[40120] 2005年 4月 20日(水)18:16:39 | がんす横丁まま さん |
広島弁「たちまち」について |
40114 愛比売命さんご指摘の広島弁「たちまち」について私の見解です。
「たちまち、間におうとるけん」(今のところ、間に合ってるから)
「たちまちは、いらんけん、買わんかった」(今すぐには要らないから、買わなかった)
などと使う「たちまち」ですが、ご指摘の通り、共通語で「たちまち」は、「たちまち売り切れてしまった」のように、「またたくまに」の意味や「空が曇ると、たちまち大雨が・・」のように「急に、にわかに」の意味があるようです。しかし、古語辞典を引くともうひとつ「現に、ただ今」という意味があり、「今昔物語」の例が挙げられています。広島弁の「たちまち」は、こちらの「現に、ただ今」の意味で使われてきたものが残って使われているのではないでしょうか。広島弁は、不思議と古語が多く残されている方言だと思っています。古語辞典は、旺文社、角川書店、その他です。
他府県でも、広島弁の「たちまち」の意味で使われているところが、あるのでしょうか。もう一つ、共通語と真反対の意味で使われている広島弁に「満てる」があります。これも「満つ」ですから、いっぱいになる意味ですのに、広島弁の「みてる」は「空っぽになる」ことです。これも、古語に「満杯になる」意味の他に「ある一定の期間が終わる、期限がくる」意味がありますので、これも古語の名残でしょうか。広島弁は案外「そんぴんたかり」なのかも知れませんね。