[22060]軒下提灯 さん
石川県小松市に観音下と書いて「かながそ」と読む集落があります。
たぶん、先に「かながそ」という音があって、それに観音下の文字を当てたのでしょう。
この「かながそ」の意味を知りたいのですが、どなたか御存知の方、いらっしゃいませんでしょうか。
まず、わたしの想像の産物であることを前提に。
土地の高低差のあるところで、ランドマークの上または下にあたる地名に「○○上」「○○下」とついているところは多いですよね。「観音下」もまさにその例になるのかと思います。そこで「下」に着目してみました。「下」の意味または読みを探していたところ、秩父の方言に「すそ=下の方」というのを見つけました。「すそ」は「裾」の意になるんでしょうが、「山裾」も山の下のあたりを指す言葉のとおり、あながち「下」という意味に間違いはなさそうです。「観音下」は石川県小松市の地名なので、秩父の例がそのままあてはまるかどうかといわれれば疑問符ですが、ここは仮定として「裾=下」とします。次に「かながそ」の「が」ですが、こちらも調べてみたところ「~の(所有)」を意味する助詞として日本でも比較的広く分布する用法だとわかりました。「オラが村」「誰が為に(たがために)」などなど、挙げていけばいくらでもといった感じですね。
さて、この2点の仮定を踏まえた上で「かながそ」ですが、「かんのんがすそ」が訛って短くなったもの、という説はいかがでしょうか?「かながそ」の「な」ですが、「んのん」部分には子音「n」の成分がありまして、単語が短くなる過程で1音に集約されたとし、更に母音は「が」にひっぱられて「o」から「a」に転化したのではないでしょうか。
あぁ、もっともらしく作り上げてしまいました。難読地名の大概は音が短くなったか、当て字かのどちらかですから、音に注目して考えたまでですが、正直言いますと、石川県の地名としての根拠はないです。あくまで傾向情報ですが、なにかしら参考になればと。