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[80480]2012年4月1日
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[80368]2012年3月4日
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[80366]2012年3月4日
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[80339]2012年2月26日
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[80336]2012年2月26日
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[80334]2012年2月25日
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[84269] 2013年 10月 25日(金)20:44:04【1】YT さん
境界変更情報の扱いについて
[84265][84266] むっくんさん

色々調べて頂きありがとうございます。自分は官報の検索には未だ不慣れな状況です。

ところで

[84187]にてYTさんが問われておられる市区町村変遷情報の収録範囲(境界変更を含む)についてです。

についてですが、例えば『昭和25年 国勢調査報告 第7巻その23愛知県』収録の市町村の廃置分合、境界変更及び名称変更(大正9年10月~昭和25年9月)から、境界変更だけの情報を抜き出すと以下の通りです。【追記:漢字・日付等を色々修正】

9)大正12.9.1.名古屋市東区の一部(91)及び西区の一部(人口異動なし)を中区に編入。
17)大正14.4.1.海部郡佐織村の一部(561)を津島町に編入。
19)大正14.10.1.額田郡幸田村と幡豆郡豊坂村との間に境界変更(人口異動なし)あり。
20)大正14.11.10.一宮市、中島郡大和村、同郡萩原町及び今伊勢村との間に境界変更(人口異動なし)あり。
21)大正15.3.1.南設楽郡新城町と同郡千郷村との間に境界変更(人口異動なし)あり。
24)昭和2.6.20.名古屋市中区の一部(人口異動なし)を南区に、南区の一部(50)を中区に編入。
25)昭和2.12.1.愛知郡天白村と名古屋市南区及び中区との間に境界変更(人口異動なし)あり。
26)昭和3.4.1.渥美郡老津村と同郡高師村及び高豊村との間に境界変更(人口異動なし)あり。
27)昭和3.4.1.名古屋市南区の一部(97)を同市中区に編入。
28)昭和3.4.1.一宮市と中島郡大和村との間に境界変更(人口異動なし)あり。
33)昭和3.11.1.一宮市と葉栗郡葉栗村との間に境界変更(人口異動なし)あり。
34)昭和3.12.20.海部郡弥富町と市江村との間に境界変更(人口異動なし)あり。
36)昭和4.6.1.名古屋市東区の一部(78)を同市西区に編入。
40)昭和5.3.15.名古屋市南区の一部(64)を中区に、中区の一部(人口異動なし)を南区に編入。
41)昭和5.5.15.名古屋市西区と西春日井郡庄内町との間に境界変更(人口異動なし)あり。
42)昭和5.9.10.幡豆郡一色町と同郡福地町との間に境界変更(人口異動なし)あり。
43)昭和5.9.10.名古屋市中区の一部(37)を南区に、南区の一部(21)を中区に編入。
44)昭和5.12.1.名古屋市南区の一部(人口異動なし)を同市中区に編入。
45)昭和6.1.1.名古屋市南区の一部(7)を同市中区に編入。
46)昭和6.5.1.名古屋市南区と愛知郡下之一色町との間に境界変更(人口異動なし)あり。
47)昭和6.7.15.愛知郡下之一色町の一部(人口異動なし)を名古屋市南区に編入。
48)昭和6.10.1.名古屋市西区と同市中区との間に境界変更(人口異動なし)あり。
52)昭和7.12.1.名古屋市東区と西春日郡萩野村との間に境界変更(人口異動なし)あり。
53)昭和7.12.10.名古屋市東区の一部(1,342)を同市中区に編入。
54)昭和8.3.1.碧海郡旭村と同郡明治村との間に境界変更(人口異動なし)あり。
56)昭和8.4.1.名古屋市南区の一部(人口異動なし)を同市中区に編入。
57)昭和8.6.10.豊橋市の一部(38)を宝飯郡豊川町に編入。
58)昭和9.3.1.海部郡弥富町と市江村との間に境界変更(人口異動なし)あり。
59)昭和9.6.1.名古屋市西区と中区との間に境界変更(人口異動なし)あり。
60)昭和9.7.1.額田郡幸田村と幡豆郡豊坂村との間に境界変更(人口異動なし)あり。
61)昭和9.7.1.碧海郡六ツ美村と幡豆郡三和村及び室場村との間に境界変更(人口異動なし)あり。
62)昭和9.8.23.愛知郡天白村と名古屋市中区及び東区との間に境界変更(人口異動なし)あり。
63)昭和9.9.10.渥美郡田原町と赤羽根村及び神戸村との間に境界変更(人口異動なし)あり。
64)昭和9.10.1.名古屋市東区と中区との間に境界変更(人口異動なし)あり。
65)昭和9.11.20.海部郡津島町と佐織村との間に境界変更(人口異動なし)あり。
66)昭和10.10.2.名古屋市東区の一部(18)を同市中区に編入。
67)昭和10.12.1.名古屋市西区と中区との間に境界変更(人口異動なし)あり。
68)昭和11.1.1.名古屋市西区の一部(195)を同市西区に編入。
69)昭和11.5.1.一宮市と中島郡大和村との間に境界変更(人口異動なし)あり。
70)昭和11.7.15.名古屋市中区の一部(人口異動なし)を東区へ、東区の一部(10)を中区に編入。
71)昭和11.12.10.海部郡八開村、津島村、佐屋村、市江村、立田村及び弥富町との間に境界変更(人口異動なし)あり。
72)昭和11.12.10.海部郡弥富村と市江村との間に境界変更(人口異動なし)あり。
77)昭和13.1.25.名古屋市港区の一部(人口異動なし)を中川区に編入。
78)昭和13.8.1.東春日井郡篠木村と同郡鳥居松村との間に境界変更(人口異動なし)あり。
79)昭和13.8.20.渥美郡田原町と同郡神戸村との間に境界変更(人口異動なし)あり。
80)昭和13.9.1.名古屋市中村区と同市中川区との間に境界変更(人口異動なし)あり。
82)昭和14.12.15.名古屋市中村区と中川区との間に境界変更(人口異動なし)あり。
84)昭和15.3.10.渥美郡田原町と同郡杉山村との間に境界変更(人口異動なし)あり。
86)昭和15.6.11.瀬戸市と愛知郡幡山村との間に境界変更(人口異動なし)あり。
88)昭和15.8.15.名古屋市中村区の一部(人口異動なし)を中川区に編入。
90)昭和15.9.25.名古屋市西区と東春日井郡守山町との間に境界変更(人口異動なし)あり。
91)昭和15.10.5.名古屋市港区と熱田区との間に境界変更(人口異動なし)あり。
94)昭和18.1.1.海部郡甚目寺町の一部(817)を西春日井郡清洲町に編入。
95)昭和18.3.3.碧海郡上郷村と同郡高岡村との間に境界変更(人口異動なし)あり。
102)昭和22.8.1.名古屋市中区の一部(人口異動なし)を東区に編入。
107)昭和24.11.1.東加茂郡下山村の一部(168)を南設楽郡作手村に編入。
108)昭和24.11.15.幡豆郡福地村と同郡平坂町との間に境界変更(人口異動なし)あり。

境界変更及び名称変更に関する脚注は年代順に全部で109まであり、上に示すようにその半分を超える57個が境界変更のみの情報です。つまり新設や名称変更の情報を合わせた数を超える数の境界変更情報があるわけです。愛知県のみのたった30年間だけでもこれだけの数の境界変更があり、これを変遷情報に載せるとなると、肝心の新設・名称変更等の情報の方が圧迫されてしまいます。また人口異動の有無などは官報等では確認できないでしょうし、国勢調査開始以前では大字の名前ぐらいしか確認することはできないはずで、人口異動の有無は調べようがないと思います。

そうなってくると、わりかし大きい境界変更のみの情報を含めて削除するか、境界変更のみの情報だけで別項目を作る必要があるかと思いますがどうでしょうか?
[84260] 2013年 10月 24日(木)00:37:56YT さん
Re:愛知県碧海郡上青野村など
[84259] MI さん

とあることより「上青野村」は誤りで「青野村」が正当と思われます。


フォローありがとうございます。

[84253]の人口データ入力時には「上青野村」を「青野村」に修正しておりましたが、その際に修正内容を「上青野村」としか脇にメモっておかなかったため、[84253]の文章を書いた時には修正の内容をすっかり忘れていました。
[84254] 2013年 10月 23日(水)19:11:45YT さん
粟島浦/粟島浦村改称問題
このほか新潟県岩船郡粟島浦村 (新潟県#242)の改称時期に関しても色々調べました。今頃になって過去に[68959][69163][78806]などでMIさんが調査されていて、結局これに関しては結論が出てないことに気付きましたが、一応参考になる情報も提供できるかと思い、自分が調べた内容を以下まとめます。

変遷情報では明治42年(1909年)中に粟島浦から粟島浦村へ改称したことになっており、同様の記述を平凡社の『日本歴史地名大系』と新潟県総務部地方課編『新潟県市町村合併誌 下』(1962年)の1576頁で確認しましたが、『自明治42年1月1日至大正2年12月31日 郡市町村廃置分合表』には記載がありません。

1898年9月13日の官報の「明治30年12月31日市町村現住人口調」では「粟島浦」となっているのに対し、『明治31年日本帝国人口統計』『明治30-31年新潟県統計書』(人口は明治32年12月31日現在;ただし別のコマでは[69162]でむっくんさんが指摘されているように「粟島浦」)やそれ以降の官報、日本帝国人口静態統計等では「粟島浦村」となっていることから、実際には明治31年(1898年)中に改称されたものと推測しました。

しかしながら『新潟県市町村合併誌 上』の549頁以降収録の「市制・町村制施行から明治三十四年まで 町村分合及び町村名改称一覧表」(明治34年の新潟県の町村の大合併よりも前のもの)、及び843頁以降の「明治三十五年から明治四十五年まで 町村分合及び町村名改称一覧表」(明治34年の新潟県の町村の大合併よりも後のもの)には、粟島浦の改称に関する官報告示・県報告示が全く載っていません。本書は新潟県総務部地方課によって編集されたもので、
市町村制施行以前と違って町村数も少なく、かつ県の公示機関も整備されており、大きなミスはないはずである。
との断りがあることからも、記載漏れの可能性は低いと思われ、過去に[68959][69163][78806]でMIさんが示唆しているように、粟島浦の改称は官報や県報で告示されたことがないようです。となると町村の呼称に関する規則の改訂等で自動的に「~村」に変わったのでしょうか?現状では明治31年に関しては状況証拠だけ、明治42年に関しても法令等を確認できず、改称時期に関しては保留にするしかないようです。

なお『新潟県市町村合併誌』の方は『新潟県史』、『新潟県百年史』等から引用を辿っていくうちに存在を知りましたが、過去にむっくんさんが[80724][83139]で既に紹介されていました。
[84253] 2013年 10月 23日(水)19:00:29【1】YT さん
明治31年以降の北海道、中部・近畿・中国・四国・九州地方の市町村別人口の変遷
[84183] オーナー グリグリさん

新潟県以西の人口変遷をまとめる過程で、当サイトの市区町村変遷情報に要修正箇所を見つけましたので以下報告します。

(1) 愛知県碧海郡上青野村 (愛知県#31、#136)
渡村と同様に、『明治36年12月31日-41年12月31日 郡市町村廃置分合一覧表』や明治24年以降の官報による現住人口表等で上青野村の存在を確認できません。
【追記:修正内容を間違えました。[84259]でMIさんが指摘されているように、「上青野村」→「青野村」に修正する必要があります。】

(2) 愛知県中島郡平和村内の井長谷村の記述 (愛知県#161)
中島島郡明治村・中島郡千代田村(#183、#184)へ分割合併された井長谷村は、『明治36年12月31日-41年12月31日 郡市町村廃置分合一覧表』によると、中島郡明治村(大字儀長)・中島郡千代田村(大字井掘)・中島郡平和村(大字須ヶ谷)に三分割されており、よって中島郡平和村新設(#161)に「中島郡井長谷村の一部」を追加する必要があります。

なお『明治36年12月31日-41年12月31日 郡市町村廃置分合一覧表』によると、中島郡平和村の新設(#161)は、明治39年(1906年)5月2日ではなくて明治39年(1906年)5月10日であり、「1906(M39).5.10」に修正する必要があるかもしれません。同様に中島郡平和村の新設を「1906(M39).5.10」に修正すると、中島郡内の他の町村の新設と同時となり、中島郡千代田村新設(#184)の際の三宅村の記述は「三宅村の一部」に修正する必要があるかも知れません。ただし『郡市町村廃置分合一覧表』の施行日の記述が誤っている可能性もあります。

(3) 岐阜県厚見郡鳥屋村、本荘村 (岐阜県#4、#197、#243)
明治23年(1890年)3月24日に厚見郡鳥屋村が厚見郡本荘村に改称し(#4)、昭和6年(1931年)4月1日に岐阜市に編入した(#243)とありますが、明治30年(1897年)4月1日の厚見郡から稲葉郡への郡変更情報(#197)では「鳥屋村」となっております。厚見郡から稲葉郡への郡変更情報(#197)の「鳥屋村」を「本荘村」に修正する必要があります。

(4) 新潟県岩船郡塩屋村 (新潟県#238)
明治34年(1901年)11月1日に平林村に吸収された岩船郡「塩谷村」は、岩船郡「塩屋村」の間違いと思われます(『明治31年12月31日-36年12月31日 郡市町村廃置分合一覧表』)。

というわけで、[84165]でアップしたエクセルファイルに、滋賀県、三重県、愛知県、静岡県、岐阜県、長野県、山梨県、福井県、石川県、富山県、新潟県の情報を加えたものを以下にアップしました(LHA圧縮、約2.5Mb)。

http://u6.getuploader.com/SR1gou/download/782/34dofuken.LZH

沖縄県の変遷情報に修正を若干加えたほか、内訳が不明な島・村(戸長役場時代の鹿児島県大島郡、沖縄県の間切、国勢調査開始以降の北千島列島の郡)に関しては空欄にせず、「n.a.」 (not available)の文字を入れました。また、以前は明治31年以降に合併により郡名が変更した(岡山県、香川県など)の町村を同じエントリーに入れてまとめていましたが、整理のし易さを考えて、同じ町村でも郡名変更毎に全部別のエントリーにしました。

入力が済んでいないのは関東・東北で、ほぼ全体の70%が完成といったところです。ここ2ヶ月で全体の半分以上の入力が済んでおり、おそらく今年中には完成しそうです。ただ現在の作業では数字の入力を優先にし、漢字の間違い等のチェックは後回しにしておりますので、相当数の誤りがあるとは思いますので、注意して下さい。
[84187] 2013年 10月 5日(土)18:09:45【2】YT さん
境域変更情報を載せるガイドライン?
[84185] むっくんさん
[84186] MIさん

実は、近代デジタルライブラリ(国会図書館デジタル化資料)に収録されています。

私の把握している限りでは、市区町村変遷情報には愛知県の約100箇所の明白な誤りを筆頭に合計約300箇所の明白な誤りがあります。

情報ありがとうございます。平坂村から平坂町への改称は、福岡町と内海町の町制実施と同日の告示なのですね。

詳細は自宅に帰った月曜日以降ということになりますが、覚えている限りでは#92の分立は存在せず、#306と#315の境界変更は微小なものであり市区町村変遷情報の収録対象外であったと記憶しています。

#92の分立に関し、碧海郡渡村は、『明治36年12月31日調 日本帝国人口静態統計』でもその存在を確認できません。

なお昭和25年の国勢調査報告書の都道府県編に、1920年10月1日~1950年10月1日までの全ての境域変更の情報が掲載されておりますが(沖縄県等は対象外)、#306と#315の境域変更に関して、『昭和25年 国勢調査報告 第7巻その23愛知県』(ネット上では現状閲覧できないと思われる)を調べると:

25) 昭和2.12.1. 愛知県天白村と名古屋市南区及び中区との間に境域変更(人口異動なし)あり。
41) 昭和5.5.15. 名古屋市西区と西春日井郡庄内町との間に境界変更(人口異動なし)あり。

となっており、どちらも人口の異動をともなっていませんね。

なお1919年1月1日~1925年10月1日までの境域変更・変遷情報は、『大正14年 国勢調査報告 第一巻』の「市町村の廃置分合境界変更及名称変更(大正八年一月一日及至大正一四年十月一日)」の方に掲載されています。
明治32年1月1日~大正7年12月31日の20年分は、近代デジタルライブラリーで閲覧可能な『郡市町村廃置分合一覧表』4冊に掲載されていますので、一応明治32年1月1日以降であれば、日本全国で二次的にある程度まとまった変遷情報があることになります(但し明治41年以前の沖縄県、北海道などの変遷情報は不完全だし、国勢調査時代になっても人口異動の有無の不明な境域変更があります)([81919]参照)。

ところで境域変更についてですが、結局のところ現状では全てを載せているわけでもなく、また人口異動の有るものに限っても大量の情報が抜け落ちています。ただ境域変更は膨大な数があり、そもそも境域変更の情報を変遷情報と同じ欄に入れてまとめるべきなのでしょうか?
[84183] 2013年 10月 5日(土)16:20:29【1】YT さん
愛知県幡豆郡平坂村→平坂町→平坂村→平坂町に関する市区町村変遷情報の要修正案件
[84171] オーナーグリグリさん

愛知県幡豆郡の人口変遷をまとめている途中で、当サイトの市区町村変遷情報において1893年(明治26年)中の平坂村から平坂町への町制実施が抜けており、また1906年(明治39年)5月1日付で、平坂町等の合併による平坂村の新設について、平坂村を平坂町と修正する必要があることに気付きました。

『明治36年12月31日-41年12月31日 郡市町村廃置分合一覧表』によると、明治39年5月1日に、幡豆郡平坂町、中畑村、西野町村の一部、奥津村の統合が実施され、平坂町から平坂村へ「格下げ」しております。

実は同じ幡豆郡では、明治25年5月13日に町制となった一色町、横須賀町が、明治39年5月1日の町村整理の際に、同様に再び村へ「格下げ」になっており、平坂町も同様の措置の一環と思われます。官報による現住人口を比較すると、明治25年末の時点では一色町、横須賀町が町となっているのに対し、平坂村は村となっており、平坂村は一色村・横須賀村と同時に町制が実施されたわけではないことが分かります。一方明治26年末の時点では「平坂町」となっており、明治26年中に町制が実施されたと推測されます。

実際「西尾市・幡豆郡3町の沿革」(pdf)によると、明治26年に平坂村から平坂町への改名が実施されたことになっています。

ただ、近代デジタルライブラリの『愛知県令達類聚』には明治26年分が収録されていないので詳細が分かりません。とりあえず、自分がすぐに調べられる文献には、平坂村の最初の町制実施に関する日付は載っておりませんでした。

なお、幡豆郡 横須賀村はその後吉良町に吸収されますが、一色村は再び町となっているので、平坂・一色の両町村に関しては


平坂村→平坂町→平坂村→平坂町
一色村→一色町→一色村→一色町

という変遷が成立します。

上の間違いに気付いたのは、『明治31年 日本帝国人口統計』『明治36年12月31日調 日本帝国人口静態統計』等で、「平坂町」としてエントリーしていたからです。

[84165]の明治31年以降の市区町村別人口変遷をまとめる作業は、滋賀県、三重県を終えて西日本分がとりあえず完成し、愛知県の途中というところですが、愛知県を含め、岐阜県・新潟県と、明治時代の町村の数が600~1000という、町村数という点で巨大な県が控えています。

【追加情報】

『愛知県幡豆郡誌』によると、

明治二十五年五月一色村、横須賀村を一色町、横須賀町と改む。同二十六年十月大字徳永を寺津村より分離し奥津村に編入す。同十一月平坂村を平坂町と改む。

と、明治26年11月という情報がありましたが日付は不明です。現状では

#変更年月日変更種別郡名等自治体名変更対象自治体名/変更内容
XX1893(M26).11._町制幡豆郡平坂町幡豆郡 平坂村
YY1906(M39).5.1新設幡豆郡平坂村幡豆郡 幡豆郡 平坂町, 中畑村, 西野町村の一部, 奥津村の一部

のように修正する必要があると思われます。
[84182] 2013年 10月 5日(土)15:45:35YT さん
沖縄県令達類纂
[84168] むっくん さん
[84174] hmt さん

解説ありがとうございます。沖縄県のケースも、市制町村制施行に先行して行われた旧制度下の廃置分合の一種と考え、一日でも旧制度下での町村制が存在したと考えるべきだということですね。

69541]拙稿は愛知教育大学教授の青嶋敏氏の
愛知教育大学>『沖縄県町村諸規程』(横内家文書)とその収録令達について(PDF)
によりました。

リンク先を見ると、横内家文書のほかに『沖縄県令達類纂 明治44年版』にも県令第22号が収録されているようですね。ただ、沖縄県立図書館 調べ方案内No.3 「沖縄の令達・令規について調べる(戦前)」(pdfリンク)に所蔵状況についてまとめてありますが:

『沖縄県令達類纂 明治44年版』複製 6分冊(沖縄縣知事官房文書係[編・発行]、1911年)
本館所蔵本はハワイ大学宝玲文庫蔵書の複製
京都大学法学部図書室も原本所蔵
沖縄県立図書館
明治39年版の改訂増補版。明治44年4月時点の令達・令規849件を収録【K09/H45/374~383】

『沖縄県町村諸規定』(編者、出版者、出版年 不明)
那覇市歴史博物館所蔵横内家文書
明治41年施行の「沖縄県及島嶼町村制」に係る町村関係の令規51件を収録。

とのことで、どちらも国内で閲覧可能な図書館は限られており、横内家文書の方は原本以外に複製品がどこにもないようです。

もしかしたらと思い、『沖縄県史 第11, 12巻 資料編2, 3 沖縄県関係各省公文書』(1989年)を閲覧しましたが、県令第22号は収録されておりませんでした。収録されるとするのなら、現在編集中の『新沖縄県史』の資料編でしょうね。
[84165] 2013年 9月 29日(日)23:47:36【1】YT さん
明治31年以降の北海道、近畿5府県、中国・四国・九州地方の市町村別人口の変遷
[84154] オーナー グリグリさん
明治41年3月31日付での糸満町等の設置に関する法令根拠までは調べておりませんが、以下のように修正した方が妥当かもしれません。
この件ですが、変遷履歴情報についてはこれまで十分理解してフォローして来なかったこともあり、理解不足と不勉強で対応が遅れています。本件については、追記にあるように、明治41年(1908年)4月1日の沖縄県及島嶼町村制以前の情報がもう少し正確に判明するまでは保留としてよろしいでしょうか。

了解しました。

ただ以前にも紹介しました鈴江英一氏の報告書・著作を見る限り、どうも沖縄県は地上戦の影響で、特に沖縄本島の戸長役場時代の記録は官庁の建物と一緒にほぼ全部焼失・破壊されてしまっているらしく、多分県令の公的な記録も失われてしまったようですね。宮古郡・八重山郡の方は戦争の影響が少なく、戸長役場時代の書類もある程度残っているらしいですが。

また、[84113]の人口変遷データのダウンロードサイトの件、現在はダウンロードができないようです。ファイルを私宛にお送りいただければ、当サイトから直接ダウンロードできるように計りたいと思います。いかがでしょうか。

ありがとうございます。ただ現時点では内容も不完全ですし、全部が完成してから考えたいと思います。

とりあえず[84113]のエクセルファイルに、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県の情報を加えたものを、以下にアップしました。

http://u6.getuploader.com/SR1gou/download/771/23dofuken.LZH

あと少しで全体の半分が完成といったところです。ここ1ヶ月で全体の25%ほどの入力が済んだことを考えると、このまま行くと今年中には入力作業が完了…

ただ来週末・再来週はしばらく忙しい日々が続くので、作業も停滞します。まあ来年の3月を目安に完了するつもりで作業を続けます。去年末の時点([82404][82405])で一応は完成している「平成22年10月1日の境域による各回国勢調査時の市区町村別人口」を含め、データベースの情報がより増えると思います。
[84154] 2013年 9月 28日(土)17:39:03【2】YT さん
沖縄県及島嶼町村制施行に関する疑問
市区町村別人口の変遷をまとめていく過程([84113])で、再び沖縄県の沖縄県及島嶼町村制の施行に関して疑問が出て来ました。

本サイトにおける沖縄県での沖縄県及島嶼町村制施行の情報は、[71746]で88さんが示されたように、

[69110] でご紹介いただいたように、M40.3.16付け勅令第45号沖縄県間切並東京府伊豆七島及小笠原島ニ於ケル名称及区域ノ変更等ニ関スル件が、M40(1907).10.12付け内務省令第24号によりM41(1908).1.1付けで施行され、この時点で、
間切を村(町村制未実施地域の村)とし、村(沖縄県に従来よりある間切の下位区分)を字とするものでした。
と、むっくんさんのご紹介を理解しました。従前の編集で「××村」を自治体扱いして羅列していましたが、勅令施行後は「○○村」は2種類あり、元「△△間切」の「△△村」が自治体に相当し、その下位区分である元々の「□□村」は「字の名称」ということですね。
これを踏まえ、
M41(1908).4.1付け沖縄県 沖縄県及当初町村制施行の情報を修正しました。

と、明治41年1月1日付で、間切・島→村のすげ替えが行われ、続いて明治41年4月1日付で沖縄県及島嶼町村制施行が施行されたと解釈し、明治41年4月1日付での市区町村変遷情報がまとめられています。

しかしながら、『明治36年12月31日―41年12月31日 郡市町村廃置分合一覧表』によりますと、明治41年3月31日付けで島尻郡糸満町が兼城村より分立し、八重山郡では4村が合併し、また宮古郡ではやや複雑な大字のすげ替えが実施されています(『明治43年 沖縄県統計書』『明治39-40年 沖縄県統計書』を比較)。明治40年以前の島尻郡・中頭郡・国頭郡では、各間切・島に対して対応する戸長役場がそれぞれ置かれたようですが、宮古郡・八重山郡では郡に一箇所しか戸長役場が設定されておらず、そのことが宮古郡での町村の新設の際に、大字の間切からの所属変更を招いたようです([84113]では間切毎の人口は示しましたが、沖縄県の戸長役場管轄の記載はしませんでした)。

ここで明治41年3月31日から明治41年4月1日までの1日間だけ、沖縄県及島嶼町村制施行前の八重山村、糸満町等が存在したと考えるべきなのでしょうか?国勢調査報告書に付随されている市区町村廃置分合を見ると、なんか聞いたこともないような即日改称の市名・町名が結構存在することを私も確認しましたが、本事例の場合、施行された時間がそれぞれ3月末(3月31日24時0分)、4月頭(4月1日0時0分)であれば、同時に施行されたことになります。法令でのこういった日付の解釈はどうなのでしょうか?

明治41年3月31日付での糸満町等の設置に関する法令根拠までは調べておりませんが、以下のように修正した方が妥当かもしれません。

#変更種別郡名等自治体名変更対象自治体名/変更内容詳細
4村制島尻郡兼城村島尻郡 兼城村(一部)詳細
5町制島尻郡糸満町島尻郡 兼城村(一部)詳細
45村制宮古郡城辺村宮古郡 砂川村(一部), 平良村(微)詳細
46村制宮古郡伊良部村宮古郡 下地村(一部), 平良村(微)詳細
47村制宮古郡平良村宮古郡 平良村(一部), 砂川村(一部), 多良間村, 下地村(微)詳細
48村制八重山郡八重山村八重山郡 大浜村, 宮良村, 石垣村, 与那国村詳細
49村制宮古郡下地村宮古郡 下地村(一部), 砂川村(一部)詳細

なお人口変遷情報をまとめる作業の方は、昨日の時点で大阪府以西まで終了しました。

【追記】 [69541]でむっくん さんが本件について言及されてました。
県令第22号(島尻郡兼城村ヲ分割シテ二箇町村ト為シ、宮古郡ニ四箇村ヲ置キ及八重山郡ノ全区域ヲ八重山村ト称スルノ件)(明41.3.28付)

(注)県令第22号(島尻郡兼城村ヲ分割シテ二箇町村ト為シ、宮古郡ニ四箇村ヲ置キ及八重山郡ノ全区域ヲ八重山村ト称スルノ件)(明41.3.28付)は那覇市歴史博物館に1993年に横内家より寄贈された文書の一つ『沖縄県町村諸規定』でしか現在はその本文を確認できないようです。なお、施行日は郡市町村廃置分合一覧表(明治36年12月31日-明治41年12月31日)(著・出版:内閣統計局、明42.12.10)の記載に従いました。沖縄県勢要略(著・出版:沖縄県内務部、明44.3.3)によれば明治41(1908)年3月中であることには間違いはないようですが。

となると、1日以上4日以下の期間、これらの町村施行前の町村が存在したと解釈するのが筋ということになるのでしょうか
[84113] 2013年 9月 21日(土)17:14:15【4】YT さん
明治31年以降の北海道、中国・四国・九州地方の市町村別人口の変遷
前の投稿[80480]から更に1年半経ってしましましたが、新たに鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県、高知県の市区町村別人口の変遷の結果を加えたエクセルファイルをLHAで圧縮して以下のサイトにアップしました。これで北海道と、鳥取県以西の県に関し、明治31年以降の23回分の国勢調査・人口調査、国勢調査以前の5回分の人口静態統計の結果が入っているはずです。ファイルの中身は明治31年~平成22年の都道府県・支庁・市区郡別人口の変遷[82204]をベースとし、Sum関数によるチェックが加えられているシート(For Check)と、関数を外したシート(Shikuchoson)が含まれています。前回まで各都道府県毎にシートを作っていましたが、ファイルサイズがかさばること、チェックのし易さなどから、全部同一シートに含めました。

http://www1.axfc.net/uploader/so/3035127

戸長役場の管轄の呼称を以前は「~村外○○箇村連合」としておりましたが、統計書等で多く見られる「~村外○○村」と、より簡素化した呼称に変更しました。また「~市街」という呼称も廃止しました。例えば長崎県対馬の厳原市街などは『明治28年 島根県周吉穏地海士知夫郡統計表』でも『明治37年 島根県隠岐島統計書』でも「今屋敷町外十町村」が採用されています。

戸長役場の所在地に関しては、北海道については『北海道庁現行布令便覧 明治31年編 上巻』『北海道庁現行布令便覧』『新北海道史年表』(1989年)と平凡社の『日本歴史地名大系』などを活用して、現時点で把握できた戸長役場の変遷を再現しました。

島根県隠岐の戸長役場の位置については、『明治28年 島根県周吉穏地海士知夫郡統計表』『明治36年 島根県隠岐島統計書』『明治37年 島根県隠岐島統計書』などから判断しました。

長崎県対馬の戸長役場の位置については、『明治30年1月1日現在 長崎県職員録』第六師管徴発物件表(1901年)、『第十二師管徴発物件表』(1905年)、『明治36年12月31日―41年12月31日 郡市町村廃置分合一覧表』などから判断しました。

鹿児島県大島郡の戸長役場の位置については、『明治26年 鹿児島県統計書』『明治32年 鹿児島県統計書』『明治36年 鹿児島県統計書』『明治36年12月31日―41年12月31日 郡市町村廃置分合一覧表』などから判断しました。なお藩政時代に使われていた鹿児島県大島郡内の方・間切は、明治時代の統廃合により戸長役場の管轄とかなり異なる地域があることから、併記を止めました。

沖縄県の間切と構成町村の変遷に関しては、伝統的な間切表記をそのまま採用しました。各間切の町村の変遷に関しては、『明治30-32年 沖縄県統計書』『明治39-40年 沖縄県統計書』『沖縄県史 第20巻 沖縄県統計集成』収録の「明治卅六年十二月卅一日 郡区間切島ノ戸数及建物」などから判断しました。

分類の呼称も、「連合村」・「/町(連合)/」・「/村(連合)/」などから、「/連合村/」・「/単独村/」・「町(旧制)」・「村(旧制)」などに変更しました。分類で「//」を示す区分統計は、それが一般的な市町村人口統計の最小基本単位ではないことを示します(政令指定都市等の区を除く)。北海道の戸長役場制度は国勢調査時代に突入しておりますが、連合戸長役場の有無が統計で区別されていないことから、連合戸長役場管轄内の町村が統計単位とみなせます。また鹿児島県大島郡・沖縄県に関しては戸長役場管轄や間切が人口統計の最小単位となっており、こちらでは、「連合村」・「間切」、「/町(旧制)/」・「/村(旧制)/」などと表記しました。鹿児島県大島郡・沖縄県の下位の町村の現住人口は情報が入手できない状況なので空欄のままです(戸数や本籍人口の情報は一部ありますが)。
また列として都道府県、上位区分などの項目を追加しました。

以前まで市区町村の順番(大正9年の国勢調査を基準とする)に拘っていましたが、変遷情報の見易さを優先する方針に変えました。変遷情報は、その市区町村名が生まれたり無くなったりした時のみ加え、細かい境域の変更は一々記載しませんし、人口異動を伴わない分割情報は外しました。

このほか参考史料は[73422][82204]にまとめた通りです。

郡毎に数字をチェックしていますが、同一郡内で人口を取り違えるようなミスがまだ多数残っていると思われます。全部完成すれば最終的に再チェックをしますが、何か間違いが見つかりましたら指摘して下さい。

一応これで1/3程が完成したのかな?ここ3週間ほど時間に余裕ができたので編集作業を再開したところ、特に中国地方5県の人口変遷はほぼ1週間で完成しました。何となく編集方法のコツが掴めてきたので、個人的には完成までのプランは見えて来たような感じはしつつ、何時頃までに完成するのかは明言できません…

【追記】
昭和19年の人口調査では、多くの都道府県別で総人口と各市区町村別人口の合計が一致しません([82202])。同様に昭和20年の人口調査でも、一部の都道府県で合計が一致しません([82196] )。

また[82202]で指摘したように、『昭和19年人口調査 集計結果摘要』では、東京都の武蔵野市、三鷹市、青梅市、府中市、昭島市や、様々な町村の人口に関し、1955年1月前後の境域によって1944年2月22日の人口が集計されてしまってしまっています。これに関し昨年の12月頃に国立公文書館所蔵の文書をいくつかチェックしましたが([82278])、結局追加調査分を含めて東京都内の昭和19年人口調査結果を得ることはできませんでした。数字的には『東京都統計年鑑』(過去の国勢調査・人口調査人口が載っている巻があるのを一度確認しましたが、今になってどの巻に掲載されていたのか分からなくなりました)に掲載されている市区町村別人口と一致することから、『昭和19年人口調査 集計結果摘要』の情報は東京都側に保存されていた文書に基づくのかも知れません。しかしながら都立中央図書館等には該当するような閲覧可能な文書はありません。

また[82204]で投稿した都道府県・支庁・市区郡別人口の変遷の方は、現在明治22年まで遡ってまとめましたが、各行政単位での現住人口の合計がそれより上の行政単位での現住人口と一致しないという情況(明治30年以前は、現住人口算出の際にわざわざ各階層内での人口異動を除いている)があり、極めて煩雑なものとなっております。

【追記2】
ダウンロードのリンク先にいかがわしい広告が表示されますが申し訳ありません。ダウンロードリンクが複数表示されますが、[3035127.lzhをダウンロードします。]のボタンを押してください。

以前使っていたアップローダは閉鎖されてしまったので上のサイトを選びましたが、次回からは別のアップローダを探します。
[84098] 2013年 9月 18日(水)11:54:40YT さん
続 『北海道・沖縄県その他島嶼における特別町村制及びその先行形態の自治体制度史の研究』
[84066] 紅葉橋律乃介 さん

[84060]で紹介した『北海道・沖縄県その他島嶼における特別町村制及びその先行形態の自治体制度史の研究』ですが、実際に報告書を読んだところ、幾つかの特定の戸長役場、及び制度全般に関する著作・論文を執筆するための、法令文書と文献の収集がメインで、戸長役場の変遷等についての情報は得られませんでした。また文献リストには『北海道市町村沿革台帳』やその関連文献が挙げられておらず、総合的な戸長役場の変遷に関しては興味の対象外のようです。

幾つか孫引き文献の取り寄せ・閲覧を検討していますが、現状では直に閲覧できない『北海道市町村沿革台帳』、不完全ながら『新北海道史年表』以外にまとまった情報源には行き着いてはおりません。
[84060] 2013年 9月 7日(土)14:59:49YT さん
『北海道・沖縄県その他島嶼における特別町村制及びその先行形態の自治体制度史の研究』
[84004][84058] 紅葉橋律乃介さん

「北海道立文書館」はよく行くので、「公文館」とはどこだろうと思いましたが、どうやらリンク先も「文書館」のようですね。

所蔵館の呼称を間違えて申し訳ありません。

また調査ありがとうございます。

『新北海道史年表』で事前に抜き出しておいて、それをこの「台帳」と照らし合わせる方が効率的?

この件に関してですが、北の住人さん([42811])、88さん([73500])などが触れられている『北海道町村制度史の研究』(北海道大学図書刊行会,1985年)をまとめられた鈴江英一氏が、以前科研費を貰った際に提出した報告書、『北海道・沖縄県その他島嶼における特別町村制及びその先行形態の自治体制度史の研究』というものが存在することが分かりました。

北海道・沖縄などの町村制は、全国の市制町村制(1888年)とは、異なる特別町村制が施行された。沖縄県区制・北海道区制・北海道一級町村制・同二級町村制・沖縄県及島嶼町村制がこれである。これらの町村制は施行区域・施行時期を異にするが、いずれも辺境にあって中央政府の支配力が強力に貫徹した地域である。これまで北海道・沖縄県等両制は、それぞれ別個に発想されたものと考えられてきたが、本研究またこれに先立つ研究によって、政策的連関、制度的類似性が明らかとなった。とくに政策の前提となる制度制定者の基底的認識については、本土の市制町村制が土地所有に依拠した農村の地域支配・社会統合機能に立脚すべく構築されたのに対し、これらの地域では農業の比重がいまだ少なく土地所有に基盤を置いた地方名望家層を得難い、とするものであったことを論究することができた。

また、基礎的調査として、基礎的自治体行政の枠組みを明らかにするため、北海道を中心とした近代初頭の役場文書引継目録の収集を行った。この地域は、北海道のほか、岐阜県、山梨県、京都府、福井県などに及んでいる。さらに制度制定過程の年表作成資料の作成、基礎的自治体制度研究の関係著作・論文目録(全国・北海道)を作成した。これらの基礎資料の収集によって、具体的な自治体を対象とする研究について、今後の展望を得ることができた。

科研費を貰った場合、貰った科研費の種類に応じて研究者は研究成果報告書を作成し、提出する義務があります。ここ数年の間に色々報告書の形態も変わったのですが、昔は、例えば所蔵する研究機関の図書館、および国立国会図書館に収蔵するため、最低2部の冊子を作成する義務がありました。実は先週の段階でこの研究成果報告書の存在に気付き、最寄りの図書館を通じて借用手続きを済ませておりますが、まだ現物が届いておりません。鈴江英一氏は、元北海道教育大学教授で、北海道立文書館係長を務めたこともあるようです。単に元文献の提示で終わっている可能性もありますが、上記科研費報告書内で初期の戸長役場の変遷について表をまとめてくれているのではないかと期待しています。

戸長の配置と戸長「役場」の設置は違うものなのでしょうか。

自分も詳しくは知りませんが、戸長役場自体は結構移動しているようですので、その辺に関する違いが法令に表れているのではないでしょうか?またちょっと気になったのは、例えば『北海道庁現行布令便覧 明治31年編 上巻』によると、小樽は支庁直轄となっており、量徳町にあった小樽支庁役場が戸長役場の業務を兼ねていました。この場合連合戸長役場の管轄名として「量徳町外三十八箇町村連合」を採用するのは正しいのでしょうか?そして明治32年(1899年)10月1日には小樽区が成立しますが、高島郡高島村・祝津村は管轄外となり、『新北海道史年表』(1989年)によると明治33年(1900年)6月13日に高島郡祝津村に祝津村外一箇村戸長役場が設置されたとあります。ということは…すでに小樽区が設立された1899年10月1日から1900年6月13日までの約8ヵ月間、高島郡高島村・祝津村の戸長役場業務は小樽区量徳町の支庁役場が行っていたことになりますが、この間についても高島郡高島村・祝津村については、「祝津村外一箇村連合」の管轄だったとしてよいのでしょうか?

などと、新たな疑問が色々湧いているところです。
[83999] 2013年 8月 25日(日)18:12:17【1】YT さん
北海道市町村沿革台帳について
私的に色々忙しくて久々の投稿となります。

[81134] むっくん さん
M31.7.31現在の連合戸長役場であるならば北海道庁現行布令便覧(明治三十一年)(上巻)(編・発行:北海道庁、M32.2.10)に載っています。

『北海道庁現行布令便覧』等の情報ありがとうございます。

あれから色々調べたところ、戸長役場の変遷に関して平凡社の『日本歴史地名大系』に、「市町村沿革台帳」なる資料が引用されていることを見出しました。この文献の正体が分からず仕舞いでしたが、最近になって『新北海道史年表』(1989年)(内容は『新北海道史 第9巻 史料3』(1980年)の年表を一部修正して再録したもの)の「政治」の項目に、ある程度戸長役場時代の町村の変遷について載っており、そこで引用文献として「580 北海道市町村沿革台帳 (道地方課蔵)」が挙げられておりました。

「北海道市町村沿革台帳」は出版物ではなく、北海道庁の内部資料だということがわかりましたが、調べたところ、北海道史編集資料として北海道立公文館に以下の資料が収容されているようです。

請求記号請求記号(マイクロ資料)資料名
A7-1/4417F-1/1571北海道市町村沿革台帳 其の一 自明治二年七月 至大正四年三月
A7-1/4418F-1/1572北海道市町村沿革台帳 其の二 自大正四年四月 至昭和二年十二月
A7-1/4419F-1/1573北海道市町村沿革台帳 其の三 自昭和二年十二月 至昭和七年十二月
A7-1/4420F-1/1574北海道市町村沿革台帳 其の四 自昭和八年一月 至昭和十八年二月
A11-1/12928F-1/1575北海道市町村沿革台帳 其の五 自昭和十八年三月 至昭和三十年三月
A11-1/12929F-1/1576北海道市町村沿革台帳 其の六 自昭和三十年四月 至昭和三十三年十二月
A11-1/12924F-1/1577北海道市町村沿革台帳 7 自昭和三十四年一月 至昭和三十八年十二月
A11-1/12925F-1/1578北海道市町村沿革台帳 8 自昭和三十九年一月 至昭和四十一年六月
A11-1/12926F-1/1579北海道市町村沿革台帳 9 自昭和41・7・20 至昭和45・7・31
A11-1/12927F-1/1580北海道市町村沿革台帳 10 自昭和四十五年八月 至昭和四十七年十二月

残念ながら館外貸出は行っていないようなので、現地に足を運ばないと内容を確認できません。

『新北海道史年表』の方に転載されている内容を、以前むっくんさんが[79348][79349]でまとめられた「北海道での廃置分合(明治22年~市制町村制施行直前)」と比較すると・・・残念ながら情報に抜けが相当数あり、『新北海道史年表』だけでは完璧に戸長役場の設置等の情報を抑えられません。一方でむっくんさんがまとめられた表について、日付について一部情報を追加できそうです。

変更年月日変更種別郡区名自治体名告示・施行の別
1311893(M26).12.16新設札幌郡広島村告示
1471898(M31).9.6新設上川郡東旭川村告示

北海道庁布告全書』の明治26年版が近代デジタルライブラリーで閲覧できないため、明治26年の廃置分合の日付まで決められなかったようですが、『新北海道史年表』は『北海道市町村沿革台帳』の引用として上の日付を挙げています。なお、#126~#130は情報が抜けています。

まだ明治36年以降に関しては、[79349]の表では占冠村の設立の情報が抜けてます。
変更年月日変更種別郡区名自治体名区制町村制施行前の町村名等告示・施行の別
01905(M38).5.31分立勇払郡占冠村勇払郡 辺富内村 (一部)告示
1741908(M41).3.28分立空知郡南富良野村空知郡 下富良野村(一部)告示
1908(M41).4.1開庁
1751914(T3).3.25分立雨竜郡上北竜村雨竜郡 北竜村(一部)告示
1914(T3).4.1開庁
1761915(T4).2.7分立有珠郡徳舜瞥村有珠郡 壮瞥村(一部)告示
177空知郡山部村空知郡 下富良野村(一部)
1781916(T5).3.26分立中川郡常盤村中川郡 中川村(一部)告示
1916(T5).4.1施行
1791918(T7).4.3分立雨竜郡幌加内村雨竜郡 上北竜村(一部)告示

ほとんどの町村の設置は告示の日付のみですが、明治40年頃からは告示日のほかに開庁・施行の日付が区別されて載っています。

というわけで、北海道の戸長役場についてはある程度まとまった情報を『新北海道史年表』から得ることができましたが、より包括的な情報については「北海道市町村沿革台帳」や、その内容をより正確に掲載している文献を当たる必要がありそうです。

【誤字修正】
[82929] 2013年 2月 24日(日)16:43:18YT さん
出羽国由利郡の天保郷帳石高のチェック
最後に出羽国由利郡です。ここでは石高を才(=10^-5石)の桁まで示します。
郷村石高郷村石高郷村石高郷村石高
小砂川村159.80520鹿爪村120.63400宮之内村280.92000中山村289.71900
大須郷村263.30700軽井沢村80.83300川西村563.41000八杉村299.82600
川袋村215.35300平岡村399.30400黒沢村467.05300指鍋村123.98400
大砂川村443.63350畑谷村489.06200川東村691.10500木在村216.70600
洗釜村120.02800柴野村370.92300屋舗村221.68400杉沢村494.38900
中野沢村242.25320川口村29.25000潟保村632.08000小坂村130.79500
関村188.62080中野目村237.54200川崎村364.74700下河内村537.18000
小滝村497.96500山田村269.01500沼田村542.04000伏見村185.22600
長岡村271.13770赤田村770.82400両前寺村71.84000上河内村1,027.56400
大飯郷村50.85180牛寺村169.49300琴浦村170.40700下笹子村560.60000
大野村751.22000女岡村172.99300室ヶ沢村294.91400上笹子村783.09600
神沢村88.10400中館村319.28800子吉村3,236.04900上直根村309.59500
芦川村141.64600漆畑村130.40000蟹沢村198.36100百宅村242.25100
親川村279.38900深沢村182.35000出戸村454.09800中直根村183.37700
大谷村205.42800院内村125.75000吉沢村150.62700前野沢村165.20400
米坂村56.67700黒瀬村408.14500山田村366.89200下直根村264.90800
下黒川村427.06400大浦村397.08300前郷村1,878.19300吉谷地村127.81500
上黒川村207.09600石脇村75.27800土蔵村236.13600猿倉村279.63000
下蛇田村205.15700川口村166.12300五十土村365.45900玉米村1,939.91500
上蛇田村391.47500町村642.01900窪田村301.95900下村1,782.92630
福俣村280.81800払川村128.71200川向村1,128.43200田代村847.90100
滝俣村454.34800増川村193.20100曲沢村354.98700黒渕村829.10050
赤寺村161.51700福田村305.34500芹田村853.50500本郷村248.34600
富田村527.95400道川村804.17000三森村436.49760横岡村536.14950
赤平村278.64600二古村300.99900黒川村684.98500寺田村78.24800
六呂田村208.70400君ヶ野村291.79000金浦村354.71800畑村250.22070
天鷺村82.00200勝手村262.28200飛村443.30700平沢村190.63400
中帳村288.20000新谷村345.24100赤石村353.14300長磯村121.46608
高尾村226.08200羽川村777.02300前川村489.94500鈴村79.36830
中野俣村290.98700長浜村491.60600塩越村974.36700田抓村339.56700
徳沢村302.98200桂根村81.88500大竹村495.26700院内村477.70320
大倉沢村216.38500名沢村265.27700百々目木村171.70900小国村532.37490
加賀沢村255.93700八田村590.60000樋口村152.79900石田村159.05440
葛葉見村267.63400繋村424.37800三日市村253.43500馬場村482.42460
及位村223.02700新波村449.09800中村103.51000水沢村31.90080
須山村98.87200神村676.57700立井地村141.76500麓村583.82000
長坂村328.41200碇田村448.83600中野村438.45200岩野目沢村202.39900
葛岡村534.47500萱沢村540.50900三十野村106.67300麓村638.73000
平岫村207.45500加津羅林村515.36100城内村581.15700伊勢井地村617.24780
中田代村633.56300福嶋村764.48200七日町村406.88600浜杉山村254.01992
小栗山村240.25000館前村1,027.20300荒沢村357.30800小羽広村62.75400
中向村72.68500滝ノ沢村787.04500新町村200.38500大羽広村183.78900
代内村65.07600鮎瀬村391.48400郷内村350.87500坂辺村278.36000
川倉村88.02200新輪村1,861.32200須郷田村203.77100横山新田43.40850
楢渕村19.84500沢村603.15000九日町村227.29400申開村222.61900
増沢村135.46000川口村368.49900小坂戸村63.92700由利郡合計72,674.44730
滝村103.21700横山村71.51600坂野下村260.40000
見岫村194.96300福田村188.21100平ヶ森村110.77300
芦渕村50.32200土屋村338.90300新庄村354.82300
『天保郷帳』記載の郡高は7万2670石3斗8升6合3勺でしたが、『解読篇』記載の村別石高合計は7万2674石4斗4升8合2才ですので、両者の間に4石6升1合7勺2才の差がありました。ところが改めて私がデジタルアーカイブの『出羽国郷帳 五』(125/130コマ目)で石高をチェックしたところ、長磯村の石高が『解読篇』記載の121石4斗6升6合8勺ではなく、121石4斗6升6合8才であることを見つけました([82913])。これにより7勺2才の違いは解消されましたが、まだ4石6升1合の違いが残っています。

以上出羽三郡について、天保郷帳に書かれた村高と石高の違いがあることを示しましたが、これらは全て同じ『出羽国郷帳 五』に収録されており、巻末に天保甲午五年十二月の作成年月、幕府の勘定奉行方役人の「明楽飛騨守・牧野中務・柑本兵五郎」の連名が記されています。天保郷帳の国郡別石高はそのまま天保国絵図の『出羽国秋田領』でも使われています。出羽国由利郡の内、4石余の違いはもしかしたら天保国絵図の村高を一生懸命読みとれば判明するのかも知れませんが、全ての村高が天保国絵図に載っているわけではなく、斗以下の端数が不明のままなので実行しませんでした。

久保田藩が幕府の役人に郷帳を提出する段階で間違えたのか、勘定奉行の秋田七郡担当役人が整理した際に間違えたのかは不明です。ただ少なくとも久保田藩の担当箇所だけで村数と石高を間違えていて、他地域では村数・石高の間違いが認められないことから、おそらく各地域の担当大名から提出を受けた石高を勘定奉行が全て再チェックして数字を修正したと思われ、秋田七郡担当の幕府役人がケアレスだったせいではないかと思います。それよりも全体として数字に誤りが少なかったことの方が驚きかも知れません。
[82928] 2013年 2月 24日(日)16:39:23【1】YT さん
出羽国仙北郡・平鹿郡の天保郷帳石高のチェック 【修正】
[82913]の続きです。

近世歴史資料研究会編『天保郷帳 : 天保五年甲午十二月石高帳 第3分冊 解読篇 (近世歴史資料集成)』(2009年)で再計算された村別石高の郡別小計と『天保郷帳』記載の郡別石高を比べた際、[76916][76917][76918][76919][76920][76921]に示したように一部の郡でズレが見られました。しかしながら石高が大幅にずれているケースでは、むっくんさんが示されたように、天保郷帳の冊子自体の綴じ方に間違いがあった結果と推測されます([79622][79623][82890][82891])。更に端数が違うケースでは、[82913]で示したように『解説篇』自体の転写間違いや、才の桁を落としてしまったことが原因と推測されます。ところが『出羽国郷帳 五』収録の出羽国仙北郡・平鹿郡・由利郡に関しては、デジタルアーカイブから直接私が読みとった情報と『解説篇』に纏められた数字の間に違いを認められず(最低五回は見直してます)、実際に原本の数字に誤りがあるものと思われます。以下三郡について郷村別石高をまとめます。

まずは出羽国仙北郡で、石高は合(=10^-3石)の桁まで示します。
郷村石高郷村石高郷村石高郷村石高
安本村300.346野中村426.492金沢寺田村806.119西明寺村469.175
飯詰村1,490.034椿村518.834岩野町村554.152鎌野川村246.926
佐野村414.701栗沢村249.325天神堂村471.086上荒井村729.835
六郷本館村732.114小沼村85.420二本柳村68.247西荒井村215.111
六郷高野村743.380白岩前郷村306.614上深井村333.492小渕野村582.010
六郷川内池村986.173卒田村465.287下深井村312.659熊野林村160.878
藤木村1,119.276梅沢村461.071六郷西根村663.689田中村204.619
鑓田村324.219刺巻村121.304川目村160.655米沢新田村473.799
中野村385.039生保内村713.176小貫高畑村773.717小館村91.274
畠屋村1,053.963田沢村423.473羽貫谷地村401.346角館東前郷村602.070
橋本村877.581小山田村690.125荻野目村112.633角館城面村366.317
戸蒔村327.112門屋村490.785野中村134.178山谷川崎村243.008
大曲村251.708院内村167.609六郷東根村1,682.792長戸呂村126.420
高梨村1,761.922国館村420.643大坂新田村165.373半道寺村736.608
土崎村865.809河原村607.618金沢東根村979.175刈和野村628.129
千屋村1,443.632勝楽村231.597宝門清水村96.982外小友村1,007.760
本堂城廻村1,060.001小勝田村297.425羽見内村108.927大曲西根村1,101.287
板見内村1,138.333雲然り村513.595東川村190.891蛭川村85.043
払田村904.295八割村220.323上野田村290.671宮林新田村758.950
戸地谷村793.539西長野村853.103安城寺村598.078金沢中野村2,159.768
四ツ谷村1,688.711稲沢村371.042小荒川村183.149飯田村603.950
鑓見内村1,130.816心像村628.850中里村258.393東長野村378.047
横堀村1,075.939今泉村354.849今宿村364.354上宮田村226.381
宮内村155.406小杉山村417.933堀見内村1,152.388神宮寺村1,742.343
駒場村793.030北楢岡村825.708高関下郷村1,614.897寺館尻引村305.072
沖野郷村1,107.736南楢岡村1,739.149高関上郷村1,260.204福部羅村25.884
野口村310.666内小友村1,619.041新谷地村389.062下淀川村641.940
横沢村473.112峯吉川村856.843大蔵村341.163中淀川村768.759
元本堂村560.925高城村32.749黒沢村186.976上淀川村465.763
川口村421.538九升田村135.343永代村107.512北野目村412.161
今泉村332.771金山沢村15.198大神成村278.187円行寺村446.395
大田村473.243強首村580.945金鐙村184.986木売沢村411.190
小神成村421.459小種村605.325長楽寺村140.898江原田1.748
斉内村750.280境村198.254館郷村412.330三条川原村61.236
谷地乙森村172.593荒川村542.104上鶯野村605.894玉川村36.230
村杉村371.233宿村970.718下鶯野村502.136大巻村32.113
黒土村652.329正手沢村81.216葛川村143.742松倉村51.716
長野村1,269.785寺村233.759白岩堂野口村59.347福田村299.607
袴田村261.270杉山田村67.604白岩広久内村298.931国見村1,026.479
野田村159.626金沢西根村2,465.510荒川尻村610.381八日市村117.968
下延村203.312金沢前郷村1,657.098上花園村156.517潟村69.260
八幡林村612.342境田村419.168下花園村386.817簗場新田村27.117
桜田村216.016逆高野村315.604上檜木内村335.989釣田新田村232.624
下桜田新田村355.282野荒町村218.354下檜木内村800.926仙北郡合計93,611.791
『天保郷帳』では9万3611石7斗9勺4合ですので、実際の村別石高合計との間に3合の差があります。おそらく五合と八合(五と八だと全然違うと思われるかも知れませんが、実際に使われている書体では、一見五は六や八と区別が付きにくい形になっています)をどこかで間違えたものと推測されます。

次に出羽国平鹿郡で、これも石高は合(=10^-3石)の桁まで示します。
郷村石高郷村石高郷村石高郷村石高
増田村1,464.023宮田村445.831下境村1,087.916猪岡村449.666
植田村1,473.869阿気村1,975.160角間川村298.449下吉田村485.645
今泉村1,346.832八柏村598.653新角間川村1,280.599下八町村573.309
別明村718.861八幡村682.132百万刈村302.792塚堀村429.840
今宿村629.171西野村324.112大松川村96.873中吉田村841.063
沼館村1,002.552真木村53.229小松川村37.522七日市村230.242
二井山村413.223下堀村168.797平野沢村122.939上樋口村657.137
大森村1,230.154柏木村373.223横手前郷村1,878.544三本柳村482.558
板井田村1,047.667道地村330.830三又村135.154上八町村401.864
黒川村1,657.536造山村202.261赤坂村620.512下河原村192.686
上境村1,139.143南形村275.628安田村317.149明永野村169.247
杉沢村684.294古内村185.175新藤柳田村582.850砂子田村241.563
黒沢村86.929新古内村306.563大屋新田村418.803客殿薊谷地村183.214
南郷村183.881梨木羽場村169.871大屋寺内村420.362小出村124.235
筏村187.759与作村470.500明沢村523.993常野村79.704
土渕村283.170新関村210.116腕越村241.523深井村415.315
大沢村333.077住吉荒田目村296.625亀田村1,211.690丹波村3.609
関根村494.966海蔵院村337.291縫殿村294.943源太左花馬村101.143
馬鞍村924.709越前村592.216静ヶ町村278.949赤川村148.037
石成村775.158志摩新田58.607杉野目村300.585東里村760.771
醍醐村876.269矢神村103.463二井田村516.051西石塚村370.334
上鍋倉村729.833田村899.101八木村257.244婦気大堤村296.908
樽見内村1,103.396門目村368.891下鍋倉村880.072見入新田村35.452
浅舞村2,997.892上溝村1,039.103木下村634.011根田谷地新田村54.579
深間内村288.899袴形村769.435平柳村111.483十五野新田村175.538
上吉田村1,093.553十日町村570.675下樋口村694.796平鹿郡合計59,949.662
大塚村475.377猿田村350.840外目村454.894
薄井村1,309.647八沢木村681.029桜森村254.108
『天保郷帳』では5万9950石2斗9勺2合ですので、実際の村別石高合計との間に6斗3合の差があります。おそらく七升と七斗の桁をどこかで間違えたものと推測されます。なお実際に郷帳に書かれた村の数は109で、集計されている107村と異なり、石高集計対象外の伊豆七島や蝦夷を除き唯一村数の集計が間違っています。

【訂正】 [82930] hmt さん

膨大なデータの転記には気を使っておられることと拝察しますが、たまたま誤記に気がついたので、お知らせします。

タイトルと柱書の部分は「平鹿郡」と正しく記されているのですが、データ部分の最初と最後の2ヶ所が「平群郡」となっております。

ご指摘ありがとうございます。郡名を修正しました。村名の漢字の方は『解読篇』の漢字表記をもとに一応2回はチェックしていますが、今回は一部の漢字(嶺と峰など)を除き新字体で統一しました。今回間違えた部分は記事投稿最後の段階で追加した部分で、うっかり大和国平群郡の方で変換してしまったような気がします。
[82923] 2013年 2月 23日(土)15:52:03【1】YT さん
1980年の幸手町の人口水増しの件について 【訂正あり】
1980年(昭和55年)11月11日火曜日の読売新聞朝刊23/30頁からの引用です。

国勢調査で人口水増し
「市」になりたい幸手町
“町民が熱心の余り…”

【久喜】市制施行を目前にした埼玉県北葛飾郡幸手町(田口勝美町長)で、人口五万人以上という“市制の条件”を満たそうと、一部町民が先月一日に実施された国勢調査の際、人口を水増しして調査表を提出していたことが、十日までに明らかになった。町当局では、「町民が熱心のあまりやったことで、町としては関知してない」として、確認された水増し分を差し引いた人口「五万六人」を県に報告したが、それでも十月の人口増加が極めて不自然な伸びをみせていることから、事態を重視した県では、改めて調査票の綿密なチェックを進める一方、場合によっては幸手町の国勢調査のやり直しも検討している。

“幽霊”315人引きスレスレ5万

 水増しが発覚したきっかけは調査票を回収中の十月初め、同町周辺の同郡杉戸町、草加市、茨城県 猿島郡五霞村などから、「うちの住民が幸手町の住民として、でたらめな調査票を提出している」と県統計課や同町に抗議が相次いだことから。
 同町で調べたころ、周辺の市町村に住んでいながら、世帯ぐるみで幸手町の勤め先や親類宅などに住んでいるよう調査票に書き込んでいたり、同町に寮を持つ民間企業の社員がそれぞれ自宅で住民登録、生活しているのにこの寮で長期間寝泊まりしているようにして、調査票の住所を同町にしているなど、計三百十五人の“水増し”が明らかになった。
 同町の話では、この不正工作は市制施行を熱望している一部町民が、熱心さのあまり、近隣に住む地元出身者を手分けして探し出し“協力”を呼びかけたものらしく、調査員も抱き込まれていた疑いもあるという。
 町では、確認されたこの水増し分を差し引き、町人口を五万六人として県国勢調査対策本部に報告したが、同本部では訂正して提出したこの調査票の中にも、まだかなりの水増し分が隠されているのではないかという疑いを捨て切っていない。
 これは地方自治法で規定されている市制施行の条件の“五万人”をうまいことに六人だけ上回ったという“間のよさ”もさることならが、十月の人口増加がそれまでの同町の人口動態とは明らかに違った推移を見せているため。
 九月一日現在の同町の推計人口(県統計課調べ)は四万八千九百五十五人。町の修正報告が正確だったとすれば、十月一日までのわずか一か月間に千五十一人も増えたことになる。ちなみに、八月から九月にかけての人口増加は六十六人だけ。いろいろな条件を考慮に入れても、極めて異常な伸びであることは確かだ。このため、同本部では改めて調査票の再審査を行う一方、この審査結果によっては町に調査報告の再修正を求め、さらにひどい場合は改めて同町の国勢調査のやり直しも検討している。
 幸手町では、商店主ら約四十人で市制施行推進協議会が結成され、「市制が施行されてば、町のイメージアップになる」などと熱心に運動する動きもあった。
 田口町長の話「町としては、去る七日に町村合併二十五周年の記念事業をやったばかりで、人口を水増ししてまで今、無理に市制施行する気など全くない。町民が熱心さのあまりやったことだと思う」

新聞記事のアーカイブに検索をかけた限りでは、この事件に関して後に逮捕者が出たという記事がなく、調査員レベルでの捏造ということで済んだようです。

人口水増しに関する統計法違反では、羽幌町に関する新聞記事が見つかっただけです。松本敏治町長ら町幹部四人が統計法違反、虚偽有印公文書作成、同行使事件に問われ、旭川地裁で1973年6月27日に判決が言い渡されています。

町長:懲役一年六月、執行猶予三年
元助役:同一年、執行猶予二年
前総務部長:同八月、執行猶予一年
前庶務部長:病欠のため9月3日に判決言い渡し

【訂正】[82925] にまんさん

引用部分なのですが
同町周辺の同郡松戸町、草加市、茨城県 猿島郡五霞村などから、
は、同郡杉戸町ですよね

すみません。ご指摘通り本文を松戸町から杉戸町に修正しました。
[82913] 2013年 2月 20日(水)22:02:21YT さん
天保郷帳における石高の記述について:追加検証
[82890] むっくんさん

以前YTさんが[76916][76917][76918][76919][76920][76921]にて天保郷帳の複製本(編:史籍研究會、1984)(YTさんはこの本のことを『原本』と表記されています)とその『解読篇』についての詳細をまとめられていました。

そして[79622]拙稿にて村数の差異について推測を述べ、[79623]YTさんにおいて確認をして頂きました。その続きです。

天保郷帳の石高について、活字化された近世歴史資料研究会編『天保郷帳 : 天保五年甲午十二月石高帳 第3分冊 解読篇 (近世歴史資料集成)』(2009年)の石高と天保郷帳原本(『複製本』こと、史籍研究會編『天保郷帳(内閣文庫所藏史籍叢刊)』(1984年)にせよ、国立公文書館デジタルアーカイブの『天保郷帳』にせよ、国立公文書館所蔵の原本からコピーなり画像なりを起こしているので、そこに書かれている集計結果の石高は『原本』の石高と表現しても問題ないと思いますが)の石高を比較した際、両者に村数や石高の差が生じてました。『解読篇』の解説によると
(7) 村ごとの石高の集計をより正確にすることを目的として、改めて石高の再計算を行った。その結果、郡や國の石高が原本の数字と合致しない場合が確認された。この件に関しては、原本のではなく、再計算された数字を採用したことをお断りしておきたい。
とありましたが、改めて[79622][79623][82890][82891]で検証されたように、実際には原本における冊子のたたみ方の誤りが原因(『複製本』では一部の頁(信濃国伊那郡)が脱落し(『デジタルアーカイブ』では修正済)、一部の頁が誤った箇所に差し込まれ(『デジタルアーカイブ』で修正済:上野国碓氷郡⇒利根郡、土佐国高岡郡⇒吾川郡;『デジタルアーカイブ』でも誤ったまま:和泉国泉郡・日根郡⇔南郡、武蔵国入間郡⇒高麗郡、出雲国神門郡⇒飯石郡))で、少なくとも村数に関しては『出羽国郷帳五』収録の出羽国平鹿郡(2村多い)、扱いの特殊な伊豆諸島・蝦夷松前以外は天保郷帳の集計が正しく、石高についても郷帳の集計がかなり正確なことが示されました。

そこで『解読篇』と『原本』の石高が異なる他の旧国郡についても、『解読篇』の石高の数字と『デジタルアーカイブ』の郷帳の画像とを比較しながら、改めて石高のチェックをしてみたところ、『解読篇』の石高にいくつか間違いを見つけました。

まず手始めに以前[77085][77086]でまとめた出羽国置賜郡の石高をチェックしました。[77085][77086]で記載した天保郷帳の村別石高は、実際には『解読篇』で活字化された数字です。ところが『解読篇』で619.11899石とされている北和田村の石高は、『出羽国郷帳一』の5/36頁目では、「高六百拾九石壱斗壱升八合九勺八才」、つまり619.11898石となっており、『解読篇』の石高に1才の誤りがありました。よって出羽国置賜郡の村別石高の合計も216,161.22023石となり、完全に原本に記載されている出羽国置賜郡の石高と一致しました。一方『解読篇』による出羽国置賜郡の石高は216,161.2202となっていますが、これは本来なら加えるべき4才(正しくは3才)を脱落させてしまったものと考えられます。

以上を踏まえ、『解読篇』と『原本』の村高を比べたところ、『解読篇』において以下の村高の間違いが認められました。なお石高は毛(10^-6石)の桁で揃えています。

旧国郷村『解読篇』石高『原本』石高石高差デジタルアーカイブ参考コマ頁
尾張国中嶋郡横地村252.711000253.7110001.000000尾張国郷帳 74/134
武蔵国豊島郡穏田村94.57170094.571070-0.000630武蔵国郷帳 5/190
武蔵国豊島郡池袋村601.655700601.655070-0.000630武蔵国郷帳 7/190
武蔵国豊島郡2村合計696.227400696.226140-0.001260
上総国市原郡門前村220.798600212.798600-8.000000上総国郷帳 55/159
下総国千葉郡神窪村52.77860052.778060-0.000540下総国郷帳 97/213
下総国印旛郡寺崎村804.602000804.062000-0.540000下総国郷帳 141/213
下総国印旛郡馬渡村540.924600540.924060-0.000540下総国郷帳 144/213
下総国印旛郡2村合計1,345.5266001,344.986060-0.540540
常陸国茨城郡大故山村135.619500135.619050-0.000450常陸国郷帳 25/225
常陸国那珂郡湊村2,645.8160002,645.815000-0.001000常陸国郷帳 41/225
常陸國久慈郡真弓村218.505000218.055000-0.450000常陸国郷帳 62/225
常陸國真壁郡古殿村261.228300261.228030-0.000270常陸国郷帳 124/225
近江国甲賀郡小山村689.351700689.035170-0.316530近江国郷帳 90/201
美濃国加茂郡細目村464.818000465.8180001.000000美濃国郷帳 156/216
信濃国筑摩郡埴原村1,558.5656001,558.565060-0.000540信濃国郷帳 101/211
信濃国高井郡深沢新田村322.144000332.14400010.000000信濃国郷帳 202/211
上野国群馬郡大久保村1,237.1570001,237.151000-0.006000上野国郷帳 69/164
下野国河内郡東蓼沼村813.905000813.9605000.055500下野国郷帳 6/180
下野国芳賀郡堀越村740.477150740.477105-0.000045下野国郷帳 51/180
陸奥国田村郡守山村622.256620622.2566700.000050陸奥国郷帳二 50/71
陸奥国安達郡塩沢村1,881.1732701,881.1732900.000020陸奥国郷帳二 55/71
陸奥国宇多郡大坪村1,005.6090001,105.609000100.000000陸奥国郷帳三 73/76
出羽国置賜郡北和田村619.118990619.118980-0.000010出羽国郷帳一 5/36
出羽国村上郡松原村1,664.7541001,564.754100-100.000000出羽国郷帳二 20/58
出羽国村上郡幾右衛門新田15.40900015.049000-0.360000出羽国郷帳二 56/58
出羽国秋田郡新館村109.322000119.32200010.000000出羽国郷帳五 22/130
出羽国由利郡長磯村121.466800121.466080-0.000720出羽国郷帳五 125/130
越前国坂井郡大年村464.799000465.7990001.000000越前国郷帳 117/200
越中国礪波郡清水村1,057.2990001,157.299000100.000000越中国郷帳 152/179
越後国頸城郡下増田新田464.823000465.8230001.000000越後国郷帳上 119/141
越後国蒲原郡日出谷村1,086.0890001,186.089000100.000000越後国郷帳下 61/238
佐渡国羽茂郡小比叡村26.86100036.86100010.000000佐渡国郷帳 36/38
日向国諸県郡井崎田村1,312.6580001,312.7580000.100000日向国郷帳 17/67

一方下総国葛飾郡、下総国河内郡、出羽国村上郡、出羽国田川郡については、原本の才の桁(10^-5石)を有する村高を足した結果を比較したところ、原本が記載する郡高との才の桁の数字が等しくなり、原本の数字は正しく集計されているものと推測されます。おそらく出羽国置賜郡の例に見られるように『解読篇』でこれらの郡の才の桁の数字を脱落させてしまったと考えられます(出羽国置賜郡については省略([77085][77086]参照))。

旧国郷村『解読篇』石高『原本』石高石高差デジタルアーカイブ参考コマ頁
下総国葛飾郡鷲巣村443.943670443.9436700.000000下総国郷帳 11/213
下総国葛飾郡深輪村660.889550660.8895500.000000下総国郷帳 12/213
下総国葛飾郡尾崎村648.205970648.2059700.000000下総国郷帳 15/213
下総国葛飾郡舩形村1,907.5775801,907.5775800.000000下総国郷帳 15/213
下総国葛飾郡駒木村116.482740116.4827400.000000下総国郷帳 23/213
下総国葛飾郡市野谷村313.720730313.7207300.000000下総国郷帳 26/213
下総国葛飾郡幸谷村511.906480511.9064800.000000下総国郷帳 30/213
下総国葛飾郡岩瀬村132.228330132.2283300.000000下総国郷帳 35/213
下総国葛飾郡中矢切村174.620670174.6206700.000000下総国郷帳 37/213
下総国葛飾郡高根村341.956980341.9569800.000000下総国郷帳 38/213
下総国葛飾郡奉免村62.10033062.1003300.000000下総国郷帳 38/213
下総国葛飾郡11村合計5,313.6330305,313.6330300.000000『解読篇』は3才を脱落か
下野国河内郡五分一村294.223410294.2234100.000000下野国郷帳 14/180
下野国河内郡木和田島村845.212910845.2129100.000000下野国郷帳 19/180
下野国河内郡石名田村878.248360878.2483600.000000下野国郷帳 19/180
下野国河内郡大町村1,701.0133301,701.0133300.000000下野国郷帳 21/180
下野国河内郡坂之上村460.633570460.6335700.000000下野国郷帳 21/180
下野国河内郡下蒲生村347.050230347.0502300.000000下野国郷帳 22/180
下野国河内郡三間在家村915.673290915.6732900.000000下野国郷帳 23/180
下野国河内郡上川島村109.432930109.4329300.000000下野国郷帳 26/180
下野国河内郡中川島村137.226920137.2269200.000000下野国郷帳 26/180
下野国河内郡別当河原村136.474620136.4746200.000000下野国郷帳 26/180
下野国河内郡下坪山村852.756940852.7569400.000000下野国郷帳 27/180
下野国河内郡11村合計6,677.9465106,677.9465100.000000『解読篇』は1才を脱落か
出羽国村上郡山形町25,809.22647025,809.2264700.000000出羽国郷帳二 7/58
出羽国村上郡小白川村1,364.7636201,364.7636200.000000出羽国郷帳二 7/58
出羽国村上郡植野村608.216360608.2163600.000000出羽国郷帳二 13/58
出羽国村上郡大野目村831.572620831.5726200.000000出羽国郷帳二 13/58
出羽国村上郡落合村1,445.9008901,445.9008900.000000出羽国郷帳二 13/58
出羽国村上郡南青柳村698.002790698.0027900.000000出羽国郷帳二 13/58
出羽国村上郡北青柳村890.909710890.9097100.000000出羽国郷帳二 13/58
出羽国村上郡谷柏村1,855.0146101,855.0146100.000000出羽国郷帳二 20/58
出羽国村上郡8村合計33,503.60707033,503.6070700.000000『解読篇』は7才を脱落か
出羽国田川郡中野京田村463.629430463.6294300.000000出羽国郷帳四 12/86
出羽国田川郡南野村654.168970654.1689700.000000出羽国郷帳四 36/86
出羽国田川郡町村632.178930632.1789300.000000出羽国郷帳四 44/86
出羽国田川郡興屋村348.698950348.6989500.000000出羽国郷帳四 44/86
出羽国田川郡朝丸村234.822160234.8221600.000000出羽国郷帳四 44/86
出羽国田川郡茗荷瀬村463.700530463.7005300.000000出羽国郷帳四 44/86
出羽国田川郡払田村206.411650206.4116500.000000出羽国郷帳四 44/86
出羽国田川郡常万村350.897730350.8977300.000000出羽国郷帳四 45/86
出羽国田川郡西小野方村374.939370374.9393700.000000出羽国郷帳四 45/86
出羽国田川郡大野村209.764900209.764090-0.000810出羽国郷帳四 45/86
出羽国田川郡田谷村116.832730116.8327300.000000出羽国郷帳四 45/86
出羽国田川郡中野村201.576160201.5761600.000000出羽国郷帳四 45/86
出羽国田川郡南野新田村152.102400152.102040-0.000360出羽国郷帳四 45/86
出羽国田川郡13村合計4,409.7239104,409.722740-0.001170『解読篇』は1才を脱落か

以上より、『出羽国郷帳五』以外においては、天保郷帳記載の国郡別石高は、正しく束ねられた状態ではそれぞれの村高と完全に等しいと推測され、そこには村数(伊豆群島・松嶋を除く)・石高の計算間違いは存在しないと推測されます。残るは秋田久保田藩が責任をもってまとめたはずの『出羽国郷帳五』ですが、少なくとも秋田郡新館村と由利郡長磯村の村高が間違っていました。しかしながら秋田郡の合計石高の違いは解消したものの、由利郡の合計石高の違いを説明できません。また仙北郡、平鹿郡の村高については、現時点で間違いを見つけらずにおり、仙北郡・平鹿郡・由利郡においては、実際に天保郷帳記載の郡別石高合計に誤りがあるようです。これについては項を改めて検証します。
[82891] 2013年 2月 15日(金)21:46:03YT さん
天保郷帳での記載について、石高の追加検証
[82888] オーナー グリグリさん [82889] 白桃さん
昨日、公益財団法人統計情報研究開発センター、通称Sinfonicaが主催する、統計情報セミナーに行ってきました。初めて参加したのですが、今までよく知らなかった国勢調査のデータの種類や調査方法などが分かり、とても有意義なセミナーでした。

昨年CD-ROMを購入したためでしょうか、実は私の所にもセミナーへの招待状が葉書で来てました。ただ私の方は仕事の関係で残念ながら出席できませんでした。

現在[82204]で投稿した都道府県・支庁・市区郡別人口の変遷のまとめを、明治初期まで拡大した表を作成中ですが・・・府県別現住人口と郡市別現住人口が異なる(明治30年以前は、現住人口算出の際にわざわざ各階層内での人口異動を除いている)ので、合計による数字のチェックができないという問題を抱えています。加えて毎年1月~3月は個人的に非常に忙しい!と言いつつ[82890]のむっくんさんの投稿を読んで、さっそく石高を検証してみたくなるという、サボり癖を発症中です。

[82890]むっくんさん

[76919]YTさん
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旧國旧郡村数『解読篇』石高村数『原本』石高石高差
和泉國泉郡8938,432.6906008931,077.9622007,354.728400
和泉國南郡6730,120.0766006737,289.234600-7,169.158000
和泉國日根郡7656,414.3006007656,599.871000-185.570400

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この三ヶ所についてもおそらく天保郷帳の編集の際のミスであろうと以前から推測していました。
そこで天保郷帳(和泉国)及び天保国絵図(和泉国)とを比較し、以下に、誤りと考えられるところを挙げます。

さっそく石高を計算してみました。

村名石高
土生村2,714.3240
尾生村1,225.8000
上松村735.5340
下松村979.7070
額原村326.9680
小松里村1,521.6770
下池田村505.9466
中井村564.9840
福田村150.0940
鳥羽村253.2090
新井村144.2620
小瀬村644.2080
永吉村87.8600
久保村376.0610
半田村689.0880
作才村373.6420
西之内村935.8110
別所村236.9880
沼間村540.2480
岸和田村2,118.5042
津田村228.3673
堀村496.0320
嶋村23.3400
貝塚村381.5570
泉郡→南郡小計16,254.2121

村名石高
春木川村99.6570
大沢村463.5710
父鬼村135.8950
大野村205.0360
坪井村238.7370
佛並村413.6380
下宮村199.5790
小野田村344.0090
鍛冶屋村244.3410
唐國村494.4210
内田村557.2070
春木村473.4960
松ノ尾寺村341.2330
久井村401.7200
若樫村334.4350
内畑村1,230.9491
観音寺村438.0380
寺門村111.9700
和気村348.6796
和気郷庄244.5000
小田村715.1424
今福村129.6420
寺田村263.1163
箕形村470.4713
南郡→泉郡小計8,899.4837

村名石高
五門村324.9040
紺屋村101.9097
野田村583.2539
小垣内村417.0520
小谷村390.6760
久保村1,253.2703
土丸村342.6720
大木村624.6510
畠中村413.3497
石才村393.2750
橋本村813.2630
堤村339.2840
地蔵堂村283.1880
王子村721.7020
七山村232.2941
大久保村694.7600
南郡→日根郡小計7,929.5047

村名石高
三田村898.1482
包近村628.7779
中村460.6081
稲葉村670.8256
積川村316.4937
河合村469.4730
相川村173.8380
塔原村166.8200
箕土路村484.0026
両大路村388.9296
大町村400.4196
池尻村481.3200
今木村370.1710
田治米村797.3444
新在家村637.6556
摩湯村399.1070
日根郡→南郡小計7,743.9343

郡名石高増減備考
泉郡-7,354.7284= 8,899.4837 - 16,254.2121
南郡+7,169.1580= 16,254.2121 + 7,743.9343 - 8,899.4837 - 7,929.5047
日根郡+185.5704= 7,929.5047 - 7,743.9343

よって和泉国の天保郷帳における郡別石高が村別石高と一致しないのは、国立公文書館が所蔵している原本冊子の綴り方の誤りが原因と推測され、それがそのまま複製本、解読篇、国立公文書館のデジタルアーカイブに引き継がれてしまっているという実態が確認できました。

解読篇と複製本で石高が異なるのは、残りは端数の問題だけですね。これに関しては何れまとめて検証したいです。
[82405] 2012年 12月 31日(月)03:07:49【2】YT さん
平成22年10月1日の境域における各回国勢調査時の市区町村別人口・追加修正案 2
●昭和15年以前の十島村・三島村の人口の扱い
 → 『昭和55年10月1日の境域による各回国勢調査時の市区町村別人口』では三島村の人口をゼロとし、すべて十島村の人口に割り振っているが、昭和30年の十島村・三島村の人口比で按分して計算し直すべきか

これだけは現時点では引き続き検討課題ですが、一応昭和5年10月1日以前の人口の推計を計算しました。

現時点では[82244]で示した以上の情報は得られておらず、『十島村誌』(1995年)内の引用されている該当部分の頁のコピーを入手したものの、内容としては羽原清雅氏による「トカラ・十島村の「格差」と地域の政治―どうなる七つに分散する離島村の闘い」以上のものはありませんでした。そこで昭和5年10月1日以前の人口につていは、昭和10年10月1日の南北トカラ列島の人口比から算出することにしました。以上により、昭和25年10月1日以前の十島村、三島村の人口は以下のように推計されます。

年次十島村三島村備考
大正9年3,3381,273昭和【10】年の人口比による
大正14年3,3401,274昭和【10】年の人口比による
昭和5年3,7231,420昭和【10】年の人口比による
昭和10年3,6671,399羽原清雅氏の論文による
昭和15年3,5641,232羽原清雅氏の論文による
昭和22年1,304
昭和25年2,9381,484確定値

但し上の数字は暫定値で、十島村を構成する島々の戦前の国調人口については、引き続き調査します。また昭和25年の十島村の人口が欠けていたのは、『昭和55年10月1日の境域による各回国勢調査時の市区町村別人口 : 大正9年~昭和55年』の明らかなミスです。

●以上のほか、白桃さんよりメールにて、『昭和55年10月1日の境域による各回国勢調査時の市区町村別人口 : 大正9年~昭和55年』の誤りが指摘されています。
1961.4.1に行われた旧美方町と旧村岡町の境界変更に伴う
人口異動を反映した1960年以前の国勢調査人口の数値が誤って
いるようです。
原因は、異動人口4,506人を1,506人と誤認したことによるもの
だと推察いたします。

ただ、美方郡村岡町と美方郡美方町は、平成17年4月1日に城崎郡香住町と合併し、美方郡香美町が発足していますので、平成22年10月1日境域における昭和35年以前の人口においては上記の計算間違いは影響しません。

【追記】[82404]で示した八条村の一部(立野堀)の計算方法が間違っていました。

※昭和22年10月1日の八条村立野堀の人口745人は、昭和22年10月1日の八幡村・潮止村・八条村の人口合計12,591人と、昭和55年10月1日境域による八潮市の人口11,846人の差
として計算しましたが、
昭和54年4月1日 草加市の一部(32人)が八潮市へ
の存在を忘れていました。

昭和55年10月1日境域からの計算が不可能となったので、八丈村内の八潮村、草加町への昭和50年10月1日異動人口の比から、八条村の一部(立野堀)の人口を推計すると、昭和22年10月1日の八丈村の人口3,965人に、草加村へ異動した八丈村の昭和30年10月1日の人口797を乗じ、昭和30年10月1日の八丈村の人口4,216人で割ることで、750人と計算されます(745人より5人増える)。同様に八幡村・潮止村・八条村(立野堀を除く)の人口は11,841人に修正されます(11,846人より5人減る)。ここで、八潮市と草加市に関し、
昭和55年10月1日境域から昭和50年10月1日境域に数字を戻す作業を行
ったところ、ちゃんと八潮市の人口が11,846人から11,841人に修正されたことから、上の計算は間違いでなかったことが分かります。なお、
昭和22年10月1日の人口に水害地の人口を加え、昭和55年10月1日境域に再び戻すという作業を行っても、四捨五入した数字の上では水害地分の人口に変動はありません。
という事実には変わりありません。

というわけで、[82404]の水害地の人口の按分自体には全く問題ありません。
[82404] 2012年 12月 31日(月)03:03:43【1】YT さん
平成22年10月1日の境域における各回国勢調査時の市区町村別人口・追加修正案
11月末から予想以上に忙しい日々が続きましたが、何とか今年中に平成22年10月1日の境域における各回国勢調査時の市区町村別人口に関し、[82194]で挙げた修正を検討し終えました。

●昭和35年の長野県西筑摩郡山口村と岐阜県中津川市の間の境界紛争地域(73人)
 → 『昭和55年10月1日の境域による各回国勢調査時の市区町村別人口』では境界紛争地域の人口を除外しているが、最終的に山口村は中津川市に越境編入しており、この73人も現在の中津川市境域内の人口に加算するべきか

※中津川市・恵那郡・長野県西筑摩郡山口村における昭和22年10月2日~昭和55年10月1日の人口異動を伴う境域変遷情報
昭和58年4月1日中津川市の一部(24人)が恵那郡福岡町へ

平成17年2月13日に長野県西筑摩郡山口村、岐阜県恵那郡福岡町は中津川市に編入されており、昭和35年の長野県西筑摩郡山口村と岐阜県中津川市の間の境界紛争地域の人口はすべて現中津川市内と考えて問題ありません。長野県西筑摩郡山口村と岐阜県中津川市の間の境界紛争地域の人口73人を岐阜県中津川市の人口に加えることで、平成22年10月1日の境域による昭和55年の中津川市の人口は82,747人に修正されます。

市町村修正前修正後
中津川市82,67482,747

●昭和22年の臨時国勢調査における「町村に配分せられない水害地の調査洩れ数」
 → 『昭和55年10月1日の境域による各回国勢調査時の市区町村別人口』では三県の調査洩れ数を除外しているが、これらについても按分して計算し直すべきか

◎宮城県内
○宮城県玉造郡の町村に配分せられない水害地の調査洩れ数21人を大崎市の人口に追加
○宮城県栗原郡の町村に配分せられない水害地の調査洩れ数71人は以下の様に按分
境域水害地を除く昭和22年の人口水害地の人口
昭和22年の栗原郡136,39571
昭和22年の栗原郡内の現栗原市126,53866
昭和22年の栗原郡内の現大崎市9,8575

※昭和22年10月1日の栗原郡内の現大崎市境域の人口は、昭和22年10月1日の長岡村・宮沢村・清滝村の合計11,294人より清滝村小山田地区の人口1,437人を除いたもの。清滝村小山田地区の人口1,437人は、昭和55年10月1日の境域による昭和22年10月1日の高清水町の人口5,793人と、昭和22年10月1日の高清水町の人口4,356人の差。

※玉造郡・栗原郡・志田郡・遠田郡の昭和22年10月2日~昭和55年10月1日の人口異動を伴う境域変遷情報
昭和29年8月1日志田郡敷玉村の一部(4,291人)が古川市へ
昭和29年8月1日志田郡敷玉村の一部(1,799人)が遠田郡小牛田町へ
昭和30年3月31日志田郡下伊場野村の一部(978人)が志田郡松山町へ
昭和30年3月31日志田郡下伊場野村の一部(1,129人)が志田郡三本木町へ
昭和30年4月10日玉造郡岩出山町の一部(251人)が古川市へ
昭和30年4月14日古川市の一部(1,459人)が栗原郡高清水町へ
昭和30年4月1日栗原郡姫松村の一部(2,380人)が栗原郡栗駒町へ
昭和30年4月1日栗原郡姫松村の一部(1,824人)が栗原郡一迫町へ
昭和30年7月10日古川市の一部(1,405人)が志田郡三本木町へ
昭和30年10月1日志田郡三本木町の一部(292人)が志田郡松山町へ
昭和31年1月1日遠田郡小牛田町の一部(909人)が古川市へ
昭和31年8月10日栗駒郡栗駒町の一部(393人)が栗駒郡築館町へ
昭和31年8月10日栗駒郡栗駒町の一部(237人)が栗駒郡一迫町へ
昭和32年4月1日玉造郡岩出山町の一部(30人)が古川市へ
昭和44年9月1日遠田郡田尻町の一部(9人)が遠田郡小牛田町へ

昭和30年4月10日に玉造郡岩出山町の一部(251人)が古川市へ、昭和30年7月10日に古川市の一部(1,405人)が志田郡三本木町へ、昭和32年4月1日に玉造郡岩出山町の一部(30人)が古川市へ異動していますが、玉造郡岩出山町、志田郡三本木町、志田郡松山町は最終的に大崎市の境域となるので、昭和22年の人口の修正の際には考慮の必要はありません。昭和30年4月14日の古川市の一部(1,459人)の栗原郡高清水町(旧清滝村小山田地区)への異動は、昭和22年の人口の修正の際に考慮する必要があります。

○宮城県登米郡の町村に配分せられない水害地の調査洩れ数60人を登米市の人口に追加

※登米郡の昭和22年10月2日~昭和55年10月1日の人口異動を伴う境域変遷情報
昭和27年11月1日登米郡石森町の一部(8人)が登米郡上沼村へ
昭和32年4月1日登米郡中田町の一部(2,427人)が登米郡迫町へ
これらは最終的に登米市の境域となるので考慮の必要はありません。

○宮城県本吉郡の町村に配分せられない水害地の調査洩れ数55人は以下の様に按分
境域水害地を除く昭和22年の人口水害地の人口
昭和22年の本吉郡106,30455
昭和22年の本吉郡内の現登米市(津山町)7,1254
昭和22年の本吉郡内の現気仙沼市71,20437
昭和22年の本吉郡内の現南三陸町23,51812
昭和22年の本吉郡内の現石巻市(十三浜村)4,4572

以上をまとめると、平成22年10月1日の境域による昭和22年10月1日の宮城県内の人口は、水害地の様差漏れ数を加えることで以下のように修正されます。
市町村修正前修正後水害地
石巻市171,858171,8602
気仙沼市71,20471,24137
登米市123,110123,17464
栗原市126,538126,60466
大崎市138,925138,95126
南三陸町23,51823,53012

◎栃木県内
○栃木県下都賀郡内二村の町村に配分せられない水害地の調査洩れ数60人は以下の様に按分
境域水害地を除く昭和22年の人口水害地の人口水害地を含む昭和22年の人口
生井村・部屋村10,5426010,602
生井村4,338254,363
部屋村6,204356,239

下都賀郡生井村は昭和30年4月25日に下都賀郡野々田町を経て、昭和38年4月18日に小山市に編入、下都賀郡部屋村は昭和30年3月31日に下都賀郡藤岡町を経て、平成22年3月29日に栃木市に編入されます。

※小山市の昭和30年4月25日~昭和55年10月1日の人口異動を伴う境域変遷情報
昭和49年12月1日下都賀郡南河内町の一部(5人)が小山市へ
昭和53年1月1日野木町の一部(11人)が小山市へ
昭和54年7月1日下都賀郡大平町の一部(15人)が小山市へ
以上の外、昭和55年1月1日以降の諸境域異動等を全て考慮して改めて境域変動に伴う推定人口を計算し直しましたが、結局端数処理した後に昭和55年10月1日の境域による昭和22年10月1日の市町村別人口に変化が生じたのは、小川市と栃木市のみでした。

○栃木県足利郡内四町村の町村に配分せられない水害地の調査洩れ数207人は、足利郡毛野村・山前村・小俣村・山辺町で按分されるべきものですが、これらはすべて現足利市に編入されており、該当地域には特に複雑な人口異動を伴う境域変動が存在しないので、足利郡の水害地の人口は全て足利市の人口に加えます。

以上をまとめると、平成22年10月1日の境域による昭和22年10月1日の栃木県内の人口は、水害地の調査漏れ数を加えることで以下のように修正されます。
市町村修正前修正後水害地
栃木市131,230131,26535
小山市82,12382,14825
足利市143,149143,356207

◎埼玉県内
○埼玉県北葛飾郡の町村に配分せられない水害地の調査洩れ数321人はまず以下の様に按分
境域水害地を除く昭和22年の人口水害地の人口
昭和22年の北葛飾郡121,659321
昭和22年の幸松村・豊野村8,36322
昭和55年境域の栗橋町・昭和22年境域の桜田村の一部15,67241
昭和55年境域の杉戸町16,61744
現松伏町8,82723
昭和55年境域の庄和町15,56541
現三郷市16,22243
現幸手市24,62265
現吉川市15,77142
※昭和22年10月1日境域の桜田村の一部(大字八甫・西大輪・東大輪・外野・上川崎)の人口3,957人は、昭和55年10月1日境域の南埼玉郡鷲宮町の人口8,768人と、昭和22年10月1日の南埼玉郡鷲宮町の人口4,811人の差
ただし春日部市、杉戸町、庄和町に関しては、昭和55年10月2日以降の人口異動を考慮しながらさらに昭和22年10月1日人口を修正する必要があります。

なお、以下の境域変遷情報は、昭和55年10月1日境域による昭和22年10月1日の人口として織り込み済みです。
※埼玉県北葛飾郡の昭和22年10月2日~昭和55年10月1日の人口異動を伴う境域変遷情報
昭和23年4月1日北葛飾郡栗橋町の一部をもって静村(4,877人)を設置
昭和23年4月1日北葛飾郡栗橋町の一部をもって豊田村(2,715人)を設置
昭和30年1月1日北葛飾郡桜田村の一部(3,849人)が南埼玉郡鷲宮町へ
昭和30年1月1日北葛飾郡桜田村の一部(784人)が北葛飾郡幸手町へ
昭和30年4月1日北葛飾郡豊田村の一部(845人)が北葛飾郡幸手町へ
昭和30年4月1日北葛飾郡豊田村の一部(1,085人)が北葛飾郡泉村へ
昭和31年1月1日北葛飾郡幸手町の一部(475人)が北葛飾郡杉戸町へ
昭和35年11月3日北葛飾郡杉戸町の一部(993人)が北葛飾郡庄和村へ

○埼玉県南埼玉郡内八村の町村に配分せられない水害地の調査洩れ数84人はまず以下の様に按分
境域水害地を除く昭和22年の人口水害地の人口
八村合計31,81084
桜井村・新方村・増林村10,40327
八幡村・潮止村・八条村(立野堀を除く)11,84631
八条村の一部(立野堀)7452
須賀村4,00511
鷲宮村4,81113
※昭和22年10月1日の八条村立野堀の人口745人は、昭和22年10月1日の八幡村・潮止村・八条村の人口合計12,591人と、昭和55年10月1日境域による八潮市の人口11,846人の差【追記:この計算は間違い!】

なお、以下の境域変遷情報の内、昭和31年9月28日八条村の分割は、昭和30年11月3日の北足立郡草加町から南埼玉郡越谷町への境域変更の後ですが、昭和54年4月1日の草加市と八潮市の間での境域変更は考慮する必要があります。もっとも昭和55年10月1日境域から昭和50年10月1日境域に数字を戻す作業を行い、昭和22年10月1日の人口に水害地の人口を加え、昭和55年10月1日境域に再び戻すという作業を行っても、四捨五入した数字の上では水害地分の人口に変動はありません。
※埼玉県南埼玉郡の水害を受けた八村に関連する昭和22年10月2日~昭和55年10月1日の人口異動を伴う境域変遷情報
昭和30年1月1日北葛飾郡桜田村の一部(3,849人)が南埼玉郡鷲宮町へ
昭和30年11月3日北足立郡草加町の一部(1,249人)が南埼玉郡越谷町へ
昭和31年9月28日南埼玉郡八条村の一部(3,419人)が南埼玉郡八潮村へ
昭和31年9月28日南埼玉郡八条村の一部(797人)が北足立郡草加町へ
昭和54年4月1日草加市の一部(32人)が八潮市へ

○埼玉県北埼玉郡内六村の町村に配分せられない水害地の調査洩れ数53人は、利島村・川辺村(後の北川辺村)と、東村・原道村・元和村・豊野村(後の大利根村)で按分されるべきものですが、これらはすべて現加須市に編入されており、該当地域には特に複雑な人口異動を伴う境域変動が存在しないので、北埼玉郡の水害地の人口は全て加須市の人口に加えます。

以上において、八潮市、草加市、杉戸町、宮代町、春日部市、越谷市、庄和町に関しては、昭和55年10月2日以降の境域変更についても再計算が必要ですが、実際のところ境域変更を考慮しても、四捨五入された水害地の人口には変更はありませんでした。

以上をまとめると、平成22年10月1日の境域による昭和22年10月1日の埼玉県内の人口は、水害地の調査漏れ数を加えることで以下のように修正されます。
市町村修正前修正後水害地
加須市80,67380,72653
春日部市46,42346,48663
草加市27,71727,7192
越谷市42,51342,54027
久喜市58,61658,67054
八潮市11,84611,87731
三郷市16,22216,26543
幸手市24,62224,68765
吉川市15,77115,81342
宮代町10,45310,46411
杉戸町16,61516,65944
松伏町8,8278,85023

以上、三県における昭和22年10月1日の水害地の人口の按分を行いました。
[82296] 2012年 12月 7日(金)23:28:32【2】YT さん
日本帝国民籍戸口表における郡市別と府県別現住人口の違いについて
[82204]で、明治31年以降の『日本帝国人口統計』などによる郡市区別現住人口をまとめましたが、明治30年以降のデータでは、府県別の現住人口と郡区別現住人口の合計、東京・京都・大阪市の現住人口と区別現住人口の合計、官報による現住人口と内務省の戸口表による現住人口が一致しないなど様々な問題があるため、まとめるにせよ一筋縄には行きません。

まず統計局のサイトでも国勢調査以前の都道府県別人口を掲載しておりますが、ここで採用されている人口は「乙種」現住人口と呼ばれ、生の統計情報である府県別の「甲種」現住人口に、全国の入・出寄留者の差数を各府県別の入・出寄留者数の比で各県に按分修正して算出するという、統計的補正を加えたものです。しかしながら乙種現住人口も実際の人口との乖離が激しく、さらにあくまでも「府県別人口」レベル以上でしか算出されていないものです。

一方の生データの現住人口に関しても、ある程度全国規模のものが系統立って把握できるものとしては、内務省内閣統計局がまとめた『日本帝国民籍戸口表』記載の「現住人口(甲種)」、内務省警保局が各所の交番を通じてまとめた「警察署調査現住人口」、各府県がまとめた「道府県調査現住人口」、そして官報掲載の「官報による現住人口」、この他、文部省や陸軍省も現住人口をまとめていますが、いまいち時系列情報に欠けるようです。

この内「警察署調査現住人口」がもっとも実際の人口に近いようですが、全国規模で把握できるのは明治41年と大正2年だけで、他の年次については警察署の発行する府県統計書を調べる必要があります。「道府県調査現住人口」は各府県の発行する府県統計書に掲載されているようですが、こちらも各府県の発行する府県統計書を調べる必要があります。
「官報による現住人口」は、官報が市区町村別に公表している現住人口で、本籍人口に対して入出寄留者の人口を加除して求めていますが、逃亡失踪者、陸海軍の兵営艦船に在る者、監獄に在る者、外国行きの者の人口の加除という補正を行っていません。

さて、問題は『日本帝国民籍戸口表』において、例えば『明治三十年十二月三十一日調 日本帝国民籍戸口表』を例にとると、「郡市別戸口」の現住人口の総計4452万0736人(註:リンク先では4452万0936人と記載されているが、『国勢調査以前日本人口統計集成』収録の『明治三十年十二月三十一日調 日本帝国民籍戸口表』では、手書きで「九」に「七」という修正が加わっており、府県別現住人口の合計と一致する)と、「府県別戸口」の現住人口の総計4397万8495人が一致しない点です。一般に明治30年の甲種現住人口として採用されているのは、後者の府県別戸口による現住人口の方ですが、改めて、明治28年~明治30年の府県別または郡市別戸口による本籍人口、本籍人口、府県別戸口による現住人口、郡市別戸口による現住人口をまとめると、

区分明治30年明治29年明治28年
本籍人口(府県別・郡市別戸口による)43,227,77642,706,97942,269,301
本籍人口43,228,86342,708,26442,270,620
現住人口(府県別戸口による)43,978,49543,499,83343,048,227
現住人口(郡区別戸口による)44,520,73644,072,23343,618,619

脚注(分かり易いように自分判断で句読点や段落を入れてます)によると

現住人ハ府県本籍人ヲ本トシ、之ニ他管ヨリ来往スル者、即チ入寄留者、陸海軍在営艦者、監獄ニアル囚人、懲治人、無籍人ヲ加ヘ、而シテ本籍地ヨリ他ヘ出往スル者、即チ外国行、寄留者、陸海軍入営艦者、囚人、及失踪者ヲ除キ算出セシモノナリ。

総計ニ於テ本籍人ヨリ現住人多キハ、入寄留者ノ現住地ニ入寄留届ヲナシ、本籍地ニ出寄留届ヲ為サザルモノアルト、寄留地ヲ去ルモ地主家主又ハ其地所ヲ管理スル者ヨリ退出届ヲ怠リシモノアルヨリ、一人ヲ両地ニ算入セシニ依ルナラン。

又第三府県別現住人ト本表合計現住人ト符号セザルハ、都市ニ係ル出入寄留届ノ差アルニ依ル。

まず府県別・郡市別戸口による本籍人口と、総計の本籍人口の違いは、無籍在監者の人口を加えるかどうかです。無籍在監者の所在地は明らかにされており、なぜこれを府県別や郡市別戸口による本籍人口に加えないのかは謎ですが・・・

区分明治30年明治29年明治28年
本籍人口(府県別・郡市別戸口)43,227,77642,706,97942,269,301
無籍在監者1,0871,2851,319
本籍人口(総計)43,228,86342,708,26442,270,620

次に府県別戸口での入寄留者の合計は:

区分明治30年明治29年明治28年
他府県より入寄留1,993,3341,887,5341,781,536
有籍者他府県より在監56,34063,11664,131
陸海軍在営者116,98095,59790,759
入寄留者合計(府県別戸口)2,166,6542,046,2471,936,426

次に府県別戸口での出寄留者の合計は:

区分明治30年明治29年明治28年
外国行51,73348,36349,762
他府県より出寄留911,577762,862659,157
有籍者他府県ヘ在監43,73746,24746,108
府県より陸海軍へ入営者125,665102,898104,560
失踪284,310294,308299,232
出寄留者合計(府県別戸口)1,417,0221,254,6781,158,819

本籍人口(総計)に、入寄留者合計(府県別戸口)を加え、出寄留者合計(府県別戸口)を減じることで、一般に甲種現住人口とされる現住人口(府県別戸口)が求まります。

区分明治30年明治29年明治28年
本籍人口(総計)43,228,86342,708,26442,270,620
入寄留者合計2,166,6542,046,2471,936,426
出寄留者合計1,417,0221,254,6781,158,819
現住人口(府県別戸口)43,978,49543,499,83343,048,227

一方、実際の郡市別現住人口の総計と府県別現住人口の間には人口差があるのですが、これは、同一府県内での、異なる郡市間の寄留寄留の人口移動を、わざわざ除いてやっているためです。今明治28年から明治31年までの現住人口の変化を見ると:

明治28年→明治29年 45万1606人の増加
明治29年→明治30年 47万8662人の増加
明治30年→明治31年 142万4546人の増加

と、いきなり明治31年で人口増加率が3倍に跳ね上がっています。

一方明治28年から明治30年までの郡市別現住人口の変化と、明治31年の甲種現住人口(4540万3041人)と明治30年の郡市別現住人口の変化を見ると:

明治28年→明治29年 45万3614人の増加
明治29年→明治30年 44万8503人の増加
明治30年→明治31年 88万2305人の増加

これでも明治31年で人口増加率が2倍に跳ね上がっています。

以上の状況証拠からすると、明治30年までは、(1) 郡市別現住人口の計算に当たり、同一郡内、同一市内の人口移動に伴う出入寄留者の人口を、合計からわざわざ除外する
(2) 府県別現住人口の計算に当たり、同一府県内の人口移動に伴う出入寄留者の人口を、合計からわざわざ除外するというこれらの作業を行っていたが、明治31年以降はこれらの努力を放棄し、ひたすら市町村別人口を単位として足しただけに変わったのだと推測できます。【むしろ明治30年以前は、わざわざ出入寄留の人口を各階層レベル除外するという余計な作業をおこなったため、「府県別人口」レベル以上の出入寄留人口だけが特別扱いで全国の現住人口に考慮されてしまっているともみなせます。】

府県別戸口による現住人口に、郡市間の出入寄留人口を加算すると、

区分明治30年明治29年明治28年
現住人口(府県別戸口)43,978,49543,499,83343,048,226
他郡市区より入寄留1,206,9511,179,6151,147,650
他郡市区へ出寄留755,416694,326655,910
計算上の現住人口(郡市別戸口)44,430,03043,985,12243,539,966
現住人口(郡市別戸口)44,520,73644,072,23343,618,619

なんかまだ郡市別戸口による現住人口との間に差が残っていますが、東京市、京都市、大阪市の三つに関しては、市内に区が設置してあり、市の現住人口(「現住人口一万人以上市区及町村別戸口」参照)と区の現住人口の総計が一致しておりません。

そこでこの三市の人口を区単位に修正すると:

区分明治30年明治29年明治28年
計算上の現住人口(郡市別戸口)44,430,03043,985,12243,539,966
東京15区と東京市の人口差82,16481,34585,573
京都2区と京都市の人口差01,4830
大阪4区と大阪市の人口差8,5405,6686,216
計算上の現住人口(郡区別戸口)44,520,73444,073,61843,631,755
現住人口(郡市別戸口)44,520,73644,072,23343,618,619
2-1,385-13,136

明治30年は2人違う・・・が、概ね正しい。一方で明治29年、明治28年はもっと違いが見られる、など、何故か最後まで数字が一致しません。ただ「現住人口一万人以上市区及町村別戸口」記載の市の人口と、「郡市別戸口」記載の市の人口は、本来なら一致するはずなのに、明治30年の例では鹿児島市、札幌区の人口が微妙に異なります。明治29年、明治28年の例でも、人口が異なる例が散発して存在し、ここまで来るとどちらが誤記なのか判断できません。【上の数字が一致しない原因は、京都市の人口にありそうです。京都2区内での人口移動が年によってゼロだったりそうでなかったりするのが不自然です。】

さらに「官報による現住人口」を『日本帝国民籍戸口表』記載の現住人口に計算し直すためには、各市町村別で、【外国行・在監行・軍務行・失踪などの出寄留の統計】が必要ですが、自分が知る限りそのような統計は公表されていないので、現状では「官報による現住人口」から人口を修正する術がありません。【よって明治30年以前の市町村別人口は、一般に都市人口として標準とされている『日本帝国民籍戸口表』の「現住人口一万人以上市区及町村別戸口」の数字に合うように、「官報による現住人口」から再計算し直すことはできません。】

【誤字修正、【】の部分の文章を修正】
[82294] 2012年 12月 7日(金)20:55:39YT さん
盛岡
昨日より出張で盛岡におります。

これまで私は盛岡に関しては乗換えや通り過ぎただけで、駅の外に出たのは初めてです。また昨日より盛岡では雪が降っており、今期の自分にとっての初雪を経験したところです。

駅前のアイーナという場所で開かれているある催しに出席しているのですが、同じ建物に岩手県立図書館があることに気付きました。岩手県立図書館には、たしか藩政時代の南部藩の人口の情報が記載されている南部藩家老席日誌(『盛岡藩雑書』として活字化されているが、まだ半分くらいしか刊行されていない)の原本があったはずで、時間があれば閲覧申請でもしようかと思ったところ、突然地震がありました。

なんか東北新幹線がまだ止まったままで、今日帰る予定の人はまだ駅に留められたままのようです。
[82288] 2012年 12月 3日(月)19:11:00YT さん
大正9年以降の人口異動を伴う境域変更の情報
[82281] 白桃さん

2010年境域での2005年の(旧)春日部市の人口が202,105人、越谷市の人口が315,792
2005年国勢調査報告で
2000年境域での2005年の(旧)春日部市の人口が202,105人、越谷市の人口が315,792
と全く同じ数字になっているのです。

先ほど自分も冊子の方の国勢調査報告でもそのようになっていることを確認しました。残念ながら修正の記載もありません。まあ国勢調査報告書も小さな間違いは色々ありますし・・・

ところで、白桃さんの[82241]とも関連しますが、図書館に行ったついでに過去の国勢調査報告書を閲覧したところ、人口異動を伴う境界変更について重要な知見がありました。[81919]でオーナー グリグリさんが過去の境域変更に関する情報をまとめていますが、実は昭和25年の国勢調査報告の『国勢調査報告 第7巻 都道府県編 (沖縄を除く全46冊)を閲覧したところ、各都道府県毎に「市町村の廃置分合, 境域変更及び名称変更 (大正9年10月~昭和25年9月)」という注記があり、昭和25年以前の人口異動を伴う境域変更についてもまとまっていました。よって沖縄県を除き、国勢調査開始以降の境域変更の日時は全て情報として存在します。沖縄県も、附録としてどこかに収録されているのかも知れません。

市町村の廃置分合及び境界変更について
 統計表第1表には大正9年国勢調査以来の市町村別人口の変遷を示しているが、これについては次の事柄を注意されたい。
 1 表に掲げてある人口は、昭和25年国勢調査当時と同一の市町村名を有するものに限りこれを掲げることとし、且その人口は各調査当時の境域による人口である。
 2 各調査間における市町村の廃置分合及び境界変更並びにこれらに伴う人口の異動はすべて注記してある。注記については次の事柄に注意されたい。
(1)人口の異動については、次回調査までの廃置分合による人口異動を前回の調査人口により組替え算出した。
(2)前回の調査時にあった市区町村が次回調査までの間に廃置分合によって消滅したときは、その市区町村の人口を備考として記載した。
(3)境界変更のうち人口異動の有無及び人口異動の不明なものをそれぞれ次のように表示した。
 (イ)人口異動があったものは異動人口のみを括弧内に表示した。
 (ロ)人口異動がなかったものは括弧内に「人口異動なし」と表示した。
 (ハ)人口の異動の不明なものは括弧内に「不明」と表示した。

つまり昭和25年の国勢調査報告を作成した時点で、すでに人口異動の有無の不明な境域変更もあったようです。

ただ一点問題なのは、戦中・戦後の酸性紙による冊子の劣化が激しく、ちょっとゼロックスコピーを許可されそうにない点です。というわけで現時点でこれらの情報は簡単にはまとめられません。
[82278] 2012年 12月 1日(土)17:17:55YT さん
国立公文書館所蔵の『昭和19年人口調査表・別表』
[82202]で挙げました国立公文書館所蔵の『昭和19年人口調査表・別表』について、先日国立公文書館に依頼して原史料を閲覧しました。閲覧した史料は、

請求番号簿冊標題
分館-11-003-00・昭54総統00824100昭和19年・人口調査表・別表(内地全体~沖縄県)
分館-11-003-00・昭54総統00825100昭和19年・人口調査表・別表(北海道~岐阜県)
分館-11-003-00・昭54総統00826100昭和19年・人口調査表・別表(静岡県~樺太)
分館-11-003-00・昭54総統00827100昭和19年・人口調査表・別表(香川県)

の四点で、戦中の酸性紙に手書きで書かれており、紙質が非常に悪く、閲覧に注意が必要です。

この内『昭和19年・人口調査表・別表(内地全体~沖縄県)』は、各県の男女別、郡市別、年齢別、職業別人口などをまとめたもので、[82202]にまとめた『昭和19年人口調査 集計結果摘要』(1977年)の補正後、補正前の数字と完全には同じではないのですが、どちらかというと補正前の人口と一致する県が多く、最終集計前後の状態なのでしょう。

一方『昭和19年・人口調査表・別表(北海道~岐阜県)』と『昭和19年・人口調査表・別表(静岡県~樺太)』の二点は、市の年齢別・男女別・職業別人口をまとめた調査表を抜き取って集めたもので、残念ながら特別区部や町村の人口は対象外です。ざっと見た限り、ほぼ『昭和19年人口調査 集計結果摘要』の補正前人口と同一の数字で、当然三鷹市や府中市の表はありません。もっとも豊原市の人口が

男女合計
20,95820,90941,867

となっており、[82202]の樺太市部の人口42,151人と矛盾します。

最後の『昭和19年・人口調査表・別表(香川県)』は、香川県の全ての市町村について、それぞれの年齢別・男女別・職業別人口をまとめたものであり、まさに『昭和19年人口調査 集計結果摘要』(1977年)の「第2表 都道府県、市町村及び郡別人口」の元となる原集計表そのものであることが分かりました。もっとも市町村別人口合計自体に違いは全くありません。

というわけで、東京都の人口を『昭和19年人口調査 集計結果摘要』(1977年)記載の区分人口から修正するためには、『昭和19年・人口調査表・別表(東京都)』とでも言うべきものを閲覧する必要があるわけですが、残念ながら国立公文書館所蔵で公開されている史料にはそのようなものはないようです。

[82202]で挙げた残りの史料についても閲覧依頼を出しておりますが、報告できるのは3週間前後後になりそうです。
[82244] 2012年 11月 23日(金)03:03:23YT さん
1950年12月1日の十島村の国勢調査人口は2938人!
[82235]で1950年の十島村の人口が不明であるかのように書いてしまいましたが、改めて1950年の国勢調査報告を調べたところ、1950年国勢調査結果概要の中に、
1950年の人口には、外国人(連合国軍及び外交関係を除く)及び対日講和条約の規定により1951年12月5日、日本に帰属した奄美群島の十島村(2,938人)を含んでいる。
とありました。つまり琉球政府の公報第27号では省かれていた十島村でもちゃんと国勢調査が実施されており、「国勢調査の穴」というのは私の早とちりでした。

よって、琉球政府公報を元に[82204]以前に私がまとめたデータに関しても、1950年の奄美群島の現在人口は219,048人に、琉球列島米国軍政府管轄全琉球の現在人口も917,875人に改定する必要があります。また1950年の現十島村境域の人口は2,938人、現三島村境域の人口の割合も33.56%になりますし、なによりも、『昭和55年10月1日の境域による各回国勢調査時の市区町村別人口 : 大正9年~昭和55年』(昭和22年と昭和25年の十島村の人口が空欄で、昭和15年以前は三島村の人口が空欄となっており、総て十島村の人口として処理されている)での人口処理にミスがあったことがわかりました。

十島村に関してネット上で調べたところ少なくとも『十島村誌』には人口の情報があるようです。羽原清雅氏による「トカラ・十島村の「格差」と地域の政治―どうなる七つに分散する離島村の闘い」によると『十島村誌』などを参考にして以下の人口変遷が掲載されています。

年次中之島口之島宝島平島悪石島諏訪之瀬島小宝島臥蛇島
187910510529972118068767
18901331334079412185831,061
189714917843993137137991,229
19103332275351291652531101,752
19164282905771421682601281,993
1931646404652138171126992,236
1935793436580135150691052,268
1940873440562150114601332,332
1944768453529148140591152,276
19501,03972056919117395622,938
19521,57660560519718686453,394
19559285845602031829090572,658

1916年以前の人口は現住人口、1950年と1955年の人口は国勢調査人口なのは兎も角として、他の年号の人口は何の調査人口なのかは不明です。ただ、1935年、1940年、1944年の人口をそれぞれ国勢調査・人口調査による現在人口だと仮定すると、

調査年月現十島村境域内現三島村境域内合計三島村の人口の割合備考
昭和5年10月1日3,723
昭和10年10月1日2,2681,3993,66738.15
昭和15年10月1日2,3321,2323,56434.57
昭和19年2月22日2,2761,2603,53635.63
昭和22年10月1日1,304確定
昭和23年8月1日1,384確定
昭和25年10月1日2,9381,4844,42233.56確定
昭和30年10月1日2,6581,3524,01033.72確定
昭和35年10月1日2,6021,3633,96534.38確定

調べてみると案外分かるものです。


[82237] hmt さん

もちろん[65126]には「本土復帰」とは記されておらず、日付も違っております。

かなり以前に参考にした文書に昭和21年10月3日付けで本土に復帰という記述があったのですが、今調べ直したところ、10月3日は奄美群島の大島支庁が臨時北部南西諸島政庁へ以降した日で、三島村領域は昭和21年2月2日の2.2宣言により本土への所属が決定され、昭和21年2月28日内務省告示第22号で鹿児島県所属となったようですね。訂正します。

ところで内務省告示第22号によると

内務省告示第二十二号

昭和十七年七月内務省告示第四百九十号
府県地方事務所ノ名称、位置及管轄区域中左ノ通改正シ昭和二十一年二月二十二日ヨリ之ヲ施行セリ
 昭和二十一年二月二十八日
      内務大臣 三土 忠造
別表鹿児島県ノ部中「鹿児島郡、大島郡十島村ノ内黒島、竹島、硫黄島」ニ改ム

となっており、告示に先立つ昭和21年2月22日付けで鹿児島県の領域の改正が施行されておりますが、この場合は領域の変更は2月22日なのでしょうか?

[82241] 白桃さん
これはひょっとして昭和55年のことですか?

すみません。国勢調査報告に掲載されている人口異動情報は昭和30年までということで1955年と書きましたが、内容としては昭和25年10月2日まで遡るので、1950年10月2日以降の間違いです。

当たり前のことですが、異動人口(該当区域の境界変更直前の国勢調査人口)が分っているからこそ『昭和55年10月1日の境域による各回国勢調査時の市区町村別人口 : 大正9年~昭和55年』なるものが出版されたのですよね・・・。

確かにその通りですが、公表された出版物の中で人口異動を伴う境域変更の情報がまとめて掲載されている分が、現時点で判明している限りでは1950年10月2日以降に限られるという点を銘記した上でまとめた方が、より情報がクリアになるということです。確かに統計局の倉庫の中には町丁目別人口の情報があるのかも知れませんが、少なくとも戦前の国勢調査報告書の実物を実際に手に取って見る限り、町村よりも狭い境域での人口の情報は公表されていません。また十島村・三島村の人口按分を行っていなかったりする点を見ると、統計局内部の情報にも何かしら限界があるように見えます。
[82235] 2012年 11月 22日(木)04:03:07【1】YT さん
1950年の琉球列島米国軍政府管轄全琉球における十島村の人口の謎
[82194]でも触れました十島村・三島村の過去の人口を調べている内に奇妙なことに気づきました。

過去に[65126]でむっくんさんが触れられているように、昭和21年10月3日付でトカラ列島北部の三島が「十島村」として本土復帰し、遅れて昭和27年2月10日付でトカラ列島南部が十島村として本土復帰します。その際に先に復帰した十島村は「三島村」となります。
1947年の臨時国勢調査から1950年の国勢調査まで、十島村の人口としてカウントされているのは、実際には後の三島村の人口です。

調査年月十島村三島村合計現三島村境域の人口の割合(%)
大正9年10月1日3,3383,338
大正14年10月1日3,3403,340
昭和5年10月1日3,7233,723
昭和10年10月1日3,6673,667
昭和15年10月1日3,5643,564
昭和19年2月22日3,5363,536
昭和22年10月1日1,304
昭和23年8月1日1,384
昭和25年10月1日1,484
昭和30年10月1日2,6581,3524,01033.72
昭和35年10月1日2,6021,3633,96534.38
昭和40年10月1日1,8488742,72232.11
昭和45年10月1日1,4076552,06231.77
昭和50年10月1日6281,1201,74835.93
昭和55年10月1日6199031,52240.67
昭和60年10月1日5527871,33941.22
平成2年10月1日5037901,29338.90
平成7年10月1日5137761,28939.80
平成12年10月1日5007561,25639.81
平成17年10月1日4626731,13540.70
平成22年10月1日4186571,07538.88

ところで昭和25年10月1日においては、現十島村境域は未だ米国統治下にあり、1950年12月1日付で実施された国勢調査琉球確定人口に十島村は含まれるはずです。ところが琉球政府広報を見ても、十島村の名前がありません。

可能性としては、確定人口が公表された1952年10月13日の時点で十島村は本土復帰をしており、国勢調査の結果表から欠落してしまったということでしょうが、こんなところにも国勢調査の穴が生じているとは予想外でした。

さて、過去の十島村の島毎の人口配分がどうであったかを調べてみましたが、残念ながら『三島村誌』『十島村誌』をすぐに調べられる環境にはありません。ただ明治30年度以前の『鹿児島県統計書』には島別の人口が掲載されていました。

M28M29M30
竹島134134148
硫黄島457457470
黒島346346354
口之島169173178
中之島151146149
臥蛇島939499
諏訪之瀬島129132136
平島979793
悪石島135138137
宝島437437439
現三島村境域937937972
現十島村境域1,2111,2171,231
現三島村割合(%)43.6243.5044.12

残念ながら戦前のトカラ列島の人口の割合の変化を推計するには情報が少なすぎますが、どうもトカラ列島は明治後半~大正にかけて南部の方でより人口が増えたようです。ただ多分昭和30年の人口比で按分してもそう実態とはかけ離れてはなかっただろうことは予想がつきます。【戦前の十島村の人口約3500人に対して30%~45%の人口比を按分すると、大体±300人程度の誤差が生じることになりますが、『昭和55年10月1日の境域による各回国勢調査時の市区町村別人口 : 大正9年~昭和55年』でこの辺の按分を行っていないということは、島別の人口の情報がないんでしょうね。】

なお[80480]以前の投稿を含め、自分がアップしたファイルでは昭和21年に十島村全域が復帰したかのように記述していましたので、そこは要修正です。

[82230][82231][82232][82233] 88 さん オーナーグリグリ さん
現在の境域における過去の国勢調査人口を推計するという観点では、1980年国勢調査時点での情報をまとめた『昭和55年10月1日の境域による各回国勢調査時の市区町村別人口 : 大正9年~昭和55年』が利用できるので、1980年から2010年までの人口の異動を伴う境域変更を調べてまとめ、計算に利用しました。

しかしながら過去の人口異動を伴う境域変更が判明する時期は限られています。自分はこの件に関して特に意見表明をしていませんでしたが、確かに情報の整合性という点では問題があり、この点に関しては88さんの意見に賛同します。過去の人口異動を伴う境域変更に関しては情報源が1955年以降に限られることを銘記した上で雑学のページにまとめた方が良いかも知れません。
[82215] 2012年 11月 19日(月)00:30:22YT さん
日本最古の屋上観覧車
[82209] オーナーグリグリさん

自分はクイズが得意ではないので、クイズ企画にはあまり参加していないのですが、問1の問題が分かった時、5年程前に国登録有形文化財となったこちらを答えたくなりました。

現在では営業していませんが、こちらのサイトによると、毎週日曜日には動かしているようです。

観覧車は乗車できませんが、毎週日曜の正午と午後3時に各2回転動かしますよ。
このチャンスにぜひ記念撮影にきてね!
[82207] 2012年 11月 18日(日)17:17:15YT さん
昭和二十二年九月の水害
[82206] hmt さん

この水害に関しては栗橋という地名を記憶していたのですが、調べてみると これは濁流が最初に向かった町であり、決壊口そのものは 栗橋よりも少し上流、北埼玉郡東村(現・加須市)の 新川通 でした。

具体的な水害の方までは考えが及びませんでした。官報の方では「昭和二十二年九月の水害」と表記されていました。

私の父は当時都内の駒込に住んでいたので、リアルタイムでカスリーン台風の被害報道を知っているはずなのですが、「栗橋鉄橋に流木がどんどん引っかかり、やがて堤防が決壊」と記憶しているようです。もしかしたら当時の報道では栗橋鉄橋が流れを悪くした原因と何度も連呼されていたのではないでしょうか?

当時は厚木の中学に通学していた hmt は、関東地方とはいえ 被災地の様子を直接知ることはありませんでした。

私の父はカスリーン台風当時小学5年生ですので、hmt さんは私の父よりも数歳年上なんですね。ちょっと驚きました。
[82205] 2012年 11月 18日(日)06:19:17【3】YT さん
1940年~1950年の主要都市の人口変動
とりあえず市の人口については過去の人口がリストアップできるようになりました。
1940年~1950年という激動の時代の主要都市(町村は対象外で、当時の境域による)の一連のセンサス(国勢調査、臨時国勢調査、人口調査、常住人口調査)による人口変遷は以下の通りになります。順位は1940年10月1日における市の人口の順位です。特に1944年と1945年の間での人口落差が激しいので、その間の人口増加率(%、多くはマイナス)も掲載しました。

順位市名1940年1944年1945年1946年1947年1948年1950年44年/45年増加率
1東京市/特別区部6,778,8046,558,1612,777,0103,442,1064,177,5484,555,5655,385,071-57.66
2大阪市3,252,3402,833,3441,102,9591,293,5011,559,3101,690,0721,956,136-61.07
3名古屋市1,328,0841,344,100597,941719,382853,085915,7251,030,635-55.51
4京都市1,089,726964,466866,153914,655999,6601,040,1271,101,854-10.19
5横浜市968,0911,019,466624,994706,557814,379859,324951,189-38.69
6神戸市967,234918,032379,166443,344607,079644,217765,435-58.70
7広島市343,968336,483137,197171,902224,100246,134285,712-59.23
8福岡市306,763324,499252,282288,794328,548348,052392,649-22.25
9川崎市300,777380,919180,042210,157252,923277,903319,226-52.73
10八幡市261,309252,662151,378154,646167,829180,984210,051-40.09
11長崎市252,630270,113142,748174,141198,642208,644241,805-47.15
12呉市238,195293,632152,184170,285185,740188,949187,775-48.17
13仙台市223,630261,117238,250255,036293,816307,202341,685-8.76
14静岡市212,198211,666161,720182,058205,737220,284238,629-23.60
15札幌市206,103225,842220,139227,223259,602269,136313,850-2.53
16佐世保市205,989241,239147,617163,521175,233178,878194,453-38.81
17函館市203,862196,680181,531187,367211,441213,034228,994-7.70
18下関市196,022206,961155,623162,982176,666180,587193,572-24.81
19和歌山市195,203205,396147,523153,456171,800180,159191,337-28.18
20熊本市194,139211,011181,128206,016245,841252,547267,506-14.16
21横須賀市193,358298,132202,038249,702261,805268,587250,533-32.23
22鹿児島市190,257189,99193,698123,533170,416175,837229,462-50.68
23金沢市186,297193,560200,584207,287231,441237,350252,0173.63
24堺市182,147217,939168,348173,694194,048198,794213,688-22.75
25尼崎市181,011270,073153,051172,557233,183249,319279,264-43.33
26小倉市173,639184,230131,688149,047168,119176,322199,397-28.52
27岐阜市172,340174,676142,543148,637166,995174,891211,845-18.40
28浜松市166,346162,75481,497101,818125,767133,739152,028-49.93
29小樽市164,282151,905145,510150,611164,934169,700178,330-4.21
30岡山市163,552160,90292,862107,690140,631150,084162,904-42.29
31新潟市150,903177,289174,170184,246204,477210,830220,901-1.76
32豊橋市142,716141,220105,840115,226129,355135,131145,855-25.05
33門司市138,997135,48294,229101,540109,567113,414124,399-30.45
34布施市134,724132,402112,208123,082133,934140,615150,129-15.25
35富山市127,859160,537100,775113,968137,818144,229154,484-37.23
36大牟田市124,266179,574127,677144,177166,438179,687191,978-28.90
37徳島市119,581116,73480,68188,672103,320109,120121,416-30.88
38松山市117,534120,091117,396127,367147,967150,976163,859-2.24
39高松市111,207107,20272,65679,670101,403109,295124,545-32.23
40室蘭市107,628124,03491,17890,92396,722100,387110,443-26.49
41高知市106,644136,699111,630125,993147,120152,738161,640-18.34
42姫路市104,259102,35983,167175,734197,299200,668212,100-18.75
43西宮市103,774127,45790,80897,429108,893115,623126,783-28.75
44甲府市102,419105,00182,68587,195104,993109,022121,645-21.25
45宇部市100,680124,10982,76290,756108,728118,281128,569-33.32
46青森市99,065100,07756,65367,23490,82895,904106,417-43.39
47川口市97,11599,45097,709105,933116,007120,427124,783-1.75
48福井市94,59599,47745,55952,27877,32082,380100,691-54.20
49千葉市92,061110,13096,606106,420122,006125,134133,844-12.28
50久留米市89,49092,02075,77884,65590,99993,690100,997-17.65
51若松市88,90187,97668,19975,19678,69479,83289,574-22.48
52宇都宮市87,86890,14580,79088,07997,075100,468107,210-10.38
53旭川市87,51492,12089,62993,408107,508111,988123,238-2.70
54前橋市86,99785,00879,73281,40690,43294,12397,394-6.21
55桐生市86,08677,20585,18086,83691,48294,16795,53310.33
56戸畑市84,26082,73156,58560,82168,08371,74787,885-31.60
57岡崎市84,07380,07375,66677,54685,36189,92096,030-5.50
58日立市82,88584,69938,52543,37650,15952,44856,066-54.52
59盛岡市79,47890,38495,74899,114107,096111,889117,5785.93
60延岡市79,42672,56656,95464,35473,74277,88788,117-21.51
61大分市76,98580,00365,78174,13886,57088,34694,455-17.78
62長野市76,86177,66989,92389,90694,99398,075101,42615.78
63八戸市73,49477,90977,50680,95291,40594,315104,335-0.52
64松本市72,79570,24777,07779,13984,25885,75586,0059.72
65高崎市71,00271,03079,71282,58288,48391,00292,96412.22
66一宮市70,79266,38057,58858,44162,46064,94071,431-13.24
67山形市69,18479,18489,53191,84598,632101,048104,89113.07
68津市68,62574,39358,55461,11668,66271,57876,077-21.29
69清水市68,61777,56560,26868,89280,51583,29888,472-22.30
70大津市67,53265,99570,35772,00581,42684,11385,2516.61
71長岡市66,98767,12138,27443,47854,95861,35666,818-42.98
72宮崎市66,49779,32364,96877,16592,14498,642103,443-18.10
73水戸市66,29366,08249,49553,82461,41663,48667,163-25.10
74吹田市65,81263,92864,26667,66772,19774,67978,4150.53
75那覇市65,76566,36344,790
76別府市64,72467,26669,98983,80196,68594,38093,0334.05
77四日市市63,732114,25094,69698,819112,433118,682123,870-17.12
78釧路市63,18058,92850,65253,89361,42165,72193,357-14.04
79八王子市62,27977,47863,19265,85872,94775,67482,539-18.44
80秋田市61,79197,361101,009106,139116,300118,115126,0743.75
82浦和市59,67179,98793,87198,371106,176110,137115,01917.36
83高岡市59,434112,818121,574123,822133,858136,837142,0467.76
86市川市58,06069,71174,52284,85592,71995,091102,5066.90
88奈良市57,27360,21570,83470,73182,39978,36977,86617.64
92松江市55,50654,28254,03357,40162,13662,51774,018-0.46
93沼津市53,16557,33276,78282,25892,83896,235101,97633.93
99佐賀市50,40649,17952,94058,45564,97865,36766,8077.65
101鳥取市49,26145,44951,84853,15857,21858,34061,72114.08
106福島市48,28747,45647,04748,39686,76389,28493,435-0.86
112岸和田市46,48677,71585,12684,32988,65493,87198,8219.54
140山口市34,57937,03789,04291,50597,97589,64277,759140.41
158舞鶴市29,903103,69880,40785,28692,13987,95591,914-22.46
夕張市75,01074,66568,52382,12392,57799,530-0.46
大宮市69,93877,59482,43891,37895,465100,09310.95

[82204]のエクセルファイルの Gun-Shi シートをコピーし、「分類」の項目で並べ替えれば、市・郡の人口を抽出できるはずです。
[82204] 2012年 11月 18日(日)06:07:00【1】YT さん
明治31年~平成22年の都道府県・支庁・市区郡別人口の変遷のまとめ
市町村別人口をまとめる作業がかなり遅延状態だったので([80480])、とりあえず町村の人口は置いておき、郡の人口と市・区の人口だけを先にまとめることにしました。以下のサイトにエクセルファイルをアップしました。

http://touch.moe-lovers.net/up_ssize/download/1353185687.xls/attach

ダウンロードパスは Gun-Shi です。ファイルサイズは約1MBで、圧縮を掛けていません。またファイルにはコピー用とチェック用の計算シート(sum関数を使った合計による入力した数値のチェック)が含まれています。

参考資料は以下の通りで、28回分の人口調査、戸籍調査をまとめました。現時点では昭和19年の人口調査を除き、全てオンラインで市町村別人口を調べることができるようになっていますが、国勢調査以前の人口に関しては今でも印刷物の方でチェックしています。

明治31年明治36年明治41年大正2年大正7年調の『日本帝国人口静態統計』 (明治31年は『日本帝国人口統計』):『国勢調査以前日本人口統計集成』(東林書林)
・大正9年、大正14年、昭和5年、昭和10年、昭和15年の国勢調査:『戦前期国勢調査報告集』 (クレス出版)([80479][80480]参照)
・昭和19年人口調査、昭和20年人口調査、昭和21年の人口調査:『人口調査集計結果摘要』(総理府統計局) ([82196]参照)
・昭和22年臨時国勢調査:『昭和22年臨時国勢調査結果報告』(総理廳統計局編) ([80480]参照)
・昭和23年常住人口調査:『常住人口調査報告』(総理府統計局) ([82196]参照)
・昭和25年以降の国勢調査:各回の国勢調査報告の現物(総理府統計局)

また明治41年12月31日調と大正2年12月31日調人口に関しては、内務省内閣統計局調査の現住人口のほか、『明治四十一年十二月三十一日 日本帝国人口静態統計』『大正二年十二月三十一日 日本帝国人口静態統計』に掲載の警察署調査の現住人口についても別途まとめました。警察署調査現住人口は市別、郡別人口の内訳はあるものの、町村別人口の内訳は掲載されていないという点では問題ですが、警察署が交番毎に管轄調査した現住人口の方が、内閣統計局が計算して求めていた現住人口よりもより実態に近いと評価されているようです。

なお市区別・郡別人口でまとめるのであれば、明治30年以前の『日本帝国民籍戸口表』に記載されている市区別・郡別現住人口も追加してもよさそうに思えるかも知れませんが、区別現住人口の合計と市現住人口、あるいは市郡別現住人口の合計や支庁別現住人口と府県別現住人口が一致しないという不可解な現象があるので、今回は収録を見送りました。出入寄留者の人口の計算で同府県内の異動を排除とか、色々補正をしているんでしょうが、その詳細は不明です。

以上のほか:

●統計局の資料などでは北海道の支庁の人口は郡部のみを集計するが、今回は市部を含めて支庁として集計した。
『明治三十一年日本帝国人口統計』では現住人口総計45,402,359人となっているが、東京府管下伊豆七島中八丈島附属青ヶ島の現住人口(682人)の追加により、現住人口総計45,403,041人に修正。
『明治四十一年十二月三十一日 日本帝国人口静態統計』では現住人口総計51,741,853人となっているが、東京府管下伊豆七島中八丈島附属青ヶ島の現住人口(544人)の追加と三重県員弁郡大泉村の現住人口の改訂(1,495人→1,584人)により、現住人口総計51,742,486人に修正(『日本帝国第三十統計年鑑』参照)。
『明治四十一年十二月三十一日 日本帝国人口静態統計』『大正二年十二月三十一日 日本帝国人口静態統計』では勇払郡占冠村(明治41年:504人、大正2年:1,093人)は他の勇払郡所属町村と同様に室蘭支庁所属となっているが、上川支庁所属に修正。但し警察署調査現住人口の方は町村別人口の内訳が不明のため修正していない。
●昭和19年2月22日調人口調査:人口の不一致(392,607人)については[82202]参照。とりあえず東京府の特別区部を構成する特別区、武蔵野市、三鷹市、青梅市、府中市、昭島市、西多摩郡、北多摩郡の現在人口は、『昭和19年人口調査 集計結果摘要』(1977年)記載通りの儘として修正していない。
●昭和20年11月1日調人口調査:人口の不一致(1,627人)については[82196]参照。とりあえず市部・郡部別人口は補正前の現在人口の合計を示した。
●昭和35年10月1日調国勢調査:岡山県児島湾干拓第7区の常住人口(1,200人)は岡山県の常住人口に含めるが、市部・郡部別人口に含めない。また長野県西筑摩郡山口村と岐阜県中津川市の間の境界紛争地域の常住人口(73人)は長野県、岐阜県、市部、郡部別人口に含めないが、総計に含める。
[82202] 2012年 11月 17日(土)18:26:25【1】YT さん
昭和19年人口調査の結果摘要の問題点
日本で過去に実施されたセンサスである、国勢調査、臨時国勢調査、常住人口調査、人口調査のほとんどの市町村別人口をオンラインで閲覧可能であることが分かりましたが、唯一昭和19年の人口調査だけは官報にも掲載されず、オンラインで市町村別人口を閲覧することができません。現状では調査結果が印刷されている出版物は『昭和15年国勢調査 昭和19年人口調査 昭和20年人口調査 昭和21年人口調査 結果報告摘要』(1949年)と『昭和19年人口調査 集計結果摘要』(1977年)だけのようですが、その内市町村別人口の掲載があるのは後者だけです。ただしその調査人口にかなりの問題があります。昭和19年人口調査では、補正後の市部・郡部人口は不明で、補正された人口は都道府県別・男女別・年齢別(五歳階級)人口のみが公表されているようです。『昭和19年人口調査 集計結果摘要』(1977年)の「第1表 都道府県、市部郡部及び男女別人口」の総数(1), 2))と市部・郡部(3)に付けられた脚注によると:
1) 北海道根室支庁管内色丹村,東京都八丈支庁管内三根村・樫立村・中之郷村・末吉村・大賀郷村,大島支庁,三宅支庁及び沖縄県を含む。
2) 特別調査区域を含む。
3) 「総数」欄の地域の範囲(注記1)に対応する市部・郡部別の人口が不詳であるので,前記表章地域に合致するよう第2表から市町村を抜すいして合算した人口を,参考までに「市部」・「郡部」別に掲載した。

具体的に昭和19年人口調査における補正後と補正前の人口の違いは以下の通りで、樺太を除く全ての都道府県で人口補正が行われています。

都道府県総数(補正後)総数(補正前)市部(補正前)郡部(補正前)補正数(総数)
全国73,456,14173,063,53429,893,74443,169,790392,607
北海道3,256,1573,263,2691,030,1102,233,159-7,112
青森県1,009,1041,008,278229,020779,258826
岩手県1,104,0491,103,936166,370937,566113
宮城県1,275,8621,264,497328,332936,16511,365
秋田県1,048,7691,048,240137,336910,904529
山形県1,083,5691,083,535200,388883,14734
福島県1,599,3921,599,344181,2101,418,13448
茨城県1,656,6781,650,370191,0931,459,2776,308
栃木県1,203,6791,201,924210,763991,1611,755
群馬県1,319,5171,318,780273,7011,045,079737
埼玉県1,647,6251,643,892340,0381,303,8543,733
千葉県1,659,3451,652,007403,1451,248,8627,338
東京都7,271,0017,238,4696,856,473381,99632,532
神奈川県2,474,3542,409,7351,899,517510,21864,619
新潟県1,994,8171,994,001341,3271,652,674816
富山県819,614819,563273,355546,20851
石川県743,672742,933277,028465,905739
福井県621,933621,829130,021491,808104
山梨県634,897634,368105,001529,367529
長野県1,650,5111,649,550273,7861,375,764961
岐阜県1,266,0081,261,974296,761965,2134,034
静岡県2,027,8562,022,570605,0731,417,4975,286
愛知県3,280,2063,240,6611,817,0081,423,65339,545
三重県1,209,2661,200,917416,919783,9988,349
滋賀県691,972690,945144,880546,0651,027
京都府1,635,5281,616,0361,098,840517,19619,492
大阪府4,412,9534,396,6833,503,580893,10316,270
兵庫県3,224,3763,217,1591,672,7821,544,3777,217
奈良県606,789606,25960,215546,044530
和歌山県847,388847,033293,009554,024355
鳥取県476,284474,75292,443382,3091,532
島根県729,819729,307122,036607,271512
岡山県1,333,3001,331,817283,5901,048,2271,483
広島県1,962,9501,895,567778,0221,117,54567,383
山口県1,357,3681,337,984678,912659,07219,384
徳島県703,260702,580116,734585,846680
香川県713,134712,986163,354549,632148
愛媛県1,186,4911,185,771343,171842,600720
高知県693,053692,565136,699555,866488
福岡県3,066,4723,050,3951,494,3431,556,05216,077
佐賀県705,651705,35188,062617,289300
長崎県1,490,8901,444,546640,962803,58446,344
熊本県1,371,0051,369,749326,7381,043,0111,256
大分県973,707971,204257,663713,5412,503
宮崎県839,556838,612211,464627,148944
鹿児島県1,594,0091,589,502275,9921,313,5104,507
沖縄県590,480590,26484,327505,937216
樺太391,825391,82542,151349,6740

なぜか北海道だけ補正後人口が大幅に減っていますが、多分北海道の一部及び樺太の一部の地域では、それぞれ5月31日、6月30日の午前零時現在に人口調査が実施されたため、昭和19年2月22日零時現在の数字に揃えるための人口増加率に基づく補正が行われた結果、逆に推計人口が調査人口よりも減少したのだと思います。ただ樺太だけ補正前・補正後の人口が一致しているのは不自然で、おそらく樺太に関しては人口の補正作業を一切行っていないのでしょう。

それよりも一番の問題点は、昭和19年人口調査 集計結果摘要』(1977年)では、一部の地域で当時実際には存在しなかった境域で人口集計が行われている点です。例えば昭和19年の東京都の人口は、『昭和19年人口調査 集計結果摘要』(1977年)の「第2表 都道府県、市町村及び郡別人口」によると、
総数
東京都7,238,469
市部6,856,473
郡部381,996
特別区6,558,161
千代田区150,748
中央区188,871
港区291,997
新宿区359,601
文京区270,993
台東区403,420
墨田区438,114
江東区396,337
品川区395,770
目黒区202,533
大田区564,784
世田谷区303,473
渋谷区239,499
中野区216,724
杉並区259,746
豊島区302,057
北区341,552
荒川区334,380
板橋区271,226
足立区250,553
葛飾区181,574
江戸川区194,209
八王子市77,478
立川市51,624
武蔵野市54,249
三鷹市36,943
青梅市26,927
府中市30,003
昭島市21,088
西多摩郡82,585
東多摩郡104,682
北多摩郡163,432
大島16,151
三宅島5,519
八丈島9,627

しかしながら、1944年2月22日当時は武蔵野市、三鷹市、青梅市、府中市、昭島市は存在せず、また特別区部ではまだ22区(練馬区が直ぐに分離して23区)に統合されていません。1954年11月3日に成立した北多摩郡村山町の記述があり、1955年4月1日に市制が敷かれた調布市の項目がないことから、東京都に関しては1955年1月前後の境域によって1944年2月22日の人口が集計されてしまっている(但し分離した形の練馬区は例外)ことがわかります。

こうなってくると昭和19年人口調査結果の集計過程の非公式の冊子でも入手しない限り、当時の境域による東京都の市町村別人口を知るのは不可能です。国立公文書館のデジタルアーカイブで検索すると一般に公開されている

請求番号簿冊標題
分館-11-003-00・昭54総統00819100昭和19年・人口調査表・第1表~第6表(内地全体)
分館-11-003-00・昭54総統00820100昭和19年・人口調査表・第7表~第16表(内地全体)
分館-11-003-00・昭54総統00821100昭和19年・人口調査表・第17表~第19表(内地全体)
分館-11-003-00・昭54総統00822100昭和19年・人口調査表・第20表~第22表(内地全体)
分館-11-003-00・昭54総統00823100昭和19年・人口調査表・第23表~第25表(内地全体)
分館-11-003-00・昭54総統00824100昭和19年・人口調査表・別表(内地全体~沖縄県)
分館-11-003-00・昭54総統00825100昭和19年・人口調査表・別表(北海道~岐阜県)
分館-11-003-00・昭54総統00826100昭和19年・人口調査表・別表(静岡県~樺太)
分館-11-003-00・昭54総統00827100昭和19年・人口調査表・別表(香川県)

が該当するようですが、残念ながら画像化されていません。これらは都内の国立公文書館には所蔵されておらず、筑波の分館に所蔵されており、公開されているとはいえなかなか中身の確認が大変のようです。
[82196] 2012年 11月 17日(土)15:35:12【2】YT さん
昭和20年11月1日調人口調査における補正人口
ところで昭和22年10月1日付の臨時人口調査の前後に、銃後の産業・生活の把握や配給制度の実施のため、昭和19年2月22日、昭和20年11月1日、昭和21年4月26日付で人口調査が、昭和23年8月1日付で常住人口調査が実施されています。国勢調査という看板を掲げていないこれら4回のセンサスの内、昭和20年の人口調査の情報については以前[76192]でむっくんさんにより国立公文書館のサイトが紹介されましたが、昭和20年11月1日、昭和21年4月26日の人口調査、昭和23年8月1日の常住人口調査については官報で正式に調査結果の報告が告示されていることが分かりました。以下リンクをまとめます。

1.昭和20年人口調査の結果による昭和20年11月1日現在の都道府県郡島嶼市区町村別人口
1945年11月26日(郡市区別人口)
1946年01月12日
1946年01月17日
1946年01月21日
1946年01月22日
1946年01月23日
1946年01月24日
1946年02月06日
1946年02月08日
1946年02月09日
1946年02月13日

2.昭和21年人口調査の結果による昭和21年4月26日現在の都道府県郡島嶼市区町村別人口
1946年07月25日
1946年07月26日
1946年07月27日
1946年08月12日
1946年08月14日
1946年08月15日
1946年08月16日
1946年08月17日
1946年08月19日

3.昭和23年常住人口調査の結果による昭和23年8月1日現在の都道府県郡島嶼市区町村別人口

1948年11月25日
1948年12月07日
1948年12月18日

この内、昭和20年の人口調査に関しては、官報によると総数71,996,477人となっていますが、総務省統計局の『昭和15年国勢調査 昭和19年人口調査 昭和20年人口調査 昭和21年人口調査 結果報告摘要』(1949年)および『昭和20年人口調査 集計結果摘要』(1977年)では総数71,998,104人となっており、1627人ほど増えています。『昭和20年人口調査 人口調査集計結果摘要』(1977年)によると、
・第1表 都道府県、市部郡部及び男女別人口
では総人口71,998,104人を採用していますが、
・第2表 都道府県別、市町村及び男女別人口
では官報のままの数字を採用し、
 第2表の次の府県の人口は,報告もれ等の人口を除く人口である。
 宮城県,秋田県,茨城県,埼玉県,千葉県,長野県,静岡県,
 愛知県,京都府,山口県,香川県,熊本県
とう備考が記されています。残念ながらこれだけではどの郡市区町村に補正が入ったのかが不明ですが、第1表の市部郡部別人口(補正後人口)と第2表の市部郡部別人口(官報の数字と同じ補正前人口)を比べると、市部と郡部にどの程度の補正が入ったのかは計算できます。

都道府県総数(補正後)市部(補正後)郡部(補正後)総数(補正前)市部(補正前)郡部(補正前)補正数(総数)補正数(市部)補正数(郡部)
全国71,998,10420,022,33351,975,77171,996,47720,021,21651,975,2611,6271,117510
宮城県1,462,254308,8931,153,3611,461,316308,1151,153,201938778160
秋田県1,211,871143,4651,068,4061,211,962143,4651,068,497-910-91
茨城県1,944,344131,6851,812,6591,944,573131,6851,812,888-2290-229
埼玉県2,047,261372,8391,674,4222,047,090372,8391,674,2511710171
千葉県1,966,862406,8371,560,0251,966,873406,8371,560,036-110-11
長野県2,121,050312,5861,808,4642,120,950312,4861,808,4641001000
静岡県2,220,358492,5961,727,7622,220,358492,5961,727,762000
愛知県2,857,8511,034,1501,823,7012,857,3381,033,8621,823,476513288225
京都府1,603,796982,306621,4901,603,797982,306621,491-10-1
山口県1,356,491652,512703,9791,356,540652,561703,979-49-490
香川県863,700139,797723,903863,553139,797723,7561470147
熊本県1,556,490298,9441,257,5461,556,351298,9441,257,4071390139

備考の説明にも関わらず静岡県には補正前と補正後で数字の違いが認められません。もしかしたら市別・町村別人口レベルで合計の人口が差引ゼロとなるような集計の誤りがあったのかも知れません。
[82194] 2012年 11月 17日(土)15:19:37【1】YT さん
昭和22年の臨時国勢調査における「町村に配分せられない水害地の調査洩れ数」の扱いについて
『昭和55年10月1日の境域による各回国勢調査時の市区町村別人口 : 大正9年~昭和55年』では、昭和22年の臨時国勢調査人口における宮城県、栃木県、埼玉県の総人口は、「水害により調査を延期した地域における調査洩れの補正人口」を含み、市町村別人口の合計と一致しません。ところが改めて、昭和22年臨時国勢調査結果報告を読んだところ、水害によって調査を延期した地域には、東京都も含まれていました。

(註)水害によって調査を延期した地域は
1.東京都 足立区、葛飾区、江戸川区の三区
2.埼玉県 北葛飾郡の全域、南埼玉郡の内桜井村、新方村、増林村、八条村、潮止村、須賀村、鷲宮村の8カ村、北埼玉郡の内利島村、川辺村、東村、原道村、元和村、豊野村の6カ村
3.栃木県 下都賀郡の内生井村、部屋村の2カ村、足利郡の内毛野村、山前村、小俣村、山辺町の4カ町村
4.宮城県 玉造郡、栗原郡、登米郡、本吉郡の4郡全域
であって昭和22年12月中旬に、この地域に於ける100分の1の世帯を選び、此の世帯について調査洩れの抽出調査を行った結果3,109の調査洩れがあったことが推定せられた。この補正数を地域別に示せば次表の如くである。

都道府県郡区追加補正数補正後の人口
東京都足立区87233,217
東京都葛飾区407181,966
東京都江戸川区1,683173,422
東京都2,177588,605
埼玉県北埼玉郡5320,116
埼玉県南埼玉郡8431,894
埼玉県北葛飾郡321121,980
458173,990
栃木県下都賀郡6010,602
栃木県足利郡20736,227
26746,829
宮城県玉造郡2140,834
宮城県栗原郡71136,466
宮城県登米郡60116,045
宮城県本吉郡55106,359
207399,704
合計3,1091,209,128

なお南埼玉郡「8カ村」とありますが、文章中にはどうみても7カ村しか掲載されていません。ただ内訳が記されている地域の場合、上の表における「郡」の人口は該当する町村の人口の合計を示しているようです。実際に計算してみると、八幡村4278人に相当する人口が合計から不足しているので、残る一つは八幡村と思われます(【と思ったら、正誤表で訂正されており、確定です】)。また栃木県足利郡「小俣村」とありますが、昭和22年の時点では既に町になっています。内訳が示されている地域の人口を計算すると、以下の通りです。

埼玉県南埼玉郡桜井村2,978
埼玉県南埼玉郡新方村2,588
埼玉県南埼玉郡増林村4,837
埼玉県南埼玉郡八条村3,965
埼玉県南埼玉郡八幡村4,278
埼玉県南埼玉郡潮止村4,348
埼玉県南埼玉郡須賀村4,005
埼玉県南埼玉郡鷲宮村4,811
埼玉県南埼玉郡8村合計31,810
埼玉県南埼玉郡町村に配分し得ない調査洩れ84
埼玉県南埼玉郡8村合計(補正後)31,894
埼玉県南埼玉郡郡全域(補正後)200,729
埼玉県北埼玉郡利島村4,679
埼玉県北埼玉郡川辺村3,585
埼玉県北埼玉郡東村2,619
埼玉県北埼玉郡原道村2,803
埼玉県北埼玉郡元和村2,761
埼玉県北埼玉郡豊野村3,616
埼玉県北埼玉郡6村合計20,063
埼玉県北埼玉郡町村に配分し得ない調査洩れ53
埼玉県北埼玉郡6村合計(補正後)20,116
埼玉県北埼玉郡郡全域(補正後)202,003
栃木県下都賀郡生井村4,338
栃木県下都賀郡部屋村6,204
栃木県下都賀郡2村合計10,542
栃木県下都賀郡町村に配分し得ない調査洩れ60
栃木県下都賀郡2村合計(補正後)10,602
栃木県下都賀郡郡全域(補正後)247,744
栃木県足利郡毛野村10,072
栃木県足利郡山前村6,199
栃木県足利郡小俣町6,646
栃木県足利郡山辺町13,103
栃木県足利郡4町村合計36,020
栃木県足利郡町村に配分し得ない調査洩れ207
栃木県足利郡4町村合計(補正後)36,227
栃木県足利郡郡全域(補正後)98,348

なおこれら4都道府県の臨時国勢調査の結果は1948年3月24日付の官報にも掲載されていますが、
但し、右の調査洩れ人口は、地域町村は配分せず一括して郡末尾に「町村に配分し得ない調査洩れ」として掲げた。
との註があるにも関わらず、この段階で東京都足立区、葛飾区、江戸川区には調査洩れ人口が最初から区別に配分されています。実際の補正人口はそれぞれの地域におけるサンプリングの人口変動比から計算しているようなので、東京都を除く宮城県、栃木県、埼玉県のこれらの「町村に配分せられない水害地の調査洩れ数」も単純な按分処理により当時の境域における人口に割り振って問題ないようですが、

●昭和22年の臨時国勢調査における「町村に配分せられない水害地の調査洩れ数」
 → 『昭和55年10月1日の境域による各回国勢調査時の市区町村別人口』では三県の調査洩れ数を除外しているが、これらについても按分して計算し直すべきか
●昭和15年以前の十島村・三島村の人口の扱い
 → 『昭和55年10月1日の境域による各回国勢調査時の市区町村別人口』では三島村の人口をゼロとし、すべて十島村の人口に割り振っているが、昭和30年の十島村・三島村の人口比で按分して計算し直すべきか
●昭和35年の長野県西筑摩郡山口村と岐阜県中津川市の間の境界紛争地域(73人)
 → 『昭和55年10月1日の境域による各回国勢調査時の市区町村別人口』では境界紛争地域の人口を除外しているが、最終的に山口村は中津川市に越境編入しており、この73人も現在の中津川市境域内の人口に加算するべきか

この辺の扱いについては『昭和55年10月1日の境域による各回国勢調査時の市区町村別人口』に従った方がいいのかも知れませんが、昭和22年以降のこれら地域の境域変動を調べた上で、これらの人口を按分した推計人口を改めて試算してみようと思います。
[82021] 2012年 10月 29日(月)12:15:54【4】YT さん
相模原、町田市の人口の訂正
[82020]の説明について、改めて以前送付したエクセルファイルの中身をチェックしたところ、平成17年~22年の間の人口修正について、説明と違うことを行っていたので、修正します。

大正9年の人口で町田市の人口の計算過程を見ると、昭和55年の境域における大正9年の町田市の人口は23,585人。
(2)の修正により、23,585 + 7,170×6/167,935 ≒ 23,585 人 (変化なし)
(4)の修正により、23,585×(360,525 - 3)/360,525 ≒ 23,585 人 (変化なし)
(6)の修正により、23,585 + 27,016×42/605,561 ≒ 23,587 人
(8)の修正により、相模原市の人口が合併後境域に
(9)の修正により、23,587 + 10/701,630×58,101 ≒ 23,588 人

ところが改めて自分が送付したデータを確認したところ、(8) 相模原市の合併処理を、(9) 町田市と相模原市の間の境域変更の後に行っていました。すなわち

23,587 + 10/628,698×27,014 ≒ 23,587 人 (変化なし)

と、(9)の修正に際し、平成17年の国勢調査の境域による旧相模原市の人口で按分計算をしていました。よって[82006]で計算し直した貝塚市のケースに加え、このケースでも相模原市、町田市の人口を修正する必要があります。

送付した町田市、相模原市の平成22年国勢調査時境域による人口はD'、E'の通りで、正しい処理をした町田市、相模原市の平成22年国勢調査時境域による人口はD、Eの通りです。計算上は結局のところ±1人の差しか生じませんが。

番号ABCD'E'DED-D'
町田市相模原市相模原市町田市相模原市町田市相模原市人口差
備考平17境域平17境域合併直後境域誤修正誤修正正修正正修正
大正923,58727,01458,10123,58758,10123,58858,1001
大正1424,66928,17459,05424,66959,05424,67059,0531
昭和526,63130,04560,80426,63160,80426,63260,8031
昭和1027,60730,46260,99427,60760,99427,60860,9931
昭和1531,97537,87168,78431,97668,78331,97668,7830
昭和2250,31361,530100,24650,314100,24550,314100,2450
昭和2552,41468,893106,82252,415106,82152,416106,8201
昭和3058,26283,835120,81358,263120,81258,264120,8111
昭和3571,170101,649137,10871,172137,10671,172137,1060
昭和40115,757163,371200,758115,760200,755115,760200,7550
昭和45202,520278,309317,280202,524317,276202,525317,2751
昭和50255,334377,374421,967255,340421,961255,340421,9610
昭和55295,439439,272494,227295,446494,220295,446494,2200
昭和60321,218482,748546,487321,226546,479321,226546,4790
平成2349,084531,508602,402349,092602,394349,093602,3931
平成7360,562570,560646,476360,571646,467360,571646,4670
平成12377,536605,519681,108377,546681,098377,546681,0980
平成17405,534628,698701,630405,544701,620405,544701,6200
平成22426,987717,544426,987717,5440

ただ、実際の相模原市と町田市の境域変更は多分旧相模原市内が対象なので、先の計算結果も一概に誤りとは言えない気もしますが・・・

同じように合併と境域変更の順序を間違っているケースがないか、後でチェックし直します。

【追記】合併と境域変更が国勢調査の間の5年間で起こっているケースは、1980年10月2日~2010年10月1日の間で6例しかありません。

越谷市と春日部市のケースでは、境域変更後に合併の処理。
小県郡丸子町と小県郡東部町のケースでは境域変更後に合併の処理。
本巣郡穂積町と本巣郡穂積町のケースでは境域変更後に合併の処理。
伊勢市と度会郡玉城町のケースでは、合併後に境域変更として処理。

ということでこれらの処理には問題ありません。

太田市と深谷市のケースでは、合併後に境域変更が行われれたにも関わらず、境域変更が先にあったような処理をしていました。ただ合併したのは深谷市側であり、異動地域の推計人口は深谷市側へ人口異動が起こった太田市側の人口にのみ依存するので、結果としてこのケースでも計算間違いは生じませんでした。

よって現時点で修正が必要なのは、上の町田市と相模原市のケースと、[82005][82006]で二つの人口異動があることが判明した貝塚市と岸和田市のケースだけです。

[82006]のデータを作成した段階では1980年~2005年分についてはちゃんと合併と境域変更の順番をチェックしていましたが、2005年以降については境域変更日時の情報を整理していなかったため、こういう間違いをおかしてしまったようです。
[82020] 2012年 10月 28日(日)21:34:04【3】YT さん
境域変動と合併の計算について
[82019] オーナー グリグリさん

これはT年の国勢調査時の境域における補正と考えてよいですね。

[81974]の文章を書いた時、直前の国勢調査時の組替人口が生データと考えて文章を書いたのですが、[82014]に書かれているように、実際には境域変更前後で確認された人口異動と推計人口を元に、直前の国勢調査組替人口を計算するという作業があったりと、直前の国勢調査時の組替人口が生データではない可能性もあるのですね。

それはともかくとして、[81974]の文章を書いた時点では、t年というのは境域変更が行われる直前のT年の国勢調査を含め、境域変更以前の全ての国勢調査年を意味し、全部同じ補正を行うという意味で書きました。t = Tの時は、

A'(T) = A(T)*(A(T) - ΔA(T))/A(T) + B(T)*ΔB(T)/B(T) = A(T) - ΔA(T) + ΔB(T)

B'(T) = A(t)*ΔA(T)/A(T) + B(T)*(B(T) - ΔB(T))/B(T) = B(T) - ΔB(T) + ΔA(T)

という当たり前の式になります。

境域補正前後の異動人口と推計人口が分かっていて、それをT年の人口とするとしても、t年はそのT年推計人口を含めた過去全ての国勢調査で成立し、全ての補正前人口に対して同じように修正作業をする必要があります。

T年以外の境域に関しては、T年の境域における補正を実施した人口に対して、合併による通常の人口組替を行う必要があると考えてよいですね。言い換えると、国勢調査年毎に5年分の境界変更に伴う人口補正を行い、次の国勢調査年の境域での組替えを行った上で次の5年分の境界変更に伴う人口補正を行い、これを繰り返す。間違っていないでしょうか。

一回の境域変更に対しては、同じ人口異動の計算を過去全ての国勢調査時の人口に対して行うことになります。わざわざA(t)やB(t)のことを国勢調査人口と呼ばずに、「補正前人口」と呼んだのは、境域変更の度に人口補正が行われているからで、今回の人口組替のほか、合併や分割などの人口異動はすべて、その度ごとに過去の人口を修正することとなります。今回の人口修正のデータの出発は『昭和55年10月1日の境域による各回国勢調査時の市区町村別人口 : 大正9年~昭和55年』ですが、これは既に昭和55年以前の境域変更が行われていると仮定して、その詳細を検討していません。昭和55年以降に1回の境域変更が行われたケース(例えば貝塚市と岸和田市の[82006])であれば、その一回の境域変更により、境域変更前全てのデータの書き換えを行う作業を一回行うことになります。

もっと複雑な町田市、大和市、相模原市のケースですと、

(1) まず町田市、大和市、相模原市、城山町、津久井町、相模原町、藤野町に関して、昭和55年(1980年)10月1日の境域による昭和55年以前の13回分の国勢調査時の市町別人口を用意する。
(2) 1985年2月1日の境域変動に関する昭和55年国勢調査時異動人口(大和市から町田市に6人)を元に、昭和55年以前の大和市と町田市の人口を13回分全て修正する。正しい式で変換すると、修正後の昭和55年の人口が昭和60年の国勢調査における昭和55年の組換人口になっていることが確認できる。【境域変更に関する1度目の修正】
(3) 昭和60年~平成7年の各回国勢調査人口を各市町村の人口データとして(2)で修正したデータに追加する。これで各市町の人口データは平成7年国勢調査時境域のものとして16回分揃う。
(4) 1999年12月1日の境域変動に関する平成7年国勢調査時異動人口(町田市から相模原市に3人)を元に、平成7年以前の相模原市と町田市の人口を全て修正する。正しい式で変換すると、修正後の平成7年の人口が平成12年の国勢調査における平成7年の組換人口になっていることが確認できる。【境域変更に関する2度目の修正】
(5) 平成12年国勢調査人口を各市町村の人口データとして(4)で修正したデータに追加する。これで各市町の人口データは平成12年国勢調査時境域のものとして17回分揃う。
(6) 2004年12月1日の境域変動に関する平成12年国勢調査時異動人口(相模原市から町田市に42人)を元に、平成12年以前の相模原市と町田市の人口を全て修正する。正しい式で変換すると、修正後の平成12年の人口が平成17年の国勢調査における平成12年の組換人口になっていることが確認できる。【境域変更に関する3度目の修正】
(7) 平成17年国勢調査人口を各市町村の人口データとして(6)で修正したデータに追加する。これで各市町の人口データは平成17年国勢調査時境域のものとして18回分揃う。
(8) 2006年8月20日と2007年3月11日の編入を反映させるため、平成17年以前の相模原市の人口に平成17年以前の城山・津久井・相模原・藤野町の人口を加算し、修正する。【合併に伴う修正】
(9) 2007年12月1日の境域変動に関する平成17年国勢調査時異動人口(相模原市から町田市に10人)を元に、平成17年以前の相模原市と町田市の人口を全て修正する。正しい式で変換すると、修正後の平成17年の人口が平成22年の国勢調査における平成17年の組換人口になっていることが確認できる。【境域変更に関する4度目の修正】
(10) 最後に平成22年国勢調査人口を(8),(9)で修正したデータに追加する。これで各市町の人口データは平成22年国勢調査時境域のものとして19回分揃う。

ということで、町田市、大和市、相模原市に関して合併の影響をも考慮しながら2010年10月1日の境域に一致するように過去の人口を修正・推計することとなります。

もちろん[82007]で白桃さんが危惧されているように、境域変更部分についてもっと詳しい情報があれば、推計方法も違うものになります。

というわけで[82006]で送りましたデータは、大部分は合併のみを考慮すれば良く、まず境域異動を無視し、合併オンリーで修正データを作った後、境域変動があった地域については別個に合併の部分を含めて再計算を実施しています。

異動の計算に使った数字は国勢調査時の組替異動人口で、太田市や稲沢市のように境域変更前後の人口が公表されいるのであれば、その人口を修正に使った方がいいかも知れません(が、さすがにこの影響は±1人に留まるはずです)。ただ1980年10月2日以降の全ての境域変動時の人口異動の情報を集めるのはちょっと難しい気がしますし、計算の出発の時点で昭和55年以前の数字に既に施されいてる人口修正の中身のチェックに手をつけていないので、将来的に2010年10月2日以降の境域異動に伴う人口修正を行わない限り、国勢調査時の組替異動人口からの計算で充分だと思います。

【訂正】町田市、大和市、相模原市の人口修正の過程について、実際に修正を行った期間の説明に誤りがあったので、より詳しい説明を加えて訂正します。
【追記】以前送付したエクセルファイル中で行った平成17年~22年の間の人口修正について、上の説明と違うことを行っていたので、別途記事にします。
[82006] 2012年 10月 25日(木)20:43:49【5】YT さん
貝塚市と岸和田市の平成22年境域内推計人口を求める二通りの方法
貝塚市と岸和田市の過去の人口推計方法について稿を改めて説明します。

貝塚市、岸和田市の昭和55年10月1日の境域(平成17年10月1日の境域とも同じ)による国勢調査・推計人口、平成22年10月1日の境域による国勢調査・推計人口は以下の通りです。推計の起点となるのは平成17年の組替え人口で、貝塚市から岸和田市への実質的な人口異動の差である、47人のみを考慮するのか、それとも双方の人口異動(貝塚市から岸和田市へ174人、岸和田市から貝塚市へ127人)を考慮するのかによって、過去に遡っての平成22年境域人口の推計値に変化が生じます。

市名貝塚市岸和田市貝塚市岸和田市貝塚市岸和田市
境域昭55昭55平22平22平22平22
人口異動貝塚市→岸和田市貝塚市→岸和田市貝塚市⇔岸和田市貝塚市⇔岸和田市
大924,76860,76124,75560,77424,75960,770+4
大1429,37568,64029,36068,65529,36268,653+2
昭531,32074,08031,30474,09631,30674,094+2
昭1040,50782,84840,48682,86940,48182,874-5
昭1542,79783,70442,77583,72642,76783,734-8
昭2247,12991,53147,10491,55647,09691,564-8
昭2553,58698,82153,55898,84953,54598,862-13
昭3056,166107,64056,137107,66956,126107,680-11
昭3561,067120,26561,035120,29761,025120,307-10
昭4069,365143,71069,329143,74669,322143,753-7
昭4573,366162,02273,328162,06073,327162,061-1
昭5079,506174,95279,465174,99379,463174,995-2
昭5581,162180,31781,120180,35981,120180,3590
昭6079,591185,73179,550185,77279,555185,767+5
平279,234188,56379,193188,60479,200188,597+7
平784,653194,81884,609194,86284,613194,858+4
平1288,523200,10488,477200,15088,479200,148+2
平1790,314201,00090,267201,04790,267201,047
平2290,519199,23490,519199,234

まず、【貝塚市→岸和田市】という、人口異動差のみを考慮した場合、貝塚市の平成22年境域人口は、貝塚市の昭和55年境域人口に(90,314 - 47)/90,314を乗じた値となり、一方の岸和田市の平成22年境域人口は、貝塚市の昭和55年境域人口に47/90,314を乗じた値に、岸和田市の昭和55年領域人口を加えた値となります。

例えば大正9年の平成22年境域内人口は
貝塚市:24,768×(90,314 - 47)/90,314 = 24,755.110... ≒ 24,755
岸和田市:60,761 + 24,768×47/90,314 = 60,773.889... ≒ 60,774

一方【貝塚市⇔岸和田市】の間の相互の人口異動を考慮した場合、貝塚市の昭和55年領域人口の内、(90,314 - 174)/90,314は貝塚市の平成22年境域人口分で174/90,314は岸和田市の平成22年境域人口分となります。一方岸和田市の昭和55年領域人口の内、(201,000-127)/201,000は岸和田市の平成22年境域人口分で127/201,000は貝塚市の平成22年境域人口分と考えるのです。

つまり貝塚市の平成22年境域人口は、貝塚市の昭和55年境域人口に(90,314 - 174)/90,314を乗じた値と、岸和田市の昭和55年境域人口に127/201,000を乗じた値を足した数字となります。同様に岸和田市の平成22年境域人口は、貝塚市の昭和55年境域人口に174/90,314を乗じた値と、岸和田市の昭和55年境域人口に(201,000 - 127)/201,000を乗じた値を足した数字となります。


例えば大正9年の平成22年境域内人口は
貝塚市:24,768×(90,314 - 174)/90,314 + 60,761×127/201,000 = 24,758.672... ≒ 24,759
岸和田市:24,768×174/90,314 + 60,761×(201,000 - 127)/201,000 = 60,770.327.. ≒ 60.770

というわけでこのケースの場合、両者の推計人口は最大で13人の差(昭和25年)が生じます。

私個人としては、統計局が採用している按分方法は後半の通りだと解釈していますが、どうでしょうか?
[82005] 2012年 10月 25日(木)16:46:18【7】YT さん
市区町村の境界変更一覧(平成17年10月2日~平成22年10月1日)
[82001] オーナー グリグリさん
国勢調査人口比較における人口異動を伴う組替え要因と人口組替ページにリストアップした2005年から2010年の人口異動を伴う境界変更の一覧は、差引異動人口から割り出していますので、差引0の人口異動を伴う境界変更が隠れている可能性があります。[81921]に書いたように平成26年6月に刊行予定の平成22年国勢調査最終報告書を見れば正確なところが明らかになります。

[81966]にて
一方最新の平成22年分の国勢調査報告書第1巻の方は既に然るべき図書館に納められておりますが、統廃合の情報は載っているものの、残念ながら境界変更情報(都道府県の境界変更情報は残っている)が無くなっております。もしかしたら今後作成される他の冊子に収録されるのかも知れませんが。
と書きましたが、先ほど改めて『平成22年 国勢調査報告 第二巻 人口等基本集計結果 その2 都道府県・市区町村編』の方を閲覧したところ、市区町村の境界変更一覧(平成17年10月2日~平成22年10月1日)が載っておりました。人口異動を伴う境界変更は以下の通りですが、市区町村変遷情報掲載の日時と異なる日時が一部挙げられていました(【追記】仙台市泉区ではなくて仙台市宮城野区です【←と思ったら、『境界変更一覧』の方では多賀城市の一部(28人)を仙台市泉区に編入となっていますね・・・2010年と2005年の国勢調査人口を比較すると、2005年の宮城野区の人口で組み換えによる増加があるようなので、下の表では宮城野区の方を採用していますが、これも再チェックが必要かも知れません】)。

年月日異動地域異動人口コード市町村名平成17年人口組替人口異動人口
2006.7.102201 to 0236112202201青森市311,508311,386-122
02361南津軽郡藤崎町16,49516,617122
2009.4.1.04209 to 041022804209多賀城市62,74562,717-28
04102仙台市宮城野区182,678182,70628
2010.3.110205 to 1121813910205太田市213,299213,160-139
11218+11405+11406+11407深谷市146,461146,600139
2007.12.114209 to 132091014209+14421+14422+14423+14424相模原市701,630701,620-10
13209町田市405,534405,54410
2006.4.124461 to 242035724461度会郡玉城町14,88814,831-57
24203+24462+24463+24468伊勢市134,973135,03057
2007.1.127208 to 2720217427208貝塚市90,31490,267-47
2007.8.127202 to 2720812727202岸和田市201,000201,04747
2006.6.127231 to 272149727231大阪狭山市58,20858,111-97
27214富田林市123,837123,93497

上九一色村については「市区町村の変更情報」として別項目で扱われ、「分村:梯・古関」が甲府市に編入、「分村:富士ケ峰・本栖・精進」が南都留郡富士河口湖町に編入と記載されておりました。

以上より、[81975]で入力した人口情報の内貝塚市・岸和田市については、相互の異動を考慮して計算する場合には再計算が必要となりますが、人口の異動の差だけで計算するか、相互の異動を考慮するかで平成12年以前の推計人口に最大で13人(昭和25年)の差が生じます。

なお[81968]
(政令指定都市や東京特別区部の区に関しては『昭和55年10月1日の境域による各回国勢調査時の市区町村別人口』でのデータも不完全なので省略)
と書きましたが、よくよく見ると特別区部に関しては大正9年まで按分データが遡れていることに気付きました。1980年10月1日以降の特別区部内の人口の異動を伴う境域変更は、多分1982年11月5日付で境界未定地域(1980年に37人)が江東区4人(362,270→362,274)、港区33人(201,257→201,290)に分割されたくらいです。そうなってくると、1970年~1980年の特別区部内の境界未定地域の人口(1970年:38人、1975年:125人、1980年:37人)をどう扱うかさえコンセンサスが得られれば、特別区部に限り区の人口に分割することも可能となるでしょう。

政令指定都市では、京都市、大阪市、名古屋市、北九州市なども大正9年まで区のデータが揃っていますが、まあ他の政令都市は分割による区の増加などにより、区別の人口データが対応できていないようです。

【追記】上記1970年~1980年の東京特別区部内の境界未定地域の人口は、1980年10月1日現在の境界未定地域に関する人口のようです。実際の1970年国勢調査における境界未定地域の人口は763人、1975年国勢調査における境界未定地域の人口は332人です。1979年4月25日にこの332人分は全て品川区所属となりますが、1979年10月1日付で旧江東区の一部が新たに境界未定地域(125人: 335,382→335,257)となり、これが1980年国勢調査の37人分に相当する地域です。よって境界未定地域の人口を以下のように港区と江東区で分割すれば解決です。
昭45昭50昭55
境界未定地域(昭和55年10月1日境域)3812537
港区分3411133
江東区分4144
港区(昭和55年10月1日境域)223,978209,492201,257
江東区(昭和55年10月1日境域)355,835355,257362,270
港区(按分後)224,012209,603201,290
江東区(按分後)355,839355,271362,274

【貝塚市と岸和田市の人口推計については稿を改めます】
[81998] 2012年 10月 24日(水)18:34:39【2】YT さん
九州の人口変遷情報の訂正
以前[80480]で投稿した明治31年以降の北海道、九州、沖縄県の市町村別人口の変遷をまとめたエクセルファイルですが、最近になって4箇所(全体では13箇所)人口が間違っていることに気付きました。

何れ情報を追加するであろう次回の改訂で修正しますが、以下の人口が間違っておりました。

調査日時地域修正前修正後
1935年10月1日福岡県2,755,8942,755,804-90
1935年10月1日福岡県市部1,153,4891,153,399-90
1935年10月1日福岡県戸畑市67,89067,800-90
1930年10月1日熊本県1,354,0001,354,993-7
1930年10月1日熊本県市部164,467164,460-7
1930年10月1日熊本市164,467164,460-7
1955年10月1日大分県1,277,2991,277,199-100
1955年10月1日大分県市部611,206611,106-100
1955年10月1日大分県豊後高田市30,70830,608-100
1947年10月1日宮崎県1,025,6691,025,689+20
1947年10月1日宮崎県郡部788,162788,182+20
1947年10月1日宮崎県南那珂郡119,977119,997+20
1947年10月1日宮崎県南那珂郡大束村8,0398,059+20

わざわざこの手の打ち間違いに気付くように、全体の人口集計、市別・郡別集計、郡別集計と、多重のチェックをしていた筈なのですが、どういうわけか差の数字の90人、7人、100人、20人をことごとく見落としていたようです。【と書き込んだ直後に大分県の数字の書き込み間違いを見つけたので、再修正】
[81975] 2012年 10月 18日(木)14:22:21【2】YT さん
2010年10月1日の境域による1920、1935、1950、1965、1980、1995、2010年の市町村別人口
とりあえず、1920年10月1日の人口10万人以上、2010年10月1日の人口45万人以上の諸都市、県庁所在地に関し、平成22年10月1日の境域による15年毎の市町村別人口と90年間の人口増加率をまとめると以下の通りです。

どちらかというと昭和・平成の大合併の影響の方で見慣れない都市が上位に来ています。

市町村順位1920年1935年1950年1965年1980年1995年2010年人口増加率(%)
特別区部13,358,5305,896,0085,385,0718,893,0948,351,8937,967,6148,945,695166.4
大阪市21,786,6333,022,4462,015,3503,156,2222,648,1802,602,4212,665,31449.2
神戸市3746,5341,058,033820,9561,216,6141,367,3901,423,7921,544,200106.8
京都市4736,4621,117,4391,130,1851,374,1591,480,3771,470,9021,474,015100.1
名古屋市5677,4521,182,8371,157,2631,935,4302,087,9022,152,1842,263,894234.2
横浜市6579,448796,579951,1861,788,9072,773,6743,307,1363,688,773536.6
北九州市7433,325669,392736,8951,042,6881,065,0781,019,598976,846125.4
新潟市8332,572402,102538,330603,733730,733796,456811,901144.1
浜松市9321,570418,865494,296598,076698,982766,832800,866149.0
広島市10305,773423,907447,174696,845992,7361,117,1171,173,843283.9
岡山市11288,599341,972382,969459,532590,242663,346709,584145.9
長崎市12286,980313,591375,222484,111502,799487,063443,76654.6
熊本市13266,842328,592412,745502,458619,236708,097734,474175.2
静岡市14263,098367,950467,752634,247727,260738,674716,197172.2
呉市15249,063335,202292,769301,955302,766270,179239,973-3.6
福岡市16239,957372,500487,891769,1891,088,6151,284,8361,463,743510.0
長岡市17224,411247,490282,136281,266289,234293,250282,67426.0
鹿児島市18216,682276,340325,919415,439547,756594,430605,846179.6
長野市19212,194239,526300,769310,399358,173387,359381,51179.8
いわき市20210,550234,717340,260333,881342,074360,598342,24962.5
姫路市21209,050244,556325,329412,507494,825527,854536,270156.5
金沢市22206,125231,125283,863335,830417,684453,975462,361124.3
富山市23203,824235,562303,168339,446391,554417,595421,953107.0
福山市24196,152218,253264,994301,376425,675453,791461,357135.2
上越市25196,144205,680243,519227,312216,139212,060203,8994.0
下関市26192,840237,248280,949317,146325,478310,717280,94745.7
仙台市27190,015278,824380,224520,071792,059971,3241,045,986450.5
和歌山市28189,977252,119243,520328,657400,802393,885370,36495.0
高松市29186,964222,546269,160307,550386,547412,626419,429124.3
佐世保市30183,863277,747313,259302,431288,231279,551261,10142.0
函館市31182,776260,665286,084314,135345,165318,308279,12752.7
松山市32181,496207,683265,678332,343442,147497,203517,231185.0
倉敷市33174,424202,991266,949308,908432,171453,618475,513172.6
津市34173,515188,487219,241230,315265,443286,519285,74664.7
堺市35161,721245,016283,708483,846839,428840,384841,966420.6
久留米市36160,055199,502230,858248,968280,291302,741302,40288.9
福井市37158,025185,873197,085223,949259,638272,970266,79668.8
前橋市38155,830192,096233,007254,595311,121338,845340,291118.4
高崎市39155,465183,593239,909260,106323,403353,879371,302138.8
横須賀市40154,249227,791250,533317,411421,107432,193418,325171.2
岐阜市41153,208211,035250,899366,975420,231418,574413,136169.7
大分市42147,979174,557222,336258,444385,635446,581474,094220.4
札幌市43144,651264,326393,770821,2721,401,7571,757,0251,913,5451,222.9
今治市44143,218159,392198,109188,814197,818185,435166,53216.3
唐津市45142,516123,016175,651148,741142,224137,436126,926-10.9
佐賀市46141,873154,272198,243207,774236,029246,674237,50667.4
尾道市47140,140142,500184,653181,038180,901159,890145,2023.6
宇都宮市48139,761173,704235,461287,947408,908477,215511,739266.2
徳島市49139,609166,824177,363213,328249,343268,706264,54889.5
松本市50134,336156,749185,663196,934223,637239,539243,03780.9
高知市51133,181162,079190,254241,676318,266339,864343,393157.8
豊橋市52131,909169,726185,984238,672304,273352,982376,665185.5
鳥取市53130,026139,158168,429168,067184,601197,959197,44951.9
福島市54128,941157,832199,334221,864270,487292,696292,590126.9
鶴岡市55126,228141,679172,467159,562153,330149,509136,6238.2
飯塚市56126,186144,952193,989141,445135,852140,463131,4924.2
小樽市57124,723174,358186,445196,716180,728157,022131,9285.8
山口市58124,410132,507169,296162,219173,590193,172196,62858.0
秋田市59124,229153,698200,525240,306304,823331,597323,600160.5
さいたま市60122,505175,843319,188530,733879,5101,078,5451,222,434897.9
天草市61122,203123,407169,391142,346121,574107,82389,065-27.1
大牟田市62121,133147,028191,978193,875163,000145,085123,6382.1
山形市63116,797145,018180,579193,737237,041254,488254,244117.7
青森市64115,186163,885197,605247,081309,647314,794299,520160.0
出雲市65112,767122,957149,542138,784142,451146,214143,79627.5
宮崎市66112,462148,389205,574236,674329,762384,415400,583256.2
上田市67112,012117,536143,882138,013151,801164,204159,59742.5
一宮市68111,645156,400187,699281,855335,465353,999378,566239.1
松江市69111,402127,961150,434159,580183,284195,353194,25874.4
松阪市70111,049121,436147,054139,148153,185163,131168,01751.3
四日市市71110,805139,679177,803230,786266,756296,623307,766177.8
郡山市72109,004145,420195,798223,236286,451326,833338,712210.7
高岡市73108,189122,048155,260166,207186,900186,827176,06162.7
佐渡市74107,351109,351125,597102,92584,94274,94962,727-41.6
宇和島市75106,993123,605145,233122,042110,920100,77684,210-21.3
旭川市76106,468139,373184,242271,930352,619360,568347,095226.0
一関市77106,295121,932154,323145,783136,031133,138118,57811.6
薩摩川内市78106,147116,855150,937119,063102,143106,73799,589-6.2
横手市79105,580122,485145,532130,597120,479112,60098,367-6.8
都城市80104,733132,880172,668166,237172,655174,054169,60261.9
岩国市81103,610115,487149,965162,015163,692156,347143,85738.8
石巻市82102,953131,937177,015176,363186,094178,923160,82656.2
岡崎市83101,376130,614167,008203,806271,243332,136372,357267.3
那覇市84100,127111,344108,673257,190295,778301,890315,954215.6
弘前市85100,119123,467159,409169,865192,291194,197183,47383.3
甲府市9094,950129,537146,873178,808205,070206,799198,992109.6
千葉市10188,767120,777185,546339,974746,430856,878961,749983.5
水戸市10387,934115,164141,143177,061239,747261,275268,750205.6
奈良市10685,992103,070131,259168,406305,614368,039366,591326.3
大津市10785,759120,567144,626166,764228,982295,574337,634293.7
川崎市10884,995191,702319,229854,8741,040,8021,202,8201,425,5121,577.2
盛岡市11083,797116,018155,575207,016272,814300,723298,348256.0
八王子市12078,668106,000131,408207,655387,178503,363580,053637.3
尼崎市12178,261173,051278,973500,472523,650488,586453,748479.8
西宮市19660,391130,436168,610337,391410,329390,389482,640699.2
相模原市21358,10160,994106,821200,755494,220646,467717,5441,135.0
東大阪市21856,762142,076228,691443,081521,558517,232509,533797.7
川口市30944,00474,015118,761249,112379,360448,854500,5981,037.6
船橋市40934,04854,380100,134223,989479,439540,817609,0401,688.8
市川市44331,67662,553120,595207,988364,244440,555473,9191,396.1
松戸市59323,92233,61759,813160,001400,863461,503484,4571,925.2

【追記】オーナーグリグリ さんへ
データの方は先ほどメールで送りました。確認をお願いします。

【追記】[81976] 白桃さんへ
後の記事を受けての修正となってしまいましたが、直しました。
[81974] 2012年 10月 18日(木)13:45:11YT さん
人口の按分方法
[81971] オーナー グリグリさん
2005年(平成12年)2月18日の宮崎県佐土原町と新富町の境界変更(佐土原町へ25人異動)が抜けているようです。

完全に見落としていました。

[81972] 白桃 さん

狭山市の昭和55年人口は124,029人です。

人口按分の過程で間違いに気付き、あとでこっそり修正しようと思ってました(笑)。


人口の按分の計算仕方ですが、人口異動を伴う境界変更が実施された直前のT年の国勢調査において、A町の補正前人口A(T)の内ΔA(T)がB町に異動し、B町の補正前人口B(T)の内ΔB(T)がA町に異動したとすると、過去t年におけるA町の補正前人口A(t)と補正人口A'(t)、B町の補正前人口B(t)と補正人口B'(t)は、それぞれ以下のように表現できます。

A'(t) = A(t)*(A(T) - ΔA(T))/A(T) + B(t)*ΔB(T)/B(T)
B'(t) = A(t)*ΔA(T)/A(T) + B(t)*(B(T) - ΔB(T))/B(T)

B町からA町への人口異動が無かった場合はΔB(T) = 0なので、

A'(t) = A(t)*(A(T) - ΔA(T))/A(T)
B'(t) = A(t)*ΔA(T)/A(T) + B(t)

ただこの式も三ヶ所の地域を同時に巻き込んだ場合の人口異動には対応していないので、一言目には

「異動前の地域人口に占める異動した人口の割合が過去において一定であると仮定することで、過去の人口を推計する」

だけで充分かも知れません。そして四捨五入による丸め誤差を防ぐため

「人口異動毎に人口を過去に遡って補正し、合計人口が変わらないように小数点以下を処理する」

ということになると思います。
[81969] 2012年 10月 17日(水)20:51:27【1】YT さん
計算上の問題点
過去の人口を遡って修正するに当たり、2つ程問題がありましたので列挙します。ただ何れも人口数人レベルの誤差ですが、人口には小数点が許されないことが原因です。

(1) 人口異動が相互に行われた場合

西茨城郡友部町と東茨城郡内原町のケースではそれぞれの地域に異動する人口が37人と30人で、差引7人ですが、これを37人と30人分でそれぞれ分けて計算するか、差引7人だけで計算するかにより推計人口が若干変わります。

特に宇奈月町と朝日町のケースでは、それぞれ3人が異動することにより差引ゼロです。ところが統計局の手法で1920年の宇奈月町の推計人口を算出すると:

5162人(昭和55年境域における大正9年の宇奈月町の人口)×7650/7653(昭和55年の宇奈月町の人口の内、残った分)+
16386人(昭和55年境域における大正9年の朝日町の人口)×3/18631(昭和55年の朝日町の人口の内、異動した分)=5162.61

となり、1人ほど推計人口が増えてしまうという結果となります(朝日町は逆に1人減ります)。

(2) 丸め誤差による合計の不一致

二つの地域の間での人口異動であれば丸め誤差による合計の不一致が起こることはほとんどありませんが(端数が1/2、1/2になるという特殊ケースがある)、三つの地域の間での人口異動であれば、このような不一致が頻繁に起こります。例えば町田市、相模原市、大和市に関して按分処理を行うと、昭和5年の人口は

大和市:8064.71人
町田市:26631.63人
相模原市:60803.66人

となり、単純に四捨五入をすると合計の人口が1人多くなってしまいます。上のケースでは端数の一番少ない町田市の人口を切り捨てて26631人とすることで対処しました。

【追記】 後者に関しては、境界変更の度に算出される人口補正を毎回四捨五入することにより、多くのケースでほぼ問題なく対応できることに気づきました。そもそも基本となっている資料が『昭和55年10月1日の境域による各回国勢調査時の市区町村別人口 : 大正9年~昭和55年』ですので、最初から四捨五入による数値の丸めが実施されているので、数値演算をまとめて実施する意味があまりありません。
[81968] 2012年 10月 17日(水)20:24:31【1】YT さん
平成22年10月1日の境域による各回国勢調査時の市町村別人口
ところで[81962]で言及しました『国勢調査時系列表<普及編成データ>全国ファイル(大正9年~平成12年)』ですが、CD-ROMは都道府県別の市区町村人口の時系列をまとめたエクセルファイルが48点入っておりました。添付の解説によると

 平成12年10月1日の境域による
 各回国勢調査時の市区町村別人口
 (大正9年~平成12年:1920年~2000年)

 この「平成12年10月1日の境域による各回国勢調査時の市区町村別人口」は、国勢調査による市区町村別人口の長期間の時系列比較を可能にするため、大正9年以降の各回国勢調査の市区町村別人口を平成12年10月1日現在の市区町村の境域に合わせて組替又は推計したものである。
 ただし、昭和55年国勢調査以降の廃置分合については、市区町村単位の合併についてのみ組替処理を行っており、一部編入・分割の場合は組替を行っていない。

なお、利用に当たっては、次の点について注意されたい。
(1) 昭和15年以前の北海道の人口
 戦前の国勢調査では、歯舞群島、色丹島、国後島及び択捉島のほか、その更に北方にある地域の人口についても把握されているが、この組替・推計の対象地域から除いているため、昭和15年以前の北海道の人口には、これらの地域の人口は含まれていない。ただし、戦前における歯舞群島については、旧歯舞村(現根室市)の人口に含まれていたが、当該群島の人口が区分できないため、ここでは根室市に含めている。
(2) 昭和15年及び22年の年齢3区分人口
 昭和15年及び22年については、市区町村別に年齢別人口の統計が作成されていないため、男女別人口についてのみ組替・推計を行っている。
(3) 大正9年及び14年の年齢3区分
 大正9年及び14年の年齢3区分は、「0~14歳」、「15~59歳」、「60歳以上」の3区分である。
(4) 市区町村の一部編入・分割の場合の処理
 ア 昭和55年国勢調査以前に行われた一部編入・分割等については、次の方法により推計した。
   他へ編入・分割された区域の人口
    =当該市区町村への編入・分割時点の国勢調査人口
     ×他へ編入・分割された区域の人口 1)
     ÷当該市区町村の全域人口 1)
     ここで、1)は編入・分割時点の直前の国勢調査人口
   なお、編入又は分割された区域に係る人口が、都道府県の業務資料等により把握されている場合は、それらの資料による人口により組み替えた。
 イ 昭和55年国勢調査以降(昭和55年10月2日以降)に行われた一部編入・分割等については、上記アによる推計は行っていない。
   なお、人口異動を伴う市区町村の境域変更については、「昭和55年国勢調査以後(昭和55年10月2日)~平成12年国勢調査時(平成12年10月1日)までに人口移動を伴う境界変更があった市区町村」のとおりである
(5) 政令指定都市の区
 新たに指定都市になったり、区の再編成等があった場合は、原則として組替・推計を行っていない。
(6) 東京都小笠原村
 昭和22年~40年については、人口に関する資料が得られないため、欠落のままになっている。
(7) 鹿児島県名瀬市及び大島郡
 昭和22年については、人口に関する資料が得られないため、欠落のままになっている。昭和25年については、琉球列島軍政本部が実施した1950年の国勢調査(昭和25年12月1日現在)による市町村別人口によっている。
(8) 鹿児島県鹿児島郡十島村
 昭和22年及び25年については、人口に関する資料が得られないため、欠落のままになっている。
(9) 沖縄県
 市町村の廃置分合に関する資料は、沖縄県業務資料によっており、人口に関する資料は、次に示す琉球列島軍政本部又は琉球政府が実施した各回の国勢調査の報告書によっている。
  1950年国勢調査 (昭和25年12月1日現在)
  1955年臨時国勢調査 (昭和30年12月1日現在)
  1960年国勢調査 (昭和35年12月1日現在)
  1965年臨時国勢調査 (昭和40年10月1日現在)
  昭和45年国勢調査 (昭和45年10月1日現在)
 昭和22年については、人口に関する資料が得られないため、欠落のままになっている。

つまり1980年までは『昭和55年10月1日の境域による各回国勢調査時の市区町村別人口 : 大正9年~昭和55年』と同じで(但し1980年~2000年に統合した自治体は、統合後のデータしか慶されていないので、例えば秋川市のケースでは『昭和55年10月1日の境域による各回国勢調査時の市区町村別人口』のデータを引用する必要がある)、それ以降に関しては境界変更による人口異動の処理をまったくしていないことになります。今回ここで2010年10月1日の境域に関する各回国勢調査時の市町村別人口を、1980年から2010年分の変更に関して独自に計算し公開する分には、ファイルの内容を公開するに当たらず(2000年と2010年の間で自治体の数がほぼ半減している)問題ないと思われます。

現在細かい境域変更を無視しして2010年の自治体毎の過去の市町村別人口を算出する作業は終了しており(政令指定都市や東京特別区部の区に関しては『昭和55年10月1日の境域による各回国勢調査時の市区町村別人口』でのデータも不完全なので省略)、残るは人口を過去に遡って按分する作業だけです。[81966][81967]の内18のケースでは2010年までに再統合が行われており、人口異動を考慮しなくて済むことになるようです。今非常に忙しいにも関わらず仕事をさぼってこんな作業をこっそりやってましたが、とりあえず今から仕事に復帰するにせよ、どんなに遅くとも今月末には1920年から2010年までの、2010年10月1日現在の境域における各国国勢調査時の市町村別人口を算出する作業は終わっているはずです。

以上、オーナーグリグリさんの意見をお願いします。
[81967] 2012年 10月 17日(水)19:56:25【2】YT さん
平成2年10月2日~平成17年10月1日までの人口異動を伴う境界変更
年月日異動地域異動人口コード市町村名平成2年人口組替人口異動人口
1990.11.505445 to 054421205445平鹿郡十文字町14,96514,953-12
05442平鹿郡平鹿町16,11916,13112
1991.1.109208 to 093631109208小山市142,262142,251-11
09363下都賀郡国分寺町14,41014,42111
1995.3.112210 to 124223212210茂原市83,43783,405-32
12422長生郡睦沢町7,9567,98832
1992.5.120206 to 20214120206諏訪市52,46452,463-1
20214茅野市50,06450,0651
1993.1.122201 to 222041122201静岡市472,196472,187-9
22204 to 22201222204清水市241,523241,5329
1993.1.122484 to 222111322484磐田郡豊田町25,61425,603-11
22211 to 22484222211磐田市83,52183,53211
1993.9.123212 to 23210923212安城市142,251142,242-9
23210刈谷市120,126120,1359
1992.2.2025205 to 254012425205八日市市40,81640,792-24
25401神崎郡永源寺町6,5536,57724
1995.3.137442 to 37425637442三豊郡山本町8,0688,062-6
37425三豊郡豊中町11,90511,9116

年月日異動地域異動人口コード市町村名平成7年人口組替人口異動人口
1996.9.111202 to 11403811202熊谷市156,429156,421-8
11403大里郡妻沼町28,73428,7428
1996.9.111464 to 11442511464北葛飾郡杉戸町45,05645,051-5
11442南埼玉郡宮代町35,71235,7175
1999.12.113209 to 14209313209町田市360,525360,522-3
14209相模原市570,597570,6003
1999.8.2720208 to 203431920208小諸市45,71145,692-19
20343小県郡東部町24,70924,72819
1996.1.139323 to 392045339323香美郡土佐山田町21,95121,898-53
39204南国市48,19248,24553
1997.2.2540217 to 4021627640217筑紫野市81,98881,712-276
40216小郡市50,61250,888276
1998.1.140218 to 401304140218春日市99,20699,165-41
40130福岡市1,284,7951,284,83641
1996.4.141305 to 413065241305佐賀郡大和町21,50721,455-52
41306佐賀郡富士町5,7345,78652
1996.2.147343 to 47210247343島尻郡東風平町15,93815,936-2
47210糸満市53,49653,4982

年月日異動地域異動人口コード市町村名平成12年人口組替人口異動人口
2003.1.111214 to 1122211411214+11468春日部市(+北葛飾郡庄和町)240,924240,815-109
2003.1.111222 to 11214511222越谷市308,307308,416109
2004.12.114209 to 132094214209相模原市605,561605,519-42
13209町田市377,494377,53642
2001.5.1420341 to 20343320341小県郡丸子町25,55325,550-3
20343+20326小県郡東部町(+北佐久郡北御牧村)30,94430,9473
2001.6.121423 to 21383721423+21424本巣郡穂積町(+巣南町)46,57146,564-7
21383安八郡安八町15,07815,0857
2000.12.2037424 to 37428437424三豊郡大野原町12,79912,7990
37428 to 37420437428三豊郡豊浜町9,0019,0010
2004.8.2340382 to 40215440382遠賀郡水巻町31,62331,619-4
40215中間市48,03248,0364

もしかしたら見落としがあるかも知れませんが、その場合は指摘をお願いします。

これらの情報を元に『昭和55年10月1日の境域による各回国勢調査時の市区町村別人口 : 大正9年~昭和55年』とその後の国勢調査人口に対して按分処理をすることで、大正9年から平成22年までの国勢調査時の市町村別人口を推計できることになります。
[81966] 2012年 10月 17日(水)19:54:27【3】YT さん
昭和55年10月2日~平成2年10月1日までの人口異動を伴う境界変更
[81949] オーナー グリグリさん

[81954] にて
色々参考になり有難うございます。ただ折角の修正ですが、少なくとも町田市と相模原市に関しては、2000年~2005年の間にも2000年国勢調査時において42人の人口増減を伴う境域の変更が実施されており、ここに関しては更なる補正が必要かと思います。
と書きましたが、こちらの勘違いでした。申し訳ありません。

[81919]
昭和60年から平成12年については残念ながらデータ化されていないようです。

昭和60年から平成17年分については、確かに冊子の方の国勢調査報告書第1巻に境界変更情報が載っておりました。一方最新の平成22年分の国勢調査報告書第1巻の方は既に然るべき図書館に納められておりますが、統廃合の情報は載っているものの、残念ながら境界変更情報(都道府県の境界変更情報は残っている)が無くなっております。もしかしたら今後作成される他の冊子に収録されるのかも知れませんが。

以下冊子の方の内容を元に、昭和55年10月2日~平成17年10月1日までの人口異動を伴う境界変更の情報をまとめした。なお同じ政令都市内での人口異動に関しては無視しました。また境界変更による転入人口と転出人口が等しい場合でも、過去の組替人口算出のための按分のやり方によっては推計人口に±1人程度の影響が出るので載せました(平成17年10月2日以降に関しては、転出人口と転入人口が共に存在するケースを現時点では判別できない)。

年月日異動地域異動人口コード市町村名昭和55年人口組替人口異動人口
1984.6.105204 to 053221305204大館市72,47872,465-13
05322北秋田郡比内町13,99214,00513
1981.3.108443 to 0820316708443稲敷郡阿見町33,72033,553-167
08203土浦市112,517112,684167
1983.10.109363 to 09302409363下都賀郡国分寺町13,58413,580-4
09302河内郡南河内町11,49711,5014
1983.4.110324 to 102021710324群馬郡群馬町26,08826,071-17
10202高崎市221,429221,44617
1982.11.111219 to 1120521911219上尾市166,243166,024-219
11205大宮市354,084354,303219
1983.4.111225 to 1121587711225入間市104,034103,157-877
11215狭山市124,029124,916887
1984.5.112215 to 12361812215旭市35,72135,713-8
12361海上郡海上町9,5429,5508
1985.2.114213 to 13209614213大和市167,935167,929-6
13219町田市295,405295,4116
1982.9.113215 to 13218214215海老名市77,49877,496-2
14218綾瀬市65,07865,0802
1983.1.115201 to 152209515201新潟市457,785457,690-95
15220白根市33,09233,18795
1984.6.115443 to 154442915443北魚沼郡小出町13,01713,014-3
15444 to 154432615444北魚沼郡湯之谷村6,4206,4233
1985.4.115523 to 1550111415523東頸城郡松代町7,1147,000-114
15501刈羽郡高柳町4,2424,356114
1981.5.1116341 to 16343316341下新川郡宇奈月町7,6537,6530
16343 to 16341316343下新川郡朝日町18,63118,6310
1982.4.120215 to 2020219920215塩尻市52,71152,570-141
20202 to 202155820202松本市192,085192,226141
1981.3.121404 to 214011621404揖斐郡池田町20,67220,656-16
21401揖斐郡揖斐川町19,15419,17016
1983.2.128422 to 282012428422播磨郡夢前町17,17117,147-24
28201姫路市446,256446,28024
1982.1.133201 to 3342318233201岡山市545,765545,583-182
33423都窪郡早島町10,81610,998182
1983.6.134323 to 34211434323佐伯郡大野町19,96819,964-4
34211大竹市36,07536,0794
1982.10.140384 to 403814540384遠賀郡遠賀町14,18814,143-45
40381遠賀郡芦屋町18,93418,97945
1985.4.140483 to 40481640483浮羽郡浮羽町18,89018,884-6
40481浮羽郡吉井町17,87217,8786
1981.6.143210 to 434064043210菊池市28,46028,420-40
43406菊池郡泗水町9,9409,98040
1982.1.145303 to 452081245303宮崎郡佐土原町26,93226,920-12
45208西都市37,83637,84812
1985.5.2346482 to 46481546482肝属郡東串良町8,4408,435-5
46481肝属郡串良町13,82813,8335

年月日異動地域異動人口コード市町村名昭和60年人口組替人口異動人口
1989.4.106365 to 06363706365最上郡大蔵村5,2035,196-7
06363最上郡舟形町7,9207,9277
1987.3.107543 to 07545707543双葉郡富岡町15,89515,888-7
07545双葉郡大熊町9,9889,9957
1985.12.108321 to 083053708321西茨城郡友部町28,51328,506-7
08305 to 083213008305東茨城郡内原町14,67714,6847
1988.6.109208 to 093662509208小山市134,242134,217-25
09366下都賀郡藤岡町20,41320,43825
1989.5.111219 to 11231611219上尾市178,587178,581-6
11231桶川市61,49961,5056
1989.5.2013226 to 132187613226秋川市45,73545,659-76
13218福生市51,47851,55476
1990.4.115308 to 153092515308北蒲原郡加治川村7,5557,530-25
15309新発田市8,2738,29825
1989.4.115541 to 1520517815541中頸城郡柿崎町13,47213,294-178
15205柏崎市86,02086,198178
1987.3.116422 to 162021616422西礪波郡西福岡町12,22612,210-16
16202高岡市175,780175,79616
1986.2.121303 to 21209221303羽島郡笠松町22,74622,744-2
21209羽島市59,76059,7622
1988.6.122505 to 222021322505浜名郡雄踏町14,00413,991-13
22202浜松市514,118514,13113
1986.4.123361 to 23217823361丹羽郡大口町17,24717,239-8
23217江南市92,04992,0578
1989.5.127219 to 27201827219和泉市137,641137,633-8
27201堺市818,271818,2798
1989.9.135202 to 3520912635202宇部市174,855174,729-126
35209小野田市46,36446,490126
[81962] 2012年 10月 16日(火)17:41:22YT さん
国勢調査時系列表<普及編成データ>全国ファイル(大正9年~平成12年)
ハンブルガーさん 心よりご冥福をお祈り申し上げます。

ドイツに度々出張していらしたようですが、私も子供の頃にドイツに一年間暮らし、また私の兄なども現在進行形でドイツへ出張する仕事についており、ドイツに関するネタについて話せなかったことは残念です。

[81925] 白桃 さん
[81920] オーナーグリグリ さん

[81927][81954]で言及しました『国勢調査時系列表<普及編成データ>全国ファイル(大正9年~平成12年)』の方を入手しました。統計情報研究開発センターの方にファックスで注文すると、請求書等と一緒に送られてきました。中身はエクセルファイルの入ったCD-ROMと、簡単な解説冊子4頁です。これについては後ほど詳しく書きます。
[81954] 2012年 10月 14日(日)22:58:25【1】YT さん
町田市と相模原市の境域の変更について
[81949] オーナー グリグリさん

・国勢調査人口比較における人口異動を伴う組替え要因と人口組替

このページに、今回追加した2000年の自治体境域における境界変更による人口異動の補正についても詳述しました。というのも、2010年国勢調査データにある旧市町村人口は、2005年以降の境界変更が反映されてしまっており、それを戻す必要が有りました。具体的に言えば、例えば、2007年(平成19年)9月1日の青森県青森市と藤崎町との境界変更により、2005年国勢調査人口は青森市から藤崎町に122人異動しています。ところが、2010年調査データの2000年時点での旧市町村の2005年人口ではこの異動分を戻す必要があるにも関わらず、122人分は異動したままになっています。このため、独自に2005年人口に対して、境界変更による人口異動分を旧市町村に戻すようにしました。

色々参考になり有難うございます。ただ折角の修正ですが、少なくとも町田市と相模原市に関しては、2000年~2005年の間にも2000年国勢調査時において42人の人口増減を伴う境域の変更が実施されており、ここに関しては更なる補正が必要かと思います。

地域名平成22年国勢調査人口平成22年境域による平成17年組替人口平成17年国勢調査人口組替による人口増減
町田市426,987405,544405,534+10
相模原市717,544701,620701,630-10

※相模原市の平成17年の国勢調査人口701,630は、相模原市628,698、城山町23,067、津久井町28,695、相模湖町10,347、藤野町10,823の合計


地域名平成17年国勢調査人口平成17年境域による平成12年組替人口平成12年国勢調査人口組替による人口増減
町田市405,534377,536377,494+42
相模原市628,698605,519605,561-42

ところで[81927]で調べた『国勢調査時系列表(大正9年~平成12年)』ですが、国内で所有している図書館は一か所のみで、図書館間での図書借用システムを使って閲覧しようとしましたが、貸出の謝絶を受けました。よって実際に購入して中身を確認しないといけない手はずとなりました。

ただ仮に本冊子の中身が期待したものだったとしても、―(1)全国の主要な図書館でほとんど閲覧できず、実際に購入しないと数字を閲覧できない、(2)中身がそのものの数字である可能性が高い―となってしまうと、流石にこのデータをほとんど加工しないまま本サイトで公開するというのは著作権的にも問題になる可能性があります。

昭和55年以前であれば、『昭和55年10月1日の境域による各回国勢調査時の市区町村別人口 : 大正9年~昭和55年』という、全国72箇所の図書館に納入されている本が御座いますので、これを引用元としても使うデータはその一部だけですし、それ以降の変遷に関して調査し、過去にさかのぼって推計人口を計算すれば、それはそれでこのサイト独自に研究した数字ということになって問題点はクリアできるとは思いますが。
[81927] 2012年 10月 8日(月)18:13:20【2】YT さん
国勢調査時系列表
[81925] 白桃さん

標記の書物については、平成17年国勢調査が終了して3年後ぐらい、ですから今から4年前ぐらいに霞が関の政府刊行物センターで見かけました。本の後ろにCDが付いていたような気もします。国勢調査ごとに毎回出ているものではないはずです。

調べたところ、統計情報研究開発センターが出版している『国勢調査時系列表(大正9年~平成12年)』 (2005年10月出版)が該当しそうです。内容は

大正9年の第1回国勢調査から平成12年の第17回調査までの全国都道府県市区町村別人口を平成12年国勢調査時の市区町村の境域による人口(組替人口)として収録

とあり、全国ファイル2100円、都道府県ファイル3万9900円となっています。これって全国ファイルの方だけを買えばいいのでしょうかね?4万円の方は躊躇しますが、2100円の方はいずれ注文してみたいと思います。

【リンク修正】
[81923] 2012年 10月 8日(月)15:54:45【1】YT さん
現在の境域による各回国勢調査時の市区町村別人口
[81914] 白桃 さん

はい、公開されております。と言うか、2005年国勢調査時の境域に組み替えた各国勢調査時点での自治体人口を記載した本があります。(3万円ぐらいする本でして、それを買うためにお小遣いをもらって、政府刊行物ナントカセンターに向かったのですが、どういうわけかエチルアルコールに代わってしまいました:マル秘)

自分が把握している報告書は、『昭和55年10月1日の境域による各回国勢調査時の市区町村別人口 : 大正9年~昭和55年』だけなのですが、これは最近でも毎回出ているものなのですか?

実は上の本を使ってOCRソフト経由で昭和55年以前の人口をまとめ、平成22年の国勢調査時の境域に組み替えた市区町村別人口を算出しようと数か月前に計画をたてたのですが、肝心のOCRソフトがエラー吐きまくりで、挫折しているところです。OCRソフトはワープロ組が当たり前となった最近の本であれば日本語フォントの再現も良いようですが、比較的最近の活版印刷であっても今いち反応が悪いようです。せめて数字だけでも正しく読み込んでくれたら楽なのですが・・・戦前のフォントに対してはほぼ無力なのは言うまでもありません。

9月後半になったら多少仕事が楽になると思っていたら、ここ最近は大量の仕事が舞い込んでおり、人口をまとめる作業に時間を割くことができない状況となっています。近代デジタルライブラリーなどで過去の統計表も公開されるようになっていますが、印刷の質の悪さと一部解像度の悪さもあって、例えば「8」と「3」、「5」と「6」などが同じに見えることもあり、結局個々の男女別人口をチェックしないと駄目だったりするケースが多いのがネックです。『日本帝国人口静態統計』などは、かえって縮小印刷版の方が読み易かったりします。
[81883] 2012年 9月 24日(月)03:19:58【5】YT さん
『日本帝国文部省年報』の都邑人口は途中から現住人口ベース?
[81882] 千本桜 さん

まずデータの出所は『日本帝国文部省年報. 第10(明治15年)』「根室県年表」の都邑学事統計と『日本帝国文部省年報. 第11(明治16年)』「根室県年表」の都邑学事統計です。この時代は府県の領域が揺れ動いていたため、[81875][81876]では旧国名で揃えています。また「人口及学齢就学児童増減比較表」によると、

本県管内人民ハ概シテ海産ニ依テ以テ其生計ヲ立ルモノナリ。故ニ一旦商業上景気ヲ失スルカ或ハ海産ノ不良ニ会スル時ハ惣チ四方ニ流離移転スルノ徒モ亦少シトセズ。本年ノ如キモ薄漁ノ積衰ト商業ノ不振トニ因リ昨十五年ニ比スレバ人口(北見千島両国ヲ除ク)男一千百五十二人女二百六十五人ヲ減少ス。

旧国人口明治15年度明治16年度
釧路国3,3222,118
釧路国2,1531,529
釧路国合計5,4753,647
根室国3,5233,575
根室国2,1982,557
根室国合計5,7216,132
総計6,8455,693
総計4,3514,086
総計合計11,1969,779

と、釧路国の人口は3600人~5500人で、かなり人口に変動があったことを記録しています。

これに対し内務省の『日本全国民籍戸口表. 明治15年調』、『日本全国民籍戸口表. 明治16年調』、『日本全国民籍戸口表. 明治17年調』によると明治15年1月1日調の釧路国の本籍人口は2616人、根室国の本籍人口は1092人、明治16年1月1日調の釧路国の本籍人口は2729人、根室国の本籍人口は1531人、明治17年1月1日調の釧路国の本籍人口は2821人、根室国の本籍人口は1472人です。また明治12年度の『日本帝国文部省年報』における人口の比較から、『共武政表』と同様に文部省の人口統計は、明治15年度は明治16年1月1日調、明治16年度は明治17年1月1日調の統計を採用していると推測されます。そこで1年年次をずらして文部省の人口統計と内務省の本籍人口統計を比較すると、それでも釧路国で文部省調査人口は本籍人口の1.3倍~2.0倍、根室国で文部省調査人口は本籍人口の3.9倍~4.2倍と、大分数字が異なります。このことより文部省の人口統計はおそらく「本籍人口」ではなく、「現住人口」で算出しているものと推測されます。明治13年以降の内務省による釧路国の本籍人口統計は以下の通りです(明治13年1月1日調の釧路国各郡の本籍戸数は不詳)。

M13年人口M14年戸口M14年人口M15年戸口M15年人口M16年戸口M16年人口M17年戸口M17年人口
厚岸郡532154581263585334702383699
釧路郡1,1212951,1763631,1953551,1383631,235
白糠郡38495384107399111431104431
川上郡24158242532385824758246
阿寒郡7918821882158225129
足寄郡1162711726117261291581
網尻郡9800
釧路国2,5716472,5828302,6168992,7299482,821

一方同じ内務省地理局の『地方行政区画便覧』は、戸口に関しては「明治17年1月現在」の戸口・人口を原則して載せているはずなのですが、釧路国1101戸6064人という人口は内務省調査の本籍人口の2.1倍となっており、地域別人口も異なります。明治18年以降の人口を採用している可能性もありますが、それでも内務省調査の本籍人口の1.4倍~1.7倍となっており(釧路国の明治18年1月1日調本籍人口は1101戸4270人と急増、明治19年1月1日調本籍人口は3629人と本籍人口641人の減少)、数字的には明治19年1月1日調の釧路国現住人口7715人(本籍人口の2.13倍)にむしろ近く、『地方行政区画便覧』も北海道のケースでは明治17年前後の現住人口を採用しているのかも知れません。

戸長役場ノ所在地町数村数戸数口数
厚岸郡湾月町472691,400
厚岸郡浜中村152351,437
釧路郡昆布村386472
釧路郡真砂町233281,820
阿寒郡(同上)41180
川上郡熊牛村555265
白糠郡白樺村398464
足寄郡(同上)419126
合計7341,1016,064

文部省統計における明治15年度の釧路国5475人中に占める浜中1227人、あるいは明治16年度の釧路国3647人に占める浜中891人という人口比率を、『地方行政区画便覧』の人口6064人に対して乗じると、大体1359人~1481人に相当します。これは『地方行政区画便覧』記載の浜中村外五箇町村連合の人口1437人とほぼ等しい数字です。

以上から『日本帝国文部省年報』では、浜中村に戸長役場を置く1町5村全体をそのまま浜中の都邑人口として扱ってしまったと推測できます。もちろん浜中村外五箇町村連合を構成する浜中村、霧多布村、琵琶瀬村、後静村、散布村、榊町のいずれかに、人口の大部分が集中していた可能性もありますが。

【追記】『共武政表.明治十二年』『共武政表.明治十三年』によると(明治13年1月1日調の釧路国、厚岸郡の総戸数は不詳):

輻輳地M13年始戸数M13年始人口M14年始戸数M14年始人口
奔渡村30125
湾月町2313254157
榊町2010163137
厚岸郡509106562
釧路国2,49757112,662

厚岸郡の明治14年1月1日調本籍人口106戸562人(釧路国全体では571戸2662人と、内務省の647戸2582人より若干少ない)の内、54戸157人が湾月町、63戸137人が榊町に暮らしていることになっています。人口はともかくとして、戸数は両者を足すと119戸となり、厚岸郡の総本籍戸数を上回るという奇妙な現象が見られます。これは世帯数に相当する戸数と、家の数を混用しているためかも知れません。内務省の数字である明治14年1月1日調の厚岸郡154戸581人を正しい数字と考えるなら、戸数的には明治14年年始の時点で厚岸郡の本籍戸数の1/3を榊町が占めていたことになります。明治15年度の文部省の人口統計が明治16年1月1日調現住人口(当時の北海道では本籍人口の数倍になることもあり、また厚岸郡の本籍人口は明治15年1月1日調263戸585人から明治16年1月1日調334戸702人に急増している)である可能性が高いこと、漁師の越冬地における現住人口の増減では数百人レベルで変化するのは当たり前、また明治12年から明治17年までは榊町に戸長役場が置かれていたことを考慮すると、仮に「浜中」という町場が存在したのなら、それは榊町のことということになります。

【細かい数字等を修正】
[81876] 2012年 9月 22日(土)18:33:10【1】YT さん
『日本帝国文部省年報』による明治10年~18年の都邑人口 (2)
旧国都邑明治10年明治11年明治12年明治13年明治14年明治15年明治16年明治17年明治18年
羽前米沢27,54429,35427,74128,05230,91430,40931,37433,16833,090
羽前山形24,14224,52521,58022,57123,37923,53323,88536,78523,803
羽前鶴岡25,06425,11424,82724,55622,08921,93321,82621,82621,049
羽後酒田18,83310,88517,43718,23218,23318,24718,36919,82719,827
羽後横手10,74910,69110,733
羽後秋田36,05433,32633,34630,44631,93132,20032,79830,28731,469
羽後土崎10,80510,75610,87910,64010,94111,08410,52610,694
羽後能代10,31910,02410,41610,05810,33910,32310,612
若狭小浜15,47915,52415,47215,28017,36914,84515,30115,19014,931
若狭高浜2,9912,9933,1683,3033,2403,335
越前敦賀12,65212,64112,84015,43216,03115,11815,33915,25715,706
越前武生11,11612,30711,56611,80611,26712,17012,52912,63913,023
越前鯖江4,7914,8094,7414,7234,7044,855
越前福井40,86341,56041,42141,31139,76841,59242,40043,61842,136
越前丸岡3,8573,772
越前坂井9,7269,99611,0679,4929,0969,8099,624
越前大野9,4599,4809,4599,6299,6319,6529,964
越前勝山6,8556,8746,8736,8606,8576,8936,894
加賀大聖寺9,84810,0669,9919,96810,03610,01110,05410,08710,038
加賀小松10,42110,54710,56110,69410,92511,13511,52711,51612,370
加賀金沢108,263106,897107,979108,956107,624108,546109,641107,005104,577
加賀美川5,3795,4585,3386,266
加賀松任4,9665,0394,7485,273
加賀金石9,7289,7949,7399,7769,87710,05810,02010,018
能登七尾8,4118,5718,4768,6188,7088,7978,999
能登輪島9,5299,4549,2439,95910,1189,6929,944
越中富山46,47347,96247,60848,63549,22144,25346,16648,17353,123
越中魚津10,79110,87210,64811,04310,61010,91011,02811,29211,112
越中泊町6,2144,8363,7764,916
越中滑川6,0775,0726,9354,987
越中今石動9,3179,4949,4475,038
越中井波5,4805,5975,5714,990
越中城端4,4764,4634,5584,638
越中福光4,4493,9733,8113,350
越中福野5,2605,4745,5502,038
越中高岡24,69425,22125,22426,37926,20620,85427,18123,20523,782
越中新湊19,36020,27919,48419,44618,50219,78919,86718,65421,599
越中氷見9,2468,8448,8838,713
越中東岩瀬6,6734,4975,7415,976
越後村上10,83611,21611,61511,868
越後新潟33,83237,35237,39437,07637,27237,29538,23138,68240,038
越後三条14,87315,87816,73310,64210,66818,35524,84418,90515,021
越後新発田18,06218,12917,66310,94518,44318,40517,05716,70018,000
越後長岡20,02916,14416,56020,74022,08822,07521,72221,91930,740
越後柏崎10,74411,15711,8149,08112,17311,75211,69911,69411,009
越後高田25,65124,74124,30724,41523,69323,38924,50924,26824,795
佐渡相川16,97913,03012,61912,59312,21712,54211,97812,32912,516
丹波亀岡7,2446,9366,5507,2237,0107,0577,121
丹波園部6,1566,1936,1756,6025,7124,1594,921
丹波福知山5,1494,9385,3175,3865,3665,3704,996
丹後舞鶴7,3837,4217,3307,3389,5499,4739,528
丹後宮津11,13311,06411,07211,37811,24011,43611,22111,657
因幡鳥取39,59338,54936,69735,46336,38035,49134,75934,99933,796
伯耆米子11,06810,65910,78711,41911,17611,61711,34411,44912,010
伯耆倉吉6,7836,7866,879
出雲松江38,38237,93337,48937,31437,03236,51938,60734,07228,291
播磨明石18,32716,76618,60818,51818,48020,19719,99418,50513,118
播磨姫路25,92427,44323,15824,95324,96029,32129,19923,01522,960
美作津山14,50015,20214,05714,56714,72414,75814,94114,88514,929
備前岡山32,95332,77134,56934,27034,67433,24431,97735,38733,424
備中笠岡6,9647,0537,234
備中倉敷7,3767,7897,593
備中高梁5,7285,6225,684
備後福山17,72117,64817,23717,02216,98817,09416,87416,08616,133
備後尾道16,29016,31216,04816,71516,34917,20216,24517,40117,127
安芸広島75,76078,00676,99075,98678,10473,45175,79973,73379,333
周防山口10,08510,77711,03010,84010,82410,99311,17512,09812,489
周防三田尻6,5668,0765,8585,3316,3806,9166,626
周防宮市6,3147,6235,0332,5343,3383,3703,131
周防徳山11,66811,73411,75811,79711,90012,05911,79311,82711,962
周防岩国11,29511,36611,52111,54511,55612,19312,18912,03611,331
長門30,50830,83841,88640,32543,09942,46443,63442,77141,135
長門下ノ関/赤間関19,53220,74320,22223,52823,79224,07327,47525,30425,463
長門豊浦6,1545,9885,9705,8916,3756,6256,644
紀伊和歌山62,19762,92260,49157,68257,24556,45156,88755,73454,511
紀伊田辺7,1007,16911,30811,26610,34810,33510,21311,39311,302
紀伊新宮6,8138,8879,1989,3649,1889,3749,592
紀伊木ノ本3,022
紀伊尾鷲4,943
阿波撫養10,04311,56510,65411,06529,56930,173
阿波徳島57,00349,47155,48962,01258,51857,50258,16666,12662,859
讃岐高松47,88348,17833,12933,15932,76439,76245,97045,46145,242
讃岐丸亀13,18312,14012,14112,96513,07012,98712,97615,28115,342
讃岐観音寺11,22911,147
伊予西条4,5584,5043,9384,125
伊予今治6,69212,93312,81413,44613,34013,91314,45812,48513,041
伊予松山28,29428,30627,93727,94927,82528,41629,13329,74030,075
伊予大洲3,6793,4547,1207,0436,9905,9496,282
伊予宇和島11,61612,63412,34612,23312,43412,33012,40412,42812,332
伊予吉田5,3045,3176,2984,5795,0396,0245,114
土佐高知27,01228,99637,11741,62642,42340,87842,08539,94744,207
筑前福岡22,34723,83121,74621,89022,08221,75021,07323,03220,534
筑前博多20,34021,65024,15424,38324,35824,20624,00424,07726,491
筑後久留米15,42015,48725,85225,64222,47622,25622,01622,28022,878
筑後柳川19,79119,95718,37418,43918,53317,39518,39718,29618,413
豊前小倉15,76515,7949,6019,80410,227
豊前今津11,676
豊前中津23,00012,25512,33112,25912,61212,95811,52314,85315,638
豊前宇佐1,6421,645
豊前長洲5,0745,075
豊後高田6,7465,1385,0535,062
豊後竹田5,9926,7629,0529,307
豊後杵筑6,5016,6456,3265,979
豊後日出3,9923,9844,057
豊後別府6,2506,1386,346
豊後大分7,58317,36811,32011,93513,57911,68614,44614,47814,412
豊後鶴崎5,2795,3685,485
豊後3,1092,2462,250
豊後日田/豆田8,2094,1424,0244,224
豊後1,9184,5414,659
豊後佐賀ノ関5,0565,0405,186
豊後臼杵10,12011,76311,60411,70211,94011,82012,32312,21912,212
豊後佐伯6,0275,7545,724
肥前佐賀29,51223,83725,74623,28524,07724,07721,72024,05724,688
肥前長崎46,66132,81532,87638,75639,56632,79233,07357,88547,790
肥後熊本44,77939,78043,96543,83645,89442,26142,21742,55242,511
肥後山鹿5,3204,7114,8635,2515,177
肥後八代9,4009,4939,5739,5229,504
日向延岡6,4106,0186,241
日向高鍋2,7933,8044,299
日向都城8,0617,4438,465
日向宮崎4,2364,2784,661
日向佐土原3,135
日向飫肥4,7364,6194,704
薩摩鹿児島53,94755,07155,45554,31654,47154,48254,72954,579
薩摩川内3,9533,025
琉球首里22,96024,92224,71224,49624,40924,60824,619
琉球那覇14,70613,35824,77224,28124,54838,16827,885
琉球久米村4,8836,038
琉球泊村4,3344,268
渡島函館37,75641,47143,14244,269
渡島福山13,60510,87911,94910,379
渡島江差13,43714,15114,88115,365
後志小樽11,000
石狩札幌13,08111,67815,256
釧路釧路2,4141,596
釧路厚岸1,2941,099
釧路浜中1,227891
根室根室4,6384,222
人口1万以上都邑合計3,563,7763,785,5203,871,2053,951,6994,009,0254,098,4524,286,4284,440,4274,545,793
都邑合計(非文献値)4,195,7874,585,1684,702,8374,739,4774,529,3874,641,1524,826,7004,440,4274,545,793

なお「府県学事年報要略」内の「都邑学事統計表」掲載の人口と「人口一萬以上都邑学事統計表」の人口が一致しない場合がありましたが、以下の数字を採用しました。

明治11年の名古屋の人口は「人口一萬以上都邑学事統計表」の11万1433人ではなく、「府県学事年報要略」内の11万1430人を採用。理由はこの修正により、「人口一萬以上都邑学事統計表」の人口合計と一致するため。

明治13年の足利の人口は「府県学事年報要略」内の1万1150人ではなく「人口一萬以上都邑学事統計表」の1万1077人を採用。
明治13年の宮津の人口は「人口一萬以上都邑学事統計表」の1万1373人ではなく「府県学事年報要略」内の1万1378人を採用。
明治13年の足利の人口は「府県学事年報要略」内の3万2159人ではなく「人口一萬以上都邑学事統計表」の3万3159人を採用。
理由はこれらの修正により、「人口一萬以上都邑学事統計表」の人口合計と一致するため。

明治17年の彦根の人口は「府県学事年報要略」内の2万6834人ではなく「人口一萬以上都邑学事統計表」の2万7833人を採用。
明治17年の米沢の人口は「人口一萬以上都邑学事統計表」の3万3159人ではなく「府県学事年報要略」内の3万2159人を採用。
理由はこれらの修正により、「人口一萬以上都邑学事統計表」の人口合計と一致するため。

文部省の都邑人口データは明治10年代の都市人口の情報を補うものではあるものの、内務省が提供する戸籍人口や陸軍の共武政表とは異なるため、どう評価していいのか判断に苦しみます。
[81875] 2012年 9月 22日(土)18:29:03【1】YT さん
『日本帝国文部省年報』による明治10年~18年の都邑人口 (1)
『日本帝国文部省年報』による明治10年~18年の都邑人口

[81192]でも述べましたが、以前[68674][68675]で、文部省調による明治12年と明治13年の「人口壱萬人以上ノ都邑」の人口を紹介しましたが、これの元データが『日本帝国文部省年報』の「人口壱万以上都邑学事統計表」であることが判りました。『日本帝国文部省年報』では、明治10年から明治18年まで、人口1万人以上の都邑の人口(「人口一萬以上都邑学事統計表」)と、明治10年から明治16年までの各府県の主だった都邑の人口(「府県学事年報要略」内の「都邑学事統計表」)がまとめてあり、量も多くはないので以下紹介します。

ただこの表で使われている人口は、共武政表や日本民籍戸口表の人口、あるいは明治17年1月1日調の『都府名邑戸口表』の本籍・現住人口と一致せず、色々問題のあるデータです。辛うじて明治11年の人口が、明治11年度の『共武政表』記載の明治12年1月1日調本籍人口と一致するようですが。

旧国都邑明治10年明治11年明治12年明治13年明治14年明治15年明治16年明治17年明治18年
山城京都229,810232,683231,308237,521239,425243,502248,468252,130246,238
山城伏見21,54422,01120,69620,51520,69720,84620,63920,45421,370
山城6,2226,1903,6613,5723,4403,3673,363
大和奈良22,74622,46522,69522,58223,03723,15922,58822,90922,734
大和郡山14,35114,57914,45314,44114,14513,74113,19912,22213,629
和泉40,59640,47040,84241,36743,25948,88749,09347,78946,315
和泉岸和田12,76512,765
摂津大坂284,105291,565287,984291,086293,686298,554309,180310,544324,706
摂津天王寺4,7344,89810,71112,86612,211
摂津難波15,12817,438
摂津平野6,9716,9606,877
摂津住吉5,9676,2806,383
摂津高槻4,0425,0392,831
摂津池田5,1095,1395,111
摂津尼ヶ崎14,19312,84714,10214,36014,17912,35713,88013,87413,704
摂津西宮11,17411,08811,11911,74110,64912,20211,09110,41810,592
摂津神戸11,03116,04713,29519,24820,57915,27816,07217,52418,583
摂津兵庫30,40831,63836,89639,62736,58727,21238,33040,57742,766
伊賀上野12,57613,40012,69812,58412,26612,52812,50712,47312,524
伊賀名張3,7653,8053,9143,9314,0734,1644,382
伊勢桑名15,20214,79014,87514,95715,19315,43715,42515,37713,149
伊勢長島6,8846,9496,7506,7263,4573,4353,424
伊勢神戸5,8183,6303,5782,8562,9272,9632,896
伊勢四日市11,25011,0417,9688,3728,6218,3048,48410,01010,423
伊勢菰野1,9121,9223,9514,0413,7084,1904,262
伊勢亀山6,2646,3936,4066,0676,6575,6974,650
伊勢白子3,8683,5644,1142,3682,4332,4212,328
伊勢一身田1,7571,8101,8161,9611,9381,8931,945
伊勢21,98122,31622,57624,98225,52625,35726,17923,71724,346
伊勢久居3,8593,7873,8113,8093,8063,8893,884
伊勢松坂9,96210,1749,39710,29210,27010,38711,78110,44710,951
伊勢山田18,43119,39219,89519,16919,37220,28620,89320,91620,467
伊勢宇治3,8274,4144,3175,2564,8814,4154,402
志摩鳥羽4,7804,7804,6724,6704,4894,3544,361
尾張名古屋135,715114,130112,427117,705118,450123,090124,461122,298124,542
尾張熱田15,35416,28016,76616,34616,78216,95617,46017,920
尾張亀崎5,0285,0975,0535,113
尾張稲置6,0446,3046,2946,362
尾張一宮7,7638,4589,1228,999
三河岡崎14,52415,10214,24914,94114,95415,27315,39715,71616,124
三河豊橋11,10510,79811,51511,36911,35811,73112,64612,31812,802
遠江浜松9,6598,34910,98010,60010,41212,47412,00612,00411,540
遠江掛川6,4546,4544,372
駿河静岡33,00032,02832,21232,43538,03837,79039,74734,38735,767
駿河沼津12,12512,0098,7878,97311,4318,7509,061
甲斐谷村3,2393,3633,3693,699
甲斐上野原村2,4852,5552,5672,639
甲斐甲府11,98415,01512,44915,31015,77716,19115,99417,42418,914
甲斐勝沼村2,5692,6431,1782,775
甲斐市川大門村4,3924,5614,6814,752
甲斐鰍沢村3,8183,8084,0414,068
甲斐河原部村2,5952,6101,8062,575
伊豆韮山1,4831,7831,7902,1342,1543,7292,198
相模小田原13,49513,57413,36313,69513,78614,01814,45014,61114,503
相模藤沢6,0775,9866,2314,588
相模横須賀5,3395,5755,6885,227
相模浦賀5,9575,8516,0125,894
武蔵八王子10,5528,94514,53912,87812,33812,38114,18112,06117,267
武蔵東京594,283772,230799,237839,761823,557849,231923,959937,217982,043
武蔵千住12,1809,06911,45311,65014,18914,09914,12814,28715,454
武蔵品川11,49213,29613,12212,83713,07413,01213,89913,44814,720
武蔵幸手4,4454,5104,5644,5644,693
武蔵粕壁4,7875,2495,2755,1305,373
武蔵岩槻4,1764,1764,2424,3974,416
武蔵川越13,43313,60512,32014,55114,37612,27012,56812,37313,207
武蔵熊谷4,9285,0896,9505,1807,2747,342
武蔵本庄4,7224,9464,8235,6245,442
武蔵神奈川8,2119,2019,42411,38112,44411,92112,03011,47311,463
武蔵横浜64,31350,88964,88262,22763,04863,61359,19658,91691,146
下総船橋10,672
下総佐倉5,6344,9385,4715,9615,3315,3505,055
下総佐原7,8767,8618,2068,1777,9927,8487,838
下総銚子25,13725,66926,09826,55626,87826,77727,23428,01526,770
常陸水戸17,89217,46817,24417,66717,36317,88219,03819,09418,963
近江大津19,61320,02220,71220,86618,25118,16020,10520,44519,755
近江大津19,61320,02220,71220,86618,25118,16020,10520,44519,755
近江水口4,7754,8574,9904,9405,1885,2355,287
近江八幡6,2596,3366,5316,6076,6136,6566,736
近江日野5,3866,5175,6974,9245,6935,8015,836
近江西大路2,2972,3362,3041,6942,3582,3482,379
近江彦根27,78628,18727,19127,30427,14426,80826,83326,58723,650
近江高宮4,1124,1604,2284,2884,3824,3924,471
近江長浜6,1316,3376,3476,3736,4146,5026,381
美濃高須3,4363,4123,2273,3163,3713,018
美濃島田3,8603,8653,8833,8973,9134,030
美濃三輪2,8722,8682,9152,9423,0233,061
美濃大垣10,31010,37810,40010,45210,08510,48010,43410,22215,649
美濃今尾3,8083,8383,2073,0252,7033,077
美濃竹ヶ鼻4,6514,9424,9895,2755,4355,379
美濃笠松5,0524,9144,9834,9834,9525,012
美濃岐阜12,46712,63812,90913,71613,29613,74413,87817,99314,687
美濃加納5,0465,3325,2375,4025,4037,979
美濃北方2,7762,8352,8102,8382,9222,898
美濃高富1,5581,6861,7271,7321,6781,787
美濃4,3664,4264,4744,4894,5334,610
美濃上有知3,9444,0514,0193,6513,7043,983
美濃八幡3,0106,1246,0366,0375,9945,990
美濃細目4,7334,3914,4474,4994,6584,719
美濃御嵩3,3863,4293,5023,5921,7671,809
美濃多治見2,3172,2782,4482,5832,6973,126
美濃岩村4,1454,1643,0453,0273,0353,030
美濃苗木2,8342,7882,9012,1032,8052,739
美濃中津川3,8443,8443,8253,9654,1174,366
美濃明知1,1661,1931,2291,2501,2561,289
飛騨高山13,93114,09014,25414,46114,71015,01015,22615,26915,340
飛騨古川4,0614,8254,8784,8914,9065,066
飛騨神岡村船津町組3,3833,4883,5773,6983,8293,421
信濃松本16,20616,28516,30716,52314,78216,69016,66316,92417,554
信濃福島4,1435,2444,1623,124
信濃飯田8,0538,0548,2468,4408,5108,5108,787
信濃高遠4,5944,4655,0855,022
信濃大町5,0893,2373,7523,838
信濃上諏訪8,0498,0628,0178,0898,0928,0938,329
信濃下諏訪4,0694,0834,1534,206
信濃長野8,0738,7138,6088,64113,74413,75615,01015,11315,335
信濃飯山5,9906,0256,0786,154
信濃須坂2,6012,5602,6512,737
信濃松代10,1069,1639,3408,6687,6427,8577,857
信濃上田10,0419,5819,98510,0399,76210,64610,65310,84510,342
信濃岩村田3,2863,2253,1582,995
信濃小諸5,6555,0265,8106,7686,6907,0446,893
上野高崎13,19116,11516,17316,62215,21916,09615,41415,63715,987
上野前橋10,67212,32116,86813,94512,33518,09618,08818,33320,316
下野佐野6,9176,2846,4567,3518,1656,5376,781
下野足利9,67510,15810,70211,07711,66412,64214,15011,60712,090
下野栃木5,2645,2645,1425,1965,2765,2755,460
下野日光3,198
下野鹿沼5,3705,6725,7566,2426,3696,5716,985
下野宇都宮18,84019,69119,53320,15019,25920,75320,54121,80124,547
下野真岡4,6684,7594,8704,9154,882
下野大田原3,4653,6073,5023,8103,8224,065
下野黒羽3,389
磐城白河8,1228,6509,0329,1579,3679,3289,351
磐城5,0155,0155,1685,6915,0944,9635,346
磐城三春5,1835,421
岩代若松21,44223,11322,61823,37121,30923,07024,37818,36818,257
岩代須賀川5,5815,2206,0275,8136,0156,0206,452
岩代郡山5,2535,2535,7595,4775,4545,8025,869
岩代二本松8,9238,2019,0688,2688,3028,2778,137
岩代福島6,9346,9348,0288,2448,2596,8639,23310,50510,232
陸前仙台52,07455,03555,17055,81755,90055,36954,88355,18355,195
陸前石巻10,00411,65912,0806,9757,1187,2187,70513,460
陸中磐井13,70211,8139,4037,9746,7916,8226,859
陸中水沢5,8035,1264,6594,6764,9255,1395,293
陸中岩谷堂10,5339,5497,5494,5843,5653,8102,839
陸中花巻5,8255,4455,0465,0255,1355,2745,785
陸中宮古3,7723,8723,8343,9644,6554,9344,934
陸中鍬ヶ崎2,7332,7532,9733,0483,0002,9943,141
陸中遠野5,3844,8815,0015,0645,1055,1815,296
陸中釜石4,3014,2753,6774,1404,1404,2134,360
陸中盛岡31,49931,39032,21631,30729,02130,26330,36629,86529,354
陸奥青森11,86412,38211,37612,76811,86711,90913,48713,96012,826
陸奥弘前34,77434,84432,85431,90732,29131,32532,62132,17431,194
陸奥黒石6,5958,9199,0959,1359,2238,9269,478
陸奥八戸9,8719,97410,05010,14510,25710,42310,57010,65310,756
[81274] 2012年 8月 8日(水)04:08:26【4】YT さん
府県物産表による明治7年の日本の総生産高
最後に紹介するのは明治7年の明治7年の『府県物産表』です。明治政府は農産高のみならず、農・林・水産・畜産・鉱・工業の各生産高を把握しようとして、明治6年以降『府県物産表』を作成しました。明治6年度分は一部地域で完成し、明治7年分は鹿児島県、北海道、沖縄県を除き、ほぼ日本全国の統計が揃いました。ところが西南戦争の影響で、明治8年分は未完となり、明治9年度分以降は農産高(+一部の漁業、林業関係)のみをまとめた『全国農産表』のみの発行に繋がり、工業統計が再び出てくるのはさらに10年程後となります。つまり明治7年分のみ、おおよそ各県の鉱工業生産高が判明するのです。

本当は『府県物産表』の数字を編集し、各地の農・林・水産・畜産・鉱・工業の生産高と石高の比較をしたかったのですが、『府県物産表』の数字をまとめるのが相当大変だったので、そちらは断念します。とりあえず、山口和雄氏の「「明治七年 府県物産表」の分析」(経済学研究, 1, pp. 23-58 (1951年), 原著論文へのリンク)の数字を用いると、明治7年の日本本土の総生産額は以下の通りとなります。

区分生産額(円)割合(%)
農業227,286,70161.0
 (内、米)142,799,02438.4
工業111,891,55930.1
林業14,565,4053.9
畜産業7,478,0002.0
水産業7,276,3452.0
鉱業3,808,9641.0
合計372,306,974100.0

そこで明治5年の租税額(『日本地誌提要』による)と『府県物産表』記載の明治7年の物産高(全国平均米価1石5.5379円で換算)とから、明治5年の税率を推定しました。物産高には水産業や鉱工業統計も入っているので、石高にかかる税金である正租だけでなく、土地に換算できない収入にかかる雑税を併せた租税全体に対し、税率を計算することができます。また明治7年の物産高を明治8年1月1日調の本籍人口で割ると、明治7年度の各地域の一人当たり平均生産高(ここでは石高換算で示す)が見積もれます。但しサービス業などの第三次産業の統計がないので、東京府の住人がえらく低収入となっています。参考までに明治5年石高(『郡村石高帳』によるが、長崎県・佐賀県の肥前国石高分割は『日本地誌提要』によるため、『郡村石高帳』の数字に比べて7斗のズレが生じる)も記載します。なお琉球・北海道と鹿児島県はデータが揃っていないので除きますが、鹿児島県は結局明治10年まで独立国家状態で、統計なぞ提出する気がなかったようです。

府県M7物産高(円)M7物産高(石)M5石高(石)M5租税(石)税率(%)M8本籍人口1人当たり物産高(石/人)税抜き後(石/人)
東京府4,251,083.498767,634.557164,856.7008837,055.641304.8855,2700.8980.854
京都府16,281,903.9382,940,086.243380,281.56447176,818.127006.0571,1925.1474.838
大阪府9,564,787.2261,727,150.550245,960.85400138,202.018708.0545,0353.1692.915
神奈川県4,324,874.960780,959.366339,082.33991102,554.2490013.1507,9281.5381.336
兵庫県3,737,882.170674,963.812170,561.08180100,948.8180015.0201,3893.3522.850
長崎県5,786,468.7771,044,885.003293,340.52247142,950.9710013.7668,9741.5621.348
新潟県13,294,558.5232,400,649.7501,133,179.88759439,486.6220018.31,388,3531.7291.413
埼玉県5,482,030.399989,911.390482,011.55819149,214.1040015.1440,4332.2481.909
足柄県3,656,089.280660,194.154262,712.2822683,116.2761012.6353,6091.8671.632
千葉県9,792,371.8931,768,246.392997,052.69833308,448.5154117.41,055,3731.6751.383
新治県6,601,847.7591,192,121.133622,601.34305182,420.3580815.3485,1192.4572.081
茨城県3,511,644.560634,111.213512,304.16611126,044.4042719.9378,2691.6761.343
熊谷県17,345,655.3113,132,171.935859,288.75101204,681.994006.5828,4203.7813.534
栃木県9,827,110.5491,774,519.285942,362.62703203,196.9740011.5648,5032.7362.423
奈良県7,671,601.4451,385,290.686503,686.23676219,528.0839415.8430,7343.2162.706
堺県5,386,166.989972,600.964469,309.36330233,857.3541124.0466,0482.0871.585
三重県6,087,211.8681,099,191.344537,323.60420223,461.8251220.3427,8312.5692.047
度会県3,918,493.058707,577.417343,303.04620148,683.2752921.0369,4791.9151.513
愛知県15,248,937.0102,753,559.4181,237,147.87620427,785.7724915.51,234,0032.2311.885
浜松県3,837,100.417692,880.034372,546.34901130,187.7637718.8420,5131.6481.338
静岡県4,116,780.010743,382.857251,954.1648693,950.6337012.6378,0761.9661.718
山梨県5,069,000.961915,329.070312,185.17685105,859.6376311.6369,2552.4792.192
滋賀県8,233,718.3551,486,794.306857,849.52528356,931.2970024.0584,7562.5431.932
岐阜県7,921,441.7251,430,405.309729,654.88365242,420.3240016.9683,0502.0941.739
筑摩県6,621,860.8551,195,734.975388,688.93788153,989.5153212.9564,3322.1191.846
長野県5,741,914.3191,036,839.633455,457.12110174,938.3553416.9481,3512.1541.791
宮城県3,911,137.534706,249.202555,285.34300187,322.1110026.5419,1351.6851.238
福島県3,417,262.855617,068.345469,471.39457201,967.8895832.7281,3022.1941.476
磐前県3,342,448.063603,558.749490,802.60437169,870.9215328.1249,5532.4191.738
若松県2,394,064.696432,305.503373,167.37034158,746.3520036.7212,0522.0391.290
水沢県4,399,118.228794,365.759439,309.25000127,049.8960016.0380,4092.0881.754
岩手県2,449,213.156442,263.874252,291.2770092,674.7810021.0323,4341.3671.081
青森県3,143,189.581567,577.876423,100.83800197,400.6580034.8484,4281.1720.764
山形県2,392,634.127432,047.180490,996.92777140,498.4267332.5309,8371.3940.941
置賜県2,225,464.068401,860.637295,671.5430070,048.2590017.4131,9353.0462.515
酒田県2,132,641.810385,099.364235,244.72071164,678.6940042.8207,9021.8521.060
秋田県5,202,585.431939,450.934514,498.04855287,746.8641030.6604,1141.5551.079
敦賀県7,407,130.4461,337,534.137782,010.67585236,475.0150017.7548,8332.4372.006
石川県6,647,458.9611,200,357.324819,318.84735395,644.3152433.0691,7351.7351.163
新川県6,925,808.7111,250,620.013877,764.10700396,982.1038631.7638,8221.9581.336
相川県709,418.243128,102.391135,206.1230056,289.4094443.9104,6301.2240.686
豊岡県5,122,209.209924,937.089467,702.49913179,746.6946419.4508,0271.8211.467
鳥取県2,997,108.753541,199.497459,264.95900201,067.0050037.2392,5891.3790.866
島根県3,428,700.904619,133.757320,709.91100172,412.2373727.8340,3981.8191.312
浜田県2,509,921.751453,226.259182,136.8985087,114.0332019.2268,4551.6881.364
飾磨県8,097,109.9811,462,126.405660,557.81626314,684.0463721.5651,0332.2461.762
北条県2,730,242.696493,010.462262,333.86400101,914.4251020.7217,3622.2681.799
岡山県3,603,546.297650,706.265418,964.53800143,675.7190022.1335,5921.9391.511
小田県5,784,167.4581,044,469.445500,988.18680200,329.9529819.2619,6471.6861.362
広島県8,301,725.8521,499,074.682500,912.65765265,092.5814017.7942,8271.5901.309
山口県15,644,120.4172,824,919.2111,010,303.70507341,925.4730012.1838,9463.3672.960
和歌山県4,918,536.547888,159.130408,230.06735224,052.7682525.2572,4361.5521.160
名東県13,577,717.0062,451,780.770756,937.20037331,293.7950013.51,349,6721.8171.571
愛媛県7,105,984.6501,283,155.078443,321.68842275,217.6148821.4791,5221.6211.273
高知県5,691,285.9771,027,697.478510,572.19470208,769.3680020.3531,8631.9321.540
福岡県5,722,089.8391,033,259.850633,404.63540302,010.9590029.2450,9652.2911.622
三潴県3,821,318.339690,030.203536,742.90265227,274.5128432.9396,9031.7391.166
小倉県3,009,317.257543,404.033366,948.08138157,555.5110029.0317,1081.7141.217
大分県4,038,448.511729,238.236459,184.41734223,341.9441030.6580,3471.2570.872
佐賀県3,388,327.440611,843.365430,449.07615313,001.0963051.2487,0081.2560.614
白川県6,958,929.2701,256,600.720851,237.05291368,443.5679129.3965,2421.3020.920
宮崎県4,297,437.722776,004.918418,142.35665154,120.8321019.9384,0712.0201.619
合計370,760,357.64166,949,628.93331,617,886.4416312,583,172.7444918.832,867,4292.0371.654

地方では税率30%を超えるところもある一方で、都市部の税率がやたら低いようです。全国平均の税率は19%と低目ですが、租税の数字は地租改正前のを用いており、地租改正前であれば表に出てこない中間搾取の事例がたくさんあるので、一概に今と比べて税率が低いとはいえません。ただ所得税というものが導入される前の時代において、土地を持っている農民への税負担に比べ、都市部の住民への課税が甘く、かなり税負担に不平等があったことは伺えます。所得税が本格的に導入され、地租からの税収を上回ったのは明治時代末期からだそうで、年貢→地租は20世紀初頭までずっと日本の税制の根幹をなしていました。

結論としては、明治5年の石高3227万石(北海道・沖縄を除く)に対し、統計上の米の生産高は明治初期の段階で2875万石でしたが、農業生産の方は4684万石もあり、さらに第一次・第二次産業を合計した総生産高は明治7年に6695万石相当(鹿児島も除く)に達していました。結局のところ「石高」というのは年貢を取り立てるための土地評価であり、実態経済と相関はあっても、新しい産業には適応できていなかったといえます。
[81273] 2012年 8月 8日(水)02:32:33【1】YT さん
明治初期の旧国別農産高(2)
それはさておき、中村哲氏の算出した旧国別農産高(単位は米換算石高)と『郡村石高帳』記載の明治5年石高を、『日本地誌提要』記載の租税(=正祖+雑税、単位は米換算石高)とともに並べると以下の通りです。ここでいう名目貢租率(%)とは明治5年正租を明治5年石高で割った値、実質貢租率とは明治5年正租を明治5年農産高で割った値で、中村哲氏が計算したのと同じ方法で算出しました。正租の対象となる石高は元々田、畑、屋敷ですが、屋敷高は多くの場合は無視できるほど少ないので、田畑からの農産高のみを実質石高として計算しているわけです。

旧国M10-M12農産高M5石高M5租税M5正租M5雑税名目貢租率実質貢租率
山城365,474222,368.70517113,985.51400100,725.0560013,260.4580045.327.6
大和718,871503,686.23676219,528.08394212,221.077867,307.0060842.129.5
河内630,166293,118.58720146,021.93591139,710.118416,311.8175047.722.2
和泉278,501176,190.7761087,835.4182080,594.997307,240.4209045.728.9
摂津914,933416,521.93580239,150.83670194,966.8667044,183.9700046.821.3
伊賀166,732110,917.9664054,845.0332053,481.876351,363.1568548.232.1
伊勢974,606714,376.41500293,382.25713277,191.9198216,190.3373138.828.4
志摩30,85919,279.203008,426.405478,100.25262326.1528542.026.2
尾張991,858764,774.16620256,675.72249241,648.0178015,027.7046931.624.4
三河804,910472,373.71000171,110.05000163,473.130007,636.9200034.620.3
遠江522,927372,546.34901130,187.76377126,836.577973,351.1858034.024.3
駿河405,683251,954.1648693,950.6337090,365.636683,584.9970235.922.3
甲斐558,535312,185.17685105,859.6376397,820.926638,038.7110031.317.5
伊豆118,11984,037.2083629,582.8171027,679.482251,903.3348532.923.4
相模503,266289,776.7319791,792.9890085,987.090005,805.8990029.717.1
武蔵2,265,6911,282,000.77090344,906.30130330,102.0018914,804.2994125.714.6
安房96,60495,641.4235028,594.6180025,044.994003,549.6240026.225.9
上総516,332427,313.77094153,247.38011133,404.6220019,842.7581131.225.8
下総949,459687,373.86055200,946.50838177,289.3286823,657.1797025.818.7
常陸1,030,781921,629.15250234,124.77127214,541.9170619,582.8542123.320.8
近江1,365,303857,849.52528356,931.29700340,541.7710016,389.5260039.724.9
美濃1,038,465729,654.88365242,420.32400235,351.862007,068.4620032.322.7
飛騨133,51357,196.0580026,913.8000024,500.353802,413.4462042.818.4
信濃1,663,416786,950.00098302,014.07066267,345.8666334,668.2040334.016.1
上野1,000,092635,851.10734144,814.82700125,407.8978019,406.9292019.712.5
下野978,385758,648.44071168,722.30400143,677.8140025,044.4900018.914.7
磐城722,412650,488.88237219,452.38613197,539.8312321,912.5549030.427.3
岩代852,925760,923.54591332,051.07398302,329.5606329,721.5133539.735.4
陸前870,890700,649.30800225,592.65000206,400.0920019,192.5580029.523.7
陸中687,770471,842.91200158,118.04100150,265.830007,852.2110031.821.8
陸奥605,865423,100.83800197,400.65800168,750.8430028,649.8150039.927.9
羽前1,010,170946,971.30568311,505.02473301,041.2437310,463.7810031.829.8
羽後1,065,878568,474.88935346,368.94510297,578.1554048,790.7897052.327.9
若狭96,92691,767.0581041,704.5960039,115.932002,588.6640042.640.4
越前442,087690,243.61775194,770.41900183,465.0910011,305.3280026.641.5
加賀511,236511,716.01839241,542.76421229,803.3896111,739.3746044.945.0
能登271,355307,602.82896154,101.55103145,814.345058,287.2059847.453.7
越中976,103877,764.10700396,982.10386382,041.2792714,940.8245943.539.1
越後1,825,4111,150,567.52359447,002.69600404,299.3030042,703.3930035.122.1
佐渡108,620135,206.1230056,289.4094449,826.921446,462.4880036.945.9
丹波510,056329,465.47386141,440.63932135,557.799325,882.8400041.126.6
丹後191,702148,002.1303054,247.5762749,080.131185,167.4450933.225.6
但馬250,596148,147.7542746,891.0920540,442.418726,448.6733327.316.1
因幡208,383195,632.6450087,845.0670082,916.712004,928.3550042.439.8
伯耆365,996251,069.40700110,686.77900104,358.285006,328.4940041.628.5
出雲509,146320,709.91100172,412.23737156,849.6453715,562.5920048.930.8
石見272,296182,136.8985087,114.0332083,082.242704,031.7905045.630.5
隠岐16,47912,562.907002,535.159002,181.29700353.8620017.413.2
播磨1,114,614660,557.81626314,684.04637292,656.6528322,027.3935444.326.3
美作302,835262,333.86400101,914.4251099,468.420002,446.0051037.932.8
備前583,012418,964.53800143,675.71900138,528.075005,147.6440033.123.8
備中613,380371,355.17580136,319.16808135,591.82585727.3422336.522.1
備後528,361315,876.18155155,999.23490151,236.025404,763.2095047.928.6
安芸692,191314,669.48710173,104.13140164,405.226808,698.9046052.223.8
周防510,556552,160.21518165,548.11700158,738.537006,809.5800028.731.1
長門387,567458,143.48989176,377.35600170,541.138005,836.2180037.244.0
紀伊755,387444,283.13335239,544.17286229,606.981319,937.1915551.730.4
淡路253,724136,637.9818357,850.2340057,538.16500312.0690042.122.7
阿波635,766310,484.46474137,645.15300137,627.0660018.0870044.321.6
讃岐920,667309,814.75380135,798.40800135,798.4080043.814.8
伊予856,592443,321.68842275,217.61488257,459.2991317,758.3157558.130.1
土佐582,940510,572.19470208,769.36800192,817.1600015,952.2080037.833.1
筑前742,511633,404.63540302,010.95900281,873.4600020,137.4990044.538.0
筑後674,442536,742.90265227,274.51284211,461.1848415,813.3280039.431.4
豊前477,297366,948.08138157,555.51100149,489.291008,066.2200040.731.3
豊後816,402459,184.41734223,341.94410199,789.4698023,552.4743043.524.5
肥前1,369,052685,116.89762437,237.98330398,991.8189038,246.1644058.229.1
肥後1,445,934851,237.05291368,443.56791357,671.2824210,772.2854942.024.7
日向423,041418,142.35665154,120.83210149,896.724104,224.1080035.835.4
大隅234,079276,219.4783090,157.7607790,065.2080292.5527532.638.5
奄美52,793.3920214,287.5429514,287.5429527.1
薩摩446,977323,483.49953119,233.81405117,880.021131,353.7929236.426.4
壱岐49,34632,853.8850013,630.1380012,604.553001,025.5850038.425.5
対馬28,4785,818.116005,083.946002,686.383002,397.5630046.29.4
琉球94,230.7009431,752.0000031,752.0000033.7
合計46,840,93432,364,612.8124212,838,603.8622611,971,213.72338867,390.1388837.025.5

実質貢租率の高い地域として旧加賀藩、長州藩の地域、あるいは佐渡が挙がってますが、これは正租の内の「金納」の課税対象が農産物由来以外(海産物や塩田、林業など)を含むこともありえるので、単純には比較できません。

例えば寛永2年(1625年)の長州藩の石高は以下の通りで、屋敷高が高く設定され、また田・畑・屋敷以外にも石高が設定されています。つまり漁業関係や鉱山にも石高を設定することで、通常なら雑税扱いのところからも正租を設定して年貢を取り立てています。
旧国百姓屋敷市・町・湯田屋敷浦屋敷小物成浦浮役塩浜湯坪役総石高
周防285,697.4355242,108.7055016,398.972441,532.20420861.666022,150.545341,140.8503,145.248005.255373,040.882
長門164,877.1029821,640.674139,626.83610650.22500415.78521,687.679282,036.7551,199.55231112.620202,247.230
合計450,574.5385063,749.3796326,025.808542,182.429201,277.451223,838.224623,177.6054,344.80031117.875575,288.112
[81272] 2012年 8月 8日(水)02:31:32【2】YT さん
明治初期の旧国別農産高(1)
さて、このような数字を探し出すきっかけになったのは、中村哲著『明治維新の基礎構造』(1968年)に出会ったからです。速水融を始め、色々な学者の江戸時代の農業生産力の発展の計算で引用されているのが、以下の中村哲氏の試算です。

年号西暦石高(石)実収高(石)田(町歩)畑・宅地(町歩)計(町歩)備考
慶長3年1508年18,505,00019,731,000石高
正保2年1645年23,133,00023,133,000石高
元禄10年1697年25,796,00030,630,000石高
享保6年1721年1,643,0001,317,0002,961,000石高
天保元年1830年30,426,00039,757,000石高
明治5年1872年32,220,0003,587,000石高、旧反別
1870年代44,250,0002,601,0002,015,0004,616,000収穫米、新反別
明治10-12年1877-1879年46,812,0002,629,0002,181,0004,810,000農産物米換額、反別は1882年

ここでいう実収高とは、
 (1)一八七七―七九年平均「農産表」農産額の米換算額を幕藩体制解体の最終時点の農産物収量とする。(2)近世の石高のうち元禄以降のものは、すでに幕藩体制の余剰余労働の搾取が不可能となった段階のものであり、実収量をそのまま反映するものではない。また慶長石高も太閤検地段階のものであり、まだ幕藩体制が確立せず、したがって領主は農業生産を完全に把握するにはいたっていないであろう。さいきんの研究によれば、幕藩体制が確立し、形成されてきた小農民経営を体制的に把握し、それから全剰余労働搾取をほぼ実現しえたのは一七世紀三〇―五〇年代と考えられる。したがって、一六四五(正保二)年の石高の石高が実収量を示すものとする。

[81123][81124]で示したように、そもそも2313万石というのは正保郷帳として低く、実際には2457万石、欠けている郷帳分を考えれば2500万石程度には実高はあったと思われ、50年経った今になってもこの辺の再計算をせずに中村哲氏の仕事を専門家が引用し続けているのは問題があると思われます。それはともかくとして中村哲氏は、明治10年から明治12年の『全国農産表』を用いて明治初期の農産高を計算しています。

(1) 農産物「農産表」の一八七七―七九年の三ヵ年分を使用し、国単位に三ヵ年平均額を算出した。農業では豊凶により生産額はかなり大きく毎年変動し、その変動も地域により農産物によって異なるので一ヵ年のみをとることは危険である。またとくに明治初年の統計の不備から生ずる数値の誤りのうちあまりに甚しいものについては数年間にわたる数値を比較することによって発見することが可能である。その場合、郡単位に検討することによって修正を比較的正確に(郡単位に集計し直すことによって誤りを正すことができる場合もあるが、多くの場合は国単位での課題ないし過小と思われる数値については、郡単位に検討し、その誤りが特定の郡の誤りの反映であることが発見出来る。郡単位での修正の方が国単位での修正より精度が高いことは確実である)行ないうるから「農産表」に郡別記載のある年次(一八七六―七九年)をとり、そのうち一八七六年は脱落や誤りがとくに多いので除き、一八七七―七九年をとったのである。そのようにしてかなり推測をまじえつつ、適当と思われる修正を行なった。そうしてもなおかなりの誤りは修正されていないとおもわれるし、根本的には「農産表」の統計的な正確度がどの程度のものであるかという問題が残る。その点については正確な推定をすることは不可能であるが、実際よりかなり過小であったことは間違いない。また「農産表」に載っていない農作物もかなりある。しかし、明治前期については数年以上にわたる全国的な農産物統計は他に存在しないから、この点を考慮しつつ使用するより仕方ない。そのように生産数量を修正したうえで生産価格を算出する場合には一八七七年の全国平均価格を使用した。そうすることによって各地域における農産物価格の差違を無視することになるが、「農産表」に記載された価格がどのような性質のもんであるか明らかでないこと、明らかに誤りであると思われる場合がかなり多いこと、生産力水準を測定するためには価格差を消去することが必要であることなどの理由による。また一八七七年をとったのは、七九年の「農産表」には価格表示はないく、七九年はインフレーションの影響がすでに強いことによる。

そこで中村哲氏の試算が正しいのかどうか、実際に総ての国で再計算しようとしましたが、予想外に大変で断念しました。とりあえず一番簡単な壱岐の例で検証してみましたたが、中村哲氏の計算した農産高4万9346石と一致しません。おそらく計算に含めているのは農産物(自分の試算では4万9781石)だけで、海産物関係(含めると5万3093石)は除いているようですが。

単位M10数量M11数量M12数量M10価格(円)M11価格(円)M12価格(円)平均価格(円)単価(円)
10,514.58013,799.92315,878.83043,612.31557,239.24265,862.12155,571.2264.147794
糯米1,329.5403,029.3852,350.8005,806.58213,230.42010,266.7949,767.9324.367362
大麦3,666.4003,634.7105,192.6606,711.8346,653.8219,505.8567,623.8371.830633
小麦1,277.4001,770.8002,720.0903,912.6785,423.9638,331.6405,889.4273.063002
裸麦11,375.30012,802.40020,680.31029,795.92433,534.00354,169.02839,166.3182.619353
2,469.7002,596.0004,632.2005,072.5175,331.9259,514.0766,639.5062.053900
16.00010.80053.47032.74022.100109.41354.7512.046259
87.10060.750383.76089.17962.200392.922181.4341.023874
大豆6,227.2006,625.15017,927.46023,596.48325,104.41967,931.81538,877.5723.789260
蕎麦460.200869.0001,029.9406,223.92311,752.69313,929.30810,635.30813.524388
蜀黍122.86053.600180.740222.07296.883326.691215.2151.807517
玉蜀黍100.0001.2000.4000.012000
甘藷3,918,772.0007,527,380.0009,201,450.00013,400.88225,741.10831,465.86523,535.9520.003420
真綿1,110.0001,200.0001,474.00081.17187.752107.78992.2370.073127
生糸8.00012.0005.00033.28449.92620.80334.6714.160534
草煙葉420.000400.0002,000.00020.62019.63898.19046.1490.049095
菜種847.100840.0002,778.5254,637.2814,598.41315,210.4838,148.7265.474301
1,488.000750.0006,762.00058.70329.588266.767118.3530.039451
乾鮑4,900.0006,500.000116.6351,116.7991,481.46826.583874.9500.227918
47,700.00045,000.00016,892.03915,935.88610,942.6410.354131
鱶鰭1,680.0001,535.000677.319618.860432.0590.403166
海参1,220.0001,350.000286.450316.973201.1410.234795
石花栄500.00020.1176.7060.040233
乾鰛59,500.00021,000.0006,500.0002,382.697840.952260.2951,161.3140.040045
農産物合計143,250.686188,948.506287,242.794206,480.662
米石換算34,536.59345,553.97269,251.93749,780.834
農産・海産物合計164,684.808208,172.232287,796.439220,217.826
米石換算39,704.18850,188.65869,385.41753,092.754

同様に陸奥国で計算しましたが、中村哲氏の計算した農産高60万5865石に対し、私の計算では農産物合計66万1669石、農産・海産物合計66万4884石と、全然一致しません。どうやら明治12年度の米収穫高を過剰と判断し、数値を削らない限り、中村哲氏の値には近づきません。

このように中村哲氏の計算した農産高は様々なところで多重に引用されていますが、再計算が必要と思われます。
[81271] 2012年 8月 8日(水)02:23:58【2】YT さん
明治初期の旧国別米収穫量実数(2)
[81270]の数字の説明

註1. M5石高は原則として東京大学史料編纂所所蔵の『郡村石高帳』記載のものを用いたが、薩摩、大隅の石高は『明治八年 共武政表』による修正を加え、奄美群島(大島郡)の石高は大隅に加算([81068]参照)。

註2. 日向・薩摩・大隅は西南戦争の影響で明治9年と明治10年の農産高を欠く。また明治11年の日向は那珂郡、大隅は馭謨郡、薩摩は甑島郡の農産高をそれぞれ欠き、明治12年の大隅は熊毛・大島郡の農産高を欠き、明治14年の大隅は熊毛・馭謨・大島郡の農産高を欠く。よって日向・薩摩・大隅は明治11年から明治15年までの5年間のデータで平均収穫高を算出し、必要に応じて単年の郡別(粳)米・糯米収穫高で補間した(明治12年日向国那珂郡:4万9265石6斗1升7合、明治11年大隅国熊毛郡:8410石、明治12年大隅国馭謨郡:178石3斗5升、明治11年大隅国大島郡:8215石3斗3升、明治12年薩摩国甑島郡:1386石6斗8升5合)。なお明治15年の筑前・筑後・豊前三国の福岡県分の農産高は元文献において明治14年の数字で補填されている。

註3. 明治9年の三河の糯米収穫高を5291石8斗1升1合から郡別収穫高合計の5291石8斗8升1合に修正。この修正により明治9年の糯米収穫高の総計と国別合計が一致する。

註4. 明治9年の出雲の(粳)米収穫高72万9992石2斗2升6合は明らかな誤記であり、27万9992石2斗2升6合に修正。この修正により明治9年の(粳)米収穫高の総計と国別合計の不一致45万石が解消される。

註5. 明治10年の三河の(粳)米収穫高を34万8381石8斗4升6合から郡別収穫高合計の34万8375石8斗4升6合に修正。また遠江の(粳)米収穫高を26万8168石0斗4升から郡別収穫高合計の26万8177石0斗4升に修正。また羽前の(粳)米収穫高を71万4444石7斗7升3合から郡別収穫高合計の89万4444石7斗7升3合に修正(羽前国秋田郡の(粳)米収穫高20万1168石5斗0升1合を2万1168石5斗0升1合として国別収穫高に集計した結果か)。これらの修正により明治10年の(粳)米収穫高の総計と国別合計の不一致18万0003石が解消される。

註6. 明治12年の武蔵の(粳)米収穫高を92万4009石7斗7升1合から郡別収穫高合計87万2547石0斗9升4合に、糯米収穫高を14万2142石7斗5升8合から郡別収穫高合計13万3389石9斗2升6合に修正(武蔵国多摩三郡の農産高が誤って二重加算されている)。また越後の粳)米収穫高を153万4912石9斗8升8合から郡別収穫高合計154万3405石5斗2升6合に、糯米収穫高を11万8845石5斗5升から郡別収穫高合計12万0290石8斗5升7合に修正(越後国東蒲原郡の農産高が誤って加算されていない)。これらの修正により、明治12年の(粳)米・糯収穫高の総計と国別合計が一致していたものが、逆に不一致となる。

明治5年石高で115万石と評価されていた越後の米収穫高が明治9~明治15年の時点で年平均154万石に達していたこともさることながら、57万石と評価されていた羽後の米収穫高が100万石を越えていたことも驚きかも知れません。米の収穫高が明治5年評価の内高を越えているところは近畿周辺と日本海側に多いようです。あと当時の人口3646万人(明治12年1月1日調推定人口)に対し、米の収穫高は年平均2875万石程度。国民全員が毎食米を食べるには足りなかったようです。もっとも『農産表』の数字は過小評価という研究も存在します。明治10~12年の『農産表』から算定した米の全国平均反収は1.128石/反ですが、農家が地租改正の改正時に低く評価されることを期待して、実際よりも低い収穫高を申告しており、実際には1.4~1.5石/反程度の収穫があったはず(明治18年(1885年)に地租の据え置きが宣言された以降は1.4石余/反の水準が保たれる)だから、25%~30%程度過少の数字になっているというものです。データの揃っている明治13年調の作付面積から反収1.4~1.5石/反で計算すると、実際の米の収穫高は3590万~3847万石となり、1人1石以上の米の収穫高があることになります。もっとも当時は流通のロスも凄まじく、明治10年代後半から神力などの品種改良種の広がりにより収穫量が大幅に増えるという技術革新が起こっており、この反収の仮定が正しいのか、私には判断できません。また明治13年は豊作の年であり、不作の年は確実に全員に米は行き渡らないでしょう。

作付反別(町歩)収穫高(石)反収(石/反)推定収穫高(1.4石/反)推定収穫高(1.45石/反)推定収穫高(1.5石/反)
(粳)米2,326,369.590828,698,368.3291.23432,569,174.29733,732,359.09434,895,543.890
陸米10,958.472469,360.5960.63376,709.34679,448.96682,188.585
糯米232,782.44082,666,011.1581.1453,258,954.1973,375,345.4193,491,736.640
米合計2,570,110.511031,433,740.0831.22335,904,837.84137,187,153.47838,469,469.115

註1. 作付反別の「2,570,110.5110」は、257万0110町5段1畝10歩を意味するが、1町=10段=100畝=3000歩であり、単純な10進数ではない。

註2. 推定収穫高はそれぞれ反収を1石4斗、1石4斗5升、1石5斗で計算しているが、陸米の収穫高は水田の半分と仮定し、それぞれ反収を7斗、7斗2升5合、7斗5升として計算した。
[81270] 2012年 8月 8日(水)02:20:43【1】YT さん
明治初期の旧国別米収穫量実数(1)
[81125]で予告したように、実際の米の収穫量と石高の違い、農産高との比較をまとめます。

自分もかつて[67156]の記事を書いていたころは、石高は米の収穫量を表すもの程度に思っていましたが、その後自分でも色々地租改正や検地についての専門書を読み、石高が単純に米の生産性から算出したものではないことが分かりました。[72052]でのニジェガロージェッツ さんの解説や[74271]でのhmt さんの解説にあるように、実際には田・畑・宅地などの土地について生産性を評価し(石盛)、米換算の石高に置き換えて評価したのが石高です。明治以降は「地租」、そして戦後は地方税の「固定資産税」と名前を変え、今となっては所得税よりもウェイトが下がったとはいえ、未だに地方自治体では住民税よりも重要な税源です。

江戸時代の実際の米の収穫高については、各藩や江戸幕府などが年貢米を通じて調査したものが色々残っていますが、全国一律に調べたものはありません。しかしながら明治時代になると、『全国農産表』というものが作成され、各地の米の収穫高が国郡別に集計されます。明治9年から15年度の『全国農産表』は明治14年分を除き、近代デジタルライブラリーで閲覧できます(明治14年度に関しては、[『明治初期生産統計集成』]収録のものを閲覧するしかありません)。これら明治初期の農産高は幕末の農産高と大きな違いはないでしょう。そこで明治9年から明治15年までの7年間の『全国農産表』に集計されている水・陸の粳米・糯米の生産高(単位:石、合の桁まで示す)を、以下にまとめてみました。参考までに明治9年~明治15年の7ヶ年平均米収穫高(斗の桁で四捨五入)と『郡村石高帳』記載の明治5年石高(単位:石、才の桁まで示す)を並べてまとめます。

旧国M9米石M10米石M11米石M12米石M13米石M14米石M15米石平均米石M5石高
山城176,922.603246,179.991197,301.563262,173.220251,355.609232,955.585211,620.405225,501222,368.70517
大和353,141.139510,892.833430,452.255547,759.050373,796.915454,110.595471,427.878448,797503,686.23676
河内284,668.181346,125.400307,539.598384,230.854319,368.820327,738.526349,884.145331,365293,118.58720
和泉120,157.384160,663.837125,438.677155,560.808152,421.415132,554.774177,190.259146,284176,190.77610
摂津321,416.785613,906.729483,777.202574,257.599513,080.826564,270.128563,090.003519,114416,521.93580
伊賀122,310.408130,147.262112,305.980137,700.567129,725.453122,020.800121,698.572125,130110,917.96640
伊勢648,799.767688,104.927563,180.746761,310.554666,223.996603,279.156586,558.670645,351714,376.41500
志摩20,315.87019,161.75915,158.65225,121.27516,967.16411,882.46420,784.61218,48519,279.20300
尾張474,894.851552,882.788560,342.426654,872.325627,848.292594,729.129613,889.849582,780764,774.16620
三河316,989.250382,972.398366,363.903389,584.248375,208.804360,213.651348,507.666362,834472,373.71000
遠江277,432.440288,983.860262,919.056354,560.741290,929.284293,045.995305,386.555296,180372,546.34901
駿河231,615.830203,608.990192,505.173291,768.244289,984.472262,941.631283,706.473250,876251,954.16486
甲斐211,484.510238,162.477215,042.769254,118.060230,721.722230,544.461219,580.311228,522312,185.17685
伊豆72,052.75074,927.32064,117.58283,834.66492,788.78875,069.08984,378.80078,16784,037.20836
相模175,406.076178,884.842185,107.759216,727.563202,658.121178,438.698185,268.511188,927289,776.73197
武蔵800,174.749781,390.010802,207.8561,005,937.0201,193,077.5281,183,149.6201,270,747.2651,005,2411,282,000.77090
安房58,510.30557,118.02864,063.65473,464.98375,535.08183,715.32283,931.66270,90695,641.42350
上総298,206.152296,575.528346,166.281429,443.319373,701.026368,514.447398,424.369358,719427,313.77094
下総499,857.363466,061.074477,842.369620,616.424628,264.163543,872.863579,158.664545,096687,373.86055
常陸530,309.880492,302.164511,085.212778,241.355790,720.406644,732.023772,984.097645,768921,629.15250
近江785,932.143954,706.459789,754.2971,128,868.4641,078,842.1831,064,819.4671,019,315.145974,605857,849.52528
美濃638,811.987619,718.853463,801.113664,730.032642,757.439579,449.387519,346.070589,802729,654.88365
飛騨65,087.87860,343.99854,906.33660,375.93761,856.96261,784.135160,154.67974,93057,196.05800
信濃887,527.094728,463.458726,508.480732,374.991784,306.216766,965.899726,122.701764,610786,950.00098
上野309,596.719211,219.219243,544.551356,509.905319,157.777312,761.967282,465.170290,751635,851.10734
下野384,220.110435,103.973442,506.412486,514.379559,634.906525,264.769528,777.729480,289758,648.44071
磐城535,345.392518,780.384486,108.696522,815.264511,892.860509,306.733490,429.894510,668650,488.88237
岩代514,469.529533,166.272454,715.056518,044.549608,508.311505,957.166562,371.224528,176760,923.54591
陸前703,027.055680,666.097590,483.565666,023.519796,735.637721,098.251762,267.055702,900700,649.30800
陸中357,571.882406,388.187401,876.628442,037.134487,159.913399,752.825388,020.146411,830471,842.91200
陸奥467,118.842442,478.743395,765.895604,186.571549,245.630544,264.337573,285.691510,907423,100.83800
羽前854,076.294760,050.773664,181.220786,809.896893,619.648705,023.765864,724.240789,784946,971.30568
羽後941,379.313961,971.842863,302.8461,134,993.4341,250,344.812946,561.2861,162,563.3981,037,302568,474.88935
若狭60,226.08173,913.71057,532.76192,087.27587,521.19577,438.22579,378.05275,44291,767.05810
越前276,257.744303,248.227304,969.414349,330.790528,369.762374,315.380400,776.484362,467690,243.61775
加賀386,043.978408,781.977316,022.525404,325.176455,440.529380,378.538466,349.086402,477511,716.01839
能登259,023.553223,752.074202,215.095243,797.324260,300.878243,388.560247,641.196240,017307,602.82896
越中867,987.823883,473.450800,202.171866,804.2321,122,397.016874,643.281957,954.604910,495877,764.10700
越後1,223,661.8241,389,458.9111,342,000.7101,663,696.3831,979,005.1071,659,974.4781,775,916.0231,576,2451,150,567.52359
佐渡89,684.76570,511.52083,647.918133,267.200133,789.63086,816.19182,819.43097,220135,206.12300
丹波247,165.893338,537.043340,485.178386,245.103355,752.780353,229.877347,269.037338,384329,465.47386
丹後75,853.010144,987.437105,981.806139,898.949141,242.202130,703.889134,765.104124,776148,002.13030
但馬103,100.000142,746.276147,475.134156,118.148163,774.093160,097.577153,594.101146,701148,147.75427
因幡159,420.077160,439.970135,158.996202,179.167182,072.294184,180.629174,363.547171,116195,632.64500
伯耆154,191.323253,602.675183,303.046253,774.198231,210.607246,081.807224,793.595220,994251,069.40700
出雲280,059.586380,921.861328,717.675447,229.990407,587.111400,971.325377,718.901374,744320,709.91100
石見150,871.782177,750.155152,263.180215,563.216173,082.553173,303.289176,253.855174,155182,136.89850
隠岐5,809.02210,916.1135,327.59713,626.19812,921.7378,709.1967,922.3659,31912,562.90700
播磨467,216.000593,162.949895,618.770869,582.139834,657.781844,378.544771,366.375753,712660,557.81626
美作151,973.073216,468.335203,930.685230,419.012211,557.257217,300.542188,769.429202,917262,333.86400
備前303,052.597388,061.137362,222.105442,476.337373,283.540421,671.314362,739.683379,072418,964.53800
備中207,843.421305,412.461302,724.941338,360.681317,099.808328,821.263308,115.211301,197371,355.17580
備後210,871.929246,993.655235,256.677329,481.054317,436.112327,385.359327,320.197284,964315,876.18155
安芸242,650.104348,070.853338,644.212451,537.303457,603.023436,118.587445,424.355388,578314,669.48710
周防288,361.501300,726.966374,676.599366,050.873363,916.169373,002.856392,716.592351,350552,160.21518
長門250,697.685298,109.574273,749.050329,534.714316,187.555341,386.049346,927.116308,085458,143.48989
紀伊426,690.852459,289.814413,868.901597,046.229446,727.121477,205.514462,755.184469,083444,283.13335
淡路108,954.000181,800.000186,091.603193,954.000204,380.625167,511.028185,551.655175,463136,637.98183
阿波238,714.031204,916.132196,855.697272,723.470263,441.686268,897.462221,009.242238,080310,484.46474
讃岐306,786.912344,439.500354,957.156469,816.096446,909.224457,425.570462,111.687406,064309,814.75380
伊予361,384.018378,756.420412,376.634490,194.317440,596.833486,957.258443,189.766430,494443,321.68842
土佐358,003.510321,081.786298,586.092376,060.900342,563.090377,288.000347,766.314345,907510,572.19470
筑前522,237.000589,332.154458,122.195633,518.484560,571.871541,626.115541,626.115549,576633,404.63540
筑後393,093.000425,920.491324,948.184445,559.126340,936.860439,374.725439,374.725401,315536,742.90265
豊前294,893.280333,532.978267,902.031438,951.549362,614.845369,340.607358,758.253346,571366,948.08138
豊後312,007.347354,829.814324,195.465460,182.289378,133.068420,230.268340,874.146370,065459,184.41734
肥前692,413.031664,212.298690,175.740900,679.283822,342.188807,306.928882,422.216779,936685,116.89762
肥後820,385.878625,310.633564,963.199791,357.050713,092.507843,277.007673,106.739718,785851,237.05291
日向173,403.633238,496.624267,840.242365,014.377311,136.240281,031418,142.35665
大隅・奄美96,600.149117,399.64198,232.512139,022.454142,276.376125,428329,012.87032
薩摩147,662.658148,313.477162,709.535181,914.334178,696.443164,137323,483.49953
壱岐5,342.75011,844.12016,829.30818,229.63014,100.82912,095.80517,051.45313,64232,853.88500
対馬2,032.4241,753.3112,500.8584,576.7103,898.1292,455.8835,557.3293,2545,818.11600
合計24,743,791.33526,599,177.25525,282,539.55631,628,011.28531,433,740.08329,912,029.03530,452,220.12928,753,85132,270,382.11148
不一致-0.0094.0190.10050,277.6640.0000.0020.000
総計24,743,791.32626,599,181.27425,282,539.65631,678,288.94931,433,740.08329,912,029.03730,452,220.129
[81225] 2012年 8月 1日(水)18:55:45【1】YT さん
桐山
[81224] 皿 さん

すべては昭和31年と昭和42年に後に当時の東頸城郡松代町と中魚沼郡川西町との間で境界線を変更していたからです。

郡域レベルの変更は、平凡社の『日本歴史地名体系』の新潟県の「旧区郡域・現郡市区町村域 対照図」(各巻の巻頭に収録されています)を見れば大雑把に分かります。確かに現十日町市桐山~室島乙で、山中に微妙な郡域の変更があったことが見てとれますが、正確な領域の変更をここに書き下すことはできません。

それよりも、そのような微妙な領域の変更を問題にするのなら、それこそ図書館へ行って古い地図を調べ、自分の目で確かめないと話にならないし、そっちの方がはるかに早いと思いますが。少なくとも近代デジタルライブラリー収録の地図は山中の郡境が不正確です。どの縮尺の地図で作業しようとしているのかは知りませんが、古い地図が入手できなのなら、『日本歴史地名体系』収録の地図を見るのが早いと思います。
[81218] 2012年 7月 31日(火)17:16:03【3】YT さん
矢吹町
[81198] 皿さん
私は、福島県矢吹町の現行町名と江戸時代にのちの現在の矢吹町にあった村の位置が全然わかりません。
とりあえず、近代デジタルライブラリーの『ポケツト大日本分県地図 : 最新調査. 福島県之部』 (1925年)を見ると、当時の三町村(矢吹町、中畑村、三神村)の境界と、それぞれの村内の地名の凡その位置が載っています。

一方、『旧高旧領帳』を調べると、大和久村、須乗村、須乗新田、七軒新田が白河県の幕府領、松倉村、三城目村、三城目新田が白河県の白河藩領分、矢吹村、矢吹新田、中畑村、中畑新田、大畑村、堤村、神田村、松崎村、中野目村、明岡村、明岡新田が磐前県の白河藩領分となっています。

近世村等旧領府県(M9迄)郡(M8迄)町村制施行時(M22)備考
矢吹村白河藩領分磐前県石川郡矢吹村
(矢吹新田村)白河藩領分磐前県石川郡矢吹村M9矢吹村に合併
中畑新田村白河藩領分磐前県石川郡矢吹村
大和久村幕府領白河県白河郡矢吹村
中畑村白河藩領分磐前県石川郡中畑村
松倉村白河藩領分白河県白河郡中畑村
(七軒新田村)幕府領白河県白河郡中畑村M9松倉村に合併
大畑村白河藩領分磐前県石川郡中畑村
須乗村幕府領白河県白河郡三神村
(須乗新田村)幕府領白河県白河郡三神村M9須乗村に合併
三城目村白河藩領分白河県白河郡三神村
(三城目新田村)白河藩領分白河県白河郡三神村M9三城目村に合併
神田村白河藩領分磐前県石川郡三神村
中野目村白河藩領分磐前県石川郡三神村
堤村白河藩領分磐前県石川郡三神村
明新村白河藩領分磐前県石川郡三神村M19明岡村と明岡新田村が合併して成立
(明岡村)白河藩領分磐前県石川郡三神村M19明岡新田村と合併し明新村
(明岡新田村)白河藩領分磐前県石川郡三神村M19明岡村と合併し明新村
柿ノ内村白河藩領分白河県岩瀬郡広戸村K2(1866)以降幕府領

現地名への対応は、平凡社の『日本歴史地名大系』に載っています。また西岡虎之助, 服部之総監修『日本歴史地図』 (1956年)の244-245頁に、福島県の廃藩置県前の幕府領・各藩領や、明治8年に白河郡となった石川郡の領域(明治8年までは、その中に三城目村、三城目新田、須乗村、須乗新田村などの白河郡の飛び地があったことになる)が載っていますので、『ポケツト大日本分県地図』と比較すれば、江戸時代の村の領域がある程度は把握できると思います。

なお東大の史料編纂所には、私製の『1:25,000地形図』があります。
国土地理院発行, 昭和29-54年刊) を各地域毎に私家製本したもの
ですので、その気になれば昭和55年の大字変更前の地名の位置を探ることができるでしょう。

【追記】天保国絵図を見ると、矢吹村や中畑村が石川郡所属となっていて、三城目村、三城目新田、須乗村、須乗新田村がループの白河郡所属となっていますが、『日本歴史地図』ではこれらの地域が「白河郡飛び地」と明記され、その周りを明治8年まで石川郡所属(『日本歴史地図』では石川「県」と書かれていますが、多分誤植)の矢吹村・中畑村等が取り囲んでいます。『旧高旧領帳』ではこれらの石川郡所属の村も白河郡(後の西白河郡)所属扱いとなっていますが、正確にはこれらの地域は天保郷帳の描かれた江戸時代後半から明治初期まで石川郡所属です。

【追記2】というか、2万5000分の1の地図はそもそも国立国会図書館で閲覧可能でしたね。ゼンリンの住宅地図の方は、国立国会図書館では1984年版が最も古いようですが。
[81192] 2012年 7月 28日(土)05:09:06【1】YT さん
文部省年報、磐井
[81186] 白桃 さん

ただ、下小田井(後の西枇杷島町→清須市)は、「戸数1,089、人口553人」とな
っており、思わず唸ってしまいました。

以前私が[67796]に書いたのと同じ問題に直面しているようですね。

地名明治12年1月1日調明治13年1月1日調
地名戸数人口戸数人口
下之一色村1,0794,5351,0624,381
下小田井村1,0864,2421,089553

明治12年1月1日調の方は男2125人+女2117人、明治13年1月1日調の方は男276人
+女277人となっており、おそらく後者が2076+2077人の間違いで、たぶん正し
い人口は4153人だろうという予測はつきますが、確証はありません。しかもこの
時代は戸数と言った場合、後の世帯数に相当する戸数と家数の混同が起こってい
たりします。

ところで以前、[68674][68675]で、文部省調による明治12年と明治13年の「人口壱萬人以上ノ都邑」の人口を紹介しましたが、これの元データが『日本帝国文部省年報』の「人口壱万以上都邑学事統計表」であることが判りました。『日本帝国文部省年報』では、明治10年から明治18年まで、人口1万人以上の都邑の人口と、明治10年から明治16年までの各府県の主だった都邑の人口がまとめてあり、これについては量も多くないのでいずれまとめようと思います(というか、「人口壱万以上都邑」に登場する138都邑の9年間(明治10年~明治18年)の人口については既にまとめ済みです)。

ただこの表で使われている人口は、共武政表や日本民籍戸口表の人口とほとんど一致しません。文部省が独自に人口調査をしているとは思えないので、内務省や警察署の戸籍調査を使っていると推測されるのですが、これらが本籍人口なのか、現住人口なのか、あるいは年始/年末調のいずれかなのか、等々、色々データに問題があるので、公式の人口データとみなしていいのか微妙な状況です。せめて一言どこかに人口データの典拠や方法論についての言及があればいいのすが・・・

[81048] 千本桜さん
共武政表の岩手県西磐井郡に「磐井」と言う名の輻輳地が記載されていますが、

明治10年には磐井は人口1万3702人(明治11年1月1日調?)の大都市という扱いになっています。明治11年には人口1万1813人(明治12年1月1日調?)、明治12年には9403人(明治13年1月1日調?)、明治13年には7974人(明治14年1月1日調?)、明治14年には6791人(明治15年1月1日調?)に減っており、都市域の範囲がいい加減であることが伺えます。明治15年の磐井の人口は6822人と少し増え、明治16年には6859人となっています。残念ながら明治17年~明治18年は「人口壱萬人以上ノ都邑」しか掲載されていませんので対象外ですが、『文部省年報』の記述を信じるのなら少なくとも明治10年から16年頃までは、「一関」ではなく「磐井」の方が正式な呼称として採用されていたようにみえます。
[81178] 2012年 7月 24日(火)18:40:40YT さん
十勝国河東郡、河西郡は各々「川筋東岸、川筋西岸」の村々を以て一郡と仕度候
[81170] Issie さん
いや,もっと単純に,北海道に国郡が設置された1869(明治2)年の段階では十勝平野の内陸まで実測が行われてはいないでしょうから方位の測量も完全ではなく,やっぱりサックリと“十勝川の西と東”ということなのかもしれませんが。

[81174] にまん さん
私はサックリ説に一票。

北の住人さんが[46207]で挙げられていますが、北海道の旧国名、制定の経緯に纏められているように、北海道の名称や国郡名は、開拓判官の松浦武四郎が明治2年旧暦7月17日(1869年8月24日)に上申した意見書を元に、明治2年旧暦8月15日(1869年9月20日)に太政官布告で決定されたものです(明治2年8月15日太政官布達第734)。

幸いに松浦武四郎による上申書の中身は、北海道大学北方関係資料総合目録の方に、『北海道々国郡名撰定上書』として収録されていますので、該当部分を読みますと:

河東郡 川筋東岸「ヲトフケ」「シカリヘツ」の村々を以て一郡と仕候、様奉在候

河西郡 川筋西岸「サツナイ」「ヤロマツ」「ヒハイロ」「メモロ」等を以て一郡に仕度候

「トカチ」川の東西村々を二郡に相分け中候、河東河西と仕度候、則阿波国に名東郡、名西郡、又筑前の上座、下座其餘葛上、葛下、添上、添下、皆あげてかぞへがたし、依て可然奉存候、

ヲトフケ=音更
シカリヘツ=然別(音更町内)
サツナイ=札内(幕別町内)
ヤロマツ=?
ヒハイロ=ピパイロ、美生(芽室町内)
メモロ=芽室

つまり十勝川の川筋西岸=十勝川の右岸、川筋東岸=十勝川の左岸としており、河口での川岸の東西で決めたようで、上流での地理云々は関係ないわけですね。まあ天保の国絵図を見る限り内陸の方位はいい加減ですし、伊能大図も海岸線しか調べていませんし、明治2年の段階では内陸の地形の詳細は不明だったでしょうけども。

なお、松浦武四郎本人はこれらの土地を実際に歩き、『蝦夷日誌』等に書き記しているようです。その辺の詳しいことは地徳力さんのホームページに掲載されています。

上を調べるきっかけになったのは、[81063]に示したように、『郡村石高帳』に釧路国善報郡という郡名が記載されていたからです。法令全書太政官日誌を見る限りそのような郡は設置された事実はなく、あくまでも松浦武四郎の原案にしか登場しないようです。どうやら明治6年に租税寮で『郡村石高帳』をまとめた人には北海道の国郡はどうでもよくて(村数、石高は全て空欄)、松浦武四郎の原案を横にして帳簿をまとめてしまったようです。
[81167] 2012年 7月 22日(日)17:47:25【1】YT さん
寛永国絵図の美作国の石高の訂正
[81123]の1598年~1872年の旧国別石高の変遷の内、寛永十年巡見使国絵図の美作国の石高に誤りがあったので訂正します。[81123]では22万7115石としましたが、改めて川村博忠編『寛永十年巡見使国絵図日本六十余州図』, 柏書房 (2002年)をチェックし、22万7715石の間違いであることを確認しました。それに伴い総石高も、2242万6237石9斗から、600石多い2242万6837石9斗へ修正されます。まあ、島原松平文庫『御当地雑記』一「日本国知行高之覚」記載の江戸初期高と比較すると、どちらかが「壱」と「七」を混同して書き記した可能性が高いようにみえますが。

なお寛永十年巡見使国絵図では、端数切り捨てを意味する「余」という言葉が幾つかの地図に挿入されています。同様に島原松平文庫『御当地雑記』一「日本国知行高之覚」でも三河国に限り「余」が挿入されています。以下、大野瑞男「国絵図・郷帳の国郡石高」 (『白山史学 』, (23), pp. 1-50 (1987年))記載の江戸初期高とともに寛永国絵図石高を再録します。

旧国江戸初期高(余)寛永国絵図高(余)
山城国216,070.700216,070.0
大和国444,134.000444,134.0
河内国308,857.620308,857.0
和泉国138,797.090138,797.0
摂津国290,902.100299,902.0
伊賀国95,594.10095,594.0
伊勢国572,786.900572,786.0
志摩国17,849.30017,849.0
尾張国480,841.700
三河国336,000.000350,000.0
遠江国268,800.000268,800.0
駿河国170,000.000170,000.0
甲斐国250,000.000250,000.0
伊豆国79,353.00079,353.0
相模国191,524.000191,920.0
武蔵国840,000.000840,000.0
安房国91,779.12091,779.0
上総国285,300.000285,300.0
下総国250,131.000250,140.0
常陸国753,600.000752,600.0
近江国832,122.600832,120.0
美濃国581,523.000581,523.0
飛騨国38,764.40038,764.0
信濃国547,360.000547,360.0
上野国468,000.000468,000.0
下野国464,000.000464,000.0
陸奥国1,729,000.0001,822,000.0
出羽国870,000.000870,000.0
若狭国85,099.60085,099.0
越前国682,654.000682,654.0
加賀国442,507.400442,507.0
能登国216,891.300216,891.0
越中国530,637.300536,037.0
越後国450,060.900606,370.0
佐渡国20,599.00020,599.0
丹波国280,570.200280,570.0
丹後国123,170.200123,170.0
但馬国123,960.000123,960.0
因幡国131,649.600131,649.0
伯耆国175,032.000175,032.0
出雲国223,477.100223,477.0
石見国137,370.000137,370.0
隠岐国11,802.90011,802.0
播磨国521,300.000
美作国227,115.500227,715.0
備前国286,200.000286,200.0
備中国227,894.800227,894.0
備後国238,838.000238,138.0
安芸国259,384.900259,384.0
周防国164,420.200164,420.0
長門国134,059.900134,050.0
紀伊国395,247.700395,247.0
淡路国63,621.10063,621.0
阿波国186,753.500186,753.0
讃岐国171,815.000171,815.0
小豆島3,186.700
伊予国381,640.800381,640.0
土佐国202,626.500202,626.0
筑前国522,512.400522,515.0
筑後国302,085.500302,085.5
豊前国330,744.644300,740.0
豊後国378,592.400378,592.0
肥前国561,437.400561,437.0
肥後国572,989.000572,989.0
日向国288,589.500288,589.0
大隅国170,828.100170,828.0
薩摩国315,251.700315,251.0
壱岐国15,982.30015,982.0
対馬国0.0008,163.0
合計22,171,689.67422,426,837.9

なお、川村博忠編『寛永十年巡見使国絵図日本六十余州図』に収録されている国絵図は、主に岡山大学附属図書館所蔵の池田家文庫で、尾張国と播磨国の国絵図は、秋田県公文書館所蔵の日本六十余州国々切絵図によります。現在寛永国絵図が全国68ヶ国完全に揃っているのは秋田公文書館と山口県文書館で、岡山大学附属図書館所蔵は尾張と播磨を欠き、その他名古屋市蓬左文庫に過半数、東京大学総合図書館(南葵文庫)、熊本大学附属図書館(永青文庫)に十数ヶ国分が現存しますが、この内描法・彩色・書写がもっとも丁寧なのが池田本です。以下本書の解説からの引用です。

 以上の考察の結果から、伝存する余州国諸本は寛永10年(1633)に全国に派遣された諸国巡見の国廻りを通じて幕府へ収納された国絵図の写本であることが明らかとなった。そのうち本書に図版で収録した岡山大学附属図書館(池田家文庫)蔵の池田本は、秋田県公文書蔵の佐竹本、山口県文書館蔵毛利本とともに全国分ほぼ揃って存在する「日本六十余州図」のひとつである。
 寛永10年の巡見使国廻りが全国を6区に分けて実施されたことからすると、本来巡見使上納国絵図は分担区ごとに絵図様式に違いが生じていたはずである。ところで「日本六十余州図」は、村々記載の精粗、郡区分の有無、国境越え道筋での表記の違いなど巡見使の分担区ごとに内容に明らかな差異があるにもかかわらず、絵図様式は全国すべて一様である。このことは「日本六十余州図」が巡見使国絵図を原拠とする写本ではあるものの、その後に様式の統一をはかって全国をいっせに描き直した二次的写本であることを推測させる。
(中略)
 ところで、この二次的写本とみられる「日本六十余州図」の成立時期については、寛文11年(1671)頃ではないかと考えられる。池田本をはじめいくつかの余州図の付箋に記される城主の揃う時期が寛文11年であることは、この年に古くなった全国の一次的写本がいっせに描き直されて、居城に付箋がつけられたと想定できよう。
(中略)
 「日本六十余州図」が寛永10年巡見使国絵図の二次的作品であるとはいえ、慶長国絵図が全国揃って残されていない現在では、この写本は全国を網羅して現存するもっとも古い江戸幕府の国絵図である。絵図面が比較的扱いやすい手頃な大きさであることから、地理的情報がとぼしかった江戸前期ないし中期において全国を知る地図資料として有力大名家間にてこれが模写・転写されたものと考えられる。
[81160] 2012年 7月 22日(日)02:22:55YT さん
北海道庁現行布令便覧 ほか
[81135] むっくんさん

M31.7.31現在の連合戸長役場であるならば北海道庁現行布令便覧(明治三十一年)(上巻)(編・発行:北海道庁、M32.2.10)に載っています。

『北海道庁現行布令便覧』のご紹介ありがとうございます。さらに明治19年から明治27年までは、『北海道庁布令全書』というのが発行されているようですが、近代デジタルライブラリーをみる限り、各年の戸長役場の所在地まではまとめてはないようですね。

[81149] オーナー グリグリさん
川西村(町)が圧倒しています。これだけの差があると何か要因があるように考えられます。

とりあえず、川東、川南が少ない理由は、日本語の音韻論で説明できると思います。川東や川南と書いた場合、ほぼ訓読みで「かわひがし」や「かわみなみ」なると思いますが、日本語であれば音韻(モーラ)数が4や3の省略を好む傾向があり、5モーラの「かわひがし」や「かわみなみ」よりも4モーラの「こうとう」「こうなん」や3モーラの「かとう」「かなん」が口にしやすいのはないでしょうか?

もっとも兵庫県や福島県の河東、石川県の河南は「かわひがし」「かわみなみ」ですし、「かわきた」が少ないことの説明にはなりませんので、彼岸や西方浄土などの仏教思想の影響があるのかも知れません。
[81125] 2012年 7月 16日(月)17:33:11【1】YT さん
正保郷帳の石高に関する混乱
[81123]の正保郷帳の石高については説明が必要なので稿を改めます。

正保郷帳を調べる過程で、和泉清司著 『近世前期郷村高と領主の基礎的研究 : 正保の郷帳・国絵図の分析を中心に』, 岩田書院 (2008年)と出会い、郷帳への認識を改める必要があるように感じました。
元禄郷帳や天保郷帳は村高が列挙されているだけですが、正保郷帳は各村毎に村高、田方、畑方が記載され、最後集計に本高、寺社領、新田高、小物成等がまとめられています。一方、正保国絵図の方には、新田高は原則として記入されてないようです。このため、正保石高は二系統の数字が存在することになります。おそらく東京大学史料編纂所の『正保・元禄・天保・明治村高比較表』の石高は、種々の寛永国絵図、正保国絵図に記載されていた石高をまとめたもので、実際に郷帳に書かれた数字との乖離があるのでしょう。参考までに陸奥国津軽領分の正保郷帳の石高をまとめると以下の通りで、郷帳の数字を足すと津軽領分の村数は336、石高は10万2468石8斗ですが、国絵図に書かかれる数字は村数134表高4万5000石です。

区分村数村高合計田方畠方不一致
平賀郡本村分4219,265.06017,479.5201,573.020212.520
平賀郡新田分3315,633.940
平賀郡合計75.00034,899.000
田舎郡本村分3811,376.57010,260.4201,116.350-0.200
田舎郡新田分12018,401.700
田舎郡合計15829,778.270
鼻和郡本村分5414,358.37013,209.6301,147.7401.000
鼻和郡新田分497,972.890
鼻和郡合計10322,331.260
津軽領分本高13445,000.00041,160.4403,839.5600.000
津軽領分本高不一致00.000210.8702.450
津軽領分新田高(本村分)15,460.260
津軽領分新田高(新田分)202.00042,008.530
津軽領分新田高合計57,468.800
津軽領分新田高不一致0.010
津軽領分総計336102,468.800

ただ現時点で自分は正保国絵図の原本を見る機会はありません。また郷帳のまとめ方も地域によって揺れがあり、ある郷帳では本高で集計した後、寺社領高、小物成、新田高を別に記していますが、一方では、寺社領を本高に加えたり、あるいは新田高も本高に加えて集計している郷帳も存在します。そこで以下、とりあえず郷帳の総計として取り上げられているものを「草高」、新田高など全てを合計したものを「内高」として集計しました。なお斗以下の数字の方は『近世前期郷村高と領主の基礎的研究 : 正保の郷帳・国絵図の分析を中心に』に収録されているCD-ROMの方に入っています。村数もCD-ROMの収録分を参考にし、「新田村」「枝村」の数字が分かっている分に関しては村数に加算しました。また貫高等、石高以外のものは石高の計算に含めませんでしたが、陸奥国仙台領分については例外として1貫高=10石の換算を実施しました。参考までに菊地利夫『新田開発』と東京大学史料編纂所所蔵『正保・元禄・天保・明治村高比較表』収録の正保郷帳石高も列挙します。

旧国正保草高正保内高村数典拠菊地利夫村高比較表
山城国215,985.62170411郷帳215,982215,986.34817
大和国469,380.624601,220村高比較表459,380469,380.62460
河内国264,952.34320265,518.42520459郷帳264,952264,952.34100
和泉国159,117.72700159,628.55800279郷帳159,326159,326.77100
摂津国375,496.75500380,875.39700742郷帳375,478375,478.86000
伊賀国100,538.00000145国絵図100,540100,540.00000
伊勢国596,334.68500658,896.319001,089郷帳585,065585,065.16400
志摩国19,290.3260055国絵図20,06120,061.00000
尾張国526,493.51000919郷帳483,432
三河国350,880.05800359,991.680001,181寛永16年郷村帳350,888
遠江国280,733.49000301,404.18624930郷帳280,696280,696.00500
駿河国191,315.69100732郷帳191,315191,315.69100
甲斐国234,327.38100730国絵図245,298245,298.70600
伊豆国79,653.20800265国絵図79,65379,653.20800
相模国206,812.01700605寛文年中郷村帳220,617220,617.70000
武蔵国982,337.96580989,725.333802,415郷帳982,327982,337.96580
安房国92,641.68000245郷帳92,64192,641.68000
上総国351,731.00000971国絵図378,892
下総国444,829.84200928村高比較表444,829444,829.84200
常陸国840,801.828901,546村高比較表840,048840,801.82890
近江国830,594.42600833,636.883001,441郷帳832,122832,122.00000
美濃国627,966.11200628,912.852001,254郷帳609,718609,718.92800
飛騨国38,764.40000215慶長郷帳38,76438,764.40000
信濃国544,770.33800578,406.405001,346郷帳548,600
上野国515,221.29926520,963.875261,133寛文8年郷村帳515,214515,215.00000
下野国565,975.62000618,592.330001,118郷帳568,733568,733.91000
陸奥国1,702,588.351403,8381,672,8061,829,000.00000
[会津領分]257,029.00000770文禄3年郷村帳
[白河三春二本松領分]315,169.00000528国絵図
[磐城棚倉相馬領分]205,026.59540254,279.16440548郷帳
[米沢領分]121,186.92500148国絵図
[仙台領分]654,110.88000745,293.38000970郷帳
[南部領分]105,065.95100538郷帳
[津軽領分]45,000.00000102,468.80000336郷帳45,00045,000.00000
[磐城国]438,137.67540489,715.07440895
[岩代国]533,876.925001,089
[陸前国]434,938.85000506,025.74000692434,860434,938.85000
[陸中国]218,681.81400236,452.59400545
[陸奥国]72,437.29900129,906.09900503
出羽国951,523.476001,124,394.893002,113郷帳965,674951,523.47700
[米沢領分]180,000.00000196,994.58400348186,990186,990.00000
[山形領分]337,610.45900340,883.68800388337,610337,610.45900
[新庄領分]36,158.7420042,715.513005436,15836,158.74200
[庄内領分]195,373.04800268,128.71500690149,117195,373.04800
[秋田領分]200,251.33900273,542.50500626255,799202,381.22700
[羽前国]649,480.35200722,672.698001,071656,458656,470.35200
[羽後国]299,913.23600399,592.307001,035309,216302,043.12400
若狭国85,460.08890209郷帳85,09985,099.67000
越前国680,293.308001,393郷帳682,182622,182.00000
加賀国422,958.60000440,399.15000751郷帳422,957422,957.61000
能登国225,006.15000255,555.71000564郷帳225,006225,006.10000
越中国592,415.66000660,718.380001,117郷帳592,415592,415.00000
越後国611,960.427002,682国絵図611,960
佐渡国24,812.01200251国絵図24,81224,812.01200
丹波国289,829.14600777郷帳289,829289,829.14700
丹後国123,175.01000292国絵図123,175123,175.00000
但馬国129,069.75700607国絵図129,069129,069.75700
因幡国149,742.50000515寛永15年郷村帳149,539149,539.00000
伯耆国170,257.50000704寛永15年郷村帳170,254170,254.00000
出雲国253,596.79200500国絵図253,597253,597.64760
石見国139,242.99100413国絵図139,401139,401.53700
隠岐国11,601.3930061国絵図11,60111,601.39300
播磨国542,130.12700554,629.787001,570郷帳562,291562,291.44700
美作国186,500.00000237,630.30000594郷帳186,500186,500.00000
備前国280,200.00000296,402.00000897郷帳280,200280,200.03000
備中国236,491.825001,221郷帳236,691236,691.82500
備後国248,015.28700457元和5年郷村帳248,606248,606.91000
安芸国266,862.55600267,851.97100433元和5年郷村帳265,071265,071.18600
周防国202,787.60000152郷帳202,787202,787.60000
長門国166,623.40000152郷帳166,623166,623.40000
紀伊国398,395.453001,258国絵図398,395398,395.45300
淡路国70,186.50000220国絵図70,18670,186.50000
阿波国186,753.58300451国絵図186,753186,753.58300
讃岐国238,028.33100321寛永17年郷村帳173,554173,554.22700
伊予国400,271.87300402,538.14200939郷帳400,271400,271.87300
土佐国248,328.12000254,378.12000463寛文4年郷村帳202,626202,626.00000
筑前国522,512.60130617,948.27590741郷帳522,512522,512.60130
筑後国331,490.00000707国絵図302,089302,089.00000
豊前国231,680.00000602国絵図231,680321,680.00000
豊後国357,300.51500364,364.521171,418郷帳378,592378,592.00000
肥前国565,655.359601,505国絵図561,437561,437.00000
肥後国579,711.78700617,803.077001,112郷帳572,980572,980.00000
日向国290,180.97300375国絵図288,589288,589.00000
大隅国170,833.45100230寛文4年郷村帳170,82817,828.00000
薩摩国315,005.60012256国絵図283,482315,251.00000
壱岐国17,568.0300041国絵図15,98215,982.00000
対馬国6,269.71500121郷帳
琉球国123,711.8134869国絵図
[大島]32,828.7000017
[本琉球]90,883.1134852
合計23,653,973.6122624,572,941.7682755,46623,342,672

典拠のうち、郷帳、国絵図はそれぞれ正保郷帳、正保国絵図とされるもので、郷帳や国絵図が存在しない地域は、近い年次の郷村帳によります。なお、大和国、常陸国、下総国に関しては東京大学史料編纂所所蔵『正保・元禄・天保・明治村高比較表』の数字を使いました。下総国は和泉清司本に数字がなく、また常陸国に関しては寛永年中郷村帳(54万1967石0斗6升4合)、大和国に関しては寛永16年郷村帳(44万4056石9斗2升、外屋敷高450石8斗6升1合)の数字があるものの、『正保・元禄・天保・明治村高比較表』の数字の方は郡別石高があり、何らかの国絵図から数字を採用し、さらに寛永年中の石高よりも数字が更新されていると推測されたため、これらに関しては『正保・元禄・天保・明治村高比較表』の数字を使いました。文禄3年の蒲生領高の数字を採用している陸奥国会津領分、慶長郷帳の飛騨国、寛永の数字を使っている三河国、因幡国、伯耆国、讃岐国に関しては、『正保・元禄・天保・明治村高比較表』の方でより良い数字が見当たらないので(ほぼ同じ数字、あるいはより古い数字が採用されている)、和泉清司本の数字を採用しました。村数の内、相模国、下総国、常陸国などは菊地利夫本からの採用です。

また陸奥国内の旧国別人口の合計、出羽国内の旧国別人口の合計がそれぞれの草高、内高と一致しませんが、これは陸奥国南部領分と出羽国の郡別石高の合計と総計が一致しておらず、一部郡別の内訳が記されていない小物成高や新田高等が草高や新田高に加えられているせいです。村数についても一致しない箇所がありあすが、例えば出羽国の場合、個々の郡別本村数・新田村数と合計が一致しませんが、新田村の名前が記載されていない郡もあるため、正確な数字を検証できないためです。

津軽領分の事例を見れば分かるように、これらの石高は米の生産力だけを表したものではなく、麦や大豆、塩、あるいは屋敷や林など、面積で表せるものは米の生産力に換算した石高を設置して、租税を徴収していたわけです。また米で納められないものは物納や金納となり、面積で表せないものは小物成として別個記載されました。

一応石高はおおよそ第一次産業の生産高を米の収穫高に換算した数字で、実際に取れる米の収穫量は、これらの石高を下回るはずです。それでは実際の米の収穫高はどの程度だったのでしょうか?それについて次回まとめたいと思います。
[81124] 2012年 7月 16日(月)17:26:58【5】YT さん
1598年~1872年の旧国別石高の変遷 それぞれの史料について
以下[81123]の表の解説です。

【(1) 慶長3年】 『大日本租税志』「慶長三年検地目録」
[72089]でも紹介しましたが、慶長3年(1598年)の石高は『大日本租税志』収録の『慶長三年検地目録』によります。太閤検地の結果として色々な書物に引用されていますが、検地が十分実施されなかったところは石高が低目に出ています。

【(2) 江戸初期】 島原松平文庫 『御当地雑記』一「日本国知行高之覚」
ここに引用する数字は、大野瑞男「国絵図・郷帳の国郡石高」 (『白山史学 』, (23), pp. 1-50 (1987年))記載のものです。なお原本では下総国の石高は空欄ですが、総石高2217万1689石6斗7升4合から他国の石高を引くことにより25万0131石と求まり、これは寛永10年の国絵図の下総国石高25万0140石とほぼ同じです。また出羽国石高石高には上杉弾正分10万石を含み、讃岐国石高には小豆島3186石7斗を含みます。

この江戸初期高で重要な点は、おそらく慶長10年(1605年)に徳川幕府によって提出を求められた慶長郷帳や慶長国絵図の石高だろうと考えられることです。大野瑞男による解説によると

江戸初期高は島原松平文庫「御当家雑記」一にある「日本国知行高之覚」による。このうち江戸初期の高とするものは、同書に「御統家ニ相定所也」とあり、これは慶長十年の国絵図・郷帳高と思われる。しかし国によって若干の違いがある。
 「鉄醤塵蓋抄」によれば、周防・長門の指出高八九万二千四〇〇石余、内一二万石が毛利秀元領、長府領五万石弟就清領、周防徳山領三六万九四〇〇石余、新田二九万三〇〇〇石余、合計六六万二四〇〇石秀就台所入となっている。「国主城主記」には、伊賀八万一〇〇〇石余(筒井伊賀守定次慶長十年指出高)、出雲・隠岐二十三万五〇〇〇石(堀尾出雲守忠氏慶長十年指出高)、美作一八万六〇〇〇石余(森美作守忠政慶長八年高)、二二万七〇〇〇石(慶長十年指出高)、備前三一万五〇〇〇石(池田三左衛門輝政慶長二年高)、二八万六〇〇〇石余(慶長十年指出高)、安芸・備後四九万八〇〇〇石余(福嶋左衛門大夫正則慶長五年指出高・十年指出高)、紀伊三七万四〇〇〇石(浅野紀伊守幸長慶長五年高・十年指出高)、阿波一八万六〇〇〇石余(蜂須賀彦右衛門家政天正十三年高・慶長十年指出高)となっており、このほか肥前・豊前・日向の石高記載もあるが、城地別の記載のみであって、総国高は知ることができない。
 「鉄醤塵蓋抄」の記載はともかく、「国主城主記」の記載の慶長十年高と「御当家雑記」の石高の千石以下の端数を除いたものであることが判明する。
 次に現在知られている国絵図・郷帳の石高と比較すると、摂津国絵図の高頭目録高二九万〇〇六八石六斗に対し、「御当家雑記」の石高は二九万〇九〇二石一斗で、八三三石五斗の差がある。外小物成分は六六八石一斗六升であるからこれとも一致しない。越前国絵図には総高六八万〇三二七石一斗二升とあり、「御当家雑記」の石高の六八万二四五四石とは差がある。周防・長門国絵図には周防六郡高辻一六万四四二〇石二斗一升二合、長門八郡高辻一三万四〇五九石九斗九升一合とあって「御当家雑記」の石高とは全く一致する。また福原家文書「慶長九年御両国物成御下書上ゲ」では、周防・長門両国高は二九万八四八〇石で「御当家雑記」の両国石高合計と一致する。慶長十年八月山内一豊が幕府に録上した土佐国総目録には、高二〇万二六二六石五斗とあり一致する。筑前国絵図の絵図目録記載五〇万二四一六石三斗一合三勺と比較すると、五二万二五一二石四斗と二万石以上の差違がある。慶長十年十月十五日の小豆島絵図の高頭目録の高都合は三一八六石七斗で、「御当家雑記」の石高とこれも一致する。
 以上のように国によっては相違はあるものの、「御当家雑記」の「日本国知行高之覚」の江戸初期高は、ほぼ慶長十年国絵図・郷帳高とみてよいであろう。

現在慶長郷帳は3点しか残っていませんが、活字化された慶長10年の飛騨国の郷帳は『岐阜県史 史料編 近世一』収録の「金森素玄領飛騨国石高帳」で読むことができます。最後の部分を引用すると

三郡之高
 惣都合三万八千七百六拾四石四斗
 内 田方弐万五千四百七拾五石三斗弐升七合
   畑方壱万三千弐百八拾九石七斗三合
 此物成都合壱万弐千百拾五石八斗三升余
               但三ツ一分弐朱八リンニ当ル
慶長拾乙巳季九月日 金森兵部卿法印素玄

ただ村高を並べているだけの元禄郷帳や天保郷帳に比べ、慶長郷帳は各村毎の石高と、田方、畑方の石高、物成(実際の租税収入)を列挙しており、はるかに情報量が多くなっています。さらに上の飛騨国の場合は田方、畑方、物成の記載のみですが、必要に応じて小物成(貨幣納による租税)、寺社領なども記載されました。これらの数字は現存する国絵図にも記載されているそうです(この辺については黒田日出男「江戸幕府国絵図・郷帳管見-1-慶長国絵図・郷帳について」 (『歴史地理』 93(2), pp. 71-94 (1977年))、現存慶長・正保・元禄国絵図の特徴について : 江戸幕府国絵図・郷帳管見(二) (『東京大学史料編纂所報』 15, pp. 1-21 (1980年))等に詳しい説明があります)。

それはともかくとして、慶長3年からわずか7年の慶長10年の段階で、日本全国の石高が1851万石から2217万石と、366万石も増えています。これは新田開発だけでは説明がつかず、検地が徹底したことが最大の原因と言えます。よってこの2217万石を、1600年頃の実際の石高だと考える人も多くいます。

【(3) 寛永国絵図】 「寛永十年巡見使国絵図」
寛永10年(1633年)、江戸幕府が諸国へ巡見使を派遣し徴収した国絵図で、石高は川村博忠編『寛永十年巡見使国絵図日本六十余州図』, 柏書房 (2002年)を私が実際に読んで、書き集めました。尾張国と播磨国に関しては石高が書かれていないので、江戸時代初期高の数字を使って総石高を計算しました。また讃岐国の石高17万1815石に小豆島の石高3186石7斗を加算すると、讃岐国の江戸初期17万5001石7斗と等しくなり、合計の方では小豆島の石高も加算しました。

実際のところ寛永国絵図の石高は江戸時代初期高とほぼ同じで、三河、陸奥、越後、対馬で石高に改訂が見られるほか、誤記か改訂か微妙なもの(摂津、相模、常陸、越中、備後、豊前)が並んでいます。

【(4) 正保郷帳】
これについては後で詳しく説明しますが、用いた資料は

● 和泉清司 『近世前期郷村高と領主の基礎的研究 : 正保の郷帳・国絵図の分析を中心に』, 岩田書院 (2008年)
東京大学史料編纂所所蔵の内務省令写『正保・元禄・天保・明治村高比較表』

の二点です。

一般に江戸時代の過去の石高として引用されているのは、菊地利夫著『新田開発』ですが、この内旧国別石高・村数、あるいは郡国別石高・村数の記述があるのは以下の2つの版で、他の同じ著者による『新田開発』には石高が載っていません。
● 菊地利夫著『新田開発』, 至文堂 (1963年):旧国別石高が掲載されている
● 菊地利夫著『新田開発 - 続 事例編』, 古今書院 (1986年):郡国別石高が掲載されている
両者で一部石高、村数に変更があります。

【(5) 元禄郷帳】
石高は大野瑞男「国絵図・郷帳の国郡石高」(『白山史学 』, (23), pp. 1-50 (1987年))によります。但し磐城国白川郡の石高修正に伴い、磐城棚倉相馬領分と磐城国の石高に修正を加えてます([80368]参照;なお[80368]で「該当する郡は磐城国白河郡」と書いてしまいましたが、「磐城国白川郡」の間違いです)。郡別石高については[80366][80367][80368][80369][80370][80371][80377]参照。なお元禄郷帳の石高は原則として「表高」です。

【(6) 天保郷帳】
石高は木村礎校訂『旧高旧領取調帳』, 近藤出版社 (1969年~1979年)、近世繪圖地圖資料研究会編『天保郷帳 : 天保五年甲午十二月石高帳 解読篇』, 科学書院 (2009年~2010年)、大野瑞男「国絵図・郷帳の国郡石高」(『白山史学 』, (23), pp. 1-50 (1987年))などによりますが、原本の実物を国立項公文書館で見ることができます。郡別石高については[76916][76917][76918][76919][76920][76921][76922]参照。なお天保郷帳の石高は「内高」が原則となっているはずなのですが、主だった藩が適当な報告をしていることが様々な研究により分かっています。例えば長州藩の「郷村高帳草案」によると、支藩を含む天保の周防・長門両国の内高は97万0941石8斗1升5合5勺1才と集計していますが、実際に幕府へ報告した内高は、各村毎に一律石高を減じ、寛政4年(1792年)の検地高である89万4282石1斗を報告しています。徳島藩では把握した石高を一割ほどカットし、新田村を無視し、既に消滅した村を含めて適当に村高を分配し、合計がカットした数字と一致するように報告しています(宇山孝人「阿波藩における幕府への報告石高の内実 - 天保郷帳を中心として」 (『徳島県文書館研究紀要』 (3), pp. 14-26 (2002年))参照)。加賀藩も新しい村の報告を怠っていることは、元禄郷帳と旧高旧領取調帳との比較から明らかで、薩摩藩はそもそも正保郷帳の時代から一貫して同じ石高を報告し続け、表高をもって内高であるという建前を貫いています。

【(7) 郡村石高帳】
石高は東京大学史料編纂所所蔵の『郡村石高帳』によりますが、薩摩国・大隅国の石高は『明治八年 共武政表』による修正を加えました([81068]参照)。明治5年(1872年)の石高であることは、[80384][80385]で考察した通りで、郡別石高については[81059][81060][81061][81062][81063][81064][81065][81066][81067][81068]参照。

表にはまとめられませんでしたが、『旧領旧高取調帳』の石高([76816][76817][76818][76819][76820][76821][76822])は、明治3年(1870年)頃の石高の状況を示していると考えられます。

飛騨国の慶長郷帳ついでに『岐阜県史 史料編』を読んだところ、美濃国・飛騨国に関する『旧領旧高取調帳』の原書と思われるものが「明治元年同四年美濃国郡村旧高及所轄沿革取調帳」、「明治元年明治四年飛騨国大野益田吉城郡村々旧高及所轄沿革取調帳」という表書きで岐阜県立図書館に所蔵されているそうで、岐阜県の『旧領旧高取調帳』は、廃藩置県の行われた明治4年(1871年)に前年度の明治3年(1870年)段階での地租の状況をまとめたか、あるいは明治4年(1871年)度までの府藩県三治制下での地租の状況を、明治5年(1872年)以降にまとめたかということになります。
[81123] 2012年 7月 16日(月)17:21:50【1】YT さん
1598年~1872年の旧国別石高の変遷
[81081] オーナーグリグリさん
落書き帳への大量の連続書き込みであり、気になる方もいらっしゃるかと思います。

すみません。郡別データに関しては、[81068]で打ち切りです。

江戸時代の石高のデータとしては、あと慶長郷帳と正保郷帳が残っていますが、現存する慶長郷帳は3ヶ国分、現存する正保郷帳が33ヶ国分36点だけであることから、完全な再現はほぼ不可能です。江戸時代に作成された郷帳・国絵図に関する詳しい説明に関しては、和泉清司「近世初期一国郷帳の研究 - 正保郷帳を中心に」(pdf) (『地域政策研究』, 8(2), pp.1-19 (2005年))に載っています。

とりあえず、1598年から1872年までの旧国別石高については、以下の通りです。旧国別石高については、菊地利夫著『新田開発』, 至文堂 (1963年)、および菊地利夫著『新田開発 - 続 事例編』, 古今書院 (1986年)がよく引用されていますが、正保と明治の数字はかなり不正確です。以下に示す石高は、現時点でもっとも記録された石高に近いものを列挙できたものと思います。

旧国慶長3年江戸初期寛永国絵図正保郷帳元禄郷帳天保郷帳郡村石高帳
山城国225,262.00216,070.700216,070.0215,985.62170224,257.78816230,131.760865222,368.70517
大和国448,945.50444,134.000444,134.0469,380.62460500,497.30868501,361.691560503,686.23676
河内国242,105.80308,857.620308,857.0265,518.42520276,329.82954293,786.634500293,118.58720
和泉国141,512.70138,797.090138,797.0159,628.55800161,692.12640172,847.986000176,190.77610
摂津国356,069.10290,902.100299,902.0380,875.39700392,707.69987417,399.127000416,521.93580
伊賀国100,000.0095,594.10095,594.0100,538.00000100,540.00200110,096.536000110,917.96640
伊勢国567,105.14572,786.900572,786.0658,896.31900621,027.44200716,451.492700714,376.41500
志摩国17,854.9117,849.30017,849.019,290.3260020,061.6410021,470.39800019,279.20300
尾張国571,737.40480,841.700526,493.51000521,480.51800545,875.793000764,774.16620
三河国290,715.00336,000.000350,000.0359,991.68000383,413.44230466,080.746800472,373.71000
遠江国255,160.00268,800.000268,800.0301,404.18624328,651.43658369,552.575180372,546.34901
駿河国150,000.00170,000.000170,000.0191,315.69100237,937.40728250,538.753090251,954.16486
甲斐国227,616.00250,000.000250,000.0234,327.38100253,023.27103312,159.329490312,185.17685
伊豆国69,832.0079,353.00079,353.079,653.2080083,791.2823584,171.29362084,037.20836
相模国194,304.00191,524.000191,920.0206,812.01700258,216.58202286,719.756890289,776.73197
武蔵国667,126.00840,000.000840,000.0989,725.333801,167,862.983391,281,431.0688201,282,000.77090
安房国45,045.0091,779.12091,779.092,641.6800093,886.2102395,736.23907095,641.42350
上総国378,892.00285,300.000285,300.0351,731.00000391,113.95411425,080.453410427,313.77094
下総国393,255.00250,131.000250,140.0444,829.84200568,331.11374681,062.631660687,373.86055
常陸国530,008.00753,600.000752,600.0840,801.82890903,778.458001,005,707.489030921,629.15250
近江国775,379.00832,122.600832,120.0833,636.88300836,829.72078853,095.305590857,849.52528
美濃国540,000.00581,523.000581,523.0628,912.85200645,101.50300699,764.321660729,654.88365
飛騨国38,000.0038,764.40038,764.038,764.4000044,469.2190056,602.30900057,196.05800
信濃国408,358.00547,360.000547,360.0578,406.40500615,818.73754767,788.077600786,950.00098
上野国496,377.00468,000.000468,000.0520,963.87526591,834.44887637,331.633100635,851.10734
下野国374,083.80464,000.000464,000.0618,592.33000681,702.80146769,905.027038758,648.44071
陸奥国1,672,806.001,729,000.0001,822,000.01,900,492.220401,921,934.887452,874,239.0598803,007,005.48628
[会津領分]257,029.00000272,011.81600337,218.127500343,656.44250
[白河三春二本松領分]315,169.00000341,022.55885434,581.248070439,753.20706
[磐城棚倉相馬領分]254,279.16440277,935.46360300,419.556810328,427.89967
[米沢/福島領分]121,186.92500199,867.89900203,825.844500204,216.18405
[仙台領分]745,293.38000600,000.00000992,057.260000994,594.59300
[南部領分]105,065.95100128,000.00000288,874.793000355,370.11100
[津軽領分]102,468.80000103,097.15000317,262.230000340,987.04900
[磐城国]438,137.67540517,082.53095613,924.675660650,488.88237
[岩代国]533,876.92500641,269.51650755,703.961220760,923.54591
[陸前国]506,025.74000398,958.83000697,838.180000700,649.30800
[陸中国]236,452.59400228,520.61400423,134.490000471,842.91200
[陸奥国]129,906.09900136,103.39600383,637.753000423,100.83800
出羽国318,095.00870,000.000870,000.01,124,394.893001,126,248.834401,295,323.5214401,515,446.19503
[米沢領分]196,994.58400193,993.53420216,161.220230337,240.91500
[山形領分]340,883.68800352,513.70720366,147.135970365,370.03946
[新庄領分]42,715.5130051,072.3418062,387.45380084,057.51631
[庄内領分]268,128.71500198,618.39220234,302.356140235,244.72071
[秋田領分]273,542.50500330,050.85900416,325.355300493,533.00355
[羽前国]722,672.69800733,879.23040804,569.693740946,971.30568
[羽後国]399,592.30700392,369.60400490,753.827700568,474.88935
若狭国85,000.0085,099.60085,099.085,460.0889088,281.5224091,018.82220091,767.05810
越前国499,411.00682,654.000682,654.0680,293.30800684,271.80960689,304.819870690,243.61775
加賀国355,570.00442,507.400442,507.0440,399.15000438,281.77000483,665.848700511,716.01839
能登国210,000.00216,891.300216,891.0255,555.71000239,208.79540275,369.990210307,602.82896
越中国380,298.28530,637.300536,037.0660,718.38000611,000.10000808,008.461820899,831.93900
越後国390,770.00450,060.900606,370.0611,960.42700816,775.730771,142,555.5358501,150,567.52359
佐渡国17,030.0020,599.00020,599.024,812.01200130,373.91100132,565.491000135,206.12300
丹波263,887.00280,570.200280,570.0289,829.14600293,445.54740324,136.268670329,465.47386
丹後国110,784.00123,170.200123,170.0123,175.01000145,821.18200147,614.804460148,002.13030
但馬国114,235.00123,960.000123,960.0129,069.75700130,673.23500144,313.084030148,147.75427
因幡国88,500.00131,649.600131,649.0149,742.50000170,728.28900177,844.624000195,632.64500
伯耆国100,947.00175,032.000175,032.0170,257.50000194,416.56700217,990.822280251,069.40700
出雲国186,650.00223,477.100223,477.0253,596.79200282,489.73900302,627.465000320,709.91100
石見国111,770.00137,370.000137,370.0139,242.99100142,499.23500172,209.768320182,136.89850
隠岐国4,980.0011,802.90011,802.011,601.3930012,165.2030012,559.60000012,562.90700
播磨国358,534.00521,300.000554,629.78700568,517.57900651,964.813500660,557.81626
美作国186,018.70227,115.500227,115.0237,630.30000259,353.70100262,099.098000262,333.86400
備前国223,762.00286,200.000286,200.0296,402.00000289,224.71000416,581.854000418,964.53800
備中国176,929.00227,894.800227,894.0236,491.82500324,455.62300363,915.614210371,355.17580
備後国186,150.00238,838.000238,138.0248,015.28700295,678.88800312,054.932000315,876.18155
安芸国194,150.00259,384.900259,384.0267,851.97100269,478.31000310,648.489000314,669.48710
周防国167,820.00164,420.200164,420.0202,787.60000202,787.67000489,428.677000552,160.21518
長門国130,660.00134,059.900134,050.0166,623.40000166,623.64500404,853.333000458,143.48989
紀伊国243,550.00395,247.700395,247.0398,395.45300397,668.01900440,858.377710444,283.13335
淡路国62,104.0063,621.10063,621.070,186.5000070,428.1000097,164.784000136,637.98183
阿波国183,500.00186,753.500186,753.0186,753.58300193,862.28500268,894.329000310,484.46474
讃岐国126,200.00175,001.700171,815.0238,028.33100186,394.04100291,320.256400309,814.75380
伊予国366,200.00381,640.800381,640.0402,538.14200429,163.25854460,997.639340443,321.68842
土佐国98,200.00202,626.500202,626.0254,378.12000268,484.97400330,026.520000510,572.19470
筑前国335,695.00522,512.400522,515.0617,948.27590606,981.42000651,782.278440633,404.63540
筑後国265,998.00302,085.500302,085.5331,490.00000331,497.76900375,588.897800536,742.90265
豊前国140,000.00330,744.644300,740.0231,680.00000273,801.84830368,913.640500366,948.08138
豊後国418,313.00378,592.400378,592.0364,364.52117369,546.79160417,514.227150459,184.41734
肥前国309,935.00561,437.400561,437.0565,655.35960572,284.12310706,470.723196685,116.89762
肥後国341,220.00572,989.000572,989.0617,803.07700563,857.17800611,920.291100851,237.05291
日向国120,088.44288,589.500288,589.0290,180.97300309,954.52817340,128.861790418,142.35665
大隅国175,057.23170,828.100170,828.0170,833.45100170,833.45100170,833.451000263,363.29063
薩摩国283,482.74315,251.700315,251.0315,005.60012315,005.60012315,005.600120323,483.49953
壱岐国0.0015,982.30015,982.017,568.0300018,072.8060032,742.92100032,853.88500
対馬国0.000.0008,163.06,269.715000.000000.0000005,818.11600
琉球国123,711.81348123,711.81348123,711.813480147,024.09296
[大島]32,828.7000032,828.7000032,828.70000052,793.39202
[本琉球]90,883.1134890,883.1134890,883.11348094,230.70094
合計18,509,043.7422,171,689.67422,426,237.924,572,941.7682725,910,641.4180630,558,917.84113932,373,824.45675
[81075] 2012年 7月 12日(木)18:09:14【2】YT さん
人口・町数など
[81073] 白桃さん
1.「市街名邑及び町村二百戸以上戸口表」に記載されている人口の出典元はどこなのか・・・「共武政表」に続く「徴発物件一覧表」なのでしょうか?

明治20年版の『徴発物件一覧表』には名邑毎の人口は掲載されてなく、戸長役場の管轄毎の人口が載っています。『共武政表』を含め、これらの人口の出典元は、内務省が把握しているはずの戸籍人口でしょうが、オリジナルの統計が残っていないために、『共武政表』の方に詳しい情報が残ったというのが実情でしょう。ただ残念なことに『明治八年版の共武政表』は明治5年~明治7年の本籍・現住人口が適当に採用されています。また『徴発物件一覧表』の方は明治16年度から始まりますが、

明治16年度版:明治16年1月1日調の国郡別人口を掲載
明治17年度版:明治17年1月1日調の国郡別人口を掲載
明治18年度版:明治18年1月1日調の国郡別人口を掲載
明治19年度版:明治19年1月1日調の国郡別人口を掲載
明治20年度版:明治19年12月31日調の、戸長役場所在地別人口を掲載

明治16年~明治19年に関しては、町村レベルでの人口は掲載されていません。また掲載されている人口は現住人口のようなのですが、内務省統計局の戸口表と数字がずれています。明治20年版の徴発物件一覧表は、戸長役場の管轄区毎の人口という点で、内務省の統計である『日本帝国民籍戸口表. 明治19年12月31日調』よりも情報が多いはずなのですが、数字がずれています。詳しい比較を行っていませんが、『地方行政区画便覧』と同じで、まとめた人間はそれほど人口の定点観測には注意を払っておらず、明治20年年末の数字が入手できたらそれで置き換えてしまっていたりしているのでしょう([69010]参照)。

2.「日本地誌提要」には町村数が載っていますが、市町村制度が発足する以前に、どこが町で、どこが村かという規準と町村の一覧表というのがあったのでしょうか。

町村数に関しては、過去にokiさんが[58109]でまとめられています。例えば陸中国磐井郡は、『天保郷帳』では86村、『日本地誌提要』では86村1町となっていますが、内務省地理局編纂物刊行会編『内務省地理局編纂善本叢書:明治前期地誌資料』収録の『明治前期全国村名小字調査書』 (1986-1987年)(むっくんさんの紹介[54378] )収録の「水沢県管下各区並村名調」では全て「村」と称し、西磐井郡(第八大区)、東磐井郡(第九大区)合わせて合計87村となっています。

大区小区村数
第八大区一小区7
第八大区二小区7
第八大区三小区5
第八大区四小区8
第八大区五小区5
第八大区六小区9
第八大区小計41
第九大区一小区8
第九大区二小区3
第九大区三小区11
第九大区四小区6
第九大区五小区2
第九大区六小区4
第九大区七小区5
第九大区六小区3
第九大区九小区4
第九大区小計46
第九大区合計87

このうち第八大区四小区八ヶ村の内訳は、鬼死骸村、一関村、二関村、三関村、下黒沢村、上黒沢村、山目村、赤荻村で、これらは明治7年5月中の状況を記しています。

一、本書は、明治七年五月二十七日、内務省地誌課が各府県に村名の調査を命じ、これを受けて各府県から提出された「各府県村名調査報告」と、明治十四年十一月二十六日、内務省地理局が各県へ宛てて町村の字小名を照合した「各町村字小名取調調」「各町村字名称調」等のうち現存するものを収録するものである。

一、明治七年の達によって提出された調査書は同年五月三十日までの期提出期限を定められたが、二十三県については五月中に提出され、あとはおおむね同年十二月迄に提出を終えている。但し、栃木、三重、宮城の各県は翌年一月、浜田県は翌年二月になって提出している。

ところで町村数を調べていくうち、確か『明治前期全国村名小字調査書』の解説の中で引用されていた亀掛川浩『明治地方自治制度の成立過程』(1955年)を読んだところ、以下の表を見つけました。

(一) 町村編制の変化 大村文書中にある「明治七年―十九年町村合併分離調」によれば、左表に示すごとく、明治八年頃から斬減してきた全国町村数は、十一年頃からほぼ安定していたのが、十九年にいたって多少の減少を示している。

表は左から年次、合併の旧町村数/新町村数/差引減町村数、分離の旧町村数/新町村数/差引増町村数、新設の増町村数、合併・分離・新設を合計した差引増減町村数、年末現在での町村数です。

年次旧町村数新町村数差引減町村数旧町村数新町村数差引増町村数増町村数差引増減年末現在数
明治7年20571134121-13378,280
明治8年3,3479822,3651735189-2,33875,942
明治9年4,2161,5342,6821335225-2,65573,287
明治10年1,9267261,2002257358-1,15772,130
明治11年754270484228765-41971,711
明治12年5272113167533025514-4771,664
明治13年13457774116712625171,715
明治14年27499175106333227146671,781
明治15年152638995337242716071,941
明治16年304882166720714020-5671,885
明治17年5325281542274371,888
明治18年24791156267145111071,888
明治19年1,0291588712469455-82171,067
合計13,1684,3758,7935241,7721,248199-7,346

計算上は、明治6年年末の時点で7万8413の町村が存在したことになります。

残念ながら、大森文書の肝心の原本には目を通せていない状況ですが、明治初期の町村数の変遷を知る上で参考になるでしょうか。

【追記】大森文書について、図書館の検索を中心に以前調べましたが、先ほど
改めてgoogleで検索したところ、

梅村 又次 『松方財政と殖産興業政策』 (1983年)

ところで,明治初期の町村分合に関する全国的統計としては「明治七年――十九年町村合併分離調」(大森文書)が著名だが,「大森文書」による1874(明治7)年の町村合併による町村数の減少134カ町村は井戸の調査による旧筑摩県の243カ町村よりもはるかに少ないことからみてこれは信頼しがたい31).

31) 井戸庄三「明治初期町村分合に関する二,三の問題―長野・山梨両県を中心として」,『人文地理』18巻4号,1966年,28ページ.

井戸庄三, 『明治地方自治制の成立過程と町村合併』(pdf), 人文地理, 21(5), pp. 29-53 (1969年)
その数値にやや疑問があるが,『大森文書』の「明治七年~十九年町村合併分離調」によれば,全国の町村数は明治7年に78,280町村であったのが,明治10年には72,130町村になり,6,150町村の減となっている。

ということで、上の数字は信頼が低いもののようです。
[81068] 2012年 7月 10日(火)00:59:34【2】YT さん
明治5年国郡別石高と人口・町村数 (10)
旧国郡/島間切数村数郡村石高帳間切数村数町数日本地誌提要共武政表人口
薩摩国鹿児島郡2525130,085.91174089,374
薩摩国谿山(谷山)郡88112,691.71797021,087
薩摩国給黎郡8129,653.00647021,554
薩摩国頴娃郡71411,060.16994015,676
薩摩国河辺(川辺)郡3538231,056.12876071,277
薩摩国阿多郡202318,390.70511025,207
薩摩国日置郡535546,930.25687069,013
薩摩国薩摩郡2831141,426.71124033,052
薩摩国伊佐郡5046148,225.79866031,720
薩摩国出水郡3939244,959.84667042,735
薩摩国高城郡1011112,866.19167016,912
薩摩国甑島郡14143,580.39394015,172
薩摩国揖宿郡1217212,556.66049023,562
薩摩国十三郡309323,483.00000033311323,483.502510323,483.499530476,341
薩摩国大島1312917,200.065980713417,200.065980
薩摩国喜界島63010,836.61282063010,836.612820
薩摩国徳ノ島(徳之島)64215,820.83065034415,820.830650
薩摩国与論島262,413.485950262,413.485950
薩摩国沖永良(沖永良部)島3386,522.3966203386,522.396620
薩摩国属島(州南諸島)3024552,793.3920202125252,793.392020
薩摩国合計30554376,276.3920202158511376,276.894530323,483.499530476,341
薩摩国不一致000.0000000000.000000-12,856.187670101
薩摩国総計30554376,276.3920202158511376,276.894530310,627.311860476,442
※明治5年~明治8年当時、州南諸島(奄美群島)は薩摩国扱いであった。『共武政表』は州南諸島の統計を欠く。
※『郡村石高帳』の薩摩国十三郡の郡別石高は不明だが、『郡村石高帳』の薩摩国石高総数は概数であり、『共武政表』の薩摩国十三郡郡別石高合計32万3483石4斗9升9合5勺3才とほぼ等しく、郡別石高に関しては『共武武表』の郡別石高で補間可能である。
※『共武政表』の薩摩国十三郡石高総計・人口総計は、郡別石高合計・郡別人口と異なるが、その差は『共武政表』の大隅国の郡別石高合計・郡別人口合計と石高総計・人口総計の差に等しく、集計上の問題と推測される。
※『日本地誌提要』の薩摩国十三郡石高総計は『地理局雑報』の石高と一致するが、『地理局雑報』の奄美群島の石高3万2828石7斗とは異なる。
※『共武政表』の薩摩国人口総計は明治6年1月1日調本籍人口58万6324人から州南諸島本籍人口10万8426人を減じた薩摩国十三群本籍人口47万7898人とほぼ等しい。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
壱岐国壱岐郡67117,796.38900017,614
壱岐国石田郡59115,057.49600015,315
壱岐国合計126232,853.88500032,929
壱岐国不一致000.0000000
壱岐国総計2232,853.885000126232,853.88500032,853.88500032,929
※『郡村石高帳』の壱岐国の郡別村数、郡別石高は不明だが、『郡村石高帳』の壱岐国石高総数は『共武政表』、『日本地誌提要』、『地理局雑報』の石高と一致し、郡別石高に関しては『共武武表』の郡別石高で補間可能である。
※『共武政表』の壱岐国石高総計は『郡村石高帳』、『日本地誌提要』、『地理局雑報』の石高と一致する。
※『共武政表』の壱岐国人口総計は明治6年1月1日調本籍人口と一致する。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
対馬国上県郡529,670
対馬国下県郡62120,080
対馬国合計114129,750
対馬国不一致000
対馬国総計1105,818.116000114129,750
※『郡村石高帳』の対馬国石高総計は麦高。
※『地理局雑報』の対馬国石高総計は空欄で、『日本地誌提要』の石高は不詳とある。
※『共武政表』の対馬国人口総計は明治6年1月1日調本籍人口2万9740人とほぼ等しい。

※『共武政表』は琉球国の記載が無い。以下『天保郷帳』の石高を記載する。
旧国郡/島村数郡村石高帳間切数村数町数日本地誌提要天保郷帳
琉球国沖縄島62,199.000000
琉球国沖縄島 中頭11189
琉球国沖縄島 島尻15162
琉球国沖縄島 国頭9134
琉球国恵原屋(恵平屋)島541.600000
琉球国伊是那島750.200000
琉球国伊恵島3,643.000000
琉球国計羅摩(慶良間)島29203.000000
琉球国戸無島45.100000
琉球国粟島727.400000
琉球国久米島2193,677.700000
琉球国先島1087
琉球国宮古島12,458.792420
琉球国八重山島6,637.321060
琉球国合計4960094,230.700940
琉球国不一致000.000000
琉球国総計94,230.7009404960094,230.70094094,230.700940
※『郡村石高帳』の琉球国の島別村数、島別石高は不明だが、『郡村石高帳』の琉球国石高総数は『日本地誌提要』、『天保郷帳』の石高と一致し、島別石高に関しては『天保郷帳』の島別石高で補間可能である。
※『地理局雑報』の琉球国石高総計9万4230石7斗1合。
※琉球国の明治6年2月1日調本籍人口は16万6789人。

これらの石高の実態について、明治7年の『府県物産表』における米の収穫高、農林水産業・鉱工業生産高や明治9年~15年の『全国農産表』における米の収穫高・農産高との比較を次回まとめようと思います。
[81067] 2012年 7月 10日(火)00:57:37【1】YT さん
明治5年国郡別石高と人口・町村数 (9)
旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
豊後国国東郡118181,138.60490088,735
豊後国速見郡59359,139.33096057,774
豊後国大分郡142271,464.15111098,833
豊後国海部郡167360,961.601150146,311
豊後国直入郡68150,357.25907040,150
豊後国玖珠郡26130,201.54883021,891
豊後国日田郡50133,076.88441050,261
豊後国大野郡162172,845.03691061,505
豊後国合計79213459,184.417340565,460
豊後国不一致000.0000000
豊後国総計459,184.41734079213459,184.417340459,184.417340565,460
※『郡村石高帳』の豊後国の国郡別村数、郡別石高は不明だが、『郡村石高帳』の豊後国石高総数は『共武政表』の石高と一致し、郡別石高に関しては『共武武表』の郡別石高で補間可能である。
※『共武政表』の豊後国石高総計は『郡村石高帳』、『日本地誌提要』、『地理局雑報』の石高と一致する。
※『共武政表』の豊後国人口総計は明治6年1月1日調本籍人口と一致する。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
筑前国遠賀郡8554,956.34987094354,956.34987048,326
筑前国宗像郡6256,306.4522406256,306.45224037,411
筑前国鞍手郡6860,628.83284069160,628.83284041,294
筑前国穂波郡6138,103.41077061138,103.41077021,657
筑前国嘉麻郡6346,349.64586064146,349.64586022,264
筑前国上座郡3425,596.6380003425,596.63800025,392
筑前国下座郡4321,436.2826604321,436.28266012,994
筑前国夜須郡5240,286.56963052240,286.56963028,865
筑前国御笠郡5837,512.69700057137,512.69700020,741
筑前国粕屋郡8562,854.03270085162,854.03270036,875
筑前国席田郡99,899.32907099,899.3290702,504
筑前国那珂郡7042,611.35544077142,611.35544061,333
筑前国早良郡5345,153.32008053245,153.32008038,252
筑前国志摩郡4844,058.2706405144,058.27064023,015
筑前国怡土郡6547,651.44860063147,651.44860020,252
筑前国合計856633,404.63540087414633,404.635400441,175
筑前国不一致00.000000000.0000000
筑前国総計856633,404.63540087414633,404.635400633,404.635400441,175
※『共武政表』の筑前国石高総計は『郡村石高帳』、『日本地誌提要』、『地理局雑報』の石高と一致する。
※『共武政表』の筑前国人口総計は明治5年旧暦1月29日調本籍人口と一致する。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
筑後国生葉郡5926,882.99000057126,882.99000026,856
筑後国竹野郡8922,875.1200008722,875.12000020,646
筑後国山本郡3016,559.7000003016,559.7000009,512
筑後国御原郡3633,304.90000036133,304.90000014,920
筑後国御井郡7256,528.33000051156,528.33000043,617
筑後国上妻郡11579,479.484000115179,479.48300069,864
筑後国下妻郡3729,921.4740003729,944.90500014,845
筑後国三潴郡164140,130.0630001623140,243.15800089,084
筑後国三池郡7253,071.81265070153,125.28265035,947
筑後国山門郡11577,989.029000110277,958.36800068,365
筑後国合計789536,742.90265075510536,902.236650393,656
筑後国不一致00.000000000.0000000
筑後国総計789536,742.90265075510536,742.902650536,902.236650393,656
※『郡村石高帳』の筑後国石高総計は『日本地誌提要』の石高と一致する。
※『地理局雑報』の筑後国石高45万9184石4斗1升7合は、豊後国の石高と一致し、明らかに誤写である。
※『共武政表』の筑後国人口総計は明治6年1月1日調本籍人口と一致する。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
肥前国基肄郡2112,776.0996008,422
肥前国養父郡4419,612.69160021,216
肥前国三根郡3412,826.0251009,686
肥前国神崎郡15841,936.35070036,232
肥前国佐嘉(佐賀)郡352485,677.199200100,274
肥前国小城郡138241,137.96660046,512
肥前国松浦郡7997205,741.252250138,093.445000286,301
肥前国杵島郡16967,169.72813072,893
肥前国藤津郡116133,033.06100056,153
肥前国彼杵郡510981,675.622000220,867
肥前国高来郡281667,932.516000216,242
肥前国合計2,62229601,870.7049301,074,798
肥前国不一致0067,647.807250-30,081
肥前国総計1,476365,416.6362702,62229685,117.597620669,518.5121801,044,717
※『郡村石高帳』の肥前国の郡別村数、郡別石高は不明。
※『日本地誌提要』の肥前国石高総計は『地理局雑報』の石高と一致する。
※『郡村石高帳』の肥前国の石高は地米31万9700石2斗6升1合3勺5才を含まない。地高の郡別内訳も不明である。
旧国地米加算前石高地米地米加算後石高
肥前国総計365,416.636270319,700.261350685,116.897620
※『共武政表』と『旧高旧領取調帳』の石高を比較すると以下の通りである。
旧国共武政表旧高旧領取調帳石高差
肥前国基肄郡12,776.09960012,776.0996000.000000
肥前国養父郡19,612.69160017,901.354600-1,711.337000
肥前国三根郡12,826.02510014,537.3621001,711.337000
肥前国神崎郡41,936.35070041,936.3507000.000000
肥前国佐嘉(佐賀)郡85,677.19920095,677.44020010,000.241000
肥前国小城郡41,137.96660041,137.798600-0.168000
肥前国松浦郡138,093.445000216,163.76264078,070.317640
肥前国杵島郡67,169.72813067,773.728130604.000000
肥前国藤津郡33,033.06100033,033.0610000.000000
肥前国彼杵郡81,675.62200082,565.274930889.652930
肥前国高来郡67,932.51600067,942.4977509.981750
肥前国合計601,870.704930691,444.73025089,574.025320
肥前国不一致67,647.8072500.000000
肥前国総計669,518.512180691,444.73025021,926.218070
※『共武政表』の肥前国養父郡本籍人口1万1216人は明治13年1月1日調本籍人口1万9750人、明治12年1月1日調三養基郡本籍人口4万3009人との比較から2万1216の誤記と判断し修正。
※『共武政表』の肥前国佐賀郡本籍人口9万0274人は明治12年1月1日調本籍人口1万0770人との比較から10万0274人の誤記と判断し修正。
※『共武政表』の肥前国松浦郡本籍人口27万6301人は、明治12年1月1日調東西松浦郡本籍人口13万0949人、明治12年1月1日調南北松浦郡本籍人口17万0564人、明治5年旧暦1月29日調肥前国内佐賀県本籍人口47万6983人、明治5年旧暦1月29日調肥前国内長崎県本籍人口59万7477人との比較から、28万6301人の誤記と判断し修正。
※『共武政表』の肥前国人口総計104万4717人は明治5年旧暦1月29日調本籍人口107万4460人と比べて約3万人ほど過少であり、107万4717人の可能性が高い(養父郡・佐賀郡・松浦郡の人口を修正)。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
肥後国天草郡9025,661.051700132425,661.051700163,662
肥後国蘆北郡20421,023.699190261221,023.69919045,398
肥後国球麻(球摩)郡4064,787.232360415164,787.23236053,660
肥後国八代郡9662,985.400160304162,985.40016072,852
肥後国益城郡389193,985.3816501,0152193,985.381650126,401
肥後国上益城郡616198,327.07294064,350
肥後国下益城郡399195,658.30871062,051
肥後国宇土郡6435,794.852370193135,794.85237037,400
肥後国飽田郡18272,409.231830345372,409.231830125,706
肥後国詫摩郡5932,101.57889088132,101.57889031,446
肥後国合志郡10451,839.052030167251,839.05203035,232
肥後国山本郡6326,654.640360123226,654.64036018,170
肥後国玉名郡227110,614.9157205794110,614.915720109,906
肥後国山鹿郡9651,007.204040379251,007.20404042,845
肥後国菊池郡8129,572.275480200129,572.27548025,502
肥後国阿蘇郡21572,800.537130783272,800.53713062,207
肥後国合計1,910851,237.0529104,98428851,237.052910950,387
肥後国不一致00.000000000.0000002
肥後国総計1,910851,237.0529104,98428851,237.052910851,237.052910950,389
※『共武政表』の肥後国石高総計は『郡村石高帳』、『日本地誌提要』、『地理局雑報』の石高と一致する。
※『共武政表』の肥後国人口総計は明治6年1月1日調本籍人口と一致する。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
日向国諸県郡140167,956.6653501502167,956.665350116,243
日向国宮崎郡3139,982.61362034139,982.61362026,490
日向国那珂郡80107,588.093980803107,588.09398076,941
日向国児湯郡5259,651.35248053259,651.35248051,413
日向国臼杵郡7342,963.63122077242,963.631220111,023
日向国合計376418,142.35665039410418,142.356650382,110
日向国不一致00.000000000.0000000
日向国総計376418,142.35665039410418,142.356650382,110
※『共武政表』の日向国石高総計は『郡村石高帳』、『日本地誌提要』、『地理局雑報』の石高と一致する。
※『共武政表』の日向国人口総計は明治6年1月1日調本籍人口38万2564人とほぼ等しい。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
大隅国菱刈郡151417,083.3335807,687
大隅国桑原郡313322,730.39935013,978
大隅国姶羅郡4139142,141.17108030,967
大隅国囎唹郡3845375,166.08784057,479
大隅国肝属(肝付)郡4043164,787.26608041,302
大隅国大隅郡4647230,075.10589042,093
大隅国熊毛郡18159,810.37889018,949
大隅国馭謨郡13181,569.5479207,107
大隅国合計2422547263,363.290630219,562
大隅国不一致00012,856.187670-101
大隅国総計242261,793.7427102547261,793.742710276,219.478300219,461
※『郡村石高帳』の大隅国の郡別石高は不明だが、『郡村石高帳』の大隅国石高総数は『日本地誌提要』、『地理局雑報』の石高と一致し、『共武政表』の大隅国石高総計から大隅国馭謨郡石高1569石5斗4升7合9勺2才を除した石高とも一致しており、大隅国馭謨郡の石高を含む大隅国石高は『共武政表』の石高であり、郡別石高に関しては『共武武表』の郡別石高で補間可能である。
※『共武政表』の大隅国石高総計・人口総計は、郡別石高合計・郡別人口と異なるが、その差は『共武政表』の薩摩国十三郡の郡別石高合計・郡別人口合計と石高総計・人口総計の差に等しく、集計上の問題と推測される。
※『共武政表』の大隅国人口総計は明治6年1月1日調本籍人口22万0578人とほぼ等しい。
[81066] 2012年 7月 10日(火)00:54:55YT さん
明治5年国郡別石高と人口・町村数 (8)
旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
安芸国沼田郡4225,941.93490045125,941.93490098,322
安芸国佐伯郡8539,540.56850086139,540.56850096,337
安芸国豊田郡8858,944.20220090258,944.202200100,034
安芸国山県郡7431,639.6630007431,639.66300054,084
安芸国高宮郡3617,923.64200035117,923.64200032,139
安芸国賀茂郡9057,857.0100009257,857.010000101,376
安芸国安芸郡4838,986.1605005038,986.160500131,797
安芸国高田郡5943,836.30600059143,836.30600059,213
安芸国合計522314,669.4871005316314,669.487100673,302
安芸国不一致00.000000000.0000005
安芸国総計522314,669.4871005316314,669.487100314,669.487100673,307
※『共武政表』の安芸国石高総計は『郡村石高帳』、『日本地誌提要』、『地理局雑報』の石高と一致する。
※『共武政表』の安芸国人口総計は明治6年1月1日調本籍人口67万3301人とほぼ等しい。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
周防国大島郡2235,453.579500332135,453.57950080,429
周防国都濃郡48104,332.3602704853104,332.36207080,762
周防国佐波郡4090,230.635820497290,230.63582066,799
周防国玖珂郡112122,720.1453803442122,720.145380122,543
周防国吉敷郡34111,624.2115004671111,624.21150078,556
周防国熊毛郡4187,799.282710518287,799.28271069,643
周防国合計297552,160.2151802,64311552,160.216980498,732
周防国不一致00.000000000.000000-50,000
周防国総計297552,160.2151802,64311552,160.215180552,160.216980448,732
※『郡村石高帳』の周防国石高総計は『日本地誌提要』、『地理局雑報』の石高と一致する。
※『共武政表』の周防国人口合計は明治6年1月1日調本籍人口と一致し、『共武政表』の周防国人口総計は誤写と推測される。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
長門国豊浦郡152141,364.9685403103141,364.968540101,206
長門国大津郡2047,734.022000293147,734.02200037,254
長門国美祢郡2467,292.02600042567,292.02600031,307
長門国厚狭郡3195,714.59680024195,714.59680053,076
長門国見島郡21,308.69900031,308.6990001,833
長門国阿武郡59104,729.1775509593104,729.177550106,652
長門国合計288458,143.4898902,2317458,143.489890331,328
長門国不一致00.000000000.0000000
長門国総計288458,143.4898902,2317458,143.489890458,143.489890331,328
※『共武政表』の長門国石高総計は『郡村石高帳』、『日本地誌提要』、『地理局雑報』の石高と一致する。
※『共武政表』の長門国人口総計は明治6年1月1日調本籍人口と一致する。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
紀伊国伊都郡16238,032.878810160138,032.87881052,000
紀伊国那賀郡25791,117.964360256191,117.96436070,302
紀伊国名草郡15088,889.648900157288,889.64890097,444
紀伊国海部郡5926,244.4962006226,244.49620073,761
紀伊国有田(在田)郡13747,333.262600140147,341.44590055,809
紀伊国日高郡15348,760.71350017848,752.53020077,181
紀伊国牟婁郡471103,904.1689804602103,904.168980188,253
紀伊国牟婁郡(和歌山県)33767,851.102980
紀伊国牟婁郡(度会県)13436,053.066000
紀伊国合計1,389444,283.1333501,4137444,283.133350614,750
紀伊国不一致00.000000000.0000000
紀伊国総計1,389444,283.1333501,4137444,283.133350444,283.133350614,750
※『共武政表』の紀伊国石高総計は『郡村石高帳』、『日本地誌提要』、『地理局雑報』の石高と一致する。
※『共武政表』の紀伊国人口総計は明治5年旧暦1月29日調本籍人口61万3925人とほぼ等しい。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
淡路国津名郡12477,882.036060134377,882.03606094,681
淡路国三原郡13458,755.945770133158,755.94576070,804
淡路国合計258136,637.9818302674136,637.981820165,485
淡路国不一致00.000000000.0000000
淡路国総計258136,637.9818302674136,642.763130136,637.981820165,485
※『共武政表』の淡路国石高総計は『地理局雑報』の石高と一致する。
※『共武政表』の淡路国人口総計は明治6年1月1日調本籍人口と一致する。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
阿波国三好郡3222,947.67124032222,947.67124053,916
阿波国美馬郡2710,737.37813026110,737.37813070,230
阿波国阿波郡3112,665.9657703112,665.96577037,190
阿波国板野郡13561,791.276510135161,791.27651099,568
阿波国麻殖(麻植)郡3216,711.24006031116,711.24006040,252
阿波国名西郡3828,837.0533203828,837.05332041,040
阿波国名東郡5438,749.85310054238,749.853100105,085
阿波国勝浦郡4634,319.18160046134,319.18160030,603
阿波国那賀郡14265,261.020970148165,261.02097076,373
阿波国海部郡5418,463.82404077118,463.82404035,791
阿波国合計591310,484.46474061810310,484.464740590,048
阿波国不一致00.000000000.0000000
阿波国総計591310,484.46474061810310,484.464740310,484.464740590,048
※『郡村石高帳』の阿波国麻殖郡の村数は外町1。
※『共武政表』の阿波国石高総計は『郡村石高帳』、『日本地誌提要』、『地理局雑報』の石高と一致する。
※『共武政表』の阿波国人口総計は明治6年1月1日調本籍人口と一致する。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
讃岐国大内郡3416,161.82200034316,161.82200030,147
讃岐国寒川郡2723,248.03000027223,248.03000043,127
讃岐国三木郡2018,151.1230002018,151.12300023,840
讃岐国山田郡3330,807.8950003330,807.89500037,098
讃岐国香川郡4942,131.42400049342,131.42400096,196
讃岐国阿野郡3633,125.38600036133,125.38600049,806
讃岐国鵜足郡3030,424.44800030130,424.44800036,109
讃岐国那珂郡4730,423.99860046230,423.99860057,104
讃岐国多度郡2418,428.66750024118,428.66750023,884
讃岐国三野郡3732,948.06130037132,948.06130059,341
讃岐国豊田郡4622,562.83700045222,562.83700055,355
讃岐国小豆島99,095.629000119,095.62900038,920
讃岐国塩飽島61,519.564400121,519.56440010,689
讃岐国直島3542.02200011785.8680002,709
讃岐国男木島189.046000
讃岐国女木島154.800000
讃岐国合計402309,814.75380041516309,814.753800564,325
讃岐国不一致-70.000000000.0000000
讃岐国総計395309,814.75380041516309,814.753800309,814.753800564,325
※『郡村石高帳』の讃岐国村数合計402と村数総計が一致せず。
※『日本地誌提要』の讃岐国の町村数総計は村数390町数16属島25だが、属島25(小豆島2、直島11、塩飽島12)はすべて村数として計上。
※『共武政表』の讃岐国石高総計は『郡村石高帳』、『日本地誌提要』、『地理局雑報』の石高と一致する。
※『共武政表』の讃岐国人口総計は明治6年1月1日調本籍人口56万4351人とほぼ等しい。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
伊予国宇摩郡56122,639.69280056,900
伊予国新井(新居)郡54137,670.72800059,957
伊予国周布(周敷)郡39124,712.78355025,780
伊予国桑村郡3114,675.22200015,509
伊予国越智郡106147,438.92100092,261
伊予国野間郡29116,688.78900022,994
伊予国風早郡84118,590.42100028,359
伊予国和気郡24116,424.22500024,955
伊予国温泉郡34223,204.73700046,568
伊予国久米郡2917,604.90000013,815
伊予国伊予郡38128,098.51766022,233
伊予国浮穴郡103139,219.86200060,348
伊予国喜多郡85234,330.50111067,249
伊予国宇和郡2652102,022.388300241,632
伊予国合計97715443,321.688420778,560
伊予国不一致000.000000-4
伊予国総計968443,321.68842097715475,556.573340443,321.688420778,556
※『郡村石高帳』の伊予国の郡別村数、郡別石高は不明だが、『郡村石高帳』の伊予国石高総数は『共武政表』の石高と一致し、郡別石高に関しては『共武武表』の郡別石高で補間可能である。
※『共武政表』の伊予国国石高総計は『郡村石高帳』の石高と一致するが、『日本地誌提要』、『地理局雑報』(44万3855石5升8合3勺2才)の石高とは異なる。
※『共武政表』の伊予国人口総計は明治6年1月1日調本籍人口と一致する。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
土佐国安芸郡5054,308.312700129151,557.87300066,394
土佐国香美郡3570,088.289000155270,112.00700071,874
土佐国長岡郡5475,245.48800015474,947.49200060,710
土佐国土佐郡3152,288.859000117151,913.16100075,445
土佐国吾川郡4443,098.130000124143,181.34900052,241
土佐国高岡郡76110,354.0700002263112,556.929000110,003
土佐国幡多郡136105,189.0460002882105,370.18000089,618
土佐国合計426510,572.1947001,19310509,638.991000526,285
土佐国不一致00.000000003,060.0000000
土佐国総計426510,572.1947001,19310512,698.991000512,698.991000526,285
※『共武政表』の土佐国石高総計は『日本地誌提要』、『地理局雑報』の石高と一致する。
※『共武政表』の土佐国人口総計は明治6年1月1日調本籍人口と一致する。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
豊前国企球郡11145,796.075080249245,796.07508045,655
豊前国田川郡7154,787.97600091354,787.97600038,086
豊前国京都郡7134,620.6892007234,620.68920019,413
豊前国中津(仲津)郡7641,694.16660092341,694.16660031,103
豊前国築城郡4123,247.2285008623,247.22850020,422
豊前国上毛郡7838,108.54210081238,108.54210033,693
豊前国下毛郡9849,338.90850098149,338.90850059,181
豊前国宇佐郡22579,354.495400150279,354.49540059,979
豊前国合計771366,948.08138091913366,948.081380307,532
豊前国不一致00.000000000.0000000
豊前国総計771366,948.08138091913366,948.081380366,948.081380307,532
※『共武政表』の豊前国石高総計は『郡村石高帳』、『日本地誌提要』、『地理局雑報』の石高と一致する。
※『共武政表』の豊前国人口総計は明治6年1月1日調本籍人口と一致する。
[81065] 2012年 7月 10日(火)00:53:17【1】YT さん
明治5年国郡別石高と人口・町村数 (7)
旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
伯耆国河村郡10828,991.95100010728,991.95100023,912
伯耆国久米郡12047,011.309000119147,011.30900027,624
伯耆国八橋郡10836,038.157000108136,038.15700023,109
伯耆国汗入郡7528,737.63800075128,737.63800019,092
伯耆国会見郡18572,603.812000181472,603.81200071,802
伯耆国日野郡18237,686.54000017837,686.54000029,972
伯耆国合計778251,069.4070007687251,069.407000195,511
伯耆国不一致00.000000000.0000004
伯耆国総計778251,069.4070007687251,069.407000251,069.407000195,515
※『共武政表』の伯耆国石高総計は『郡村石高帳』、『日本地誌提要』、『地理局雑報』の石高と一致する。
※『共武政表』の伯耆国八橋郡人口3万3109人は明治12年1月1日調本籍人口2万4034人との比較から2万3109人の誤記と判断し修正。
※『共武政表』の伯耆国人口総計は明治7年1月1日調本籍人口と一致する。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
出雲国島根郡5726,358.11000056226,358.11000049,860
出雲国秋鹿郡2411,382.5840002411,382.58400012,646
出雲国楯縫郡3524,216.04500036124,216.04500025,333
出雲国出雲郡3230,323.9720003230,323.97200017,709
出雲国神門郡8360,614.07500085260,614.07500067,106
出雲国飯石郡6131,993.3920006231,993.39200030,014
出雲国仁多郡6921,651.6280007121,651.62800020,582
出雲国大原郡6528,793.6060006528,793.60600027,674
出雲国能義郡9548,057.37600096248,057.37600038,989
出雲国意宇郡4037,319.1230004737,319.12300050,309
出雲国合計561320,709.9110005747320,709.911000340,222
出雲国不一致00.000000000.0000000
出雲国総計561320,709.9110005747320,709.911000320,709.911000340,222
※『共武政表』の出雲国石高総計は『郡村石高帳』、『日本地誌提要』、『地理局雑報』の石高と一致する。
※『共武政表』の出雲国人口総計は明治6年1月1日調本籍人口と一致する。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
石見国安濃郡3014,673.39300030114,673.39300022,580
石見国邇摩郡4616,816.38300047216,816.38300032,993
石見国邑知(邑智)郡10636,383.75130010636,383.75130053,871
石見国那賀郡13249,168.939700136149,168.93970083,688
石見国美濃郡11737,439.546700118137,439.54670041,561
石見国鹿足郡11627,654.884800117127,654.88480027,342
石見国合計547182,136.8985005546182,136.898500262,035
石見国不一致00.000000000.0000000
石見国総計547182,136.8985005546182,136.898500182,136.898500262,035
※『共武政表』の石見国石高総計は『郡村石高帳』、『日本地誌提要』、『地理局雑報』の石高と一致する。
※『共武政表』の石見国人口総計は明治6年1月1日調本籍人口と一致する。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
隠岐国海士郡82,465.69700082,465.6970005,566
隠岐国知夫里(知夫)郡53,204.46400053,204.4640007,069
隠岐国越智(穏地)郡162,982.691000162,982.6910005,775
隠岐国周吉郡323,910.0550003213,910.05500010,684
隠岐国合計6112,562.90700061112,562.90700029,094
隠岐国不一致00.000000000.0000000
隠岐国総計6112,562.90700061112,562.90700012,562.90700029,094
※『共武政表』の隠岐国石高総計は『郡村石高帳』、『日本地誌提要』、『地理局雑報』の石高と一致する。
※『共武政表』の隠岐国人口総計は明治7年1月1日調本籍人口と一致する。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
播磨国明石郡14659,695.993200153159,695.99320054,442
播磨国美嚢郡17144,657.427500149144,657.42750028,344
播磨国加古郡10050,810.996000114250,810.99600047,265
播磨国印南郡11045,737.671800131245,737.67180048,724
播磨国加東郡16255,891.21700015255,891.21700043,162
播磨国加西郡13139,498.47720012839,498.47720035,743
播磨国多可郡12934,356.57000013034,356.57000031,049
播磨国神東郡7828,921.5894007928,921.58940022,764
播磨国神西郡7122,306.1883606922,306.18836018,302
播磨国飾西郡8041,016.26500016141,016.26500031,414
播磨国飾東郡7240,295.80900072240,295.80900067,277
播磨国揖東郡12356,242.67310014456,242.67310051,226
播磨国揖西郡10033,658.234100113233,658.23410039,427
播磨国赤穂郡12844,521.290600127144,521.29060055,910
播磨国佐用郡8824,279.7895008724,279.78950023,990
播磨国宍粟郡15138,667.624500147138,667.62450040,450
播磨国合計1,840660,557.8162601,95612660,557.816260639,489
播磨国不一致70.000000000.00000010,000
播磨国総計1,847660,557.8162601,95612660,557.816250660,557.816260649,489
※『郡村石高帳』の播磨国村数合計1840と村数総計が一致せず。
※『共武政表』の播磨国石高総計は『郡村石高帳』、『地理局雑報』の石高と一致する。
※『共武政表』の播磨国佐用郡本籍人口3万3990人は明治12年1月1日調本籍人口2万5331人との比較から2万3990人の誤記と判断し修正。
※『共武政表』の播磨国人口総計64万9489人は明治6年1月1日調本籍人口63万9576人と比べて過剰であり、63万9489人の可能性が高い(佐用郡の人口を修正)。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
美作国東南条郡2010,892.0700001310,892.07000010,309
美作国東北条郡4015,411.2370003115,411.23700011,325
美作国西々条(西西条)郡6126,805.0210005126,805.0210009,329
美作国久米北条郡5928,871.2330005428,871.23300023,397
美作国久米南条郡7222,988.6730006322,988.67300019,670
美作国勝南郡7824,657.9720006924,657.97200017,745
美作国勝北郡8434,139.4590005534,139.45900023,829
美作国大庭郡5920,836.76900046120,836.76900020,912
美作国真島郡11033,270.80700090133,270.80700029,899
美作国英田郡6513,662.42900056113,662.42900016,591
美作国吉野郡7219,954.2430006019,954.24300014,950
美作国西北条郡3110,843.95100022110,843.95100017,131
美作国合計751262,333.8640006104262,333.864000215,087
美作国不一致00.000000000.00000020,000
美作国総計751262,333.8640006104262,333.864000262,333.864000235,087
※『共武政表』の美作国石高総計は『郡村石高帳』、『日本地誌提要』、『地理局雑報』の石高と一致する。
※『共武政表』の美作国西北条郡本籍人口3万7131人は明治12年1月1日調本籍人口1万8550人との比較から1万7131人の誤記と判断し修正。
※『共武政表』の美作国人口総計23万5087人は明治5年旧暦1月29日調本籍人口21万5602人と比べて過剰であり、21万5087人の可能性が高い(西北条郡の人口を修正)。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
備前国御野郡7952,824.75200079152,824.75200058,395
備前国津高郡12647,224.652000126147,224.65200036,849
備前国赤坂郡10243,267.32400010243,267.32400026,484
備前国磐梨郡6526,224.0160006526,224.01600015,711
備前国和気郡9628,871.1320009728,871.13200034,294
備前国邑久郡8670,645.47700086270,645.47700044,022
備前国上道郡11599,660.178000116199,660.17800046,151
備前国児島郡9750,247.00700097250,247.00700071,808
備前国合計766418,964.5380007687418,964.538000333,714
備前国不一致00.000000000.0900000
備前国総計766418,964.5380007687418,964.538000418,964.628000333,714
※『郡村石高帳』の備前国石高総計は『日本地誌提要』、『地理局雑報』の石高と一致する。
※『共武政表』の備前国人口総計は明治6年1月1日調本籍人口と一致する。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
備中国上房郡3124,702.03280099124,702.03280023,304
備中国阿賀郡4633,207.944000105133,207.94400029,150
備中国哲多郡3322,919.8946008722,919.89460018,523
備中国川上郡5731,196.35400087131,196.35400037,300
備中国小田郡7437,655.852700103137,655.85270064,164
備中国後月郡3918,308.7268005318,308.72680029,290
備中国下道郡2923,622.7056004723,622.70560025,634
備中国賀陽郡8350,416.341230110250,416.34123038,914
備中国都宇郡4835,707.82670012235,707.82670027,185
備中国浅口郡6155,201.1047007255,201.10470074,053
備中国窪屋郡5838,416.39267084138,416.39267032,028
備中国合計559371,355.1758009697371,355.175800399,545
備中国不一致00.00000000-0.0690000
備中国総計559371,355.1758009697371,355.175800371,355.106800399,545
※『郡村石高帳』の備中国石高総計は『日本地誌提要』、『地理局雑報』の石高と一致する。
※『共武政表』の備中国人口総計は明治7年1月1日調本籍人口39万9467人とほぼ等しい。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
備後国御調郡10039,828.25555090239,828.255550101,646
備後国世羅郡5033,650.49000049133,650.49000029,840
備後国三谿郡3819,342.0180003819,342.01800020,225
備後国三上郡1813,693.6710001813,693.67100012,251
備後国奴可郡4019,876.91600039219,876.91600020,684
備後国甲奴郡3215,624.4110003215,624.41100015,972
備後国沼隈郡4326,425.22000044126,425.22000067,176
備後国深津郡2826,851.07300035126,851.07300045,300
備後国安那郡2924,734.7090003024,734.70900024,179
備後国品治郡2111,709.0490002111,709.04900016,341
備後国蘆田郡2817,567.02000028117,567.02000030,783
備後国神石郡4022,345.9400004022,345.94000022,836
備後国三次郡5221,613.53700053121,613.53200030,335
備後国恵蘇郡4522,613.8720004122,613.87200021,708
備後国合計564315,876.1815505589315,876.176550459,276
備後国不一致00.000000000.0860000
備後国総計564315,876.1815505589315,876.181550315,876.262550459,276
※『郡村石高帳』の備後国石高総計は『日本地誌提要』と一致し、『地理局雑報』(35万5704石4斗3升7合1勺)の石高と異なる。
※『共武政表』の備後国人口総計は明治6年1月1日調本籍人口45万9109人とほぼ等しい。
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明治5年国郡別石高と人口・町村数 (6)
旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
若狭国大飯郡7320,404.61660072120,404.61660016,878
若狭国遠敷郡13544,510.765500144244,510.76550049,130
若狭国三方郡6126,851.6760006226,851.67600019,805
若狭国合計26991,767.058100278391,767.05810085,813
若狭国不一致00.000000000.0000000
若狭国総計26991,767.058100278391,767.05810091,767.05810085,813
※『共武政表』の若狭国石高総計は『郡村石高帳』、『日本地誌提要』、『地理局雑報』の石高と一致する。
※『共武政表』の若狭国人口総計は明治6年1月1日調本籍人口と一致する。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
越前国足羽郡15792,917.620000157192,917.62000076,336
越前国吉田郡14680,811.852000127180,811.85200033,608
越前国丹生郡23987,980.05800023687,980.05800060,122
越前国今立郡19886,268.894000202286,268.89400055,367
越前国南条郡9035,770.94860081235,770.94860033,375
越前国坂井郡355185,597.3012003563185,597.30120092,557
越前国大野郡26498,090.417700254298,090.41770076,506
越前国敦賀郡8822,806.52625079122,806.52625026,270
越前国合計1,537690,243.6177501,49212690,243.617750454,141
越前国不一致00.000000000.0000000
越前国総計1,537690,243.6177501,49212690,249.700400690,243.617750454,141
※『共武政表』の越前国石高総計は『郡村石高帳』、『地理局雑報』の石高と一致する。
※『共武政表』の越前国人口総計は明治6年1月1日調本籍人口45万4229人とほぼ等しい。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
加賀国河北郡27099,964.761000269299,936.20100074,871
加賀国石川郡332189,919.0220003365189,920.002000186,898
加賀国能美郡278137,775.2763902641137,766.27639087,432
加賀国江沼郡14180,950.068000140280,950.06800054,693
加賀国合計1,021508,609.1273901,00910508,572.547390403,894
加賀国不一致00.000000000.00000010,000
加賀国総計1,021508,609.1273901,00910508,572.547390508,572.547390413,894
※『共武政表』の加賀国石高総計は『日本地誌提要』の石高と一致し、『地理局雑報』(50万8578石3斗7升2合3勺9才)の石高と異なる。
※『郡村石高帳』の加賀国の国郡別石高は外受高3106石8斗9升1合を含まない。外受高の郡別内訳は不明である。
旧国受高加算前石高受高受高加算後石高
加賀国総計508,609.1273903,106.891000511,716.018390
※『共武政表』の加賀国河北郡本籍人口8万4871人は明治12年1月1日調本籍人口7万1453人との比較から7万4871人の誤記と判断し修正。
※『共武政表』の加賀国人口総計41万3894人は明治5年旧暦1月29日調本籍人口40万3357人と比べて過剰であり、40万3894人の可能性が高い(河北郡の人口を修正)。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
能登国羽咋郡23899,726.117500239199,676.18750071,547
能登国鹿島郡20199,962.9786601961100,096.30106069,270
能登国鳳至郡32069,858.027500318269,858.02750081,837
能登国珠洲郡11235,935.52030011235,935.52030041,725
能登国合計871305,482.6439608654305,566.036360264,379
能登国不一致00.000000000.0000000
能登国総計871305,482.6439608654305,666.036340305,566.036360264,379
※『共武政表』の能登国石高総計は『日本地誌提要』の石高と一致し、『地理局雑報』(50万8578石3斗7升2合3勺9才)の石高と異なる。
※『郡村石高帳』の能登国の国郡別石高は外受高2120石1斗8升5合を含まない。受高の郡別内訳は不明である。
旧国受高加算前石高受高受高加算後石高
能登国総計305,482.6439602,120.185000307,602.828960
※『共武政表』の能登国人口総計は明治6年1月1日調本籍人口と一致する。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
越中国新川郡1,134295,756.0100001,0414301,417.882690256,817
越中国婦負郡368112,139.5020003652113,216.82800061,434
越中国射水郡331188,681.2370003373172,718.327090136,319
越中国砺波郡740281,187.3580007012275,890.847670169,407
越中国合計2,573877,764.1070002,44411863,243.885450623,977
越中国不一致00.000000000.0000000
越中国総計2,573877,764.1070002,44411877,764.107000863,243.885450623,977
※『郡村石高帳』の越中国の町数総計は外町18。内訳は、新川郡町7、婦負郡町3、射水郡町3、砺波郡町5。
※『郡村石高帳』の越中国の国郡別石高は外受高2万2067石8斗3升2合を含まない。受高加算前の国郡別石高は『日本地誌提要』の石高と一致し、受高加算後の石高は『地理局雑報』の石高と一致する。
旧国受高加算前石高受高受高加算後石高
越中国新川郡295,756.01000020,031.008000315,787.018000
越中国婦負郡112,139.502000390.765000112,530.267000
越中国射水郡188,681.237000697.335000189,378.572000
越中国砺波郡281,187.358000948.724000282,136.082000
越中国総計877,764.10700022,067.832000899,831.939000
※『共武政表』の越中国人口総計は明治6年1月1日調本籍人口と一致する。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
越後国頚城郡1,140225,199.7694001,0935225,199.769400281,635
越後国苅羽郡(刈羽郡)20275,890.293960186275,890.293958103,397
越後国魚沼郡422102,282.3181004112102,282.751000158,019
越後国古志郡29269,235.231600348269,234.79860098,559
越後国三島郡25578,509.007200181478,509.00720083,065
越後国岩船郡26861,820.382750249261,820.38275059,748
越後国蒲原郡1,967537,630.5205801,78423537,629.134580599,253
越後国蒲原郡(新潟県)1,897520,242.884580
越後国蒲原郡(若松県)7017,387.636000
越後国合計4,5461,150,567.5235904,252401,150,566.1374881,383,676
越後国不一致00.000000000.00000030,000
越後国総計4,5461,150,567.5235904,252401,150,836.3685801,150,566.1374881,413,676
※『郡村石高帳』、『日本地誌提要』、『共武政表』、『地理局雑報』(115万0836石3斗2升8合5勺9才)の越後国の石高総計は全て異なる。
※『共武政表』の越後国人口合計は明治7年1月1日調本籍人口138万3572人とほぼ等しく、『共武政表』の人口総計は誤計算と推測される。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
佐渡国加茂郡10048,345.14000094348,420.53600031,800
佐渡国雑太郡10164,521.93700089364,694.26900050,673
佐渡国羽茂郡6222,339.04600062122,399.67600021,932
佐渡国合計263135,206.1230002457135,514.481000104,405
佐渡国不一致00.000000000.0000000
佐渡国総計263135,206.1230002457135,206.123000135,514.481000104,405
※『郡村石高帳』の佐渡国石高総計は『日本地誌提要』、『地理局雑報』の石高と一致する。
※『共武政表』の佐渡国人口総計は明治7年1月1日調本籍人口と一致する。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
丹波国桑田郡23656,252.463400220156,227.72900052,135
丹波国船井郡22652,134.455100200152,134.45510045,723
丹波国何鹿郡11449,525.940800136149,525.94080040,422
丹波国氷上郡22567,462.689600177167,462.68960065,564
丹波国多紀郡11552,076.370600213152,076.37060043,933
丹波国天田郡12452,013.554360113152,013.55436047,904
丹波国合計1,040329,465.4738601,0596329,440.739460295,681
丹波国不一致0-0.000400000.0000000
丹波国総計1,040329,465.4734601,0596329,465.473860329,440.739460295,681
※『郡村石高帳』の丹波国石高合計は『日本地誌提要』、『地理局雑報』の石高と一致し、『郡村石高帳』の石高総計は誤写と推測される。
※『共武政表』の丹波国人口総計は明治6年1月1日調本籍人口と一致する。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
丹後国与佐郡9442,655.44200095142,655.44200048,246
丹後国加佐郡15439,080.008500151139,080.00850054,999
丹後国中郡3521,987.89280034121,987.89280017,037
丹後国熊野郡5619,004.8770005319,004.87700016,073
丹後国竹野郡7325,273.9100007225,273.91000025,693
丹後国合計412148,002.1303004053148,002.130300162,048
丹後国不一致00.000000000.0000000
丹後国総計412148,002.1303004053148,002.130300148,002.130300162,048
※『共武政表』の丹後国石高総計は『郡村石高帳』、『日本地誌提要』、『地理局雑報』の石高と一致する。
※『共武政表』の丹後国人口総計は明治6年1月1日調本籍人口16万2084人とほぼ等しい。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
但馬国朝来郡9220,739.21600082120,739.21600026,958
但馬国養父郡11423,942.88400010423,942.88400036,460
但馬国二方郡5410,163.5490005610,163.54900021,390
但馬国七味郡7311,041.53980069111,041.53980015,009
但馬国気多郡8620,049.92030011020,049.92030021,125
但馬国城崎郡8421,758.95017078121,744.74577024,131
但馬国美含郡8311,993.6780007211,993.67800017,259
但馬国出石郡9728,458.01700085128,458.01700025,648
但馬国合計683148,147.7542706564148,133.549870187,980
但馬国不一致00.000000000.0000000
但馬国総計683148,147.7542706564148,147.754270148,133.549870187,980
※『郡村石高帳』の但馬国石高総計は『日本地誌提要』、『地理局雑報』の石高と一致する。
※『共武政表』の但馬国人口総計は明治6年1月1日調本籍人口と一致する。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
因幡国岩井郡5122,620.4330005122,620.43300016,193
因幡国法美郡6120,609.60400062120,609.60400014,624
因幡国八東郡8226,144.0320008926,144.03200019,102
因幡国八上郡6223,863.9990006223,863.99900014,675
因幡国知頭(智頭)郡9816,686.2420009916,686.24200015,418
因幡国邑美郡3317,379.60100031417,379.60100040,000
因幡国高草郡8441,187.21800083141,187.21800023,404
因幡国気多郡8327,141.51600083227,141.51600020,835
因幡国合計561195,632.6450005608195,632.645000164,251
因幡国不一致00.000000000.000000-101
因幡国総計561195,632.6450005608195,632.645000195,632.645000164,150
※『共武政表』の因幡国石高総計は『郡村石高帳』、『日本地誌提要』、『地理局雑報』の石高と一致する。
※『共武政表』の因幡国人口総計は明治7年1月1日調本籍人口16万2396人とほぼ等しい。
[81063] 2012年 7月 10日(火)00:49:38YT さん
明治5年国郡別石高と人口・町村数 (5)
旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
羽前国置賜郡263337,240.9150002955337,240.915000146,769
羽前国置賜郡(置賜県)223295,671.543000
羽前国置賜郡(山形県)4041,569.372000
羽前国村山郡478365,370.03946043911365,370.039390242,639
羽前国最上郡8684,057.51631085184,057.51631043,483
羽前国田川郡390160,302.8349104205160,302.834910132,399
羽前国合計1,217946,971.3056801,23922946,971.305610565,290
羽前国不一致00.000000000.000000-10
羽前国総計1,217946,971.3056801,23922946,971.304910946,971.305610565,280
※『郡村石高帳』の羽前国の村数総計は外町34。
※『郡村石高帳』の羽前国石高総計は『地理局雑報』の石高と一致する。
※『共武政表』の羽前国人口総計は明治6年1月1日調本籍人口56万7361人とほぼ等しい。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
羽後国飽海郡28474,941.885800284274,941.88590072,099
羽後国秋田郡289116,598.9560002824116,598.956000186,818
羽後国河辺(川辺)郡5927,174.16300059127,174.16300028,006
羽後国仙北郡184110,219.4870001792110,219.48700087,033
羽後国雄勝郡8852,848.28000086352,848.28000050,453
羽後国山本郡7842,231.17400076242,231.17400063,439
羽後国平鹿郡11567,264.044000114267,264.04400066,723
羽後国由利郡24377,196.899550240477,196.89955075,269
羽後国合計1,340568,474.8893501,32020568,474.889450629,840
羽後国不一致00.00000000-200.0000000
羽後国総計1,340568,474.8893501,32020568,474.889450568,274.889450629,840
※『郡村石高帳』、『日本地誌提要』、『共武政表』、『地理局雑報』(56万8760石2斗7升5合4勺5才)の羽後国の石高総計は全て異なる。
※『共武政表』の羽後国石高合計は『日本地誌提要』の石高と一致し、『共武政表』の石高総計は誤写と推測される。
※『共武政表』の羽後国人口合計は明治6年1月1日調本籍人口63万0575人とほぼ等しい。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
渡島国亀田郡29136,415
渡島国茅部郡179,680
渡島国上磯郡178,000
渡島国福島郡64,510
渡島国檜山郡21117,352
渡島国津軽郡13120,860
渡島国爾志郡87,011
渡島国合計1113103,828
渡島国不一致000
渡島国総計111354,814.894820103,828
※『日本地誌提要』の渡島国石高総計は物産高。
※『共武政表』の渡島国人口総計は明治8年1月1日調本籍人口9万4610人と比べて過剰であり、現住人口ベース(明治6年1月1日調現住人口9万9909人)か。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
後志国久遠郡9854
後志国奥尻郡486
後志国太櫓郡4303
後志国瀬棚郡5531
後志国島牧郡151,039
後志国寿都郡81,583
後志国歌棄郡61,140
後志国磯屋(磯谷)郡41,304
後志国岩内郡613,075
後志国古宇郡62,009
後志国積丹郡81,620
後志国美国郡51,555
後志国古平郡612,663
後志国余市郡812,725
後志国忍路郡41,515
後志国高島郡41,115
後志国小樽郡515,413
後志国合計107428,530
後志国不一致00-5
後志国総計1074265,580.84719028,525
※『日本地誌提要』の後志国石高総計は物産高。
※『共武政表』の後志国人口総計は明治8年1月1日調本籍人口1万9916人と比べて過剰であり、明治6年1月1日調現住人口2万8388人とほぼ等しい。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
石狩国石狩郡311,828
石狩国札幌郡1718,825
石狩国夕張郡39
石狩国樺戸郡78
石狩国空知郡0
石狩国雨竜郡0
石狩国上川郡0
石狩国厚田郡10708
石狩国浜益郡8577
石狩国合計38212,055
石狩国不一致000
石狩国総計38239,336.06952012,055
※『日本地誌提要』の石狩国石高総計は物産高。
※『共武政表』の石狩国人口総計は明治8年1月1日調本籍人口7591人と比べて過剰であり、明治6年1月1日調現住人口1万2123人とほぼ等しい。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
北見国宗谷郡352
北見国利尻郡947
北見国礼文郡376
北見国枝幸郡157
北見国紋別郡10299
北見国常呂郡7140
北見国網走郡8248
北見国斜里郡5252
北見国合計302,771
北見国不一致00
北見国総計3026,977.4206602,771
※『日本地誌提要』の北見国石高総計は物産高。
※『共武政表』の北見国人口総計は明治8年1月1日調本籍人口1647人と比べて過剰であり、明治6年1月1日調現住人口2770人とほぼ等しい。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
胆振国山越郡21,002
胆振国虻田郡4574
胆振国有珠郡52,930
胆振国室蘭郡711,020
胆振国幌別郡5442
胆振国白老郡3581
胆振国勇払郡161,476
胆振国千歳郡6297
胆振国合計4818,322
胆振国不一致007
胆振国総計48115,837.5042908,329
※『日本地誌提要』の胆振国石高総計は物産高。
※『共武政表』の胆振国人口総計は明治8年1月1日調本籍人口7462人と比べて過剰であり、明治6年1月1日調現住人口8421人とほぼ等しい。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
日高国沙流郡181,895
日高国新冠郡11548
日高国静内郡162,162
日高国三石郡8390
日高国浦河(浦川)郡201,199
日高国様似郡23424
日高国幌泉郡91,531
日高国合計1058,149
日高国不一致00
日高国総計10548,505.6027708,149
※『日本地誌提要』の日高国石高総計は物産高。
※『共武政表』の日高国人口総計は明治8年1月1日調本籍人口7479人と比べて過剰であり、現住人口ベース(明治6年1月1日調現住人口6137人)か。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
十勝国広尾郡1234
十勝国当縁郡356
十勝国大津(上川)郡2100
十勝国中川郡22539
十勝国河東郡5210
十勝国河西郡12225
十勝国十勝郡6146
十勝国合計511,510
十勝国不一致00
十勝国総計515,280.4400001,510
※『日本地誌提要』の十勝国石高総計は物産高。
※『共武政表』の十勝国人口総計は明治8年1月1日調本籍人口1477人と比べて過剰であり、明治6年1月1日調現住人口1505人とほぼ等しい。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
釧路国白糠郡2361
釧路国足寄郡476
釧路国釧路郡81,132
釧路国善報郡
釧路国阿寒郡573
釧路国網尻郡60
釧路国川上(上川)郡5202
釧路国厚岸郡1711,146
釧路国合計4712,990
釧路国不一致000
釧路国総計47148,342.9878302,990
※『郡村石高帳』記載の善報郡は設置されず。
※『日本地誌提要』の釧路国石高総計は物産高。
※『共武政表』の釧路国人口総計は明治8年1月1日調本籍人口2339人と比べて過剰であり、明治6年1月1日調現住人口2994人とほぼ等しい。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
根室国花咲郡70
根室国根室郡611,324
根室国野付郡4513
根室国標津郡2146
根室国目梨(芽梨)郡4187
根室国合計2312,170
根室国不一致000
根室国総計23135,572.8158302,170
※『日本地誌提要』の根室国石高総計は物産高。
※『共武政表』の根室国人口総計は明治8年1月1日調本籍人口1786人と比べて過剰であり、明治6年1月1日調現住人口2270人とほぼ等しい。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
千島国国後郡5303
千島国択捉郡287
千島国振別郡2109
千島国紗那郡4204
千島国蘂取郡2223
千島国合計15926
千島国不一致00
千島国総計1511,778.777250926
※『日本地誌提要』の千島国石高総計は物産高。
※『共武政表』の千島国人口総計は明治8年1月1日調本籍人口438人と比べて過剰であり、明治6年1月1日調現住人口928人とほぼ等しい。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
天塩国増毛郡52,114
天塩国留萌郡5764
天塩国苫前郡5506
天塩国天塩郡118
天塩国中川郡15
天塩国上川郡26
天塩国合計153,543
天塩国不一致00
天塩国総計1598,259.3245603,543
※『日本地誌提要』の天塩国石高総計は物産高。
※『共武政表』の天塩国人口総計は明治8年1月1日調本籍人口1870人と比べて過剰であり、明治6年1月1日調現住人口3543人と一致する。
[81062] 2012年 7月 10日(火)00:48:01YT さん
明治5年国郡別石高と人口・町村数 (4)
旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
飛騨国大野郡13722,248.657000159122,248.65700039,896
飛騨国吉城郡17824,395.637000229224,395.63700034,126
飛騨国益田郡10010,551.76400012510,551.76400024,800
飛騨国合計41557,196.058000513357,196.05800098,822
飛騨国不一致00.000000000.0000000
飛騨国総計41557,196.058000513357,196.05800057,196.05800098,822
※『共武政表』の飛騨国石高総計は『郡村石高帳』、『日本地誌提要』の石高と一致し、『地理局雑報』(5万7195石9斗9升3合)の石高と異なる。
※『共武政表』の飛騨国人口総計は明治6年1月1日調本籍人口と一致する。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
信濃国佐久郡18897,567.455400273298,061.81940087,374
信濃国諏訪郡15843,787.16120079243,787.16120061,418
信濃国伊那郡298139,051.6748901103139,051.674890171,413
信濃国筑摩郡23884,459.961790103284,459.961790142,170
信濃国小県郡77,138.537700192177,288.58670083,460
信濃国埴科郡24,602.89400049123,650.56160038,407
信濃国更科(更級)郡59,511.92890011359,319.31590059,615
信濃国安曇郡17964,194.082000101164,194.08200080,802
信濃国水内郡110,120.3413003113109,613.469930127,264
信濃国高井郡86,515.963800170186,291.32857078,021
信濃国合計786,950.0009801,50116785,717.961980929,944
信濃国不一致0.000000000.0000000
信濃国総計786,950.0009801,50116786,411.668380785,717.961980929,944
※『日本地誌提要』の信濃国石高総計は『地理局雑報』の石高と一致する。
※『郡村石高帳』の国郡別村数は一部不記載。
※『共武政表』の信濃国人口総計は明治6年1月1日調本籍人口と一致する。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
上野国邑楽郡9380,142.04400088180,142.48400056,437
上野国新田郡11766,914.682320100167,151.96532029,735
上野国山田郡6436,657.46000060136,685.48100038,123
上野国佐位郡4721,625.68500038121,625.68500025,611
上野国那波郡6930,102.30629054130,102.30629017,024
上野国群馬郡234120,194.2505801932120,182.250580100,874
上野国勢多郡19277,348.46185017177,348.46185060,519
上野国利根郡14530,912.781000113230,900.90800031,032
上野国吾妻郡9825,126.6940008535,126.57100032,422
上野国碓氷(碓水)郡8541,484.86955074141,275.30155037,004
上野国片岡郡34,267.61400034,267.6140002,431
上野国多胡郡3212,605.1980002812,605.1980009,353
上野国緑埜(緑野)郡6031,438.55875046131,438.55875021,544
上野国甘楽郡17557,030.502000133157,030.50200055,296
上野国合計1,414635,851.1073401,18612645,883.287340517,405
上野国不一致00.00000000-0.000500-110,941
上野国総計1,414635,851.1073401,18612636,116.851340645,883.286840406,464
※『日本地誌提要』の上野国石高総計は『地理局雑報』の石高と一致する。
※『共武政表』の上野国人口総計は明治7年1月1日調本籍人口52万1603人とほぼ等しく、『共武政表』の人口総計は計算間違いと推測される。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
下野国河内郡272108,400.0060002031110,733.48976068,743
下野国芳賀郡276133,633.6411102411134,739.52120060,571
下野国塩谷郡15955,250.48721015255,683.46321037,010
下野国那須郡309119,500.0020902663119,959.54615067,159
下野国足利郡4632,474.02730043132,474.02730037,938
下野国梁田(簗田)郡2914,295.1800002714,295.18000010,783
下野国安蘇(安蘓)郡6462,582.97540046162,582.97540051,023
下野国都賀郡387223,551.3846003827223,674.500600161,371
下野国寒川郡138,960.737000138,960.7370003,868
下野国合計1,555758,648.4407101,37314763,103.440620498,466
下野国不一致00.000000000.000000-16,000
下野国総計1,555758,648.4407101,37314762,851.631820763,103.440620482,466
※『共武政表』の下野国石高総計は『地理局雑報』の石高と一致する。
※『共武政表』の下野国塩谷郡本籍人口3万1010人は明治12年1月1日調本籍人口4万0846人との比較から3万7010人の誤記と判断し修正。
※『共武政表』の下野国足利郡本籍人口2万7938人は明治12年1月1日調本籍人口4万1917人との比較から3万7938人の誤記と判断し修正。
※『共武政表』の下野国人口総計48万2466人は明治5年旧暦1月29日調本籍人口49万8520人と比べて過少であり、49万8466人の可能性が高い(塩谷郡・足利郡の人口を修正)。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
磐城国白河郡10664,327.583000106164,327.58300029,670
磐城国石川郡8349,061.7550007549,061.75500019,148
磐城国田村郡143113,312.9497001411113,312.94970056,876
磐城国菊多郡6140,561.9409306140,561.94093019,264
磐城国白川郡9343,620.01344092143,620.01344024,785
磐城国磐前郡11355,515.814300112255,515.81430030,091
磐城国磐城郡5131,941.8940005131,941.89400015,070
磐城国楢葉郡4130,754.1850004030,754.18500011,117
磐城国標葉郡6429,437.1370006429,437.13700016,398
磐城国行方郡12166,919.63600012166,919.63600032,496
磐城国宇多郡5036,837.00000050136,837.00400022,879
磐城国宇多郡(磐前県)4129,677.279000
磐城国宇多郡(宮城県)97,159.721000
磐城国伊具郡3639,528.90700036139,528.90700030,550
磐城国亘理郡2624,678.0740002624,678.07400018,162
磐城国刈田郡3323,991.99300033123,991.99300022,768
磐城国合計1,021650,488.8823701,0088650,488.886370349,274
磐城国不一致00.00000000-0.0040000
磐城国総計1,021650,488.8823701,0088650,488.882370650,488.882370349,274
※『共武政表』の磐城国石高総計は『郡村石高帳』、『日本地誌提要』、『地理局雑報』の石高と一致する。
※『共武政表』の磐城国人口総計は明治6年1月1日調本籍人口34万9594人とほぼ等しい。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
岩代国会津郡30988,224.545500308288,221.33950065,276
岩代国大沼郡16153,035.58400016153,029.61600032,696
岩代国耶麻郡310126,274.5510003112126,244.94100054,035
岩代国河沼郡24876,121.762000245176,212.17100033,884
岩代国岩瀬郡8869,413.31340083169,413.31340031,437
岩代国伊達郡112114,246.0661701094114,255.30117075,614
岩代国安積郡4853,118.39660048153,116.18460028,454
岩代国安積郡(若松県)1112,123.29184012,121.079840
岩代国安積郡(福島県)3740,995.10476040,995.104760
岩代国信夫郡8889,970.11788087289,975.08788048,434
岩代国安達郡7490,519.20936067190,519.20936062,055
岩代国合計1,438760,923.5459101,41914760,987.163910431,885
岩代国不一致00.000030000.0000000
岩代国総計1,438760,923.5459401,41914760,937.750910760,987.163910431,885
※『郡村石高帳』、『日本地誌提要』、『共武政表』、『地理局雑報』(76万0974石6斗8升9勺1才)の岩代国の石高総計は全て異なるが、国郡別石高の端数の比較から、『郡村石高帳』の石高総計は誤写と推測される。
※『共武政表』の岩代国人口総計は明治6年1月1日調本籍人口43万0163人とほぼ等しい。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
陸前国柴田郡3529,531.5940003529,531.59400021,458
陸前国名取郡6164,270.51000059164,270.51000042,922
陸前国宮城郡7975,087.12300078275,087.123000101,785
陸前国黒川郡4943,818.6400004943,818.64000020,399
陸前国賀美(加美)郡3838,913.9710003838,913.97100018,542
陸前国玉造郡2124,499.36000022124,499.36000014,246
陸前国志田郡6456,402.73000064156,402.73000027,820
陸前国遠田郡5962,372.4900005862,372.49000031,582
陸前国栗原郡93136,620.990000961136,620.99000079,711
陸前国登米郡2441,791.37000021141,791.37000031,158
陸前国牡鹿郡6015,514.07000059115,514.07000026,737
陸前国桃生郡6674,015.5200006674,015.52000040,070
陸前国本吉郡3322,184.18000032222,184.18000040,884
陸前国気仙郡2415,626.76000024215,626.76000042,225
陸前国合計706700,649.30800070112700,649.308000539,539
陸前国不一致00.000000000.0000000
陸前国総計706700,649.30800070112700,649.308000700,649.308000539,539
※『共武政表』の陸前国石高総計は『郡村石高帳』、『日本地誌提要』、『地理局雑報』の石高と一致する。
※『共武政表』の陸前国人口総計は明治6年1月1日調本籍人口53万9614人とほぼ等しい。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
陸中国磐井郡8684,007.06000086184,007.06000089,139
陸中国胆沢郡3775,764.26000037175,764.26000043,172
陸中国江刺郡4138,815.27000041138,815.27000035,544
陸中国和賀郡6953,170.80900069153,170.80900042,051
陸中国稗貫郡6851,689.69000067151,689.69000037,099
陸中国紫波郡7554,630.5110007454,630.51100034,466
陸中国岩手郡8552,333.36200085152,333.36200079,387
陸中国鹿角郡6920,965.04500070220,965.04500024,537
陸中国閉伊郡13828,559.015000138528,559.01500086,573
陸中国九戸郡5911,907.89000059111,907.89000041,155
陸中国合計727471,842.91200072614471,842.912000513,123
陸中国不一致00.0000000042,136.07000040,369
陸中国総計727471,842.91200072614469,073.737000513,978.982000553,492
※『共武政表』の陸中国石高合計は『郡村石高帳』の石高と一致し、『共武政表』の石高総計は誤写と推測される。
※『日本地誌提要』の陸中国石高総計は『地理局雑報』の石高と一致する。
※『共武政表』の陸中国人口合計は明治6年1月1日調本籍人口51万3273人とほぼ等しく、『共武政表』の人口総計は計算間違いと推測される。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
陸奥国二戸郡7514,796.27000031914,796.27000029,507
陸奥国三戸郡12043,792.960000595142,952.69800092,896
陸奥国北郡8323,524.559000454223,524.55900059,279
陸奥国津軽郡876340,987.0490001,0074340,986.364000291,635
陸奥国合計1,154423,100.8380002,3757422,259.891000473,317
陸奥国不一致00.00000000-0.0200000
陸奥国総計1,154423,100.8380002,3757423,100.838000422,259.871000473,317
※『郡村石高帳』の陸奥国石高総計は『日本地誌提要』、『地理局雑報』の石高と一致する。
※『共武政表』の陸奥国人口総計は明治6年1月1日調本籍人口と一致する。
[81061] 2012年 7月 10日(火)00:46:36YT さん
明治5年国郡別石高と人口・町村数 (3)
旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
武蔵国豊島郡19048,764.867890102348,764.551920739,773
武蔵国荏原郡11033,613.80418092133,613.54918086,654
武蔵国橘樹郡12655,087.514110123355,087.51411065,808
武蔵国多摩郡436139,574.3175803943139,574.317580174,233
武蔵国多摩郡(東京府)5511,777.943980
武蔵国多摩郡(神奈川県)381127,796.373600
武蔵国久良岐郡4416,614.42253053216,614.42253082,114
武蔵国新座郡4714,285.5486403314,190.54864018,387
武蔵国入間郡350100,814.350500250199,144.670500106,698
武蔵国高麗郡20427,574.26490011727,206.89350033,147
武蔵国秩父郡8831,452.17200084131,258.19600059,886
武蔵国男衾郡359,158.394860268,992.93536011,051
武蔵国大里郡4923,657.70592039123,560.70592022,029
武蔵国比企郡26560,968.63117016260,473.96517054,970
武蔵国横見郡4820,496.5910004720,412.25700010,343
武蔵国幡羅郡6439,593.9280005939,165.40800025,694
武蔵国榛沢郡9731,893.4000007431,755.80000034,049
武蔵国那賀(那珂)郡166,944.069000116,903.9830005,801
武蔵国児玉郡7027,606.92000060127,488.12000023,653
武蔵国賀美郡2812,705.8540002712,607.63400010,051
武蔵国埼玉郡466283,160.8416404248283,060.841640227,218
武蔵国足立郡429149,513.16579040510149,513.165790171,649
武蔵国足立郡(東京府)4318,932.878500
武蔵国足立郡(埼玉県)386130,580.287290
武蔵国葛飾郡288120,037.635590288151,767.206330127,904
武蔵国葛飾郡(東京府)12051,767.206330
武蔵国葛飾郡(埼玉県)16868,270.429260
武蔵国都筑郡7028,482.3716007228,482.37160027,744
武蔵国合計3,5201,282,000.7709002,942351,209,639.0577702,118,856
武蔵国不一致00.00000000-0.0016101,414,015
武蔵国総計3,5201,282,000.7709002,942351,282,000.4549301,209,639.0561603,532,871
※『郡村石高帳』の武蔵国石高総計は『地理局雑報』の石高と一致する。
※『共武政表』の武蔵国人口合計211万8856人は明治8年1月1日調本籍人口205万7870人と比べて過剰であり、現住人口ベースか。明治6年1月1日調現住人口210万8076人と数字が近く(東京府の現住人口は前後で年間3万~5万人増加)、約1万人ほど過剰となっているが、明治12年1月1日調本籍人口との比較で人口過剰となっている郡を特定できない。
※『共武政表』の人口総計は計算間違いと推測される。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
安房国長狭郡6023,011.9270906323,011.92709038,459
安房国朝夷郡6222,641.0188106422,641.01881038,474
安房国平(平群)郡7226,137.34710075126,137.34710040,343
安房国安房郡5323,851.13050090223,851.13050038,055
安房国合計24795,641.423500292395,641.423500155,331
安房国不一致00.000000000.0000000
安房国総計24795,641.423500292395,641.42350095,641.423500155,331
※『共武政表』の安房国石高総計は『郡村石高帳』、『日本地誌提要』、『地理局雑報』の石高と一致する。
※『共武政表』の安房国人口総計は明治6年1月1日調本籍人口と一致する。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
上総国天羽郡7524,684.4497507624,684.44975026,825
上総国周淮(周准)郡10927,021.502700108127,021.50270031,235
上総国望陀郡19760,127.944430193160,127.94443055,015
上総国市原郡19256,739.004320187256,739.00432060,031
上総国夷隅郡18269,133.876670170269,133.87667078,698
上総国長柄郡13862,336.711210129162,336.71121058,955
上総国埴生郡4818,570.3143504818,570.31435018,111
上総国山辺郡13253,287.677050131153,287.67705053,721
上総国武射郡13255,412.29046013155,412.29046041,005
上総国合計1,205427,313.7709401,1738427,313.770940423,596
上総国不一致00.000000000.0000000
上総国総計1,205427,313.7709401,1738427,313.770940427,313.770940423,596
※『共武政表』の上総国石高総計は『郡村石高帳』、『日本地誌提要』、『地理局雑報』の石高と一致する。
※『共武政表』の上総国人口総計は明治6年1月1日調本籍人口と一致する。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
下総国葛飾郡662123,436.2542103313123,436.254210148,015
下総国猿島郡7945,575.34490080145,575.34490040,908
下総国結城郡9835,313.34240051135,313.34240019,562
下総国豊田郡8039,254.40824079139,254.40824027,179
下総国相馬郡14864,464.05748013464,464.05748060,630
下総国千葉郡13444,420.164890126144,420.16489059,123
下総国埴生郡6425,773.3296206225,773.32962018,542
下総国香取郡306148,826.7925903082148,826.792590103,664
下総国匝瑳郡8437,736.4295808237,736.42958039,301
下総国海上郡7626,713.13449075126,713.13449049,249
下総国岡田郡5623,375.2034405323,375.20344014,966
下総国印旛郡28770,139.536410240170,139.53641069,694
下総国合計2,074685,027.9982501,62111685,027.998250650,833
下総国不一致00.000000000.0000000
下総国総計2,074685,027.9982501,62111685,027.998250685,027.998250650,833
※『郡村石高帳』の下総国の国郡別石高は外反高2345石8斗6升2合3勺(千葉郡)を含まない。反高加算前の国郡別石高は『日本地誌提要』、『共武政表』の石高と一致し、反高加算後の石高は『地理局雑報』の石高と一致する。
旧国反高加算前石高反高反高加算後石高
下総国千葉郡44,420.1648902,345.86230046,766.027190
下総国総計685,027.9982502,345.862300687,373.860550
※『共武政表』の下総国人口総計は明治7年1月1日調本籍人口(65万0863人)とほぼ等しい。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
常陸国茨城郡329151,062.5139003022151,057.762900124,283
常陸国那珂郡12787,229.057000127187,229.05700074,507
常陸国久慈郡14188,328.120000141188,328.12000065,219
常陸国多賀郡9252,235.6834108352,235.68341040,410
常陸国新治郡190116,603.6133001892116,572.04030078,976
常陸国真壁郡306133,448.7918002621133,460.17180069,201
常陸国筑波郡19780,660.073400173180,661.07340048,058
常陸国信太郡9544,798.2413409444,798.24134025,739
常陸国河内郡14463,658.394910144163,658.39491042,272
常陸国行方郡8353,008.44198082153,008.44198038,614
常陸国鹿島郡13150,596.221460130250,596.22146053,074
常陸国合計1,835921,629.1525001,72712921,605.208500660,353
常陸国不一致00.000000000.000000-7
常陸国総計1,835921,629.1525001,72712921,635.781500921,605.208500660,346
※『郡村石高帳』の常陸国の村数総計は外町3。
※『郡村石高帳』、『日本地誌提要』、『共武政表』、『地理局雑報』(91万2453石5斗4升5勺)の常陸国の石高総計は全て異なる。
※『共武政表』の常陸国人口総計は明治7年1月1日調本籍人口(66万1898人)とほぼ等しい。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
近江国犬上郡13362,137.207720110162,137.20772069,976
近江国愛知郡12864,802.52880012664,802.52880038,751
近江国神崎郡8648,425.1710008648,425.17100035,678
近江国蒲生郡244139,630.7746502142139,630.77465080,783
近江国甲賀郡13878,654.159160134178,654.15916059,438
近江国野洲郡10168,550.1747007868,550.17470034,117
近江国栗太郡12170,371.93765011070,371.93765041,401
近江国滋賀郡8846,218.55730078346,218.55730055,274
近江国高島郡15274,146.150000129274,146.15000045,335
近江国伊香郡7136,012.0554007736,012.05540020,863
近江国浅井郡14476,841.44180014476,841.44180038,688
近江国坂田(阪田)郡17392,059.367100165192,059.36710057,795
近江国合計1,579857,849.5252801,45110857,849.525280578,099
近江国不一致00.000000000.0000000
近江国総計1,579857,849.5252801,45110857,849.525280857,849.525280578,099
※『共武政表』の近江国石高総計は『郡村石高帳』、『日本地誌提要』、『地理局雑報』の石高と一致する。
※『共武政表』の近江国人口総計は明治6年1月1日調本籍人口と一致する。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
美濃国不破郡4641,418.7413004641,418.74130027,082
美濃国多芸郡6038,422.17360061138,422.17360023,020
美濃国石津郡7928,785.49790073128,785.49790024,044
美濃国安八郡15195,778.626500152295,778.62650068,585
美濃国池田郡6924,479.0349006924,479.03490020,428
美濃国大野郡12454,605.029800118154,605.02980031,687
美濃国本巣郡6840,354.49850067140,354.49850025,622
美濃国席田郡95,731.80490095,731.8049002,963
美濃国方県郡5436,834.8649005336,834.86490023,672
美濃国厚見郡5742,831.33480057242,831.33480047,615
美濃国山県郡4926,395.4800004726,395.48000022,403
美濃国武儀郡8644,210.25680080244,210.25680064,964
美濃国郡上郡16532,071.210700164132,071.21070048,945
美濃国加茂(賀茂)郡10747,329.22974010147,329.22974050,906
美濃国恵那(恵奈)郡8141,919.40963075341,919.40963056,316
美濃国土岐郡4922,597.1085804922,597.10858029,662
美濃国可児郡9434,032.5446007434,032.54460027,150
美濃国各務郡4120,733.4471003820,733.44710016,741
美濃国羽栗郡6324,162.45800062224,162.45800030,895
美濃国中島郡3115,212.2664003115,212.26640018,051
美濃国海西郡2611,749.8650002611,749.8650007,396
美濃国合計1,509729,654.8836501,45216729,654.883650668,147
美濃国不一致00.000000000.0000001
美濃国総計1,509729,654.8836501,45216729,654.883650729,654.883650668,148
※『共武政表』の美濃国石高総計は『郡村石高帳』、『日本地誌提要』、『地理局雑報』の石高と一致する。
※『共武政表』の美濃国人口総計は明治6年1月1日調本籍人口と一致する。
[81060] 2012年 7月 10日(火)00:43:42YT さん
明治5年国郡別石高と人口・町村数 (2)
旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
伊勢国度会郡17755,535.694200198155,535.69420093,959
伊勢国多気郡13048,411.33150013048,411.33150035,267
伊勢国飯野郡4825,854.6120004425,854.61200014,614
伊勢国飯高郡11052,502.233500108152,502.23350045,795
伊勢国一志郡154105,666.9060001301105,666.90600073,216
伊勢国三重郡9167,117.63030090167,117.63030052,830
伊勢国朝明郡6633,811.7460006933,811.74600027,795
伊勢国桑名郡16162,901.355000166162,901.35500052,207
伊勢国員弁郡11050,570.09500011250,570.09500036,720
伊勢国河曲郡3834,176.29800038134,176.29800020,272
伊勢国鈴鹿郡8966,638.94650084266,638.94650041,562
伊勢国安芸(奄芸)郡6247,666.58200056147,666.58200034,634
伊勢国安濃郡8863,522.98500082163,522.98500055,858
伊勢国合計1,324714,376.4150001,30710714,376.415000584,729
伊勢国不一致00.000000000.0000000
伊勢国総計1,324714,376.4150001,30710714,376.415000714,376.415000584,729
※『共武政表』の伊勢国石高総計は『郡村石高帳』、『日本地誌提要』、『地理局雑報』の石高と一致する。
※『共武政表』の伊勢国人口総計は明治5年旧暦1月29日調本籍人口58万5988人とほぼ等しい。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
志摩国答志(荅志)郡3711,564.43100039111,564.43100023,089
志摩国英虞郡197,714.772000197,714.77200023,854
志摩国合計5619,279.20300058119,279.20300046,943
志摩国不一致00.000000000.0000000
志摩国総計5619,279.20300058119,279.20300019,279.20300046,943
※『共武政表』の志摩国石高総計は『郡村石高帳』、『日本地誌提要』、『地理局雑報』の石高と一致する。
※『共武政表』の志摩国人口総計は明治6年1月1日調本籍人口と一致する。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
尾張国愛智(愛知)郡136124,473.7831001563124,473.783100206,114
尾張国春日井郡202151,462.5660002061151,462.566000110,581
尾張国丹羽郡13173,199.891100131173,199.89110069,453
尾張国葉栗郡4119,070.5140003719,070.51400024,602
尾張国中島郡164124,229.7450001621124,229.74500090,016
尾張国海東郡152127,615.0750001462127,615.07500075,991
尾張国海西郡9844,587.16200010944,587.16200031,328
尾張国知多郡147100,135.4300001482100,135.430000123,890
尾張国合計1,071764,774.1662001,09510764,774.166200731,975
尾張国不一致0.000000000.000000-1
尾張国総計764,774.1662001,09510764,774.166200764,774.166200731,974
※『共武政表』の尾張国石高総計は『郡村石高帳』、『日本地誌提要』、『地理局雑報』の石高と一致する。
※『共武政表』の尾張国人口総計は明治6年1月1日調本籍人口と一致する。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
三河国額田郡20652,555.102000186152,555.10200054,518
三河国碧海郡17897,311.004000179397,311.004000102,382
三河国加茂(賀茂)郡35767,537.997000353267,537.99700059,207
三河国幡豆郡19471,822.187000184171,822.18700073,697
三河国宝飯郡12158,041.91100011858,041.91100055,425
三河国設楽郡22430,171.544000230130,171.54400038,153
三河国八名郡7127,124.4210007427,124.42100023,755
三河国渥美郡13967,809.544000130267,809.54400078,333
三河国合計1,490472,373.7100001,45410472,373.710000485,470
三河国不一致00.000000000.0000000
三河国総計1,490472,373.7100001,45410472,373.710000472,373.710000485,470
※『共武政表』の三河国石高総計は『郡村石高帳』、『日本地誌提要』、『地理局雑報』の石高と一致する。
※『共武政表』の三河国人口総計は明治6年1月1日調本籍人口と一致する。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
遠江国榛原郡14050,382.506490140350,382.50649069,249
遠江国城東郡11168,988.173520116168,988.17352052,317
遠江国佐野郡9929,364.46551095129,364.46551030,616
遠江国山名郡11139,956.32453010939,956.32453024,902
遠江国周知(周智)郡9725,173.40110095125,173.40110028,740
遠江国磐田郡11,168.039000111,168.0390004,430
遠江国豊田郡26955,990.899310271355,990.89931066,961
遠江国長上郡12430,573.09936012630,573.09936031,519
遠江国鹿玉(麁玉)郡62,533.27131062,533.2713103,057
遠江国敷智(敷知)郡14249,254.380130146249,254.38013080,761
遠江国浜名郡21,269.52900021,269.5290003,187
遠江国引佐郡4917,892.25975050117,892.25975019,189
遠江国合計1,151372,546.3490101,15713372,546.349010414,928
遠江国不一致00.000000000.0000000
遠江国総計1,151372,546.3490101,15713372,546.349010372,546.349010414,928
※『共武政表』の遠江国石高総計は『郡村石高帳』、『日本地誌提要』、『地理局雑報』の石高と一致する。
※『共武政表』の遠江国人口総計は明治5年旧暦1月29日調本籍人口と一致する。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
駿河国富士郡15751,258.014050153248,772.04610057,975
駿河国駿東郡17353,159.584930165251,960.88200070,608
駿河国安倍郡13021,230.783730125119,427.56985028,308
駿河国有度(有渡)郡11037,548.949050109135,090.98320083,962
駿河国庵原郡8722,275.93270083221,740.18780048,379
駿河国志太郡13654,340.92840012853,141.88600067,851
駿河国益津(益頭)郡3612,139.97200036211,912.90100016,296
駿河国合計829251,954.16486079910242,046.455950373,379
駿河国不一致00.000000000.0000000
駿河国総計829251,954.16486079910251,782.795400242,046.455950373,379
※『郡村石高帳』、『日本地誌提要』、『共武政表』、『地理局雑報』(25万1918石9斗6升4合4勺5才)の駿河国の石高総計は全て異なる。
※『共武政表』の駿河国人口総計は明治7年1月1日調本籍人口37万2674人とほぼ等しい。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
甲斐国山梨郡14779,555.638700140178,019.23920072,741
甲斐国八代郡18168,037.682750151166,603.55779070,588
甲斐国都留郡10721,637.765500107321,339.52550067,311
甲斐国巨摩郡337142,954.0899002621141,622.011000152,333
甲斐国合計772312,185.1768506606307,584.333490362,973
甲斐国不一致00.000000000.0000000
甲斐国総計772312,185.1768506606307,584.333490307,584.333490362,973
※『郡村石高帳』の甲斐国石高は、外に貫高3貫500文(巨摩郡)。
※『共武政表』の甲斐国石高総計は『日本地誌提要』、『地理局雑報』の石高と一致する。
※『共武政表』の甲斐国人口総計は明治6年1月1日調本籍人口と一致する。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
伊豆国君沢郡7122,970.86769070153.87810022,916.98959030,474
伊豆国田方郡6925,835.4745407046.23700025,789.23754022,272
伊豆国加茂(賀茂)郡12830,642.909130126135.12546030,607.78367067,113
伊豆国那賀郡174,587.957000177.7150004,580.2420009,820
伊豆国合計28584,037.2083602832142.95556083,894.252800129,679
伊豆国不一致00.000000000.0000000
伊豆国総計28584,037.208360283283,894.25280083,894.252800129,679
※『郡村石高帳』と『日本地誌提要』の伊豆国の町村数総計には、郡が設置されていなかった伊豆七島(『日本地誌提要』によると、大島5村、利島1村、新島2村、神津島1村、三宅島5村、御蔵島1村、八丈島5村、小島2村、青島2村、合計24村)、小笠原島(『日本地誌提要』によると、父島3村、母島1村、合計4村)が含まれない。また伊豆七島、小笠原島は一般に無高とされていた。
※『郡村石高帳』の伊豆国の国郡別石高は過高142石9斗5升5合5勺6才を含む。過高加算前の国郡別石高は『郡村石高帳』、『共武政表』、『地理局雑報』の石高と一致する。
旧国過高加算前石高過高過高加算後石高
伊豆国君沢郡22,916.98959053.87810022,970.867690
伊豆国田方郡25,789.23754046.23700025,835.474540
伊豆国加茂郡30,607.78367035.12546030,642.909130
伊豆国那賀郡4,580.2420007.7150004,587.957000
伊豆国総計83,894.252800142.95556084,037.208360
※『共武政表』の伊豆国人口総計は、明治7年1月1日調本籍人口15万1774人より明治6年1月1日調の伊豆七島の口2万1791人(『日本地誌提要』によると、大島4460人、利島235人、新島2550人、神津島1445人、三宅島2790人、御蔵島239人、八丈島9423人、小島396人、青島253人)、波津島人口285人(『日本地誌提要』によると賀茂郡に含まれる)、小笠原島人口42人(『日本地誌提要』によると、父島38人、母島4人)を減じた値12万9656人とほぼ等しい。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
相模国足柄上郡9835,074.4482609435,074.44826031,301
相模国足柄下郡9230,561.28810086130,561.28810046,051
相模国大住郡11966,244.425560115266,244.23190055,680
相模国淘綾郡208,108.4166601918,108.41666013,084
相模国愛甲郡4326,265.22507042126,252.01207025,748
相模国津久井郡2912,421.2702503012,421.27025019,881
相模国三浦郡7824,457.49530077324,457.49530062,052
相模国鎌倉郡8931,475.90219085231,475.90219037,985
相模国高座郡11055,168.260580111155,168.26058068,140
相模国合計678289,776.73197065911289,763.325310359,922
相模国不一致00.00000000-60.0000000
相模国総計678289,776.73197065911289,844.162310289,703.325310359,922
※『郡村石高帳』、『日本地誌提要』、『共武政表』、『地理局雑報』(28万9700石2斗2升5合3勺1才)の相模国の石高総計は全て異なる。
※『郡村石高帳』の相模国の国郡別石高は過高13石4斗6合6勺6才(大住郡、愛甲郡)を含む。過高加算前の国郡別石高は『共武政表』の石高と一致する。また外に永高1122貫371文8分(鎌倉郡)。
旧国過高加算前石高過高過高加算後石高
相模国大住郡66,244.2319000.19366066,244.425560
相模国愛甲郡26,252.01207013.21300026,265.225070
相模国総計289,763.32531013.406660289,776.731970
※『共武政表』の相模国石高は、外に永高1322貫371文8分(鎌倉郡)。
※『共武政表』の相模国人口総計は明治6年1月1日調本籍人口35万9598人とほぼ等しい。
[81059] 2012年 7月 10日(火)00:40:53YT さん
明治5年国郡別石高と人口・町村数 (1)
[[80384]][[80385]]で、明治5年の石高について簡単にまとめましたが、今回『郡村石高帳』記載の郡別石高について一通り纏めることが出来たので、紹介します。

今回紹介する『郡村石高帳』とは、東京大学史料編纂所所蔵の手書きのものです。史料には
明治六年六月以租税寮蔵本膀写峻功
との記載があり、写本が作成されたのが、地租改正の始った年である明治6年の6月。つまり書き記されている石高は、明治5年度終了時点での、地租改正前の最後の地租であると推測されます。

実は全く同じ『郡村石高帳』というものが一橋大学の経済研究所付属社会化学統計情報研究センターにあります。こちらの史料についても内容を確認したところ、一橋大学所蔵のものは、総理府統計局図書館所蔵の『郡村石高帳』のコピーを取った複製品であることが分かりました。そこで東大史料編纂所所蔵の『郡村石高帳』と一橋大学所蔵の『郡村石高帳』(即ち総理府統計局所蔵のもののコピー)を実際に手にとって比較したところ、東大史料編纂所所蔵のものには朱書きによる修正が沢山入っているのに対し、一橋大学所蔵のものは修正が入っておらず、時系列的には一橋大学所蔵のものに修正を入れたのが東大史料編纂所所蔵のもので、情報量は東大史料編纂所所蔵のものの方が圧倒的にあることが分かりました。

ところで同じような郡別石高が、菊地利夫『続・新田開発―事例編』古今書院(1986年)にも載っています。この石高は、様々な辞書でも引用されているもでもありますが(例えば江戸と座敷鷹のサイトで引用されている石高は、元をただせば菊地氏の著作から)、
この統計の原本は内務省地誌課が正保郷帳・元禄郷帳・天保郷帳と明治六年の郷村石高帳を筆写した記録であり、東京大学史料館に所蔵されているものである。
とのことです。しかしながら、東大史料編纂所所蔵の『正保・元禄・天保・明治村高比較表』の原本を私が確認したところ、『正保・元禄・天保・明治村高比較表』の数字は不完全で、数字もどちらかといえば『旧高旧領取調帳』ベースのものを持ってきたと思われます([80385])。

木村礎校訂『旧高旧領取調帳』(1969年~1979年)の石高については過去に[76816][76817][76818][76819][76820][76821][76822][76904]でまとめましたが、これは関東大震災前に芦田伊人が内務省地理局地誌課に存在した原本を書き写したものを校訂したものです。『旧高旧領取調帳』の編纂経過・編纂年は不明ですが、おそらく『皇国地誌』製作事業の過程で製作されたもので、一部内容から明治9年以降に製作されたものとされています。ただ重要なのはその石高が何時のものかということで、旧領時代の史料となると府藩県三治制時代のもので、地租改正直前最後の明治5年の石高よりも数年前の状況を表しているものと推測されます。

[80384][80385]でもまとめましたが、『郡村石高帳』と同系列の石高を記しているものとして、『明治八年共武政表』(1875年)『日本地誌提要』(1875年)「大日本石高反別古今比較表」『地理局雑報』(8号)(1878年)があります。『日本地誌提要』は
戸数人口共ニ戸籍寮明治六年癸酉ノ表簿ニ据リ、田圃租税ハ其前年ノ数ニ係ル
『地理局雑報』は、
石高ハ明治五年郡村地租帳
と記述していることからも、『郡村石高帳』の石高が明治5年調であることが示唆されます。

さて、『明治八年共武政表』は明治一桁代の郡別人口(その多くは明治6年1月1日調本籍人口)を伝える数少ない史料です。一方『日本地誌提要』は明治7年頃の郡別町村数を記載していますが、その数は『郡村石高帳』の村数と大分異なります。『日本地誌提要』によると、
郡数ノ条。村町ヲ挙ゲ。村数ハ本支ヲ合計シ区分ハ之ヲ略ス。
とあるので、枝村や町の数を省略している『天保郷帳』や分類の曖昧な『旧高旧領取調帳』のものよりは、『日本地誌提要』の町村数の方がより正確とは思われます。

というわけで今回まとめるのは、『郡村石高帳』記載の村数と石高、『日本地誌提要』記載の村数、町数と石高、『共武政表』記載の石高と人口です。

以下、旧国毎に集計します。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
山城国葛野郡8535,655.4545108035,655.45451027,315
山城国愛宕郡9227,161.2737006127,161.273700257,835
山城国宇治郡4615,432.0524303915,432.05243011,330
山城国乙訓郡5225,792.7496005025,792.74960015,537
山城国紀伊郡3327,676.88837024127,676.88837037,421
山城国久世郡4028,420.10236037228,420.10236021,203
山城国綴喜郡6024,963.43900055124,963.43900027,075
山城国相楽郡7937,266.7452008837,266.74520033,730
山城国合計487222,368.7051704344222,368.705170431,446
山城国不一致00.00000000-9,999.999540-10,000
山城国総計487222,368.7051704344222,368.705170212,368.705630421,446
※『共武政表』の山城国石高合計は『郡村石高帳』、『日本地誌提出要』、『地理局雑報』の石高と一致し、『共武政表』の石高総計は誤写と推測される。
※『共武政表』の山城国人口合計は明治6年1月1日調本籍人口(皇族を除く)と一致し、『共武政表』の山城国人口総計は誤写と推測される。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
大和国添上郡15658,233.123980140158,233.12398053,256
大和国添下郡7140,513.95040074140,513.95040038,176
大和国平群郡9031,797.7692008331,797.76920024,419
大和国山辺郡16149,131.41075014849,131.41075033,763
大和国宇陀郡11833,947.189100139133,947.18910025,794
大和国式上(城上)郡5722,711.8037005622,711.80370019,653
大和国式下(城下)郡4827,171.3380005327,171.33800014,410
大和国十市郡7042,455.3966308542,455.39663025,022
大和国広瀬郡3718,518.1890003418,518.18900013,368
大和国葛上郡7124,570.80800062124,570.80800019,740
大和国葛下郡8842,328.2830008642,328.28300033,920
大和国高市郡12841,756.66520012141,756.66520033,734
大和国忍海郡225,577.459000205,577.4590002,811
大和国宇智郡6918,388.7831006318,388.78310017,109
大和国吉野郡24646,584.067700325145,584.06770067,780
大和国合計1,432503,686.2367601,4895502,686.236760422,955
大和国不一致00.000000000.000000-20,000
大和国総数1,432503,686.2367601,4895502,686.236760502,686.236760402,955
※『郡村石高帳』の大和国石高総計は『地理局雑報』の石高と一致し、『共武政表』の大和国石高総計は『日本地誌提要』の石高と一致する。
※『共武政表』の大和国人口合計は明治6年1月1日調本籍人口42万3004人とほぼ等しく、『共武政表』の大和国総計は誤写と推測される。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
河内国茨田郡9738,222.96400069238,222.96400030,295
河内国交野郡6223,620.9025003923,120.90250021,092
河内国讃良郡4115,369.09000034115,369.90000013,910
河内国河内郡4216,095.4927002816,095.49270016,499
河内国若江郡7140,188.64330064140,188.55330027,873
河内国高安郡235,973.110000145,973.1200006,147
河内国渋川郡4223,134.19730033123,134.19730012,978
河内国大県郡184,717.102000114,717.1020004,647
河内国志紀郡2713,113.2693002213,113.26930010,323
河内国丹北郡5323,820.7770004523,820.77700020,154
河内国石川郡5425,140.21400046125,161.70100022,662
河内国錦部郡7118,204.8831004918,205.38310015,471
河内国安宿部(安宿)郡42,584.850000412,585.0500002,585
河内国丹南郡5122,573.2708005222,173.27080020,009
河内国八上郡1513,078.5500001113,078.5500006,117
河内国古市郡177,281.2712001317,281.7202006,910
河内国合計688293,118.5872005348292,241.953200237,672
河内国不一致00.00000000903.531000906
河内国総計688293,118.5872005348293,118.587200293,145.484200238,578
※『郡村石高帳』の河内国石高総計は『日本地誌提要』、『地理局雑報』の石高と一致し、『共武政表』の郡別石高には様々な誤写があると推測される。
※『共武政表』の河内国人口合計23万7672人は明治5年旧暦1月29日調本籍人口23万7678人とほぼ等しく、『共武政表』の人口総計は計算間違いと推測される。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
和泉国大鳥郡15451,548.055000103251,491.34600081,089
和泉国泉(和泉)郡10431,037.62190082130,958.60190030,665
和泉国南(泉南)郡7636,833.14580073236,828.75080043,622
和泉国日根郡8256,771.95340075256,356.46740054,202
和泉国合計416176,190.7761003337175,635.166100209,578
和泉国不一致00.000000000.00000090,000
和泉国総計416176,190.7761003337176,190.776100175,635.166100299,578
※『郡村石高帳』の和泉国石高総計は『日本地誌提要』、『地理局雑報』の石高と一致する。
※『共武政表』の和泉国人口合計20万9578人は明治5年旧暦1月29日調本籍人口20万9174人とほぼ等しく、『共武政表』の和泉国人口総計は誤写と推測される。

村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
摂津国島上郡9332,603.95120060232,597.73020024,685
摂津国島下郡14357,338.492300103257,399.66630035,350
摂津国豊島郡16231,656.67270087131,656.67270029,136
摂津国有馬郡11545,986.91140094245,986.91140032,010
摂津国八部郡5319,658.07840038219,658.07840050,455
摂津国兎原(菟原)郡6113,970.2940005113,970.29400024,538
摂津国武庫郡6023,759.55620056123,759.55620028,777
摂津国川辺(河辺)郡21767,186.241800178267,186.24180064,278
摂津国西成郡18154,054.030000124253,969.238000343,227
摂津国東成郡7736,744.27500058136,699.12500061,916
摂津国住吉郡6920,821.24280056220,761.91680025,147
摂津国能勢郡5412,742.1900004012,742.19000011,424
摂津国合計1,285416,521.93580094517416,387.620800730,943
摂津国不一致00.00000000416,387.6208000.0000000
摂津国総計1,285416,521.93580094517416,387.620800416,387.620800730,943
※『共武政表』の摂津国石高総計は『郡村石高帳』、『日本地誌提要』、『地理局雑報』の石高と一致する。
※『共武政表』の摂津国人口総計は明治6年1月1日調本籍人口と一致する。

旧国村数郡村石高帳村数町数日本地誌提要共武政表人口
伊賀国阿拝郡6945,304.53500068145,304.53500049,839
伊賀国山田郡2517,775.1898002617,775.1898009,807
伊賀国伊賀郡5030,298.5674005130,298.56740021,639
伊賀国名張郡3817,539.67420043117,539.67420015,905
伊賀国合計182110,917.9664001882110,917.96640097,190
伊賀国不一致00.000000000.0000000
伊賀国総計182110,917.9664001882110,917.966400110,917.96640097,190
※『共武政表』の伊賀国石高総計は『郡村石高帳』、『日本地誌提要』、『地理局雑報』の石高と一致する。
※『共武政表』の伊賀国人口総計は明治6年1月1日調本籍人口と一致する。
[81018] 2012年 7月 1日(日)18:35:57【1】YT さん
明治8年、明治11年、明治12年、明治13年共武政表
陸軍参謀局が編纂した『共武政表』ですが、とうとう全巻を近代デジタルライブラリーで閲覧可能となっていました。

『明治八年共武政表 上』

『明治八年共武政表 下』

『明治十一年共武政表 全』

『明治十二年共武政表 上』

『明治十二年共武政表 下』

『明治十三年共武政表 上』

『明治十三年共武政表 下』

明治11年、明治12年、明治13年の『共武政表』に記載されている本籍人口は、実際にはそれぞれ明治12年1月1日調、明治13年1月1日調、明治14年1月1日調です。

以前から閲覧可能だった『明治八年共武政表』と異なり、これら三年分の『共武政表』はそれぞれの地方についてはるかに詳しい内容を含んでいます。是非皆さんも確認してください。
[81011] 2012年 6月 30日(土)01:05:50【1】YT さん
「国際戦略港湾」「国際拠点港湾」「重要港湾」と「地方港湾」
[81010] hmtさん
田尻町の本土側と 関空島との間の海域。ここには水上生活者は居ないと思います。
つまり、[81009]に引用された省令第一条第4項各号に該当せず、水面調査区ではないということです。

自分はずっと関西国際空港の陸側に向けて作られた泉州港は

一  港湾法 (昭和二十五年法律第二百十八号)第二条第二項 に規定する国際戦略港湾、国際拠点港湾又は重要港湾の同条第三項 に規定する港湾区域

に相当するため、水上生活者の有無に関わらず自働的に水面調査区が設置されるものと思ってました。ところがhmtさんの書き込みを読み、改めて大阪府の港湾を調べたところ、どうも泉州港は「国際戦略港湾」「国際拠点港湾」「重要港湾」の何れにも相当しない「地方港湾」だったようです。

大阪府の港湾港湾法の規定市町村
大阪港国際戦略港湾大阪市
堺泉北港国際拠点港湾堺市・泉大津市・高石市
阪南港重要港湾泉北郡忠岡町・岸和田市・貝塚市
二色港地方港湾貝塚市・泉佐野市
泉佐野港地方港湾泉佐野市
尾崎港地方港湾阪南市
淡輪港地方港湾泉佐野市・泉南郡田尻町・泉南市
深日港地方港湾泉南郡岬町
泉州港地方港湾泉南郡岬町

そうなってくると・・・関空と陸側の一部工場地帯を一個の特別調査区としたとかでしょうか?調査区地図の方は、統計図書館に出向かない限り確認しようがないので、ハードルが高いようです。
http://www.stat.go.jp/training/toshokan/micro.htm
[81009] 2012年 6月 29日(金)17:06:03【2】YT さん
水面調査区
[81008] hmtさん

関西国際空港連絡橋を経由しないと往来できない 田尻町や泉南市でも 「隣接」扱いですから、既存の2トンネルに加えて東京ゲートブリッジ[80265] が開通した中央防波堤埋立地も、当然に 23区と隣接した 人口集中地区ということになります。

同じように、1975年、1980年、1985年の北九州市若松区DIDは、八幡西区DIDや戸畑区DIDと隣接してません。それにもかかわらず「北九州連合集中地区」として同一の人口集中地区とされています。

この問題の本質は、「水面調査区」が地図上に図示されてないことによると思います。

昭和45年度版の『わが国の人口集中地区』の「利用上の注意」によると、人口と面積に関して:

(1) 人口集中地区に含まれる水面調査区の人口は,原則として人口集中地区の人口のなかに参入されていない。ただし,市区町村の全域が人口集中地区に相当する場合は,水面調査区の人口も当該人口集中地区の人口に含めた。

(中略)

(2) 人口集中地区に含まれる水面調査区の面積は,原則として人口集中地区の面積のなかに含めたが,港湾に設定された水面調査区の面積は,当該人口集中地区の面積から除外した。

つまり地図上では空白となっているが、その部分には「港湾に設定された水面調査区」が存在していることになります。

現在の国勢調査の調査区の設定の基準等に関する省令によると、

第一条  国勢調査令 (以下「令」という。)第八条第一項 の規定による調査区の設定は、市町村の区域を一般調査区、特別調査区又は水面調査区のいずれかに区分して行うものとする。

4  水面調査区は、総務大臣の定める方法により、次に掲げる区域を区分して設定するものとする。
一  港湾法 (昭和二十五年法律第二百十八号)第二条第二項 に規定する国際戦略港湾、国際拠点港湾又は重要港湾の同条第三項 に規定する港湾区域
二  港湾法第二条第二項 に規定する地方港湾の同条第三項 に規定する港湾区域又は漁港漁場整備法 (昭和二十五年法律第百三十七号)第二条 に規定する漁港の水域(前号の国際戦略港湾、国際拠点港湾又は重要港湾に指定されている漁港の水域にあつては港湾区域に該当する水域を除いた水域)で居住者の存するもの
三  河川又は運河の河口及びその周辺水域で居住者の存するもの(前二号に該当するものを除く。)

ともかく「港湾に設定された水面調査区」と「準人口集中地区」に関する地図が入手できれば、[80928]で示したようにDIDを拡張し、人口集中地区・準人口集中地区が港湾に設定された水面調査区をはさんだ分を含めてひたすら隣接した地域の人口・面積の計算も出来るのですけど・・・

【追記】 そういえば[271]で、個々の人口集中地区,準人口集中地区について昭和35年から平成17年までの変遷をまとめて下さったsatoさんは、今どうしていらっしゃるのでしょう?そもそもsatoさんはどうやって準人口集中地区の情報を得たのでしょうか?

 また,準人口集中地区の境界を表示した地図は,本報告書には収録されていないが,総理府統計局に保管され,所定の手続きにより,一般の利用に供されている。

とあるのですが、この所定の手続きは楽なんでしょうかね?

あと、改めてDIDの定義の文([81006])を見返すと、どこにも水面調査区への言及がないですね。
(1) 広大な工場地域・鉄道用地・港湾施設・飛行場等のある特別調査区および社会施設など特殊な施設のある特別調査区。
港湾施設を形成する特別調査区・水面調査区の内、特別調査区のみをDIDに加えるというのは、定義として間違ってないんでしょうけど、「利用上の注意」まで読み進めて初めて「水面調査区」の言及がある。どうも定義の文に不備がある感じがします。
[81006] 2012年 6月 29日(金)02:14:42【1】YT さん
DIDの定義 再び
[80994] 白桃さん
それではと、7割1分3厘というYTさんの驚異的な数字を見て、やっとヒト安心。
人口の話題ばっかり書き込んでいるYTです。最近は過去の市町村別人口のまとめをそっちのけにして、正保郷帳、明治初期の石高にばかり気を取られていて、近い将来にそっちの投稿をする予定です。それはさておき・・・

[81003] hmtさん

東京の中心部にある千代田城一帯は、人口が極めて少ない地区だと思うのですが、なぜ DIDに含まれているのでしょうか?

羽田空港も巨大な人口希薄地帯の筈ですが、これもDID。
それどころか、所属する区が未定の中央防波堤埋立地までもピンクに着色されています。

この辺の例外については、総務省統計局が毎回出版している『我が国の人口集中地区』の方で詳しい解説があります。総ての回の定義部分をコピーして自分の手元に所持しているわけではないので、正確なことは書けませんが、以下は昭和45年版でのDIDの定義です。

2 設定の基準

 人口集中地区は,「市区町村の区域内で人口密度の高い調査区がたがいに隣接して,その人口が5,000人以上となる地域」をいう。
 今回の人口集中地区は,昭和45年国勢調査調査区を基礎単位地域として設定された。すなわち,昭和45年国勢調査調査区(調査区は,調査員の受持ち区域のことで,1調査区は約50世帯を含み,全国が約8万の調査区に区分されている。)のうち,原則として,人口密度の高い調査区(人口密度1平方キロメートルあたり約4,000人以上の調査区)が市区町村内でたがいに隣接して,人口(昭和45年国勢調査時現在)5,000人以上の地域を構成する場合,この地域を「人口集中地区」とした。
 また,これら人口密度の高い調査区につぎのような調査区が隣接している場合には,人口密度に関係なく,これを人口密度の高い調査区が集まっている地域に含めた。
(1) 広大な工場地域・鉄道用地・港湾施設・飛行場等のある特別調査区および社会施設など特殊な施設のある特別調査区。
(2) 学校・研究所・都市公園・神社・仏閣・運動場等の文教レクリェーション施設,工場・倉庫・事務所・鉄道用地等の産業施設または官公庁・病院・療養所等の公共および社会福祉施設のある地域が,原則として調査区の3分の1以上の面積を占めている調査区。 なお,同一市区町村内に2か所以上の人口集中地区が存在する場合は,人口の多い順に,I,II,III……の符号でそれぞれの人口集中地区を表した。

この頃は、まだ「基本調査区」が導入される前で、一般調査区、特別調査区、水面調査区などの「国勢調査調査区」が基本単位でした。そのため例外(2)では、調査区の3分の1以上の面積が例外施設で占められている調査区がDIDに含まれていましたが、1995年以降の「基本調査区」の設置で基本単位が狭くなり、そのために2分の1に基準がゆるくなったのでしょう。また昭和45年の定義だと皇居は例外(1)に相当する「社会施設など特殊な施設のある特別調査区」となります。現在の定義では例外(1)が残ってるのかは分かりませんが、ウェブ上ではなくて実際に最新の『我が国の人口集中地区』をチェックした方が確実でしょう。

都内であれば、『我が国/わが国の人口集中地区』シリーズは港区にある都立中央図書館で閲覧可能です。ただ書庫内から取り寄せないといけないので、そこよりも東京大学弥生キャンパスの農学生命科学図書館を薦めます。館内の2階には日本帝国統計年鑑の初巻や、一連の国勢調査報告書が揃っており、一度入館すれば煩雑な手続きなしに膨大な数の統計書を閲覧できます。
[80936] 2012年 6月 4日(月)13:59:53【1】YT さん
初期のDIDの定義
[80934] 千本桜 さん

例えば山梨県韮崎市のDID人口は昭和35年に4,070人、昭和40年に3,479人となっています。5,000人以上という規定を大きく下回っています。しかも、35年、40年の2回とも下回っているのは、やっぱり変ですね。昭和40年の調査で規定人口を大きく下回っているDIDとして、山梨県韮崎市3,479人、佐賀県厳木町3,565人、群馬県安中市4,401人、徳島県鴨島町4,490人、富山県福野町4,555人、北海道歌志内市4,593人などがありますが、これもやはり,『人口集中地区の設定に当たって,昭和40年国勢調査人口ではなく,昭和39年10月1日現在の調査区設定時の推定人口を用いたためである。』となるのでしょうか?。

当時の人口集中地区の定義を見る限り、韮崎市のケースなどは、前年度作成の世帯人員概数の算出が妥当で無かったとしか言えないですね。

総理府統計局編『わが国の人口集中地区 : 昭和35年国勢調査による人口集中地区の人口,面積,および地図』(日本統計協会,1961年)によると、

 人口集中地区は,昭和35年国勢調査調査区を基礎単位地域として設定されている。すなわち,昭和35年国勢調査調査区(1調査区は,約50世帯を含み,全国が446,512の調査区に区分されている。)のうち,原則として,人口密度の高い調査区(人口密度1平方キロメートルあたり約4,000人以上の調査区)が市区町村内でたがいに隣接して,昭和34年10月1日現在,人口5,000人以上の地域を構成している場合,これらの調査区の集まりを「人口集中地区」として設定した。

1. 人口集中地区は,昭和34年10月1日現在作成の「昭和35年国勢調査調査区一覧表」の世帯人員概数にもとづいて設定されているので,昭和35年10月1日現在では,設定基準の人口5,000人に達しない人口集中地区が若干ある。


総理府統計局編『わが国の人口集中地区 : 昭和40年国勢調査』(日本統計協会,1966年)によると

 人口集中地区は,昭和40年国勢調査調査区を基礎単位地域として設定された。すなわち,昭和40年国勢調査調査区(1調査区は,約50世帯を含み,全国が約49万の調査区に区分されている。)のうち,原則として,人口密度の高い調査区(人口密度1平方キロメートルあたり約4,000人以上の調査区)が市区町村内でたがいに隣接して,昭和39年10月1日現在,人口5,000人以上の地域を構成している場合,これらの調査区の集まりを「人口集中地区」として設定した。

1. 昭和40年国勢調査の人口集中地区は,昭和39年10月1日現在作成の「昭和40年国勢調査調査区一覧表」の世帯人員概数に基づいて設定されているので,昭和40年10月1日現在では,人口5,000人に満たない人口集中地区が若干ある。

総理府統計局編『わが国の人口集中地区 : 国勢調査報告 昭和45年 別巻』(日本統計協会,1972年)によると

 人口集中地区は,「市区町村の区域内で人口密度の高い調査区がたがいに隣接して,その人口が5,000人以上となる地域」をいう。
 今回の人口集中地区は,昭和45年国勢調査調査区を基礎単位地域として設定された。すなわち,昭和45年国勢調査調査区(調査区は,調査員の受持ち区域のことで,1調査区は約50世帯を含み,全国が約8万の調査区に区分されている。)のうち,原則として,人口密度の高い調査区(人口密度1平方キロメートルあたり約4,000人以上の調査区)が市区町村内でたがいに隣接して,人口(昭和45年国勢調査時現在)5,000人以上の地域を構成する場合,この地域を「人口集中地区」とした。

(2) 昭和40年の人口集中地区は,今回と異なり,昭和39年10月1日現在で作成の「昭和40年国勢調査調査区一覧表」の世帯人員概数に基づいて設定されているので,昭和40年の人口集中地区のなかには,人口5,000人に満たないものもある。

連合集中地区、準人口集中地区の設置も昭和45年の国勢調査からで(連合集中地区人口は昭和35年に遡って昭和45年版に掲載されている)、昭和35年・昭和40年の国勢調査の時と設置基準が少しだけ変わったことになります。

まあそれとは別に、

 また,準人口集中地区の境界を表示した地図は,本報告書には収録されていないが,総理府統計局に保管され,所定の手続きにより,一般の利用に供されている。

こちらの方はもっと楽に閲覧できないのでしょうかね?
[80928] 2012年 6月 2日(土)18:56:38【1】YT さん
DIDの定義 【訂正】
[80922] 白桃 さん

---ここで話を中断してすみませんが、昔の国勢調査資料をみてますと5000人に満たないのに、DIDになっているところがかなりあります。これは今と定義が違っていたのか、それとも準人口集中地区をも含めていたのか、詳しい方、お教えください。----
それはそれとして、不思議だったのは古座町のDIDの在り処です。

今手元に『我が国の人口集中地区』がないので正確な解説は書けませんが、確か当初は速報値だったか住基人口だったかをもとに人口集中地区を設置したため、国勢調査人口が確定した後、DID人口が基準値を下回ってしまう場合があるという註釈があったと思います。

というか、今はこういうサービスもあるんですね。
http://nlftp.mlit.go.jp/ksj/jpgis/datalist/KsjTmplt-A16.html

その昔某所でこういう試算をしたことがありますけど、今ならもっと楽ですね。
http://mimizun.com/log/2ch/geo/1078037542/104-180

【追記】自宅に帰ってからDIDに関する文書を見返したところ、上の暫定人口・住基人口というのは間違いで、以下の理由によるものでした。

『昭和35年国勢調査の人口集中地区の中には,5,000人に満たないものもあるが,これは,人口集中地区の設定に当たって,昭和35年国勢調査人口ではなく,昭和34年10月1日現在の調査区設定時の推定人口を用いたためである。』
[80902] 2012年 5月 27日(日)16:52:12YT さん
細倉マインパーク
[80895] 千本桜 さん [80846] 白桃 さん

DID(人口集中地区)がはじめて登場した1960年(昭和35年)の国勢調査ですが、東北地方のDID人口を見ていてアレっ!と思ったのは、宮城県の鶯沢町(現:栗原市)に6,269人のDID人口が記載されていることです。

自分の母の実家が、その細倉鉱山から山一つ越えたところです。とはいえ、

細倉という名の行政区はありません。したがって、細倉という地名は旧村名、大字名、小字名、行政区名のいずれにも該当しない俗称になりますが、地元の人はどのように地名を使い分けているのか気になります。

うーん、親戚との会話では、なんとなく細倉の町並みを含めて鶯沢を呼んでいたような気がします。細倉鉱山の跡地の一部を慶応大学が買ったので、地元では慶応のキャンパスが出来る!とか喜んでいたのですが、いつまでたっても建物が出来ず、しょんぼりという情況です。

初めて鶯沢町の細倉鉱山へ行ったのは昭和42年か43年のことでした。

自分は生まれてすらない・・・。母の実家に何度か行くきっかけになったのは祖母が数え100歳で亡くなった10年前からで、昔の繁栄については良く知りません。親戚のお産婆さんは、1940年代に忙しい時期には毎日のように鶯沢の方で、新生児を取り上げていたと言いますから、今では考えられない程、人が多かったのでしょう。数年前に車で通った記憶では、細倉一帯には古い看板の小さな商店街の残骸が道沿いに立ち並ぶが、そのほとんどが営業しておらず、かといって残っている家も周囲の米農家のもののため、案外裕福そうに見える、といった印象です。

当時、細倉はDIDを形成しない栗駒町岩ヶ崎の都市機能に依存していました。

現在でも岩ヶ崎があの辺りの中心部を担っていたと思いますが、車があれば20~30分ほどで築館、若柳に出られるんですよね。新幹線のくりこま高原駅には何もなかったのですが、最近になってイオンが出来たため、新しい拠点性が生まれたようです。新幹線の駅を栗原電鉄と交差させるように作っていたら、まだ栗原電鉄が生き残る道もあったでしょうが、5年前には廃線となりました。別に地元の住民はほとんど鉄道を使ってなかったのですが、やっぱり鉄道が無くなると地域も寂しいものになります。さらに4年前の栗駒山直下の地震(実家の隣の家の主人がNHKのニュースに出ていました)では、山塊崩落した地区の傍には戦後満州引揚者の集落があったのですが、ますます人口流出・過疎化に拍車がかかっている状況です。

と言いつつ私の母の実家(私の母もそこで生まれたわけではなく、祖母も亡くなるまで都会で暮らしており、祖父の生まれた家といった方が正確ですが)にも、15年程前から誰も住んでいません。直系の親戚はみんな都会で暮らし、誰も農業をやりたがらないのです。
[80506] 2012年 4月 3日(火)18:45:45YT さん
1965年~2005年の国勢調査人口について
[80492] オーナー グリグリさん

お言葉に甘えてYTさんから人口統計のご提供をいただければと思います。私宛に直接メールでお送りいただければ幸いです。よろしくお願いいたします。>YTさん

すみません。

4月1日の午後10時頃、落書き帳の内容を見た直後に6 MBほどのサイズのファイルを添付したメールを送信しておりますが、届いておりませんか?

サーバー側でスパムメール扱いされているのでしたら、ファイルサイズを小さくして送り直します。
[80489] 2012年 4月 1日(日)14:59:16YT さん
1965~2005年の国調人口
[80487] hmtさん

[80441] hmt
昭和55年(1980)以前の資料については、当時の印刷物を PDF化した文書により提供されています。
[80476] Issie さん
やっと実現していたのですね。そのままではたとえば表計算ソフトの表に取り込むことのできない pdf(というか,画像)ファイル ではあっても。

このようなわけで、1980年以前については、今回の手法が使えません。

実のところ、1965年、1970年、1975年、1980年分に関しては既にエクセルファイルにまとめているので、1965年~2005年までの人口統計はただちに提供できます。

3年前に人口データを一個のエクセルファイルにまとめるという計画を建てた頃、統計局のエクセルファイルからスタートして、1985年から順繰りに時代を遡って人口データを入力していましたが、国勢調査の「町・村」の区分が実際に発足した日付と前後していて間違っているケースが多々あることが判り、各都道府県毎に一気に遡って入力する方式に変更しました。

もっともこういうのは勢いに任せてやった方が良く、当初の予定よりも遅延していますが・・・

二年ほど前に、pdfから画像をOCRで処理して文字・数字を読み取る方法として、幾つかソフトを試しましたが、良質のソフトが見つからず、そちらは断念しています。
[80480] 2012年 4月 1日(日)00:15:12【1】YT さん
明治31年以降の北海道、九州、沖縄県の市町村別人口の変遷
前の投稿[73960]から2年以上空いてしまいましたが、福岡県と佐賀県の市町村別人口の変遷と、2010年国勢調査の結果を加えたエクセルファイルを、以下のサイトにアップしました。これで北海道と九州、沖縄県に関し、明治31年以降の23回分の国勢調査・人口調査、国勢調査以前の5回分の人口静態統計の結果が入っているはずです。

http://touch.moe-lovers.net/up_ssize/download/1333204853.xls/attach

ダウンロードパスは Kyushu です。ファイルサイズは約1MBで、圧縮を掛けていません。

参考資料は[73422]にまとめた通りです。市町村は原則として第1回国勢調査報告書の順に並べております。統計の方は自由に使っていただいて構いませんが、間違いがあっても責任は取れません。また、間違いに気付いた場合は指摘を御願します。

また北海道の戸町役場連合の取り扱いについては[74304]以降進展がなく、資料不足の状況です。

[80479] hmt さん

統計局によるweb上での公開は、すべてが実現したわけでなく、まだ途上であるようです。
例えば、第2回(大正14年)と第3回(昭和5年)報告による市町村別人口を見ることは、まだできません。

大正14年の国勢調査の市町村別人口については以前より近代デジタルライブラリーで閲覧できますが、昭和5年の国勢調査の市町村別人口についても最近近代デジタルライブラリーで閲覧可能となっております。市町村の廢置分合境界變更及名稱變更(自大正十四年十月二日至昭和五年十月一日)もこのように見ることができます。

近代デジタルライブラリーと統計局のデータにより、内地で実施された全ての国勢調査による市町村別人口を閲覧できることになりました。しかしながら戦中・戦後に実施された臨時の人口調査(昭和19年、昭和20年、昭和21年)と昭和23年の常住人口調査についてはまだオンラインのデータが揃っていません。

[76192]でむっくんさんが紹介されたように、昭和20年の人口調査については

S20…昭和二十年人口調査ノ結果ニ拠ル昭和二十年十一月一日現在ノ都道府県郡島嶼市区町村別人口(PDF)

でも閲覧できるようですが。

近代デジタルライブラリーでは、朝鮮・台湾・樺太などの外地、関東州、南洋群島、青島守備軍管轄地区などで日本が実施したセンサス(国勢調査、臨時戸口調査、島勢調査)の一部も閲覧できます。ただ朝鮮で実施された臨時戸口調査の結果や昭和19年に朝鮮・台湾で実施された臨時の人口調査の結果も閲覧できません。

【追記】 本当は3月31日のうちに投稿を済ませたかったのですが・・・
エイプリルフールネタではありません。
[80394] 2012年 3月 12日(月)15:40:14【1】YT さん
アイグロマツ
[80393] 般若堂そんぴん さん

私は生物の専門家でも、農林業を営んでいるわけでもありませんが、アイグロマツはアカマツとクロマツの一代交雑種だけではなく、自然の交雑でも生まれ得る中間雑種だそうで、アカマツとクロマツの割合により様々な中間的な形態をとるそうです。

柴田勝 「組合せ交配による2,3の日本マツ類における稔性差異」 日本林學會誌 52巻 (6号), 178-185頁 (1970年)の要旨によると、
マツ類における交雑育種の研究のため, クロマツ×アカマツと, クロマツ×天然アイグロマツの組合せ交配(13×20)を行なった。その結果, 交配稔性(種子生産力)に関して次のことが明らかになった。(1) 母本, 父本間に顕著な稔性の違いがあり, いわゆる, 一般組合せ能力に差異のあることが認められた。(2) 父本の稔性値と雑種性との間には高い相関が認められたので交配稔性の差異は遺伝子構成の異なる2つの組織, すなわち, 胚組織と雌性配偶体組織との親和性, または交互作用によると, 推定された。(3) 雑種性の指数としては, 解剖学上針葉における2層以上の下表皮厚膜細胞数のほうが, 樹脂道指数(R.D.I.)よりはるかに相関が高かった。(4) 交雑親和性遺伝子を有すると推定された特殊個体DEN S_1が, 20の父本の一つに認められた。これは解剖学上アカマツと分類される個体であるが, その高い稔性から, 交雑親和性遺伝子を有する"潜在的雑種アイグロマツ"と定義できると思われた。

まだ遺伝子レベルの解析が行われていない時代の日本語論文ですが、確かにアカマツとクロマツの一代交雑は色々生殖上問題があったりするようです。一方で執筆者は天然アイグロマツ同士の交配も行っており、天然アイグロマツや潜在的雑種アイグロマツと推定されるアカマツは高い稔性(有性生殖の過程に異常がなく、交配により子孫を作り得ること)を有しているということで、種子ができても何ら問題ありません。
[80385] 2012年 3月 8日(木)04:03:50【3】YT さん
明治5年石高考 続き
[80384]の石高を比較すると、数値的には(1)~(4)のグループと、その他に分類できると思います。

(7) 菊地利夫氏の『新田開発』、『続新田開発』の石高は、様々な本に引用されており、慶長・正保・元禄・天保・明治石高の基本となっていますが、菊地氏が元文献としてあげている東京大学史料編纂所所蔵『正保・元禄・天保・明治村高比較表』には空欄が大量に目立ち、これだけで表を作成することは不可能です。よって菊地利夫氏はさまざまな文献から数字を持ってきていることが伺えるのですが、残念ながら他の引用文献をきっちり明記していません。

(6) 東京大学史料編纂所所蔵『正保・元禄・天保・明治村高比較表』は、奄美群島が大隅国の後ろに、「同属島」として収録されており、薩摩から大隅への移管が決定された明治12年以降に作成された表と推測されます。収録されている明治石高は不完全で、一部明らかに『旧高旧領取調帳』からの掲載が載っています。明治5年石高として引用するのには不適切です。

(5) 『旧高旧領取調帳』はそもそも府藩県三治制以前の旧領との対応の調査がメインです。明治12年前後から各府県が調査結果をまとめたらしいですが、石高もそれぞれの府県の調査次第で地租年次はばらばらです。

残りの(1)~(4)はかなり数字が似ています。

(3) 『明治八年共武政表』は明治5年~明治7年の数字が混在しており、明治5年石高とは限りませんが、大体(1)、(2)、(4)と似ています。郡別石高が利用できます。

(4) 『地理局雑報』の「大日本石高反別古今比較表」は合計と文献の総数が一致しており、また地理局は租税寮の統計を引き継いでいて色々信用できそうですが、筑後と豊後の数字が混同されているなど、間違いがあります。旧国別石高のみで、郡別石高が利用できません。

(2) 『日本地誌提要』は外部に向けて本として発売されたもので、これらの中では一番公的な数字として引用できそうですが、合計と文献値が一致しません。旧国別石高のみで、郡別石高が記載されていません。

(1) 東京大学史料編纂所所蔵『郡村石高帳』は、租税寮が集めた原本に一番近いもので信頼できそうですが、『日本地誌提要』や『地理局雑報』の石高と一部異なります。郡別石高が利用できますが、一部の郡別石高の記述を欠きます(対馬の石高は「麦高」)。あと菊地利夫氏によると

3.正保郷帳に村数が記載されていない国は15か国もあるが、内務省・地誌課の郡村石高帳の末尾に「村数五万五千百八十村」と記してある。

だそうですが、東京大学史料編纂所所蔵『郡村石高帳』にはそのような記述がありません。菊地利夫氏は別の『郡村石高帳』の写本を参考に石高をまとめたのでしょうか?

なぜ明治5年石高にこだわるかというと、菊地利夫氏による明治初期の町村数(6万8858村)の記述の信頼にも直結するからです。地租改正前の町村数に関しては後日改めてまとめます。

【追記:[80384]では郡別石高の記載のある『続・新田開発』(1986年)の旧国別石高を引用しましたが、一般には『新田開発』(1963年)に掲載されている旧国別石高が、様々な本で引用されています。両者では微妙に明治石高が異なります。

『新田開発』(1963年)では、「(1)正保二年、元禄十年、天保元年の統計は「郡村石高帳」(東大史料編纂所)による。(2)明治六年は宮内省租税寮統計による。」と記述しています。ただし東大史料編纂所の『郡村石高帳』は租税寮蔵本の明治石高の写本で、正保・元禄・天保の石高が掲載されているのは『正保・元禄・天保・明治村高比較表』です。

このように菊地氏の本では石高に関する限り、引用の仕方がいい加減で信用できません。】
[80384] 2012年 3月 8日(木)04:03:04【3】YT さん
明治5年石高
正保郷帳の村数・石高をまとめる前に、そもそも明治5年の地租改正前の石高として正しい値は何なのか?という問題に直面しましたので以下旧国別に7つの文献の石高をまとめました。合計は単純に足した数字、総計は文献に記載の数字です。

(1) 東京大学史料編纂所所蔵 『郡村石高帳』
「明治六年六月以租税寮蔵本膀写峻功」との記載があり、石高は明治5年の地租であると推測されます。

(2) 元正院地誌課編 『日本地誌提要』 日報社 (1875年)
「戸数人口共ニ戸籍寮明治六年癸酉ノ表簿ニ据リ、田圃租税ハ其前年ノ数ニ係ル」とあり、石高は明治5年の地租であることがわかります。

(3) 陸軍参謀部編 『共武政表』 青史 (1875年)
石高については何をもとにしたか明記されていません。

(4) 「大日本石高反別古今比較表」 『地理局雑報』 (8号) (1878年)
「石高ハ明治五年郡村地租帳」とあり、石高は明治5年の地租であることがわかります。

(5) 木村礎校訂 『旧高旧領取調帳』 近藤出版社 (1969年~1979年)
旧領毎の旧高を各県にまとめさせたもので、石高は府藩県三治制下の地租もあれば、それ以降のものも混ざっているようです。

(6) 東京大学史料編纂所所蔵 『正保・元禄・天保・明治村高比較表』

(7) 菊地利夫 『続・新田開発―事例編』 古今書院 (1986年)
「この統計の原本は内務省地誌課が正保郷帳・元禄郷帳・天保郷帳と明治六年の郷村石高帳を筆写した記録であり、東京大学史料館に所蔵されているものである。」とあり、一応東京大学史料編纂所所蔵 『正保・元禄・天保・明治村高比較表』をもとにしているはずです。

文献郡村石高帳日本地誌提要共武政表地理局雑報旧高旧領取調帳村高比較表菊地利夫
山城222,368.705170222,368.705170212,368.705630222,368.705170222,222.854730222,265.053730222,265
大和503,686.236760502,686.236760502,686.236760503,686.236760497,405.171330497,404.439530497,404
河内293,118.587200293,118.587200293,145.484200293,118.587200293,308.705200293,308.642200293,208
和泉176,190.776100176,190.776100175,635.166100176,190.776100171,222.653200171,295.214200171,295
摂津416,521.935800416,387.620800416,387.620800416,387.620800416,136.411920416,521
伊賀110,917.966400110,917.966400110,917.966400110,917.966400110,917.966400110,917
伊勢714,376.415000714,376.415000714,376.415000714,376.415000696,928.601200714,376
志摩19,279.20300019,279.20300019,279.20300019,279.20300021,535.23300019,279
尾張764,774.166200764,774.166200764,774.166200764,774.166200764,695.937100764,976.391200764,976
三河472,373.710000472,373.710000472,373.710000472,373.710000472,345.024390472,373.740000472,373
遠江372,546.349010372,546.349010372,546.349010372,486.019010373,182.967650372,878.971100372,878
駿河251,954.164860251,782.795400242,046.455950251,918.964450251,865.541850251,865.541850251,865
甲斐312,185.176850307,584.333490307,584.333490307,584.333490311,502.686690311,502.686690311,502
伊豆84,037.20836083,894.25280083,894.25280083,894.25280084,153.59458082,690.44780082,690
相模289,776.731970289,844.162310289,700.225310289,844.162310290,914.210590290,469.843400290,469
武蔵1,282,000.7709001,282,000.4549301,209,639.0561601,282,000.7709001,273,540.1270101,282,000
安房95,641.42350095,641.42350095,641.42350095,641.42350095,760.30696095,641
上総427,313.770940427,313.770940427,313.770940427,313.770940425,958.033020427,313
下総685,027.998250685,027.998250685,027.998250687,373.860550683,746.122490685,027
常陸921,629.152500921,635.781500921,605.208500912,453.540500921,620.733340921,629
近江857,849.525280857,849.525280857,849.525280857,849.525280858,524.203800857,757.156280857,757
美濃729,654.883650729,654.883650729,654.883650729,654.883650654,657.501060729,831.999650729,831
飛騨57,196.05800057,196.05800057,196.05800057,195.99300057,182.17600057,243.31000057,243
信濃786,950.000980786,411.668380785,717.961980786,411.668380778,219.374100779,462.689600779,462
上野635,851.107340636,116.851340645,883.186840636,116.851340637,017.253830635,766.802340635,766
下野758,648.440710762,851.630820763,103.440620763,103.440620765,997.680318762,523.695690761,523
磐城650,488.882370650,488.882370650,488.882370650,488.882370600,036.141240660,840.157370660,845
岩代760,923.545940760,937.750910760,987.163910760,974.680910745,253.591660750,628.221910750,628
陸前700,649.308000700,649.308000700,649.308000700,649.308000701,507.120000700,368.594000700,360
陸中471,842.912000469,073.737000513,978.982000469,073.737000465,451.122000465,451.122000465,451
陸奥423,000.838000423,100.838000422,259.871000423,100.838000422,139.779000422,139.779000422,139
羽前946,971.305680946,971.304910946,971.305610946,971.305680945,416.861600945,709.286900945,709
羽後568,474.889350568,474.889450568,274.889450568,760.275450560,914.624350568,477.384350568,477
若狭91,767.05810091,767.05810091,767.05810091,767.05810091,767.05810091,767.05810091,767
越前690,243.617750690,249.700400690,243.617750690,243.617750680,924.173550690,243
加賀508,609.127390508,572.547390508,572.547390508,578.372390508,609
能登305,482.643960305,666.036340305,666.036360307,686.221360305,482
越中877,764.107000877,764.107000863,243.885450899,831.939000877,760
越後1,150,567.5234901,150,836.3685801,150,566.1374881,150,836.3285901,150,507.7919501,149,017.3233501,149,017
佐渡135,206.123000135,206.123000135,514.481000135,206.123000132,687.251000135,095.962000135,095
丹波329,465.473860329,465.473860329,440.739460329,465.473460324,465
丹後148,002.130300148,002.130300148,002.130300148,002.130300154,172.669900148,000
但馬148,147.754270148,147.754270148,133.549870148,147.754270148,147
因幡195,632.645000195,632.645000195,632.645000195,632.645000193,334.946000195,632
伯耆251,069.407000251,069.407000251,069.407000251,069.407000245,034.773000251,069
出雲320,709.911000320,709.911000320,709.911000320,709.911000320,709
石見182,136.898500182,136.898500182,136.898500182,136.898500182,136
隠岐12,562.90700012,562.90700012,562.90700012,562.90700012,562
播磨660,557.816260660,557.816250660,557.816260660,557.816260656,119.108400660,557
美作262,333.864000262,333.864000262,333.864000262,333.864000262,156.353000262,333.867000262,333
備前418,964.538000418,964.538000418,964.628000418,964.538000423,190.534000418,964.435000418,960
備中371,355.175800371,355.175800371,355.106800371,355.175800372,534.287400371,441.375800371,441
備後315,876.181550315,876.181550315,876.262550355,704.437100315,511.340650315,511.340550315,511
安芸314,669.487100314,669.487100314,669.487100314,669.487100313,164.685000313,164.685000313,164
周防552,160.215180552,160.215180552,160.216980552,160.215180548,871.447830552,160.215180552,160
長門458,143.489890458,143.489890458,143.489890458,143.489890454,263.019560458,143.489890458,143
紀伊444,283.133350444,283.133350444,283.133350444,283.133350444,047.996710444,165.259450444,165
淡路136,637.981830136,642.763130136,637.981820136,637.981820136,637
阿波310,484.464740310,484.464740310,484.464740310,484.464740306,732.739386316,732.739370306,732
讃岐302,481.216200309,814.753800309,814.753800309,814.753800293,629.620300311,064.753800311,064
伊予443,321.658842475,556.573340443,321.688420443,855.058320434,356.976250442,079.976470442,079
土佐510,572.194700512,698.991000512,698.991000512,698.991000494,091.429000510,572
筑前633,404.635400633,404.635400633,404.635400633,404.635400633,433.649400633,434.649400633,434
筑後536,742.902650536,742.902650536,902.236650459,184.417000536,841.458650536,841.458650536,841
豊前366,948.081380366,948.081380366,948.081380366,948.081380363,350.518280366,948
豊後459,184.417340459,184.417340459,184.417340459,184.417340459,184.461440459,189.417340459,184
肥前685,116.897620685,117.597620669,518.512180685,117.597620680,997.013920691,444.730250691,444
肥後851,237.052910851,237.052910851,237.052910851,237.052910851,219.885650851,237
日向418,142.356650418,142.356650418,142.356650418,142.356650417,393.172000418,142
大隅261,793.742710261,793.742710276,119.478300261,793.742710261,168.372000261,793
薩摩323,483.000000323,483.502510310,627.311860323,483.502510319,146.709000425,833
壱岐32,853.88500032,853.88500032,853.88500032,853.88500035,042.62900035,042.62900035,042
対馬5,818.1160000.0000000.0000000.0000000.000000
琉球94,230.70094094,230.70094094,230.701000123,711
奄美52,793.39202052,793.39202032,828.70000052,793
合計32,335,180.07175232,366,784.81887032,119,461.01075832,296,285.15736029,096,156.38193420,004,826.53639032,439,432
総計32,351,879.64422232,296,285.15736032,439,434
[80377] 2012年 3月 4日(日)17:21:05【2】YT さん
文献毎の元禄・天保の村数・石高の違いの比較
[80371]の註11と註12が判り難いので、各文献毎の元禄・天保の村数・石高の違いを以下にまとめ直しておきます。

旧国文献元禄村数元禄石高天保村数天保石高備考
山城国葛野郡YT集計・大野瑞男7935,224.1118008135,446.999010
山城国葛野郡村高比較表7035,224.1118008135,446.999010元禄村数誤記
山城国YT集計・大野瑞男459224,257.788160477230,131.760865
山城国村高比較表450224,257.788160477230,131.760865元禄村数誤記
相模国淘綾郡YT集計・村高比較表207,830.425100198,110.611560
相模国淘綾郡大野瑞男207,830.425000198,110.611560元禄石高誤記
武蔵国YT集計・村高比較表2,9511,167,862.9833903,0421,281,431.068820
武蔵国大野瑞男2,9511,167,862.9833903,4121,281,431.068820天保村数誤記
磐城国白河郡YT集計20541,959.0200009343,677.955000元禄石高誤記を仮定
磐城国白河郡大野瑞男・村高比較表20541,959.2000009343,677.955000
陸奥国YT集計4,3651,921,934.8874504,5192,874,239.059880元禄村数誤記を仮定
陸奥国大野瑞男・村高比較表4,3631,921,934.8874504,5192,874,239.059880
安房国YT集計・大野瑞男27293,886.21023028095,736.239070
安房国村高比較表22293,886.21023028095,736.239070元禄村数誤記
下総国YT集計・大野瑞男1,486568,331.1137401,623681,062.631660
下総国村高比較表1,186568,331.1137401,623681,062.631660元禄村数誤記
備中国YT集計・大野瑞男468324,455.623000484363,915.614210
備中国村高比較表486324,455.623000484363,915.614210元禄村数誤記
長門国YT集計・大野瑞男173166,623.645000150404,853.333000
長門国村高比較表123166,623.645000150404,853.333000元禄村数誤記
壱岐国YT集計・大野瑞男5018,072.8060005032,742.921000
壱岐国村高比較表5218,072.8060005032,742.921000元禄村数誤記
対馬国YT集計・大野瑞男1240.0000001400.000000
対馬国村高比較表1240.0000001240.000000天保村数誤記
琉球国YT集計・大野瑞男71123,711.81348071123,711.813480
大隅属島村高比較表1932,828.7000001932,828.700000奄美群島を琉球から分離
琉球村高比較表4690,883.1134804690,883.113480村数誤記
松前嶋YT集計・大野瑞男1280.000000
松前嶋村高比較表集計なし
全国総計YT集計63,22825,910,641.41806063,69030,558,917.841139
全国総計大野瑞男63,22625,786,929.60458063,93230,558,917.841139松前嶋・元禄琉球石高除外
全国総計村高比較表62,83125,910,641.41806063,54030,558,917.841139

この他、東京大学史料編纂所所蔵『正保・元禄・天保・明治村高比較表』には郡別石高の誤記等が多数ありますが、国別石高はほぼ大野瑞男「国絵図・郷帳の国郡石高」と同じです。

元禄の国別石高は、『地方凡例録』『竹橋余筆別集』『第2次農務統計表』等にも掲載されています。
[80371] 2012年 3月 4日(日)07:02:40【2】YT さん
元禄郷帳(6)
旧国名郡名元禄村数元禄石高天保村数天保石高
西海道総計7,4683,655,547.3287707,5094,114,612.705576
筑前国総計902606,981.420000901651,782.278440
筑前国遠賀郡9649,283.4936009560,146.856380
筑前国宗像郡6450,511.5530006458,264.704240
筑前国鞍手郡7759,025.6328007761,964.898950
筑前国穂波郡6232,635.9836006238,621.534670
筑前国嘉麻郡6840,914.9619006846,702.663060
筑前国上座郡3821,205.7204003825,971.100000
筑前国下座郡4218,933.6750004221,277.952460
筑前国夜須郡5637,481.4808005640,238.912130
筑前国御笠郡5932,535.2020005937,952.316000
筑前国粕屋郡8452,897.8940008465,150.184100
筑前国席田郡98,719.91000099,924.840070
筑前国那珂郡8134,367.2490008143,851.417640
筑前国早良郡5238,698.2690005246,321.317700
筑前国志摩郡5136,096.1980005148,084.341640
筑前国怡土郡6343,674.1969006347,309.239400
筑前国外新田高50,000.000000
筑後国総計709331,497.769000710375,588.897800
筑後国生葉郡5412,675.8370005414,890.817000
筑後国竹野郡8912,397.8120008914,199.382000
筑後国山本郡3012,804.1020003012,910.215000
筑後国御原郡3520,587.4300003522,409.750000
筑後国御井郡7136,780.4660007139,458.100000
筑後国上妻郡10929,616.46200010934,763.278000
筑後国下妻郡3321,518.2260003321,975.513000
筑後国三潴郡14090,223.688000141102,169.008000
筑後国山門郡8657,371.5440008666,010.654000
筑後国三池郡6237,522.2020006246,802.180800
豊前国総計668273,801.848300677368,913.640500
豊前国企球郡9531,981.1970009548,832.533000
豊前国田川郡6339,573.6970006356,879.086000
豊前国京都郡6622,222.7370006634,271.442000
豊前国仲津郡7427,642.3450007440,773.455000
豊前国築城郡3915,556.7090003922,844.107000
豊前国上毛郡7330,113.2460007340,495.081400
豊前国下毛郡8136,688.1127008147,779.353100
豊前国宇佐郡17770,023.80460018677,038.583000
豊後国総計1,516369,546.7916001,473417,514.227150
豊後国国東郡18454,453.07260018379,407.481900
豊後国速見郡12450,314.12500012054,838.713400
豊後国大分郡23061,871.97900022765,466.122300
豊後国海部郡15448,435.83900015456,685.475970
豊後国大野郡39557,769.00200039559,737.313000
豊後国直入郡25435,879.05100025437,304.699000
豊後国玖珠郡6429,333.4970004831,097.550170
豊後国日田郡11131,490.2260009232,976.871410
肥前国総計1,418572,284.1231001,400706,470.723196
肥前国基肄郡229,122.3400002211,992.375000
肥前国養父郡2310,601.4720002313,204.107000
肥前国三根郡4824,335.4600004825,835.460000
肥前国神崎郡10949,335.27100010952,335.271000
肥前国佐嘉郡172102,779.196000172115,290.067000
肥前国小城郡14446,409.68800014452,409.688000
肥前国松浦郡488131,439.361500486189,934.677696
肥前国杵嶋郡11467,436.36100011485,436.361000
肥前国藤津郡7930,750.0840007935,750.084000
肥前国彼杵郡10740,854.0486009152,988.135500
肥前国高来郡11259,220.84100011271,294.497000
肥後国総計1,124563,857.1780001,116611,920.291100
肥後国天草郡12321,768.9760008824,967.232100
肥後国蘆北郡3017,534.5600003019,218.576000
肥後国球麻郡4522,192.3200007241,816.887000
肥後国八代郡6942,881.9270006944,160.986000
肥後国益城郡287123,433.380000287129,228.847000
肥後国宇土郡4925,709.5850004925,996.826000
肥後国飽田郡9451,033.4820009452,333.379000
肥後国詫摩郡2919,088.2360002920,333.164000
肥後国合志郡6034,691.1800006036,672.280000
肥後国山本郡3317,387.1000003317,708.082000
肥後国玉名郡11073,927.90200011079,038.508000
肥後国山鹿郡4433,116.9680004433,316.519000
肥後国菊池郡6726,463.2600006727,233.981000
肥後国阿蘇郡8454,628.3020008459,895.024000
日向国総計398309,954.528170483340,128.861790
日向国諸県郡175127,218.913320175127,277.596520
日向国宮崎郡2936,533.7235202936,592.398520
日向国那珂郡7878,572.9173307890,835.434330
日向国児湯郡4737,582.8990004842,729.890600
日向国臼杵郡6930,046.07500015342,693.541820
大隅国総計230170,833.451000230170,833.451000
大隅国菱刈郡139,986.856000139,986.856000
大隅国桑原郡3221,824.0430003221,824.043000
大隅国始羅郡3926,643.4620003926,643.462000
大隅国囎唹郡6343,884.4800006343,884.480000
大隅国肝属郡3842,015.9880003842,015.988000
大隅国大隅郡3220,192.3130003220,192.313000
大隅国熊毛郡95,205.71900095,205.719000
大隅国馭謨郡41,080.59000041,080.590000
薩摩国総計258315,005.600120258315,005.600120
薩摩国鹿児島郡2730,339.6942002730,339.694200
薩摩国谿山郡615,047.895500615,047.895500
薩摩国給黎郡610,464.207000610,464.207000
薩摩国揖宿郡716,857.056700716,857.056700
薩摩国頴娃郡715,939.384700715,939.384700
薩摩国河辺郡3535,045.7180003535,045.718000
薩摩国阿多郡2023,570.4705002023,570.470500
薩摩国日置郡4851,648.0439004851,648.043900
薩摩国薩摩郡3342,719.1347503342,719.134750
薩摩国伊佐郡5238,401.3624705238,401.362470
薩摩国出水郡723,735.256000723,735.256000
薩摩国高城郡88,445.99140088,445.991400
薩摩国甑嶋郡22,791.38500022,791.385000
壱岐国総計5018,072.8060005032,742.921000
壱岐国壱岐郡2310,049.4710002317,577.855000
壱岐国石田郡278,023.3350002715,165.066000
対馬国総計1240.0000001400.000000
対馬国上県郡570.000000650.000000
対馬国下県郡670.000000750.000000
琉球国総計71123,711.81348071123,711.813480
琉球国沖縄嶋2762,199.0000002762,199.000000
琉球国計羅摩嶋1203.0000001203.000000
琉球国戸無嶋145.100000145.100000
琉球国久米嶋23,677.70000023,677.700000
琉球国粟嶋1727.4000001727.400000
琉球国伊恵嶋13,643.00000013,643.000000
琉球国伊是那嶋1750.2000001750.200000
琉球国恵平屋嶋1541.6000001541.600000
琉球国喜界嶋56,932.40000056,932.400000
琉球国大嶋710,455.500000710,455.500000
琉球国徳之嶋310,009.700000310,009.700000
琉球国永良部嶋34,158.50000034,158.500000
琉球国与論嶋11,272.60000011,272.600000
琉球国宮古嶋612,458.792420612,458.792420
琉球国八重山嶋116,637.321060116,637.321060

五畿八道郡名元禄村数元禄石高天保村数天保石高
北海道総計1280.000000
松前嶋総計1280.000000

全国郡名元禄村数元禄石高元禄永高天保村数天保石高天保永高
全国総計63,22825,910,641.418060永高1369貫801文63,69030,558,917.841139永高1367貫670文

註8) 大野瑞男「国絵図・郷帳の国郡石高」では、元禄の琉球国の内訳が掲載されていないが、東京大学史料編纂所所蔵『正保・元禄・天保・明治村高比較表』で元禄分も内訳が掲載されており、天保郷帳の記載をそのまま採用した。

註9) 東京大学史料編纂所所蔵『正保・元禄・天保・明治村高比較表』では、喜界嶋
大嶋、徳之嶋、永良部嶋、与論嶋が「大隅属島」と区分されており、本表の作成が明治10年以降であることが伺われる。また沖縄嶋、計羅摩嶋、戸無嶋、久米嶋、粟嶋、伊恵嶋、伊是那嶋、恵平屋嶋を全て合わせて「沖縄嶋」と集計している。

註10) 天保の松前嶋村数総数として、枝村を含む和人居住地の村数128を採用した。史籍研究会 『天保郷帳 2: 附元禄郷帳 (内閣文庫所藏史籍叢刊 56)』 では、ほかに蝦夷人居所402箇所(箱館附場所8箇所、東蝦夷128箇所、西蝦夷195箇所、国後島8箇所、択捉島11箇所、奥尻島・利尻島・礼文島3箇所、樺太49箇所)と他の島25の記載があるが、これらは村数として集計されていない。

 松前東西夲村枝村共
一人居村數    百弐拾八箇村
    内四拾四箇村 枝村

 箱舘附場所之内
一蝦夷人居所   八箇所

 東西蝦夷地
一蝦夷人居所   三百弐拾三箇所

一惣嶋数     三拾壱ヶ所
    但嶋々之内蝦夷人居所 七拾壱ヶ所

区分人居数備考
松前東西本村枝村128枝村44を含む
蝦夷人居所402
 箱館附場所8但し蝦夷人居住の名称が記載されていない
 東西蝦夷地323
  東蝦夷128郷帳から集計
  西蝦夷195郷帳から集計
 嶋々之内71惣嶋数は31ヶ所
  クナシリ嶋8郷帳から集計
  ヱトロフ嶋11郷帳から集計
  大嶋1集計上仮定
  リイシリ1蝦夷人居所壱ヶ所有(名称なし)
  レブンシリ1蝦夷人居所壱ヶ所有(名称なし)
  カラフト嶋49郷帳から集計

大嶋(奥尻島)には「蝦夷人居所壱ヶ所有」等の記述がないが、嶋々の中での蝦夷人居所の集計は70となってしまう。そこで奥尻島の項目に記載されるべき「蝦夷人居所壱ヶ所有」の記述が脱落したと仮定した。

註11) 大野瑞男「国絵図・郷帳の国郡石高」では、元禄村数6万3226・元禄石高2578万6929石6斗0升4合5勺8才と記載されているが、上記表の元禄村数6万3228・元禄石高2591万0641石4斗1升8合0勺6才との差はそれぞれ陸奥国の村数合計不一致+2、琉球の元禄石高12万3711石8斗1升3合4勺8才に相当する。また大野瑞男「国絵図・郷帳の国郡石高」では、天保村数6万3932と記載されているが、上記表の元禄村数6万3690との差は誤集計による武蔵国の村数の差-370と松前嶋の村数+128に相当する。


註12) 東京大学史料編纂所所蔵『正保・元禄・天保・明治村高比較表』では、元禄村数6万2831と記載されているが、上記表の元禄村数6万3228との差は琉球の村数の差+6、山城国葛野郡の村数の差+9、安房国村数総計の差+50、下総国村数総計の差+300、備中国村数総計の差-18、長門国村数総計の差+50、壱岐国村数総計の差-2、陸奥国村数合計不一致+2に相当する。また東京大学史料編纂所所蔵『正保・元禄・天保・明治村高比較表』では、天保村数6万3540と記載されているが、上記表の天保村数6万3690との差は琉球の村数の差+6、対馬国総計の差+16、松前嶋+128に相当する。
[80370] 2012年 3月 4日(日)06:31:45【1】YT さん
元禄郷帳(5)
旧国名郡名元禄村数元禄石高天保村数天保石高
山陽道総計4,7872,376,120.1260004,8133,211,546.810710
播磨国総計1,800568,517.5790001,796651,964.813500
播磨国明石郡14952,401.44600014757,016.077000
播磨国美嚢郡15540,975.39000015744,146.518300
播磨国加古郡9836,894.6710009950,014.762000
播磨国印南郡11435,819.46200011645,658.439700
播磨国加東郡14750,116.50600015155,819.578100
播磨国加西郡12238,085.77200012339,078.271900
播磨国多可郡12433,887.11100012434,140.639000
播磨国神東郡7922,056.5370007928,484.534090
播磨国神西郡6718,164.5240006922,055.429060
播磨国飾東郡7029,861.1180007139,532.590000
播磨国飾西郡7931,563.4420007740,382.596000
播磨国揖東郡13448,490.09600013055,691.947900
播磨国揖西郡10229,658.70300010133,118.687100
播磨国赤穂郡13238,868.03600012544,078.249600
播磨国佐用郡8823,350.3440008724,187.595400
播磨国宍粟郡14038,324.42100014038,558.898350
美作国総計592259,353.701000628262,099.098000
美作国東南条郡1410,654.0130001410,838.443000
美作国東北条郡3215,120.8030003215,411.158000
美作国西北条郡2310,487.7840002310,765.428000
美作国西々条郡5126,335.8440005126,800.651000
美作国大庭郡4720,351.9650004720,836.769000
美作国真嶋郡9532,943.5410009633,194.017000
美作国久米北条郡3328,777.4800005028,870.413000
美作国久米南条郡5422,774.7880006022,982.121000
美作国勝南郡6824,495.7160007024,654.139000
美作国勝北郡5333,965.4220005734,139.459000
美作国英田郡6413,509.2320006413,659.633000
美作国吉野郡5819,937.1130006419,946.867000
備前国総計646289,224.710000673416,581.854000
備前国御野郡6142,707.1900006352,800.666000
備前国津高郡9338,271.1000009347,395.655000
備前国赤坂郡9437,964.0400009444,132.424000
備前国磐梨郡6421,288.7400006427,217.612000
備前国和気郡8620,978.6500008928,713.035000
備前国邑久郡7145,583.9500007869,534.016000
備前国上道郡9653,001.760000108100,072.824000
備前国児嶋郡8129,429.2800008446,715.622000
備中国総計468324,455.623000484363,915.614210
備中国上房郡2722,005.0272002724,720.902500
備中国阿賀郡3332,531.2213003433,161.099400
備中国哲多郡2922,753.5033002922,804.433100
備中国川上郡5325,523.8657005431,213.727000
備中国小田郡7036,497.7560007137,269.410300
備中国後月郡3717,790.2480003618,003.581000
備中国下道郡1713,826.7709001718,973.970200
備中国賀陽郡7645,007.1756007849,346.670410
備中国都宇郡3928,251.4050004335,682.231200
備中国浅口郡4448,981.2398004954,726.799900
備中国窪屋郡4331,287.4102004638,012.789200
備後国総計494295,678.888000494312,054.932000
備後国御調郡5929,269.1040005937,037.740000
備後国世羅郡4929,571.4250004933,193.055000
備後国三谿郡3818,156.2550003819,245.673000
備後国三上郡1812,836.5620001813,654.330000
備後国奴可郡3917,637.2280003919,792.879000
備後国甲怒郡3215,519.2430003215,574.586000
備後国沼隈郡4326,070.2540004326,425.202000
備後国深津郡3225,564.9170003225,652.294000
備後国安那郡2924,658.9530002924,725.729000
備後国品治郡2111,573.5100002111,709.049000
備後国芦田郡2817,453.3350002817,567.020000
備後国神石郡3822,330.4650003822,344.401000
備後国三次郡4323,093.1750004323,093.175000
備後国恵蘇郡2521,944.4620002522,039.799000
安芸国総計436269,478.310000436310,648.489000
安芸国沼田郡3320,822.3380003328,895.157000
安芸国佐伯郡6334,798.0700006339,797.503000
安芸国豊田郡5651,414.8580005657,797.663000
安芸国山県郡6428,518.6690006430,646.105000
安芸国高宮郡3216,193.7960003217,732.512000
安芸国賀茂郡8849,298.8920008856,010.134000
安芸国安芸郡3825,356.6850003835,841.634000
安芸国高田郡6243,075.0020006243,927.781000
周防国総計178202,787.670000152489,428.677000
周防国大嶋郡2713,195.6150002731,870.020000
周防国都濃郡3334,913.9830002593,332.799000
周防国佐波郡2426,791.0140001883,044.548000
周防国玖珂郡4453,532.78100036103,659.279000
周防国吉敷郡2338,635.3460002098,751.511000
周防国熊毛郡2735,718.9310002678,770.520000
長門国総計173166,623.645000150404,853.333000
長門国豊浦郡6645,082.22900065127,286.534000
長門国大津郡1818,214.1370001542,798.047000
長門国美禰郡1831,921.7450001559,959.307000
長門国厚狭郡3332,306.4630003284,785.952000
長門国阿武郡3738,515.0300002288,817.320000
長門国見嶋郡1584.04100011,206.173000

旧国名郡名元禄村数元禄石高天保村数天保石高
南海道総計4,5251,546,000.6775404,4511,889,261.906450
紀伊国総計1,413397,668.0190001,337440,858.377710
紀伊国伊都郡12734,180.58900014737,534.277570
紀伊国那賀郡22984,008.94900024890,741.177040
紀伊国名草郡15081,695.75300015087,979.907000
紀伊国海部郡6321,081.6780005925,750.744800
紀伊国在田郡14642,574.11600013747,308.213000
紀伊国日高郡18344,910.90200014848,671.176200
紀伊国牟婁郡51589,216.032000448102,872.882100
淡路国総計23770,428.10000025197,164.784000
淡路国津名郡12137,207.90000012252,609.821000
淡路国三原郡11633,220.20000012944,554.963000
阿波国総計455193,862.285000455268,894.329000
阿波国三好郡2815,805.7100002820,489.375000
阿波国美馬郡219,950.6790002112,738.871000
阿波国阿波郡327,873.5560003210,704.226000
阿波国板野郡10134,721.69200010152,738.087000
阿波国麻植郡3614,482.3800003515,642.831000
阿波国名西郡3917,211.9260003923,005.650000
阿波国名東郡5225,404.7870005432,998.102000
阿波国勝浦郡3214,188.6210003330,091.430000
阿波国那賀郡8842,182.9310008755,534.426000
阿波国海部郡2612,040.0030002514,951.331000
讃岐国総計385186,394.041000377291,320.256400
讃岐国大内郡3410,200.0000003414,871.661000
讃岐国寒川郡2513,600.0580002621,522.707000
讃岐国三木郡2011,619.4770002017,203.116000
讃岐国山田郡3018,178.2500003028,372.544000
讃岐国香川郡4721,904.7730004737,302.399000
讃岐国阿野郡3517,759.2590003529,495.136000
讃岐国鵜足郡2716,183.6970002729,038.844000
讃岐国那珂郡4119,460.1360004029,032.730900
讃岐国多度郡2114,676.8100002218,984.071000
讃岐国三野郡2819,043.7610002732,401.830000
讃岐国豊田郡4713,859.7660003922,067.593000
讃岐国小豆嶋97,916.25100098,994.386000
讃岐国塩飽嶋181,250.000000181,250.000000
讃岐国直嶋3741.8030003783.238500
伊予国総計959429,163.258540955460,997.639340
伊予国宇摩郡5121,223.1310005122,572.198800
伊予国新居郡5226,083.8770005233,731.476000
伊予国周布郡3721,342.5850003623,054.416000
伊予国桑村郡2713,434.1320002714,634.317000
伊予国越智郡9538,584.0590009246,221.629000
伊予国野間郡3014,989.2250003016,522.458000
伊予国風早郡8417,635.8560008418,417.696000
伊予国和気郡2214,246.1260002216,198.524000
伊予国久米郡3115,790.2570003117,333.347000
伊予国伊予郡3424,011.8670003426,686.227000
伊予国浮穴郡9935,656.6110009937,769.192000
伊予国喜多郡8333,939.7700008334,720.057000
伊予国宇和郡279130,409.808540279130,409.808540
土佐国総計1,076268,484.9740001,076330,026.520000
土佐国安芸郡11022,181.99900011030,056.362000
土佐国香我美郡14739,610.93000014747,268.056000
土佐国長岡郡14736,549.45200014744,910.837000
土佐国土佐郡10320,784.92000010329,250.880000
土佐国吾川郡6921,750.0490006926,222.405000
土佐国高岡郡22057,328.97600022072,984.692000
土佐国幡多郡28070,278.64800028079,333.288000
[80369] 2012年 3月 4日(日)06:26:26YT さん
元禄郷帳(4)
旧国名郡名元禄村数元禄石高天保村数天保石高
北陸道総計8,9123,008,193.6391708,9103,622,488.969650
若狭国総計25588,281.52240025591,018.822200
若狭国大飯郡7419,970.7386007420,320.601600
若狭国遠敷郡12243,030.14980012244,219.201600
若狭国三方郡5925,280.6340005926,479.019000
越前国総計1,541684,271.8096001,533689,304.819870
越前国足羽郡16091,963.62800016092,863.626000
越前国吉田郡13979,289.73840013980,804.032000
越前国丹生郡22987,599.48990022987,973.148800
越前国今立郡20185,667.18500020286,200.011000
越前国南条郡9337,203.2910009235,639.510500
越前国坂井郡350185,485.161000349185,521.392000
越前国大野郡28395,534.80930027697,491.640700
越前国敦賀郡8621,528.5070008622,811.458870
加賀国総計770438,281.770000768483,665.848700
加賀国河北郡17877,939.34000017790,700.563000
加賀国石川郡243177,262.010000235183,508.752000
加賀国能美郡215117,348.830000213131,299.724700
加賀国江沼郡13465,731.59000014378,156.809000
能登国総計681239,208.795400666275,369.990210
能登国羽咋郡19081,788.89800019191,031.531500
能登国鹿嶋郡15374,990.11410015085,955.788910
能登国鳳至郡25654,737.48300025064,961.548500
能登国珠洲郡8227,692.3003007533,421.121300
越中国総計1,441611,000.1000001,376808,008.461820
越中国新川郡511197,612.040000486282,103.413820
越中国婦負郡18664,648.00000018084,671.080000
越中国射水郡240138,183.340000220171,283.951000
越中国砺波郡504210,556.720000490269,950.017000
越後国総計3,964816,775.7307704,0511,142,555.535850
越後国頚城郡1,087206,834.8056701,098224,528.938600
越後国苅羽郡19169,986.95900019075,500.337470
越後国魚沼郡58080,827.973000409100,305.259500
越後国古志郡21745,039.04200026869,545.390100
越後国三嶋郡21463,876.69400022477,727.699030
越後国岩船郡24348,501.17900025060,478.961000
越後国蒲原郡1,432301,709.0781001,612534,468.950150
佐渡国総計260130,373.911000261132,565.491000
佐渡国加茂郡10046,656.55400010047,492.368000
佐渡国雑太郡10062,375.91100010063,226.834000
佐渡国羽茂郡6021,341.4460006121,846.289000

旧国名郡名元禄村数元禄石高天保村数天保石高
山陰道総計4,2201,372,238.9974004,2141,499,296.436760
丹波国総計902293,445.547400880324,136.268670
丹波国桑田郡21450,385.34560021556,805.634000
丹波国船井郡20442,313.44100020353,256.533290
丹波国何鹿郡7741,305.5053007142,361.920400
丹波国天田郡10450,106.53480010450,915.453720
丹波国氷上郡17164,169.94570017368,546.206660
丹波国多紀郡13245,164.77500011452,250.520600
丹後国総計392145,821.182000388147,614.804460
丹後国与佐郡9242,056.6520009242,655.397000
丹後国加佐郡13738,302.58100013738,991.085460
丹後国中郡3321,558.6650003321,738.797000
丹後国熊野郡5318,885.7530005318,979.097000
丹後国竹野郡7725,017.5310007325,250.428000
但馬国総計627130,673.235000623144,313.084030
但馬国朝来郡9020,682.9520009020,739.756000
但馬国養父郡10420,916.71000010023,692.594000
但馬国二方郡547,926.735000549,840.706000
但馬国七味郡596,700.000000738,783.642000
但馬国気多郡8017,940.6470007519,959.944400
但馬国城崎郡7920,370.2080007921,660.814630
但馬国美含郡7411,098.3060007211,628.509000
但馬国出石郡8725,037.6770008028,007.118000
因幡国総計535170,728.289000553177,844.624000
因幡国岩井郡4619,554.3760005020,713.069000
因幡国法美郡6018,806.1880006019,123.253000
因幡国八東郡8523,128.5760008823,244.984000
因幡国八上郡5820,010.1600006020,577.499000
因幡国智頭郡9614,380.0560009814,563.432000
因幡国邑美郡3215,491.0280003516,461.596000
因幡国高草郡7835,553.3080008037,823.506000
因幡国気多郡8023,804.5970008225,337.285000
伯耆国総計710194,416.567000754217,990.822280
伯耆国河村郡10222,727.80500010425,312.890000
伯耆国久米郡11137,829.47100011939,064.655000
伯耆国八橋郡10328,625.19400010731,842.697000
伯耆国汗入郡7424,320.8960007427,062.298060
伯耆国会見郡14954,863.12000017361,940.043000
伯耆国日野郡17126,050.08100017732,768.239220
出雲国総計504282,489.739000504302,627.465000
出雲国嶋根郡5123,120.0340005124,783.438000
出雲国秋鹿郡2010,416.2670002011,308.918000
出雲国楯縫郡2313,172.1370002315,835.685000
出雲国出雲郡1922,142.5040001923,437.342000
出雲国神門郡8559,698.3000008567,525.408000
出雲国飯石郡6130,630.3380006131,395.580000
出雲国仁多郡7221,330.5420007221,557.964000
出雲国大原郡5825,871.4800005826,844.848000
出雲国能義郡7743,274.4840007745,638.197000
出雲国意宇郡3832,833.6530003834,300.085000
石見国総計489142,499.235000451172,209.768320
石見国安濃郡3614,175.6010003014,510.167000
石見国邇摩郡5716,157.4680004616,647.348000
石見国邑知郡11333,889.64000010236,781.165600
石見国那賀郡12036,271.34100011648,549.446720
石見国美濃郡10026,962.3380009633,108.396000
石見国鹿足郡6315,042.8470006122,613.245000
隠岐国総計6112,165.2030006112,559.600000
隠岐国海士郡82,419.63300082,465.515000
隠岐国知夫里郡53,159.64400053,204.464000
隠岐国越智郡162,859.831000162,982.675000
隠岐国周吉郡323,726.095000323,906.946000
[80368] 2012年 3月 4日(日)06:13:10【1】YT さん
元禄郷帳(3)
旧国名郡名元禄村数元禄石高天保村数天保石高
東山道総計14,6246,463,940.15250014,6917,954,049.255308
近江国総計1,516836,829.7207801,516853,095.305590
近江国犬上郡12460,879.83100012461,982.733400
近江国愛知郡11864,319.20860011764,666.171600
近江国神崎郡8347,877.7670008248,303.651000
近江国蒲生郡227136,324.050400228139,585.483400
近江国甲賀郡13775,838.86914013778,128.377110
近江国野洲郡8165,361.0706008166,901.354200
近江国栗太郡11364,573.50700011568,292.251600
近江国滋賀郡8745,314.3672008845,989.544100
近江国高嶋郡15273,468.28560015674,026.516480
近江国伊香郡7136,024.2770007136,248.370800
近江国浅井郡14576,209.87100014276,680.282900
近江国坂田郡17890,638.61624017592,290.569000
美濃国総計1,631645,101.5030001,602699,764.321660
美濃国不破郡4637,893.4100004540,331.586300
美濃国多芸郡6932,369.5390006135,766.985600
美濃国石津郡9126,987.9003009128,571.290300
美濃国安八郡16485,561.57300015293,744.053000
美濃国池田郡6718,577.6270006724,067.901000
美濃国大野郡11949,500.81900011953,522.503190
美濃国本巣郡7234,971.8830007140,176.696800
美濃国席田郡95,579.21400095,755.002900
美濃国方県郡5034,306.7360005035,671.334700
美濃国厚見郡5736,284.5010005841,606.605100
美濃国山県郡5525,614.0580005526,330.754000
美濃国武儀郡14632,485.86400014534,192.459800
美濃国郡上郡16929,933.15010016431,310.303700
美濃国加茂郡12843,500.10060012145,762.914070
美濃国恵那郡7934,307.1500008040,381.050300
美濃国土岐郡5619,625.5410005621,553.070280
美濃国可児郡9632,128.8920009532,578.749260
美濃国各務郡3520,009.5010003720,330.165900
美濃国羽栗郡6521,074.8960006521,773.703460
美濃国中嶋郡3012,694.5360003314,587.327000
美濃国海西郡2811,694.6120002811,749.865000
飛騨国総計41444,469.21900041456,602.309000
飛騨国大野郡13617,166.53500013622,077.814000
飛騨国吉城郡17819,556.99600017824,326.598000
飛騨国益田郡1007,745.68800010010,197.897000
信濃国総計1,697615,818.7375401,615767,788.077600
信濃国佐久郡18677,658.72400018896,780.355100
信濃国諏訪郡14435,019.91490013544,006.476600
信濃国伊那郡298122,687.946940284134,043.131760
信濃国筑摩郡23154,806.43920023382,080.154840
信濃国小県郡12166,143.50600012076,990.992000
信濃国埴科郡3720,780.2140003723,641.649300
信濃国更級郡7845,977.2260007356,610.989700
信濃国安曇郡17938,944.23850018060,123.870900
信濃国水内郡26584,671.523000214108,542.528500
信濃国高井郡15869,129.00500015184,967.928900
上野国総計1,213591,834.4488701,217637,331.633100
上野国邑楽郡8578,956.2270008680,504.195190
上野国新田郡11365,525.33327011467,345.843880
上野国山田郡5836,217.5215006337,049.574050
上野国佐位郡4016,913.5970003621,295.298700
上野国那波郡6027,023.3920005129,853.997170
上野国群馬郡205114,860.111000209120,700.294840
上野国勢多郡17660,519.83100017877,365.379950
上野国利根郡11730,758.97300011730,899.889900
上野国吾妻郡8824,888.8198008825,273.832300
上野国碓氷郡6440,375.8240006841,415.381700
上野国片岡郡34,267.61400034,267.614000
上野国多胡郡2712,289.6998002712,669.119700
上野国緑埜郡4529,136.3595004531,484.950620
上野国甘楽郡13250,101.14600013257,206.261100
下野国総計1,361681,702.8014601,365769,905.027038
下野国河内郡205106,289.230200202110,593.296010
下野国芳賀郡188115,280.724650192133,083.251715
下野国塩谷郡14649,015.09790014455,006.084520
下野国那須郡29997,336.793600298125,398.651200
下野国足利郡4632,149.3305004633,097.686880
下野国簗田郡2814,028.7950002814,158.903933
下野国安蘇郡6462,835.6345006465,725.910510
下野国都賀郡372196,730.720110378223,852.678270
下野国寒川郡138,036.475000138,988.564000
陸奥国総計4,3651,921,934.8874504,5192,874,239.059880
磐城国総計1,326517,082.530950963613,924.675660
磐城国白河郡9341,247.68200010264,170.258000
磐城国石川郡7436,254.8250007648,998.149000
磐城国田村郡15094,130.250350138106,752.851850
磐城国菊多郡9538,245.2356006740,000.479510
磐城国白川郡20541,959.0200009343,677.955000
磐城国磐前郡14949,654.19700010954,816.129300
磐城国磐城郡8430,245.4040004832,041.668000
磐城国楢葉郡9227,425.6540003831,117.724000
磐城国標葉郡7620,224.9040005522,725.790000
磐城国行方郡14447,807.3130009651,141.621000
磐城国宇多郡6927,493.9760004631,918.070000
磐城国宇多郡(1)6022,373.7360003724,898.190000
磐城国宇多郡(2)95,120.24000097,019.880000
磐城国刈田郡3319,991.5600003323,539.230000
磐城国伊具郡3626,534.8100003639,442.940000
磐城国亘理郡2615,867.7000002623,581.810000
岩代国総計1,306641,269.5165001,305755,703.961220
岩代国会津郡28573,389.91800028587,294.666500
岩代国大沼郡15345,658.47620015352,691.176000
岩代国耶麻郡27297,659.420500274122,848.020000
岩代国河沼郡20055,304.00130020074,384.265000
岩代国岩瀬郡7860,430.0485007969,159.628900
岩代国安達郡7371,206.8330007090,795.913030
岩代国安積郡4837,752.9200004754,704.447290
岩代国信夫郡108111,540.283000108114,457.251600
岩代国伊達郡8988,327.6160008989,368.592900
陸前国総計702398,958.830000702697,838.180000
陸前国柴田郡3519,885.6200003530,527.780000
陸前国名取郡6144,514.9400006164,249.900000
陸前国宮城郡7847,578.6300007875,435.820000
陸前国黒川郡4931,311.4100004943,611.090000
陸前国賀美郡3824,779.6500003839,247.460000
陸前国玉造郡2117,723.0700002124,906.980000
陸前国志田郡6429,256.0600006457,195.750000
陸前国遠田郡5831,040.7700005860,747.280000
陸前国栗原郡9281,354.89000092135,970.380000
陸前国登米郡2418,271.0600002440,372.090000
陸前国牡鹿郡605,420.4600006014,927.350000
陸前国桃生郡6519,748.4700006573,441.620000
陸前国本吉郡3315,173.1000003321,682.680000
陸前国気仙郡2412,900.7000002415,522.000000
陸中国総計530228,520.614000537423,134.490000
陸中国磐井郡8659,317.0100008683,017.320000
陸中国胆沢郡3747,582.4500003777,031.250000
陸中国江刺郡4126,627.4000004140,586.650000
陸中国和賀郡4421,885.6600004638,362.692000
陸中国稗貫郡5215,112.2030005242,447.666000
陸中国紫波郡5116,380.0040005147,185.279000
陸中国岩手郡5412,223.4140005535,903.389000
陸中国鹿角郡338,272.3250003318,983.063000
陸中国閉伊郡9113,666.7800009426,725.210000
陸中国九戸郡417,453.3680004212,891.971000
陸奥国総計501136,103.3960001,012383,637.753000
陸奥国二戸郡488,148.3040004813,888.542000
陸奥国三戸郡6718,874.0140006738,575.259000
陸奥国北郡505,983.9280005413,911.722000
陸奥国津軽郡336103,097.150000843317,262.230000
出羽国総計2,4271,126,248.8344002,4431,295,323.521440
羽前国総計1,195733,879.2304001,204804,569.693740
羽前国置賜郡260193,993.534200260216,161.220230
羽前国村山郡422352,513.707200430366,147.135970
羽前国最上郡12851,072.34180012862,387.453800
羽前国田川郡385136,299.647200386159,873.883740
羽後国総計1,232392,369.6040001,239490,753.827700
羽後国飽海郡25462,318.74500026774,428.472400
羽後国秋田郡25364,320.82100028384,719.960000
羽後国川辺郡4816,520.1960005322,083.154000
羽後国雄勝郡8340,891.2450008654,836.706000
羽後国仙北郡16482,030.53300017593,611.794000
羽後国山本郡7020,347.1530007628,453.063000
羽後国平鹿郡9551,195.36000010759,950.292000
羽後国由利郡26554,745.55100019272,670.386300

註5) ※大野瑞男「国絵図・郷帳の国郡石高」では陸奥・出羽の石高は有力大名の知行を元に区切った郷帳毎に集計されているが、判り易いように明治以降の国(磐城・岩代・陸前・陸中・陸後・陸奥・羽前・羽後)で集計した。郷帳別集計は以下の通り。

旧国元禄村数元禄石高天保村数天保石高郡構成
陸奥(1)910272,011.816000912337,218.127500会津,大沼,耶麻,河沼
陸奥(2)516341,022.558850512434,581.248070白河,石川,岩瀬,田村,安達,安積
陸奥(3)905277,935.643600543300,419.556810菊多,白川,磐前,磐城,楢葉,標葉,行方,宇多(1)
277,935.463600(白川郡の石高修正後(註6を参照))
陸奥(4)197199,867.899000197203,825.844500信夫,伊達
陸奥(5)970600,000.000000970992,057.260000刈田,柴田,伊具,宇多(2),亘理,名取,宮城,黒川,賀美,玉造,志田,
遠田,栗原,登米,牡鹿,桃生,本吉,気仙,磐井,胆沢,江刺
陸奥(6)531128,000.000000542288,874.793和賀,稗貫,紫波,岩手,鹿角,閉伊,九戸,二戸,三戸,北
陸奥(7)336103,097.150000843317,262.230000津軽
出羽(1)260193,993.534200260216,161.220230置賜
出羽(2)422352,513.707200430366,147.135970村山
出羽(3)12851,072.34180012862,387.4538最上
出羽(4)639198,618.392200653234,302.256140田川,飽海
出羽(5)978330,050.859000972416,325.355300秋田,川辺,雄勝,仙北,山本,平鹿,由利

註6) 大野瑞男「国絵図・郷帳の国郡石高」によると、
元禄郷帳陸奥の村数は計算によると4,365村と2村多く、石高集計は1,921.935.06745となり0.18多い。郡石高に2升を2斗の誤記があるか。これを除いて計算は全て合う。
該当する郡は磐城国白河郡しかないため、元禄の磐城国白河郡石高を4万1959石2斗から4万1959石2升に修正した。陸奥国村数総数として計算値4365を採用した。

註7) 近世絵図地図資料研究会編『天保郷帳 : 天保五年甲午十二月石高帳』解読篇と史籍研究会 『天保郷帳 1 (内閣文庫所藏史籍叢刊 55)』の比較において、平鹿の村数に関し、集計数と実際に記載されている村の数が一致しないが(記載されている村は109項目で、集計数107よりも2村多い)、集計されている村数の方を採用した。
[80367] 2012年 3月 4日(日)05:54:32【2】YT さん
元禄郷帳(2)
旧国名郡名元禄村数元禄石高元禄永高天保村数天保石高天保永高
東海道総計15,1305,933,115.744030永高1369貫801文15,3236,652,134.556760永高1367貫670文
伊賀国総計182100,540.002000182110,096.536000
伊賀国阿拝郡6939,413.8900006944,046.739000
伊賀国山田郡2516,499.0200002518,112.130000
伊賀国伊賀郡5027,953.1800005030,216.981000
伊賀国名張郡3816,673.9120003817,720.686000
伊勢国総計1,400621,027.4420001,325716,451.492700
伊勢国桑名郡10447,568.50100016965,115.467000
伊勢国員弁郡10847,388.92200010649,923.482000
伊勢国朝明郡6229,404.5880006433,379.119000
伊勢国三重郡9060,712.5020008967,495.527000
伊勢国鈴鹿郡9252,618.3620008866,770.783500
伊勢国河曲郡4232,393.8170003834,225.721000
伊勢国安芸郡6944,212.9830006147,637.997000
伊勢国安濃郡8558,012.4500008561,058.720000
伊勢国一志郡15890,911.429000131109,890.107000
伊勢国飯高郡11446,486.07700011352,486.684500
伊勢国飯野郡4223,405.2540003925,724.922000
伊勢国多気郡17442,396.07300012948,237.689000
伊勢国渡会郡26045,516.48400021354,505.273700
志摩国総計5620,061.6410005621,470.398000
志摩国答志郡3712,130.1440003712,953.658000
志摩国英虞郡197,931.497000198,516.740000
尾張国総計989521,480.5180001,008545,875.793000
尾張国愛知郡12284,471.46500012289,511.329000
尾張国春日井郡181106,046.728000189111,764.184000
尾張国丹羽郡11759,404.17800011859,541.518000
尾張国葉栗郡4113,768.8430004113,905.615000
尾張国中嶋郡16882,312.97000016782,252.940000
尾張国海東郡13882,837.87800013888,891.311000
尾張国海西郡7525,084.8760009128,835.934000
尾張国知多郡14767,553.58000014271,172.962000
三河国総計1,267383,413.4423001,292466,080.746800
三河国額田郡16243,258.32920016851,914.880350
三河国賀茂郡34764,522.71550034766,953.239700
三河国碧海郡12582,402.09710012996,999.709340
三河国幡豆郡13852,453.90800015170,047.589170
三河国宝飯郡10851,463.86120010857,482.798620
三河国設楽郡22827,055.35200022930,083.289080
三河国八名郡6521,549.0253006526,984.123000
三河国渥美郡9440,708.1540009565,615.117540
遠江国総計1,093328,651.4365801,094369,552.575180
遠江国榛原郡13846,517.58450014150,013.144290
遠江国城東郡11561,029.94341010869,036.653990
遠江国佐野郡9426,770.2773009429,157.595630
遠江国山名郡10137,532.61150010839,931.417220
遠江国周知郡9223,108.9840009425,074.530840
遠江国磐田郡11,042.71700011,042.717000
遠江国豊田郡25350,462.04263025954,455.891990
遠江国長上郡12325,721.61700012030,518.565680
遠江国麁玉郡51,400.94500052,491.601290
遠江国敷知郡12841,215.08624012149,063.076640
遠江国浜名郡21,079.95600021,267.403000
遠江国引佐郡4112,769.6720004117,499.977610
駿河国総計795237,937.407280780250,538.753090
駿河国志太郡12550,538.35333012654,391.493390
駿河国益津郡3211,847.7430003212,136.855300
駿河国有渡郡9836,001.8085509936,856.146150
駿河国安倍郡11719,855.47750012220,866.577730
駿河国庵原郡8121,771.7706008222,100.558100
駿河国富士郡16148,257.39130014851,536.759520
駿河国駿東郡18149,664.86300017152,650.362900
甲斐国総計849253,023.271030769312,159.329490
甲斐国山梨郡14669,707.60929014679,515.564200
甲斐国八代郡17961,374.54804018067,867.079490
甲斐国都留郡18819,681.10000010721,568.381500
甲斐国巨摩郡336102,260.013700336143,208.304300
伊豆国総計28583,791.28235028484,171.293620
伊豆国君沢郡6922,793.0349006922,904.626560
伊豆国田方郡7125,765.3910007125,839.911680
伊豆国加茂郡12830,628.87945012730,811.558880
伊豆国那賀郡174,603.977000174,615.196500
伊豆国伊豆国附諸嶋320.000000
相模国総計679258,216.582020永高1348貫801文671286,719.756890永高1346貫670文
相模国三浦郡7622,627.1120007824,501.660860
相模国鎌倉郡8927,645.145600永高1348貫801文8931,007.243250永高1346貫670文
相模国高座郡11847,128.75610011852,288.371000
相模国愛甲郡4720,596.0997504526,334.314820
相模国大住郡12364,424.02307011865,967.408400
相模国淘綾郡207,830.425100198,110.611560
相模国足柄下郡8425,904.4344008330,854.909000
相模国足柄上郡9530,249.6230009435,304.732800
相模国津久井県2711,810.9630002712,350.505200
武蔵国総計2,9511,167,862.9833903,0421,281,431.068820
武蔵国豊嶋郡11744,150.24939011448,850.729390
武蔵国荏原郡9832,086.0953009433,689.395660
武蔵国橘樹郡12451,944.29694012854,460.972600
武蔵国久良岐郡5316,301.8112505417,121.590960
武蔵国都筑郡7522,964.4051807627,625.565900
武蔵国多摩郡374122,142.995490403139,613.056790
武蔵国新座郡3112,247.0602003714,248.759120
武蔵国入間郡24374,599.885600261100,250.571220
武蔵国高麗郡10525,466.94365010527,485.482440
武蔵国秩父郡8229,952.7200008331,478.139900
武蔵国男衾郡358,022.140440369,311.752230
武蔵国大里郡4321,112.0737004623,648.419700
武蔵国比企郡15656,079.42410015861,348.774280
武蔵国横見郡4219,720.8250004520,553.968300
武蔵国足立郡432134,065.882470445149,435.660590
武蔵国葛飾郡269116,788.092920281119,628.871590
武蔵国埼玉郡421266,408.245100427283,630.873110
武蔵国幡羅郡5938,665.8872005939,623.301560
武蔵国榛沢郡8329,040.9679408132,132.306090
武蔵国那賀郡136,588.735900136,941.410100
武蔵国児玉郡6327,265.6106006327,652.553000
武蔵国賀美郡3312,248.6350203312,698.914290
安房国総計27293,886.21023028095,736.239070
安房国長狭郡6222,868.9406306223,000.026730
安房国朝夷郡6122,388.9636006222,660.437190
安房国平郡7325,931.2420007326,207.544350
安房国安房郡7622,697.0640008323,868.230800
上総国総計1,149391,113.9541101,194425,080.453410
上総国天羽郡7624,450.6449007724,527.427950
上総国周淮郡10624,246.17580010926,757.986980
上総国望陀郡19354,087.64276019459,935.734480
上総国市原郡18352,701.93158018456,273.210810
上総国夷隅郡15665,060.07920016969,222.310260
上総国埴生郡4917,092.2586104718,081.662710
上総国長柄郡12455,546.83180015162,613.545830
上総国山辺郡13046,979.42960013453,043.157920
上総国武射郡13250,948.95986012954,625.416470
下総国総計1,486568,331.1137401,623681,062.631660
下総国葛飾郡30997,626.153950340121,576.637030
下総国猿嶋郡6927,591.6940007445,830.467100
下総国結城郡4224,624.0929005135,082.435100
下総国豊田郡7739,303.3832008039,198.679300
下総国岡田郡2816,876.9078003923,003.471030
下総国相馬郡13455,250.71100014264,621.125530
下総国千葉郡12839,139.33608013743,423.836290
下総国印旛郡22261,568.29933026070,037.223250
下総国埴生郡5924,309.3413006325,750.313620
下総国香取郡286127,106.103850297148,245.912450
下総国匝瑳郡6330,167.9451106937,560.160990
下総国海上郡6924,767.1452207126,732.369970
常陸国総計1,677903,778.458000永高21貫000文1,7231,005,707.489030永高21貫000文
常陸国茨城郡303157,751.588000304175,012.579850
常陸国那珂郡143102,969.278000142116,809.580000
常陸国久慈郡170100,869.871000162108,768.322000
常陸国多賀郡8857,288.2900009263,777.313320
常陸国新治郡179104,103.493000179114,881.835710
常陸国真壁郡218125,341.177000永高21貫000文234133,508.768160永高21貫000文
常陸国筑波郡15871,975.94400017480,624.753980
常陸国信太郡8842,114.4040008944,944.276890
常陸国河内郡11754,092.54000013063,528.781810
常陸国行方郡8943,175.4870008954,223.147070
常陸国鹿嶋郡12444,096.38600012849,628.130240

註1) 史籍研究会 『天保郷帳 1 (内閣文庫所藏史籍叢刊 55)』では天保の伊豆国附諸嶋として17村1湊2郷12嶋(無高)の総計32の地名の記載があるが、伊豆国の集計から除外した。

註2) 大野瑞男「国絵図・郷帳の国郡石高」によると
内閣文庫所蔵「元禄郷帳」の相模国石高集計に誤りがあり、郡別石高を計算集計してこの表の同国石高とした。
とあるが、史籍研究会『天保郷帳 2: 附元禄郷帳 (内閣文庫所藏史籍叢刊 56)』では元禄の相模国石高総計を25万8216石5斗8升2合2勺と記載しており、25万8216石5斗8升2合2才よりも0.00018石多い。

註3) 大野瑞男「国絵図・郷帳の国郡石高」では元禄の相模国淘綾郡の石高を7830石4斗2升5合と集計しているが、これでは相模国の合計が一致しないため誤植(1勺が脱落)と判断した。史籍研究会『天保郷帳 2: 附元禄郷帳 (内閣文庫所藏史籍叢刊 56)』の記載に従い相模国淘綾郡の石高として7830石4斗2升5合1勺に修正した。

註4) 大野瑞男「国絵図・郷帳の国郡石高」では、天保の武蔵国村数を3412と集計しているが、誤読・計算間違いと判断した。史籍研究会 『天保郷帳 1 (内閣文庫所藏史籍叢刊 55)』の記載に従い、天保の武蔵国村数として3042を採用した。
[80366] 2012年 3月 4日(日)05:33:21【2】YT さん
元禄郷帳(1)
以前、[76916][76917][76918][76919][76920][76921]にて史籍研究会 『天保郷帳 1 (内閣文庫所藏史籍叢刊 55)』 汲古書院 (1981年)、史籍研究会 『天保郷帳 2: 附元禄郷帳 (内閣文庫所藏史籍叢刊 56)』 汲古書院 (1981年)記載の石高と近世絵図地図資料研究会編 『天保郷帳 : 天保五年甲午十二月石高帳 : 解読篇(近世歴史資料集成第7期第1巻第3分冊)』 霞ケ関出版 (2010年)との村数、石高比較をしましたが、その後、むっくんさんの指摘により、[79622][79623]に示すように、史籍研究会本や国立公文書館のデジタルアーカイブに収録される際、『天保郷帳』の原本の一部が欠けたり別のところに挿入されるなどの問題が発生したことが判りました。

一方それ以前の江戸時代の郷帳である、『正保郷帳』や『元禄郷帳』記載の村数・石高については、例えば農商務省農務局 『第2次農務統計表』 (1881年)の石高があります。本落書き帳でも、過去に[59109]でokiさんがまとめてます。

年号西暦町数村数石高基礎資料
正保21645554595545923292668正保国絵図
元禄101695627916279127095466元禄郷帳
天保11829634726347230553440天保郷帳
明治61873697366973632555897郡村石高帳(宮内省租税寮)
明治6187311942688208076231017135府県概表(東京・有隣堂)
明治81975125936825980852日本全国戸籍表(内務省)
明治191986125375871971256地方行政区画総覧(内務省地理局)

(※この数値は、年次も含めて必ずしも正しいとは限りません。私が現時点で把握している数値というにすぎません。また明治になって町が出現するのは、村高がないため幕府の郷帳に記載されていなかった、城下町等を構成する町々が統計に表われてくるからです。江戸期の郷帳では城下町以外の町(新田、宿、浦など含め)も村の中に入っていますが、明治以降の町(これは町だけ)は、新田等を含む村と別扱いです。)

さて、日本史辞典等に収録されている江戸時代の旧国別石高の引用元として、菊地利夫 『新田開発』 至文堂(1963年)が挙げられ、正保2年、元禄10年、天保元年、明治6年の村数、石高が旧国別にまとめられています。『新田開発』記載の村数、石高は以下の通りで

年号西暦村数石高
正保2年1645年24,553,757
元禄10年1697年63,27625,867,392
天保元年1829年63,54030,558,917
明治6年1873年32,008,292

註によると
註(1)正保二年、元禄十年、天保元年の統計は「郡村石高帳」(東大史料編纂所)による。(2)明治六年は宮内省租税寮統計による。

一方、菊地利夫 『新田開発 : 続 事例編』 古今書院(1986年)では、一歩踏み込んで国郡別村数・石高がまとめられています。註によると

1.郷帳の総石高(村数)
 正保郷帳:2334万2672石(2万2399村・記載数のみ)
 元禄郷帳:2594万5712石(5万8796村)
 天保郷帳:3055万6770石(6万2084村)
 明治郷帳:3243万9434石(6万8858村)
2.正保郷帳に記載がない国高は慶長3年(太閤検地)の石高を参考のため総石高の中にしようした。
 上総国 37万8892石
 陸奥国(磐城・岩代・陸前・陸中・陸奥)167万2806石
3.正保郷帳に村数が記載されていない国は15か国もあるが、内務省・地誌課の郡村石高帳の末尾に「村数五万五千百八十村」と記してある。

そこで東京大学史料編纂所で調べたところ、『正保・元禄・天保・明治村高比較表』、『郡村石高帳』(共に手書き写本)という史料があることがわかり、閲覧しましたが・・、その結果どうやら菊地利夫氏は『正保・元禄・天保・明治村高比較表』や『郡村石高帳』だけで表を作成したわけではなく、他の文献を参考にしつつもそれらの出典を明記せず、斗以下の位を切り捨ててしまっていることが判りました。例えば地租改正直前の明治石高と町村数については、明らかに『郡村石高帳』以外の数字を混ぜています。菊地氏がまとめた石高と、東京大学史料編纂所所蔵の『郡村石高帳』、『正保・元禄・天保・明治村高比較表』は微妙に異なり、東京大学史料編纂所所蔵写本には石高や村数・町数に空欄があります。さらに『日本地誌提要』 (1875年)、『明治八年 共武政表』 (1875年)、木村礎校訂 『旧高旧領取調帳』 近藤出版社 (1969~1979年)に記載されている地租改正前の石高や村数・町数とも全部微妙に異なり、どれを基礎史料にするべきなのか、答えが出ません。

また正保郷帳に関しては、東京大学史料編纂所所蔵『正保・元禄・天保・明治村高比較表』には空欄が多々あります。これに関しては近い将来和泉清司 『近世前期郷村高と領主の国別データ : 正保の郷帳・国絵図の分析を中心に』 岩田書院 (2008年)と菊地利夫 『新田開発 : 続 事例編』、東京大学史料編纂所所蔵『正保・元禄・天保・明治村高比較表』の三点を用いて比較検討しようと思っています。

さて、東京大学史料編纂所所蔵『正保・元禄・天保・明治村高比較表』は元禄村数・石高、天保村数・石高についてはほぼ全て記載しております。表の作成者・作成年は不明ですが、墨の上から何者かによる鉛筆や朱書きによる修正が加えられています。菊地利夫 『新田開発 : 続 事例編』の石高は修正後のものを採用している場合がありますが、この修正はしばしば桁の読み間違い等に起因する計算間違いを堂々としており、最初に写本を作成した人のものがよっぽど信用できます。最後の頁に元禄、天保の総合計がまとまっており

総合計
 元禄
  村 六万弐千八百三拾壱 (横に修正:六万三千弐百七十六)
  高 弐千五百九拾壱万〇六百四拾壱、四壱八〇六 (横に修正:弐千五百八拾七万六千三百九拾弐、八四九弐六)
    永千三百六拾九、八〇壱

 天保
  村 六萬三千五百四拾
  高 三千五拾五万八千九百拾七、八四壱壱三九
    永千三百六拾七、六七

後から再計算をした何者かが修正した数字を書き込んでしまっていますが(元禄村数6万3276は『竹橋余筆別集』巻八「諸国村数書付」の記載を元に修正したと想像されます。なお同じ頁の直後には、江戸時代初期の大藩の人口変遷が記載されていることでも有名な書)、村数はともかくとして、石高の方に関しては修正前の方が原本のものに近いと思われます。

元禄郷帳に関しては大野瑞男 「国絵図・郷帳の国郡石高」 『白山史学』 (23号) 1-50頁 (1984年)という論文の中で国郡別村数・石高をまとめています。以下説明を引用すると:

正保郷帳が残されている国々では郡村別にその石高が判明するが、本稿ではこれを省略し、元禄郷帳高と天保郷帳高を国郡別に末尾に付表として紹介した。前述したように、天保郷帳は内閣文庫に全部残されているので、その石高は容易に知ることができるが、元禄郷帳は内閣文庫に一七カ国分しかなく、全国的にそれを知ることはできない。「六拾余州郡名村数高附記」や国立史料館所蔵「諸国郷帳」には国郡別に高の記載があるが若干の誤りがあり、「地方凡例録」巻之四下「日本国総石之事」は国別の石高が記されるが、これも誤りがある。そこで著者はこれらの史料の国郡別石高を計算等により詳細に検討し、現在一番正しいと思われる数字を付表に記した(28)。

(28) 内閣文庫所蔵「元禄郷帳」の相模国石高集計に誤りがあり、郡別石高を計算集計してこの表の同国石高とした。国立史料館所蔵元禄の「諸国郷帳」は大和を欠くが、郡別石高記載は、河内内交野、摂津兎原、陸奥名取・江刺・津軽、丹後与佐、但馬気多、美作英田、紀伊牟婁の各郡に誤りがあり、備後安那郡の石高記載を欠く。内閣文庫「六拾余州郡名村数高附記」の元禄郡別石高の誤りは、遠江山名・豊田、駿河志太、相模鎌倉・高座・大住・愛甲、武蔵男衾・足立、下総印旛、上野邑楽、出羽村上、丹後与佐・竹野、因幡智頭、伯耆日野、備後御調・沼隈、安芸沼田、豊後日田の各郡、村数の誤りは、山城葛野、河内讃良、相模足柄下、武蔵幡羅、備中国および後月、淡路津名、筑前鞍手、壱岐国の各国郡である。また「竹橋余筆別集」巻八「諸国村数書付」の国別村数は上総・陸奥・出羽・若狭・長門のそれが誤りである。「地方凡例録」の元禄・天保石高合計は天保の末尾九札を省略したのみで正しい。

そこで大野瑞男氏の論文を元に、元禄・天保郷帳記載の国郡別村数・石高をまとめてみました。

旧国名郡名村数元禄石高村数天保石高
畿内総計3,5621,555,484.7526503,6511,615,527.199925
山城国総計459224,257.788160477230,131.760865
山城国葛野郡7935,224.1118008135,446.999010
山城国愛宕郡7427,299.4350108127,333.996955
山城国宇治郡4415,396.5780005115,529.308290
山城国紀伊郡2926,496.6863503427,629.177220
山城国乙訓郡5026,341.7062005226,581.054210
山城国久世郡3926,478.5992004228,551.929260
山城国綴喜郡5230,107.6536005431,554.361100
山城国相楽郡9236,913.0180008237,504.934820
大和国総計1,405500,497.3086801,354501,361.691560
大和国添上郡13060,086.89398011459,131.251960
大和国添下郡6539,176.8090006440,360.993000
大和国平群郡7731,756.9329007632,013.967700
大和国山辺郡14448,825.50900011849,302.054100
大和国宇陀郡11231,442.54300011533,947.189100
大和国式上郡5724,649.1007005624,693.371700
大和国式下郡4027,227.8520004027,183.681000
大和国十市郡7837,392.5696007737,574.865100
大和国広瀬郡3218,580.5910003218,806.474000
大和国葛上郡6228,084.8490006224,562.222000
大和国葛下郡7842,949.9550007842,911.795000
大和国高市郡11141,408.00650011341,740.820900
大和国宇智郡6018,291.0470005918,520.477000
大和国忍海郡195,576.019000195,576.019000
大和国吉野郡34045,048.63100033145,036.510000
河内国総計511276,329.829540545293,786.634500
河内国茨田郡8137,824.1150008138,300.402000
河内国交野郡3922,768.6720003823,678.967800
河内国讃良郡3211,021.2295403415,369.614000
河内国河内郡2615,229.3500002916,077.050000
河内国若江郡5235,482.6420006140,197.137000
河内国高安郡145,705.779000145,983.594000
河内国渋川郡2521,808.4500003123,131.327300
河内国大県郡114,708.446000144,717.102000
河内国志紀郡1913,012.9620002213,516.655300
河内国丹北郡4125,259.5450004323,781.078000
河内国丹南郡4320,103.7160004922,567.589800
河内国八上郡1213,078.6030001213,071.953000
河内国古市郡157,263.449000167,290.764400
河内国安宿部郡42,384.97500052,584.879000
河内国石川郡4824,894.3710004825,167.527000
河内国錦部郡4915,783.5250004818,350.993900
和泉国総計317161,692.126400320172,847.986000
和泉国大鳥郡8346,266.4941008847,880.918200
和泉国泉郡8928,945.3513008931,077.962200
和泉国南郡6933,553.1210006737,289.234600
和泉国日根郡7652,927.1600007656,599.871000
摂津国総計870392,707.699870955417,399.127000
摂津国嶋上郡6132,738.3260006533,358.527600
摂津国嶋下郡9852,680.2942009956,801.122600
摂津国豊嶋郡8830,788.4320009331,754.987800
摂津国能勢郡3612,530.8320003612,663.819000
摂津国有馬郡8944,039.2730009045,863.202400
摂津国八部郡4418,465.6010004519,533.489500
摂津国兎原郡4912,331.6860005113,882.315000
摂津国武庫郡4820,409.8536705023,571.739300
摂津国川辺郡18864,116.69600019366,655.747700
摂津国西成郡8345,785.36400012253,032.160000
摂津国東成郡5735,772.5860006236,632.425000
摂津国住吉郡2923,048.7560004923,649.591100
[80347] 2012年 2月 28日(火)05:25:11YT さん
岩手県下之町村
[80346] 右左府 さん

『花巻市史 近代篇』のご紹介有難うございます。

とりあえず、
[80336]で私が書いた、
以上により、明治11年~明治13年の『共武政表』と明治19年調の『市街名邑及町村二百戸以上戸口表』で「花巻」という名前の下に示される約400戸の輻輳地・市街は、実は町部分(藩政時代の四日町+一日市町)のみではないかと私は考えるに至りました。
は取り消しですね。花巻村と四日町、一日市町が分離していた時代、どうやら花巻村は幕末~明治維新でも十数戸レベルで、事実上無視できるサイズだったようです。

その代わり『都府名邑戸口表』記載の明治17年1月1日調人口は、花巻401戸1868人+北万丁目49戸302人+里川口896戸3679人+南万丁目112戸589人=1458戸6438人に大体対応することが示唆されます。ということは寛政3年(1791年)の町方4595人が三町に対応するとして、寛政4年(1792年)の町方5406人は、三町+里川口村+花巻村+南万丁目村+北万丁目村ぐらいに対応するのでしょう。

なお、近代デジタルライブラリーの『岩手県下之町村』(1925年)では、最初から花巻川口町扱いになっていました。

本村は元里川口と称せり、町村制実施の際南万丁目村並に高木村の内字(中川原の内瀬川筋嘉平治潤より北上川直径の零度以南限り)を併せ花巻川口町と称す。
[80339] 2012年 2月 26日(日)16:48:48【1】YT さん
江戸時代の花巻の人口について
江戸時代の花巻の人口について[80328]で言及した『花巻市史 近世篇二』(1982年)からの引用を紹介します。

『邦内郷村志』によると、花巻三町の人口は、川口町2685人、四日町702人、一日市543人、合計3930人とあります。この他組同心38戸、竈数71家とありますが、これだけでは武家人口は推定できません。

さて、江戸時代の盛岡藩の藩内の人口構成は、『雑書』という盛岡藩藩内史料に詳しく掲載されているそうです。私はその原本を読んだことがありませんが、高橋梵仙の『日本人口史之研究』(1955年)の方に掲載されている数字を多少加工してwikipediaの江戸時代の日本の人口統計の方にまとめました。「多少加工」というのは高橋梵仙氏の表自体に明らかな項目ズレという誤植があったり、男女合計や小計に不一致があったりするからです。本当は原本や、原本から作成した活字本を閲覧出来れば良いのですが。

上記表では「四町」と町人人口を纏めてしまいましたが、雑書原本の天和三年(1683年)の御領分切支丹によると

盛岡御町
一、壱万弐千三百弐十四人 内 男六千七百四十七人 女五千五百十七人
郡山御町
一、弐千百六十七人 内 男 千百三十壱人 女千三十六人
花巻御町
一、四千六百五十四人 内 男 弐千五百十六人 女弐千百三十八人
三戸御町
一、千四百九十壱人 内 男 八百弐十九人 女六百六十二人

という具合に盛岡藩内の四町の人口が紹介されています。ここで『岩手県史』からの記述を引用すると

天和三年(1683年)には花巻の町人が四千六百五十四人とある。その外花巻侍を百五十戸とし、一戸六人とすると九百人、足軽六十戸として三百六十人、合わせて五千九百十四人、その他を加えると六千人前後あったことが推考されよう。

とのことで、花巻城下に暮らす武家、寺社方人口は1400人程度と推定されています。

一方花巻の人口変遷は、高橋梵仙氏からの引用に従うと(天保5年の数字は『岩手県史』から)

元号西暦町方人口元号西暦町方人口元号西暦町方人口元号西暦町方人口
天和3年1683年4,654元文3年1738年6,364宝暦12年1762年4,987天明4年1784年4,517
貞享元年1684年4,611元文4年1739年6,365宝暦13年1763年4,035天明5年1785年4,565
元禄3年1690年4,842元文5年1740年6,268明和元年1764年4,079天明6年1786年4,548
元禄4年1691年4,821寛保元年1741年6,193明和2年1765年4,091天明7年1787年4,585
元禄6年1693年5,025寛保2年1742年5,881明和4年1767年4,353天明8年1788年4,568
元禄7年1694年5,339寛保3年1743年4,757明和5年1768年4,216寛政元年1789年4,598
元禄8年1695年5,417延享2年1745年4,894明和6年1769年4,126寛政2年1790年4,586
元禄9年1696年4,960延享3年1746年4,890明和7年1770年4,119寛政3年1791年4,595
元禄12年1699年5,188延享4年1747年4,780明和8年1771年4,126寛政4年1792年5,406
元禄13年1700年5,187寛延2年1749年4,592安永元年1772年4,152寛政5年1793年5,422
元禄14年1701年5,278寛延3年1750年4,547安永2年1773年4,138寛政6年1794年5,383
正徳元年1711年5,199宝暦元年1751年4,438安永3年1774年4,637寛政7年1795年5,399
正徳2年1712年5,261宝暦2年1752年4,513安永4年1775年4,539寛政8年1796年5,376
正徳3年1713年5,399宝暦3年1753年4,544安永5年1776年4,541寛政10年1798年5,393
享保3年1718年4,974宝暦5年1755年4,563安永6年1777年4,548享和3年1803年5,431
享保5年1720年5,055宝暦6年1756年4,753安永7年1778年4,523天保5年1835年4,622
享保12年1727年4,866宝暦7年1757年4,453安永8年1779年4,552天保10年1839年5,415
享保18年1733年4,857宝暦8年1758年3,691安永9年1780年4,544天保11年1840年5,401
享保19年1734年4,928宝暦9年1759年3,751天明元年1781年4,550
元文元年1736年4,921宝暦10年1760年3,811天明2年1782年4,561
元文2年1737年4,327宝暦11年1761年3,863天明3年1783年4,569

上の数字は近代以前の日本の都市人口統計にも掲載しましたが、男女別人口と合計が合わないところなどは加工しています。『岩手県史』、『花巻市史』にしても『雑書』に当たって数字をまとめていない(高橋梵仙→岩手県史→花巻市史の順に引用している)し、高橋氏自身、数字は知り合いからの紹介として解説しているので、誤植や計算間違いの真相は判りません。

ただ、『雑書』によると寛政年中の花巻の人口は約5400人で、『邦内郷村志』の4000人とは1400人の差があります。『岩手県史』の解説にある武家、寺社方推定人口約1400人がいい感じに当てはまりますが、そもそも『雑書』では武家、寺社方人口を別にカウントしています。『花巻市史』の方では解説していませんが、『雑書』が現住人口ベースの統計であることが関わっているのかも知れませんし、『邦内郷村志』の方が家持ちの人口しかカウントしていないせいなのかも知れません。でも一番ありえそうなのが、町の範囲が異なるせいでしょう。その差は花巻村と川口村(民戸合計21戸)だけでは説明がつかず、南万丁目村、北万丁目村等、かなり広い範囲も花巻に加算されているのでしょう。

『雑書』の人口に計外推定人口1400人(若干多過ぎる気もしますが)を合算することで、花巻の人口を計算さますと、花巻の人口は17世紀末順調に増え、1695年頃の元禄年中に6800人(町方5417人)に達しましたが、その後は人口減少に転じます。1738年~1742年の間は人口が1000人程急増していますが、おそらく町の範囲に変更があっただけと思われます。宝暦の大飢饉後に急激に人口が減少し、宝暦8年(1758年)には約4200人(町方3811人)と人口が底となります。宝暦12年(1762年)の突発的なプラス1000人を無視すると、18世紀末には花巻の人口は約6000人(町方約4600人)で安定しますが、寛政4年(1794年)以降、再び人口がプラス1300人となり、三町の外側まで加えた人口となったのでしょう。以降天保5年(1834年)を除き、三町の外側まで加えた地域が花巻人口として登録されています。『日本地詩提要』や『共武政表』の人口4426人は、天保11年(1840年)の人口5401年からマイナス1000人となっていますが、こちらは三町内だけの人口なのでしょう。

なお注意なければならないのは『雑書』の人口は信頼に欠ける点が残っています。『盛岡市史』の編纂に関わっている森嘉兵衛が指摘したように、宝暦の大飢饉以降、どうも盛岡藩は飢饉による人口減少の責を幕府から問われることを恐れ、人口データを集計段階で捏造したのではないかという疑いを持たれています。歴史人口学者の速水融も「近世日本の人口構造と変動」で指摘しているように、宝暦2年(1752年)以降総人口が約35万人で固定されており、しかも安永6年(1777年)から寛政2年(1790年)の間は1年を除いて性比が112.9に固定されており、「ある意味では、性比まで考慮するかなり高度の人口への知識を持った者の仕業とい言わざるを得ない」というわけです。

実は人口の捏造は盛岡藩だけでなく、長州藩も行っています。延享3年(1750年)の人口を幕府に報告する際、藩主の了解のもと郡レベルで配分して6000人の人口水増しを行ったことが『公儀事諸控』に記述されているそうです。長州藩の場合は藩の控えの人口史料と幕府への報告人口とに差がある年が他にもありますが、盛岡藩ほど極端な異常は見られません。
[80336] 2012年 2月 26日(日)02:13:57【3】YT さん
明治初期の稗貫郡内の市街・町村等の人口変遷、「花巻」も町部のみの可能性
第2回(明治11年、人口は明治12年1月1日調)と第3回(明治12年、人口は明治13年1月1日調)の『共武政表』における稗貫郡内の輻輳地の人口をチェックしました。

せっかくなので明治6年~明治22年の稗貫郡内の市街・町村等の人口変遷としてまとめておきます。

『日本地誌提要』 明治6年1月1日調本籍人口
名邑市坊戸数人口
花巻31,0274,426

『明治八年共武政表』 明治6年1月1日調本籍人口
輻輳地(千人以上)戸数人口
川口町1,0274,426
大迫村2191,100

『明治十一年共武政表』 明治12年1月1日調本籍人口
輻輳地(百人以上)戸数人口
下根子120618326292
里川口8313,4481,7731,675
花巻4011,709894815
八幡132707351356
好地161827425402
大迫3591,723922801

『明治十二年共武政表』 明治13年1月1日調本籍人口
輻輳地(百人以上)戸数人口
大迫駅3001,452766686
好地村内石鳥谷113575285290
八幡村47230117120
花巻駅3811,749901848
里川口村8233,4521,7931,659
下根子村321548173

『明治十三年共武政表』 明治14年1月1日調本籍人口
輻輳地(百人以上)戸数人口
大迫3071,483783700
石鳥谷117549278271
八幡51229103126
花巻3891,590806784
里川口8273,3721,7421,630
下根子1201497871

『都府名邑戸口表』 明治17年1月1日調本籍人口・現住人口 (現住人口は出入寄留者のみを考慮し、逃亡失踪者、陸海軍の兵営艦船に在る者、監獄に在る者、外国行きの者の加除は考慮せず)
都府名邑本籍戸数本籍人口現住戸数現住人口
花巻1,4236,1521,4156,048

『地方行政区画便覧』 明治17年1月1日調本籍人口
戸長役場ノ所在地村数戸数口数村名
大迫村41,3087,418大迫村・亀ヶ森村・内川目村・外川目村
関口村87894,460関口村・八重畑村・滝田村・猪鼻村・五大堂村・
東中島村・新堀村・戸塚村
高木村57664,063高木村・東十二丁目村・矢沢村・高松村・幸田村
好地村96163,712好地村・北寺林村・大瀬川村・八幡村・中寺林村・
大興寺村・富沢村・松林寺村・長谷堂村
湯本村115393,031湯本村・二枚橋村・台村・北湯口村・糖塚村・
大畑村・南寺林村・金矢村・小瀬川村・椚目村・
狼沢村
東宮野目村135963,254東宮野目村・下似内村・北飯豊村・葛村・江曽村・
西中島村・黒沼村・小森林村・田力村・庫理村・
柏葉村・上似内村・西宮野目村
里川口村71,6537,472里川口村・南万丁目村・花巻村・北万丁目村・下根子村・
西十二丁目村・外台村
円万寺村119516,386円万寺村・膝立村・鍋倉村・湯口村・西晴山村・
上根子村・中根子村・下シ沢村・鉛村・豊沢村・
太田村

『市街名邑及町村二百戸以上戸口表』 明治19年12月31日調本籍人口・現住人口 (現住人口は出入寄留者のみを考慮し、逃亡失踪者、陸海軍の兵営艦船に在る者、監獄に在る者、外国行きの者の加除は考慮せず)
市街・町村公称町村数本籍戸数本籍人員現住戸数現住人員
大迫11,8133502911,701
川口16343,0356543,180
花巻13881,8294021,868
里川口17663,5277963,707
亀ヶ森村2531,4612441,443
内川目村4182,7533962,723
外川目村2341,5302131,523
新堀村2241,9273241,902
東十二町目村2121,0672121,067
太田村3382,4853382,454

『法令全書』 明治22年12月31日調現住人口 (現住人口は出入寄留者のみを考慮し、逃亡失踪者、陸海軍の兵営艦船に在る者、監獄に在る者、外国行きの者の加除は考慮せず)
町村名現住人口市町村制施行時の合併
花巻町2,507花巻村・北万丁目村・高木村の一部
里川口町4,619里川口村・南万丁目村・高木村の一部
大迫町1,918大迫村
内川目村2,745内川目村
外川目村1,589外川目村
亀ヶ森村1,437亀ヶ森村
八重畑村2,437八重畑村・関口村・滝田村・猪鼻村・五大堂村・東中島村
新堀村2,223新堀村・戸塚村
矢沢村3,804矢沢村・高松村・幸田村・東十二丁目村・高木村の一部
好地村2,760好地村・北寺林村・大瀬川村・大興寺村・松林寺村・富沢村・長谷堂村
八幡村2,134八幡村・中寺林村・南寺林村・江曽村・西中島村・黒沼村・小森林村
湯本村2,965湯本村・北湯口村・大畑村・二枚橋村・台村・金矢村・小瀬川村・椚ノ目村・狼沢村・糖塚村
宮野目村2,759東宮野目村・西宮野目村・葛村・田力村・庫理村・柏葉村・上似内村・下似内村・北飯豊村
根子村1,539下根子村・西十二丁目村・外台村
湯口村4,453湯口村・円万寺村・鍋倉村・膝立村・西晴山村・上根子村・中根子村・鉛村・下シ沢村・豊沢村
太田村2,629太田村

こうやって並べてみると、藩政時代の花巻三町(河口町・四日町・一日市町)・里川口村・花巻村から、里川口村・花巻村への統合は、明治8年末~明治11年前半頃に行われたと推測されます。また[80328]で、
里川口と花巻の人口は4年後の明治17年1月1日調の『市街名邑及町村二百戸以上戸口表』に比べると共に300人程少なく、つまり明治十年代の里川口・花巻はかなりの人口増加をしていることが明らかです。
などと書いてしまいましたが、明治12年~明治14年の間は花巻周辺の人口はむしろ減っていたようで、明治10年代前半は人口減少、明治10年代後半は人口増加など、人口の流出・流入が劇的に起こっていたようです。戸数の方(もしかしてこの場合は家数?)は大きな変化はありません。

なお明治17年の『都府名邑戸口表』の花巻の本籍人口1423戸6152人は、明治19年調の『市街名邑及町村二百戸以上戸口表』 の里川口766戸3527人+花巻388戸1829人=1154戸5356人と比べても多すぎます。人口だけなら変動の範囲内ですが、戸数が200戸も違います。

以上により、明治11年~明治13年の『共武政表』と明治19年調の『市街名邑及町村二百戸以上戸口表』で「花巻」という名前の下に示される約400戸の輻輳地・市街は、実は町部分(藩政時代の四日町+一日市町)のみではないかと私は考えるに至りました。明治19年の川口634戸3035人+花巻388戸1829人=1022戸4864人は、『日本地誌提要』・『共武政表』の明治6年の花巻/川口町の本籍人口1027戸4426人と(特に戸数が)良く対応しています。このことは同時に[80330]の白桃さんの考えが正解に近いことも示唆しますね。
[80334] 2012年 2月 25日(土)16:50:27YT さん
花巻川口村、里川口村
[80332] htmさん

これまでに言及していなかったのですが、実は「里川口町」が 『花巻市史』【近代篇?】においてどのように記載されているか気になっています。

ズバリお尋ねします。
明治22年の町村制で発足した自治体は、『花巻市史』にも「里川口町」と記されていたのでしょうか?

『花巻市史』を調べる気になったのは、その点も兼ねてでしたが、残念ながら自分がアクセスできる図書館に所蔵されていたのは、熊谷章一著『花巻市史』(1962年~1982年)の内、古代中世篇、近世篇:2、民俗篇、神社篇だけで、近世篇:1と近代篇は所蔵していませんでした。

しかしながら同じ著者熊谷章一による『花巻の歴史』(1958年)と『花巻のあゆみ : 花巻開町三百七十年祭記念』(1962年)の方では、いずれも明治22年の町村制発足の段階で「花巻川口村」が成立したかのように書いており、『花巻の歴史 近代篇』を取り寄せても同じようなことしか書いていないのではないかと予想されます。

一方及川雅義著、及川惇編 の『花巻の歴史 上下巻』(1983年)では、巻末の年表に里川口村の記述がありましたが、大正12年の根子村編入の段階で「里川口村」と記載しており、逆に花巻川口村の存在を無視しています。

戦後刊行された『岩手県史』は既に調べた方がいらっしゃるようですし、調査漏れも限られてしまっているようです。


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