1.
[93748]白桃さん
すみません……前のご指摘の意味を正しく理解できていませんでした。
確かに、何も知らない状態では解けないけどちょっと調べれば解けるというのは、面白い問題とは言えませんね。ただ問題にするのではなく、ちょっと捻るだけで変えることは容易なのに、全く気づいていませんでした。精進します。
【追記】
こまどり姉妹が当時正解市でなかったというのは、消滅市だったこともありますが、そもそも条件に当てはまらなかったという理由もあります。こまどり姉妹は野々市市と同じ型ですが、当時対象となったのは村田英雄や姫路市の型のみだったようなので、こう書きました。
2.
ちょっと気になったことがあったので、調べてみました。令制国のうち、「生まれながらの市or区を経ての市」が無いところについてです。一応リストにしてみました。令制国と言っていますが、そうではない琉球藩・北海道諸国・奥羽七ヶ国を含んでいます。
下の方に中途半端に考察(というか『気づいたこと』)を書いています。
生まれながらの市がある国を左、ない国を右にと分けています。
国名 | 生まれながらの市 | | 国名 | 最初の市 | 市制施行日 |
釧路 | 釧路市 | | 千島 |
石狩 | 旭川市・札幌市 | | 根室 | 根室市 | 1957年8月1日 |
後志 | 小樽市 | | 十勝 | 帯広市 | 1933年4月1日 |
胆振 | 室蘭市 | | 北見 | 北見市 | 1942年6月10日 |
渡島 | 函館市 | | 天塩 | 留萌市 | 1947年10月1日 |
陸奥 | 弘前市 | | 日高 |
陸中 | 盛岡市 | | 磐城 | 平市 | 1937年6月1日 |
陸前 | 仙台市 | | 岩代 | 若松市 | 1899年4月1日 |
羽後 | 秋田市 | | 下野 | 宇都宮市 | 1896年4月1日 |
羽前 | 山形市・米沢市 | | 上野 | 前橋市 | 1892年4月1日 |
常陸 | 水戸市 | | 下総 | 千葉市 | 1921年1月1日 |
武蔵 | 東京市・横浜市 | | 上総 | 木更津市 | 1942年11月3日 |
越後 | 新潟市 | | 安房 | 館山市 | 1939年11月3日 |
越中 | 富山市・高岡市 | | 相模 | 横須賀市 | 1907年2月15日 |
加賀 | 金沢市 | | 佐渡 | 両津市 | 1954年11月3日 |
越前 | 福井市 | | 能登 | 七尾市 | 1939年7月20日 |
甲斐 | 甲府市 | | 若狭 | 小浜市 | 1951年3月30日 |
美濃 | 岐阜市 | | 信濃 | 長野市 | 1897年4月1日 |
駿河 | 静岡市 | | 飛騨 | 高山市 | 1936年11月1日 |
尾張 | 名古屋市 | | 伊豆 | 熱海市 | 1937年4月10日 |
伊勢 | 津市 | | 遠江 | 浜松市 | 1911年7月1日 |
山城 | 京都市 | | 三河 | 豊橋市 | 1906年8月1日 |
和泉 | 堺市 | | 志摩 | 鳥羽市 | 1954年11月1日 |
摂津 | 大阪市・神戸市 | | 伊賀 | 上野市 | 1941年9月10日 |
播磨 | 姫路市 | | 近江 | 大津市 | 1898年10月1日 |
紀伊 | 和歌山市 | | 丹波 | 福知山市 | 1937年4月1日 |
因幡 | 鳥取市 | | 丹後 | 舞鶴市・東舞鶴市 | 1938年8月1日 |
出雲 | 松江市 | | 河内 | 布施市 | 1937年4月1日 |
備前 | 岡山市 | | 但馬 | 豊岡市 | 1950年4月1日 |
安芸 | 広島市 | | 淡路 | 洲本市 | 1940年2月11日 |
長門 | 赤間関市 | | 大和 | 奈良市 | 1898年2月1日 |
阿波 | 徳島市 | | 伯耆 | 米子市 | 1927年4月1日 |
讃岐 | 高松市 | | 隠岐 |
伊予 | 松江市 | | 石見 | 浜田市 | 1940年11月3日 |
土佐 | 高知市 | | 美作 | 津山市 | 1929年2月11日 |
筑前 | 福岡市 | | 備中 | 倉敷市 | 1928年4月1日 |
筑後 | 久留米市 | | 備後 | 尾道市 | 1898年4月1日 |
肥前 | 佐賀市・長崎市 | | 周防 | 山口市 | 1929年4月10日 |
肥後 | 熊本市 | | 豊前 | 門司市 | 1899年4月1日 |
薩摩 | 鹿児島市 | | 豊後 | 大分市 | 1911年4月1日 |
琉球 | 那覇市・首里市 | | 壱岐 | 壱岐市 | 2004年3月1日 |
| | | 対馬 | 対馬市 | 2004年3月1日 |
| | | 日向 | 宮崎市・都城市 | 1924年4月1日 |
| | | 大隅 | 鹿屋市 | 1941年5月27日 |
この表には県庁所在地のうち福島市・浦和市が現れませんが、それぞれ旧国内で2番目以降に市制施行したためです。
福島市は若松市に次ぐ岩代国2番目の市です。
浦和市は横浜市・東京市・八王子市・川越市・川崎市・熊谷市・川口市に次ぐ武蔵国8番目の市です。
ほかにもこの中で「旧国の中心都市」とは言えない市があります。(門司市、尾道市、布施市など)
対馬国・壱岐国では、平成の大合併で全町合併によって市制を遂げました。
日高国や隠岐国の地域では市が生まれていませんが、今後市の成立はあり得るのでしょうか?
日高国の町の人口の総計は67893人、隠岐国の町村の人口の総計は20393人。
合併直後の対馬市の人口は39978人、壱岐市の人口は32616人。
この時点で隠岐国の市制施行は無理です。
また、これだけ見ると日高の市制施行は簡単に見えますが、面積がネックとなります。
対馬市の面積が708.65平方キロメートルであるのに対し、日高の面積が4811.13平方キロメートルです。
現在最大の高山市と比べても2倍以上あります。都道府県でいうと、和歌山県と同じくらい。
人口と面積だけを考えても、市になるのは現実的ではないことがわかります。