中池敏之「シダの和名辞典 だれが,いつ,どこで名付け,その意味は」(羊子社出版部,2003)に,硫黄島関連の二つの和名が収録されています(11ページ).
イオウジマ・ハナヤスリ[硫黄島花鑢]Ophioglossum nudicaule
緒方正資が1940年に「植物研究雑誌」第16巻1号で命名。イオウジマは発見地が小笠原諸島の中硫黄島であることに因る。
イオウトウ・リュウビンタイモドキ[硫黄島龍鬢苔擬]
伊藤洋(1969年)の「遺伝」第23巻8号に出ている。イオウトウは発見地が小笠原島の北硫黄島であることに因る。今はリュウビンタイモドキの異名。
因みに,イオウトウリュウビンタイモドキは1937年の原発表(「げんぱつ・おもて」とは読まないように!)では「ひろはりうびんたい」となっています(「龍」を「りう」と記すのは正しい仮名遣いではありません).
【付・解題】
[58903]について,少々補足しておいた方が良いかもしれません.
「日南を去った後,また日南に来てしまった.なんと良いところなのだろう……」
日南市は自然豊かな市であり,そこには世界的な蘚苔類研究所である
服部植物研究所があります.私にとって日南市とは訪れる機会こそないものの,いわば「憧れの地」の一つです.