[78751] 千本桜 さん
(前略)高野山のメインは山頂をもった山々ではなく、それらに囲まれた平坦地形にあるのではないかと感じる私としては、「高野山は山々の総称」という表現に違和感を感じるのです。
“山”という言葉は地形の盛り上がり(山岳)以外にも地域によっては幅広く使われています。樹木の生い茂った場所(つまり“森”)であったり、平地であっても田畑へ農作業に行くことを「山へ行く」という風にいうことを聞いたことがあります。宗教上の修行の場として山岳地帯が選ばれることも多くあり、日本では登山行為が宗教活動として行われてきた経緯もあることから“山”には両方(地形/宗教)の意味を区別する必要もなく近代に至ったものと考えることもできます。
そのような“山”を比べた場合、宗教上の視点では同じようなものであっても、山岳として見ると険しい山・高い山からなだらかな山・低い山まで様々があり、地図上では一方は山岳名となり他方は地名として扱われることもあるのかなと考えます。(ちょっと苦しい説明ですが。なお「都道府県を代表する山」を最初に考えた時点での対象は山岳であって、宗教的なものは意識にありませんでした。)
別の視点では、山の名称を聞いた時に宗教施設を思い浮かべるか、山岳風景を思うかの違いがあります。高野山と吉野山(奈良県)は非常に似通った存在であると思っていますが、この点では高野山は前者、吉野山は桜の山の印象が強いため後者でしょう。都道府県を代表する山としては当然後者であることが有利なはずですが、この場合本質的違いは見えません。
山岳の総称名として高野山を考えた場合は構成する個別の峰としては弁天岳(985m)や高野三山(摩尼山1004m,楊柳山1009m,転軸山910m)を当てはめたくなりますが、地域全体が標高800m以上の高所にあることでそこに立ったら平坦地であっても、山麓から眺めた場合には全体が山として見える可能性があります。(日本のマチュ・ピチュと言ったら言い過ぎでしょうか。)吉野山の場合には宗教施設や居住地域が山上ではなく山腹以下にあるため、この点の印象は異なるでしょう。地名(住所)は「高野町大字高野山」と「吉野町大字吉野山」という具合です。
ということで色々書き並べましたが私自身、高野山というのは選び直してしまった後で微妙なものを感じていましたが、他に選ぶとすると何があるか。それなら吉野山は良いのかという悩みが残ります。となると動かしたくても動かしにくいのが現状でしょうか。(なお私はこれらの地に行ったことがないことをお断りいたします。)