229] 自分の投稿

現在SHIMADASを注文しており、入手次第改めてリスト漏れの有人島の可能性を検討し、人口の再確認を行います。

先程図書でSHIMADAS(2019年発売)を閲覧しましたが、幾つかの有人島を無人島扱いにするなど、色々抜けがありますね。

とりあえずSHIMADASで有人島扱いをしていた2島を追加すると、以下のような修正となります。

ただし北海道の鴎島は本土と埋め立てられており、扱いが微妙です。現状では鴎島はリストに載せるだけで、北海道の人口はそのままにした方が良いかも知れません(琵琶湖の沖島と同じ扱い)。

島名都道府県市区町村人口
2020
人口
2015
面積備考
鴎島北海道檜山郡江差町470.30字鴎島、面積出典:SHIMADAS
北海道北海道5,214,7915,370,64777,984.49(鴎島を別扱いにするのであれば)
北海道北海道5,214,7955,370,65477,984.49注:北海道檜山郡江差町の鴎島を含む
青島宮崎県宮崎市770.86青島二丁目の一部(基本単位区1430-02130)、面積出典:SHIMADAS
九州7県12,346,99112,546,67336,782.38新島(2015年:2人)、青島(2020年・2015年:7人)の修正に伴うもの

【追記】鴎島に関しては、以下の「■除外した法律指定外離島の項目」に、例えば「またSHIMADASに掲載の有人離島の内、北海道檜山郡江差町の鴎島も同様の理由により本表から除外。」のような説明を追記するだけでも良いかも知れません。とりあえず現状で[109229]に追加して修正する必要があるのは宮崎市の青島です。

■除外した法律指定外離島
上記の法律指定外離島のうち、島根県松江市の田島(大根島に接続)、香川県坂出市の瀬居島と沙弥島(四国本土に接続)、長崎県長崎市の香焼島(九州本土に接続)などは、ほぼ完全な埋め立てで独立した島ではなくなった地域として、本表からは除外。

【追記の追記】現在、仁右衛門島、城ケ島、江の島、賢島、横山島、大飛島、竹ノ子島、野牛島、瀬長島の面積の出典をネット上のritokeiにしていますが、これらは全てSHIMADAS(2019年)で採用されている面積と同一なので、ritokei にない青島を含め、出典は全てSHIMADAS(2019年)に統一可能です。
[109229] 2023年 11月 1日(水)20:30:39【3】訂正年月日
【1】2023年 11月 1日(水)20:42:09
【2】2023年 11月 1日(水)20:59:33
【3】2023年 11月 1日(水)21:04:28
YT さん
対馬の赤島・泊島、鹿児島の新島・馬毛島・種子島、九州の2015年の人口の修正
[109222] オーナーグリグリさん

以上、日本の有人島一覧、ほぼ完成ということになりましたが、お気付きの点があれば今後ともよろしくお願いいたします。

すみません。2015年の有人島別人口などについて、再度追加で間違いが見つかったので報告します。
2010年(平成22年)の国勢調査であれば、四国や九州本土と国勢調査の基本単位区を共有する島について分割データが揃っているので、正確な人口が求まると思い、追加で色々作業をしていたのですが、その過程で間違いに気づきました。

1.2015年人口等の修正

修正前
#島名都道府県市区町村人口
2020
人口
2015
246赤島長崎県対馬市2521
247泊島長崎県対馬市922
354新島鹿児島県鹿児島市20
355種子島鹿児島県西之表市・熊毛郡中種子町・熊毛郡南種子町27,69029,847
356馬毛島鹿児島県西之表市20
377九州7県12,346,99812,546,682

修正後
#島名都道府県市区町村人口
2020
人口
2015
246赤島長崎県対馬市2534
247泊島長崎県対馬市99
354新島鹿児島県鹿児島市22
355種子島鹿児島県西之表市・熊毛郡中種子町・熊毛郡南種子町27,69029,845
356馬毛島鹿児島県西之表市22
377九州7県12,346,99812,546,680

2.島名欄背景色の追加

#島名都道府県市区町村島名欄背景色
119猪子島広島県大竹市 「上記以外」

3.脚注の説明の修正

#島名都道府県市区町村修正前修正後
153大毛島徳島県鳴門市※注:鳴門町土佐土佐泊浦・三ツ石(高島を除く)※注:鳴門町土佐泊浦・三ツ石(基本単位区0030-03040を除く)
155島田島徳島県鳴門市瀬※注:瀬戸町堂浦・大島田・室・撫佐・小島田・中島田・北泊の一部(基本単位区0040-03140)・堂浦の一部(基本単位区0040-02200)※注:瀬戸町大島田・室・撫佐・小島田・中島田・北泊の一部(基本単位区0040-03140)・堂浦の一部(基本単位区0040-02200)

4.また、離島統計年報の数字とも異なる点が生じたので、以下の脚注の説明の追加を行った方が良いと思います。

#島名都道府県市区町村脚注
52沖島滋賀県近江八幡市※注:沖島町(基本単位区0820-00030を除く)
118阿多田島広島県大竹市※注:阿多田島
246赤島長崎県対馬市※注:美津島町鴨居瀬の一部(基本単位区0600-00080,平成27年は基本単位区0600-00090の一部を含む)
平成27年は2016離島統計年報を元に修正
247泊島長崎県対馬市※注:美津島町鴨居瀬の一部(基本単位区0600-00090,平成27年は基本単位区0600-00090の一部)
平成27年の人口は2016離島統計年報
248沖ノ島長崎県対馬市※注:美津島町鴨居瀬の一部(基本単位区0600-00060~00070)
354新島鹿児島県鹿児島市※注:新島町
356馬毛島鹿児島県西之表市※注:馬毛島
397前島沖縄県島尻郡渡嘉敷村※注:字前島の一部(基本単位区0030-00020)

まず、鹿児島市の新島と西之表市の馬毛島ですが、2021離島統計年報には記載があるものの、2016年~2020年の離島統計年報には記載がありませんでした。しかしながら2015年以前の離島統計年報には、新島と馬毛島の名前が載っております。

島名都道府県市区町村人口
2020
人口
2015
人口
2010
人口
2005
人口
2000
備考
新島鹿児島県鹿児島市2【2】4512
馬毛島鹿児島県西之表市2【2】111502000年国調では0だが住民登録では有人(13人)

そこで念のため、2015年(平成27年)の国勢調査での小地域集計によって新島と馬毛島の2015年の人口を確認したところ、どちらも2020年(令和2年)と同じ2人でした!つまり2015年国調相当のデータが掲載されるはずの5年間、離島統計年報は新島と馬毛島の数字を欠落させてしまっていたのです。

この新島と馬毛島の2015年(平成27年)の人口を0人から2人修正するに伴い、種子島と九州の人口はそれぞれ2人減る方向に修正となります。

また[109221]でも触れた対馬の赤島、泊島、沖ノ島の人口問題について、改めて対馬全域について、過去の離島統計年報、長崎統計年鑑(データがあるのは2010年まで)、および国勢調査の基本単位区の年度ごとの数字を比較してみたところ、以下の通りとなりました。

島名元文献等人口
2020
人口
2015
人口
2010
人口
2010
人口
2000
対馬島離島統計年報28,37431,30134,23038,30141,016
対馬島長崎県統計年鑑34,23038,30141,016
海栗島離島統計年報5164705262
海栗島長崎県統計年鑑705262
基本単位区対馬市1220-00020(上対馬町鰐浦)国勢調査51647052
基本単位区上対馬町0180-00020(上対馬町大字鰐浦)国勢調査62
赤島離島統計年報2513464758
赤島長崎県統計年鑑464758
泊島離島統計年報99101215
泊島長崎県統計年鑑101215
基本単位区対馬市0600-00080(美津島町鴨居瀬)国勢調査25213130
基本単位区美津島町0220-00080(大字鴨居瀬)国勢調査31
基本単位区対馬市0600-00090(美津島町鴨居瀬)国勢調査9222530
基本単位区美津島町0220-00090(大字鴨居瀬)国勢調査42
上記2基本単位区の合計国勢調査3443566073
沖ノ島離島統計年報1839213241
沖ノ島長崎県統計年鑑213241
基本単位区対馬市0600-00060(美津島町鴨居瀬)国勢調査16151624
基本単位区美津島町0220-00060(大字鴨居瀬)国勢調査34
基本単位区対馬市0600-00070(美津島町鴨居瀬)国勢調査2358
基本単位区美津島町0220-00070(大字鴨居瀬)国勢調査7
上記2基本単位区の合計国勢調査1818213241
島山島離島統計年報2531303738
島山島長崎県統計年鑑303738
基本単位区対馬市0500-00010(美津島町島山)国勢調査25313037
基本単位区美津島町0120-00010(大字島山)国勢調査38

2020年の境界データを見る限り、対馬市の基本単位区0600-00080が赤島、0600-00090が泊島に対応しています。ところが2015年以前のデータでは泊島⊂0600-00090となっております。これはどうしてなのでしょうか?

改めてekinenpyouさんが揃えてくれた2015年の境域データを参照したところ、2015年と2020年の間で、基本単位区0600-00080と基本単位区0600-00090の範囲に変化があったことが確認されました。2020年の国勢調査時では、対馬市の基本単位区0600-00080が赤島、0600-00090が泊島に対応していましたが、2015年以前の段階では、基本単位区0600-00090が、泊島と、泊島の北東に隣接する小高い山(漁業協同組合の建物など)を含んでいることがわかりました。2000年~2010年の人口(長崎統計年鑑とも一致)からも加味して、2015年の泊島の人口は離島統計年報の9人、赤島は基本単位区0600-00090の残り(13人)と基本単位区0600-00080(21人)を含む34人を採用するのが妥当と判断しました。一方で離島統計年報記載の2015年の赤島と沖ノ島の人口はやはり誤りで、基本単位区0600-00090の13人を誤って沖ノ島の人口に加算してしまったことが原因と考えられます。

なお離島統計年報や長崎統計年鑑記載の2005年の赤島(24世帯47人)と泊島の人口(3世帯12人)の合計(27世帯59人)が、基本単位区0600-00080(14世帯30人)と基本単位区0600-00090(13世帯30人)の合計(27世帯60人)よりも1人少ないというエラーがあります。これに関して対馬本島に基本単位区0600-00080または基本単位区0600-00090の飛び地があったかの可能性も考えましたが、世帯数の方では合計が一致しているので、多分赤島と泊島に人口を分割する際に1人カウントミスをしてしまったのでしょう。

現時点で2010年の日本の有人島別人口も一応はまとまめたのですが、このように離島統計年報自体に誤りが色々あり、このほか有人島を見落としている可能性もあります。現在SHIMADASを注文しており、入手次第改めてリスト漏れの有人島の可能性を検討し、人口の再確認を行います。
[109221] 2023年 10月 30日(月)15:44:47【4】訂正年月日
【1】2023年 10月 30日(月)15:48:32
【2】2023年 10月 30日(月)15:55:05
【3】2023年 10月 30日(月)15:59:18
【4】2023年 10月 30日(月)16:43:56
YT さん
日本の有人島一覧(人口・面積等)追加訂正 (中ノ島・戸島(須崎市)・四国・高島(長崎市)・九州)
[109220] オーナーグリグリさん

[109215]を投稿するにあたり、2021離島統計年報は閲覧しましたが、それ以前の離島統計年報には目を通しておりませんでした。そのため[109215]で2020年(令和2年)国調人口が判明している離島振興法等指定離島の2015年(平成27年)国調人口については、元文献の数字を自分では確認していませんでした。

そこでさきほど2020離島統計年報やそれ以前の離島統計年報を確認したところ、2015年の国調人口として間違った数字を掲載してしまったものがあり、さらに推計人口について追加情報による修正がありましたので、以下まとめます。

1. 訂正 (長崎市高島の2015年国調人口訂正、須崎市の中ノ島・戸島の2020年・2015年国調人口の推計のやり直し、それにともなう四国・九州の人口訂正)

訂正前
#島名都道府県市区町村人口
2020年
人口
2015年
面積
(km2)
人口密度
(人/km2)
備考
219中ノ島高知県須崎市20230.18111nihonshima.netのWeb情報 (平成12年43人) と基本単位区0350-00080 (平成12年124人) の人口比より令和2年・平成27年の人口を推定
220戸島高知県須崎市390.378nihonshima.netのWeb情報 (平成12年16人) と基本単位区0350-00080 (平成12年124人) の人口比より平成27年の人口を推定
令和2年の人口は個人ブログにおいて令和元年時点で3人という情報による (人口比の計算からは7人)
225四国4県3,627,2923,769,01618,297.37198
286高島長崎県長崎市3243201.19272
377九州7県12,346,99812,546,74436,782.38336

訂正後
#島名都道府県市区町村人口
2020年
人口
2015年
面積
(km2)
人口密度
(人/km2)
備考
219中ノ島高知県須崎市16180.18892016離島統計年報 (平成22年23人) と基本単位区0350-00080 (平成22年86人) の人口比より令和2年・平成27年の人口を推定
220戸島高知県須崎市370.3782016離島統計年報 (平成22年9人) と基本単位区0350-00080 (平成12年124人) の人口比より平成27年の人口を推定
令和2年の人口は個人ブログにおいて令和元年時点で3人という情報による (人口比の計算からは6人)
225四国4県3,627,2963,769,02318,297.37198
286高島長崎県長崎市3243821.19272
377九州7県12,346,99812,546,68236,782.38336


すみません。まず長崎市の高島の2015年国調人口に関しては、単純に他資料からの数字の写し間違いです。長崎県長崎市の高島の2015年国調人口を、320人から382人に修正します。同時に九州の2015年国調人口も12,546,744人から12,546,682人に修正となります。2020年の国調人口自体には修正はないので、人口密度に変化はありません。

一方須崎市の中ノ島・戸島に関しては、

[109219] の方で

ところがnihonshima.netの方には、平成12年、平成7年の中ノ島・戸島の人口が掲載されています。今回こちらの平成12年の数字を、令和2年の人口推定に用いました。結局nihonshima.netの数字の引用元がはっきりしませんが、離島統計年報のバックナンバーなどと推察します。

と書きましたが、改めて2016年以前の離島統計年報を確認したところ、なんと2010年、2005年、2000年の中ノ島・戸島の国調人口が、法律指定外離島として掲載されていることが判りました。結局nihonshima.netの数字も離島統計年報のものと同じです。2015年以降については島別の国調人口の掲載を止めてしまったようです。前の計算結果と比較すると、前の版で2000年の人口を元に2015年の推定人口として出した23人、9人というのは、2010年の実際の国調人口と一致し、島の過疎化は加速していました。

島名人口
2020年
人口
2015年
人口
2010年
人口
2005年
人口
2000年
中ノ島233643
戸島9816
須崎市基本単位区0350-00080586786100124

改めて2016離島統計年報記載の中ノ島・戸島の2010年国調人口を元に、中ノ島の2020年・2015年の推計人口、戸島の2015年の推計人口を算出し直しました。それにともない四国の2020年・2015年の推計人口も微増修正となります。また中ノ島の2020年国調人口が減ったことにより人口密度も減ります(四国の方は誤差範囲)。

2. 2020離島統計年報掲載の2015年(平成27年)国調人口が明らかに間違っているもの

島名都道府県市区町村2020離島統計年報記載の
2015年国調人口
YTによる修正値備考
沖島滋賀県近江八幡市287273※沖島町(基本単位区0820-00030を除く)
赤島長崎県対馬市1321※美津島町鴨居瀬の一部(基本単位区0600-00080)
泊島長崎県対馬市922※美津島町鴨居瀬の一部(基本単位区0600-00090)
沖ノ島長崎県対馬市3918※美津島町鴨居瀬の一部(基本単位区0600-00060~00070)
渡嘉敷島沖縄県島尻郡渡嘉敷村730728
ナガンヌ島沖縄県島尻郡渡嘉敷村2※前島の一部 (基本単位区番号0030-00030)
ナガンヌ島は2020離島統計年報に記載なし

実はこれらは全てekinenpyouさんが違和感を記述していたので、事前に織り込み済みで修正していまました。

琵琶湖の沖島は近江八幡市沖島町にありますが、これは陸地側の基本単位区0820-00030(令和2年22人・平成27年14人)を含みます。2020離島統計年報掲載の2015年国調人口は、がっつりこの14人を加算した287人が示されており、明確に間違いです。2021離島統計年報掲載の202年国調人口年分については、きっちり22人が除外されています。

対馬の沖島・赤島・泊島の2015年国調人口については、2020離島統計年報などで何でこのような集計の間違いを犯したのかはよく分かりません。集計する過程で、先に対馬島全体の人口を計算したあと、その後修正する過程でうっかり赤島分21人の男13人、女9人をそれぞれ赤島と泊島の総人口としてしまい、差分を沖ノ島の人口に含めてしまったとか?2021離島統計年報掲載の2020年国調分については、正しい処理がなされています。

島尻郡渡嘉敷村の渡嘉敷島については、2020離島統計年報では島尻郡渡嘉敷村の2015年(平成27年)の国調人口730人をそのまま渡嘉敷島の2015年国調人口にあてはめてしまっています。しかしながら実際には2015年国調人口では島尻郡渡嘉敷村字前島の一部に相当するナガンヌ島に2人おりますので、明確に誤りです(字前島はナガンヌ島よりも前島がメインですが、こっちは2015年国調人口は0人で、住基人口では前島もナガンヌ島も有人となっています)。2021離島統計年報掲載の島尻郡渡嘉敷村の2020年国調人口については、ナガンヌ島も前島も国勢調査の上では無人化していて正しい数字になっています。

3. 2020離島統計年報において、離島を分離していない処理がなされているもの。

島名都道府県市区町村2020離島統計年報記載の
2015年国調人口
YTによる修正値備考
阿多田島広島県大竹市252251
猪子島広島県大竹市1離島統計に記載なし

これは微妙な問題です。ekinenpyouさんの指摘により猪子島の人口1人を阿多田島の人口から分離したのですが、改めて2020離島統計年報を閲覧したところ、阿多田島の人口は252人となっていました。2021離島統計年報掲載の2020年国調人口分については、猪子島自体が無人化していてどっちの解釈でも問題ない数字になっています。

あと、271 竹ノ島、273 前島、274 鹿島などで、「離島統計年報」が「離島統統計年報」となっていた箇所があります。これは自分の作成した資料の方での誤記が原因なので申し訳ありません。

【重要な訂正】:長崎市高島の2015年国調人口は382人です。386人と最初の投稿で書いてしまいましたが、382人の間違いです!

結果として本土(四国・九州)と離島で国勢調査の基本単位区で人口を分離できない島について、2010年以降の国調ベースの分割データが全て揃うこととなり、さほど無理やりな推定人口でもなくなったようです。
[109219] 2023年 10月 30日(月)00:31:51【1】訂正年月日
【1】2023年 10月 30日(月)00:42:38
YT さん
日本の有人島一覧(人口・面積等)
[109218] オーナーグリグリさん

今回は忘れないようにすぐに取り掛かりました。[109215] YTさんの記事をもとに取り急ぎ編集しましたので、解釈ミスや間違いがあると思います。ご確認いただければ助かります。→ YTさん

ありがとうございます。ただ、私が【】付きで示した、人口推定を行った島の一部については、区分の色が抜けてしまっています。

以下は「法律指定外離島」です。

73 黒島 (岡山県瀬戸内市)
219 中ノ島 (高知県須崎市)
220 戸島 (高知県須崎市)
271 竹ノ島 (長崎県西海市)
273 前島 (長崎県西彼杵郡時津町)
274 鹿島 (諫早市)
336 黒島 (大分県臼杵市)

以下は「上記以外」になります

49 賢島 (三重県志摩市)
50 横山島 (三重県志摩市)
265 前島 (長崎県佐世保市)
266 鼕泊島 (長崎県佐世保市)
281 南串島 (長崎県西海市)

また、265前島と266 鼕泊島の平成27年の人口(それぞれ72人、64人)のソースは「2021離島統計年報」記載ではなく、nihonshima.netです。ただ合算した数字にあたる136人は、平成27年国勢調査における佐世保市内の基本単位区2750-00040の人口136人とも一致したので、何等かの公的な数字に基づくと思われます。

参考までに長崎県統計書では平成28年版まで、「島しょ一覧」という項目があり、島ごとに国勢調査人口が示されていました。平成28年版に掲載されていたのは平成22年10月1日現在の人口(でも面積の方は平成27年10月1日現在となっている)です。残念ながら平成29年度版以降は、1km2以上の面積の島の情報のみで、また島嶼の詳しい人口の情報も掲載されなくなりました。

参考までに長崎県統計書(平成28年)から関連する島嶼の情報を以下にまとめます。

市町島名面積(平成27年10月1日現在)世帯数(平成22年10月1日現在)人口(平成22年10月1日現在)
佐世保市前島0.3092368
佐世保市とう泊島0.0982176
西海市竹島0.08024
西海市南串島0.6853298
諫早市鹿島0.15838
西彼杵郡前島0.26325
新上五島町中通島168.3108,74020,159
新上五島町桐小島0.04038

この内、中通島と桐小島の方は2021離島統計年報に令和2年国勢調査人口の数字が記載されています。
竹ノ島(長崎県統計書では「竹島」表記)、前島、鹿島については2021離島統計年報に平成27年国勢調査人口の数字が記載されていますので、令和2年については人口推定を行いましました。
前島と鼕泊島(長崎県統計書では「とう泊島」表記)については、nihonshima.netの方に平成27年国勢調査人口の数字が見つかりましたので、令和2年については人口推定を行いましました。
南串島だけは、2021離島統計年報に情報がなく、平成22年の人口から令和2年、平成27年の人口を推定しました。

なお、長崎県統計書と同様に高知県統計書の方でも過去に島嶼別人口が掲載されていましたが、こちらは平成3年度版までで島嶼毎の人口の記載が終了し、平成4年以降は面積1km2以上の島のみ掲載と情報が劣化しています。高知県統計書(平成3年)における関連する島のデータは以下の通りです。

所属地名周囲(km)面積(km2)世帯数(平成2年10月1日現在)人口(平成2年10月1日現在)総数
中ノ島須崎市多ノ郷1.690.213532330
戸島須崎市多ノ郷2.820.14241212

小地域統計が公開されているのは平成7年の国勢調査以降なので、残念ながら平成2年の人口からは、市の総人口に対する各島の人口の割合を使って人口を推定する必要となっていまいます。ところがnihonshima.netの方には、平成12年、平成7年の中ノ島・戸島の人口が掲載されています。今回こちらの平成12年の数字を、令和2年の人口推定に用いました。結局nihonshima.netの数字の引用元がはっきりしませんが、離島統計年報のバックナンバーなどと推察します。

ところで、企画名称は「日本の有人島一覧(人口・面積等)」の方がよかったでしょうか。変更しようと考えています。

これに関しては「有人島」と明記した方がより正確だと思います。
[109215] 2023年 10月 29日(日)00:48:02【3】訂正年月日
【1】2023年 10月 29日(日)00:56:08
【2】2023年 10月 29日(日)02:13:35
【3】2023年 10月 29日(日)02:56:54
YT さん
令和2年、平成27年の有人島別国勢調査人口
ekinenpyouさんが[97639]で有人離島の情報をまとめられてから、すでに4年半も経っていますが、先日図書館で『2021 離島統計年報 CD-ROM版』を閲覧する機会に恵まれました。本書には、離島振興法などに指定された離島の令和2年の国勢調査人口がまとめられているほか、法律指定外離島についても人口(ただし平成27年国勢調査人口)がまとめられています。なお面積については平成27年10月1日基準のままです。

そこでこれを機に日本の有人島の国勢調査人口、面積をまとめてみようと試みました。

ただし完璧ではありません。

すでにekinenpyouさんが過去に示されたように、離島統計年報から漏れている島が大量にあります。一応ritokeiの有人離島一覧を参考にして、漏れている数字を補いました。さらにekinenpyouさんが[97639]でまとめられたデータと、国勢調査の小地域(基本単位区)の統計地理情報システムを駆使して、なんとか数字を揃えてみました。

細かいところで、こことここは別の島だろ!とか、ここは繋がっていない?とか突っ込みどころは大量にありますが、とりあえず足掛かりとして有人島の令和2年、平成27年における人口をまとめます。面積については、国土地理院の全国都道府県市区町村別面積調により、令和2年10月1日時点の面積データに更新しましたが、情報が得られるのは1km2以上の島のみです。人口密度に関しては、一応令和2年基準で計算しましたが、1km2未満の島については平成27年基準など、とりあえず得られた面積データを使って人口密度を計算しました。

島についているマークは:
マーク無し:『2021 離島統計年報 CD-ROM版』収録の、離島振興法等指定離島
*:『2021 離島統計年報 CD-ROM版』収録の、法律指定外離島
**:『2021 離島統計年報 CD-ROM版』に収録されていないが、「ritokei」などの有人離島リストに掲載されているもの
***:北海道、本州、四国、九州、沖縄島(人口は差分で計算)
【】:推定人口の項目(重複あり)

を意味します。*や**のマークがあるものに関しては、2020年の人口を算出する際に、小地域集計の情報が必要で、計算に用いた大字・町名、あるいは字・丁目などを備考欄に示します。

なお、『2021 離島統計年報 CD-ROM版』収録の法律指定外離島であっても、島根県松江市の田島(大根島に接続)、香川県坂出市の瀬居島、沙弥島(四国本土に接続)、長崎県長崎市の香焼島(九州本土に接続)などはほぼ完全な埋め立てで独立した島ではなくなった地域となってしまっているので、本表から除外します。

幾つか注意点としては
1.国土地理院が規定する「島」は、周囲長0.1km以上の海岸線で囲われた自然島であり、人工島は島とはみなされません。よって関空や、神戸のポートアイランド、東京湾の平和島や令和島やお台場などは本州島の一部とされます。
2.琵琶湖に浮かぶ沖島は、上の基準では島ではありませんが、法令上離島振興法等指定離島となっているのでリストに含まれています。琵琶湖は本州の面積に含まれており、沖島の人口も本州の人口に含めました。
3.高知県須崎市の中ノ島・戸島の人口は、本土分と分離できなかったものの、推定人口を算出しました。これにより、四国の人口は正確には計算できませんが、誤差は±10人程度でしょう。
4.長崎県西海市の竹ノ島・南串島・西彼杵郡時津町の前島・諫早市の鹿島・大分県臼杵市黒島なども国勢調査の基本単位区では本土分と分離できませんでしたが、離島統計年報には国勢調査の基本単位区をさらに分割した数字が掲載されています。ただし竹ノ島、前島、鹿島、黒島は平成27年国調、南串島は平成22年国調ベースの分割された人口の情報が存在します。今回基本単位区に占める人口比から、推定人口を算出しました。これにより、九州の人口は正確には計算できませんが、誤差は±20人程度でしょう。
5.長崎県南松浦郡新上五島町の中通島と桐ノ小島については令和2年の国調ベースの分割人口が離島統計年報に掲載されていたので、そのまま使用しました。
6.以上のほか、いくつかの島で人口比などによって令和2年の推定人口を算出しました。
7.熊本県の大矢野島・野牛島だけは人口を分離するのに必要な根拠となる数字が全く見つからなかったので、推定人口を算出しませんでした。航空写真から家屋の数を見る限り、おそらく野牛島は10人~20人前後でしょうが。野牛島は一度無人化した後、道が繋がることで娯楽施設や店舗が建設され、再度有人化したという感じのようです。

(開く)日本の有人島の人口、面積一覧

人口密度が一番高いのは沖縄県の奥武島の3,217 人/km2ですが、人工島をリストに加えることが可能であれば、人口密度1万人/km2クラスがたくさん出現しそうです。

最後に日本の人口上位30位までの島の一覧です(人口1万人以上)。唯一分割に至っていない大矢野島・野牛島が30位につけました。

順位島名都道府県2020年
人口 (人)
2015年
人口 (人)
2020年
面積 (km2)
2015年
面積 (km2)
2020年
人口密度
(人/km2)
備考
1本州1都2府31県102,577,820102,978,572227,939.72227,942.41450.02琵琶湖の沖島を含む
2九州7県12,346,99812,546,74436,782.3836,782.35335.68南串島・竹ノ島(長崎県西海市)・鹿島(長崎県諫早市)・前島(長崎県西彼杵郡時津町)の人口推定処理の影響あり
3北海道北海道5,214,7955,370,65477,984.4977,984.4166.87
4四国4県3,627,2923,769,01618,297.3718,297.59198.24中ノ島・戸島(高知県須崎市)の人口推定処理の影響あり
5沖縄島沖縄県1,335,7331,301,7831,208.531,206.961,105.25
6淡路島兵庫県126,980134,717592.51592.55214.31
7天草下島熊本県65,93771,523574.95574.94114.68
8奄美大島鹿児島県57,51159,828712.41712.3580.73
9佐渡島新潟県51,49257,255854.81854.7660.24
10宮古島沖縄県47,67645,625158.93158.87299.98
11石垣島沖縄県47,63747,564222.24222.25214.35
12福江島長崎県31,94534,419326.36326.3197.88
13対馬島長崎県28,37431,301695.74696.4440.78
14種子島鹿児島県27,69029,847444.30444.3062.32
15小豆島香川県25,88127,927153.26153.25168.87
16壱岐島長崎県24,67826,750134.63134.63183.30
17天草上島熊本県23,77226,317225.93225.90105.22
18彦島山口県23,60626,38610.5810.582,231.19
19江田島・
能美島
広島県21,92424,33091.3391.32240.05
20徳之島鹿児島県21,80323,497247.85247.8587.97
21向島広島県20,99422,31122.3122.31941.01
22因島広島県20,43521,94735.0435.03583.19
23平戸島長崎県16,24017,698163.44163.4099.36
24中通島長崎県16,11318,113168.39168.3195.69
25倉橋島広島県15,10616,77669.4669.46217.48
26屋代島山口県14,47716,766128.48128.48112.68
27島後島根県13,43314,608241.53241.5555.62
28沖永良部島鹿児島県11,99612,99693.6593.65128.09
29屋久島沖縄県11,76512,913504.29504.2923.33
30大矢野島熊本県11,09011,90530.2030.20365.77野牛島(0.12 km2)の人口を分離せず(人口密度は30.32 km2で算出)

淡路島までは想像できたのですが、幕末に人口10万人を超えていたはずの佐渡島が半減している状況でびっくり。九州の離島が上位を占めています。沖縄県を除きどの地域も人口が減少していますが、本州の人口が1憶人を切るのもそう遠い未来ではなさそうです。

【誤字訂正、順位追加、九州本土は7県、前島(0.309km2)・鼕泊島(0.098km2)・南串島(0.085km2)の面積を小数点以下二桁に修正し人口密度も修正】
[107981] 2023年 6月 11日(日)22:24:18YT さん
経県と、苗字の漢字の問題
5月以降、滅茶苦茶忙しいモードに入ってしまい、色々な作業がストップしてしまってます。特に水曜日は朝6時起き、そのための準備で日曜日から火曜日までの深夜が潰れ、水曜日の深夜も疲れてなにもできず・・・の状態になってしまい、折角の色々面白いネタにも反応できませんでした。経県の話題が復活して来たので、今改めてその話題を投稿します。

[107878] サヌカイトさん

さて中身ですが、タイトルの通り「特殊ランキング」になります。といってもそんな難しい計算を用いたものではなく、ごく単純に(全県登録でない方含む)全登録者の中で「居住+宿泊」「訪問」「接地」「通過」がそれぞれただ1人だけのものが、いったい誰だったのかを調べて集計しました。

中々面白い視点でのまとめですね。ただ自分は基本、地方に行くのは仕事関連施設のある大きな都市か、家族旅行かだけですので、それにもかからわず、経県値特殊ランキングに宿泊(居住含む)が2つもあるのは本当かな?と思って調べて見ましたが、もしかしたら本当は1つかも知れません。

京都府京田辺市:これは京都厚生年金休暇センター(現在の名称:ウェルサンピア京都)ですね。ここで開かれたセミナーに学生時代に参加したのですが、いくら騒いでも周囲から文句を言われないところ・・・ということで、ここに泊まりました。当時はまだアルハラ上等の時代かつ、微妙に体育会系な分野ですので、下戸の私には色々つらかったです。

千葉県山武市:これ、もしかしたら違うかも知れません。これも学生時代、研究室旅行で九十九里浜に行ったのですが、大学生協から申し込み可能な安い雑魚寝の宿に泊まりました。ただ計画を立てたのは自分ではなく、どこに泊まったかの記憶が曖昧なのです。行きの電車は教授と二人きりの空間にいたために緊張し、どこの駅で降りたかの記憶が吹っ飛んでおり、なんとなく当時の風景とGoogle mapの映像から、蓮沼周辺だったかな?と思って勝手に山武市を宿泊設定にしたのですが、もしかしたらもっと東側:横芝光町、匝瑳市、旭市、銚子市のどこかかも知れません。そうなってくると「通過」が増えることになります。

[107811] オーナーグリグリさん
ところで私の「苗字が市名と同音同字の人」は考えてみたのですが、これまでの経歴からは会話した人の数が非常に多いため、記憶が極めて曖昧でとてもリストアップできる精度ではありません。

私は典型的な市名苗字の人です。しかも「東松山市」と「松山市」の如く、苗字の一部を含む市も存在していたりします。苗字の人口も比較的上位の方なので、多分皆さんの多くのリアルの知り合いに、私と同姓の人間はいると思います。

ただ・・・厳密にいうと、本籍の漢字は、旧字体、新字体とも異なる異字体、かつ漢字の形がSHIFT-JIS登録のものとも微妙の異なる字体だったのですが、ここ20年間の間の戸籍の電算化の過程で、戸籍に使われていた漢字の微妙な違いが、SHIFT-JISに登録されているものへ強制的に書き換えられてしまったのです。私の場合は8年前に結婚してから本籍の漢字の字体が強制的に変えられたことに気付かされました!当時住んでいた川崎市の区役所の説明によると、法的にも電算化の際の漢字の字体の変更は、対象者の同意は必要ないものになっている、とのことでした。まあそれはどうでも良いと言えばどうでも良いのですが、警察署に受け継がれている運転免許書の本籍の漢字と、役所の戸籍の漢字が異なるというわけのわからない状態になっています。運転免許書とマイナンバーカードの一本化に警察が抵抗する限り、本籍の漢字二本立て体制は続きそうです(てか住基カードはどうなったの?引っ越した先の市では住気基カードの読み込み装置が操作不良で、妻の住基カードはほとんど使うことなく、読み取り不良原因不明のまま廃止となってしまいました)。

いや、本当は漢字はどうでも良かったのです。もともと学生時代までは新字体しか使っていませんでした。私の父母も戦前生まれですが、文章執筆の際には新字体を使ってますし、そもそも試験などでは新字体の方が時間短縮になるので、本籍の漢字を意識することなどはありませんでした。運転免許書だけは当時の本籍の異字体の漢字を使いましたが、銀行のカードも新字体でした。ところが社会人になってから事務関連で強制的に本籍の漢字を使えとなり、その結果文章執筆では従来通りの新字体、予算関連では本籍の異字体の混合状態となり、その本籍の漢字もいつのまにかSHIFT-JIS登録の字体となり、自分の仕事関連のホームページでは何か旧字体と異字体と新字体が混ざって表示されており、もうどうしようもない状況です。本来なら運転免許書なんて表に出ないので、新字体だけのままでよかったのですが、社会人になってから事務が煩かったせいで、後戻りできない中途半端な漢字使いになってしまいました。
[107732] 2023年 4月 26日(水)00:11:37YT さん
折りたたみ機能について
[107718] オーナー グリグリさん

YTさんへ

勝手に記事を利用して申し訳ありません。折りたたみ機能の効果を評価したいと思い利用させていただきました。できるだけ早くこの機能を書き込みで利用できるようにしますので、何卒ご協力をよろしくお願いいたします。

皆さんへ
折りたたみ機能は、表に限らず折りたたみたい部分を次のような指定で囲むことで実現する予定です。
現在の%%による引用と同じような指定方法でタイトルが付けられる。

@@タイトル
(この部分に折りたたむ部分を記述する)
@@

「タイトル」は(開く)や(閉じる)の後ろにつけるタイトルになります。
サンプルの文字色、背景色、機能などいかがでしょうか。ご意見をお待ちしています。

わざわざこのような機能を作って頂き、大変申し訳ありせん。
今後とも活用させて頂きます。

ところで検索アイコンの問題ですが、自分はWindows 10でFirefox Ver バージョン112.0.1 (64ビット)、Microsoft Edge バージョン112.0.1722.58(公式ビルド)(64ビット)、Android 11でGoogle Chrome 112.0.5615.136などを使っておりますが、全くそのような検索アイコンが出てきません。個人的にアドオンを極力無効にして使ってますので、どちらかというと何等かのアドオンの動きを誘発してしまっているのではないでしょうか?
[107714] 2023年 4月 25日(火)01:04:31【7】訂正年月日
【1】2023年 4月 25日(火)01:06:30
【2】2023年 4月 25日(火)01:11:35
【3】2023年 4月 25日(火)01:19:06
【4】2023年 4月 25日(火)04:47:37
【5】2023年 4月 25日(火)08:12:21
【6】2023年 4月 25日(火)08:24:51
【7】2023年 5月 25日(木)17:03:15 by オーナー(表組み改善)
YT さん
明治22年(1889年)12月31日における日本国内の人口上位1位~250位市区町村など
すでに[107044][107045]で、人口上位1000位までの市区町村の表を示していますが、改めて人口上位250位までの市区町村の表をここに掲載します。今回は、高松城下や丸亀城下、小樽・江差・福山市街、あるいは町村制導入前の戸長役場や間切番所、島番所の管轄となる町村連合、沖縄県や奄美の伝統的な方、間切別の人口を併せて掲載しますが、順位を振るのはあくまでも市区町村のみで、市街、町村組合、町村連合、間切、方等々は、人口を載せるのみで、順位は降りません。表の内、「文献値」とは、『日本帝国民籍戸口表』の「各地方現住一万人以上市区町戸口表」または「各地方郡市戸口表」、あるいは『日本帝国人口静態統計』の「人口一万人以上ノ市町村現住人口 (自明治十九年末至同四十一年末)」に掲載された現住人口で、「各地方現住一万人以上市区及町村戸口表」掲載の現住人口を優先して採用しています。251位以下であっても、県庁所在地の宮崎町(現在の宮崎市域内でも明治22年段階で最大の現住人口を有していた)、浦和町(現在のさいたま市域内でも明治22年段階で最大の現住人口を有していた)、那覇東村(【訂正:当初那覇番所の設置されていた那覇東村を県庁所在地としてましたが、県庁は那覇区成立までずっと那覇西村に置かれてたことが後から分かったので表も那覇西村に追加訂正します】現在の那覇市域内でも明治22年段階で最大の現住人口を有していた)、及びのちの政令指定都市の中心となる橘樹郡川崎町(但し現在の川崎市域内では明治22年段階で橘樹郡大師河原村5,118(890位)の方が人口が多かった)と大住郡大野村(大字淵野辺を含み、現在の相模原市域内でも明治22年段階で一番人口が多かった)については、参考として表の最後の部分に順位・人口を載せます。

なお伊豆七島の大島新島村、岡田村、泉津村、野増村、差木地村、波浮港、波浮港、新島の新島本村、若郷村、三宅島の神着村、伊豆村、伊谷村、阿古村、坪田村、八丈島の大賀郷、三根村、中之郷、樫立村、末吉村、八丈島小島の鳥打村、宇津木村、小笠原島父島の大村、扇村、袋沢村、母島の北村、沖村、聟島、弟島、媒島は、個々の町村別人口が得られなかったため、順位の対象外です。大島5,991人、新島2,886人、三宅島3,235人、八丈島8,430人、八丈島小島393人、小笠原島1,658人に関して、島単位で順位に組み込むことも考えましたが、八丈島などは人口8,430人と上位250位に食い込むほど人口が多いため、順位算出に入れると問題が発生します。『明治三十一年日本帝国人口統計』の段階では、新島本村3,081人、八丈島大賀郷2,724人、八丈島島三根村2,480人などが伊豆七島の人口上位の町村となります。

(開く)明治22年(1889年)12月31日における日本国内の人口上位1位~250位市区町村
[107713] 2023年 4月 25日(火)01:00:01【2】訂正年月日
【1】2023年 4月 25日(火)01:02:05
【2】2023年 5月 25日(木)17:09:20 by オーナー(表組み改善)
YT さん
明治22年(1889年)12月31日調市区町村別人口 ver 0.75
[107047]でアップロードした明治22年(1889年)12月31日調市区町村別人口 ver 0.50ですが、その後丸亀営所の位置[107127]、『戸籍表 明治二十二年 上』『戸籍表 明治二十二年 下』という新たな資料の発見に伴う、市の出入寄留データの追加[107191]、入寄留の陸海軍在営艦者の改訂[107199]、無籍在監人と入寄留の囚人及懲治人の改訂[107648]で示すような修正を加え、改めて明治22年(1889年)12月31日調市区町村別人口 ver 0.75としてアップロードし直しました(すみません、ZIP圧縮せずに、エクセル形式(xlsx)のままアップロードしてしまいました)。

https://u6.getuploader.com/SR1gou/download/932

また鹿児島県大島郡に関しては、伝統的な方、間切の区分を追加しました。異なる島で同一の方、間切の名称が使われているケースがあるため、大島、喜界島、徳之島、沖永良部島、与論島も追加です。また北海道庁に関しては異なる郡に戸長役場町村連合が分布することがあるため、そのようなケースでは各郡毎に/連合(一部)/という、町村連合を分割した項目を追加しました。鹿児島県大島郡では、戸長役場管轄町村連合の区分を優先し、方、間切の方を分割して、/方(一部)/、/間切(一部)/という区分を追加しました。というのは、例えば『明治三十一年日本帝国人口統計』などを見てわかるように、鹿児島県大島郡では戸長役場管轄町村連合の区分が、方や間切などの伝統的な行政区分に優先しているからです。一方で沖縄県の場合の町村連合は、戸長役場管轄によるものではなく、島番所という中途半端な制度(例えば宮古島や八重山島は、それぞれの単一の島番所が間切、島を管轄した)の管轄を示すものであったため、『明治三十一年日本帝国人口統計』でも間切とう伝統的な行政区分で集計されることになりました。鹿児島県大島郡も沖縄県も、『明治三十一年日本帝国人口統計』では町村制施行前の町村別人口が示されておらず、明治22年~明治30年の戸籍表の時代よりも結果として得られる人口データが減ってしまっています。

以上のほか、富山県の市部は、市の出入寄留データの追加により必要なくなったので削除しました。区分に関しては、以前は/町丁/と/大字/を区別していましたが、明治22年当時は「~町」なども大字として扱われるのが普通だったようなので、すべて/大字/に統一しました。また計算式の加算、減算をすべてSUM関数表記にまとめ、計算式をより簡略化しました。さらに徴発物件一覧表掲載の人口との比較において、参考とする計算式の中身の説明を極力つけることにしました。以下にVer 0.75における主な変更点を列挙します(差分等の追加は除く)。

(開く)明治22年(1889年)12月31日調市区町村別人口 ver 0.75

最終的に残った問題点は

1. 東京府伊豆七島の内、大島の新島村、岡田村、泉津村、野増村、差木地村、波浮港、波浮港、新島の新島本村、若郷村、三宅島の神着村、伊豆村、伊谷村、阿古村、坪田村、八丈島の大賀郷、三根村、中之郷、樫立村、末吉村、八丈島小島の鳥打村、宇津木村、および小笠原島父島の大村、扇村、袋沢村、母島の北村、沖村、聟島、弟島、媒島については、各町村別人口の情報が欠落。

伊豆七島の内、大島、利島、新島、神津島、三宅島、御蔵島、八丈島(八丈島小島と青ヶ島を含む)および小笠原島については、それぞれの出入寄留データが存在し、結果として、一島一村状態の利島、神津島、御蔵島については、町村相当の島単位での人口データは得られます。また広義の八丈島を構成する、狭義の八丈島、八丈島小島、青ヶ島に関しては、『明治二十二年 東京府統計書』により、本籍人口、現住戸数、現住人口のデータが存在します。こちらの本籍人口、現住人口の数字を合算した結果が広義の八丈島の戸籍表からの数字と一致するので、人口データとして採用しました。

2. 虫食いのため、茨城県東茨城郡の一部の町村(石崎村、河和田村、長岡村、上野合村、伊勢畑村、磯浜町)の出寄留の囚人及懲治人が正確に得られず、現住人口が正確に算出できない。

これに関しては、虫食いの状況と、そこからの推定の根拠は以下の通りです。東茨城郡常磐村の出寄留の囚人及懲治人の部分は、和紙修正の過程で横にやや回転した状態の「八」が確かに書かれていると判断し、8を確定値としました。

町村府県庁本籍人口官報掲載[出]囚人及懲治人(推定)虫食いの状況現住人口(未確定)
東茨城郡石崎村茨城県2,6332,7152一または二2,711
東茨城郡河和田村茨城県1,9581,9523欠落1,948
東茨城郡長岡村茨城県3,2743,2963三または二3,289
東茨城郡上野合村茨城県2,6642,6695五または一2,662
東茨城郡伊勢畑村茨城県1,2521,2391一または二1,237
東茨城郡磯浜町茨城県8,8968,86813一三または一二8,850

3. 北海道庁釧路郡に所属する町村(真砂町、米町、洲崎町、幣舞町、浦見町、釧路村、桂恋村、鳥取村、昆布森村、跡永賀村、仙鳳趾村)に関し、郡全体での他町村出寄留は4人となっているものの、町村別の他町村出寄留が空欄となっており、これらの町村のいくつかの現住人口を正確に算出できない。

これに関しては対処不能なので、とりあえず各町村の他町村出寄留を0として算出しました。

2026年まで総務省第二庁舎耐震改修工事が続くため、しばらく戸籍表の原本の閲覧はできませんが、おそらく3年後に原本を閲覧しても、これ以上の大きな修正はないと思われます。



なお、さきほど偶然知ったのですが、古今署員より奥井正俊著『日本近代全国市町戸口表:国勢調査以前の戸口・人口のパネルデータ』という本が来月発売されるようです。
[107687] 2023年 4月 23日(日)01:36:38【1】訂正年月日
【1】2023年 4月 23日(日)01:38:22
YT さん
母をたずねて六千ミッリャ≡100,000/9キロメートル≡687,500/243里≒2829里
本当は明治22年12月31日調の市区町村別現住人口の修正版をアップロードしようとしてたのですが・・・どうでも良い話ではあるものの、地理には深く関わる話題に時間を取られてしまったので、そちらの話を投稿します。

自分の息子が読んでいる本に「あたまが コんガらガっち劇場「りりりりりりりりり」の謎」というのがあり、そこの中にネタとして、「母をたずねて3000マイル」という映画が登場します。これに関して息子が「3000マイルってどのくらいの距離?」と妻に質問して、それに対して妻は「1マイルが約1.6キロメートルだから、約4800キロメートル」と答えていました。

まあそれはいいんですが・・・あれ?4800キロメートルってイタリアからアルゼンチンまで全然届かない?てか「三千里」の「里」って、日本の距離の単位の「里」?原文ではどうなっているの?と疑問に思い、色々調べてみました。

まず「母をたずねて三千里」ですが、エドモンド・デ・アミーチス著「クオーレ」に挿入されている「アペニン山脈からアンデス山脈まで」 ”Dagli Appennini alle Ande”を原作とします。邦訳の方は青空文庫の方に日本童話研究会訳『母を尋ねて三千里』というのがあります。そこから文章中で三千里という言葉を探すと

けれども彼女はまるで死んだように眼をとじていました。主人と奥さんとはろうそくのかすかな光でこのあわれな女を見守っていました。「家を助けるために三千里もはなれた国へきて、あんなに働いたあとで死んでゆく。ほん当に可哀そうだ。」主人はこういってそこにぼんやりと立っていました。

「三千里」というのは邦訳の本文中でこの一回しか登場しません。残念ながら自分はイタリア語はほとんどできないので、まず英語訳から該当箇所を見てみましょう。幸いなことにProject Gutenbergに、"Cuore, libro per i ragazzi by De Amicis, Edmondo, 1846-1908"が見つかりました。該当箇所を見ると、

But she closed her eyes then in exhaustion, and fell into a doze, so that she appeared to be dead. And her master and mistress remained there a little while, by the faint light of a taper, watching with great compassion that admirable mother, who, for the sake of saving her family, had come to die six thousand miles from her country, to die after having toiled so hard, poor woman! and she was so honest, so good, so unfortunate.

あれ? six thousand miles from her country? つまり6000マイル?ということは、母をたずねて三千里の三千里は、翻訳者が日本の伝統的な尺貫法に換算した結果ということなのでしょうか?とりあえず

1 国際マイル ≡ 1.609344 キロメートル

そして日本の里は、

1 里 ≡ 216/55キロメートル ≒ 3.927キロメートル

ですので、

1 国際マイル ≡ 15367/37500 里 ≒ 0.409787 里

つまり

6000 国際マイル = 2458.72 里

これだと母をたずねて2500里で、上二桁目で四捨五入してしまうと二千里になってしまいます・・・

改めてイタリア語の該当箇所を探してみましょう。するとクオーレのイタリア語原文"Cuore, libro per i ragazzi"から該当箇所を見てみますと:

che per salvare la sua famiglia era venuta a morire a seimila miglia dalla sua partria,

seimila (セイミーラ)が「6000」、miglia (ミッリャ)が英語のマイルに相当する長さの単位、dalla sua patria が「彼(女)の祖国から」

つまりイタリア語の原文でも「祖国から6000ミッリャ離れて」なわけです。ただここで注意するべき点はマイルというのが各国で定義がバラバラだったことです。上で「国際マイル」を出しましたが、米国でごく最近まで使われて来た1米国測量マイルの場合、

1 国際マイル ≡ 0.999998 米国測量マイル

と地図の上では微妙に異なる単位を使っていました。イタリアの場合は、19世紀まではイタリア式マイル、miglio italiano ミッリョ・イタリヤーノを使っていました。国際単位系を採用するに当たり、

1 キロメートル ≡ 0.54 miglia italiane ミッリャ・イタリヤーネ (イタリア式マイル)

という換算が採用されました。つまり

1 miglio italiano ミッリョ・イタリヤーノ (イタリア式マイル) ≡ 50/27 キロ―メートル ≒ 1851.85 キロメートル
6000 miglia italiane ミッリャ・イタリヤーネ (イタリア式マイル) = 100,000/9 キロ―メートル ≒ 1万1111 キロメートル

というのがクオーレの原文に書かれた距離ということになります。ここでジェノヴァからブエノスアイレスまでの直線距離が約1万1094 キロメートルだそうですので、約1.11キロメートルと上3桁目まで概数と一致し、まさに「祖国から6000ミッリャ離れた地」に相当します。

次にこれを日本の里に換算すると、

1 miglio italiano ミッリョ・イタリヤーノ (イタリア式マイル) ≡ 1375/2916里
6000 miglia italiane ミッリャ・イタリヤーネ (イタリア式マイル) = 687,500/243里 ≒ 2829.218里

結果約2900里ですが、約2500里に比べればよほど三千里です。つまり三千里は、19世紀以前のイタリア式マイル(ミッリョ・イタリアーノ)で6000ミッリャと表現されていた距離を、ほぼ正しく日本の里に置き換えた表現であることが判明しました。

とまあ、どうでもいい話題ですが、この単位系の換算間違いで、惑星探査機が故障したり、飛行機が墜落寸前になったりするので、本当に厄介なものです。


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