都道府県市区町村
落書き帳

トップ > 落書き帳 >

メンバー紹介

>
Issieさんの記事が10件見つかりました

… スポンサーリンク …


記事番号記事日付記事タイトル・発言者
[80984]2012年6月20日
Issie
[80981]2012年6月19日
Issie
[80925]2012年6月2日
Issie
[80914]2012年5月30日
Issie
[80878]2012年5月20日
Issie
[80559]2012年4月28日
Issie
[80555]2012年4月23日
Issie
[80545]2012年4月21日
Issie
[80538]2012年4月19日
Issie
[80533]2012年4月17日
Issie

[80984] 2012年 6月 20日(水)22:37:32Issie さん
市川市
[80982] 白桃 さん
本八幡あたりの人も、TDRに遊びに行くの、面倒ではないですか?

私は2度ほど市川市民だったことがあって,通っていた高校も本八幡にあったのですが(今は移転しちゃいました),思い出せば 浦安“町” から通ってくる同級生,確かに面倒くさそうでした。東西線で西船橋へ出て,そこから本八幡へ…。ちょっと面倒ですね。
その頃は京葉線はないし,「ねずみの国」などというものは影も形もありませんでした。

職安のある本八幡と年金事務所のある市川、どちらが市の顔???。

電話局と郵便局は両方の中間にあったりしてね,市川と(本)八幡の関係はかなり微妙です。

まずもって、「しもうさなかやま」駅って、てっきり市川市かと思いきや、船橋市なんです。

これは少し前に「分割地名・中山編」で話題になっていましたね。

ちなみに浦安の“旧市街”からなら,本八幡駅南口までバスが走っています。
(旧)江戸川に沿った昔むかしの行徳の街道筋を通る伝統ある路線で,時間はかかるけどそれなりに車窓が楽しいバス旅行愛好者にはお奨めの路線です。
終点の本八幡駅(実は駅から離れています)から市役所まで結構遠いですけどね。
[80981] 2012年 6月 19日(火)23:43:34Issie さん
房総半島横断ならず
[80977] JOUTOU さん
白岡町や大網(白里)町が県庁所在地と隣接していたとは・・・!?。

[80980] N-H さん
ちなみにそのころから大網白里町は千葉市と隣接してましたね。

そうですね。
「違和感」とまでは言いませんが,私はむしろ JOUTOU さんの“違和感”に「おやっ?」と思いました。
私が小学校4年で千葉県の地理を教わった時,すでに千葉市と大網白里町は隣接していましたから。その数年前に間にはさまっていた土気町が千葉市に編入されたせいですね。
ちなみに,この時点では君津市も富津市も成立済み。東京湾の南東岸に沿って千葉市,市原市,君津市,富津市と,(当時としては)サイズの大きい市が並んでいて,県内の市町村区画図がややつまらなくなっていました。もう少し上のお兄さん・お姉さんたちは君津郡にたくさんの町村のある地図で教わったんでしょうけどね。

で,その頃から期待していたのが,千葉市が残り大網白里町と一緒になれば房総半島のくびれたところで半島横断が完成する,つまり兵庫県のミニチュア版ができあがるのにな,ということでした。
でもすでに合併を繰り返して(その当時としては)十分に膨れ上がった千葉市はそれ以上の合併を行わず,そのまま政令指定都市になってしまいました。その後,四街道市との合併話も出たけれど,それもポシャってしまったのは,ここの皆さんにはおなじみの話ですね。
そしてとうとう大網白里町は単独で市になる道を選んだわけで,「半島横断の夢」はひとまず潰えたことになります。
もっとも将来にわたって大網白里“市”が千葉市と合併しないと決まっているわけではないのですが。
[80925] 2012年 6月 2日(土)12:21:28Issie さん
コザ in 紀州
そういえば,沖縄に続き,紀州の「コザ」も自治体名としては消滅していたのでしたね。

[80922] 白桃 さん
古座DIDの怪

DIDのことはよくわからないので,スルー。

余談ですが、古座中学校は隣の古座川町にあり、この辺りなかなかややこしいです

古座中学校 は,1951年の開校当初は当時の(旧)古座町と高池町による“組合立”の中学校として設置されたようですね。1956年にそれぞれの町が合併した結果,(新)古座町と古座川町の組合に引き継がれました。なので,両町の境界付近の古座川町(旧高池町)側に「古座」中学校があるのでしょうね。
2005年に古座町が串本町と合併して,この中学校にかかわる“組合”は解散して古座川町単独の中学校になりましたが,学区はそのまま串本町(旧古座町)の古座地区に及んでいて,ここの子どもたちは従来通り町境を越えて“隣りの町”の中学校に通っているようです。
旧西向町は,1947年に単独で(?)「町立西向中学校」を設置しており,これはそのまま 古座町立 → 串本町立 と移行しているようです。
なお,新制中学校の開設は 西向中学校 がそうであるように1947年ですから,「古座中学校」の場合も1951年の“組合立”による設置以前に,(旧)古座町単独の時期があったと思われます。恐らくは,「古座国民学校(→小学校)」の「高等科」がそのまま新制中学校に移行する形で。

地図の通り古座川を挟んで西側が西向、東側が古座ですが、古座駅や旧古座町役場(現:串本町役場古座分庁舎)は旧)古座ではなく、西向にあったのですね。

紀勢“中”線の古座駅が開設されたのは,当該区間が開通した1936年。この路線の規格(乗ってみると感じることですが,紀勢“本線”を称していてもこの路線の規格はとても低いです)と,それに見合った当時の建設技術では古座川を河口に近い所で渡って古座集落を経由するよりは,今現在のルートを採る方が合理的であるように思われます。なので,駅は“川向う”の(旧)古座町や高池町も照準に入れた西向町の現在地に設置されたのでしょう。

参考までに1920年と1940年の西向町,(旧)古座町,高池町の国勢調査データを比較すると,

1920年1940年
世帯数人口世帯数人口
西向町6713,3857623,682
(旧)古座町7133,2437733,368
高池町5062,3214902,216

少し河口からさかのぼる 高池 がほかの2町からやや引き離されていますが,1920年の段階で既に「町」となっていた(1900年に町制施行)ことを考えると,「双子」というより「三つ子」と考えてもいいかもしれません。
1951年の“昭和の大合併”で 西向町+(旧)古座町+ほか1村 で(新)古座町,高池町+ほか4村 で古座川町となったわけですが,こうなるまでには,ついこないだの“平成の大合併”がそうであったように,あるいはそれ以上の紆余曲折があったと思われます。「古座」という地名をめぐる綱引きも。

恐らくは,「古座」という地名は本来,古座川流域の広い範囲を示す地名であって,その川の河口に“ピンポイントな地名”としての「古座集落」ができたのではないか。あるいは,その逆に河口に立地した古座集落からさかのぼって川全体が「古座川」と呼ばれるようになった,という2方向のシナリオが考えられますが,いずれにしても「古座」の地名が「古座集落」あるいは「(旧)古座町」の独占物でなかったことは確かであろうと思われます。
その表れが,「西向町」に設置された「古座駅」ということであろう,と。
または,(旧)古座町を取り込むことができなかった 高池町ほか4村 が「古座川町」という名前を選んだということにも表れていそうです。
でもモータリゼーション以前の時代,鉄道駅の存在は大きいですね。合併前の旧3町村のうちで一番西の西向に役場が置かれたのも駅のもたらす町勢の差が反映しているようにも思うのですが,実際はどうなのか。
[80914] 2012年 5月 30日(水)21:26:39Issie さん
西関東
[80911] いさ さん
西関東というのも何か聞き慣れない言葉です。

確かに日常会話ではあまり聞かれない呼称ですが,古代史などではよく「西関東」という地域呼称が行われているようです。
東山道(の元になった街道)が碓氷山を下りて関東平野に出てきた辺りの「(上・下)毛野」から「埼玉」にまたがる地域,境界である利根川を中心に現在の群馬・埼玉・栃木3県にまたがる辺りは古墳が多く集中し,関東平野の中でも早くから開発が進んだ地域の1つと考えられていて,この地域を指す呼称として「西関東」というものが行われています。

もう1つ,方言研究の分野でも「西関東方言」という用語があって,この場合はもう少し広くて,関東地方のうち栃木・茨城両県からさらに福島県へと続く地域の“アクセントの無い”方言と東京都心および近郊の「共通語」(標準語)に非常に近い方言とを除いて指すもので,したがって基本的にはアクセントがある千葉県の大部分の(地元民の)方言もこちらに分類されるようです。

今回は山梨と神奈川で西関東ですが

これに千葉県を加えると,衆議院の比例代表選挙ブロックの「南関東」になりますね。
このブロックから千葉県を除けば正しくは「南西関東」ないし「西南関東」となるのでしょうが,ここは大雑把に「西関東」。

結局のところ,たとえば「東関東」や「北関東」のように地域ブロックとして一応の共通認識らしきものがある(埼玉県が北関東に含まれるか否かという〔問題ではなく〕話題がありますが)のに対して,「西関東」にはそのような共通認識が無いから却って必要に応じて自由に使えるのでしょうね。
こうして多くの人が色々な場面で使っていくようになれば,やがて「西関東」にもある種の共通認識ができあがることだろうと思います。
[80878] 2012年 5月 20日(日)12:23:31【2】Issie さん
京葉道路
「ジャンクション」への反応ではありません。

[80875] グリグリ さん
MasAkaさんが例示されている京葉道と館山道の接合点も機能的にはジャンクションであるとするなら

こちらに反応します。
そう。最近,「京葉道」という表現をよく聞くようになりました。
けれども,あの道の名前は「京葉道路」だったと理解しています。「高速自動車国道」ではない“有料の自動車専用道路”。そういう位置づけでの「○○道路」という呼称である,と。
この辺りを通過する「高速自動車国道」は,私が住んでいた頃にはまだ“宮野木ジャンクション”から先しかなかった 東関東自動車道(東関道) ですね。
本質的には“国道14号のバイパス”に過ぎない京葉道路は,私には記憶がないのですが,現在は有料自動車専用道路となっている区間でも船橋以西の地平部分では一般道路との交差も(江戸川区の一般道路区間同様に)あったかのように当時の地図には描かれています。それも含めて,特に幕張以西では明らかに規格の低い道路ですが,それでもこれに接続する「東関道」や「館山道」など本物の高速自動車国道からの“類推”で「京葉道」という呼称が行われるようになってきたのでしょうかね。
習志野市内の埋立地の公団住宅の3階に住んでいた子どもの頃,家の窓から毎日“京葉道路”とその向こうの海を眺めていた自分としては,「京葉道」という呼称には何となく居心地の悪さを感じます。

ところで,

#junctionの語源にはjointが関係しているのかな?

御明察。どちらもラテン語の iungo に由来する単語です。
名詞の joint は 動詞の join の分詞と関係があり,英語の動詞 join は,ラテン語の動詞 iungo(←これは1人称単数形) が古フランス語を介してノルマン・コンクェスト以降,イングランド語(つまり英語)に入ったものです。junction は,iungo のラテン語段階での分詞 iunctum に由来します。
ちなみに,英語の文法用語 conjunction は「接続詞」という意味ですね。

※…あっ,忘れていました。
ラテン語・英語辞典によると iungo に対応する英語は join です。
[80559] 2012年 4月 28日(土)10:12:40Issie さん
お大師様の御利益
[80558] 白桃 さん
武蔵○○が4連続する川崎市の人口は、一時の勢いが無くなったとはいえ順調に増加しております。

数字は見ていないのですが,職業柄,1月・2月の「イベント」(来年から制度が変わって2月だけ)と3月末の新年度開始準備で“あるデータ”を入力するたびに,特に川崎区の大師線沿線の工業地区への人口流入を実感しています。京浜工業地帯衰退の裏返しの現象ですね。
うちの“営業所”の商圏は主に鶴見・神奈川・港北・川崎・幸の2市5区なのですが,同じ住所で最後の3ケタ(時には4ケタ)の番号だけが違う“お客様”が増えていて,その中には昔ここに工場があったよねとか,ここって工場地区の真っただ中じゃん,と思うことがよくあります。
一時,川崎市は勢いを失っていた記憶があるのですが,この勢い,いつまで続くものか。
人口減少の御時勢,「順調な増加」はほかの地域の「順調な過疎」の裏返しでもあります。
[80555] 2012年 4月 23日(月)20:00:15Issie さん
ハチの「武蔵」は死んだのさ
[80553] 白桃 さん
そこからもう少し行くと同名の市が愛知県にあり

ここも読み方が違いますね(たぶん)。
[80545] 2012年 4月 21日(土)13:12:24【2】Issie さん
電子地図の図法
[80540] futsunoおじ さん
「ウォッちず」で見ると北の「宗谷岬」は南の「石垣島」より長さで30%大きく表示されており、計算上もこれに近い値になります。

[80544] グリグリ さん
「スケール・ものさし」は、地図を垂直方向にスクロールすると連動して変化していますね。今まで気付いていませんでした。

なるほど,これは私も気づいていませんでした。
参考までに,今では“旧版”になってしまった「2万5千分1地図情報」を見てみたら,こちらも「100m」スケールの長さが違いますね。つまり,これは“紙の2万5千図”をそのままスキャンして電子化したものではないということです。紙の地形図なら緯度によって100mの長さが違うはずがありません(ここが違ったら,紙地図のお約束の大前提が崩れ去ってしまいます)。
少し意外に感じましたが,考えてみれば当然で,今は地図の作成作業はかなり初めの方から電子化されているでしょうから,電子データ化された地理情報を紙地図の投影法に合わせて出力したものを製版・印刷しているのでしょう。

で,つまり,「ウォッちず」(電子国土基本図)の投影法(図法)は,紙の地形図のそれ(ユニバーサル横メルカトル図法)とは違うということです。
ご承知のように,紙の地形図の場合,どの地図も南北方向の緯度幅,東西方向の経度幅はすべて同じです(例外的に,はみ出るものもある)。だから,緯度が高い「宗谷岬」と緯度が低い「石垣島」とでは地図の“正味部分”の面積が違います。欄外の凡例とともに掲載されている“図の寸法”も,よく見れば上辺と下辺では長さが違う。つまり,地形図の図郭は“長方形”ではなくて“台形”。だから狭い範囲ならともかく,広い範囲にわたって地形図を隙間なく“同一平面”上に敷き詰めることはできないはずです(たぶん)。
それを電子画面上ではやっちゃっているのだから,同じ国土地理院の地図でも電子地図の図法は紙の地図のそれとは違うのでしょうね。

地図の上に緯線・経線が引かれていれば,それを頼りにどのような図法が採用されているかがある程度推測できるのですが,残念ながらそれが記載されていません。でも,恐らくはみなさんがおっしゃる通り,正軸の円筒図法(円筒の中心軸と地球の自転軸の方向が同じ)で投影されているのでしょう。たぶん,地図上すべての位置で緯線と経線が直交している。
けれどもそうすると,長方形に切り取った地図画面の上辺と下辺は緯線,左辺と右辺は経線となり,左辺と右辺の間の経度差は上辺でも下辺でも同じとなる。
しかし,実際は紙の地形図がそうであるように,上辺と下辺の長さ(距離)は違います。それが画面上では同じ長さで表示されているのだから,ここに既に「歪み」が現れています。逆に紙の地図の場合は,上辺・下辺の長さは実際と同じかもしれないけれど,そもそも図郭が“台形”であるということが,「歪み」そのものです。実際の地球上では緯線と経線は必ず直交しますから,図郭は“長方形”でなければなりません。でも,それを実現するのは不可能です。
つまりは,曲面上の情報を平面上に写そうとすれば必ずどこかに歪みが生じるわけで,わずか1枚の地形図や何平方ピクセル(?)かの電子画面上でもそれが既に始まっているのです。

とりあえず,北緯20度から45度の中緯度帯に位置する日本の地図であるなら,まだ我慢できる歪みかもしれません。けれども,高緯度地帯ではどうなんでしょうね。
最初の索引図として世界全体の小縮尺図を使うのならメルカトル図法のような円筒図法でも,とりあえずは構わない。
けれども,大縮尺で各地域の詳細な地図を描くのに,あるいはそれ以上に中程度の縮尺である程度広い範囲の情報を,あくまでも赤道上“だけ”が「正しい」正軸の接円筒図法を高緯度地方に適用し続けるのは,やはり不適切です。Google マップで北極“点”や南極“点”は記載できるのでしょうか。

[80540] futsunoおじ さん
ソフトウエア上で表示する緯度に連動した縮尺補正機能があってもいいと思います。

だから本当は,縮尺の補正だけでなく,緯度帯や縮尺に応じて「適切な」投影法が選ばれる(あるいは“選べる”)システムがあってもいいかなと思います。実際のところ,コンピュータの中では緯度・経度の座標データを一定の計算に従って変換されたディスプレイ画面上の座標にプロットするという作業をしているのでしょうから。

…既に,そういうシステムになっているのかもしれませんが。
[80538] 2012年 4月 19日(木)00:17:12【4】Issie さん
ややこしい図法の話
[80536] グリグリ さん
スケール表示がない理由としては、ネット地図は正距図法ではないからなんですかね。

「縮小された“ものさし”そのもの」という意味での“スケール”は,電子国土基本図でも,たとえば Googleマップ でも画面上に表示はされていますね。けれども,「縮小率」という意味での“スケール”は表示されていません。
これは,使う側の環境によってディスプレー画面やプリンタの解像度が違えば“同じ範囲”を表示したり印刷したりしてもその大きさが違うわけで,「結果物の縮小率=縮尺」を指定することができないせいではないか,と考えているのですが,…違うかな?

以下,たぶん地図投影法に関しては専門の方もいるのではないかと思うし,たとえば「正角割円錐図法」なんて言葉が出てくると私も正直ついていけないのですが,とりあえず高校の「地理」の時間で扱うような範囲内で…。

まず,メルカトル図法は「正距図法」ではありません。
たとえば,メルカトル図法で描かれた長方形の古典的な世界地図を考えましょう。
この地図にも普通,“ものさし”“縮小率”双方の意味での「縮尺」が両方とも記載されています。けれども通常,そのものさしと縮小率の数字が表しているのは“赤道上”のそれです。つまり,長さ4万キロの赤道をどれだけ縮小しているかを表しています。
しかし,地球上にひかれている緯線のうちで長さが4万キロもあるのは赤道=緯度0度線だけです。たとえば,北緯60度線の長さは2万キロしかありません(cos60度 は 0.5 ですね)。けれども地図上の緯線の長さは赤道と同じです。ということは,実際の緯線の長さの2倍に引き伸ばされているわけで,距離が「正しく」表されていません。通常,普通のメルカトル図法の地図で距離が正しく表されているのは赤道上の任意の2地点間だけで,ほかの2地点間の距離を正しく表すことができず,したがって,メルカトル図法は「正距図法」ではないのです。
ではメルカトル図法で何が「正しい」かというと,「角度が正しい“正角図法”」に分類されます。この「角度が正しい」というのをすぐに頭に入るように説明するのはとても難しいので省略して結果だけ言えば,「地球上に同じ大きさの小さな円がたくさんあると仮定した場合、正角図法で投影された地図上でも全ての円がほぼ真円で表される」という地図です。つまり,狭い範囲であれば「形が正しく」描かれる,という性質を持っています。
ところが,普通のメルカトル図法では「赤道上の距離が正しく表される」ように描かれていますから,たとえば日本のように赤道から緯度にして30度も40度も離れている場所では距離や面積の歪(ひず)みが大きくなって正しく表示することができません(上の説明で言えば,“真円”が赤道付近よりも大きくなっている)。
そこで発想を変えて,地球を“横”にして赤道ではなく“特定の経線”上の距離が正しく表されるように描くようにした地図の作り方を「横メルカトル図法」と言います。基準の経線から離れて歪みが大きくなりそうになったら,別の経線を基準にすればいい。そうすれば,全体として歪みの小さい地図を広い範囲にわたって作ることができます。
繰り返しますが,メルカトル図法も横メルカトル図法も「正距図法」ではありませんから,距離も,したがって面積も正しく表すことができません(つまり,「正積図法」でもない)。でも,5万分の1,あるいは20万分の1くらいの縮尺で実際に刊行されている大きさの紙に収められる範囲内なら気になるほどの誤差は生じないので,「形が正しく」表示される(横)メルカトル図法がこの縮尺の地図には採用されています。

ところで,縮尺2万5千分の1でも5万分の1でも「地形図」の四辺のラインは緯線および経線です。作図の便宜上,この線は直線で引かれているようです。この5万分の1地形図を16枚貼り合せて4分の1に縮めたものが「20万分の1地勢図」ですが,この地図では元になった16枚の地形図の境目に黒い細実線が引かれています。そこで地図上の“東西方向”に引かれている線にものさしを当ててみてください。実はこの線が“直線”ではなく,少し湾曲した大きい半径の円周に近い線であることが分かります。
この大きさ(縮尺)になると,(横)メルカトル図法での歪みがそろそろ気になりだすのですね。つまり,メルカトル図法では無理が生じ始める。ついでに言えば,国土地理院が刊行している50万分の1“以下”の縮尺の地図は,使用している紙のサイズ自体がずっと大きいから,なおさら歪みの大きさが気になる。そこで,これらの縮尺の“小さい”地図はメルカトル図法よりも歪みが小さく広い範囲を表すことができる「正角円錐図法」の1つである「正角割円錐図法」が採用されています。
「円錐図法」というのは,“丸い地球”上の情報を紙に写し取るに当たって,その紙を円錐状に丸めてそれを地球にかぶせ,たとえば地球の中心に光源を置いてそれで紙に映った影をなぞって写し取った,と仮定して地図を描く方法です。
ちなみに,メルカトル図法は「円筒図法」。紙を筒状に丸めてそれで地球に巻き,紙に映る影をなぞって地図を描いています。古典的なメルカトル図法の世界地図は,この紙を赤道で地球に接するようにして巻いたもので,だから赤道上の距離(だけ)が正しい。横メルカトル図法は,それが赤道ではなくて“特定の経線”で,というわけです。
円筒図法であるメルカトル図法では,紙が地球表面に接している赤道または特定経線から離れるにしたがってその“紙面”が地球表面から急速に離れていきますから,歪みがだんだん大きくなります。
一方,地球(半面)にすっぽりとかぶさる“円錐”なら,円筒よりは広い範囲で地球表面に密着させることができます。つまり,それだけ歪みが小さい。北極または南極を上にして円錐をかぶせた場合,特に中緯度で円錐面が地球表面に近接するので,中緯度地方について歪みを小さく写し取ることができる。だから日本のような中緯度地域を広く描く場合に,この「円錐図法」が好んで用いられます(たとえば,新聞やテレビの天気図でも使われています)。そのうち,「角度が正しく」表されるように調整したものが「正角円錐図法」です。
この時,円錐を地球表面に密着させて特定の緯線(または地球を周回する線)で接するようにしたものを「接円錐図法」,円錐を地球表面に食い込ませて2本の線で地球表面と交わるようにしたものを「割円錐図法」と呼びます。円錐面と地球表面が近接する範囲が広い「割円錐図法」の方が歪みの小さくなる範囲が広いので,こちらを国土地理院が採用しているのでしょうね。円錐図法について詳しくは こちら をどうぞ。地図投影法一般については こちら地図投影法 のページで詳しく説明されています。

ところでこれは“紙の地図”の話。
ディスプレイ上の電子地図はまた少し違った投影のしかたをしているような気もするのですが,どうなんでしょうね。
[80533] 2012年 4月 17日(火)21:56:48Issie さん
Re:使いづらいよデジタル地図
[80531] グリグリ さん
昨日の東京新聞朝刊のこちら情報部の特集記事のタイトルです。国土地理院の電子国土の国土基本図が使いづらい点を取材したものです。

この東京新聞の記事は“周回遅れ”でしょうかね。
3月28日の朝日新聞(東京本社版夕刊)には,この「使いづらい」という声を受けて問題の送電線や記念碑などの掲載を“復活”させることにした,という記事が載っていました。こちらのブログ では当該記事とそれに関するイギリスやドイツの例について述べてられています。
批判の声の中には「戦時改描」なんて物騒な言葉も出てきているようです。
現に見えているものを載せるのは当然だというのは至極もっともで私も同意見なのですが,東電が協力しない理由が「テロ対策」というのが御時勢ではあるのでしょうね。前シリーズから「ブラタモリ」もモザイク画面が増えました。現地を知っている人にはバレバレのような気もしないでもありませんが。
この話,「軍事情報としての地図」という地図の本質の1つにかかわる話題なのかもしれません。

私はほとんど利用しないのでよくわからないのですが

私もほとんど利用していません。「電子国土」に限らず,googleマップのような民間のものも含めて。
理由はやはり,「使いづらい」からです。
紙の地図とは違って“シームレス”であるというのは,何より電子地図の優れたところです。
けれども如何せん,ディスプレイ画面は狭い。紙地図は多くの場合,折りたたむか丸めなければ持ち歩けない大きさで,にもかかわらず“紙の大きさ”という描写範囲の限界があるのですが,その範囲内において“一覧性”という点で狭いディスプレイ画面に勝ります。
縮尺を小さくすれば狭い画面でも広い範囲が描写できるわけですが,その分,情報が減ってしまいます。
そして,この縮尺が自由に変更できるという点。これも紙地図にはない電子地図の極めて優れた特長ですが,使う場面によってはむしろ致命的な欠陥になる。
つまり,たとえば「4cmで1km」という“縮尺の概念”が通用しないわけで,地図の上で距離や面積を把握することが非常に困難です。
実際の使用場面において,私は「地図は消耗品」と割り切って使用しています。必要のある都度,同じ地図を購入してたくさんの線を描き込み,色を塗りたくり,ハサミで切り刻む。
このような使い方も電子地図では難しそうです。いや,そういう使い方のできるソフトがないわけではないのかもしれませんが,私には紙地図の方が使いやすい。

というわけで,何か「電子国土」じゃなくて電子地図そのものに対する愚痴になってしまいました。
当たり前のことですが,紙地図にも電子地図にもそれぞれ優れた点とそうでない点があって,それが向いている場面と不向きな場面とがあるわけで,要は必要に応じて使い分ければ良い話です。特にほかの電子情報と関連付けて利用する,つまりGISの基盤として電子地図は不可欠なものです。が,とりあえず私の使い方では紙地図の方が使いやすいことが多い…という,それだけのことです。


… スポンサーリンク …


都道府県市区町村
落書き帳

パソコン表示スマホ表示